資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部
燃料電池推進室
飯田 健太
日本政府における水素・燃料電池の動向
平成23年2月28日
目 次
1.政策の動向
2.家庭用燃料電池
3.燃料電池自動車と水素ステーション
4.水素利用社会システム構築実証事業
1.政策の動向
2.家庭用燃料電池
3.燃料電池自動車と水素ステーション
4.水素利用社会システム構築実証事業
新成長戦略と一体的に検討を推進
具体的な施策の提示、数値目標の設定
○エネルギー政策の基本は、エネル
ギーセキュリティの確保、温暖化対策
の強化、効率的な供給。
○新たな視点として、環境エネルギー
分野での
経済成長の実現
と
エネル
ギー産業構造の改革
を追加。
○
2030年に向けて、エネルギー需給
構造を抜本的に改革
。
エネルギー基本計画の改定について
エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づいて、エネルギー政策の
基本的な方向性を示すもの。
法律上、少なくとも3年毎に見直しを実施。平成15年に策定後、平成19年に第
一次改訂。今回は、平成22年6月18日に閣議決定。
基本的な視点
経済成長
地球温暖化
問題の解決
効率性の確保
エネルギー政策エネルギー
の安定供給確
保
社会システム、産業構 造の転換 安全と国民理解の確保3
○エネルギー自給率及び化石燃料の自主開発比率を
倍増
自主エネルギー比率
(※)を38%→
70%程度
まで向上
※従来のエネルギー自給率(国産+原子力)に加え、自主開発資源も勘案
○ゼロ・エミッション電源比率を34%→
約70%に引き上げ
○
「暮らし」
(家庭部門)
のCO2を半減
○産業部門において、
世界最高のエネルギー利用効率の維持・強化
○エネルギー製品等の国際市場で我が国企業群が
トップクラスのシェア獲得
エネルギー基本計画に掲げた数値目標(2030年)
①国民を守るためのエネルギーセキュリティの確保
②世界のモデルとなる低炭素型経済成長の実現
③国民が実感できる日々の「暮らし」の変革
④世界全体のCO2削減への貢献や我が国への投資の呼び込み
などを同時に実現
○本計画に掲げる政策を強力かつ十分に推進することで、エネルギー起源CO2を、
2030年に
90年比▲30%程度
もしくはそれ以上に削減。
○これは、2050年に
90年比▲80%に向けた現状からの削減幅の約半分
に相当
するきわめて野心的な姿。
4
目標実現のための具体的取組(供給面での対応)
・首脳・閣僚レベルでの資源外交等において、政府や関係機関が一体となったオールジャパンの取組により二国間関係を強化 ・リスクマネー供給支援の強化(JOGMEC、ODA、政策金融、貿易保険等) ・安定供給に向けて戦略的な対応が必要なレアメタル(戦略レアメタル)の自給率50%以上、ベースメタルは80%以上を目指す ・我が国近海の資源探査、開発の強化。排他的経済水域における権益確保、適切な権利行使のための制度整備 ・緊急時対応能力の充実 ○再生可能エネルギーの導入拡大 ・固定価格買取制度の構築(買取対象を太陽光発電から、風力、中小水力、地熱、バイオマス発電に拡大。) ・導入支援策の強化(導入可能性調査、初期コストの低減、導入インセンティブを高める普及拡大のための措置等) ・系統安定化対策、技術開発・実証事業の推進、規制の見直し・緩和(行政刷新会議の議論を踏まえた検討) ○原子力発電の推進 ・2020年までに新増設9基(設備利用率約85%)、2030年までに少なくとも14基以上の新増設(設備利用率約90%) ・最新の知見を活用した科学的・合理的安全規制の充実 ・立地地域住民との相互理解の促進と地域振興。電源立地交付金制度の更なる改善(発電電力量に傾斜配分する見直しを検 討) ・核燃料サイクルの早期確立と高レベル廃棄物処分に向けた取組の強化 ・核不拡散や原子力安全における国際貢献 ・原子力産業の国際展開に向けた一体的対応(システム輸出として建設、運転・管理、燃料供給、法整備、人材育成などを含めた 対応、新会社設立) ○化石燃料の高度利用 ・石炭火力の新増設・更新は、原則IGCC並みのCO2排出量に抑制 ・世界最高水準の石炭火力発電技術をさらに革新 ・CCSの2020年の商用化を目指した技術開発の加速化。 ・今後計画される石炭火力新増設はCCSReadyを導入、2030年までに石炭火力へのCCS導入を検討 ○電力・ガスの供給システム強化 ・2020年代早期に原則全ての電源や需要家と双方向通信が可能な世界最先端の次世代型送配電ネットワークを構築 ・卸電力市場取引実績を3年以内に2倍程度に引き上げ資源確保・安定供給強化への総合的取組
自立的かつ環境調和的なエネルギー供給構造の実現
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新たなエネルギー社会の実現
革新的なエネルギー技術の開発・普及拡大、国際展開の推進
低炭素型成長を可能とするエネルギー需要構造の実現 ・官民一体となった海外展開支援体制の整備 ○産業部門 ・設備更新時に最先端の技術導入を促進し、世界最高水準の省エネ水準の維持・強化 ・省エネ法の運用強化、天然ガス利用の促進、革新的技術(環境調和型製鉄プロセス、革新的セメント製造プロセス等)の実用化 ○家庭部門 ・ZEH(ネット・ゼロエネ・ハウス)を2020年までに標準的な新築住宅に、2030年までに新築の平均で実現 ・省エネ基準の適合義務化、高効率家電や太陽光発電の利用、スマートメータの普及による国民の「意識」改革、ライフスタイルの転換 ・家庭用高効率給湯器を、2020年までに単身世帯を除くほぼ全世帯相当、2030年までに全世帯の8~9割に普及 ・高効率照明(LED等)を、2020年にフローで100%、2030年にストックで100% ○業務部門 ・ZEB(ネット・ゼロエネ・ビル)を2020年までに新築公共建築物で実現、2030年までに新築の平均で実現 ・ビルの省エネ性能を評価するラベリング制度を導入 ・建築物全体でのエネルギー消費量を総合した新たな省エネ基準を2011年度中に策定 ・省エネIT機器(ルータ、ストレージ、サーバ等)を2015年までに実用化、2020年までに100%普及 ○運輸部門 ・新車販売に占める次世代車の割合を2020年最大50%、2030年最大70% ・2020年までに普通充電器を200万基、急速充電器を5000基設置 ・2020年度に向けた乗用車燃費基準を策定 ○横断的取り組み ・都市や街区レベルでのエネルギー利用最適化 等 ・次世代エネルギー・社会システムの構築に向けた実証事業を実施。2020年代早期に、原則全ての需要家にスマートメーターを導入 ・地域におけるエネルギーマネイジメントシステムの技術確立等に向け、関係省庁が一体となって関連施策を集中投入 ・規制の見直しを含めた特区的対応 ・スマートコミュニティをビジネス展開するため、国際展開戦略、ロードマップの深化、戦略的な標準化を促進 ・燃料電池自動車の2015年からの普及開始に向け、水素ステーション等の水素供給インフラ整備を支援 ・革新技術開発前倒し、新たなエネルギー革新技術ロードマップの策定目標実現のための具体的取組(需要面での対応)
6
○ 燃料電池(定置用・自動車用)の最大の課題であるコストの低減に向け、導入支援を行うとともに、燃料電池の 機構解明、白金の使用量低減や水素製造・輸送・貯蔵のための基礎的な部分も含めた技術開発を推進。 ○ 定置用燃料電池の海外展開を促進するため、各国の燃料の成分構成に対応したシステム開発を推進するととも に、燃料電池自動車については、燃料電池の信頼性・耐久性やタンクの貯蔵能力向上などに向けた研究開発を推 進。 ○ 燃料電池自動車用水素ステーション等の供給インフラの整備コスト(注)を大幅に下げることが必要。このため、 高圧ガス保安法に定める圧力容器の設計基準、使用可能鋼材の制約等の規制への対応が課題。国際動向も踏まえ、 解決に向けてデータに基づく安全性の検証、技術開発を推進。 (注)現状、 商用ベースで1基当たり約10億円(700気圧)~約5億円(350気圧)程度。 ○ 燃料電池自動車(バス等大型車を含む)についての技術・社会実証や、大規模生産された水素の輸送・貯蔵・充 填等に関する実証等を行う。2015年の燃料電池自動車の導入開始に向け、日米欧、関連地域、民間企業とも協 力・連携し、供給インフラを含めた実証的取組を強化。 ○ 利用段階ではCO2を排出しない水素エネルギーを活用した社会システムを中長期的に構築。 ○ 当面は、化石エネルギー由来の水素を活用し、化石燃料の有効利用を図るとともに、製鉄所等からの副生水素を 活用。将来的には化石エネルギー由来水素にCCSを組み合わせたCO2を排出しない水素製造技術の確立や、非化 石エネルギー由来水素の開発・利用を推進。 ○ 世界に先駆けて実用化された家庭用燃料電池の市場拡大を図るとともに、今後は分散型電源としての利用や業務 用などの大規模需要への展開を促し、エネルギー利用効率の向上を図る。また、2015年からの燃料電池自動車の 普及開始に向け、水素ステーション等の供給インフラの整備支援を推進。 ○ 燃料電池の国内での普及とともに、国際標準化を含めた積極的な海外展開を図る。
目指すべき姿
具体的取組
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エネルギー基本計画(水素エネルギー社会の実現)※抜粋
新たなエネルギー社会の実現として「水素エネルギー社会の実現」が掲げられている。
1.政策の動向
2.家庭用燃料電池
3.燃料電池自動車と水素ステーション
4.水素利用社会システム構築実証事業
エネファームは、「エネルギー」と 「ファーム=農場」の造語 家庭用燃料電池の商品統一名称 燃料(都市ガス、 LPG、灯油)から 水素を取り出す
水素と空気中の酸素
との化学反応により
電気とお湯を作る
燃 料 電 池家庭用燃料電池について
世界に先駆け2009年5月に販売開始
[家庭用燃料電池] 大規模実証 市場規模(台数) システム価格(1台) 導入拡大期 本格普及期 大規模実証 政策的サポート による市場の創設 自立的市場の 構築 2020~2030年 40万円 300~350万円 800万円 2015年頃 50~70万円
家庭用燃料電池の普及シナリオ
2005 2009 2020(年度) 500台 約5千台家庭用燃料電池の現状と普及シナリオ
●家庭用燃料電池(エネファーム)は、世界に先駆け平成21年5月から販売開始。
●長期エネルギー需給見通し(平成20年5月総合資源エネルギー調査会・需給部会)において
2030年の目標累積台数は250万台。
●普及促進及び早期自立化のため、補助金制度を創設(22年度は1台あたり補助上限額130万
円)。
●エネファームシステム価格について、
2015年頃には量産効果により約50~70万円。
民生用燃料電池導入支援補助金
H21年度・22年度導入台数比較
※グラフデータは燃料電池普及促進協議会ホームページより 26 23 2350 3 14 38 55 33 30 260 216 1,021 579 8 16 6116 383 8110719 2212103141 391499 133 35 70 67 55 18 20 9 312414 226 22 31 44 22 11 17 3 0 500 1000 1500 2000 2500 北 海 道 青 森 県 岩 手 県 宮 城 県 秋 田 県 山 形 県 福 島 県 茨 城 県 栃 木 県 群 馬 県 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 山 梨 県 長 野 県 新 潟 県 静 岡 県 愛 知 県 三 重 県 岐 阜 県 富 山 県 石 川 県 福 井 県 滋 賀 県 京 都 府 大 阪 府 兵 庫 県 奈 良 県 和 歌 山 県 岡 山 県 広 島 県 山 口 県 鳥 取 県 島 根 県 徳 島 県 香 川 県 愛 媛 県 高 知 県 福 岡 県 佐 賀 県 長 崎 県 熊 本 県 大 分 県 宮 崎 県 鹿 児 島 県 沖 縄 県 (台) 22年度申込み台数(H23.1.31現在) 21年度補助金交付決定台数 ※グラフ記載の数値は22年度申込み台数(H23.1.31現在)21年度補助台数+22年度補助申込み台数(計10,157台)平成23年1月31日現在
1.政策の動向
2.家庭用燃料電池
3.燃料電池自動車と水素ステーション
・地球環境問題・資源制約への対応(温室効果ガス削減、燃料の多様化など)
・次世代自動車を巡る世界的な競争の激化
・我が国の自動車及び関連産業は国内において経済・雇用等を牽引する関連
産業。今後ともその役割を果たし続ける必要がある。
策定の目的・背景
技術開発やインフラ整備等の課題についての認識を共有し、自動車や関連
産業及び社会全体の中長期的な対応のあり方に関する国家戦略。
平成22年4月に策定。
○今後の世界レベルでの温暖化対策の進展により、各市場毎に適用されるパワートレインは
大きく変化。
○現在の我が国の自動車産業の比較優位を研究開発・インフラ整備と併せ、オールジャパン
で如何に維持・強化させていくかが産業競争力強化の鍵。
走行距離
車両サ
イ
ズ
大きい
長い
EV領域
近距離・域内 コミューターHV・PHV領域
FCV領域
クリーンディーゼル車領域
電気
ガソリン、軽油、CNG、LPG、 バイオ燃料、合成燃料等水素
燃料
(市場導入段階) (本格普及段階・市場導入段階) (研究開発段階)<車種毎の棲み分け概念図>
次世代自動車の将来展開~車種毎の棲み分け~
燃料電池実用化推進協議会 (FCCJ) ○設立年: 平成13年(2001年)3月19日 ○目 的: 我が国における燃料電池の普及と実 用化を目指し、課題整理や政策提言 などを通じて、我が国の燃料電池産業 の発展に寄与することを目的とする。 ○活 動: (1) 国への政策提言 (2) 調査・研究 (3) 情報発信、相互交流 ○会 員: 109社・団体、個人 (平成23年1月現在) ○その他: 経済産業省はオブザーバー
燃料電池自動車(FCV)の現状と普及シナリオ
z 燃料電池自動車については、低コスト化、信頼性・耐久性の向上等に取り組んでおり、公道
走行実証試験を実施中。
z 平成20年7月、FCCJは、燃料電池自動車(FCV)及び水素ステーションの普及に向けた
シナリオを作成。2015年からのFCV導入を宣言。
2025年の自立拡大期に、FCV200万台程度、水素ステーション1000箇所を想定。
水素エネルギー社会に向けた課題の抽出と国民的理解の醸成
共通 ○広報・教育活動推進 各種イベント開催・参加 JHFCパーク見学会 ホームページ等媒体充実 ○広報・教育長期戦略策定 学校教育・社会教育への提案 水素インフラ等実証研究 燃料電池自動車等実証研究~水素供給~
霞ヶ関ステーション 世界初 燃料電池ハイヤー 関西圏 ○都市型ステーション、 簡易型水素供給設備(サテ ライトステーション) 多様な形態への水素供給の検証、将来像の検証 ○非常用設備の検証 燃料電池を使用した非常用電源 ○新たな水素利用形態と燃料電池システムの実証 車いす・自転車の実証(水素吸蔵) 一般利用者の協力によるモニター試験等 首都圏 ○普及時を睨んだ実証走行試験 第3者による燃料電池自動車フリート走行 配送業務等の商業利用条件下での 走行実証 ○多様な原料、製造方式の水素ステーション 様々なステーションの安全性、信頼性、 性能等の向上、将来像の検証 ○70MPa水素供給システムの実証 70MPa充填設備の製作と運用 70MPa対応FCVの公道走行 中部圏 ○普及時を睨んだ実証走行試験 (国土交通省と連携) 燃料電池バス実証 中部国際空港における路線バス,ランプバス運行 ○都市ガス改質&オフサイトハイブリット型 水素ステーション 水素の大量供給に係る検証、将来像の検証燃料電池システム等実証研究(JHFC)
水素ステーション 14ヶ所 (首都圏9 ,中部1 ,関西2 ,福岡2 ) (実証参加)燃料電池自動車 約60台 経済産業省 NEDO■概要
燃料電池自動車(FCV)が実用的かつ長距離の走行が可能であることを実証するため、東京~北九州までの 1,100kmを2回の水素充填(愛知県東海市、岡山県早島市)で実証走行するもの。 スタート地点である東京・霞ヶ関(経済産業省中庭)で、松下、増子両副大臣ご主席のもと、出発式を実施。 翌夕、 北九州水素ステーションに到着。■関連イベント
・プレイベント
10日(火):日光ステーション開所式 (出席:斎藤文夫市長)・長距離走行実証
11日(水):経済産業省中庭での出発式「スタート」 愛知県庁表敬訪問(出席:稲垣副知事)、大阪着 12日(木):大阪府庁表敬訪問(出席:木村副知事) 北九州ステーション「ゴール」・ポストイベント
13日(金):走行取材(北九州ステーション⇒九大ステーション) 完走式@九州大学(出席:麻生知事、橘高九州経産局長) Nissan X-TRAIL FCV Toyota FCHV-adv Honda FCX-CLARITY ○走行実証参加車両JHFC長距離走行による耐久性・信頼性の実証
中部地区
関西地区
1) セントレア(2006/7)
日光
首都圏
九州
1) 日光(2009/9)
1)
九州大学
(2009/9)
2)
北九州
(2009/9)
1) ( )は運用を開始した年月を示す 2) はJHFC協賛ステーションを示す 1)横浜・大黒(2003/3,70MPa:2008/12) 2)横浜・旭(2003/4,70MPa:2009/2) 3)千住(2003/5,70MPa:2008/9) 4)川崎(2003/8)※2011/3実証終了予定 5)相模原(2004/4)※2010/11実証終了 6)霞が関(2002/12,70MPa:2009/2) 7)船橋(2007/6)※2010/12実証終了 8)有明(2003/5) 9)羽田(2010/12) 10)杉並(2010/12) 11)成田(2011/2~運用予定) 水素利用社会システ ム構築実証事業で 整備1)大阪(2007/8)※移転予定
2)関西空港(2007/3)
JHFC及び水素ハイウェイプロジェクトにおいて運用する水素ステーション
トヨタ環境技術取材会でのFCVに関する開発状況公表
トヨタ自動車、今後の環境技術への取り組
み計画を公表(平成22年11月18日)
・ セダンタイプの燃料電池ハイブリッド車(FCHV)の開発
を進め、2015年頃から、日米欧の水素供給インフラが
整備される見込みの地域へ投入。
・ 日本での車両価格は、現時点で1,000万円を切るレ
ベルの目処がついており、市場導入に向け、お客様に
納得していただける価格の実現を目指し、今後さらなる
コスト低減に取り組む。
出典:TOYOTAホームページ
トヨタ自動車 内山田副社長
トヨタ環境技術取材会で記者会見
20
燃料電池自動車の国内市場導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明
燃料電池自動車(FCV)を、2015年から市場に本格導入することについて、自動車
会社3社とエネルギー事業者10社が共同声明を発表(平成23年1月13日)。
声明においては、本格導入が開始される2015年には、自動車会社がFCV量産車(※)を販売するほ
か、これらFCVの販売に先立ち、エネルギー事業者が東京、愛知、大阪及び福岡の4大都市圏を中心と
して、FCV量産車の販売台数の見通しに応じて必要な規模(100箇所程度)の水素ステーションを先
行的に整備することを目指すことが示されている。
※量産車とは、一般的には品質保証やアフターサービス等の体制を整備し、ユーザーからのニーズに適時
に対応して販売できる車。FCVについては、今後の技術開発の進展や市場動向にもよりますが、これま
でに販売された次世代自動車の初期販売実績と同様の傾向を示すとすれば、導入当初で年間千~数千台規
模の販売が予想されます。
共同声明について
<13社>
自動車会社:トヨタ、日産、ホンダ
石油会社:JX日鉱日石エネルギー、出光興産、昭和シェル石油、コスモ石油
都市ガス会社:東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス
産業ガス会社:岩谷産業、大陽日酸
水素ステーション先行整備の検討状況
<先行整備の考え方>
•
2015年のFCV販売開始前に、 4大都市圏に水素ステーションを先行的に配備する
•
FCV潜在顧客が密集する地域に水素ステーションを集中配備する
•
4大都市圏を結ぶ高速道路上にもST配備し、都市圏間の往来を可能とする
•
上記集中配備エリアではユーザー利便性を確保し、FCV潜在顧客層の初期需要を創
出する
4大都市圏への集中配置合計100箇所程度
民間13社(自動車・インフラ)にて 4大都市圏を対象に、初期需要創出の ための普及戦略について検討を開始関西、中京、福岡にて、地方政府・自治体を
事務局とする協議会・検討会にて議論を開始
出典:JX日鉱日石エネルギー(株)2011年1月 現在
地域水素供給インフラ技術・社会実証
研究目的
研究内容概略
○研究開発課題(目的達成のための技術課題) 研究開発項目A 技術・社会実証 2015年の一般ユーザー普及開始に必要な技術等の実証を、普及初期の中核となる都市 圏(東京近辺、名古屋、大阪)において行う。 研究開発項目B 地域実証研究 都市圏の周辺地域を中心に、地域の有するインフラ、資源、技術を活用して技術実証を行う。 研究開発項目C 地域連携調査 上記の都市圏の周辺地域に加え、将来の水素供給インフラの導入可能性・立地点を調査 する。 研究開発項目D 国際共同研究 NEDO-NOWのMOUに基づいた情報交換を行い、画期的な低コスト・信頼性向上につながる 水素供給インフラ等技術の国際共同研究を行う。 2015年の燃料電池自動車(FCV)の一般ユーザ普及開始 に向けて、実使用条件に近い中でFCV及び水素供給イン フラに関する技術実証を行うと共に、ユーザ利便性、事業 成立性、社会受容性等を検証する社会実証を行うことを目 的とする。プロジェクトの規模
○研究開発期間 平成23年度~平成27年度(5年間)技術戦略マップ上の位置付け
技術戦略マップ「エネルギー分野」の重要課題に位置付 けられている。事業の位置付け
将来の水素供給インフラの導入可能性立地点を調査(23年度新規)
z 水素ステーションの建設コストについては、現状でス テーション当たり約6億円程度であり、2015年に約1.5 億円に低減することを目指す。 z 水素の値段について、現状で110–150円/Nm3である が、2030年には40円/Nm3を目指す。
①水素は、分子量が小さく、材料を容易に透過する特性あり。このため、高圧環境下では水素が材 料中に侵入
することにより材料が脆くなる水素脆化等の現象が発生。水素を安全かつ低コストで活用するためには水素
脆化等の基本原理の解明が必要。
②水素ステーションの最大の課題はコスト低減。水素の値段については、現状100–150円/Nm
3を2030年には
40円/Nm
3を目指す。
水素の特性と水素ステーションの課題
水素は、分子量が小さく、地球上で最も軽い気体。 このため、金属、ゴム等の材料を容易に透過する特性あり。水素脆化
水素が金属、ゴム等の材料中に 水素が侵入することにより、材料が脆くなる現象水素のトライボロジー
水素環境下で材料が摩擦・摩耗する現象 水素の基本原理を解明することにより、 水素を安全かつ低コストで活用する材料選択が可能。水素特性
課題解決の方向性 • 低コストの水素ステーションシステムの構築 • 水素ステーション機器の小型化・低コスト化 • 高コストとなっている規制の見直し • 将来的な水素ステーション普及策の検討 課題解決の方向性 水素ステーションの課題■規制改革事項: 「燃料電池自動車・水素ステーション設置に係る規制の再点検」
<基本的考え方(抜粋)>
・平成27年事業化に向けて、安全の確保を前提に技術の進展にあわせた現行規制の再点検を行
うことによって、コストダウンを図るべきである
・国際標準と比較して、日本のみが厳しい規準となっている規制については、明確な根拠を示した
上で、実証データ等を収集しつつ、可能な範囲で国際整合を図るべきである
・科学的データに基づいて検証することで安全を担保することは可能である。安全性の検証に当
たっては、官民が連携して知見を蓄えるべきである。その際、特区制度等の活用についても検討
すべきである。
<対処方針>
・平成17年高圧ガス保安法改正に基づく水素ステーションに係る具体的な仕様等を示す「例示基
準」を作成・通知する(平成22年度中措置)
・例示基準策定後、合理的な水素貯蔵量基準について許可に係る技術的助言を行う
・平成27年の普及開始を行うため事業化を阻害している規制について、技術進歩を見極めつつ、
国際整合性を確保し、技術進展に対応可能な性能規定化を図るよう、再点検を行う。再点検結
果を踏また対応について、関係省庁(経済産業省、国交省、消防庁)間で調整の上、今後の具体
的な工程表を作成する(平成22年中措置)
「内閣府行政刷新会議よる規制改革対処方針」
(2010.6.18 閣議決定)
燃料電池自動車・水素ステーション普及開始に向けた
規制の再点検に係る工程表の作成について
■目的
燃料電池自動車の本格的普及のためには、燃料電池自動車用水素ステーション等の水素供
給インフラの整備コストを大幅に下げる必要がある。
この点、高圧ガス保安法に定める圧力容器の設計基準、使用可能鋼材の制約などの規制へ
の対応が課題となっている。
平成22年12月、経済産業省は、国土交通省・消防庁とともに、
2015年の燃料
電池自動車及び水素ステーションの普及開始に向けて、規制の再点検に係る16項
目からなる工程表を公表。
③70MPa水素スタンドに対応した技術上の基準や例示基準の整備 高圧ガス保安法 ④CNGスタンドとの併設をより容易にするための設備間距離規制の緩和 ⑤保安検査の簡略化に向けた保安検査基準の策定と保安検査方法告示での指定 ⑥設計係数の低い特定設備、配管等の技術基準適合手続の簡略化 ⑦例示基準に記載された使用可能鋼材の拡大 ⑧圧縮水素運送自動車用複合容器の最高充填圧力引上げ(35MPa→45MPa程度)のための例 示基準の改正 ⑨圧縮水素運送自動車用複合容器の安全弁に熱作動式安全弁(ガラス球式)を追加するための 附属品の例示基準の改正 ⑩圧縮水素運送自動車用複合容器・附属品に対する刻印方式の特例の創設 ⑪水素スタンド蓄圧器への複合容器使用に向けた技術基準適合手続の簡略化 ⑫公道とディスペンサーとの距離に係る障壁等の代替措置の創設 ⑬セルフ充填式水素スタンド実現に向けた高圧ガス製造の許可を受けた者以外による水素の充填 行為の許容 ⑭水素ディスペンサー周辺の防爆ゾーン基準の明確化 ⑮公道でのガス欠対応のための充填場所の確保 ⑯フル充填に向けた最高充填圧力の変更と例示基準の改正【容器則関連】 フル充填に向けた最高充填圧力の変更と例示基準の改正【一般則関連】