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概要
欧州経済の回復ペースは速まっている
– ドイツ、スペインが主導
長期展望-再工業化
欧州経済危機 の副作用 –東部諸国の問題
– トルコ、ウクライナ
財政改革 – 付加価値税の影響
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欧州の工業生産指数は回復傾向を示している
GDP成長率は依然として低いままではあるが、工業生産指数 (IP) と 購買
担当者景気指数(PMI) は回復しており、欧州全体の経済をゆっくりと牽引
している
GDP成長(YoY; 2003=100) 92 94 96 98 100 102 104 106 108 08 /0 3 08 /0 6 08 /0 9 08 /1 2 09 /0 3 09 /0 6 09 /0 9 09 /1 2 10 /0 3 10 /0 6 10 /0 9 10 /1 2 11 /0 3 11 /0 6 11 /0 9 11 /1 2 12 /0 3 12 /0 6 12 /0 9 12 /1 2 13 /0 3 13 /0 6 13 /0 9 13 /1 2 PO US GE FR UK JP EMU SP 0 5 10 15 20 25 UK GE EMU JP US 購買担当者景気指数: PMI (成長 2013.08-2014.02)-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 3
リスク: 日本、米国、スペインにおける景気と危機の比較
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Source: Data from Bloomberg (2013).
% GD P Gap 米国 (2000-2014) 日本バブル (1985-1991) スペイン (2001-2013) % GD P Gap 日本金融危機 (1992-1997) 不良債権危機 (1998-2002) 2 0 0 0 2 0 0 2 2 0 0 4 2 0 0 6 2 0 0 8 2 0 1 0 2 0 1 2 2 0 1 4 2 0 1 6 2 0 1 8 1 9 8 4 1 9 8 6 1 9 8 8 1 9 9 0 1 9 9 2 1 9 9 4 1 9 9 6 1 9 9 8 2 0 0 0 2 0 0 2 GDPギャップ: 1990年代日本と 2000年代の米国、スペイン 日本: 好景気→ 大不況→ 高い財政支出→ 満足のいかない回復 米国: 好景気(バブル)→ 大不況→ 高い金融 及び財政支出→ 回復 スペイン: 長期好景気→ 超大不況→ 低公共支出→難しい構造改革 3
90 140 190 240 290 340 1980/ 12 1982/ 02 1983/ 04 1984/ 06 1985/ 08 1986/ 10 1987/ 12 1989/ 02 1990/ 04 1991/ 06 1992/ 08 1993/ 10 1994/ 12 1996/ 02 1997/ 04 1998/ 06 1999/ 08 200 0/ 10 200 1/ 12 2003/ 02 2004/ 04 2005/ 06 2006/ 08 2007/ 10 2008/ 12 2010/ 02 2011/ 04 2012/ 06 2013/ 08 2014/ 10
2015年までに財市場回復の兆し
固定資本投資 (1980=100)
スペインの固定資本投資は回復の兆し
アメリカ スペイン 日本 ドイツCopyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
工業生産指数の引き上げには輸出主導型の成長が必要
輸出成長率 (%; 2012-2013) Source: BBVA (2013, 2014). 価格競争力の上昇により、スペインの輸出が増大する 投資が国内経済を牽引するはず GDPと賃金増加はその後 に続く ただし、持続的な成功のためには、スペインの“新しい”市場が必要 スペインの輸出&投資成長性 Export Investment 5北部と南部のバランスを取り戻すことが欧州経済回復の鍵
南部の成長のためには、構造改革とより高い競争力が必要
スペインの実質的な通貨切り下げ(デフレ)と輸出拡大がヨーロッパ南部の復 調の道筋を示している
南部の経済を牽引するために北部の需要増大が必要
ドイツの拡張的金融政策や財政政策は需要を拡大させ、設備投資を後押し
欧州危機から6年経過、経済回復の可能性は高い(循環的)
国際競争力は強くなり、政策はさらに拡張的に
日本のような“不良債権”危機は起こりにくい
南部では企業の倒産や不良債権の増加が予想されるものの、再び北部から 南部へと資金が流れ始め、南部の企業や“不良債権”の買収などの買収に向 かっている80 100 120 140 160 180 200 220 240 1989 1991 1994 1996 1999 2001 2004 2006 2009 2011 2014 US GE IR IT JP FR UK SP 7
コスト管理はしっかり行われている
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Source: Bloomberg; OECD (2014).
単位労働コスト(1991=100)
米国 ドイツ アイルランド 日本 イタリア 7 スペイン UK欧州物価動向 (GDPデフレーター)
80 85 90 95 100 105 110 115 08 /1 2 09 /0 8 10 /0 4 10 /1 2 11 /0 8 12 /0 4 12 /1 2 1 3 /0 8 14 /0 4 14 /1 2 15 /0 8 ドイツ アイルランド イタリア スペイン欧州の物価と生産力の動向は逆転している
南部の労働コストは低下傾向にある中、企業リストラが生産性を上げている -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 EZ Ger many Ir ela nd Spa in Fra nce Italy NE Por tug al Fin lan d Taxes Profit Productivity Wages Deflatorインフレ変化の要因(GDPデフレーター)
1999-2008 -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 EZ Ger many Ir ela nd Spa in Fr an ce It al y NE Por tug al Finland 2009-2013-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 19 95 19 95 19 96 19 97 19 97 19 98 19 99 19 99 20 00 20 01 20 01 20 02 20 03 20 03 20 04 20 05 20 05 20 06 20 07 20 07 20 08 20 09 20 09 20 10 20 11 20 11 20 12 20 13 20 13
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欧州の新しいバスワード:再工業化
スペイン
Source: Data from Bloomberg.
工業生産&GDP 成長率 (% yoy) -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 19 95 19 95 19 96 19 97 19 97 19 98 19 99 19 99 20 00 20 01 20 01 20 02 20 03 20 03 20 04 20 05 20 05 20 06 20 07 20 07 20 08 20 09 20 09 20 10 20 11 20 11 20 12 20 13 20 13 IP GDP 多くの欧州諸国とは異 なり、 ドイツの成長基盤 は、工業生産と輸出 多くの欧州諸国は、ドイ ツの成長モデルを真似 しようとしている つまり、産業の強みや 輸出競争力の拡大に注 目 ドイツ
持続的な輸出主導型の成長は可能か
遅れをとっていた地域の輸出 南部で遅れをとっていた諸国の輸出が増大し、北部の輸入が増えていることでもわかる ように、欧州はバランスを取り戻している サービス輸出(旅行業、ビジネスサービス)や新たな地域(アジア、ラテンアメリカ)におけ る“輸出の多様性”が主な手段のひとつになっている 企業は特化を進めることや巨大なヨーロッパ市場での取引き拡大により利益を得ている 欧州諸国のリバランス(%; 2008-2013)Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
スペイン経済の回復
スペインは景気急落後、徐々に回復している。低水準ながら景気に対す
る楽観論が広がっている
銀行は厳密な“ストレステスト”を行った。徐々に“新規”の信用供与が可能になり、投資 回復をサポートしている 安い人件費により、新規マーケットを開拓できる輸出が成長の原動力
2回の長期不動産バブルを経て、スペインは土木建築、イン
フラ基盤やビジネスサービスに強くなった
スペインの製造業は、過去には国内需要に甘んじ、国内市場のみに目を向けていたが 、今は国際競争力に注目しなおしている ラテンアメリカや中東とグローバルな比較優位に基づく“再工業化” 港湾、高速鉄道、自動車道路での技術やインフラ整備の輸出 • (例:パナマ運河) ビジネスサービスは広がりをみせており、学生の急速な国際化が進んでいる 110 50 100 150 200 250 2007.12 2008.12 2009.12 2010.12 2011.12 2012.12 2013.12 RollsRoyce (UK) Schneider (France) Hitachi (Japan) ABB (Swiss) Siemens Germany) GE (US)
欧州の多国籍企業成果2007-2014
大企業株価(米ドル; 2008.01=100)
0 100 200 300 400 500 600 700 Germany Swiss France UK US EU Japan Italy CAGR: 16%
欧州の強い中堅企業成果 2002-2014
Source: Data from Bloomberg
中企業株価(米ドル; 2002.01=100)
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欧州危機の副作用- 東ヨーロッパ問題(トルコ、ウクライナ)
欧州危機と内政問題により、東側の境界地域に対する戦略と方針が失われた トルコはユーラシアにおける自らの役割を必死に模索している(中所得国の罠) ウクライナは西部が親欧州、東部が親ロシアに分かれている 東ヨーロッパの成長のためには、ロシアと中東との友好関係が必要 ロシア影響圏 米国影響圏 欧州Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
欧州とロシアはエネルギーと貿易において依存関係にある
ドイツではガスの40%、石油の35%がロシアからの輸入 ロシアのガス輸出70%がヨーロッパ向け ドイツ-ロシア貿易 2005年~2013年: +40% ドイツ輸出の5%がロシア向け、ロシア輸出の30%がドイツ向け ドイツの対ロシア輸出 第11位の貿易相手国 機械類 23% 自動車、部品 22% 電子機器 16% 化学品 14% ロシアの対ドイツ輸出 第3位の貿易相手国 全ガス輸出の24% 1550 60 70 80 90 100 110 120 2007/10 2008/10 2009/10 2010/10 2011/10 2012/10 2013/10 30 80 130 180 230 07 /0 9 08 /01 08 /05 08 /09 09 /01 09 /05 09 /09 10 /01 10 /05 10 /09 11 /01 11 /0 5 11 /09 12 /01 12 /05 12 /09 13 /01 13 /05 13 /09 ルーマ ニア ポーランド スロバキア
中欧
東欧
欧州危機の東部の成長拠点に対する危機影響の遅れ
長期的な危機の経て、欧州は未来志向の戦略と将来市場に再び目を向ける必要がある と認識している 東部(ロシア、トルコ、イラン)と米国(FTA相手国)との外交が再び重要な議題になる 日本には、欧州、ロシア、トルコ、アラブ諸国、イラン(潜在的)とのパートナー関係の強化 とFTAの好機がある 為替USDレートが下落 経常収支成長が鈍化 Ruble Euro トルコLira トルコ ドイツ 2013年4月商業活動を展開している1000社の雇用効果 日本企業はドイツに84,000人の従業員がおり、強いプレゼンスと大きな製造規模がある 日本企業はビジネスサービスを強化して製造拠点を南部と東部にシフトすることにより、 巨大なヨーロッパ市場開拓に挑戦するための基盤をドイツに持っている ドイツでの投資件数 (企業活動 2008-12) ドイツにおける日本のプロジェクト (企業活動 2008-12)
日本企業は変わりなくドイツへの投資を継続している
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ドイツにおける日本企業の最近の動向
M&A、技術提携、情報収集拠点新設を中心に展開
1)M&A展開: 海外企業による自国企業へのM&Aに抵抗小さい?
・ドイツ企業のリソースを取得してドイツ及び欧州市場へ
例:楽天、LIXILグループ
・生産拠点の確保
例:日本水産、森永乳業
・ドイツ企業の有する優れた技術の獲得
例:HOYA、安川電機
・インフラ事業展開
例:三菱商事(海底送電の事業権取得)
2)日独戦略アライアンス
・共同研究・技術開発・実証実験・コンサル提携など
例:トヨタ、TOTO、伊藤忠テクノロジーソリューションズ
3)新規事業のための情報収集拠点設立
・事務所設立
例:沖電気、日本ハム
-100 0 100 200 300 400 500 0 50 100 150 200 250 300 2003/ 07 2004/ 01 2004/ 07 200 5/ 01 2005/ 07 2006/ 01 2006/ 07 2007/ 01 2007/ 07 2008/ 01 2008/ 07 2009/ 01 2009/ 07 2010/ 01 2010/ 07 2011/ 01 2011/ 07 201 2/ 01 2012/ 07 2013/ 01 19
低コスト・高コストパフォーマンスに需要がシフト
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Source: Data from Bloomberg (2013).
国別ヨーロッパへの輸出量(2003=100)
低コスト製品(中国)、原料・部品(米国)の輸入が増加
日本製品(機械・自動車)は厳しい市場競争に挑むことになる
米国 日本車 中国 日本 China US, Japan 19回復は高いポテンシャルを持った長期プロセスである
欧州の長期見通し
内部の改革、つまり銀行同盟とサービス市場の統合(労働市場の再編を含む) は成長の鍵であるが、それは欧州全体のゆるやかな統合歩調に依存する ドイツとスペインは積極的に前に進んでいるが、欧州全体の成長と再編のスピ ードは、二の足を踏んでいる“中間所得国”代表であるフランスやイタリア次第 ヨーロッパは輸出増で成長したいが、悪化した南部と東部諸国の関係の修復が 必要
欧州における日本の投資が再び拡大している
日本の投資は景気の良いドイツでは拡大しているが、改革中の南部、東部ヨー ロッパでは進んでいない。 欧州諸国の改革にチャンスを求めることは、日本企業にとっての優先課題とな る:日本企業は再編に関しては豊かな経験を有しており、欧州全体の再編が進 む中、日本は優位な立場にある(例:日産ルノー、Lixil-Grohe)Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
欧州経済の改革:付加価値税(VAT)
イタリア、フランスでは社会保障費増加の影響を和らげるために、ドイツ、英国では法人 税率切り下げとバランスをとるため、消費税率が引き上げられている グローバル化が急速に進むヨーロッパでは、法人税率の設定は高い競争力にさらされ、 VATが代替手段となっている 法人税率は減少 消費税率は上昇 21Source: Baker & McKenzie (2013).
OECD イタリア ドイツ UK US フランス OECD ドイツ UK フランス