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IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)-

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WG3 基礎知識編

2015年10月16日版

ガイドブック 〜 基礎知識編 〜

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INDEX INDEXと本ガイドブックの見方 序章 気候変動の緩和へのアプローチ 温室効果ガス排出量の現状 緩和の長期的経路 分野横断的な緩和策 エネルギー供給に関する緩和策 2 3 6 7 10 11 4 5 8 9 12 13 1 輸送に関する緩和策 建築に関する緩和策 産業に関する緩和策 農林業・土地利用に関する緩和策 人間居住・インフラ・空間計画に関する緩和策 緩和政策と国際協力 ガイドブックの見方 各ページの内容について、該当するものに印が ついています。 また、必要に応じて解説やポイント、 図の見方などを記載しています。 AR5 : AR5で示された内容 Q&A : 伝える場で出そうな質問と答え 関連情報 : 内容に関連する事項 INDEXと本ガイドブックの見方 P01 P02 P10 P12 P19 P35 P40 P49 P54 P60 P64 P68 P72 AR5 Q&A 関連情報 ■世界の部門別GHG排出量(2010年) 出典: AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.2 GHG排出量の部門別内訳GHG排出量の推移 15 直接排出量※4 間接排出量※4 農林業・ 土地利用 24% 建築※2 6.4% 輸送 14% 産業 21% その他 エネルギー※3 9.6% 農林業・ 土地利用 0.87% エネルギー※1 1.4% 産業 11% 輸送 0.3% 建築※2 12% 発電・熱生産 25% 49Gt-CO2換算 (2010年) ※1:エネルギーにはエネルギー供給部門内部での分配が含まれる。例えば、ガス 会社が電力会社から電力を買うと、ここに計上される。 ※2:建築部門には、住宅、商業、公共サービス部門が含まれる。なお、建設時の 排出量は産業部門にて計上される。 ※3:その他エネルギーにはエネルギー供給部門での自家消費が含まれる ※4:直接排出量は発電・熱生産に起因する排出をエネルギー供給部門に計上。 間接排出量は発電・熱生産に起因する排出を消費先の需要部門に配分。 エネルギー供給=(発電・熱生産+その他エネルギー) [解説] これまでのページはガスの種類や地域別にGHG 排出量が示されていましたが、ここからは排出 源となる経済部門別に見ていきます。 排出量の現状 2010年の世界のGHG排出量は約490億トン(49Gt-CO2換算)で、直接排出量で換算すると、エネルギー供給部門(発電・熱生産+その他エネル ギー)は35%、農林業・土地利用部門は24%、産業部門は21%、輸送部門は14%、建築部門は6.4%という内訳になっています。 発電・熱生産を間接排出量で換算した場合は、エネルギー需要部門(→「序章」参照)に分配され、産業は31%、建築は19%に増加します。 • 人為的なGHG排出量は、2000年から2010年の 間で約100億トン(10Gt-CO2換算)増加しましたが、 この増加量の内訳は、エネルギー供給47%、産業 30%、輸送11%、建築3%となっています。また、間 接排出量で換算すれば、建築・産業部門による増 加が大きくなっています。 • 2000年以降、農林業・土地利用部門を除くすべ ての部門でGHG排出量は増加しています。 その他のポイント

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AR5 Q&A 関連情報

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AR5 Q&A 関連情報 IPCCとは 2. 序 章 IPCCは、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織で、現在の参加 国は195か国、事務局はスイス・ジュネーブにあります。IPCCでは、人為起源による気候変動、影響、適応及び緩和 方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行い、報告書としてとりまとめています。 また、政治的な判断は行わない機関でもあります。 「第5次評価報告書」(2013年~2014年)は、世界中で発表された9,200以上の科学論文を参照し、800名 を超える執筆者により、4年の歳月をかけて作成されました。 第1次評価報告書 (FAR) 1990年 人為起源の温室効 果ガスは気候変化 を生じさせるおそ れがある。 第2次評価報告書 (SAR) 1995年 識別可能な人為的 影響が全球の気候 に現れている。 第3次評価報告書 (TAR) 2001年 過去50年間に観測さ れた温暖化の大部分 は、温室効果ガス濃 度の増加によるもの であった可能性が高 い。 第4次評価報告書 (AR4) 2007年 気候システムの温暖化には疑 う余地がない。20世紀半ば以 降に観測された世界平均気温 の上昇のほとんどは、人為起 源の温室効果ガス濃度の増加 によってもたらされた可能性 が非常に高い。 IPCC評価報告書の作成には世界中からノミネート された大変多くの研究者の中からIPCCビューローに よって選出・承認されます。 その選出には、各章立てに、研究者の専門性や研 究の質、また全体の地域的なバランス(先進国や、 ある一定の国から執筆者が集中しないようにする 等)を考慮して選ばれます。 日本※2からの執筆者はWG1に10名、WG2に11 名、WG3に10名、SYRに1名、のべ32名です。 執筆者は、基本的に下記のように分類されています。 IPCC AR5 執筆者について※1 統括執筆責任者(CLA) 担当章全体の執筆方針、 編集及び執筆を担当する 代表執筆者(LA) ある章の中の担当部分の原稿を 実際に執筆する 査読編集者(RE) 担当章全体の査読を通し、 編集に貢献する 執筆する 方針を決める 査読する

AR5

第1作業部会(WG1) 報告書 気候システム及び 気候変動の 自然科学的根拠 についての評価 2014年10月 コペンハーゲン 2013年9月 ストックホルム 2014年3月 横浜 2014年4月 ベルリン 第2作業部会(WG2) 報告書 気候変動に対する 社会経済及び自然 システムの脆弱性、 気候変動の影響 及び適応策の評価 第3作業部会(WG3) 報告書 温室効果ガスの 排出削減など 気候変動の緩和策 の評価 統合報告書(SYR) WG1~WG3の 報告書と特別報告書 の内容に基づき AR5の最終文書とし て気候変動に関する 総合的見解を提示 ※1.参考 IPCC WG1国内事務局HP (http://ipccwg1.jp/AR5/writer.html) およびIPCC HP(https://www.ipcc-wg1.unibe.ch/AR5/wg1authors.pdf、 http://www.ipcc-wg2.gov/AR5-tools/WGII-AR5_Authors.pdf、 http://www.ipcc-wg3.de/assessment-reports/fifth-assessment-report/Authors、 http://www.ipcc-syr.nl/index.php/authors-and-review-editors) ※2.執筆者の記載情報がJapan(国籍・国/組織) ■ IPCCとは ■「IPCC第五次評価報告書」(AR5)公表の流れ ■ これまでに出された評価報告書

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AR5 Q&A 関連情報 第3作業部会(WG3)報告書の主なポイント 2. 序 章

(1)人為起源の温室効果ガス(GHG)排出量は、特に最近10年間に大幅に増加しました。

人為起源の累積CO

2

排出量の約半分は最近40年間に排出されています。

・ 現状を上回る努力がなければ、2100年の気温は産業革命以前から3.7~4.8℃上昇すると予想されます。

(2)2100年時点のGHG濃度を基準に、緩和シナリオ(経路)を分類しています。

・ 2100年に約450ppmを通るシナリオ(産業革命以前に比べ2℃未満に抑える可能性が「高い」(66%以上の確率)) では、2050年のGHG排出量は2010年比40~70%減、2100年にはほぼゼロまたはそれ以下となり、 急速な省エネに加え低炭素エネルギーの割合が2050年までに3倍~4倍近くまで増加することが特徴です。 ・ 今世紀中のピーク濃度が一時的に2100年の濃度を超える(オーバーシュート)シナリオでは、今世紀後半に大気中の CO2を除去する技術にCO2の削減を頼りますが、課題・リスクが存在します。

(3)緩和には、大幅な技術的及び制度的変化が必要です。

これには、エネルギーシステムや投資パターンの大きな変化が必要となります。

・ 緩和コストは、主要技術の利用が制限されたり、対策の時期がおくれると、大幅に増加します。 ・ 緩和策には、大気汚染の改善などの副次的効果があります。 ・ 効果的な緩和策には、国際間の協力が必要です。 ✔ ※出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約

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AR5 Q&A 関連情報 IPCC第3作業部会の仕事 2. 序 章 ①第4次評価報告書 ②SRREN(再生可能エネルギーに関するIPCC特別報告書) ③前出以前のIPCC報告書 ④第4次評価報告書以降の新知見や研究

■諸文献、緩和の選択肢、緩和政策の社会的影響を評価

■特定の選択肢の推奨はしない。

■以下の資料を基に作成されました。

IPCC第3作業部会は、気候変動の諸科学の文献をもとに緩和の選択肢の評価を行います。 特定の選択肢の推奨はしません。このことを明確にするために、政策決定者向け要約の冒頭に以下が記載されています。 1.諸文献を評価する。対象となる資料は以下の通りです。 気候変動の緩和に関する ①科学サイドからの文献 ④社会サイドからの文献 ②技術サイドからの文献 ⑤経済サイドからの文献 ③環境サイドからの文献 2.緩和の選択肢を評価します。 対象となるのは、 ①ガバナンスの各層における緩和策 ②各経済部門ごとの緩和策 注: 3.緩和政策の社会影響を評価します。緩和策の違いが社会にどんな影響を与えるかということです。 ガバナンスは、政策・施策を決定し、マネジメントし、実行する一連の手段を包括する概念 です。「政府(ガバメント)」は、国の政策を行うという、狭い意味でのガバナンスを行う主 体です。最近では、もう少し広い概念として、ガバナンスという言葉が使われるようになりま した。ガバナンスは、様々なレベルでの統治主体(地球的、国際的、地域的、ローカル) や、地球規模の問題に取り組む民間セクター、NGOや市民社会の役割も視野に入れた 概念です。(出典:WG2 本編の用語集をもとに作成) ✔

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AR5 Q&A 関連情報 温室効果ガスとは 2. 序 章 ■温室効果ガスの種類とは 温室効果ガス(Greenhouse gas : 以下、GHG)とは、地球の表面や大気、雲で特定の波長の放射線を吸収したり放出することで温室効 果を引き起こすガスのことを呼びます。→地球の気温とエネルギー収支については、WG1ガイドブックを参照 人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(亜酸化窒素、N2O)、フロン類等 があります。 京都議定書第一約束期間(2008年~2012年)では、温室効果を持つ6種類のガスが温室効果ガスとして対象とされ、第二約束期間 (2013年~2020年)では、1種類追加され7種類のガスが対象とされました。 また、温室効果ガスのうち、オゾン層を破壊する力の強いものは、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」においても規制されてい ます。

出典:AR5 WG1 第2章、WG3 Annex1 Final Draft

主要な温室効果ガス モントリオール 議定書 第一約束期間 京都議定書 第二約束期間 京都議定書 (年) 寿命 二酸化炭素 CO2 ● ● *注1 メタン CH4 ● ● 9.1 一酸化二窒素(亜酸化窒素) N2O ● ● 131 六フッ化硫黄 SF6 ● ● 3200 パーフルオロカーボン PFCs ● ● 10000~50000 ハイドロフルオロカーボン HFCs ● ● 1.5~222 クロロフルオロカーボン CFCs ● 45~100 ハイドロクロロフルオロカーボン HCFCs ● 9.2~17.2 四塩化炭素 CCl4 ● 26 トリクロロエタン CH3CCl3 ● 5 三フッ化窒素 NF3 ● - *注1:二酸化炭素は、地球上で陸上植物や土壌、海、大気を短期的、長期的に循環しており、その寿命を定めるのは困難です。 ✔ ✔

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AR5 Q&A 関連情報 温室効果ガスとは ■温室効果ガスの主要な排出源 出典:日本国「『気候変動に関する国際連合枠組条約』に基づく 第1回日本国隔年報告書」2013年12月 京都議定書第一約束期間で対象としているガス 日本での主要な排出源 二酸化炭素 CO2 化石燃料の燃焼、工業プロセス(セメント製造)等 メタン CH4 農業(家畜の消化管内発酵、稲作)、廃棄物の埋め立て等 一酸化二窒素(亜酸化窒素) N2O 農業(農業用地の土壌(肥料)、家畜排せつ物)、工業プロセス、化石燃料の燃焼等 六フッ化硫黄 SF6 電気絶縁ガス使用機器等 パーフルオロカーボン PFCs 半導体製造、金属洗浄等の溶剤等 ハイドロフルオロカーボン HFCs 冷蔵庫やエアコン等の冷媒等 京都議定書第一約束期間で指定されている温室効果ガスの日本での主要な排出源は下記の通りです。 また、日本の2011年度のGHG排出量の94.9%はCO2です。 GH G 排出量(百万トン -CO 2 換 算) (年度) SF6 PFC HFC N2O CH4 CO2(LULUCF※1を除く) CO2(LULUCF) 純排出量(LULUCFを含む) ※1:LULUCFとは、土地利用、土地利用変化及び林業分野の略称 ■日本の温室効果ガス排出量及び吸収量の推移 2. 序 章

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AR5 Q&A 関連情報 地球温暖化係数とは、温室効果(放射強制力)を示しており、温室効果ガスの種類や期間によっていろいろあります。 地球温暖化係数は、IPCCにより複数提示されており、京都議定書、京都議定書第一約束期間(2008年~2012年)やAR5(一部を除 く)では、第2次評価報告書(以下、SAR)の値が利用されており、京都議定書第二約束期間(2013年~2020年)では、AR4の値が利 用されています。 なお、GWP100などと表記されているものは、地球温暖化係数のなかでも100年間の累積値を利用しているという意味で、京都議定書などでは基 本的にGWP100が利用されています。 地球温暖化係数を見ると二酸化炭素以外のガス種の地球温暖化係数が高くなっており、排出量が多い二酸化炭素に加え、二酸化炭素以外の ガス種への対策も重要です。

地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)とは

※1:三フッ化窒素は京都議定書第二約束期間から対象ガスに含まれている。なお、同じく追加のガスとしてHFCs に含まれる、HFC-152, HFC-161, HFC-236cb, HFC-236ea, HFC-245fa, HFC365mfc が、PFCs にC10F18が追加されており、AR5ではそれらの値も示されている。 出典:IPCC SAR WG1 Errata table2.14、AR4 WG3 第1章 table1.1 参考:国立環境研究所 地球環境研究センター「ココが知りたい温暖化~二酸化炭素以外の温室効果ガス削減の効果~」

主要な温室効果ガス

(京都議定書対象ガス)

地球温暖化係数(SARの値) 地球温暖化係数(AR4の値) 地球温暖化係数 (AR5の値)

20年間累積 (GWP20) 100年間累積 (GWP100) 500年間累積 (GWP500) 20年間累積 (GWP20) 100年間累積 (GWP100) 500年間累積 (GWP500) 20年間累積 (GWP20) 100年間累積 (GWP100) 二酸化炭素 CO2 1 1 1 1 1 1 1 1 メタン CH4 56 21 6.5 72 25 7.6 84 28 一酸化二窒素 (亜酸化窒素) N2O 280 310 170 289 298 153 264 265 六フッ化硫黄 SF6 16,300 23,900 34,900 16,300 22,800 32,600 17,500 23,500 パーフルオロカーボン PFCs 4,400~6,200 6,500~9,200 10,000~ 14,000 5,500~7,310 7,390~10,300 9,500~14,700 4,880~8,210 6,630~11,100 ハイドロフルオロカーボン HFCs 460~9,100 140~11,700 42~9,800 43~12,000 12~14,800 3.7~12,200 13~10800 4~12,400 三フッ化窒素※1 NF3 - - - 12,300 17,200 20,700 12,800 16,100 2. 序 章

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AR5 Q&A 関連情報 一次エネルギー・最終エネルギーとは? エネルギーは、生産されてから、実際に私たちエネルギー消費者に使用されるまでの間に様々な段階、経路を経ています。大まかにみると原油、石 炭、天然ガス等の各種エネルギーが供給され、電気や石油製品等に形をかえる発電・転換部門(発電所、石油精製工場等)を経て、私たちに 最終的に消費されるという流れになっています。 この際、発電・転換部門で生じるロスまでを含めた全てのエネルギーの量という意味で「一次エネルギー供給」の概念が用いられ、最終的に消費者 に使用されるエネルギー量という意味で「最終エネルギー消費」の概念が用いられています。供給されたエネルギーが最終消費者に供給されるまでに は、発電ロス、輸送中のロス並びに発電・転換部門での自家消費が発生し、最終消費者に供給されるエネルギー量は、その分だけ減少することに なります。 また一般に、「最終エネルギー消費」は「最終エネルギー需要」とも呼ばれますが、これらは同じ意味で利用されます。 エネルギーは利用者側からの需要があり、それに見合った量が供給されると考えます。そのため、過去や現在については使われた分は「最終エネル ギー消費」と呼びますが、特に将来については「今後のエネルギー需要はどのくらいになるのか?」といった観点では、「最終エネルギー需要」と呼びま す。この供給と需要・消費の考え方を基に、エネルギーを供給する側をエネルギー供給部門、産業部門・建築部門・輸送部門のことをエネルギー需 要部門と呼びます。 ※1:非化石エネルギーについては、投入量の把握が難しいため、電力や熱として得られたエネルギーから一次エネルギーを換算。 出典:資源エネルギー庁「平成25年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2014)」

一次エネルギー供給

エネルギー転換

最終エネルギー消費

発電

熱供給

都市ガス

石炭製品製造

石油精製

輸送部門

建築部門

産業部門

+転換損失

エネルギー需要部門

エネルギー供給部門

石油

石炭

天然ガス

水力・地熱・新エネ等

※1

原子力発電

※1

国内生産

輸入

2. 序 章

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AR5 Q&A 関連情報

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AR5 Q&A 関連情報 ■気候変動の緩和とは? 日本では、気候変動の緩和に向けた方策のことを「地球温暖化対策」と呼び、地球 温暖化対策推進法では、「温室効果ガスの排出の抑制並びに吸収作用の保全及 び強化その他の国際的に協力して地球温暖化の防止を図るための施策」と定義して います。 ■温室効果ガス排出の抑制のイメージ 吸収に係わる分野は、農林業・土地利用になります。 ■温室効果ガスの吸収のイメージ(森林の場合) 出典:環境省「STOP THE 温暖化2012」 出典:林野庁HP http://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_2.html

この条約及び締約国会議が採択する

法的文書には、この条約の関連規定に

従い、気候系に対して危険な人為的

干渉を及ぼすこととならない水準におい

て大気中の温室効果ガスの濃度を安

定化させることを究極的な目的とする。

そのような水準は、生態系が気候変動

に自然に適応し、食糧の生産が脅かさ

れず、かつ、経済開発が持続可能な態

様で進行することができるような期間内

に達成されるべきである。

出典:環境省「気候変動に関する国際連合枠組条約」 http://www.env.go.jp/earth/cop3/kaigi/jouyaku.html 国連気候変動枠組条約 第2章 目的 温室効果ガス排出の抑制とは、エネルギー供 給部門(発電部門など)とエネルギー需要 部門(輸送部門、建築部門、産業部門)、 加えてエネルギー起源以外の農林業や土地 利用からのGHG排出を削減することです。 また、森林は温室効果ガスの吸収の役割も 果たしますが、森林破壊や森林の劣化は、温 室効果ガスの排出源となります。 出典:地球温暖化対策の推進に関する法律 平成10年10月9日法律第117号 緩和とは

緩和とは、GHGの排出を抑制し吸収源を拡大するための人為的介入

気候変動の緩和(かんわ)とは、温室効果ガス排出の抑制と吸収源の向上のための人為的介入のことです。 緩和は、気候変動への適応(→WG2ガイドブック参照)と同じく、国連気候変動枠組条約第2章に示される目的に貢献します。 3. 緩和へのアプローチ ✔ ✔

(13)

AR5 Q&A 関連情報

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AR5 Q&A 関連情報 ■人為的なGHG排出量の推移(ガス種別)(1970年〜2010年) 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.1 GHG排出量の推移

人為的なGHG排出量は、最近10年で急速に増加

人為的なGHGは、1970~2010年の間で増加を続けており、特に2000年からの10年間では約100億トン(10Gt-CO2換算)と大幅に増加しています。 1970~2010年の40年間に増加したGHG排出量のうち、約78%は化石燃料燃焼・工業プロセス起源のCO2です。 4. 排出量の現状 人為的な GHG 排出量( Gt -CO 2 換算 /年) ※2 ※1:京都議定書の対象ガス(SF6、PFCs、HFCs) ※2:GWP100に基づきCO2換算 ※3:林業・土地利用起源はCO2の吸収と相殺された量 各種ガスの 排出量の割合 (2010年) CO2(化石燃料の燃焼、 工業プロセス起源): 65% CO2(林業・土地利用 起源※3):11% CH4:16% N2O:6.2% フロン等※1:2.0% 農業・廃棄物等 森林破壊、森林劣化、 山火事・泥炭火災等 冷媒、半導体製造、 電気絶縁体使用等 <化石燃料の燃焼> エネルギー供給・輸送・ 産業・建築 <工業プロセス> セメント製造等 各種ガスの 排出源の例 1970-2000年は、 年平均

1.3%

増加 2000-2010年は、 年平均

2.2%

増加 ✔

(15)

AR5 Q&A 関連情報 ■人為起源(化石燃料の燃焼、燃料の漏出、工業プロセス(セメント生産)、林業・土地利用)のCO2排出量(年) 出典:AR5 WG3 TS Fig.TS.2 GHG排出量の推移

人為起源の累積CO

2

排出量は、最近40年間で約2倍に増加

1750年以降の人為起源の累積CO2排出量のうち、約半分は最近40年間(1970~2010年)に排出されました。 そのうち、排出量の大部分を占める化石燃料の燃焼、燃料の漏出(油田やガス田からのフレア)、工業プロセス(セメント製造)のCO2に限れば、累積排 出量は最近40年で約3倍に増加しています。 4. 排出量の現状 人為起源(化石燃料の燃焼 、燃 料の漏出 、セメ ン ト生 産、 林業 ・土地利用) の CO 2 排出量 ( Gt -CO 2 換算 /年) ※1:移行経済国は主にロシアなどの東欧 や中央アジアの旧ソ連圏の国で、アジア 地域の移行経済国は含まれない。

220

年間

40

年間

ほぼ同じ量

✔ OECD加盟国(1990年時点) 経済移行国※1 (旧ソ連圏など) アジア 中南米 中東・アフリカ

(16)

AR5 Q&A 関連情報 ■世界の部門別GHG排出量(2010年) 出典: AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.2 GHG排出量の推移

GHG排出量の部門別内訳

2010年の世界のGHG排出量は約490億トン(49Gt-CO2換算)で、直接排出量で換算すると、エネルギー供給部門(発電・熱生産+その他エネル ギー)は35%、農林業・土地利用部門は24%、産業部門は21%、輸送部門は14%、建築部門は6.4%という内訳になっています。 発電・熱生産を間接排出量で換算した場合は、エネルギー需要部門(→「序章」参照)に分配され、産業は31%、建築は19%に増加します。 4. 排出量の現状

直接排出量

※5

間接排出量

※5 農林業・ 土地利用 24% 建築※3 6.4% 輸送※2 14% 産業 21% その他 エネルギー※4 9.6% 農林業・ 土地利用 0.87% エネルギー※1 1.4% 産業 11% 輸送※2 0.3% 建築※3 12% 発電・熱生産 25%

49Gt-CO

2

換算

(2010年)

※1:エネルギーにはエネルギー供給部門内部での分配が含まれる。例えば、ガス会 社が電力会社から電力を買うと、ここに計上される。 ※2:輸送部門には、旅客と貨物の両方が入る。 ※3:建築部門には、住宅、商業、公共サービス部門が含まれる。なお、建設時の排 出量は産業部門にて計上される。 ※4:その他エネルギーにはエネルギー供給部門での自家消費が含まれる ※5:直接排出量は発電・熱生産に起因する排出をエネルギー供給部門に計上。 間接排出量は発電・熱生産に起因する排出を消費先の需要部門に配分。 エネルギー供給=(発電・熱生産+その他エネルギー) [解説] これまでのページはガスの種類や地域別にGHG 排出量が示されていましたが、ここからは排出 源となる経済部門別に見ていきます。 • 人為的なGHG排出量は、2000年から2010年の 間で約100億トン(10Gt-CO2換算)増加しまし たが、この増加量の内訳は、エネルギー供給47%、 産業30%、輸送11%、建築3%となっています。ま た、間接排出量で換算すれば、建築・産業部門に よる増加が大きくなっています。 • 2000年以降、農林業・土地利用部門を除くすべて の部門でGHG排出量は増加しています。 その他のポイント

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AR5 Q&A 関連情報 GHG排出量の増減要因

GHG排出の変化要因とその緩和策との関係イメージ

4. 排出量の現状 ■GHG排出の直接的な変化要因と潜在的な変化要因、政策・対策との相互関係 出典: AR5 WG3 第5章 Fig.5.1 ※1:GDP当たりのエネルギー消費量のこと。 ※2:エネルギー当たりのGHG排出量のこと。似 たようなもので、「炭素強度」があるが、エネル ギー当たりのGHG排出量か、エネルギー当た りのCO2排出量かの違い。 GHG 排出量 人口 エネルギー 強度 一人 当たり GDP 都市化 工業化 インフラ 開発 意思決定・行動 技術 統治 資源利用 可能性 貿易 計画 経済的 インセンティブ 直接 規制 情報提供 R&D 気候政策 以外 人々の意識の醸成 GHG 強度 直接的な変化要因 潜在的な変化要因 政策・対策

潜在的な変化要因

潜在的な変化要因は、ある要因を通じて排出量に影響 を与えるプロセス、メカニズム、特性のことで、個々人のこと から社会的選択までを含みます。 例えば貿易は、消費パターン、生産場所の移転、国際輸 送の排出を通じて影響を与えるだけではなく、貿易のパ ターンの技術のイノベーションや交換を通じて排出量に影 響を与えます。

政策・対策

政策・対策は、回りまわって潜在的な変化要因に影響を 与えます。直接的及び潜在的な変化要因は循環し政策 や対策に影響を与えます。 GHG排出の傾向は、人口、一人当たりGDP、エネルギー強度※1、GHG強度※2に左右されます。 また、人口、一人当たりGDPといった直接的な変化要因は、潜在的な変化要因や政策・対策と相互に関連があります。 ✔

(18)

AR5 Q&A 関連情報 出典: AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.3 GHG排出量の増減要因

CO

2

排出増加の主要な要因は、経済成長と人口増加

化石燃料起源のCO2排出量が世界全体で増加した主要な要因は、GDPに代表される経済成長と人口増加です。 特に、2001~2010年の間は経済成長によるものが急増しました。 また、エネルギー当たりのCO2排出量は、石炭消費の相対的な増加により、2001~2010年の間はCO2排出量の増加要因となりました。 4. 排出量の現状 ■化石燃料起源CO2排出量変化の要因分析 ■ エネルギー当たりのCO2 ■ GDP当たりのエネルギー ■ 一人あたりのGDP ■ 人口 △ 増減を考慮した 総計での変化 【エネルギー当たりのCO2排出量(炭素強度)】 ⇒ 例えば、再生可能エネルギーを増やせば減少 エネルギー当たりのCO2排出量は、2000年まで減少傾向にあっ たため、CO2排出量の減少要因でしたが、石炭消費の相対的な 増加により2001~2010年の間はCO2排出量の増加要因とな りました。 【一人当たりのGDP(経済成長)】 最近10年間において、一人当たりのGDPは大きく増加し、CO2 排出量増加の大きな要因となっています。 【人口】 人口は1970年以降増加しており、減少要因であるGDP当たり のエネルギー消費による効果を相殺しています。 【GDP当たりのエネルギー消費 (エネルギー強度)】 ⇒ 例えば、エネルギー機器の効率改善などで減少 エネルギー消費の効率は改善しているため、GDP当たりのエネル ギー消費は、CO2排出量減少の要因となっています。 増 加 分 減 少 分 10 年毎の CO 2 排出量の増減( Gt -CO 2 換算 /10 年) ✔

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AR5 Q&A 関連情報 GHG排出量の増減要因

CO

2

の変化要因とその緩和策の考え方

4. 排出量の現状 CO2※2変化率 =(CO 2/エネ※3)の変化率 +(エネ/GDP)の変化率 +(GDP/人口)の変化率 +(人口)変化率 + 交差項※4 CO2排出量の主要な排出要因は、下記右辺のエネルギー当たりのCO2排出量の変化率、GDP当たりのエネルギー消費量の変化率、一人当たりGDPの変 化率、人口の変化率の和として説明することができます※1 エネルギー消費に伴い、どの程度CO2を排出 するかを示しています。 CO2排出量の大きい石炭や石油よりも太陽 光発電などの割合が増えると、この値が下が ります。 <緩和策の例> 国内総生産(GDP)を生み出すために必 要なエネルギーの量を表しています。 より少ないエネルギーでものの生産が可能に なったり、サービス産業のシェアが増加したり、 エネルギー消費量の少ない機器の普及が進 むとエネルギー強度は小さくなります。 <緩和策の例> 生活水準が上が ればモノの消費や エネルギー消費が 増加し、一人当 たりのGDPが増え ます。 人口が増えると食 糧生産やモノの消 費が増え、GDP・ エネルギー消費量 の増加につながり ます。 石炭火力 再生可能エネルギー 原子力発電 化石燃料火力発電 +CCS※5 産業プロセスの効率化 高効率機器の普及 高断熱住宅の普及 公共交通網の整備 産業構造のソフト化

エネルギー当たりの

CO

2

排出量(炭素強度)

GDP当たりのエネルギー消費量

(エネルギー強度)

一人当たりの

GDP

人口

※1:CO2排出量は、茅恒等式と呼ばれる式で(CO2/エネ ルギー)×(エネルギー/GDP)×(GDP/人口)×人 口と示されるが、この式についてCO2排出量の変化量を示 すために展開していくと上記のような式として示すことができる。 ※2:CO2=CO2排出量 ※3:エネ=エネルギー消費量 ※4:交差項は、重複を防ぐための数式。例えば、右辺の各変 化率が25%ずつ減少した場合、左辺のCO2変化率は1、 つまり100%削減となる。しかし、実際にはそれぞれの削減 量の要因には重複があるため、CO2変化率はこれよりも小さ くなる。 ※5:CCSについての用語解説は「第7章」を参照。 ✔

(20)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路

(21)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和の経路とその特徴

2100年のGHG濃度で分類したGHG排出量の経路

AR5で収集された約1200のシナリオについて、2100年時点のGHG濃度別に分類し排出量で示すと下記のようなグラフになります。 GHG 排出量( Gt -CO 2 換算 /年) ベー ス ライ ン シナ リ オ の幅 ( 2100 年) 点線:約1200シナリオ全体の範囲 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.4 2100年のGHG濃度 90パーセンタイル※1 中央値 10パーセンタイル AR5データベース全体の範囲 それぞれの帯の色は、2100年時点のGHG濃度で同じ濃度にカテゴリ分けされたシナリオの束を示しています。 例えば、灰色は2100年時点で1000ppm以上の濃度となるシナリオの束です。 ※1:10パーセンタイルとは下から10%の値、90パーセンタイルとは上から10%の値。つまり、このGHG濃度の帯は上下10%ずつに 含まれる値が除かれて示されている。 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ppm CO2換算 ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 カテゴリ分類 (2100年の GHG濃度 (ppm CO2換算)) サブカテゴリ (オーバーシュートの説 明は次項を参照) RCP シナリオの 位置 CO2累積排出量 (Gt-CO2換算) 2010年比のGHG排出変化 (CO2換算、%) 気温変化(1850-1900年比) 2011-2050 2011-2100 2050 2100 上昇幅(℃)2100年の気温 ※3,4,5 1.5℃未満に とどまる可能性 とどまる可能性 2℃未満に とどまる可能性 3℃未満に とどまる可能性 4℃未満に 430未満 430ppm未満となったのは個別のモデル研究による限られた研究成果のみ 450 (430-480) 全範囲 RCP2.6 550-1300 630-1180 -72~-41% -118~-78% 1.5-1.7 (1.0-2.8) どちらかといえば 可能性が低い (50%未満) 可能性が高い (66%超) 可能性が高い (66%超) 可能性が高い (66%超) 500 (480-530) オーバーシュートなし 860-1180 960-1430 -57~-42% -107~-73% 1.7-1.9 (1.2-2.9) 可能性が低い (33%未満) どちらかといえば 可能性が高い (50%超) 530ppmをオーバーシュート 1130-1530 990-1550 -55~-25% -114~-90% 1.8-2.0 (1.2-3.3) どちらも同程度 (33~66%) 550 (530-580) オーバーシュートなし 1070-1460 1240-2240 -47~-19% -81~-59% 2.0-2.2 (1.4-3.6) どちらかといえば 可能性が低い (50%未満) 580ppmをオーバーシュート 1420-1750 1170-2100 -16~7% -183~-86% 2.1-2.3 (1.4-3.6) (580-650) 全範囲 RCP4.5 1260-1640 1870-2440 -38~24% -134~-50% 2.3-2.6 (1.5-4.2) (650-720) 全範囲 1310-1750 2570-3340 -11~17% -54~-21% 2.6-2.9 (1.8-4.5) 可能性が低い (33%未満) どちらかといえば 可能性が高い (50%超) (720-1000) 全範囲 RCP6.0 1570-1940 3620-4990 18~54% -7~72% 3.1-3.7 (2.1-5.8) 可能性が低い※6 (33%未満) どちらかといえば 可能性が低い (50%未満) 1000超 全範囲 RCP8.5 1840-2310 5350-7010 52~95% 74~178% 4.1-4.8 (2.8-7.8) 可能性が低い(33%未満) ※6 可能性が低い (33%未満) どちらかといえば 可能性が低い (50%未満) ■AR5 WG3において収集・分析されたシナリオの主な特徴※2 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Table SPM.1 緩和の経路とその特徴

「2℃未満」と「約450ppm」はよく対応している

産業革命以前からの気温上昇を2℃未満に抑える可能性が「高い(66%以上の確率)」緩和シナリオは、2100年に約450ppmを通るシナリオとよく対応 しています。2100年に約450ppmを通るシナリオの場合、2050年のGHG排出量は2010年比40~70%削減※1、2100年に許容される排出はほぼゼロ またはそれ以下となります。 ※2:数値は10-90パーセンタイルの範囲を表記。 ※3:気温上昇幅はMAGICC(簡易気候モデル)による中位推計値。括弧内は気候システムの不確実性を考慮した場合の値。なおAR5 WG1表SPM.2とは、基準年(WG1は1986-2005年、WG3は1850-1900年)、シミュレーションに用いたツール・ データセット(WG1はCMIP5、WG3はMAGICC)、シナリオ(WG1はRCPのみ、WG3はより幅広いAR5データベース)の想定が異なる。 ※4:気温変化は2100年の値であり、平衡時の気温を示していたAR4の値とは直接比較できない。 ※5:2100年の気温変化は、MAGICCの計算の中央推定値。これは、それぞれのシナリオ区分の中での排出経路の違いを表している。丸括弧内の気温変化の幅は、それに加えて、MAGICCモデルで表される炭素循環と気候システムの不確実性も含んでいる。 ※6:この区分のシナリオでは、モデル(CMIP5、MAGICC)の計算の結果にそれぞれの温度水準未満に留まるものはない。 しかし、現在の気候モデルに反映されていない可能性のある不確実性を考慮し、「低い」という可能性の評価をしている。 ※1:2050年の値は、シナリオ数、GHGの種類、マイナス排出技術想定等の差により、AR4における似たカテゴリでの削減量(CO2を2000年比50-85%減)とは異なります。 [解説] 約450ppmを達成するためにはGHGの大幅な削減が必要です。 ✔

(23)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 シナリオとは、将来起こりうる状況を想定した見通しのことです。“将来”には、様々な不確定な要素が存在します。 特に、GHGの将来排出量は、技術進歩、生活様式、経済発展、温暖化政策などに大きく依存しますが、これらは、社会の発展状況により変わります。 そのため、将来社会の発展や緩和政策の度合いを想定したシナリオが用いられるようになりました。 緩和の経路とその特徴

シナリオとは?

※1:RCPシナリオの詳細は次ページにあり。 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約、Annex1 より作成

Q.

A.

AR5では約1200通りのシナリオを検討

 WG3では、世界の研究機関による将来排出量の推計結果が約1200通り収集されています。これらはベースラインシナリオ(約300)、緩和シ ナリオ(約900)の大きく2つに分けられます。  また、既存文献の代表的な濃度経路を示す4つのシナリオのことをRCPシナリオと呼びます。

ベースラインシナリオ(約300通り)

現在既に導入または計画されている緩和策に追加して、 更なる排出抑制努力はなされないと仮定したシナリオです。

緩和シナリオ(約900通り)

将来、GHG排出抑制の追加的な努力がなされることを仮定しています。緩 和シナリオは、例えば政策の導入タイミングやGHG濃度、技術の制約などに より分類され、詳細な分析に用いられます。

代表的濃度経路(RCP)シナリオ(4通り)

※1

代表的濃度経路は、英語で Representative Concentration Pathways と呼ばれ、RCPと略されます。

RCPは、WG1、WG2、WG3のそれぞれが並行して作業できるよう、将来のGHGの濃度安定化レベルと、そこに至るまでの経路のなか で、既存文献の研究結果のなかから代表的なものを選んだシナリオです。 RCPの後に続く数字は放射強制力を示しており、RCP8.5はベースラインンシナリオ、RCP6.0、RCP4.5、RCP2.6は緩和シナリオです。 費用効率よく 対策が進む場合 政策が遅れた 場合 技術が制約 された場合 RCP8.5 RCP6.0 RCP4.5 RCP2.6 参考:国立環境研究所 豆知識「シナリオ」とは? ✔ ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和の経路とその特徴

RCPシナリオとは?

■RCPの放射強制力とは? RCPシナリオ 放射強制力 2100年におけるGHG濃度(CO 2換算) RCP8.5 2100年において 8.5W/㎡を超える 約1,370ppmを超える RCP6.0 2100年以降 約6.0W/㎡で安定化 約850ppm (2100年以降安定化) RCP4.5 2100年以降 約4.5W/㎡で安定化 約650ppm (2100年以降安定化) RCP2.6 2100年以前に 約3W/㎡でピーク、そ の後減少 2100年以前に約490ppm でピーク、その後減少 RCPの後に続く数字は放射強制力※1を示しています。 放射強制力とは、地球のエネルギー収支による気候変動の要因の影響度合いのことをいい、AR5では産業革命前の1750年を基準としてその増減 を表現しています。なお、2011年の人為起源の放射強制力は2.29(1.13~3.33)W/㎡となっています。(→参考:WG1ガイドブック序章) ( W/ ㎡)

出典:Meinshausen, M., et al., 2011c: The RCP greenhouse gas concentrations and their extensions from 1765 to 2300. Climate Change, 109, 213–241.

2011年は 2.29W/㎡ ※1:放射強制力は、特記のない限り1750年を基準とした。 備考:Meinshausen等の研究では放射強制力は1750年の前後22年の平均値が使われている。 出典:AR5 WG1 政策決定者向け要約より作成 ■RCPの2500年までの放射強制力の経路 ■4つのRCPシナリオ

Q.

A.

RCP8.5は、2100年におけるGHG排出量の最大排出量に相当するシナリオです。また、RCP2.6は将来の気温上昇を2℃以下に抑えるという目標のも とに開発されたシナリオで、将来排出量の最も低いシナリオです。さらに、放射強制力※18.5W/m2と2.6W/m2の間に2つのシナリオを用意することとなり、 RCP4.5とRCP6.0を開発しました。 出典:NIES論文誌Climate Changeに掲載されたIPCC第5次評価報告書に向けた代表的濃度パス(RCP)シナリオについて ✔ ✔

(25)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和の経路とその特徴

GHG排出量はどのように計算されるの?

参考:AR5 WG3 TS BOX 6 ※1:GHG濃度・気温上昇の計算には簡易気候モデル(MAGICC)を使用

Q.

A.

AR5で示されたGHG排出量は、統合評価モデルと呼ばれる大規模コンピューターシミュレーションモデルを用いて計算された結果です。 統合評価モデルでは、人口やGDPといったGHG排出量に影響を与える社会経済活動量や緩和策、制約条件を各シナリオに応じて計算の前提条件とし て設定し、GHG排出量を算出します。日本からは、国立環境研究所の「AIM」、公益財団法人地球環境産業技術研究機構の「DNE21+」等の統合 評価モデルによる計算結果が、AR5に引用されています。 いつ、どのような緩和策が 導入される? 人口・経済成長は どの程度になる?

GHG排出量

・累積排出量

コスト 等

GHG濃度 気温上昇※1

エネルギー消費

統合評価モデル

世界の研究機関が、様々な前 提条件を様々な統合評価モデ ルを用いて計算

計算結果

計算の前提条件として設定

人口・GDP等

(社会経済活動量)

緩和策

(省エネ・再エネ・CCS等)

約1,200シナリオの

計算結果

各種制約条件

技術の利用可能性 対策の遅れ 炭素価格 等 ※すべての緩和策が直接的に前提条件として 設定できるわけではありません。

全分野を統合的な

枠組みで計算

・エネルギー供給 ・輸送 ・建物 ・産業 ・農林業・土地利用 ✔ ✔

(26)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 0 200 400 600 800 1900 2000 2100 2200 2300 緩和の経路とその特徴

オーバーシュートシナリオはバイオCCSと植林にCO

2

削減を頼る

2100年に約450ppmを通るシナリオの大部分、約500ppm、約550ppmを通るシナリオの多くでは、一時的に濃度のオーバーシュートが起こります。 一般的に、オーバーシュートするシナリオでは、今世紀後半のバイオCCS(→「第7章」参照)と植林の幅広い普及にCO2の削減を頼っています。 これらの技術や他のCO2除去技術(→「第7章」参照)の利用可能性と実施規模は不確かで、程度は異なるものの課題やリスクが存在します。 オーバーシュートとは、排出量、濃度、気温のどれに対しても用いる考え方で、一時的に長期目標を超える、 または上を行くという経路のことをいいます。 ■濃度でのオーバーシュートイメージ 目標 オーバーシュートしない シナリオ オーバーシュートするシナリオ [解説] ■排出量の経路のイメージ ( ppm 、 CO 2 換算) ■CO2除去技術とは? CO2除去技術とは、①自然の吸収源を増やすこと、②化学工業的に除去することを通じて大気中のCO2濃度を減少させるもので、例えば海洋への鉄散布 (鉄肥沃化)、大規模な植林、化学工業的な方法を使って大気中のCO2を直接回収する方法などがあります。 なお、一般的な緩和策との厳密な区分けは定義されていません。 オーバーシュートで 目標を達成しようと した場合の排出量 のイメージ 出典:AR5 WG3 Annex1 -10 0 10 20 30 40 50 60 1900 1950 2000 2050 2100 2150 オーバーシュート するシナリオ ( Gt -CO 2 換算 /年) オーバーシュート しないシナリオ ✔ ✔

(27)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 出典:AR5 WG3 6章 Fig.6.14a 緩和の経路とその特徴

オーバーシュートでは、2℃を超える確率が上昇

2100年に500ppmを通る緩和シナリオが、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えることができる可能性は、どちらかといえば可能性が高く(50~ 100%の確率)なっていますが、オーバーシュートする(期間中に濃度がおよそ530ppmを超える)場合には、気温上昇を2℃未満に抑える可能性は半分 程度(33%~66%の確率)になり、オーバーシュートする方が2℃を超える確率が上昇します。 中白は、上記のカテゴリに おいて、大幅なオーバー シュート( 0.4W/m2 上)が起こるシナリオ 2100年時点で同じ濃度でも、大幅なオーバーシュート(放射強制力が一時的に0.4W/m2以上超過する)が起こるシナリオでは、2100年に産業革命以前 からの気温上昇が2℃を超える確率が高くなっています。 ■2100年の濃度別・オーバーシュートの有無別の2℃未満となる確率 高い ← 2100年に2度未満にとどまる確率 → 低い 高 い ← → 低 い これか ら2100年ま で 2 度未満に とどまる 確率 21世紀中の大気中のピーク濃度を制限する ことは、長期的な大気濃度のレベルを抑える だけでなく、過渡的な温度変化を制限するた めに重要です。 オーバーシュートのその他のポイント ✔ CO2換算 CO2換算 CO2換算 CO2換算 CO2換算 CO2換算 CO2換算 ( AR5 WG3 第6章 p.441、TS p.51)

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 ■シナリオ別の低炭素エネルギー比率の推移 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.4 緩和の経路とその特徴

約450ppmを通るシナリオの特徴は低炭素エネルギーの早期大幅増

2100年に約450ppmを通るシナリオでは、エネルギー供給部門の大規模な世界的変化が示されています。 これらのシナリオでは、2050年までにエネルギー効率がより急速に向上し、低炭素エネルギー(再生可能エネルギー、原子力、CCSまたはバイオCCS(→「第 7章」参照)の割合が2010年比で3倍から4倍近くまで増加することが特徴です。 一次エ ネルギ ー供給に 占める 低炭素エ ネルギ ーの比率( % ) 最大値 75パーセンタイル 中央値 25パーセンタイル 最小値 2050年には 2010年の 3~4倍 2100年に約450ppmより高い濃度を通るシナリオにおいても低炭素エネルギー比率の上昇が示されていますが、そのタイミングはより遅くても目標に到達できます。 ✔ CO2換算 CO2換算 CO2換算 CO2換算

(29)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和の経路とその特徴

再生可能エネルギーとは?

AR5では、再生可能エネルギーとして、バイオエネルギー、太陽光・太陽熱、水力発電、海洋エネルギー、地熱、風力発電が取り上げられています。 再生可能エネルギーとは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に二酸化炭素をほとんど排出しないエネルギーのことで、日本の「エネル ギー供給事業者による非石油エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)」 では、「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています。 ※1:再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束した制度のこと。 出典:環境省「平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書」をもとに作成 • 大気中の熱 • バイオマス(熱利用) • 太陽熱 • その他の自然界に存在する熱 (地中熱、温度差エネルギー、 雪氷熱、未利用熱等) • 大規模水力発電

再生可能エネルギー

エネルギー供給構造高度化法における定義

固定価格買取制度

※1

の適用対象

• 太陽光発電 • 風力発電 • 中小水力発電 • 地熱発電 • バイオマス(発電) • 海洋エネルギー (波力、潮流、 海洋温度差) [解説] ✔ ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.4 緩和の遅れによるリスク

カンクン合意下で提出された各国目標は、2℃シナリオの経路とは一致せず

カンクン合意下(→「第5章」参照)で提出された2020年の各国削減目標を基に推計すると、2100年時点での気温上昇を3℃未満に抑えるシナリオに概 ね一致します。これは、同じくカンクンで合意された世界平均気温を2℃未満に抑制することの可能性を排除するものではありませんが、2℃未満に抑制するに は、2020年以降の大幅な削減が必要となります。 GH G 排出量( Gt -CO 2 換算 /年) 2030年の GHG排出量 50Gt未満 50~55Gt 55Gt超

50Gt未満

50~55Gt

55Gt超

※図の注釈:技術利用制約のないシナリオのみを示している。 ■2030年までのGHG排出量

2℃未満

に抑える可能性が少なくとも半分程度(33%~66%の確率)のシナリ オの幅(2030年時点) 2030年の排出量が、約550億トン(55Gt-CO2換算/年)を超える場合には、緩 和の負担の大きさから、多くのモデル分析において、2℃未満への抑制シナリオを

半分程度(33~66%)の確率で達成するシナリオはほとんど得られま

せんでした。

= カンクン合意は、気温上昇を3℃未満に抑える可能性が高い

(66%以上の確率)シナリオを費用効率よく達成する経路に概ね

一致

• 2030年に約550億トン(55Gt-CO2換算)を超えると、2030年~2050年 に急速な大幅削減が必要となり、低炭素エネルギーの急増、CO2除去技術へ の長期的な依存、緩和策による経済への影響を長期的にもたらします。 • 2030年までに現状以上の緩和努力が行われなければ、産業革命以前からの 気温上昇を2℃未満に抑えるための選択肢の幅が狭くなります。 カンクン合意 に基づく 排出量の範囲

(31)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和政策

カンクン合意下の各国目標とは?

COP16におけるカンクン合意では、各国が2020年における排出削減目標を策定、気候変動枠組条約事務局に登録し、隔年報告書を提出して当該目標 の進捗状況等を報告し、国際的なレビューを受けることとされています。 出典:環境省提供資料を基に一部改編 ※1:(米国)1990年比約3%削減(土地利用、土地利用変化及び林業部門を含まない値)。また,この目標は,今後制定される関連の国内法令に照らして最終的な目標が国連気候変動枠組条約事務局に対 して連絡されるとの認識の下でのもの。法案における削減経路は、2050年までに83%削減すべく、2025年には30%減、2030年には42%減。 ※2:(EU)他の先進国が比較可能性のある排出削減にコミットし,途上国がその責任と能力に応じた適切な貢献を行う場合には,削減目標を20%から30%に引き上げるとの立場。 ※3:BAU(Business-As-Usual):追加的な対策を講じなかった場合のGHGの排出量 主要な 附属書Ⅰ国 2020年の排出削減量 備考 基準年 日本 3.8%削減 2009年9月鳩山総理(当時)が発表した25%削減目標を2013年11月に見直し。今後、エネルギー政策やエネルギーミックスの検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標を設定。 2005 米国 17%程度削減 ただし、成立が想定される米国エネルギー気候法に従うもので、最終的な目標は成立した法律に照らして事務局に対して連絡※1 2005 ロシア 15-25% 人為的排出削減に関する義務履行へのロシアの森林のポテンシャルの適切な算入、及び、すべての主要排出国によるGHGの人為的排出の削減に関する法的拘束力のある義務の受け入れが前提。 1990 EU 20% 又は 30%削減※2 京都議定書第2約束期間は、90年比で20%削減。 1990 主要な 非附属書Ⅰ国 削減目標・行動(非附属書Ⅰ国は、適切な緩和行動の提出が求められています) 中国 2020年までにGDP一単位当たりCO2排出量を2005年比で40~45%の排出削減、 2020年までに非化石エネルギーの割合を15%、2020年までに2005年比で森林面積を4千万ha、森林保有炭素量を13億m3増加。 インド 2020年までにGDP一単位当たりの排出量を2005年比20~25%の排出削減(農業部門を除く)。 ブラジル 2020年までにBAU化防止、穀倉地の回復、エネルギー効率の改善、バイオ燃料の増加、水力発電の増加、エネルギー代替、鉄鋼産業の改善等 ※3比で36.1-38.9%の排出削減。具体的な行動として、熱帯雨林の劣化防止、セラード(サバンナ地域の植生の一種)の劣 韓国 2020年までにBAU比30%の排出削減。 ✔ ✔

(32)

AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 出典: AR5 WG3 政策決定者向け要約 Table SPM.2 緩和のコスト

緩和コストは、主要技術の利用が制限されたり緩和のタイミングが遅れれば大幅に増加

緩和に関する総コストの推計結果には広い幅があり、シナリオ毎で想定している技術の種類や緩和のタイミングの違いに加え、モデルの構造や前提条件に強く 影響を受けます。 (本ページに記載されているコストに関する指標には、気候変動が緩和された際の便益や緩和の負の副次的効果については考慮されていません。) ※1:括弧なしの数字は中央値、括弧内の数字は14-86パーセンタイルの範囲を示す。 ※2:統一された炭素価格下で全ての国が早急に対策を講じ、全ての主要技術が利用可能なシナリオを費用効果的に緩和が行われるベンチマークとして使用。 ※3:消費者が財・サービスの購入に費やすことができる額の減少。 ※4:消費成長率の減少のみパーセントポイントで示されているため、例えば、「約450ppmを通るシナリオでは、毎年0.06%減少する」と読める。 ※5:原子力逓減:建設中を除き新設なし、既設は更新なし。太陽光・風力制限:総発電量の20%を上限。バイオ制限:バイオエネルギー利用(在来型を除く)を年間100EJ(エクサジュール、100×10^18ジュール、 100×23.8889×10^13Kcal)に制限 ※6:2015-2100年の累積コスト(割引率5%として現在価値換算した値)。一般均衡モデルを用いた分析結果ではベースラインの消費に対する消費ロスの現在価値換算額の増分を用い、部分均衡モデルはベースラインの GDPに占める削減コストの増分を用いている。 ※7:③は、2030年の排出レベルが55GtCO2換算以下とそれを超える場合、つまり2100年のGHG濃度が430-530ppmと530-650ppmの場合の2つに分けられ分析された。 ①費用効率よく緩和が行われた場合 ■様々な想定下における緩和コスト※1 カテゴリ分類 (2100年の GHG濃度 (ppm CO2換算)) ①緩和が費用効率よく行われる シナリオ※2における消費ロス※3 (ベースラインシナリオとの比較(%)) ②技術制限シナリオ※5における 2015-2100年の累積コスト※6の増加割合 (制限なしの場合との比較(%)) ③2030年まで緩和が遅れた場合の 累積コストの増加割合※7 (遅れなしの場合との比較(%)) 2030 2050 2100 消費成長率 (年率)の減少 (%ポイント) CCSなし 原子力 逓減 風力制限 太陽光・ バイオ 制限 2030年55Gt以下 2030年55Gt超 2030-2050 2050-2100 2030-2050 2050-2100 450 (430-480) 1.7 (1.0-3.7) 3.4 (2.1-6.2) 4.8 (2.9-11.4) 0.06 (0.04-0.14) 138 (29-297) 7 (4-18) 6 (2-29) 64 (44-78) 28 (14-50) 15 (5-59) 44 (2-78) 37 (16-82) 500 (480-530) 1.7 (0.6-2.1) 2.7 (1.5-4.2) 4.7 (2.4-10.6) 0.06 (0.03-0.13) ― ― ― ― 550 (530-580) 0.6 (0.2-1.3) 1.7 (1.2-3.3) 3.8 (1.2-7.3) 0.04 (0.01-0.09) 39 (18-78) 13 (2-23) 8 (5-15) 18 (4-66) 3 (-5-16) 4 (-4-11) 15 (3-32) 16 (5-24) 580-650 (0-0.9) 0.3 (0.5-2.0) 1.3 (1.2-4.4) 2.3 (0.01-0.05) 0.03 ― ― ― ― 備考 追加対策なしシナリオでは、消費は年率で1.6~3%、(今世紀中に300%~900%以上)拡大すると推計されています。 ②利用できる技術を制限した場合 ③2030年まで緩和が遅れた場合 追加的な緩和が遅れれば、中長期的な緩和 コストは更に増加します 技術が制限された場合、緩和コストは考慮された 技術に応じて実質的に増加します 例えば、約450ppmを通るシナリオでCCSなしの 場合、制限なしの場合と比べて2.38倍に増加 例えば、 約450ppmを通るシナリオで2030 年に約550億トン(55Gt-CO2換算)超の 場合、遅れなしの場合と比べて1.44倍に増加 ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和のコスト

緩和努力とそのコストは国により異なる

緩和シナリオにおいて、緩和努力とそのコストは国により異なります。国を越えたコストの分配は、緩和努力自体の分配とは異なる可能性があります。 国・地域別の緩和努力の配分枠組みについての様々な研究を比較することは、それらの研究は前提条件の違いや配分枠組みの考え方の違いから、推計結果には 大きな幅があります。 そのなかで、Höhneらの研究は、異なる配分枠組みについて比較可能性を有しています。Höhne らは、3つの平等原則である、責任、能力、衡平を基に、7つの枠 組みを開発し、その7つの枠組みを用いて2100年にGHG濃度が430-480ppmの場合の2030年の地域別GHG排出許容量、 2050年の地域別GHG排出許 容量を計算しています。 ■緩和の7つの配分枠組み別の2030年の地域別GHG排出許容量(2100年のGHG濃度が430-480ppm CO2換算となる場合)Höhneらの研究に 基づく) OECD 経済移行国 アジア 中東・アフリカ 南米 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ いくつかの配分方法では、 OECD諸国は、 2010年比およそ半減程度 2010年比(%) ⑥と⑦は比較対象となる 配分方法のためオレンジ で表現されている。 最大値 80%※1 20%※1 最小値 参照したシナリオの数 凡例番号→

※1:80%とは、参照したシナリオの中で80%の値という意味。20%も同様。 出典:AR5 WG3 第6章 Table 6.5、Fig.6.29

凡例番号 ― ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 配分の枠組み 責任 能力 衡平 責任、能力、 開発必要性 一人当たり累積 排出量均等化 部門段階的 アプローチ 限界削減費用 均等化 ベースライン シナリオ 世界での 配分方法 過去の累積排出量に応じて 配分 GDP比の削減 費用等に応じて 配分 一人当たり排出 量に応じて配分 しつつ、能力や持続累積排出量を重視 可能な開発の必要 性に応じて配分 一人当たりの累積 排出量を均等化す るよう配分 様々な部門にお いて、異なる寄 与を国が取るこ と。 排出量を追加的に1ト ン削減するのに必要なコ スト(限界削減費用) を均等化するよう配分 ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 ■<プラスの効果の例>緩和策の有無による大気汚染物質の推計結果(2050年におけるブラックカーボン・二酸化硫黄の排出水準) 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.6 緩和策に伴う副次的効果

緩和策は様々なプラスの効果・マイナスの効果をもたらす

2100年に約450、約500ppmを通るシナリオでは、大気汚染の削減とエネルギーセキュリティの向上を達成するための費用が減ることに加え、健康や生態系、 資源確保、エネルギーシステムのレジリエンス※1向上といった点でも明確なプラスの効果(よい効果)が存在しますが、定量化が十分でないものを含め、様々 なマイナスの効果(悪い効果)を伴う可能性もあります。 [参考] 緩和策のプラス・マイナ スの効果の詳細は各部門 別に示されています。 ※1:適応、学習、及び変容のための能力も維持しつつ、 本質的な機能、アイデンティティ、及び構造を維持す る形で、対応または再編して、ハザード事象もしくは傾 向または混乱に対処する社会、経済、及び環境シス テムの能力。 ※2:原文では厳格な気候政策と示されており、2100年 の濃度が450-530ppmに相当すると示されている。 ブラックカーボン 二酸化硫黄 汚染の増加 汚染の減少 最大値 75% 中央値 25% 最小値 個別の 結果 ベースライン 2100年の濃度が ベースライン 450-530ppmに 相当※2 2100年の濃度が 450-530ppmに 相当 2005 年比の変化率( % ) 大気汚染物質の大幅な減少による健康・生態系影響の低減は、現在、大気汚染の抑制が十分に法制度・計画されていない地域で特に大きくなります。 ✔

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AR5 Q&A 関連情報 5. 緩和の長期的経路 緩和策に伴う副次的効果

緩和策は化石燃料輸出国の収入を減らす可能性がある

緩和策は化石燃料の経済的価値を目減りさせ、化石燃料輸出国の収入を減らす可能性がありますが、地域や燃料種によってその影響は異なります。 • ほとんどの緩和シナリオでは、主要な石炭・石油輸出国の関連貿易収入は減少します。 • 緩和の効果は、天然ガスの輸出利益については不確実性が高く、2050年頃までは収入が増加するという研究事例もあります。 • 当面の間は、化石燃料燃焼の際にCCSを利用することで、化石燃料の経済的価値は減少するという緩和策のマイナスの効果は 低減します。 [解説] 化石燃料についてのプラス・マイナスの効果は両側目あります。 詳細は、第7章を参照ください。 ✔

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AR5 Q&A 関連情報 6. 分野横断的な緩和策

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AR5 Q&A 関連情報 6. 分野横断的な緩和策 ■ベースラインシナリオにおける部門別GHG排出量(直接排出量) ※1:この図ではエネルギー供給のなかでも主要な排出源である発電だけを扱っている。 出典:AR5 WG3 政策決定者向け要約 Fig.SPM.7 より一部抜粋 エネルギー消費・GHG排出の現状・見通し

ベースラインシナリオでは、ほぼ全ての部門で排出量が増加

ベースラインシナリオでは、農林業・土地利用部門を除き、すべての部門でGHG排出量は増加します。 GH G 直接排出量( Gt -CO 2 換算 /年) ←点線:2010年実績値 輸送 (CO2) 建築 (CO2) 産業 (CO2) 発電※1 (CO2) 農林業・ 土地利用 (CO2(森林吸収 と排出を相殺 後)) 全分野の CO2以外 のガス 増 加 増 加 増 加 増 加 増 加 最大値 75% 中央値 25% 最小値 参照したシナリオの数 農林業・土地利用部門のなかでも、CO2 以外の排出量は増加する見込みですが、 CO2排出量は徐々に減少し、いくつかのシ ナリオでは今世紀の後半に吸収側に回ると されています。 ✔

参照

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