英検「2級」二次面接試験問題の
「素材」と「質問文」の特徴
中国学園大学 松浦加寿子 中国学園大学 竹野純一郎 中国学園大学 大橋 典晶 広島大学 達川 奎三Under MEXT’s basic educational promotion plan, half of Japan’s high school students should have an English proficiency equivalent to the EIKEN test Grade 2 or Pre-2 by graduation. However, target attainment rates to date are quite unsatisfactory, especially for speaking. The purpose of this research is to analyze the topical and linguistic characteristics of EIKEN Grade 2 ‘Passage’ topics and interview test items #3 and #4 used between 2007 and 2016. Sixty interviews were analyzed in total. The paper categorized and tallied the topics employed, and used Word Level Checker, AntConc, and Microsoft Word software to analyze linguistic features. These research findings concerning commonly used topics, linguistic forms, and vocabulary level in the EIKEN Grade 2 interview test could help Japanese learners of English prepare for the examination. 1.はじめに 文部科学省は、平成29年度英語教育改善のための英語力調査の事業報告をHPで公表 した。英語力調査は、中学校3年生及び高校3年生を対象に、「聞くこと」「読むこ と」「話すこと」「書くこと」の4技能がバランスよく育成されているかを把握する ために実施された。高校3年生に関しては、国公立約300校から約6万人、「話すこと」 は約1万人を対象に、生徒の英語力や学習状況を検証している。その調査結果は、文 部科学省 (2018a) 「平成29年度英語力調査結果(高校3年生)概要」で確認できる。 文部科学省 (2013) 「第2期教育振興基本計画」の中で、英語教育の成果指標として 英語力の目標「高等学校卒業段階:英検準2級程度~2級程度以上の割合50%」が掲 げ ら れ て い る が 、 文 部 科 学 省 (2018a) で は 、 英 検 準 2 級 程 度 以 上 、 つ ま り CEFR (Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, and assessment, ヨーロッパ言語共通参照枠)A2レベル以上の割合は、「聞くこと 33.6 (28.7) %」「読むこと 33.5 (34.7) %」「話すこと 12.9 (12.8) %」「書くこと 19.7 (19.5) %」という結果であった。括弧内の数値は、前回高校3年生を対象に4技能型試 験 の 調 査 が 行 わ れ た 平 成27年度のものであり、その調査内容については文部科学省 (2016) に詳しい。CEFRは、外国語の学習や教授、評価に広く用いられ、「A1, A2, B1, B2, C1, C2」の順で易から難へレベルが設定されている。文部科学省 (2018b) 「各資 『中国地区英語教育学会研究紀要』 No. 49(2019)
実施される「共通テスト」への参加要件を満たしている資格・検定試験のCEFRとの対 照表が公開されており、英検準2級はCEFR「A1~A2」、英検2級はCEFR「A2~B1」 レベルと対応している。 本研究では、英語教育改善のための英語力調査報告からも「話すこと」が4技能の中で 目標到達割合が最も低いことから、「話すこと」を取り上げ、英検2級二次面接試験を用 いて、どのような素材内容について、どのような語彙や表現で質問がなされるのかを 分析することで、大学生であれば到達しておきたい英検2級の「話すこと」のレベル を検証したい。 2.研究 2.1 目的 本研究の目的は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する「英検」(正式名称: 実用英語技能検定)2級二次面接試験で用いられる面接カードのパッセージ(タイト ル)から「素材」の内容を、受験者自身の意見を求める「質問文」から扱われている トピック、用いられている語彙・表現などの特徴を明らかにすることである。本研究 では、2007年度第1回から2016年度第3回まで10年間分のデータを基に検証を行う。 2.2 英検2級の目安・審査基準 英検の各級の目安や審査基準については「英検」協会HPで公表されている。2級の 目安として、習得目標は大学入試レベルであり、推奨目安は高校卒業程度である。審 査基準では、2級の程度は、社会生活に必要な英語を理解し、また使用できることが 求められている。審査領域については、「読む」「聞く」では「社会性のある内容」 をインプット、「話す」「書く」では「社会性のある話題」についてのアウトプット が求められるが、ここで注目したいのは、「社会生活」「社会性」というキーワード である。準2級であれば「日常生活」がキーワードになっており、上位級である2級 は、4技能すべての審査において、準2級よりも難化していることがうかがえる。 2.3 英検2級二次面接試験 英検2級は、85分の筆記テストと約25分のリスニングテストが行われる一次試験と、 面接形式でスピーキング技能を測定する二次試験からなる。2016年度第1回検定から 2級に記述式の英作文が加わり、二次試験まで含めると4技能の測定が可能な検定試 験になった。英語のみで行われる二次面接試験は約7分であり、測定技能と検定形式、 主な場面・題材については協会HPで公表されている。本研究では、英検2級の「素材」 の特徴分析のために、音読の評価と設問「No. 1」で用いられる60語程度のパッセージ (タイトル付)を扱い、「質問文」の特徴を明らかにするために、受験者自身の意見 を求める設問「No. 3」「No. 4」を扱っている。「No. 3」は「ある事象・意見につい
て自分の意見などを述べる。(カードのトピックに関連した内容)」、「No. 4」は「日
常生活の身近な事柄についての質問に答える。(カードのトピックに直接関連しない 内容も含む)」という形式である。なお、本研究では、3コマのイラストの展開を説 明する設問「No. 2」は扱っていない。
2.4 手順 旺文社発行『英検準2級過去6回全問題集』を参照し、2007年度第1回から2016年 度第3回までの全60回分すべての英検二次面接試験のパッセージタイトルとその日本 語訳の表を作成した。また、設問「No. 3」と設問「No. 4」の質問文を打ち込み英文 データを作成した。分析として、まず、パッセージタイトルから、あるいはパッセー ジそのものを読み、「素材」の話題(トピック)を確認した。次に、「No. 3」「No. 4」 の「質問文」で扱われている話題を分析するために、それぞれの質問文に日本語でト ピックワードを付した。また、用いられている語彙・表現の検証のために、語彙難度 分析や異なり語数のカウントが可能である「Word Level Checker」やフリーソフトの コンコーダンサー「AntConc」を使用した。さらに、「Microsoft Word」で検索機能 も活用するなどして、語彙・表現を確認していった。なお、パッセージの話題の分析 方法は、達川・草薙 (2017) に、質問文の特徴の分析方法は、大橋・竹野・松浦・藤 代 (2018) に倣った。 分析に際し、トピックワードについて、説明が必要なものについて簡潔に記述して おく。「環境」は、環境保護やリサイクルを含む。「食」は、農業、漁業、畜産、健 康的な食事を含む。「教育」は、E-Learning、学校教育、社会教育等をすべて含み、 留学、図書館、美術館等の話題も教育に含まれる。「社会生活」には、日常的な生活 一般よりも社会的な視点が含まれる。「健康」は、心身両面の健康状態を含む。なお、 医療、サプリメント関連は健康に含まれる。「デジタル技術」は、PC、携帯電話、イ ンターネット、電子メール、電子マネー等の技術を含む。「生活一般」は、日常的な 生活事項を含むが、ペット、買い物等の別項目となっているものは含まない。「メデ ィア」は、TVや広告等を含むが、インターネットは含まない。「旅行」は、航空関連 や医療旅行を含む。なお、「話題(トピック)」内容について、二つ以上の項目に該 当する場合は、より上位項目に属するものとした。 3.分析結果 3.1 面接カードのパッセージで扱われる話題(トピック)について 表1は、2007年度から2016年度までの英検2級面接カードのパッセージタイトルの 日本語訳と扱われている話題(トピック)をまとめたものである。表2は、表1を基 にして、パッセージの話題内容で分類をし、その頻度と割合を示している。 表1には、参考として設問「No. 3」のトピックワードも付したが、「カードのトピ ックに関連した内容」であるべき「No. 3」とパッセージのトピックワードの合致率は、 60例のうち45例であり75%であった。このことは、関連したトピックであっても、二 つ以上の項目に該当する場合は、より上位項目に属するものとしたため、異なる項目 に分類される場合が少なくないことを示唆している。 表2によると、パッセージのトピックは、「環境」「食」が高頻度であり、「社会 生活」「健康」「デジタル技術」なども比較的頻出である。2級二次面接試験の主な 場面・題材が「社会性のある話題」であることを考慮に入れると、これらのトピック が高い頻度で出題されているのは納得のいく結果であった。「教育」に関しては、2 級の推奨目安が「高校卒業程度」であるので、高校生や大学生に馴染みがある内容が 扱われていること、また、トピックワードの分類で、「教育」が留学や社会教育等ま
表2 英検2級面接カードパッセージで扱われるトピック (n = 60) 話題 頻度 % 話題 頻度 % 環境 11 18.33 生活一般 3 5.00 食 10 16.67 ペット 3 5.00 教育 8 13.33 買い物 2 3.33 社会生活 7 11.67 メディア 2 3.33 健康 6 10.00 旅行 2 3.33 デジタル技術 6 10.00
3.2 設問「No. 3」「No. 4」「No. 3 & 4」で扱われる話題について 3.2.1 設問「No. 3」で扱われる「話題」内容について 表3は、設問「No. 3」の60の質問の「話題」内容とその頻度、割合を示している。 表3の結果は、「No. 3」がカード(パッセージ)のトピックに関連した内容であるこ とを考えれば、表2とほぼ類似した結果になるはずであるが、前節で述べたように必 ずしもそうなっていない。注目すべき点は、「No. 3」では、「教育」が「環境」とほ ぼ同じ割合で扱われ、最頻出になっていることである。このことは、二つ以上の項目 が含まれている質問文の場合、より上位の項目に属すと判断したことが原因であると 考えられる。例えば、授業 (in class) で、タブレットパソコンを使う (to use tablet computers) 場合、タブレットパソコンの「デジタル技術」より、授業の「教育」を上 位概念と考えた。この例のように、二つ以上の項目が含まれている場合、より「教育」 に焦点を当てた質問になっているのが「No. 3」の特徴といえる。 表3 英検2級設問「No. 3」で扱われるトピック (n = 60) 話題 頻度 % 話題 頻度 % 教育 13 21.67 生活一般 3 5.00 環境 12 20.00 旅行 3 5.00 食 8 13.33 買い物 2 3.33 健康 5 8.33 メディア 2 3.33 デジタル技術 5 8.33 社会生活 4 6.67 3.2.2 設問「No. 4」で扱われる「話題」内容について 表4は、設問「No. 4」の60の質問の「話題」内容とその頻度、割合を示している。 この表によると、「No. 4」では、他の内容と比べて明らかに「教育」と「社会生活」 が扱われる頻度が高いことが分かる。これら2項目だけで半分以上を占めている点が 非常に興味深い。「No. 4」は、高校生に馴染みのある「教育」と同時に、大人の視点 も必要になってくる「社会生活」に関する話題が多く取り上げられている。また、設 問「No. 3」では8回出題され、比較的頻出の内容であった「食」が「No. 4」では全 く扱われていない。「環境」も、「No. 3」では12回出題されていたが、「No. 4」で は6回と半減している。一方で、「ボランティア活動」が新たな項目として加わるな No. 3」と「No. 4」では、項目によって差異があることが明らかになった。
表4 英検2級設問「No. 4」で扱われるトピック (n = 60) 話題 頻度 % 話題 頻度 % 教育 19 31.67 ボランティア活動 2 3.33 社会生活 14 23.33 生活一般 1 1.67 デジタル技術 8 13.33 ペット 1 1.67 環境 6 10.00 買い物 5 8.33 健康 4 6.67 3.2.3 設問「No. 3 & 4」で扱われる「話題」内容について
表5は、設問「No. 3」と設問「No. 4」を統合した設問「No. 3 & 4」120の質問の 「話題」内容とその頻度、割合を示している。話題として高頻出であるのは、「教育」 「社会生活」「環境」であり、次いで「デジタル技術」「健康」「食」である。英検 2級の審査基準の目安に「社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができ る。」とあるとおり、「社会生活」に関連した話題が多く取り上げられていることが 分析によって明らかになった。二次面接試験の測定技能と検定方式では、「No. 4」は 「日常生活の身近な事柄についての質問に答える。」とあるが、「No. 3」と比較して 「No. 4」の方が必ずしも「日常生活」に関連する話題が多いとはいえない。「教育」 を「日常生活」と「社会生活」どちらの範疇として捉えるべきかの判断は難しいが、 「No. 3」「No. 4」いずれも傾向の違いはあるものの、概して、「日常生活」よりも 「社会生活」に関連した話題が多く扱われていると理解できる。 表5 英検2級設問「No. 3 & 4」で扱っているトピック (N = 120) 話題 頻度 % 話題 頻度 % 教育 32 26.67 買い物 7 5.83 社会生活 18 15.00 生活一般 4 3.33 環境 18 15.00 ペット 4 3.33 デジタル技術 13 10.83 旅行 3 2.50 健康 9 7.50 メディア 2 1.67 食 8 6.67 ボランティア活動 2 1.67 3.3 設問「No. 3」「No. 4」「No. 3 & 4」で用いられる語彙・表現の特徴について 3.3.1 設問「No. 3」「No. 4」「No. 3 & 4」で使用される英文データの基本情報
表6は、設問「No. 3」「No. 4」、それらを統合した設問「No. 3 & 4」で使用され る英文データの基本情報である。「Microsoft Word」の機能を用いて、Flesch Reading EaseやFlesch-Kincaid Grade Levelなどを測定した。Flesch Reading Easeは読みやす
さの評価基準であり、最高ポイントは100、標準的な文章が60から70で示され、スコ
アが高いほど読みやすいとされる。Flesch-Kincaid Grade Levelは、スコアが6.0であ れば、6年生が理解できる文章というように、米国の学校の学年を基準にしている尺 度である。設問「No. 3*」「No. 3 & 4*」は、それぞれのデータから「No. 3」の質問 文で必ず用いられるWhat do you think about that? の1文を除いたものである。
表6 設問「No. 3」「No. 4」「No. 3 & 4」で使用される英文データの基本情報 総語 数 文の 数 文中の 単語数 (平均) 単語内の 文字数 (平均) 受身形 の文 Flesch Reading Ease Flesch- Kincaid Grade Level Word Level Checker 異なり語 数 (type) No. 3 No. 3* 1,247 887 121 61 10.3 14.5 4.4 4.7 4.0% 9.0% 80.0 68.6 4.6 7.2 228 224 No. 4 1343 120 11.1 4.6 7.0% 70.3 6.2 222 No. 3 & 4 No. 3 & 4* 2590 2230 241 181 10.7 12.3 4.5 4.6 6.0% 8.0% 75.0 69.8 5.4 6.5 318 317 注 「No. 3」の質問文からWhat do you think about that? の1文を除いたデータ
表6を参照すると、「No. 3」で用いられた総語数、すなわち延べ語数 (token) 1,247 語、「Word Level Checker」で調べた異なり語数 (type) は228語であった。質問文の What do you think about that? を除外すると、延べ語数 (token) は887語、異なり語 数 (type) は224語であった。「No. 3」の質問文は基本2文(1題のみ3文)であり、 文中の単語数の平均は10.3語で、What do you think about that? を除いた「No. 3*」 では14.5語である。一方で、「No. 4」の延べ語数は1,343語、異なり語数は222語であ った。「No. 4」は必ず2文であり、文中の平均単語数を見ると11.1語で、「No. 3」 の10.3語とほぼ同じ長さであることが分かる。 3.3.2 設問「No. 3」の質問文で用いられる語彙・表現の特徴について 設問「No. 3」の英文データに含まれる質問に用いられた121文を分析し、筆者ら英 語指導者から見た気づきと、コンコーダンサー「AntConc」や「Microsoft Word」の 検索機能などを使用して数値で表すことができる分析結果を含めたものを以下に箇条 書きで述べる。以下、括弧内の数値は出現回数である。
・1例を除き、1文目はSome people say thatで始まり、2文目はWhat do you think about that? である (59)。その1例は、Most elementary schools in Japan serve lunch to their students. Some people say that this service should be stopped. What do you think about that? で、一文目でまず現状を述べている。
・Some people say thatに続く従属節の動詞の時制/相は、現在時制/単純相である。 shouldを用いる場合が最も多く (18)、willを用いる場合 (13)、canを用いる場合 (1)、it is … to ~ という構文も見られた (5)。
・受身形の文が見られた (6)(a lot of food is wastedなど)。 3.3.3 設問「No. 4」の質問文で用いられる語彙・表現の特徴について
設問「No. 4」の英文データに含まれる120の質問文を設問「No.3」と同様に分析を 行い、その結果を以下に述べる。
・例外なく、質問文は2文である。
・第1文では、today (40), many (35), in Japan (9) によって、一般的な事実が述べ られている。さらに、these days (14) やit is often said that (3) も登場する。
・第2文は例外なく Do you think で始まる (60)。従属節にはwillを用いる場合 (29)、 shouldを用いる場合 (9) あり、自分の考えや行動が一致するか尋ねられる。 ・二者択一の問題も見られた (6)。
例)It is common for people to exchange messages on the Internet. Do you think sending messages on the Internet is better than talking on the phone?
・受身形の文が見られた (9)(it is often said that (3) を含む)。 ・内容は、パッセージ、「No.3」とは異なるものである。
3.3.4 設問「No. 3 & 4」の質問文で用いられる語彙・表現の特徴について
設問「No. 3 & 4」のすべての質問文で用いられている異なり語数は318語であり、 設問「No. 3 & 4*」では317語になる。「No. 3 & 4*」で出現回数が3回以上の語彙に ついて頻度順に並べたリストを付録1で確認できる。「教育」に関しては、students (18), schools (17), children (15), school (12), dictionaries (8), languages (7), English (5) などが挙げられる。「社会生活」に関しては、public, manners (6), security, cameras (4) などである。「環境」では、electricity (4), environment, solar, panels (3) など が用いられている。
表6を参照すると、Flesch Reading Easeに関して、設問「No. 3*」は68.6、設問「No.4」 は70.3 で あ り 、 両 問 の 難 易 度 は ほ ぼ 同 じ と 考 え ら れ 難 解 な 英 文 で も な い 。 Flesch-Kincaid Grade Levelについても、「No. 3*」は7.2、「No.4」は6.2であるので、 比較的理解しやすい英文レベルであることが分かる。
表7は、「No. 3 & 4*」のデータを、JACET8000をベース辞書として「Word Level Checker」で難易度解析した結果である。約90%がLevel 1であり、97%近くが高校教 科書、センター試験レベルのLevel 3までに含まれていることが判明した。これは、英 検2級の対象受験者が高校卒業程度であることと合致している。 表7 JACET8000を基準とした設問「No. 3 & 4*」で用いられる語彙の難易度 JACET8000 語数/総語数[2230] (括弧内の数値は%) 難易度の目安 (JACET8000英単語 (2005) による) Level 1 2018 (90.49) 中学校の基本 Level 2 93 ( 4.17) 高校の初級 Level 3 43 ( 1.93) 高校の教科書 センター試験 一般社会人の教養 Level 4 11 ( 0.49) 大学受験 大学一般教養 Level 5 5 ( 0.22) 難関大学受験 大学一般教養 Level 6 11 ( 0.49) 英語専門外の大学生 ビジネスマン Level 7 2 ( 0.09) 英語を仕事で使うビジネスマン Level 8 5 ( 0.22) 日本人英語学習の最終目標 Unknown 42 ( 1.88) 4.まとめと今後の課題 本研究では、英検「2級」二次面接試験で用いられるパッセージのタイトルから「素 材」の内容を、受験者自身の意見を求める「質問文」から扱われているトピック、用 いられている語彙・表現などの特徴を分析した。2級の推奨目安が高校卒業程度であ
り、社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができることを目指している ので、話題としては「教育」をはじめ、「社会生活」「環境」「デジタル技術」「健 康」「食」と続いており、「社会生活」に関する事柄の頻度が高くなるのは当然であ る。達川・草薙 (2017) は、準1級で扱われる話題について、「大人の目線」から捉 えた社会性の高い話題が多いと指摘しているのに対し、大橋他 (2018) は準2級で扱 われる話題について、日常生活の範疇にある生活一般に関するものが多いと結論付け ている。2級はまさにその中間であり、準2級では比較的取り上げられることが少な かった「環境」が2級では4番目に多い。また、準1級に比べると、2級では日常生 活の身近な話題も多いことがうかがえる。 さらに、語彙・表現については、英語指導者らの気付きとともに、語彙難易度分析 プログラムやコンコーダンサー、検索機能などを用い客観的・数値的な分析を試みた。 分析結果から、日常生活に関する話題から「社会生活」に関連した話題まで幅広く問 題意識を持たないといけないことが示唆された。スピーキングの指導に際しては、以 上のことを踏まえ、学習者自身の考えについて述べられるよう指導する必要があると 考える。 著作権に関する許諾について 本研究では、著作権に関して、公益財団法人日本英語検定協会に「英検・過去問題 使用許可申請書」を提出し、協会より許諾をいただいた。ここに感謝の意を表したい。 パッセージ及び設問「No. 3」と設問「No. 4」の質問文については、毎年発行される 『英検準2級過去6回全問題集』(旺文社)を参照した。 引用文献 相澤一美・石川慎一郎・村田年(編)(2005). 『「大学英語教育学会基本語リスト」に 基づくJACET8000 英単語』東京:桐原書店 旺文社. 『英検2級過去6回全問題集』 (2008 年度版~2018 年度版) 大橋典晶・竹野純一郎・松浦加寿子・藤代昇丈 (2018). 「英検「準2級」二次面接試 験の質問文で扱われる話題と用いられる語彙・表現の分析」『中国学園紀要』 第17 号, 211-218. 達川奎三・草薙邦広 (2017). 「英検「準1級」二次面接試験問題の「素材」と「質問 文」の特徴」『広島外国語教育研究』 第 20 号, 215-230. 文部科学省 (2013). 「第 2 期教育振興基本計画」 http://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/ 06/14/1336379_02_1.pdf(最終閲覧日:2018 年 9 月 9 日) 文部科学省 (2016). 「平成 27 年度英語教育改善のための英語力調査事業(高等学校) 報告書」 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afi eldfile/2016/12/16/1375533_1.pdf(最終閲覧日:2018 年 9 月 9 日) 文部科学省 (2018a). 「平成 29 年度 英語力調査結果(高校3年生)の概要」 http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2 018/04/06/1403470_03_1.pdf(最終閲覧日:2018 年 9 月 9 日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2018/0 3/26/1402610.pdf(最終閲覧日:2018 年 9 月 9 日)