基
調
講演
知識 創
造 企 業 と デ ザ
イ
ン
Keynote Address
Knowledge−Creating
Company
and Design野 中 郁 次郎
NONAKA lkujiTO
北陸先端科学技術 大学院大学知識
科学
研究
科 長Professor
,
Japan Advanced Institute ofScience and Technology,
Hokuriku私は特 別に デザ インとい うこ と を やっ てきた わけ
で は ない ので す が
、
ただ 今日申
し上 げます“
The
Knowledge−Creating
Company
”
とい う知 を創り続
け るカ ンパ ニ
ー
とい うこ と を世 界に発 信し て お ります。そうい う意 味で デ ザイン とい う言 葉を明確に は使い
ま せ ん が
、The
Knowledge−Creating
Company
とい うコンセプ ト、 あるい はセオ リ
ー
の中にどうもデザ イン
プロ セ スが 非 常に重 要である とい うこと は認 識 して
い る わ けで あります。
The
Knowledge−Creating
で す か ら“
ing
”
、
創り続 ける とい う企業体であ りま す が
、
日本 語にする と どう も ダ イナミッ クにならない 。 ダ イ ナ ミッ クな直 感 が 出 ない わ け で す。 今日申
し上 げ たい こ と は、
知 を創 り続 ける とい うこと をベー
ス に新 しい マ ネー
ジメン トが構 築で きない か。 だ か ら、
Knowledge−
Creationと 言 う視 点で一
切合切マ ネー
ジメ ン トの あ りようを斬 る こ とにな り ま す。
今まで情報
が中心的なパ ラ ダ イ ムと言い ますか、
組 織と かマ ネー
ジメ ン トの本 質は 情 報処 理であ ると言 う、
ハー
バー
ト・
サ イモ ン以 来 の伝 統が非 常に強い 。 だ か ら情 報 処理 を最も効 率 的 に やるため に は階層、
分 業、
専 門 化こうい うこと が 長 く我々 の マ ネー
ジ メ ン トあるい は組 織 論を支配 し て きたわけで す。
それに対して実は そ うで は ない と、
組 織とい うも の はKnowledge−
Creationを支援 する個 人の場 なんだ。 とい う考 え を我々 は主 張し て る わ け で あ り ま す。 そ れ は何か ら 来 る か と言 うと、 我々 の世 界につ い ての イメー
ジですね。 サ イモ ンで非 常に有 名なア リの メ タフ ァー
があ り ます。 長 続 きす る 理論と長 続き しな い理 論、Fad
と言い ますか、
要 する に一
過 性の流 行 で終わ る 理論との間に何 処に差があるか と言 うと、
人間につ い て のFundamental
Assumption、
つ まり、
「人間とは何であるのか。」
という
もの を持つ か、 持た ない かに よっ て、 その理 論が、 本 当のパ ラ ダイ ム になるか な ら ない か とい う差が で る の で はない の か。 How toだけでは絶 対に もた ない ですね。
お そ ら くサ イモ ンの人 間 に対す るAssumption 、
仮 定とい う の は、Cognitive
Limits
と言い ますか、
人 間の認識能 力、
情 報 処 理 能 力には限界があると、本
質的 にマ ジ カ ルナ ンバー
セブンで は あ り ま せ ん が、
せい ぜい メ モ リー
で処理で きるの も7
桁であろう、
だか ら 世界 の電 話 番 号は み んな7 桁だ と。 最近NTT は8桁
に な り まして具 合が悪 く な り まし た が。
い ずれに して もCognitive
Lirnits
とい うものが本 質であっ て、
ア リ だ と。 海 岸を歩 くアリ を見る と一
見複雑
そうに見 える けれども、
これ は ア リのCognitive
Limits、
情 報 処 理 能力 が、
万 能、
複 雑だ か ら 出来る ん じゃ な くて、 ア リ は巣の 方向
が分かるだけであっ て、
後はRunning by Doing で、
試 行 錯 誤、
環 境が複 雑であっ て、
ア リ は一
寸 先の障 害 物 も分 か ら ない ん だ。
人間も同じじゃ ない か。 そうい う
Cognitive
Limitsを克 服 するた め に、
そ うい う人 間をあるい みコ ン トロー
ルする た め に階層、
ヒエ ラル キー、
あるい は 分業制 とい う も の が 必須なんだ と。 非 常に簡 単に言え ば、
そうい う イメー
ジです。 こうい うメタフ ァー
の背 後にある の はや っ ぱ りコ ン ピュー
タ が あ りますか ら、
サ イモ ン は 早 く か ら人 間の認 識 能 力を代 替で き るとい うこ と で、 チ ェ ス の研究 なん か や っ てました。そ れに
対
して私 達の イメー
ジ は イノベー
ショ ン研 究か ら始まっ てい る も ん ですか ら、
私 自 身はハー
バー
ト・
サ イモ ン に非 常に大き な影 響を受けて 「組 織 と市
場」
とい うド クター
論 文を書い た わけです け れ ど も。 しか し、 転 機は10 年
以上前に イノベー
シ ョ ン の プロ セス を研 究し たこ とにあ り ま す。 どうも 見 てい る とそうい う情 報 処 理 能 力に限 界のある人間 じゃ な くて、
や は りイノベー
ショ ン を やる よう な 人 達はCrazy な 人々 で、
既 存のコ ンセ プ ト を否定 し て 何 かを生み出そうとする、
そ うい う異 常な 人間を見 てき た わ け で、
そこか ら 人 間 に対 するAssumption
が 変わっ て きた わけです。 も ちろ んCognitive
Limitsが ある こ とは認めざるを得ない んだ が、実
は そう
い うLimits
に挑 戦して 自己を超えてい こうとするの も 人 間の側 面だ し、
あ るい は 別 にCognitive
Limitsを持っ てい た と して もそれ を克服 する方 法 論と しては、
皆 が新しい 知 を 生み出 すと。 知を共 有、 創 造 する こ と で、
組 織全体 と してはCognitive
Limits
を超 えて行 く の で は ない か。 とこ うい うイメー
ジ に な ります 。 そ うす ると、
その経 営の あ りようとい うもの も要する に、
人間は 本 質 的に知 を創りたい んだか ら、
大きく な りたい ん だ か ら、 そ れを支 援 する場 だと、
そうい うイメー
ジ に転 換 する に至っ た わけです。 です か ら、 理論構築
とかコ ンセ プ ト創 造とい う もの は、
正 に デザ イン と言え ばデザ イン の本 質その もの である と。 ただ その最 初の段 階に どういう
世界 観を持つ か という
極めて主観が必 要であ りま して、
その背 後に は 人間に対す るAssumption 、
あるい は世 界に対 するAssumption
とい うものが、
やっ ぱり根底
にある ほう が 知 は創りやすい の ではない か。 こうい うこと を申 し上 げ たい わ けです。 そ う しますと、 知 識と言 うもの を 絶え ず 創 り続け られ るわけですか ら、 ダ イナ ミッ ク に考えるとい う ことにな ります。伝統
的に は哲学
で はJustified
True
Bilief
と正当化さ れ た真な る信 念と言い ます が、
結 局 は 想い、
主 観 で す よ。
Bilief
です か ら。
知 は 主観か ら 始まる、 先ほど申 し上げた様に、 仮 定と か、
夢、
イ メー
ジ とかい う想い から始 まる ん ですが、
想い が想 い で留
まる限 りは、
そ れは知に は な ら ない も んです か ら、
共有さ れ ま せんか ら、
何 とかJustify
、 正当化 し なけれ ば な ら ない 。 それには、
自分の想い、
コ ン セ プ トを雪 語 あるい は形に変 換 して、
皆に納 得さ せ てい くこと に な る。 で きれ ば、
な ん かTrue
な る も の、 真な る もの に し たい と。 まあ哲 学 論 議は専ら何 が rrue か とい う議 論 なん ですが、
我々 は こうい う定 義で も 大 ま かに はい い わけで、
何 が本 当かは社 会 科 学は な か な か分か り ま せん。
し た がっ て知 識と言 う のは絶え ざるプロ セ スその もの だ と思い ます。 絶 え 間 ない プロ セス なんだと、
同時に我々 は 知 識 と 言う
ものを
A
Dynamic
Human
Process
ofJustifying
Personal
Bilief
、
何か真 なるもの に向かっ て 自分の個 人 的 な想 い を 正 当化 し てい くダ イ ナ ミッ ク で 人 間 的 なプロ セ ス じゃ ない かと。 非 常に デザイン と似てい る かもし れ ま せ ん が、
知と は そういう
もの だ と考え る。 し た がっ て非 常に文 脈 依 存 型で あ り、
ダ イナ ミッ ク で あり、
人 間 的だ と。 知識の 定 義に は色々 ある と思い ます が、
我々 は そう
考 える。
知 識 と は ダ イ ナ ミッ ク な 自分の想い を正 当 化してい くプロ セス であると。 そ し て出来 あがっ た ア ウ トプッ ト が仮に知の結 晶と だ とすれば、
そう
い うことを通 じて また自
分の想い が膨らん でい くとい うス パ イラル に してい く話しで す ね。 そう
す る と一
番
重 要に な る に は最近 流行 りのKnowledge
Management
があ りますが、 これ は私 達が 1990 年の始め に世界 発 信し、
それ以降1(nowledgeManagement
とい うコ ンセプ トが使わ れる ように なっ て きた わ け で す。 知の獲
得、創
造、
活 用、
蓄 積を ど うマ ネー
ジするか とい う話だ と は 思い ますが、
その 中で一
番 重 要 なの は、
知 を生み 出 すとい う創 造です ね。
こ こ の所が押さえら れ れば、
あ とはつ い て く る と言い ますか、 あ るい はその前 提にな る わ けで す。 そのKnowledge Creation とい うのは何か とい うことと
、
暗 黙 知と形 式 知とい うものが あっ て (図1 )、
い わ ゆ るExpressed
Knowledge
とい う ものは言 語 文 章 で表
現できる客観的 な 理性とい う、
よく西 洋で い う 分析 的 な 知 とい う もの は こ うい うこと だろうと。 そ れ に対して やっ ぱ り知とい うのは情 報と違って 自分 の もの になっ てい る、Intemalize
さ れてい る情 報です か ら、
全部表
現 可能だとは 限 ら ない わけです。 情 報 であれ ばこ の 暗黙知とい うもの を考 える必 要は ない ん ですけ ど、
我々 の中にlnvented
さ れ たlnternalize
さ れ た もの とい うの は、
全部が 全部、
これ ら は 主観 的、身体
的な知ですか ら表 現できるわけで はない 。 マ イ ケル・
ポ ラン ニー
とい う人 はこれ を暗黙知と呼
んだ わけで あ ります。 主観、 主観 的世界 観み たい な、 想い と言っ てもい い か も しれませ ん。 そ れ か ら 熟 練ノ ウハ ウみ たい なの が ある だ ろうと。 で この 二 つ の タ イ プの知が こ の背 後には お そ ら く哲
学論
上の い ろ んな議 論があるわ けです。 哲 学、
神 学、
仏 教 どっ ち が本当
か と。 我々は両 方 と もだと、
そ して両 方がlnteract
する こと が 重要なこ と だ とい う立場に な ります。 私ど もは北陸 先端
科学技 術大学
院っ て とい うとこ ろ にい ま して、
知 識科 学研究 科 をつ く りまし た。
こ れ は 金沢の郊 外にあ り ますが、
珍しく哲 学 者を 生 み 出 し た土 地で して、
西田幾 太 郎、
鈴 木 大 雪なんか が お り、
西 田哲
学な ん か で も、
完 全な る心 理は個 人 的、
パー
ソ ナ ルなん だ。 暗 黙 知はパー
ソナル な も ん ですか ら。 現実 的、
つ ま り臨 場 感のある もの であっ て、 完 全な る 心 理は言 葉で言 えない んだ。 科 学 的 心 理ご と き もの は、
完全 なる真理 と は 言えない と。
こ れはちょっ と言い 過 ぎの ような 感じ もする んです け ど、
こう
ゆう
発想な ん です ね。 純 粋 経 験とい うコ ン セプ トで す ね。 巍然の 直 感っ てい う ものが本 当なん だ と。 こ うい うこ と を言い ますが、 我々身 近 な例で 言え ば、
むし ろ長 嶋 茂 雄を取り上げた方が分か り易 い わけで、
「野 球は科 学じゃ ない と、
気 だと かで す ね。 」マ ル と はマ ル チ ネス の こ とですね。 「気を発 散してい る け ど も、
ほ わ あっ て出て るん だけれ ど も、
皆さん に は見 え ない で しょ うけ れ ど、
俺に は 見 える」
とい う風に言っ てい る わ けです か ら、「
上原 もそう だ。
西 山 なん か おどおどしてる か ら ダメなん だ。
」つ ま り理屈じゃ ない と。 気と運だ とい う話 し なん ですね。 あの人は非 常に満々と した質の高い 暗 黙知 をた くわえてい る 人 で す け れ ど、
言 語に な ら な い わ け で す ね。 擬音で しか表
現で き ない 。 だ か ら ど うして もイメー
ジを分 析 的 言 語で と らえ きれ ない ん じゃ ないか と。 そう
い た しますと二 つ の タ イ プの知の組み合わ せ で、
四つ の 知の創 造の モー
ド (図2
)が で きる と、
暗黙 知 か ら暗 黙 知、
これ を共 同 化と言っ て お ります け れ ど も、Socialization
とい う風 に。
ここ にある のは 根 本はExperience
と体で感じる、 直 感 するとい うこ とに な ります。 親 方、
徒 弟、
あるい は顧客との 共 感 。 第二 が そ れ を 言 葉 に 言 語 表 現 す る、
Extemalization
、表
出 化、
Articulation
、
概 念 化、
言 語 化で あ りますね。 第三番 目が、
形 式 知か ら形 式 知へ の変 換で、
これは連 結化、Combination
。 そ し て最 後、
形 式知 か ら 暗 黙 知へ、
もう一
回 自分の もの にす る。 そこ で ア ウ ト プッ トができる。 内 面 化、
Inter−
nalization とい ことになりますが、
この背後
には実は 哲 学 論上の 議 論が色々 あ る んです ね。
共同 化はやっ ぱ りExperience とい うことで、
表 出 化はReflection、
反 省 する と言い まし ょ うか、
連 結 化は分 析、
相 互 作 用 が重要 図1
暗 黙 知と形式知Analysis、
そ して内 面 化がPractice
でそ れを回すと、 お そら くこれ は デ ザ インの方 法 論と非 常に似てい る の で は ない で しょ うか。 これ をKnowledgeSpira1
、
これを耐えずスパ イラ ル に回す こ とを、
SECI モ デ ルと 言っ てい るん です ね 欧 米でS ・E
℃・1、
“セキ” モ デ ル という
風 に発 音 し て お ります。 ある 日本の 方 がこ こ に0 を 入 れてS ・
E ・C ・0 ・1
“
セコ イ”
モ デル は どうか って言う
ん ですが、 ちょっ と具合 悪い です ね。
つ ま りSECI
を回 す とい うこ と なん です。 組織 的に です よ。SECI
を回 す 戦 略、
組 織、
シス テ ム、
リー
ダシッ プ を構 築す れ ばい い とい う話しにな る。 で す か ら仮 にこ こ の 中で お そら く デ ザ イ ン に一
番 関 係 して くる の は、
Externalization
、 表出化の 部 分 か もしれ ませんけ れ ど、
実際最 後に形にするわ けです か ら、
そうい う風 に考え れ ばデ ザ イン とい うものは、
実は知の 創 造の根
幹に関 わる わ けで、
組織の プロセ ス その もの の中 に、
組み込め る か どう
か とい うことです ね。 と り わ け最 近は、
知 識 社 会とい うこ とで、
要 する にマ ニ ュ ア ル ワー
カー
の生 産 性の 時 代は終わっ た と、
工 場ベー
ス のです ね。 そ うすると次は ナレッジ ワー
カー
の マ ネー
ジ メ ン ト が問 題 なん だ と ピー
ター ・
ドラ ッ カー
は言 うわ けです。
「ナレッ ジ ワ
ー
カー
の知 的生産 性を どう促 進 するか とい うこ と につ い ての理 論と方 法 論を開拓 し た企 業 な らびに国 家が21
世紀を 主導
する と。 」こうい う論 調なん です。
そ うすると、
デザ イ ナー
とい うの は非 常に典 型 的 なナ レッ ジワー
カー
だ と 思い ま す。 ホ ワ イ トカラー
全 体 と言っ てい い か もしれ ま せんが、 研 究 開 発 部 門と か、 デザ イン とかで す ね。 こうい っ た部 門は最も典 型 的に こう
い っ た表
出活動
を、
SECI を意識 的に回し て い ます、
つ ま りス タ ッフでは な くて、
ラインその もの になるわけです。 プラ ン トのマ ネー
ジメ ン ト、
あるい はマ ニ ュ アルワー
カー
で付 加 価 値を付 ける時 代は終わっ た わ け で、
組織 全 体で 付 加 価 値を付 け る。 つ ま り、
その根 底にあるのは 知の創造 だ と 思う
んで すが、
そうい う時 代に実はなった と思い ます。 ですか ら組 織の一
部という
より も組 織 全 体の 中で 拡散
すべ きコ ンセプ トか も しれ ませ ん。SECI
そ れ ぞ れにつ い て は、
やっ ぱ りコ ン テ ンツ を はっ き り さ せ ない と分か り ま せ ん か ら、
結 局、
知とい う ものは見 えませ ん の で、 どう見え る よ う に す る かと。SECI
を 回す とい うことに よっ て、 その 自分の 想い を言 葉 に、 言 葉を形に す るとい うこ と なん です ねや っ ぱ り。 とい うこ と を する ことに よっ て始め て知とい う もの が 見える ようになっ た という
こと に な ります。 し た がい まして実 際には見え ない もので す か ら、
そ れ をマ ネー
ジ できる かど うか とい う問 題があ ります けれども、 少な くと もマ ネー
ジメ ン トにひき付ける た め には、
例 えばSocialization
と は どういう
こ とな ん 図2SECI
:知 識 変 換の プロ セ スだ と、 目に見え る形として そうい うActivityに
、
活 動 レベ ル に落とし込む必 要が あ りま す。 し た が っ て社 外の歩 き 回 りで暗 黙 知を獲 得 する と か、
サ プライ ヤー
や 顧客と共 体 験 をする とか、
体で知 識や情 報を 獲 得す る と かです ね、
社内で も そう
い っ たこと を す ると かですね。 暗 黙 知を蓄 積す る。 そ してそ れ を ど うTransfer するか と か。 そうい うActivityに落と し込 む こ とに よ っ て、
実は紺野 さん と か と開 発 し て るKnowledge
Audit
っ ていう
の は、
こうい う ものが全部
質 問 表に落と し込んであ りま して、
そ れ を チェ ッ ク し てい ただ くと、
「その職 場で知 識 活動が現 実に行 な わ れてい るのか ど う か が 類推できる。
」とい うこ とにな ります。 この根 底にあるの は や は りExperi −
ence とい うこ と ですね。 直 接経験とい うこ とを獲得 する活 動 をや っ て い るか どうかが 非 常に重 要にな り ます。一
昨年になりますが 、 ス イス のKnowledge
Confer−
ence で
Boston
Consulting
Group
のCEO
のMr .
ク ラー
クスと議 論 して。 彼 等は
PPM
とい うProduct・Portfolio・Man−
agement とい うコ ンセプ トを 出 したコ ンサル タン ト 会 社ですが
、
今はかな り考え方が変わっ てきてい ま し て、
我々 の考
え方に多 少 共 鳴 する とこ ろがあ りま す。 ようする にROE
(株主資 本 利益率 )と かROA
(総 資 産 利 益 率 )を高めるとい うのはマー
ケッ トの 知を独占
する仕掛
けを作
ることだ とい う風 に言っ て まし て、
とりわけその形 式知レベ ル で と ら えても、 デー
タベー
ス は どこ の会社でもやっ てい る し、
サー
ベ イ は やっ てると、
本 当に キー
になるの は暗 黙 知レ ベ ル で共 有、
触 発、
そ してその言 語 化が 出 来 る仕
掛 け を組み こまけれ ばい けない と言っ てます。 その一
例 とし、
ゴキ ブ リの新 薬 開 発の プロ ジェ ク トチー
ム が、 ベ ンチマー
クとかテス トプ ラクティ ス とか よ くや り ま す ね。
あんな もの や っ たっ てモ ノ マ ネの 別 名ですか ら、
幾ら やって もオリジ ナルコ ンセ プ ト は 出 ない わ け です。
そ れで しょ うが ない。
だ か ら分 析は 止 め よ う と。 要す る にゴキ ブ リの死 に様を直
感しよ うとい うわけで、 現 場 行っ た らゴキ ブリは その 殺 虫 剤 で 死 ん でい るわけで はな くて、
溺れ死ん でい る とい うこ とが 分かっ た と。 顧 客 が動か な く な る まで スプレー
を か けるか ら、 結 局 溺れてい た。
そ れ だ っ た ら水で もい い ん じゃ ない か とい う結 論に なっ た わ けです。 しか し、
水を売る訳に はい きませ ん か ら、
石 鹸水が一
番い い ん で しょ う。 そ うい うこ と を やるだ けで、
実は環境にフ レ ン ド リー
でパ ワ フ ル な 殺 虫 剤の 開発成 功 した とい う話 し を してお りま した。 やっ ぱり現 実は動い てい ますか ら、
知は ダ イ ナ ミッ ク に動い てい ますか ら、
生 き生 きと して い る わけです ね 暗 黙 知とい うやつ は、
ボ ウ フ ラの様
に動 き回っ てい る わ け で す か ら、
そ こにい っ て フ レ ッ シュ な旬のと きに捕ら え ない とい け ない ん。 ある種 のハ ッ と した真 実の瞬間 とい うの がご く稀
に あ る わ け で、
そう
いう
こ と を獲 得す る んで しょ う経 験とい うやつ は。 そ う意 味で西 田幾 太 郎の言っ てい る純 粋 経験と か です ね。 ある音がする刹 那とかで す ね。 そ うい う経 験そ れ自体 を素 直に直 感 するという
こ とが 非常
に重 要な こ と な ん じゃ ない のか なあ と思 うわけ であり ます。 西 洋の認 識 論で は こ れ は出 来ない ん で す ね。 す ぐ分 析しちゃい ますか ら。 次 が表
出 化で 皆さんお得意の とこ ろ で して、 様々 な方法
論を駆使 して、 分 析的 な方 法もあ りま しょう し、
メ タ フ ァー
などアナロ ジー
的 な もの も あるで しょ うし、
言語 概 念、
こうい う形に変 換 する わ け で あ り ますけ れ ど も、
や っ ぱり重 要なの は対 話である と。 ダ イアロ グ とい うことが非 常に重 要にな る とい うことに な ります。対話
の本質
っ て やつ は、 この暗 黙 知 を形 式 知にするギリギリ に言 語 化 し てい くわけ です か ら あ らゆ る媒 体を駆 使し て 目で語
り、顔
で語 り、
ジェ ス チ ャな ど様々 な方 法で語
る という
のが あ ります か ら、
そう
いう
こと を や る と。 実は本 質 的 会 話とい うのが我々は苦 手である ん ですが、
こ れ はち なみ に、Knowledge
Audit
を用い て、
日本の ミ ドル マ ネー
ジ メン トに調 査をい た し ま し た とこ ろ、 業 績の い い 会 社 と そうで ない ミ ドルマ ネー
ジャー
のSECI の 活 動と を比べ ますと、
どこ で一
番 優位 な差 が 出て く る と言い ま すと、
や は り対 話の ところ で す ね、
Extemalization、
E
の所で 差 が 出てい ま す ね。
個人の知
personai
Knowledge
をCorrective
なKnowledge
に変 換 する キー
ポイン トが そこなんだろ うと 思 わ れ る わ けです。
後は
一
つ ずつ は説 明し ま せんが、Combination 、
連結 化
、
これ は ま さに編集能力 等々 を含め て、 まあIT の機 器、
CAD 、
CAM
なんか を含めて こ れ らITの活 用 が非 常に重要になるわ けです ね。IT
の 活用がSと かE と か とい う人 間の 知の プロセ ス を経ない で や ら れ た 場合に は質の高い もの は 出 ない のか もし れ ない 。 腹 か らくるっ てやつ は な か な か 出 てこなV 新 聞記 事 で した け ど、
トヨ タの設計 部 門は昔、
図 面 台で やっ てい た が、CAD
、CAM
使
うと思 考プロセス が分か ら ない 。 図面 台だ と苦労
した とこ ろは消しゴム で汚 く なっ て い ますか ら、
思考
プロセ スが わ かる。 どう い うプロ セス で どこ で苦
労し た か、
皆が寄っ てきて 議 論を活 性 化 する とい うことであ ります。 そこ で図 面 台の ノ ウハ ウっ てい うもの を どの ように新 しい 時 代に体でPractice
させ る か っ てい うの が一
つ 課題 に なっ てい る。とこ ろが
、
Internalizationとい うの はPracticeな ん で す が、
実践 なん で すが、
実 践とい うの は先ほど言い ま した よう
に直
接 経 験ですの で時 間とコ ス トが か か りますの で、 シュ ミ レー
ショ ン ですとかExperiment
とか実践の結 果がす ぐにわ か る評価 シ ス テム をBui]d
inしてお けば、
内面 化の効 率は良くな る。 とい うことでSECI
を回 すとい うこ と が、非
常に重 要だ と申し上げた わ けであ ります。
要 約 すれ ば (図3
)1
とい うの は個 人、G
とい うのは集
団、0
とい う の は組 織です が、SECI
が回る ことによっ て、 個が集
団知、
集団知が組 織知、
そ して再び個 に帰る と、
つ ま り一
人一
人の 人 間が SECI を回 すな かで自己 を 超 越 し て大 き くな る。 つ ま り個 人が組 織を利 用 して 自分 の想い を実現 する という
ことに な り、
組 織 か ら見れ ば、
そうい う個を支 援 する、
個 人の 自 己 超 越を支援 する とい うの がSBCI を回 すという
意味
だ と、
ご理解
頂け ればよろ しい と思い ます。 そ うし ま す と、
実はSECI
を回すとい うこ と を中心 に考
えてい たん ですが、
どうも足 り ない な とこれ じゃ と 現場 を見て ると思 うようになっ てき た わ けで す。 そい つ はSECI
という
活動は真
空の 中で行なわれ てい るわけじゃない わけですね。 ある特 定の 時間と 場 所、 つ まりContext
を媒 介に行な わ れてい る わ け で、
そ のContext
を 共有して お か ない と知の 創 造は活 性 化 し ない という
こと が 分 かっ てきた訳で あ り ま す。 そ れ が場とい う概 念にな ります。 これ も 紺 野 さ ん と 書い た論 文がある ん ですが、 場は西田幾太郎の コ ンセプ ト、 場とか場 所とい うの は、
読ん で もよく 分か りませ んが、
僕等
の はもっ とOperational
であ り、
ようする に共 有 され たSharedContext
だ と、
共有
さ れ た 文脈、
そ れを場と考える こ とであ りま す。 場 というのは英 語で も結構
語呂 が良 くてです ね、
ボス トン に行っ て話 をしてい るとですね、 場とう
発音は”
バ”
な ん で す ね。 非常にピー
ン とくる ん ですよ彼 等 も、
これい い じゃないか という
こ と に な ります。 英(
共 同 化 )(
表 出化)
Socialization
Extrl哩
lzati°n「
「
噛
ノ 1騰
絃
・
1
:
醸
1
δ
・
』
、
」
L1
ρゴ
』
・
ρ 0 ρ :L1
9
C
。温
羸
。 ,1
,t,,“
。li
≡
』
ti。n(
内面
化〉
(
連結化 )
図3
知 識 創 造スパ イ ラル !:individual
(個 人〉9
:group
(集 団 〉 0 :0rganization (組織 〉語で はPlaceです ね
、
Field
と かSpace
っ て 言 うような 人 間の存 在の 無い 空 間、
デカル ト的な 空間で は な く てです ね、
人 間存 在 その もの 、 そこ で生 きてい る まあOntology
です ね。 そうい う生 きてい る実 在と し て の場と言 うの が英 語で はPlace、
場所ですね。 しか し、
場と言っ て も色々あ る と、物
理 的 な 場 もある し、
オフ ィ ス もそうですし、
電 子メー
ル な ん か も共 通 経 験です ね。
よう
は 最 近のKnowledge
Management とい うの を よくよく考えてみ る と全 部IT
ベー
ス話
で すか ら。 あれは情 報 なん ですね。 本 当に 自分の もの になっ て る わ け じゃ ない わ けです か ら、
そうい う情 報が 自分の もの になる、 意 味を持つ の はある特
定の 時 空間、
そ して人 間とい う文 脈を 共有し た 中で始め て情 報は意 味を持つ わけで、
意 味とい うこ とになる と非 常に形 式知 に 近 く な る、
知 識に近 くなるわけで すか ら、
自分の想い を語る、暗
黙 知 を形式
知 に し て そ して相 手に伝 える時はそれは情 報です か ら、
知 が ま た情 報に変換さ れる時
に は対 話、
特 定の時 間と場 所が絶 対に必要にな る わ けで、
そ うい う意 味でその 場を媒 介 項に して知の創 造が起こる という事
に な り ま す。
そうするとこ れ もま たSECI
に対応 し ま して、
そ れ ぞ れ を支 援す る 場 とい う ものが必 要 じゃない か と、
(図
4
)だ から例え ばSocialization
という
のは経 験の 共有 と言い ますか、
そうい う 自然 発生的な もの を支 援 するには自然 発生的な場が 必要とい うことに な り ますね。 オフ ィ ス 空間、
オー
プン空間 が そうな(
共 同化)
ん で しょ うけれ ど、
最 近どんどんス ペー
ス切ら れて い ますん で、
唯一
残っ た の は喫 煙 室だ とい う説 が あ る わ け で す け れ ど、
これも危な くなっ てき まし て で すね。 最 近は タバ コ 飲 む 人 は 孤独になっ てい ます ね。 な ん か一
人で 外に で てね。 あ あ い う状 況です ね。
だから知が発 生 しない、
なかなか わあ一
っ と ね。
最 近ですねマ イ ケル・
ポー
ター
とい うハー
バー
ドの 教 授が おりまして です ね。 競 争 力カ ウ ン セ ル とい う の を米 国で やっ てまし て、彼等
が 国 家の イノベー
シ ョ ン競 争 力とい う調 査をや りま して、 今 度 それが 発 表され た ん ですけれ ど も、
1995 年で は米 国がNo,
1 なん で す ね。 2
番がス イス で3
番 が 日本 なん です ね。
これ が その予 測、
数 値です ね。 あ る意味では米 国とい うの は極めて市 場 原理 を突き詰めて行き ます と、
R
&D
と かです ねデ ザイン と かです ね、
こ うい う 部 門とい うの は ガン ガ ン切 ら れ る わけです ね。 無駄 な ん だ と。
直 接銭
儲 けにつ な が ら ない とい うこ とに な りますか ら。 ど ん ど ん カッ ト してい ますか ら。 日 本は結 構 痩せ我 慢 してい る とこ ろがあるわけで、
そ うい う数値です ね。R
&D
の 人 材 と か 特 許の 数 と か そ うい う評 価で予 測をする。1999
年は 日本が1
位にな る ん ですよ。2
位がス イス で3
位が米 国 なん です ね。 1999 年まで は実 数です。 2005 年にな り ますと、
こ れ は予 測 値なん ですが、2000 年
以降は 日本が1 位
なん です ね。2
位が フ ィ ンラン ドなん ですね。 この 国 家(
表 出化〉
Originating
Ba
創 出 場Dialoguing
Ba
対 話 場Face
一
巳o−
face Peer−
to−
peerExercising
Ba
実践
場Systematizing
Ba
シ ス テ ム
場
On
−
the−
site CoUabora口on(
内面化)
(連 結 化 ) 図44
タ イプの 場の 指 数の ほ とん どがNOKIA の貢 献なん です。 いつ れ に して もこ れ は我々 を 元気 付け るこ となん です ね。 しか し
、
これ も ま た 政策
的 配慮が裏にあ り ますか ら、
完 全に信じて良い か とい うの が あ る。
ポー
ター
の持 論っ てい うの は、
今ア メ リカ で極め て生産性の 高い ファ イ ナン シャ ルエ ン ジニ ア リング とかです ね、
テ レコ ム と か、
パ ッ ケー
ジソ フ トとか、
あるい は半導
体の一
部
ですとか ですね、
こ のような もの は 産業の全 体か ら言 えば微々 たる もんなんだ と、
そ う い うこと を もっ て国 家全 体 とし て イノベー
シ ョ ンと い う もの は成 立しない とい う持 論を もっ てま して、
要す る に あん まり慢 心 するなとい うのが背 後にあ り ます。 だ か ら、 これ もあ ま り信用 で き ない ん です が、
指 標でい くと確かに、 特 許の 数で い けば、
内 容 はあ ま りク オ リ テ ィー
は高く ない か も し れ ませ ん が、他
にも 問題 色々 あ ります けれ ど、
指 標 的に みれ ば予 測は 可能であ る とい うこと に な ります。 ただ そ の多
くの 良 さを今 我々は積 極 的に捨て よう
と し てい る わ けで、
これは極め て深 刻な反 省をするべ きで す。 そのNOKIA なん です が、
ご承知の ノ キアハ ウス と い う本 社を2
年 前につ くり ま して、
以来 非 常に業績 が急に伸びてい る んです。
こ の本 社に何かある ん で はない のか。 こ の本 社は営業
と か 商 品 企画 等々、
統 合 し た んです。 研 究 開 発 部 門だけは ちょっ と離れ た 近 距 離にあ る ん で す が、
商 品 企 画と デザ イン とい う の はすご く関 係がある もんで すか ら、
我々 なん か も NOKIA の トッ プ と議 論し た時に、
こ こに行 く んです が、
見 えるもん ですから、
五感で。 全身で気が 通う
ん ですよ 入っ た だ けで、
ザ ワ ザ ワ と。 向こ うに営 業 がい ると、
こ っ ち が商 品企画だ と、向
こうがわ あっ と動 き回 ると、
こりゃ何か問 題が起こ っ た な、 い ず れ俺の と こ ろ に 来 る と言 うの は見え ちゃ うん です ね。 だ か ら暗黙 知レベ ルが 通い 合 うと言い ますか、
そうい う設 計で、
コ ンセ プ トはConnecting
People
と い うこと なん です。 しか も、
海のそ ばに建っ てま す か ら、
ビル全 体が船とい うメタフ ァー
なん です ね。 だ か ら一
階が甲板になっ てま して、
そこでワ ッと会話
が始 まる。 だか ら全 員で 五感で感じ合 う、 暗黙 知 がス パー
クし合 うと です ね。 「ちょっ と話そうよ」 と、 やっ ぱ り知 とい うもの はす ぐに死に ま す か ら、
フ レ ッシュ なうちに食べ てお か ない と、「
後で ま た e−
mail するわ」と言 うの では臨 場 感が無 くなっ て し ま うわけでね。 その思っ た瞬間に スパー
ク しあっ た ものがす ぐその場で、
対 話の場 に移行できる とい う のがBenefit
なのか も し れ ませ ん。 さ らにい い の が、 サ ウナ なん ですよ。 本 社に サ ウ ナ があ りまし て入れ る んで す ね。
あんまり昼間 入っ て い る人はい ませ ん が、
朝と かですね夕 方ですね、
よう
す るに裸の付 き 合い なん ですね。 階 級も何 も無い んですね。 肌の触 れ 合い な ん で す。 私 もサマー
ハ ウ ス でサウナ に行 き ま し た け れ ど も、
ま た ね サ ウ ナ で 結構哲
学議論な ん かする ん です なあ。 で、
暑 くなっ て海にバー
ンっ て 飛び込む ん です よ。 野蛮と言え ば 野蛮な ん です けれ ど、
彼 等はSocialization
の 場は サウナであるとい うこ と を言ってお り ま す。
これ がOriginative、
知 が湧き 上 がっ て くる場なん ですね。 自然 体と して。 次に創 出 場 だけでは会 社が潰れる こ とは間 違い 無 い ん です ね。 そ れはやっ ぱ り 言論
の 場、真
摯な 対話
の場にもっ て行か な け れ ば な ら ない。
対 話 場は典型 的には プロ ジ ェ ク トチー
ム だ と思い ます。 ですか ら、
例 え ばシャー
プの金 プロ みたい に、
クロス フ ァ ン ク ショナル な、
開発、
製 造、
デザ イ ナー
が 入って い る こともあ り ます ね。 デザイ ナー
が 入る となぜ良 い か という
と、議
論と言う
の はAbstract 、
見え ませ んか ら、 コ ン セ プ ト は、 その コ ン セ プ ト を形に し た らどうな る か が、
す ぐに そ の場に出て くる と、
そ れ を媒 介 項に して またコ ンセ プチ ュ ア ル な議 論が どん ど ん展開 してい く わ け です。 形に、
Visible
に な ら な い と、 非 常に難しい わ けで、 そ れ が ない とス ピー
ド に遅れますし、
それからや っ ぱ りブ ツ でプロ トタイ プ を見せ て正当化
を効率
的にするとい うの がありま す。
コ ン セ プ トで人 を 説得す るとい うの はな か な か 正当 化が難しい 。 よ ほ ど トップに知 的、 ようするに 哲 学 的、
Metaphysical
な評 価 能 力のある人がい な けれ ば、
難 し く な るん です ね。 多 くの 日本の トッ プは現 場、 現 実、 現 物、 で生 きてい ますか ら、 モ ノを見 るっ てい う、
そこ で始め て正当化 能 力が起 動 する。 欧米はそう
じゃ ない ん です け ど、
コ ンセ プ トの面白
い もの、 その もの で議論し ま す か ら、
そこが 我々 の弱い と こ ろ で もあ りま すが
、
同 時にこ こ は非 常に重 要な ところ で、
コ ン セプトを作っ て もですね、 これ が 正当 化さ れ ない が故に殺さ れてい くとい うこ と が 非常に多い 。 だ か ら チー
ム、
プロ ジェ ク トチー
ム あ るい は、
クロ ス フ ァ ン ク ショ ナル チー
ム に は権 限 が、Enpowered
と言い ますか、
か なりの権限 が与
え ら れ てい ない と、
しか も新しい概 念を作れ ば作る ほ ど、
既存の コ ンセプ ト と葛 藤が 起こ ります。
つ ま り 政治プロ セ ス が起 こり ま すか ら、
これに生 きぬ く 力、
権 限を もっ てい ない と潰さ れる こと が多い わ け で す。 そうい う意 味で シ ャー
プ で 言え ば 金バ ッチ で すとか、
あ る種のEnpowered 、
トップマ ネー
ジ メン ト との ネッ トワー
ク を構 築 すると か、多
くの 確 信的 なコ ンセ プ トやプロ ダク ト とい うの は、
必 ず 民主 主 義の 原 理で成立 してい ま せ ん か ら、
大 反対の中で と いう
のが非 常に成 功 率が高い わけで す。 しか も、
こ うい うプロ ジェ ク トチー
ムやクロ ス ファ ン ク シ ョナ ル チー
ム とい うの は1
個とか2
個、
走っ て るだ けで は ダメ で、
要する に知の総 動員 を 図 る と言い ます か、
も と もと知に は境 界があ りま せ ん。 あ あい う も の が 境 界を作るの は プロ ダク トベー
ス に し てい るか ら境界
が出 来て し まうわ けで、
本 来、
本質
的な その 背 後にあ る 知、
見 えない知は境 界が ない わ けですか ら、
コ ンセプ ト次 第でい かような組み合わ せに も な りますの で、
知の総 動 員 態 勢が出 来る権限 が無い と です ね、 な か なか うまくい き ませ ん し、数
がCritical
Mass と言い ま す か、
確か シ ャー
プ は年 間、
本 社 予算
で15
程 度 走っ てい ます。 です か ら、1
個、
2
個こうい うことをやっ たっ てダメな んですね。
金プロ の場 合 ですと 金 プロ認 定 を受ける の は、 3
事 業 本 部以 上に またがる知の総 動 員が無い と金プロ とし ては認め ら れ ない わけです。 ち ま ち ま し た話
し な ら事
業 部 が 勝 手に やれ ば良い 。 そ うい うのは グ チャ グチ ャ もっ と あるわけで、 私の言
っ てい る知の総 動 員 態 勢という
場 が無い とSECI
は回ら ない。
部 門内で回っ ても、
大 き なコ ンセプ トにはな りま せ ん か ら、
こ こは徹 底 的 に サ イバー
な場を構築
して お くと、
時 空 間を超えて です ね、
今は グロー
バ ル に展 開してい ますか ら、
要 するに申し上 げたい ことは、多様
な 場 を持っ て お く とい うこ と が、多
層、
多 文脈 的に、
場を組織の 中で 作っ てい くという
こ とが重 要であ り、
もっ と言 うの な ら、
組織っ てい うの は場の集積 体だ と。 結 局のと ころ、
知 とい う もの はそもそ も、
大 勢 集まっ た か ら と言っ て な か な か 出 来 るもん じゃ ない 。 極め て少 数、
大 体4
人 なん です ね どうも。
だ か ら4
人組とい う言 葉がある ん ですが、
あれ は まあ出 鱈 目じゃ な ん じゃ ない で しょう。
花 王の常 盤 会 長 なんか と話して お りますと 「野 中 君な。
組 織の本 質っ てい うの は、
おい おい おい っ て呼んだ時に、 ワ ッー
と集ま っ てき て、
ワッー
これ面 白い です ね。 や り ましょ う。 っ て 言 うんだ と。 そうい うもんなん だ と。 」私は非常 に 良 く分かる訳です ね。
ま さに暗黙知っ てい うやつ が 非 常に重 要で、
非 常に鮮 度の高い 暗黙知がワッ と集 まっ て、
そこ で対話が始 まる よう な場の近 接 性とい うのが 重要な ん じゃ ない で しょうかね え。 あとで別 れ てからe−
mail で や りあ うとい うの は、 コ ン セプ ト が 出 来て か らの話の ほ うが効 率 的じゃ ない で しょう
か ね。
そうい う感じが してお ります。 実は今の欧米のKnowledge
Management
の 最大の問 題は、
サ イバー、
シ ス テ ム、IT
ベー
ス が 肥 大化
して バ ラ ン ス を失っ て る点です。 どうしてもS と かEの場 がね、
カッ ト さ れてい る傾向
が あ ります。一
番Easy
な方 法は、Best
Practice なんか深 く考え る必 要は無 い、
コ ンセ プ トなん て作 ら な くて もい い、
他人様の もの を早 く組み合わ せて、
バ ッバ ッ とやっ て、
実 践 すればい い と、
こうやっ てる内に何か 出て く る よ と 言うん ですが、
それは他社 レベ ル にまで来る効 率は きっ と高い と思い ま す が、
だ け どOriginal
Concept
っ て言 うの は出に くい です。 そう
い う欠陥を持っ て い ま す けれ ども、
速い です。 SECI を回すのは 時間が か か る んで す。S
と かEでやっ てい る場の構 築って やつ は、
確かに時 間が か か る ん で、
そい つ を ど うこ の4
つ の場をバ ラ ン ス良くlntegrate
す るの が非常 に重要 な課 題に なります ね。 そこから、
生み 出 される ア ウ ト プッ ト と して の知 識、
そ れ はまあ知識資 産、
紺野 さん の知 識 資 産という
本が あ り ま す が、
やっ ぱ りこ れが究 極の 勝負
だ とい うことになる で しょう。 バ ラ ン ス シー
ト上の 資 産での 評 価の 時 代は終わっ た よ と。 実 際は な か な か終
わっ てい ない わ け ですが、
し かし、
目に見え ない 資 産、Knowledge
、 知 識資産ってい うの は
、
アウ トソー
シン グ で もい い け ど、
や は り本 質は内 部で形成能 力を持っ て ない といずれ根 無 し草になるよ とい うこと が非 常に重 要に な ります。 要 するに、
他 社の 作っ た知のコ ン ビネー
ショ ンで 生 きてい る会 社はい っ ぱい あ り ま す。 それ ら は極め て 効率
的で短 期 的収 益向
上 にな ります けれ ど、
ア ウ ト ソー
シ ングをやっ て知を膨ら ま せ る た めには自社 に 内 製 力が ない と、
魅 力の ある知 を持っ て い な け れ ば、
高 質の 知も外 部か ら集 まっ て き ませ んから、
ポー
ル・
ロー
マー
とい う経 済 学 者で もで す ね。 知の内 製 力
、Endogenous
Capability
、
Exogenous じゃ なくて
、Endogenous
Capability
が キー
な んだ とい う考え方 を非 常に主張してい ますが、
そ うする と知の資 産を どう見る か とい う問 題があり ま す。
ス カン ジ ナビ ァ と か色ん な とこ ろ で、
色んな 試み が行な わ れてい ま すが、
や っ ぱ り多様
に と らえた方がい い ん じゃない か と。 知 識資
産の4
分 類 (図5
)も紺 野さんと 書い てい るペー
パー
の一
部です けど、
こ のSECI に全部対応 す る ん です。 S をバ ァ ッー
と高
め てい る組 織で は経 験 知 が豊 富ですから、
個人のス キル、
ノ ウハ ウ、
愛と か信 頼と か、安
心、
エ ネルギー
と かパ ッ シ ョンと か です ね。 パ ッ ショ ン とか非 常に重要 なわけです。 今 まで資 産と考
えて きま せんか ら、 どう測 定する か と い う問 題は あ ります が、
E の非 常に優れた ものは、
製 品コ ンセプ ト、
デ ザ イン、
ブラン ドエ クイテ ィ、
色々 あ ります。 C はパ ッ ケー
ジ 化 さ れ た形 式 知です か ら、
ドキュ メ ン ト、
スペ ッ ク、 これ が優れ た会社 も あ ります。 組織
の ルー
テ ィン、
あるい は、
カル チ ャ と かですね。 どうと ら え る か と言 うのが今 非 常 に大 きな 問題になっ てい ますが。 た だ問題はHow
To 的にとらえて もやっ ぱ り説明 がつ かない 訳です ね。 背 後にセ オリー
を もっ て全部SECI
に対応させてお り ます。 良い 悪い は別です。 さ て今 申 し 上げた の は こ う言 うこ とで あ り まし た。SECI
を 回 すっ てい うこ とを 最 初 に申
し上 まし た が、 これ は暗 黙 知か ら形 式 知へ の変 換。 だけど も、 同 じSECI を やっ て て もですね、
な ぜ業 績が違 うのか という
こ とに な れ ば、
こ こ か ら生み 出 され るSECI の 質とエ ネル ギー
とい うの が 問題にな る わ けで すね。 そ うい うものが発生する た め に場という
ものが必 要 だろうと、
Context、
共 有されたShared Context、
知の創
造の プ ラ ッ トフ ォー
ムが必 要じゃ ない か、
しか も、
多 分 脈を重 層 的に も た ない と具 合が 悪い とい う 話しをしました。 そ し て、
こう
い うもの の絶 え ざる イン タ ラ ク シ ョ ン の 中で、
絶え間 ない 知 識 変 換プロ セス に よっ て色ん な知識資 産が溜 まっ てい くは ず だ と。 い わゆ る媒 介 項と して三者のイン タラ クシ ョ ン。 そうすると、
こ のSBCI と場と知 識 資 産を、
大 き く環 境の変 化の な か でこの3
つ をバ ラン ス良
く さ ら にス パ イラル に回して行 く最 後の要 素が何か と、 こ れ が リー
ダー
シ ッ プじゃ ない か とい う風に思われま す。
そうします とリー
ダシッ プ をです ね、
も う一
回 と らえ 直 して み ない とい け ない こと に な る わ け で す。 で一
応 今5
つ (図6
)、 まあ実は もう一
つ6
つ ぐ らい あ る と思っ てい ますけれ ど、Knowledge
Creation
図5
知 識 資 産の4
分 類を
、
サ ポー
トする リー
ダー
シッ プが どうあるべ きか です が、一
つ は ビジ ョ ン と言い ますか、
何を や りた い の とい うことです。 結局ピー
ター ・
ドラ ッカー
が KnowledgeWorker
の生 産性が21
世紀
の勝 負だ と言っ てい ますが、
実は測 定でき ない と。
Manual・Worker と い うの は、 やる こ と が決まっ て い ますか ら、
イン プッ トア ウ ト プッ トが線 形でつ ながる。 し か し、
Knowledge Worker という
の は イン プッ トをい くら やっ て も、
それはク リエ イテ ィブ なアイ デアやコ ン セ プ ト と か デ ザ インが出る のか とい う問 題。 そ こ に 必 ずタイム ラグ が あ る わ け で す。 恐 ら く測定は難し い とい う風に。 しか し、 重要なこ と は です ね、
測定までい か な くて も
、
重 要なこと はHow
to refine a taskなんだ と
。
自 らの仕事 を概 念 化 する こと、
何をや り たい ん だ と。 そ れ が非 常にビ ジ ョ ンとい う もの に近 くな ります ね。 例え ば研 究 開発の問 題 が あ ります。 あ るA
社 とB
社で は何を やりたいか とい うコ ン セ プ トが全 然 違 う、A
社は、
なん らオ リジ ナル コ ンセプ ト、
あるい はイノベー
シ ョ ンは 必 要 ない と、
BestPractice
、
あるい はベ ンチ マー
キン グ を媒 介にして、
そこ そこの プラス アルフ ァ のエ ン ジニ ア リン グ能 力 だ と か、
ある い は そのは プ ラス アル フ ァの ク オ リ テ ィをベー
ス に して、
何が しかの不 可 価 値を付け 加 えて既存
の 市 場をス ピー
ディー
に席 巻 する こ とが我 が研 究 開発 部 門の タス ク な んだと定義
する。 とこ ろ がB 社は我々 は オ リジナ ル な もの しか や ら ない んだ と。
オ リジナ リテ ィを媒 介項と して新 しい 概 念、
新 しい テ ク ノ ロ ジー
、
新しい 生活 提案
を我々 は や る ん。 その た め に は短 期 収 益は多少 犠 牲に しな けれ ば な ら ない が、
そ れ でもや るんだと。 我々 のや るべ き こ と はそ うい うイノ ベー
ター
と しての タス ク な ん だ と。 こ うい う風に定 義したB 社 とさっ き言っ たA 社 とでは、
ア ウ トプッ トが 全 然 違っ てくるわけです。 そ うい うこ と を ドラッ ガー
は言い たい わけだ、How
to refine a tasko そうすると何が や りたい んだ とい うこと が非 常に 重要 に な ります。 やはり日本 企 業の 閉塞 感とい うや つ は、 人 もゴロ ゴロ い る、 技 術 もゴ ロ ゴ ロ してい る、
金 も結 構 ある、 しか し無い の はビジョ ンなん で す。
何 をや りたい の か と。一
つ 重 要 なこと は、
特に 米国 で は 個 別 企業の ビジョ ンは国策と非 常に密 着し てい る んです。 し た がっ て新 しい 企業の ビジ ョ ン は、
どこかで国 家論を持たない ともたな くなっ て き て い ま す。 と こ ろが 日 本は逆に、
極力、
政治排 除と いう
極めて浅薄的 なマ ス コ ミの論
調 があっ て、事
の 本 質を ほ とん ど見てい ない わ けです。 最 近 面 白い の は、
そ う言 うビ ジョ ンを新 聞に トップがで て きて言 うよ うになっ て き ま した、
日立の 庄 山 さ ん と か で す ね。 「総 合メー
カー
が 批 判の 矢に曝さ れてい ます が、
しか し、
総合メー
カー
に しか 出 来 ない こと があ る と、
多くの 知 や 技 術 を融 合 して 新た な 価値を創 造 して提 供する のは我々 にしかできない とそうい う知 識企業になる」とかですね。 こうい う論 調が非 常に 出てき ましたね。 こ れ は富 士 通の秋 草さん で、 「コ ● 知識 ビ ジョ ン の確立一
“ わ れ われは どこへ 行 くのか ?”
●知 識資 産の 開 発、
再定 義一
何を持ち、
何を創 造すべ きか ●場の創 設、
維 持、
統 合 ●場の活 性 化一
参 加 者の振動を創 り出 し、
リ ズムを同 調、
増 幅 する ●SECI
プロセスの促 進一
知識 創 造を方向づ け、
創 り出さ れ た知 識を 正当 化 する 図6
知 識 創造 プロセス の リー
ダー
シッ プンセプトはソ リュ