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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

グロウジェクト注

1.33mg

グロウジェクト注

8mg

グロウジェクト

BC8mg

2.5 臨床に関する概括評価

日本ケミカルリサーチ株式会社

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

用語の定義[JR-401(成人成長ホルモン分泌不全症)]

用語 定義・解説

72W 群 A201 試験における実薬投与群(A202 試験における GH/GH 群)の A201 試験開始時からA202 試験 48 週後までを通算した群 72W 群+P/GH 群 72W 群と P/GH 群とを合算した群(投与期間は GH 投与開始後の時期を表 す) A201 試験 成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対する JR-401 のプラセボ対照二 重盲検群間比較試験 A202 試験 成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対する JR-401 の長期投与試験 A203 試験 成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対する JR-401 の継続投与試験 ACTH/Adrenocorticotropic hormone 副腎皮質刺激ホルモン AGHD/Adult growth hormone deficiency 成人成長ホルモン分泌不全症 ALT/L-alanine: 2-oxaloglutarate aminotransferase アラニン・アミノトランスフェラーゼ

ApoB/Apolipoprotein B アポリポプロテインB

ApoE/Apolipoprotein E アポリポプロテインE

AST/L-aspartate: 2-oxaloglutarate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ DEXA/Dual energy x-ray absorption 二重エネルギーX 線吸収法

FSH/Follicle-stimulating hormone 卵胞刺激ホルモン GH/Growth hormone

(hGH、r-hGH/recombinant human Growth hormone)

成長ホルモン(ヒト成長ホルモン、遺伝子組換えヒト成長ホルモン)。 下垂体前葉にて分泌されるホルモン。肝臓や骨端軟骨など様々な体内組織 においてインスリン様成長因子(IGF、別名ソマトメジン)と呼ばれるペ プチドの産生を促すことで、成長促進作用、細胞分裂促進作用、代謝に対 するインスリン様同化作用を示す。

GHD/Growth hormone deficiency 成長ホルモン分泌不全症

GH/GH 群 A201 試験の実薬投与群から A202 試験に移行した群 GRS/Growth hormone research society The Growth Hormone Research Society

IDL/Intermediate density lipoprotein 中間比重リポ蛋白

IGF-Ⅰ/Insulin-like growth factor Ⅰ インスリン様成長因子Ⅰ。肝由来の成長因子の一つ。GH により産生され る。軟骨細胞に作用することで強い成長促進作用を有す。その他に、イン スリン様作用、細胞増殖作用、細胞の分化促進作用、細胞の機能調節作用 など、種々の細胞において多彩な作用を有している。

IGFBP-3/Insulin-like growth factor binding protein 3 インスリン様成長因子結合タンパク質3

IU/International unit 国際単位。世界保健機構(WHO)の勧告に基づき、現在、ヒト成長ホル

モン製剤の表示単位はIU から mg に変更されている。[3 IU=1 mg] JR-401 臨床試験における治験薬。グロウジェクト注 24IU 又はグロウジェクト BC24 (代替新規申請後グロウジェクト注8mg 及びグロウジェクト BC8mg) JR-8810 ソマトロピン原体-JCR LH/Luteinizing hormone 黄体形成ホルモン

LOCF/Last observation carried forward 有効性の評価に用いるデータが欠測した場合に最直前のデータを補完す ること。

MedDRA/J ICH 国際医薬用語集日本語版

PAI-1/Plasminogen activator inhibitor-1 プラスミノーゲン アクチベーター インヒビター1 P/GH 群 A201 試験のプラセボ投与群から A202 試験に移行した群 PSUR/Periodic safety update report 定期的安全性最新報告

PT/Preferred term 基本語

SD/standard deviation 標準偏差。データのばらつきの大きさを表す指標。

SD スコア/standard deviation score 標準偏差スコア。データの平均からのばらつきを、標準偏差を用いてスコ ア化したもの。【(実測値-平均値)/SD】

SF-36/MOS Short-form 36-items health survey 健康関連QOL 尺度。世界で最も広く使われている自己報告式の健康状態 調査票。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

用語 定義・解説

SOC/System organ class 器官別大分類

TNF-α/Tumor necrosis factor-α 腫瘍壊死因子α TSH/Thyroid-stimulating hormone 甲状腺刺激ホルモン VLDL/Very low density lipoprotein 超低比重リポ蛋白

実薬投与群 A201 試験において実薬を投与した群[0.006mg 投与群、0.012mg 投与群] 副作用 JR-401 との因果関係が否定できない有害事象 有害事象 JR-401 を投与された被験者に生じた全ての好ましくないあるいは意図し ない疾病又はその徴候 体組成 Fat 体脂肪量 Lean 非脂肪量 BMC 骨塩量 Trunk 躯幹部 Total 全身(頭部を除く) 躯幹部体脂肪率(%) ×100 + +TrunkLean TrunkBMC TrunkFat TrunkFat 躯幹部体脂肪量(kg) Trunk Fat 除脂肪体重率(%) ×100 + + + TotalBMC TotalLean TotalFat TotalBMC TotalLean

除脂肪体重量(kg) Total Lean + Total BMC

全身体脂肪率(%) ×100 + +TotalLean TotalBMC TotalFat TotalFat 全身体脂肪量(kg) Total Fat

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 目 次 2.5.1 製品開発の根拠...4 2.5.1.1 薬理学的分類 ...4 2.5.1.2 対象疾患 ...4 2.5.1.3 治療の現状と問題点 ...10 2.5.1.4 AGHD に対する臨床開発の経緯 ...10 2.5.1.5 承認申請に用いる臨床データパッケージ ...14 2.5.1.6 外国における状況 ...15 2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価 ...15 2.5.3 臨床薬理に関する概括評価...15 2.5.4 有効性の概括評価 ...15 2.5.4.1 試験デザイン/試験計画 ...15 2.5.4.2 試験対象集団 ...17 2.5.4.3 有効性成績...20 2.5.4.4 部分集団の検討...32 2.5.4.5 長期有効性の検討 ...33 2.5.4.6 有効性評価のまとめ ...33 2.5.5 安全性の概括評価 ...34 2.5.5.1 曝露状況 ...34 2.5.5.2 治験対象集団の人口統計学的特性 ...34 2.5.5.3 比較的よく見られる有害事象 ...35 2.5.5.4 死亡及び重篤な有害事象 ...35 2.5.5.5 その他の重要な有害事象 ...36 2.5.5.6 その他留意すべき安全性情報 ...37 2.5.5.7 市販後データ及び定期的安全性最新報告(PSUR) ...44 2.5.5.8 まとめ...44 2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論 ...45 2.5.6.1 ベネフィット ...45 2.5.6.2 リスク及びリスクマネジメント...46 2.5.6.3 ベネフィットとリスクに関するまとめ...50 2.5.7 参考文献 ...52

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 2.5.1 製品開発の根拠 2.5.1.1 薬理学的分類 グロウジェクトは遺伝子組換え技術により製造された天然型ヒト成長ホルモン(GH)製剤で あり、生体内で分泌されるヒトGH と同一の構造を有し、その生理活性も同等である。 日本ケミカルリサーチ株式会社では、本邦においてグロウジェクト注 4IU を開発し、1993 年 に「骨端線閉鎖を伴わない下垂体性小人症」の効能の承認を取得した。さらに、1999 年には「骨 端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長」の効能の追加承認を取得した。 2.5.1.2 対象疾患 2.5.1.2.1 成長ホルモン(GH)の分泌調節と生物学的作用 GH はヒト脳下垂体から分泌されるアミノ酸 191 個より成るペプチドホルモンであり、成長促 進作用のみならず、脂質、糖、骨、水電解質代謝、さらには免疫系などに対し多彩な作用を有す る。これらのGH の作用は、多くはインスリン様成長因子-Ⅰ(IGF-Ⅰ)を介して発揮されている と考えられているが、IGF-Ⅰを介さない GH の直接作用もあるとされる1)。 ヒトにおいてGH は、約 2 時間間隔で脈動的に分泌されており2)、その分泌量は夜間に多く、1 日の総分泌量の 70%が夜間に分泌される 3)。GH 分泌は中枢神経系を介して最終的には視床下部 から放出される成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)とソマトスタチン(SS)により調節される。 また、GH の影響下に産生される IGF-Ⅰによるネガティブフィードバックによっても調節され、 さらに性ステロイド、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモンも視床下部及び下垂体を含め種々の レベルでGH-IGF-Ⅰ系を修飾することが知られている4)。 GH の分泌量は、年齢とともに変化する。平均血中 GH 濃度は出生時には約 30 ng/mL であり5)、 その後、幼児初期まで徐々に低下し、思春期までは比較的安定した値(約5~7 ng/mL)をとる5),6)。 思春期になると性ホルモンの作用によってGH 分泌は増加し、思春期中期から晩期にかけて最大 となり、その後成人期になると、分泌量はその2 分の1から 4 分の 1 以下に減少するが、成人期 以降も生涯にわたって分泌され続けることが知られている6),7)。ヒトの一生における平均血中GH 濃度のおよその上限と下限に関する模式図6)を以下に示した(図2.5.1-1)。 図2.5.1-1 ヒトの一生における平均血中 GH 濃度のおよその上限と下限6)

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 GH の生理作用は多様であり(図 2.5.1-2)、肝、腎、骨組織、筋組織、脂肪組織、免疫組織など に直接的もしくは間接的に作用することが知られている。たん白同化作用、脂質代謝作用、抗ナ トリウム利尿作用等は、筋肉組織量や体脂肪量、体液量、特に細胞外液量に影響を与え、その結 果GH は体組成の維持に関して重要な働きを担うことが明らかにされてきている8),9)。 図2.5.1-2 GH の分泌調節機構と GH の作用8)より一部改変 (GHRH:成長ホルモン放出ホルモン,SS:ソマトスタチン,VD:ビタミン D,FFA:遊離脂肪酸) 2.5.1.2.2 成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)の病態 2.5.1.2.2.1 臨床像 AGHD は、下垂体の損傷等の原因で GH の分泌量が極度に低下した成人で生じる一連の臨床症 状を伴う疾患である。AGHD 患者は、臨床的に脂肪量の相対的な増加と筋肉量の相対的な減少を 伴う傾向にあり、多くの場合、活動力とクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の低下が観察される と報告されている10)-13)。 AGHD 患者においては、内臓脂肪の増加とともに、心血管系疾患のリスクファクターである血 中トリグリセリドの上昇、総コレステロールの上昇、LDL-コレステロールの上昇、HDL-コレス テロールの低下が認められている11),14),15)。 GHRH SS

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

また、1998 年に発表された Growth hormone research society(GRS)による AGHD の診断治療に関 するコンセンサスガイドライン16)(以下、コンセンサスガイドライン)によれば、AGHD 患者で は「除脂肪体重及び骨密度の低下、ならびに腹部脂肪の増加を伴う体組成の異常などがあり、皮 膚は薄く乾燥し、発汗は減少する。筋力及び運動機能は低下し、自覚的な充足感が失われ、他の 不定愁訴が多いといった特徴的臨床症状を有する」とされている。 我が国における厚生省特定疾患間脳下垂体機能障害調査研究班による調査17)では、下垂体機能 低下症患者をGH 欠損群(GH(-)群)と GH 非欠損群(GH(+)群)で層別して合併症の保 有率を比較したところ、狭心症、高脂血症、肝障害の保有率がGH(-)群で有意に高かった(図 2.5.1-3)。さらに、高血圧、糖尿病、高脂血症が重複することによって一般に心血管系疾患のリ スクが高まることが知られていることから、これら3 疾患の重複率も検討したところ(図 2.5.1-4)、 GH(+)群では 3 疾患のうち二つが合併している割合は、いずれの組み合わせでも 2.9%であっ たのに対し、GH(-)群では高脂血症と糖尿病の合併率が 8%、高脂血症と高血圧の合併率が 11.8% と高くなっていた。この成績は、GH 欠損は、高血圧、糖尿病、高脂血症を重複して合併しやす い病態であり、心血管系疾患のリスクが高いことを示唆している。 図2.5.1-3 下垂体前葉機能低下症の合併症保有率17)より一部改変 GH 欠損群(GH(-))と GH 非欠損群 GH(+)例の比較

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 図2.5.1-4 下垂体前葉機能低下症の合併症複合状態 -動脈硬化危険因子について-17)より一部改変 (GH(-):GH 欠損群、GH(+):GH 非欠損群) 実際AGHD 患者では粥状動脈硬化の罹患率も高く18)、AGHD 患者でみられる血管伸展能の低 下と血管内皮障害マーカーの上昇との関連が示唆されている19)-21)。また、頚動脈の脈管内膜中膜 壁厚が健常人対照群と比較して有意に大きいことも報告されている22),23)。 2.5.1.2.2.2 長期予後 1990 年に Rosen らが報告した下垂体機能低下症 333 人に対する疫学調査24)では、GH 以外の下 垂体ホルモンは補充されていることから、GH 欠損の影響について推定されており、下垂体機能 低下症患者の血管障害(心筋梗塞、心不全、脳血管障害など)による死亡が、性及び年齢をマッ チさせた健常人期待値と比較して約2 倍と高く、その死亡原因には、心筋梗塞や心不全といった 心血管系疾患が多いことが示された(図2.5.1-5)。 図2.5.1-5 汎下垂体機能低下症患者及び年齢・性別対照群の血管障害による死亡率24) また、1997 年に Bülow らが報告した 1952 年から 1992 年までの 344 名の AGHD 患者を対象と した疫学調査では、全般的な心血管系疾患の死亡率上昇は、特に脳血管障害によるところが大き

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 く、これらはGHD を含む下垂体機能低下症の診断年齢が若いほど(55 歳未満)、また、男性より 女性の方が脳血管障害による死亡率がより高いと報告されている25)。 2.5.1.2.2.3 AGHD の成因 厚生労働省特定疾患間脳下垂体機能障害調査研究班の調査結果によると、わが国における成人 下垂体機能低下症の1年間の受療患者数は7,000人であり、そのうちGHDを伴うものは1,800人であ ると推定されている。また、成人下垂体機能低下症の成因(AGHDのみの成因は示されていない) として、頻度が5%を超えるものは下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、胚芽腫、特発性、シーハン症候群(女 性のみ)であった26)。なお、有田らの報告によると、本邦における間脳下垂体腫瘍に起因するGHD の年間発生数は1,200人前後と推定されている27)。 下垂体腺腫や頭蓋咽頭腫等の脳腫瘍によるGHDは、腫瘍自体が周辺組織を圧迫しGH分泌を障 害する場合と、腫瘍に対する手術や放射線療法によってGH分泌能が失われる場合があるが、いず れも物理的障害による場合がほとんどであることから、他の下垂体ホルモンの分泌も同時に障害 される複合下垂体ホルモン欠損症あるいは汎下垂体機能低下症を呈することが多い。また、 Hartmanらは、GH以外の欠損している下垂体ホルモンの数が増加するほど、GHのピーク値が 2.5μg/L(=ng/mL)を下回る患者比率が増加することを報告している28)。 AGHDには小児期に発症した症例と成人期に発症した症例が存在する。小児期発症例では原因 が特定できない特発性が多くを占め、脳腫瘍が原因の場合は頭蓋咽頭腫と胚細胞腫が多い。特発 性は骨盤位分娩で出生した小児に多いことから、分娩時の低酸素症によって下垂体GH分泌細胞が 壊死するためではないかと推測されていたが、MRIによる画像診断の普及によって、特発性GHD 分泌不全患者の中に、下垂体茎断裂によるGHDが存在することが明らかになっている。 成人期発症例は下垂体腺腫によるものが多い。女性では下垂体腺腫に次いでシーハン症候群に よるものが多い。 2.5.1.2.2.4 コンセンサスガイドラインにおける AGHD の診断・治療の基準 従来、成長が終了した成人においてはGHD があっても GH 補充は不要と考えられていた。し かし近年の臨床研究の進展に伴い、成長が終了した成人においてもGHD は AGHD の病態として 認識される症状・症候を引き起こすことが明らかになり、疾患として確立されるとともに、補充量 の GH 投与によりその症状・検査所見の改善が得られることが示され、GH 補充療法が行われる ようになった。 一方、1990 年代には欧州各国で、また米国では 1996 年から AGHD に対する GH 補充療法が認 められるなど治療が普及するにしたがって、国際的にその診断・治療についてコンセンサスをと るべきであるとの機運が高まり、1998 年に Growth Hormone Research Society からコンセンサスガ イドラインが発表された。コンセンサスガイドラインの内容を表2.5.1-1 に示す。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

表2.5.1-1 コンセンサスガイドラインにおける AGHD の診断・治療基準

作成機関 Growth Hormone Research Society

作成年 1998 年 AGHD の診断 及び 治療対象 インスリン負荷試験が推奨される。インスリン負荷試験が適応できない場合(心電図異常,虚血性心疾 患,痙攣性疾患など)は、アルギニンとGHRH 併用負荷試験で代替しうる。 GH分泌刺激試験におけるGH頂値が3 ng/mL 未満で定義される高度のGH欠損患者が治療の対象となる。 視床下部・下垂体疾患のある患者、頭蓋部放射線照射例、小児期発症のGHD 患者 投与量 GH補充に対する体の反応性は個体差が大きく、特に高齢者ではその感受性が高いことから0.15~0.30 mg/日の低用量から開始する。臨床所見及び生化学的所見に基づいて少なくとも1ヵ月以上の間隔を置い て適宜漸増する。維持量は個人差が大きいが1.0 mg/日を越えることはほとんどない。 小児GHDの治療経験に基づき、自己注射による皮下投与を1日1回夜に行う。 治療目標 症状、所見の改善(AGHD に伴う異常を正常化すること) モニタリング 現時点で最も信頼できるGH作用の生化学的マーカーは血清IGF-Ⅰである。IGF-Ⅰ測定の最も重要な点 は、補充量を超えてGHを投与することを防止することにあり、血清中濃度を年齢・性別に応じた基準 値範囲内に保つ。そのため、治療初期の用量設定時には頻回の測定が必要になる。維持量に達した後は 年1,2回の測定で十分である。 身体測定(体重、腹囲など)に加えて、体組成の変化を測定するため、生体電気インピーダンス法やDEXA 法等を用い、治療効果をモニタリングする。後者は骨密度が低下している場合、特に有用である。 脂質は年1 回モニターする。 禁忌 活動性の悪性腫瘍、頭蓋内圧亢進、増殖性及び増殖前の糖尿病網膜症は禁忌である。 妊娠初期は禁忌ではない。しかし、妊娠第2 期 3 ヵ月間では胎盤性 GH が産生されるため、中止すべき である。 なお、米国内分泌学会においても、1998 年にほぼ同様の内容のガイドラインが発表された。 2.5.1.2.2.5 本邦における AGHD の診断・治療の基準 本邦におけるAGHD 診断及び治療の基準としては、厚生労働省「間脳下垂体機能障害に関する 調査研究班」により成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き29)が策定されている。診 断と治療の手引きの内容を表2.5.1-2 に示す。 表2.5.1-2 厚生労働省「間脳下垂体機能障害に関する調査研究班」の 成人成長ホルモン分泌不全症の診断・治療基準29) 作成機関 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 作成年 2006 年 3 月 AGHD の診断 (1)小児期発症で成長障害を伴う、あるいは、自覚症状と身体所見を満たし、かつインスリン負荷、 アルギニン負荷、L-DOPA 負荷、グルカゴン負荷又は GHRP-2 負荷試験のうち 2 種類以上において以下 の値が得られたもの:インスリン負荷、アルギニン負荷、L-DOPA 負荷、グルカゴン負荷試験において GH 頂値が 3 ng/mL(リコンビナント GH を標準品とする GH 測定法*)以下。GHRP-2 負荷試験の場合 GH 頂値が 9 ng/mL(リコンビナント GH を標準品とする GH 測定法)以下。 (2)頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があって GH を含めた複数 の下垂体ホルモンの分泌低下があり、かつインスリン負荷、アルギニン負荷、L-DOPA 負荷、グルカゴ ン負荷又はGHRP-2 負荷試験のうち 1 種類において以下の値が得られたもの:インスリン負荷、アル ギニン負荷、L-DOPA 負荷、グルカゴン負荷試験において GH 頂値が 3 ng/mL(リコンビナント GH を 標準品とするGH 測定法)以下。GHRP-2 負荷試験の場合 GH 頂値が 9 ng/mL(リコンビナント GH を 標準品とするGH 測定法)以下。 治療対象 上記の診断基準を満たすもののうち、重症AGHD の診断基準(インスリン負荷、アルギニン負荷、 L-DOPA 負荷、グルカゴン負荷試験において GH 頂値が 1.8 ng/mL(リコンビナント GH を標準品とす るGH 測定法)以下。GHRP-2 負荷試験の場合 GH 頂値が 9 ng/mL(リコンビナント GH を標準品とす るGH 測定法)以下)を満たすものを当面の対象とする。 投与量 少量(3μg/kg 体重/日)から開始し、臨床症状、血中 IGF-Ⅰ値を見ながら 4 週間単位で増量する。 副作用が見られず、かつ血中IGF-Ⅰ値が年齢・性別基準範囲内に保たれるように適宜増減する。 投与上限量は1 mg/日とする。 治療目標 GHD に起因すると考えられる易疲労感、スタミナ低下、集中力低下などの自覚症状を含めて生活の質を改善し、体脂肪量の増加、除脂肪体重の減少などの体組成異常及び血中脂質高値などの代謝障害を 是正する。 モニタリング 副作用、IGF-Ⅰ 禁忌 一般的に、糖尿病患者、悪性腫瘍のある患者や妊婦又は妊娠している可能性のある女性

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 2006 年に本邦で AGHD 患者に対する GH 補充療法の適応が他剤で認められた際に改訂された添 付文書によると、AGHD の診断基準は上記診断と治療の手引きに従うとされている。 2.5.1.3 治療の現状と問題点 AGHD 患者に対する GH 補充療法は 1990 年代中頃から現在に至るまでに米国を含む世界 60 カ 国を超える国々で承認されており、既に10 年以上の実績がある。 AGHD 患者に対する GH 補充療法の有効性評価については、体組成を評価項目とした大規模な 市販後臨床試験結果30),31)を含め数多くの報告があり、除脂肪体重の増加、体脂肪量・内臓脂肪の 減少や、血中総コレステロール・LDL-コレステロールの低下・HDL-コレステロールの上昇等、 心血管系リスクファクターの改善が観察されている11),32)-37)。さらに、5 年間の長期試験では、腹 部体脂肪率の減少、骨密度・総骨塩量の増加、下肢筋肉量の増加が持続的に認められており 38)、 エネルギーの低下、社会的疎外感、情緒不安定などのQOL の低下についても、GH 補充後に改善 したと報告されている39)-41)。また、体脂肪率の減少、脂質代謝の改善については、本邦での小児 成長ホルモン分泌不全症患者に対する治療においても確認されており、生涯にわたるGH 補充療 法の必要性が提唱されている42)。 本薬の臨床試験を計画した当時、本邦においてAGHD 患者に対する GH 補充療法は承認されて いなかったが、2006 年に他社製剤が承認を得た。それらの製剤をはじめとして、日本人 AGHD 患者を対象に実施された臨床試験においても、GH を補充することにより除脂肪体重が増加する ことがDEXA 法による評価によって示され、また、総コレステロールをはじめとした脂質関連マ ーカーの改善も示された43)-47)。 AGHD に対する GH 補充療法については、コンセンサスガイドラインにおいて、AGHD は細胞 外液の減少を伴うことから、GH 補充中に体液貯留による浮腫や手根管症候群が見られるため、 低用量から投与を開始することが推奨されている16)。日本人AGHD 患者における臨床試験結果か らも、GH の開始用量を低用量にし、被験者毎に GH 用量を適宜増減することで、これらの問題 は最小限に抑えることが可能であると報告されている44)。 また、それ以外で安全性上問題となるものとしては、GH 投与による残存腫瘍の再発の懸念が 挙げられるが、長期的なフォローによる評価が必要である。本邦におけるGH 補充療法における 安全性に関する実績については、他社製剤の承認後、現在(2007 年 10 月現在)に至るまでの約 1 年半の間には特に大きな問題点は報告されていない。 2.5.1.4 AGHD に対する臨床開発の経緯 2.5.1.4.1 開発計画の概観 小児GHD に対する GH 補充療法は 1970 年代にヒト下垂体から抽出した下垂体抽出 GH 製剤か ら始まった。その後1980 年代後半には遺伝子組換えヒト GH 製剤が開発され、現在までに 30 年 以上の治療経験がある。日本ケミカルリサーチ株式会社のグロウジェクトは前述のとおり 1993 年に「骨端線閉鎖を伴わない下垂体性小人症」、1999 年に「骨端線閉鎖を伴わないターナー症候 群における低身長」に対して承認を取得した。また、患者の体重増加に合わせた投与量の調整と、

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 毎日の自己注射の負担軽減を目的とし、グロウジェクト注 4IU より高濃度のグロウジェクト注 24IU、さらに溶解操作を簡便にしたバイチェンバー方式カートリッジ製剤グロウジェクト BC24 を開発し、1999 年にこれらの承認を取得した。その後、ヒト成長ホルモン製剤の表示単位を IU からmg に変更することになり、グロウジェクト注 4IU、注 24IU、BC24 製剤は、それぞれグロウ ジェクト注1.33mg、注 8mg、BC8mg と改め、2000 年に承認を取得した。 1990 年代以降、欧米において AGHD の疫学調査の成績や AGHD に対する GH 補充に関する臨 床試験成績が数多く報告され、AGHD の臨床的問題点や GH 補充の有効性が示されていることか ら、日本ケミカルリサーチ株式会社はAGHD 患者に対する GH 補充療法の適応を追加する開発計 画を立案した。 まず、20 年 月から20 年 月にかけて効力を裏付ける試験として薬効・薬理試験を実施 し、本薬の原体であるJR-8810 の投与により、下垂体摘出成熟ラットにおいてみられた体組成の 一つである除脂肪体重の減少及び血清 LDL-コレステロールの上昇が用量依存的に改善されるこ とを確認した。 次に、コンセンサスガイドラインならびに各国の臨床試験デザインを参考にして臨床試験計画 を立案した。立案した臨床試験計画に関して20 年 月 日に第Ⅱ相試験開始前相談を実施し、 その指導を踏まえ、「成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対する JR-401 のプラセボ対照二 重盲検群間比較試験(以下、A201 試験)」と「成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対する JR-401 の長期投与試験(以下、A202 試験)」を計画した。

なお現在、A201 試験、A202 試験に引き続き「成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)に対す るJR-401 の継続投与試験(以下、A203 試験)」を実施中である。また、骨端線閉鎖を伴わない子 宮内発育遅延性低身長に対する適応を追加する目的の臨床試験も現在実施中である。 2.5.1.4.1.1 国内における AGHD に対する臨床開発 国内臨床試験を実施する目的は、AGHD 患者に対する本薬を用いた GH 補充療法の有効性及び 安全性を確認することである。 一般的に、心血管系疾患に関するリスクの上昇には、血清脂質の異常と共に、内臓脂肪の蓄積 も関与していると考えられている48),49)。AGHD の臨床症状のひとつとされる体組成の異常におい て、特に内臓脂肪の蓄積が大きいことが知られており50),51)、AGHD 患者に対する GH 補充療法に よる体組成の変化においては内臓脂肪の減少が特に著しいとの報告33)もある。当社でも有効性の 評価項目は体組成の変化を設定することが適切と考えた。また、体組成の中でも特に躯幹部体脂 肪の変化は AGHD 患者における心血管系疾患のリスクファクターの一つである内臓脂肪に関連 する項目と考えられるため、DEXA 法によりその減少を観察することによって GH 補充療法の有 効性を適切に確認できると判断した。以上から、有効性の主要評価項目として投与開始時から24 週後までの躯幹部体脂肪率の変化量(⊿)を選択した。さらに客観性を高めるためにプラセボ対 照群との二重盲検比較試験のデザインとした。 用法用量については、本薬は国内のみで使用されている製剤であり、AGHD に対する投与実績

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 がないため、後期第Ⅱ相段階として用量群間比較試験を実施し、データを取得することを検討し たが、独立した用量群間比較試験の実施については、「用量反応試験の後に連続してGH が投与可 能である試験を実施しなくては被験者の同意を取得できる可能性は相当低く、試験実施は困難で ある」との臨床専門家からの意見が得られたため断念した。そのため、二重盲検比較試験のデザ インの用法・用量については、まずコンセンサスガイドラインを参考に、低用量(0.003 mg/kg/ 日)から開始し、2 段階で 0.012 mg/kg/日まで強制漸増することとし(0.012mg 投与群)、さらに 用量反応データを取得するために、上記で設定した0.012 mg/kg/日の 1/2 用量である 0.006 mg/kg/ 日を上限とする群(0.006mg 投与群)を設定し、用量反応関係も検討することとした。その際、 プラセボ投与群については、 を設 定する必要があると判断し、治験相談には を提出した。 また、AGHD に対する GH 補充療法は長期間続くことが予想されるため、A201 試験に参加した 被験者を対象に、より長期間のGH 補充の安全性を確認することを目的とした A202 試験を実施 することとした。GH 投与量は、副作用による減量や被験者の血清 IGF-Ⅰ濃度が同性・同年齢の IGF-Ⅰ基準範囲内に収まるように適宜増減することが可能なデザインとし、臨床現場で用いられ ると予想される用法・用量に近い状態での安全性及び有効性の検討を行うこととした。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 2.5.1.4.2 ガイダンスと助言 2.5.1.4.2.1 治験相談 治験相談の内容を議事録に従い、表2.5.1-3 に記載した。議事録は第 5 部の 5.4.2-1 に添付した。 表2.5.1-3 治験相談の内容 面談日 20 年 月 日 面談区分 第Ⅱ相試験開始前相談 面談番号 計画主旨 相談内容 治験相談の結果 相談事項1 試験デザイン及び実施可能性について 相談事項1-① 試験デザインの妥当性 プラセボ対照二重盲検群間比較試験について、0.012 mg/kg/日に加え て0.006 mg/kg/日を設定し、各々の有効性、及び用量反応性を検討 することは否定しない。 相談事項1-② 投 与スケジュールの妥当性 本薬の投与量の上限の妥当性について十分検討し説明できるので あれば、他のソマトロピン製剤の海外承認用量、国内試験成績及び ガイドラインを考慮すると、本薬の投与開始用量を0.003 mg/kg/日 とし0.006 mg/kg/日さらに 0.012 mg/kg/日まで漸増することに異論 はない。 相談事項1-③ 目標症例数設定の妥当性 本試験の目標症例数の設定に関しては、国内におけるAGHD 患者が 少ないことから、集積可能な症例数を十分に検討するとともに、 どの様に検討することが好ましいの かを考慮し、本薬の有効性及び安全性を評価可能な症例数を確保す る必要がある。 相談事項1-④ 投与スケジュールの妥当 性 長期投与試験の初期用量を mg/kg/日、維持用量を 及 び副作用を基に mg/kg/日以下で調整すると設定したことには 異論はない。また、全例 mg/kg/日より投与を開始することは、 比較試験における盲検性と被験者の安全性を確保するためにはや むを得ないと考える。 相談事項2 申請データパッケ ージとすることの妥当性、及び 解析実施時期の 妥当性について 本薬が一生涯にわたって使用される可能性が高いこと、及び海外で は2 年以上に亘る長期投与試験が実施されていることから、かなり 長期間の投与における安全性を担保できるだけの長期投与試験成 績が必要とされるため、 を勧める。また、現時点では、臨床試験の実施 計画中であるため十分な成績がないので申請データパッケージの 妥当性について議論することは時期尚早であると考える。さらに、 の妥当性については、 を説明できるの であれば、 と併せて承認申請を行うことは妥当と考える。 相談事項3 同一原体を用いた製剤の安全性デ ータの活用について グロウジェクトと同一原体を用い た製剤(Zomacton:Ferring 社)よ り得られた安全性情報(AGHD に 対する治験情報等より得られた、 重篤でない副作用情報)を、治験 薬概要書に記載することの妥当性 について Ferring 社の同意が得られ、本薬と Zomacton が同一の製剤ではない ことを明示した上での治験担当医師等への参考としての情報提供 なのであれば、特に異論はない。一般に、安全性情報は適正に幅広 く収集し、それらを整理した上で提供することが重要である。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

2.5.1.4.2.2 臨床試験

治験相談で得られた助言に従い、臨床試験として、AGHD 患者を対象とした A201 試験及び A202 試験を実施することとした。 本治験は「ヘルシンキ宣言」、薬事法、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」等の関 連法規制を遵守して実施された。また、治験に関する記録は各責任部署において適切に保管され ている。 〔A201 試験〕 GH を 2 用量用いる際の異なる液量間の識別不能性を担保するために、 の開発を検討し、治験 相談後に完成した。 を盲検下で使用するこ とにより、それぞれに対応した でよくなった。以上から、 から 変更し、20 年 月に治験届を提出した。 A201 試験は、20 年から20 年にかけて実施した。対象は18 歳以上 64 歳未満の AGHD 患 者で、GH 分泌刺激試験における GH 頂値が 3 ng/mL 未満(リコンビナント標準品を用いた場合は 1.8 ng/mL 未満)の者とした。投与群として、0.012mg 投与群、0.006mg 投与群、プラセボ投与群 の3 群を設定し、有効性及び安全性を検討した。用法・用量はコンセンサスガイドラインを参考 に、0.003 mg/kg/日の低用量から開始し、4 週後と 12 週後に強制的に倍量に増量し、それ以後 24 週後まで維持することとした。0.006mg 投与群についても同様に強制的に増量するが、12 週後以 降は前述の1/2 量のみ注入される注入器を用いることにより、体内に投与される量としては 0.006 mg/kg/日となるようにした。また、連続して副作用が出現した場合には減量できるように計画を 設定した。 〔A202 試験〕 A202 試験は、20 年から20 年にかけてオープン試験として実施した。対象はA201 試験に 参加したAGHD 患者であり、用法・用量は、一旦初期用量である 0.003 mg/kg/日に減量し、8 週 間維持した後、患者の血清IGF-Ⅰ濃度が同性・同年齢の基準範囲(-1.96SD~+1.96SD)52)に収ま るように適宜増減することとした。A202 試験の投与期間は 48 週間とした。また、同一の副作用 が継続した場合には減量できるよう設定した。 2.5.1.5 承認申請に用いる臨床データパッケージ 2.5.1.5.1 臨床試験成績 本申請における臨床データパッケージを表 2.5.1-4 に示した。治験相談で に関して受けた指摘(表2.5.1-3 相談事項 2 の治験相談の結果参照)については、長期投与試験 の初期用量(0.003 mg/kg/日)を投与する期間(8 週後まで)が少量とはいえ本薬が投与されてい る期間であり、主要目的である安全性の検討は可能であると考えたため、長期投与試験の8 週後 までの初期投与期間も投与期間として含めることは妥当と判断し、長期投与試験の24 週時点で解

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 析を行うこととした。以上から、申請時には国内で実施した A201 試験、及び引き続いて実施し たA202 試験の 24 週後までの解析データを 1 試験としてまとめたもの、併せて 2 試験の成績を臨 床データパッケージ(評価資料)とし、提出した。今回、A202 試験の 48 週間の最終解析結果が 得られたため提出する。なお、A203 試験において 2007 年 9 月 30 日までに発現した重篤な有害事 象については第5 部に添付して提出する。 表2.5.1-4 本申請における臨床データパッケージ(評価資料) 資料区分 分類 地域 試験数 内容 試験番号 有効性、安全性 日本 1 プラセボ対照、用量強制漸増、二重盲検群間比較試験 JR-401A-201 評価資料 長期投与の安全性、 有効性 日本 1 用量適宜増減、長期投与試験 JR-401A-202 2.5.1.6 外国における状況 グロウジェクトは外国においては発売されていない。 2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価 本申請において、本項目に該当する資料はない。 2.5.3 臨床薬理に関する概括評価 本申請において、本項目に該当する資料はない。 2.5.4 有効性の概括評価 2.5.4.1 試験デザイン/試験計画

A201 試験、A202 試験のデザインを図 2.5.4-1 に示した。有効性は、A201 試験の 24 週間投与の 成績に、A202 試験の 48 週間投与の成績を加えた 72 週間投与の成績から評価した。 〔A201 試験〕 A201 試験は、GH 分泌刺激試験における GH 頂値が 3 ng/mL 未満(リコンビナント標準品を用 いた場合は1.8 ng/mL 未満)の重症 AGHD 患者(18 歳以上 64 歳未満)を対象として実施された、 24 週間のプラセボ対照二重盲検 3 群間比較試験である。 投与群は、0.012 mg/kg/日まで投与量を漸増する 0.012mg 投与群、0.006 mg/kg/日まで投与量を 漸増する0.006 mg 投与群、プラセボ投与群の 3 群を設定した。 投与量は、コンセンサスガイドラインに基づいて設定し、0.012mg 投与群は、投与開始時から 4 週まで0.003 mg/kg/日、4 週後~12 週後は 0.006 mg/kg/日、12 週後~24 週後は 0.012 mg/kg/日を投 与した。0.006mg 投与群は、投与開始時から 4 週後まで 0.003 mg/kg/日、4 週後~24 週後は 0.006 mg/kg/日を投与した。プラセボ投与群は、0.012mg 投与群と同液量のプラセボを投与した。 A201 試験の主要目的として、投与開始時から 24 週後の躯幹部体脂肪率の変化量を 0.012mg 投

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 与群とプラセボ投与群とで比較し、JR-401 の有効性の検討を行った。併せて安全性の検討を行っ た。また、副次目的として、体組成(躯幹部体脂肪、除脂肪体重、全身体脂肪)、IGF-Ⅰ、IGFBP-3、 脂質関連マーカー(総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪)、 QOL について検討を行ったほか、3 群間の用量反応関係の推定を行った。 AGHD 患者の早期死亡率は対照(健常人)と比較して高く、死亡原因には心血管系疾患が多い ことが明らかにされている24)。一般的に、心血管系疾患に関するリスクの上昇には、血清脂質の 異常と同時に、内臓脂肪の蓄積が関与していると考えられている48),49)。AGHD の臨床症状のひと つである体組成の異常において、特に内臓脂肪の蓄積が大きいことが知られており50),51)、AGHD 患者に対するGH 補充療法による体組成の変化において、内臓脂肪の減少が特に著しいとの報告 もある33)。 これより、A201 試験では、体組成の変化、特に DEXA 法による躯幹部体脂肪の減少を観察す ることによってGH 補充療法による効果を適切に確認できると判断し、主要評価項目として投与 開始時と24 週後における躯幹部体脂肪率の変化量(⊿)を選択した。 〔A202 試験〕

A202 試験は、A201 試験に引き続き行われた 48 週間のオープン試験であり、A201 試験に参加 したAGHD 患者のうち、同意が得られ、治験責任医師によって安全性の観点から A202 試験への 移行が問題ないと判断された被験者を対象とした。 投与期間は、平成7 年 5 月 24 日薬審第 592 号「致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定さ れる新医薬品の治験段階において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について」に 則って、約1 年間(48 週間)を設定した。 A202 試験の投与量はコンセンサスガイドラインに基づいて設定した。A201 試験においてプラ セボ投与群だった被験者は、初めてのGH 投与となるため、安全性を確保するためには開始投与 量を低用量にする必要がある。しかし、A201 試験は盲検試験であるため被験者の投与群が特定で きないことから、全被験者の開始投与量を0.003 mg/kg/日とし、8 週後以降は血清 IGF-Ⅰ濃度と副 作用を参考に調節可能なデザインとした。主要目的として、長期投与時の安全性について検討を 行い、副次目的として体組成(躯幹部体脂肪、除脂肪体重、全身体脂肪)、IGF-Ⅰ、IGFBP-3、脂 質関連マーカー(総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪)、 QOL について、A201 試験でプラセボを投与された群(P/GH 群)と、A201 試験で実薬を投与さ れた群(GH/GH 群)に分けて検討を行った。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 図2.5.4-1 試験デザイン 2.5.4.2 試験対象集団 A201 試験では、GH 頂値が 3 ng/mL 未満(リコンビナント標準品を用いた場合は 1.8 ng/mL 未 満)である96 例の重症 AGHD 患者が組み入れられ、年齢(40 歳未満・40 歳以上)・性別・発症 時期(小児期発症・成人期発症)を層別因子とした最小化法により、33 例が 0.012mg 投与群、31 例が0.006mg 投与群、32 例がプラセボ投与群に割付けられた。 A201 試験期間中に治験責任医師の急病のため治験を中止した 2 例(0.012mg 投与群 1 例、プラ セボ投与群1 例)については、入手できたデータが QOL(投与開始時・中止時)と中止時に他院 で行われた診察結果を報告した確認書のみであったことから、すべての評価から除外した。 なお、A201 試験を終えた 94 例すべての被験者が A202 試験に移行した。 94 例の被験者背景を表 2.5.4-1 に示した。割付後の各群の年齢(40 歳未満、40 歳以上)、発症 時期(小児期発症、成人期発症)、性別の分布について大きな偏りはみられず、群間比較をする 上での問題は認められなかった。 A201 試験での被験者の特性と、承認後に投与が予想される集団との比較を行うため、加治らが 報告したAGHD の実態調査53)の結果を表2.5.4-2 に示した。この実態調査は全国 96 施設を対象 に実施されたものであるが、267 例の GH 頂値が 3 ng/mL 未満の重症 AGHD 患者に関して、性・ 年齢を適合させた男性81 例、女性 104 例の解析が行われた。 以下に、A201 試験評価対象 94 例における被験者背景の特徴と、実態調査における特徴との比 較について示す。 ・ A201 試験では、成人期発症が 26 例(27.7%)、小児期発症型が 68 例(72.3%)であり、小 児期発症が多かった。年齢については40 歳未満が 65 例、40 歳以上が 29 例、平均年齢は 33.5 歳であった。実態調査では、男性の平均年齢は46.3 歳、女性は 51.7 歳であり、A201 試験で は小児期発症の比率が高く年齢が低い傾向が認められた。 ・ 89 例(94.7%)の被験者で GH 以外の下垂体ホルモンの欠損が認められ、実態調査の結果と 比較して大きな隔たりはなかった。 0.012 mg 投与群 プラセボ投与群 0.006 mg 投与群 0.003 0.012 0.006 0.003 0.006(mg/kg/日) (mg/kg/日) 0.012 と同液量のプラセボを投与 A201 試験(24 週) A202 試験(48 週) 0.012 mg/kg/日を上限として適宜増減 (週) 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 ・・・ 72 0.012 mg/kg/日を上限として適宜増減 GH/GH 群 P/GH 群

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 ・ 発症原因は特発性が 34 例(36.2%)、腫瘍が 55 例(58.5%)、それ以外が 5 例(5.3%)で あり、実態調査の結果と比較して大きな隔たりはなかった。 ・ 男性は 46 例(48.9%)、女性は 48 例(51.1%)であり、性別はほぼ等しかった。実態調査 ではやや女性が多かったが、特に問題とは考えなかった。 ・ BMI の平均値は 23.67 kg/m2であり、実態調査の結果と同様に高値であった。 ・ A201 試験投与開始時の総コレステロールの平均値は各群とも 200 mg/dL 以上、LDL-コレス テロールの平均値は125 mg/dL 以上と、実態調査の結果と同様に高値であった(A201 試験 総括報告書 表14.2.13-1 及び表 14.2.15-1 参照)。 また、加治らの実態調査とは別に躯幹部体脂肪量について文献情報と比較した。 ・ A201 試験投与開始時の躯幹部体脂肪量の平均値は、いずれの投与群も 9.7~10.0 kg(A201 試験総括報告書 表14.2.3-1 参照)と日本人健常成人の平均値(7.7 kg)49)を上回っており、 AGHD 患者では内臓脂肪が蓄積するという従来の報告51)と同様の結果を示した。 以上より、A201 試験、A202 試験にエントリーした被験者は、小児期発症患者が多く、年齢 が低い傾向が認められた。これらの傾向については、小児期発症患者のエントリーが多いと予 想される医療機関の参加が多かったことが原因と考えられる。さらに、投与開始前のBMI、躯 幹部体脂肪量、総コレステロール、LDL-コレステロールは高値であり、実態調査と同様に心血 管系リスクが高い傾向が認められた。従って本治験に参加した被験者は、一般的なAGHD 患者 と大きく異なるものではないと考えられた。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 表2.5.4-1 A201/A202 試験 被験者背景 [被験者数(%)] (N=31) (N=31) (N=32) (N=94) (N=31) (N=63) プラセボ 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 全体 P/GH群 GH/GH群 男 17 (54.8) 15 (48.4) 14 (43.8) 46 (48.9) 17 (54.8) 29 (46.0) 女 14 (45.2) 16 (51.6) 18 (56.3) 48 (51.1) 14 (45.2) 34 (54.0) 平均値 34.2 34.2 32.1 33.5 34.2 33.1 標準偏差 13.7 11.4 11.2 12.0 13.7 11.2 最大値 63 58 57 63 63 58 中央値 28.0 37.0 32.0 32.0 28.0 33.0 最小値 18 18 18 18 18 18 18以上~20未満 2 (6.5) 3 (9.7) 7 (21.9) 12 (12.8) 2 (6.5) 10 (15.9) 20以上~30未満 14 (45.2) 10 (32.3) 7 (21.9) 31 (33.0) 14 (45.2) 17 (27.0) 30以上~40未満 5 (16.1) 9 (29.0) 8 (25.0) 22 (23.4) 5 (16.1) 17 (27.0) 40以上~50未満 5 (16.1) 7 (22.6) 8 (25.0) 20 (21.3) 5 (16.1) 15 (23.8) 50以上~60未満 3 (9.7) 2 (6.5) 2 (6.3) 7 (7.4) 3 (9.7) 4 (6.3) 60以上~64未満 2 (6.5) 0 (0.0) 0 (0.0) 2 (2.1) 2 (6.5) 0 (0.0) 小児期発症 22 (71.0) 23 (74.2) 23 (71.9) 68 (72.3) 22 (71.0) 46 (73.0) 成人期発症 9 (29.0) 8 (25.8) 9 (28.1) 26 (27.7) 9 (29.0) 17 (27.0) 特発性 10 (32.3) 11 (35.5) 13 (40.6) 34 (36.2) 10 (32.3) 24 (38.1) 腫瘍 21 (67.7) 18 (58.1) 16 (50.0) 55 (58.5) 21 (67.7) 34 (54.0) それ以外 0 (0.0) 2 (6.5) 3 (9.4) 5 (5.3) 0 (0.0) 5 (7.9) 平均値 162.76 160.94 161.58 161.76 162.76 161.27 標準偏差 7.57 8.56 9.37 8.48 7.57 8.91 平均値 62.92 60.99 62.68 62.20 62.92 61.85 標準偏差 12.70 11.67 13.38 12.51 12.70 12.50 平均値 23.68 23.45 23.88 23.67 23.68 23.67 標準偏差 4.11 3.39 4.05 3.83 4.11 3.72 有 23 (74.2) 23 (74.2) 21 (65.6) 67 (71.3) 23 (74.2) 44 (69.8) 無 8 (25.8) 8 (25.8) 11 (34.4) 27 (28.7) 8 (25.8) 19 (30.2) GH単独分泌不全症 1 (3.2) 3 (9.7) 1 (3.1) 5 (5.3) 1 (3.2) 4 (6.3) 複合型下垂体機能低下症 30 (96.8) 28 (90.3) 31 (96.9) 89 (94.7) 30 (96.8) 59 (93.7) 有 30 (96.8) 31 (100.0) 32 (100.0) 93 (98.9) 30 (96.8) 63 (100.0) 無 1 (3.2) 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (1.1) 1 (3.2) 0 (0.0) 有 30 (96.8) 28 (90.3) 27 (84.4) 85 (90.4) 30 (96.8) 55 (87.3) 無 1 (3.2) 3 (9.7) 5 (15.6) 9 (9.6) 1 (3.2) 8 (12.7) 有 25 (80.6) 21 (67.7) 26 (81.3) 72 (76.6) 25 (80.6) 47 (74.6) 無 6 (19.4) 10 (32.3) 6 (18.8) 22 (23.4) 6 (19.4) 16 (25.4) 有 27 (87.1) 27 (87.1) 29 (90.6) 83 (88.3) 27 (87.1) 56 (88.9) 無 4 (12.9) 4 (12.9) 3 (9.4) 11 (11.7) 4 (12.9) 7 (11.1) 有 25 (92.6) 25 (92.6) 27 (93.1) 77 (92.8) 25 (92.6) 52 (92.9) 無 2 (7.4) 2 (7.4) 2 (6.9) 6 (7.2) 2 (7.4) 4 (7.1) 有 13 (41.9) 16 (51.6) 13 (40.6) 42 (44.7) 13 (41.9) 29 (46.0) 無 18 (58.1) 15 (48.4) 19 (59.4) 52 (55.3) 18 (58.1) 34 (54.0) 有 15 (48.4) 11 (35.5) 14 (43.8) 40 (42.6) 15 (48.4) 25 (39.7) 無 16 (51.6) 20 (64.5) 18 (56.3) 54 (57.4) 16 (51.6) 38 (60.3) 有 6 (40.0) 3 (27.3) 5 (35.7) 14 (35.0) 6 (40.0) 8 (32.0) 無 9 (60.0) 8 (72.7) 9 (64.3) 26 (65.0) 9 (60.0) 17 (68.0) 有 26 (83.9) 26 (83.9) 27 (84.4) 79 (84.0) 26 (83.9) 53 (84.1) 無 5 (16.1) 5 (16.1) 5 (15.6) 15 (16.0) 5 (16.1) 10 (15.9) 有 31 (100.0) 30 (96.8) 32 (100.0) 93 (98.9) 31 (100.0) 62 (98.4) 無 0 (0.0) 1 (3.2) 0 (0.0) 1 (1.1) 0 (0.0) 1 (1.6) A202試験 併用薬剤/併用療法の有無 性 別 年齢(歳) GHD発症時期 GHD発症原因 身長(cm) 体重 (kg) BMI(kg/m2 性腺刺激ホルモン (LH, FSH)欠損症 その他の合併症 性腺刺激ホルモンの 治療 高脂血症の治療 下垂体性尿崩症 高脂血症 甲状腺刺激ホルモン (TSH)欠損症 副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)欠損症 既往歴の有無 合併症の有無 病態 A201試験 分類 項目 抜粋:A201試験総括報告書 表11.2, A202試験総括報告書 表11.2.1

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 表2.5.4-2 日本人 AGHD 患者の特性(文献53)より一部改変) 男 女 人数 81 104 年齢(歳) 46.3±1.9 51.7±1.7 発症原因(人数) 家族性 特発性 妊娠 視床下部・下垂体腫瘍 外傷 下垂体炎 その他 0 34 0 35 4 2 6 1 10 45 38 0 0 10 体重(kg) 64.5±1.5 52.8±0.98 BMI(kg/m2) 23.6±0.40 22.7±0.37 他のホルモンの欠損(人数) 副腎皮質ホルモン 甲状腺ホルモン 性ホルモン 抗利尿ホルモン 58 62 48 16 93 98 36 24 総コレステロール(mg/dL) 220±6.2 231±4.9 LDL-コレステロール(mg/dL) 132±5.4 134±6.4 (平均値±標準偏差) 2.5.4.3 有効性成績 2.5.4.3.1 体組成 A201 試験、A202 試験における体組成の変化を表 2.5.4-3 及び表 2.5.4-4 に示した。 A201 試験では、0.012mg 投与群における投与開始時の躯幹部体脂肪率は 33.30±6.61%(平均値 ±標準偏差、以下同様)、24 週後は 28.73±7.37%であり、投与開始時と 24 週後の値には統計学的 に有意な差が認められた(p<0.001)。また、躯幹部体脂肪率の変化量の 0.012mg 投与群とプラセ ボ投与群との比較において、統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。プラセボ投与群にお いては、いずれの体組成評価項目についても投与開始時と24 週後の値に統計学的に有意な差は認 められなかった。 A202 試験では、GH/GH 群における投与開始時(=A201 試験の投与開始時)の躯幹部体脂肪率 は33.66±8.08%、24 週後(=A202 試験開始時)は 29.68±8.30%、72 週後(=A202 試験 48 週後) は29.94±8.37%であり、投与開始時の値と比較して 24 週後、72 週後はいずれも統計学的に有意 な差が認められた(p<0.001)。 内臓脂肪は心血管系疾患のリスクファクターとして知られており48),49)、AGHD患者の臨床症状 のひとつとして報告されている内臓脂肪の蓄積は、脂質関連マーカーの異常とともに長期的な心 血管系リスクの上昇に関与すると考えられている54),55)。 GH 補充療法による脂肪組織の減少は、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が大きいとの報告もあり 33),51)、A201 試験及び A202 試験で認められた躯幹部体脂肪率の有意な減少は、主に内臓脂肪の減 少を示していると推測された。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

表2.5.4-3 A201 試験 体組成の変化量(⊿)

*群内比較:対応のある t 検定 **群間比較:t 検定

抜粋:A201 試験総括報告書 表 11.4.1, 11.4.2a, 14.2.1-1, 14.2.1-2, 14.2.3-2, 14.2.3-4, 14.2.4-3a, 14.2.4-5a, 14.2.6-1a, 14.2.6-3a, 14.2.6-5a

last observation carried forward(以下、LOCF)によりデータを補完

投与 開始時 24週後 変化量 (⊿)※ P値* P値** (95%信頼区間) 被験者数 31 31 31 平均値 33.05 33.28 0.24 0.530 標準偏差 9.51 10.06 2.07 被験者数 31 30 31 平均値 33.37 30.32 -3.03 <0.001 <0.001 標準偏差 9.53 9.10 2.51 (-4.43 ~ -2.09) 被験者数 32 32 32 平均値 33.30 28.73 -4.58 <0.001 <0.001 標準偏差 6.61 7.37 2.59 (-5.99 ~ -3.63) 被験者数 29 31 29 平均値 66.37 66.53 -0.12 0.697 標準偏差 8.93 10.08 1.61 被験者数 31 30 31 平均値 66.83 69.04 2.24 <0.001 <0.001 標準偏差 9.40 9.24 2.18 (1.36 ~ 3.35) 被験者数 29 32 29 平均値 66.57 70.74 3.62 <0.001 <0.001 標準偏差 6.28 6.88 2.44 (2.65 ~ 4.82) 被験者数 29 31 29 平均値 33.63 33.47 0.12 0.697 標準偏差 8.93 10.08 1.61 被験者数 31 30 31 平均値 33.17 30.96 -2.24 <0.001 <0.001 標準偏差 9.40 9.24 2.18 (-3.35 ~ -1.36) 被験者数 29 32 29 平均値 33.43 29.26 -3.62 <0.001 <0.001 標準偏差 6.28 6.88 2.44 (-4.82 ~ -2.65) 全身体脂肪率 (%) プラセボ 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 プラセボ 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 除脂肪体重率 (%) プラセボ 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 躯幹部体脂肪率 (%)

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 表2.5.4-4 A201/A202 試験 体組成(躯幹部体脂肪、除脂肪体重、全身体脂肪)の推移 48週後 72週後 被験者数 59 58 58 51 平均値 33.66 29.68 30.22 29.94 標準偏差 8.08 8.30 8.37 8.37 P値* - <0.001 <0.001 <0.001 被験者数 29 29 28 27 平均値 32.59 32.81 30.15 28.25 標準偏差 9.67 10.20 11.18 11.05 P値* - 0.580 <0.001 <0.001 被験者数 56 58 57 50 平均値 66.29 69.66 69.01 69.48 標準偏差 7.83 8.09 7.94 8.20 P値* - <0.001 <0.001 <0.001 被験者数 27 29 27 27 平均値 66.87 67.04 69.19 70.90 標準偏差 9.05 10.21 10.88 10.71 P値* - 0.774 <0.001 <0.001 被験者数 56 58 57 50 平均値 33.71 30.34 30.99 30.52 標準偏差 7.83 8.09 7.94 8.20 P値* - <0.001 <0.001 <0.001 被験者数 27 29 27 27 平均値 33.13 32.96 30.81 29.10 標準偏差 9.05 10.21 10.88 10.71 P値* - 0.774 <0.001 <0.001 48週後 全身体脂肪率 (%) GH/GH群 躯幹部体脂肪率 (%) 項目 除脂肪体重率 (%) P/GH群 GH/GH群 投与開始時 24週後 P/GH群 GH/GH群 群 分類 72週後 P値** 0.120 0.380 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 0.182 0.277 0.182 0.277 P/GH群 <0.001 <0.001 * P 値 群内比較:投与開始時 vs 24 週後・48 週後・72 週後[対応のある t 検定] (LOCF によりデータを補完) * * P 値 群内比較:24 週後 vs 48 週後・72 週後[対応のある t 検定] (LOCF によりデータを補完) 抜粋:A202 試験総括報告書 表 11.4.1, 11.4.2, 11.4.3 Carrollらの総説11)によると、海外でAGHDを対象に実施された臨床試験におけるGH投与後の体 組成の変化については、ほとんどの臨床試験において、GH投与後に除脂肪体重の増加及び全身体 脂肪の減少が確認されていた(表2.5.4-5)。A201試験、A202試験の結果は、これらの結果と一致 した。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価

表2.5.4-5 体組成の変化に関する海外臨床試験報告11)

n;被験者数, LBM;除脂肪体重, FM;体脂肪量, TBW;全身水分量, ECW;細胞外液量, TBV;総血液量, PV;血漿量, RCM; 赤血球量, DBPC;プラセボ対照二重盲検比較試験, Co;クロスオーバー試験, TBK;全身カリウム量, BIA;バイオインピ ーダンス法, CT;コンピュータ断層撮影法,AP;身体測定(皮下脂肪厚, ウェスト/ヒップ比), DEXA;二重エネルギーX 線吸収法, DL;同位体希釈分析, TBN;全身窒素量, MRI;磁気共鳴映像法, CO;小児期発症 GHD, AO;成人期発症 GHD, MO;小児期発症と成人期発症の混在, ⇑/⇓;開始時との比較で統計的に有意な増加/減少, ⇔;開始時と比較して変化な し

脂肪組織、特に内臓脂肪からは、Tumor necrosis factor-α(TNF-α)、レプチン、アディポネク チン、Plasminogen activator inhibitor -1(PAI-1)など心血管系リスクに関連する因子が放出される ことや、内臓脂肪の蓄積によって心血管系のリスクファクターであるTNF-α、PAI-1の分泌が増加 し、心血管系リスクを軽減させるアディポネクチンの分泌は低下することが報告されている56),57)。 また、AGHD患者では、フィブリノーゲン、PAI-1の活性が高いことが報告されており、凝固系 の亢進及び線溶系の阻害による心血管系疾患のリスクの上昇が示唆されている58)。 GHの投与による内臓脂肪の減少は、内臓脂肪より分泌されるこれらの因子の量を変化させ、心 血管系リスクを減少させることが期待される。 以上より、本薬は躯幹部体脂肪、除脂肪体重、全身体脂肪をはじめとする体組成の改善に有効 であり、内臓脂肪の減少を介した心血管系リスクの軽減に寄与すると考えた。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 2.5.4.3.2 IGF-Ⅰ・IGFBP-3 A201試験、A202試験におけるIGF-Ⅰ及びIGFBP-3について、そのSDスコアの変化を表2.5.4-6 及び表2.5.4-7に示した。 A201試験では、0.012mg投与群における投与開始時のIGF-ⅠSDスコアは-3.096±1.972と基準範 囲下限を下回っていたが、24週後には0.537±2.097となり、投与開始時と24週後の間に統計学的に 有意な差が認められた(p<0.001)。また、IGF-ⅠSDスコアの変化量の0.012mg投与群とプラセボ 投与群との比較において、統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 IGFBP-3SDスコアについては、IGF-ⅠSDスコアと同様に、0.012mg投与群の投与開始時と24週 後の値に統計学的に有意な差が認められた。また、IGFBP-3SDスコアの変化量の0.012mg投与群と プラセボ投与群との比較において、統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 A202試験では、GH/GH群におけるIGF-ⅠSDスコアの投与開始時の平均値は-2.993±1.827、24 週後の平均値は-0.102±2.174、72週後の平均値は-0.193±1.162であり、投与開始時の値と比較し て24週後、72週後はいずれも統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 IGFBP-3SDスコアについても同様に、GH/GH群では投与開始時の値と比較して24週後、72週後 はいずれも統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 表2.5.4-6 A201 試験 IGF-Ⅰ・IGFBP-3 SD スコアの変化量(⊿) *群内比較:対応のある t 検定 **群間比較:(上段)t 検定 (下段)Wilcoxon 順位和検定

抜粋:A201 試験総括報告書 表 11.4.3, 11.4.4, 14.2.8-2a, 14.2.8-2b, 14.2.9-2a, 14.2.9-2b, 14.2.11-1b, 14.2.11-2b

LOCF によりデータを補完 投与 開始時 24週後 変化量 (⊿)※ P値* P値** (95%信頼区間) 被験者数 31 31 31 平均値 -2.760 -2.892 -0.131 0.190 標準偏差 1.407 1.557 0.545 被験者数 31 30 31 <0.001 平均値 -2.977 -1.027 1.971 <0.001 <0.001 標準偏差 1.771 2.227 1.270 (1.61 ~ 2.60) 被験者数 32 32 32 <0.001 平均値 -3.096 0.537 3.633 <0.001 <0.001 標準偏差 1.972 2.097 1.667 (3.13 ~ 4.39) 被験者数 31 31 31 平均値 -1.6023 -1.9567 -0.3544 0.078 標準偏差 2.5581 2.4607 1.0827 被験者数 31 30 31 <0.001 平均値 -2.2555 -0.1475 2.0186 <0.001 <0.001 標準偏差 3.4445 1.9892 2.2632 (1.47 ~ 3.27) 被験者数 32 32 32 <0.001 平均値 -1.6106 0.8648 2.4755 <0.001 <0.001 標準偏差 2.9753 2.1768 2.0026 (2.02 ~ 3.64) プラセボ 投与群 IGFBP-3 SDスコア IGF-Ⅰ SDスコア 0.012mg 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 プラセボ 投与群 0.006mg 投与群

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 表2.5.4-7 A201/A202 試験 IGF-Ⅰ・IGFBP-3 SD スコアの推移 48週後 72週後 被験者数 59 58 59 53 平均値 -2.993 -0.102 -0.513 -0.193 標準偏差 1.827 2.174 1.634 1.162 P値* - <0.001 <0.001 <0.001 被験者数 29 29 28 29 平均値 -2.742 -2.849 -0.078 0.252 標準偏差 1.452 1.602 1.360 1.239 P値* - 0.307 <0.001 <0.001 被験者数 59 58 59 53 平均値 -1.7845 0.4967 0.0646 -0.0579 標準偏差 3.1097 2.0960 2.2550 1.7204 P値* - <0.001 <0.001 <0.001 被験者数 29 29 28 29 平均値 -1.5638 -1.8968 -0.0197 -0.0308 標準偏差 2.6353 2.5109 1.9572 1.5771 P値* - 0.117 <0.001 <0.001 IGFBP-3 SDスコア GH/GH群 0.495 0.142 P/GH群 <0.001 <0.001 項目 群 分類 投与開始時 24週後 48週後 72週後 P値** IGF-Ⅰ SDスコア GH/GH群 0.210 0.365 P/GH群 <0.001 <0.001 * P 値 群内比較:投与開始時 vs 24 週後・48 週後・72 週後[対応のある t 検定] (LOCF によりデータを補完) * * P 値 群内比較:24 週後 vs 48 週後・72 週後[対応のある t 検定] (LOCF によりデータを補完) 抜粋:A202 試験総括報告書 表 11.4.4, 11.4.5 IGF-ⅠSD スコアの推移について図 2.5.4-2、図 2.5.4-3、表 2.5.4-8 及び表 2.5.4-9 に示した。 A201 試験では、24 週後における被験者ごとの IGF-ⅠSD スコアについては、基準範囲(-1.96SD ~+1.96SD)52)に満たない被験者は0.012mg 投与群で 32 例中 5 例、0.006mg 投与群で 31 例中 8 例 であり、基準範囲を超過する被験者は0.012mg 投与群で 32 例中 8 例、0.006mg 投与群で 31 例中 1 例であった(A201 試験総括報告書 表 11.4.5 参照)。 一方、投与量の調節を行ったA202 試験では、72 週後の IGF-ⅠSD スコアは全体(GH/GH 群+P/GH 群)で-0.036±1.202、GH/GH 群で-0.193±1.162、P/GH 群で 0.252±1.239 となり、健常成人の平 均値付近で維持された。

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 図2.5.4-2 A201 試験 IGF-ⅠSD スコアの経時的推移図 引用:A201 総括報告書 図 11.4.4 図2.5.4-3 A201/A202 試験 IGF-ⅠSD スコアの経時的推移図 引用:A202 試験総括報告書 図 11.4.3 IGF -Ⅰ SD スコア +1.96SD -1.96SD プラセボ投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 [平均値±標準偏差] IGF-Ⅰ SD スコア +1.96SD -1.96SD [平均値±標準偏差] 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 (週)

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 表2.5.4-8 A201 試験 IGF-ⅠSD スコアの要約統計量 投与開始時 4週後 8週後 12週後 16週後 20週後 24週後 被験者数 31 31 31 31 31 31 31 平均値 -2.760 -2.728 -2.769 -2.734 -2.817 -2.853 -2.892 標準偏差 1.407 1.366 1.368 1.473 1.331 1.420 1.557 最大値 -0.59 -0.40 -0.51 -0.40 -0.79 -0.70 -0.18 中央値 -2.740 -2.690 -2.600 -2.490 -2.510 -2.690 -2.790 最小値 -6.87 -6.40 -6.95 -7.06 -6.54 -6.80 -7.25 被験者数 31 31 31 31 31 29 30 平均値 -2.977 -1.434 -0.533 -0.451 -0.707 -0.648 -1.027 標準偏差 1.771 2.026 1.581 1.796 1.695 1.843 2.227 最大値 -0.64 1.50 2.23 2.89 2.48 2.75 3.09 中央値 -2.880 -1.040 -0.460 -0.350 -0.610 -0.610 -1.110 最小値 -8.65 -7.73 -4.51 -4.34 -3.86 -5.18 -6.59 被験者数 32 32 32 32 32 32 32 平均値 -3.096 -1.773 -0.598 -0.672 0.484 0.694 0.537 標準偏差 1.972 2.494 2.555 2.384 2.706 2.312 2.097 最大値 -0.22 2.18 3.94 3.40 4.88 4.94 5.66 中央値 -2.970 -1.720 -0.650 -0.915 -0.015 0.490 0.485 最小値 -7.08 -7.99 -7.21 -6.30 -6.05 -5.13 -2.88 プラセボ 投与群 0.006mg 投与群 0.012mg 投与群 引用:A201 試験総括報告書 表 14.2.8-2a 表2.5.4-9 A201/A202 試験 IGF-ⅠSD スコアの要約統計量 抜粋:A202試験総括報告書 表14.2.1.8 A201試験では、0.012mg投与群、0.006mg投与群とも24週後の平均IGF-ⅠSDスコアは基準範囲内 であったが、0.006 mg/kg/日では一部の被験者に対して投与量が不足する可能性が示唆され、一方 で0.012 mg/kg/日では一部の被験者に対して投与量が過剰となる可能性が示唆された。 投与量を調節したA202試験では、48週後のIGF-ⅠSDスコアの平均値は健常成人の平均付近まで 上昇し、その後72週後に至っても維持されていた。 投与 開始時 12週後 24週後 36週後 48週後 60週後 72週後 被験者数 88 88 87 88 87 86 82 平均値 -2.910 -1.240 -1.018 -0.971 -0.373 -0.256 -0.036 標準偏差 1.708 2.186 2.380 1.800 1.557 1.429 1.202 最大値 -0.22 3.40 5.66 2.46 2.24 1.95 2.35 中央値 -2.875 -1.495 -1.330 -0.840 -0.110 0.115 0.235 最小値 -8.65 -7.06 -7.25 -7.32 -6.92 -4.04 -2.87 被験者数 59 59 58 59 59 57 53 平均値 -2.993 -0.517 -0.102 -1.136 -0.513 -0.362 -0.193 標準偏差 1.827 2.109 2.174 2.013 1.634 1.561 1.162 最大値 -0.22 3.40 5.66 2.46 2.21 1.93 1.89 中央値 -2.950 -0.630 -0.175 -1.070 -0.110 0.160 -0.130 最小値 -8.65 -6.30 -6.23 -7.32 -6.92 -4.04 -2.87 被験者数 29 29 29 29 28 29 29 平均値 -2.742 -2.709 -2.849 -0.638 -0.078 -0.048 0.252 標準偏差 1.452 1.518 1.602 1.226 1.360 1.120 1.239 最大値 -0.59 -0.40 -0.18 1.78 2.24 1.95 2.35 中央値 -2.510 -2.440 -2.390 -0.460 0.105 -0.060 0.380 最小値 -6.87 -7.06 -7.25 -3.68 -3.75 -2.27 -2.43 P/GH群 GH/GH群 GH/GH群 +P/GH群

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グロウジェクト 2.5 臨床に関する概括評価 2.5.4.3.3 脂質関連マーカー A201 試験及び A201/A202 試験における総コレステロール、LDL-コレステロールの変化を表 2.5.4-10 及び表 2.5.4-11 に示した。 AGHD 患者では、総コレステロール及び LDL-コレステロールの上昇など、脂質関連マーカー の異常が報告されており10),54)、これらの異常は心血管系疾患のリスクの上昇に関与していると考 えられている54),55)。 A201 試験では、0.012mg 投与群における投与開始時の総コレステロールは 211.3±32.7 mg/dL、 24 週後には 191.8±26.4 mg/dL となり、投与開始時と 24 週後の間に統計学的に有意な差が認めら れた(p<0.001)。また、総コレステロールの変化量の 0.012mg 投与群とプラセボ投与群との比較 において、統計学的に有意な差が認められた(p=0.001[t 検定]、p=0.002[Wilcoxon 順位和検定])。 0.012mg 投与群における投与開始時の LDL-コレステロールは 125.7±32.4 mg/dL、24 週後には 112.2±27.6 mg/dL となり、投与開始時と 24 週後の間に統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 また、LDL-コレステロールの変化量の 0.012mg 投与群とプラセボ投与群との比較において、統計 学的に有意な差が認められた(p=0.004[t 検定]、p=0.010[Wilcoxon 順位和検定])。 HDL-コレステロール、中性脂肪は投与前後で変化が認められなかった。 A202 試験では、GH/GH 群における投与開始時の総コレステロールは 211.9±35.4 mg/dL、24 週 後は194.6±28.5 mg/dL、72 週後は 194.6±30.9 mg/dL であり、投与開始時の値と比較して 72 週後 の値は統計学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 P/GH 群における投与開始時の総コレステロールの平均値は 205.2±29.9 mg/dL、24 週後の平均 値は211.1±38.0 mg/dL、48 週後の平均値は 198.2±32.3 mg/dL、72 週後の平均値は 200.1±32.9 mg/dL であり、投与開始時の値と 72 週後の値には有意な差が認められなかった。しかし、プラセ ボを投与していたA201 試験が終了した 24 週後から 48 週後にかけて、統計学的に有意な差が認 められた(p=0.003)。 GH/GH 群における投与開始時の LDL-コレステロールは 129.5±33.4 mg/dL、24 週後は 117.9± 26.8 mg/dL、72 週後は 116.5±28.2 mg/dL であり、投与開始時の値と比較して 72 週後の値は統計 学的に有意な差が認められた(p<0.001)。 P/GH 群における LDL-コレステロールの投与開始時の平均値は 124.5±25.5 mg/dL、24 週後の平 均値は130.8±33.5 mg/dL、48 週後の平均値は 117.6±30.0 mg/dL、72 週後の平均値は 120.4±28.9 mg/dL であり、投与開始時の値と 72 週後の値には有意な差は認められなかった。しかし、プラセ ボを投与していたA201 試験が終了した 24 週後から 48 週後にかけては、統計学的に有意な差が 認められた(p<0.001)。 HDL-コレステロールと中性脂肪については、P/GH 群、GH/GH 群ともに投与開始時の値と 24 週後、48 週後、72 週後の間で改善を示すような結果は得られなかった。

表 2.5.1-1  コンセンサスガイドラインにおける AGHD の診断・治療基準  作成機関  Growth Hormone Research Society
表 2.5.4-3  A201 試験  体組成の変化量(⊿)

参照

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