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平成 25 年 3 月改正 ち合うという視点を大事にします ハ税制改革と社会保障制度改革とを一体的にとらえて その改革を推進します ニグローバル化に対応できる税制のあり方を考えます ホ地域主権を確立するための税制を構築していきます 3 平成 23 年度税制改正大綱翌年の 平成 23 年度税制改正大綱

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所得税法の改正

一 所得税の最高税率の見直し

1  改正の背景、経緯、趣旨等

 今回の所得税の最高税率の見直しについては、 過去の税率構造の改正、税制全体の抜本改革の議 論、その後の社会保障・税一体改革との関係が深 いため、これらについて、その背景、経緯、趣旨 を順を追って解説することとします。 ⑴ 背景  所得税については、昭和60年代以降、中堅所 得者層の負担累増感を解消する等の観点から最 高税率の引下げを含む税率構造の大幅な累進緩 和が行われてきました。  他方で、近年の給与所得者の所得構造の実態 を見ると、特に高い所得階層の割合が高まって おり、格差が拡大する傾向がみられるところで す。そうした中で、税率構造の累進性が低下し た現行制度の下では、所得税による所得再分配 機能は低下しているということがいえます。 ⑵ 経緯 ① 平成21年税制改正法附則第104条  こうした状況も踏まえ、所得税の最高税率 を引き上げるとの方針が、平成21年の所得税 法等の一部を改正する法律(平成21年法律第 13号)附則第104条に盛り込まれました。 (参考) 所得税法等の一部を改正する法律(平成 21年法律第13号)附則第104条第 3 項第 1 号 (抄)  個人所得課税については、格差の是正及 び所得再分配機能の回復の観点から、各種 控除及び税率構造を見直し、最高税率及び 給与所得控除の上限の調整等により高所得 者の税負担を引き上げるとともに、給付付 き税額控除の検討を含む歳出面も合わせた 総合的な取組の中で子育て等に配慮して中 低所得者世帯の負担の軽減を検討すること 並びに金融所得課税の一体化を更に推進す ること。 ② 平成22年度税制改正大綱  平成21年 9 月の民主党への政権交代後、最 初の税制改正大綱である「平成22年度税制改 正大綱」(平成21年12月22日閣議決定)にお いては、「厳しい財政状況を踏まえつつ、支 え合う社会の実現に必要な財源を確保し、経 済・社会の構造変化に適応した新たな税制を 構築することは、新しい国のかたちを作るた めに必要不可欠です。」とされ、税制全般の 抜本改革を進めるに当たって次の 5 つの視点 に特に重点を置くこととされました。 イ 納税者の立場に立って「公平・透明・納 得」の三原則を税制のあり方を考える際に 常に基本とします。 ロ 「支え合い」のために必要な費用を分か 目    次 一 所得税の最高税率の見直し……… 73 二 利子等の源泉徴収に係る所得税の納税 地の改正 ……… 81 三  資産の譲渡代金が回収不能となった場 合等の所得計算の特例の改正……… 82 四 財産債務明細書の記載事項の改正…… 83

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ち合うという視点を大事にします。 ハ 税制改革と社会保障制度改革とを一体的 にとらえて、その改革を推進します。 ニ グローバル化に対応できる税制のあり方 を考えます。 ホ 地域主権を確立するための税制を構築し ていきます。 ③ 平成23年度税制改正大綱  翌年の「平成23年度税制改正大綱」(平成 22年12月16日閣議決定)においては、「我が 国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と 雇用の実現、社会保障改革とその財源確保と いった我が国の喫緊の課題に応えるために、 税制の抜本的な改革を果断に進める必要があ ります。改革に当たっては、平成22年度税制 改正大綱でお示しした以下の 5 つの視点や改 革の方向性を踏まえ、納税者の理解・納得を 得ながら、所得課税、消費課税、資産課税全 般について改革を進めていきます。」とされ ました。 (注) 上記の「以下の 5 つの視点」は、上記② のイからホまでの視点です。 ④ 社会保障・税一体改革成案  これらの経緯も経て、税制と社会保障の改 革に関する議論が行われ、平成23年 6 月30日 に政府・与党社会保障改革検討本部で決定さ れた「社会保障・税一体改革成案」(以下 「成案」といいます。)により、「税制抜本改 革については、社会保障改革の進め方との整 合性にも配意しつつ、平成21年度税制改正法 附則104条第 3 項及び平成22年度・23年度税 制改正大綱(閣議決定)で示された改革の方 向性に沿って、以下の考え方により検討を加 え、個人所得課税、法人課税、消費課税、資 産課税にわたる改革を進める。」こととされ、 個人所得課税については、税率構造の改革を 行うこととされました。 (注) 上記の「以下の考え方」は、所得税につ いては、「成案」において、次のとおりとさ れました。 Ⅳ 税制全体の抜本改革 ⑴ 個人所得課税  雇用形態や就業構造の変化も踏まえ ながら、格差の是正や所得再分配機能 等の回復のため、各種の所得控除の見 直しや税率構造の改革を行う。給付付 き税額控除については、所得把握のた めの番号制度等を前提に、関連する社 会保障制度の見直しと併せて検討を進 める。金融証券税制について、金融所 得課税の一体化に取り組む。  また、そのスケジュールについては、「成 案」において、「税制抜本改革については、 政府は日本銀行と一体となってデフレ脱却と 経済活性化に向けた取組みを行い、これを通 じて経済状況を好転させることを条件として 遅滞なく消費税を含む税制抜本改革を実施す るため、平成21年度税制改正法附則104条に 示された道筋に従って平成23年度中に必要な 法制上の措置を講じる。」とされました。 ⑤ 社会保障・税一体改革素案、社会保障・税 一体改革大綱  その後、内閣総理大臣より、「成案」を具 体化した「素案」をとりまとめるよう指示が なされ、政府税制調査会における社会保障・ 税一体改革作業チームでの論点整理、この作 業チームからの検討状況報告を踏まえた政府 税制調査会全体会合での審議、また、民主党 の税制調査会・社会保障と税の一体改革調査 会の合同会議において精力的に議論が行われ ました。  最高税率等の見直しについては、政府税制 調査会において複数の考え方を対象に議論が 行われ、与党においても政府の複数案を基に 更に議論がなされました。その中で消費税の 議論とあわせて考えると、最終的には、「特 に所得の高い富裕層に絞った形で」「方策を 講ずる」観点から更に高い所得階層に絞った、 課税所得5,000万円超について45%の税率を 設けることとする案が示され、その案が採用

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されました。 (注) 政府税制調査会においては、最高税率の 見直しの具体案として、①課税所得1,800万 円超、②課税所得2,500万円超、③課税所得 2,700万円超、④課税所得3,000万円超、につ いて45%の税率とする 4 つの案が議論され ました。なお、最高税率の見直しのほか、 ブラケットを調整する案も議論されました。  その後、平成24年 1 月 6 日の政府・与党社 会保障改革本部において、「社会保障・税一 体改革素案」が決定されました(その後、平 成24年 2 月17日に「社会保障・税一体改革大 綱」として閣議決定)。  その中では、 ・ 我が国の所得税については、最高税率の 引下げを含む累進緩和を進めてきた結果、 所得再分配機能が近年、低下してきたこと ・ 今後、消費税の引上げにより、税制全体 としての累進性がさらに低下すること も踏まえ、現行の所得税の税率構造に加えて、 課税所得5,000万円超について45%の税率を 設けることとされました。 (参考) 社会保障・税一体改革素案(平成24年 1 月 6 日政府・与党社会保障改革本部決定) (抄) 第 2 部 税制抜本改革 第 3 章 各分野の基本的な方向性 2 .個人所得課税 ⑴ 基本的考え方  我が国の所得税については、中堅所 得者層の負担累増感を解消する等の観 点から、昭和60年代以降、税率構造の 大幅な累進緩和を実施してきた。  他方で、近年の給与所得者の所得構 造の実態を見ると、平成 9 年以降、構 造変化が認められる。すなわち、平均 的な所得水準が下落するとともに、そ の分布についても全体として下方へシ フトしている。こうした中で、特に高 い所得階層の割合は近年むしろ高まっ ており、格差が拡大する傾向がみられる。  このように所得構造が変化する一方 で、税率構造の累進性が低下したまま であることにより、所得税による所得 再分配機能は近年、低下している。  今後、消費税率の引上げにより、税 制全体としての累進性がさらに低下す ることも踏まえれば、所得税については、 高い所得階層に負担を求めるなど所得 再分配機能の回復を図る改革を進める 必要がある。  また、税率構造の大幅な累進緩和を 含む減税措置を行ってきた結果、所得 税の負担水準も全体的に低下している。 このため、主要諸外国と比べて、実効 税率や国民負担率は相当低い水準とな っている。所得税の負担水準をこれ以 上低下させることについては、慎重に 考える必要がある。 ⑵ 税率構造  個人所得課税に消費税を加えた個人 の税負担に関し、手当等による受益も 含めたネットの負担状況について、所 得構造が現在とほぼ同じであった平成 元年と比較すると、いずれの所得階層 においても負担は低下している。  特に、中低所得の子育て世帯につい ては、「控除から手当へ」に則した改革 を行ってきたことにより、負担の軽減 が実現されている。  また、所得階層ごとの変化をみると、 最高税率の引下げを含む累進緩和を進 めてきた結果、高い所得階層ほど、負 担が大きく低下している傾向がみられ る。  一方で、今回の消費税率の引上げや、 復興特別所得税による負担増等をも併 せ考えれば、幅広い所得層に対して負 担増を求めることは慎重に考えるべき である。

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 したがって、今回、特に高い所得階 層に絞って、格差の是正及び所得再分 配機能の回復を図る観点から、一定の 負担増を求めることとする。 第 4 章  税制抜本改革における各税目の改 正内容等 2 .個人所得課税  現行の所得税の税率構造に加えて、課 税所得5,000万円超について45%の税率を 設ける。 (注) 上記の改正は、平成27年分の所得 税から適用する。 ⑥ 抜本改革法案の提出  「社会保障・税一体改革大綱」を受けて、 平成24年 3 月30日に政府から国会に提出され た「社会保障の安定財源の確保等を図る税制 の抜本的な改革を行うための消費税法等の一 部を改正する等の法律案(以下「抜本改革法 案」といいます。)」において、所得税につい ては、格差是正や所得再分配機能の回復を図 るため、最高税率の見直しを行うこととし、 具体的には、課税所得5,000万円超について 最高税率を40%から45%に引き上げることと する改正案が織り込まれました。 ⑦ 抜本改革法案の修正による削除  抜本改革法案について、国会において社会 保障と税の一体改革に関する特別委員会で審 議が積み重ねられる中、平成24年 6 月に入り、 民主党、自由民主党及び公明党の三党間にお いて、社会保障及び税制それぞれの分野ごと に協議が行われました。  三党協議の中で、抜本改革法案における所 得税の改正部分については、見直しの方向性 について合意に至ったものの、具体案につい ては更に議論を尽くす必要があるとされ、 「所得税に係る規定(第 4 条)は削除するが、 最高税率の引上げなど累進性の強化に係る具 体的な措置について検討し、その結果に基づ き平成25年度改正において必要な法制上の措 置を講ずる旨の規定を附則に設ける。」こと で三党合意に達しました(同年 6 月15日)。  この三党合意に基づく衆議院での修正によ り、所得税法に関する改正規定は抜本改革法 案から削除することとされた一方で、「最高 税率の引上げ等による累進性の強化に係る具 体的な措置について検討を加え、その結果に 基づき、平成24年度中に必要な法制上の措置 を講ずる」との規定が抜本改革法案の附則に 設けられ、抜本改革法案は、「社会保障の安 定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を 行うための消費税法の一部を改正する等の法 律(以下「抜本改革法」といいます。)」とし て平成24年 8 月10日に成立しました。 (参考 1 ) 三党合意について(所得税関係部分)  所得税に係る規定(第 4 条)は削除す るが、最高税率の引上げなど累進性の強 化に係る具体的な措置について検討し、 その結果に基づき平成25年度改正におい て必要な法制上の措置を講ずる旨の規定 を附則に設ける。  具体化にあたっては、今回の政府案(課 税所得5,000万円超について45%)及び協 議の過程における公明党の提案(課税所 得3,000万 円 超 に つ い て45 %、 課 税 所 得 5,000万円超について50%)を踏まえつつ 検討を進める。 (参考 2 )  抜本改革法(平成24年法律第68号)附 則第20条  所得税については、格差の是正及び所 得再分配機能の回復の観点から、最高税 率の引上げ等による累進性の強化に係る 具体的な措置について検討を加え、その 結果に基づき、平成二十四年度中に必要 な法制上の措置を講ずる。 ⑧ 平成25年度税制改正  抜本改革法附則第20条の規定を受けて、平 成25年度税制改正において所得税の最高税率 の見直し等について議論がなされました。三 党での協議の結果、平成26年 4 月からの消費 税率の引上げや、平成25年からの復興特別所

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得税による負担増等にも配慮し、特に高い所 得階層に絞って一定の負担増を求めることと し、平成27年より、現行の所得税の税率構造 に加えて、課税所得4,000万円超について45 %の税率を設けることとされました。  この内容については、「平成25年度税制改 正大綱」(平成25年 1 月24日自由民主党、公 明党)、「平成25年度税制改正の大綱」(平成 25年 1 月29日閣議決定)、三党の合意を経て 法案化され、「所得税法等の一部を改正する 法律」(平成25年法律第 5 号)が平成25年 3 月29日に成立し、同月30日に公布されました。 ⑶ 趣旨  今回の所得税の最高税率の見直しの趣旨は、 今後、消費税率の引上げにより、税制全体とし てのフラット化が更に進むことも踏まえ、格差 是正や所得再分配機能の回復を図るため、特に 高い所得階層に絞って一定の負担増を求めるこ ととするものです。

2  所得税の税率構造の改正

⑴ 改正前の制度の概要  居住者又は非居住者の平成19年分以後の所得 税に係る税率構造は、次のようになっています (所法89)。 適用課税所得 税率 195万円以下の金額 5 % 330万円  〃   10% 695万円  〃   20% 900万円  〃   23% 1,800万円   〃   33% 1,800万円超の金額   40% ⑵ 改正の内容 ① 税率構造の改正  所得税の最高税率の見直しが行われ、現行 の所得税の税率構造に加えて、課税所得 4,000万円超について、45%の税率を設ける こととされました。  具体的には、居住者又は非居住者の平成27 年分以後の各年分の所得税の税率構造は、表 1 のように改められました(所法89)。 ② 上記①の税率構造の改正に伴い、平成27年 分以後の各年分の所得税の税額の速算式は、 表 2 のようになります。 (表 1 ) 改正前(平成26年分まで) 改正後(平成27年分から) 適 用 課 税 所 得 税率 適 用 課 税 所 得 税率 195万円以下の金額 5 % 同 左 同左 330万円  〃   10% 〃 〃 695万円  〃   20% 〃 〃 900万円  〃   23% 〃 〃 1,800万円  〃   33% 〃 〃 1,800万円超の金額 40% 4,000万円以下の金額 40% ― 4,000万円超の金額 45%

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(表 2 ) 改正前(平成26年分まで) 改正後の速算式(平成27年分から) 適用課税所得金額A 税 額 適用課税所得金額A 税 率 195万円以下の金額 A×5% 同 左 同 左 195万円を超え 330万円以下の金額 A×10%-97,500円 〃 〃 330万円を超え 695万円以下の金額 A×20%-427,500円 〃 〃 695万円を超え 900万円以下の金額 A×23%-636,000円 〃 〃 900万円を超え 1,800万円以下の金額 A×33%-1,536,000円 〃 〃 1,800万円超の金額 A×40%-2,796,000円 1,800万円を超え4,000万円以下の金額 A×40%-2,796,000円 ― 4,000万円超の金額 A×45%-4,796,000円 ③ なお、個人の平成25年から平成49年までの 各年分については、復興特別所得税が課され ることとされています(東日本大震災からの 復興のための施策を実施するために必要な財 源の確保に関する特別措置法(以下「復興財 確法」といいます。)13等)ので、上記によ り算出した所得税のほか、基準所得税額に2.1 %の税率を乗じて計算した復興特別所得税が 課されることとされています。 (注) 居住者の基準所得税額は、所得税法の課 税所得の範囲(所法 7 ①一)で定める所得 (すべての所得)について、所得税の税額の 計算に関する法令の規定(各種の税額控除の 規定(外国税額控除の規定(所法95)を除き ます。)を含みます。)により計算した所得税 の額とされています(復興財確法10)。

3  給与等に係る源泉徴収税額表の改正

⑴ 改正前の制度の概要 ① 所得税法の源泉徴収税額表 イ 源泉徴収税額表  給料や賞与(給与等)につき源泉徴収す べき所得税の額は、その月又はその日の社 会保険料等控除後の給料等の金額や扶養親 族等の数に応じて、所得税法の別表に定め る源泉徴収税額表に掲げる税額によること とされています(所法185~188、別表第 2 ~ 4 )。 ロ 事務機械を利用する場合の源泉徴収税額 の特例  給与等につき源泉徴収すべき所得税の額 は、上記イの源泉徴収税額表によることと されていますが、その月の給与等につき所 得税の源泉徴収を行う場合にその給与等の 支払額に関する税額の計算を事務機械によ って処理しているときは、最も利用度の高 い月額表の甲欄に掲げる税額に限り、この 事務機械を利用する場合の源泉徴収税額の 特例が認められています(所法189)。この 税額計算の基礎となる給与所得控除の額、 配偶者控除の額、扶養控除の額、基礎控除 の額及び税率は、「所得税法第189条第 1 項 の規定に基づき、同項に規定する所得税法 別表第 2 の甲欄に掲げる税額が算定された 方法に準ずるものとして財務大臣が定める 方法を定める件」の別表第一(給与所得控 除の額の表)、別表第二(配偶者控除の額、 扶養控除の額及び基礎控除の額の表)及び 別表第三(税率の表)によることとされて います(昭和63年12月大蔵省告示185号)。 ② 復興財確法の源泉徴収税額表 イ 復興財確法の源泉徴収税額表

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 前述のとおり個人の平成25年から平成49 年までの各年分については、復興特別所得 税が課されることとされていますが、給与 等について徴収すべき所得税の額及び復興 特別所得税の額は、所得税法に定める「給 与所得の源泉徴収税額表」(所法別表第 2 ~ 4 )に定める所得税の額及びその所得税 の額に2.1%を乗じた復興特別所得税の額 の合計額によらず、所得税法の「給与所得 の源泉徴収税額表」に定める所得税の額及 び復興財確法に定める復興特別所得税の計 算を勘案して財務大臣が定める表(源泉徴 収税額表)を適用して求めることができる こととされています(復興財確法29①一)。  この復興特別所得税を併せた源泉徴収税 額表は、「東日本大震災からの復興のため の施策を実施するために必要な財源の確保 に関する特別措置法第29条第 1 項第 1 号の 規定に基づき、同号に規定する所得税法別 表第 2 から別表第 4 までに定める金額及び 復興特別所得税の額の計算を勘案して財務 大臣が定める表を定める件」により定めら れています(平成24年 3 月財務省告示115 号)。 ロ 復興財確法の事務機械を利用する場合の 源泉徴収税額の特例  その月の給与等につき所得税の源泉徴収 を行う場合にその給与等の支払額に関する 計算を事務機械によって処理しているとき は、上記①ロのとおり、特例が設けられて います。  この特例が認められている月額表の甲欄 に掲げる税額については、復興特別所得税 を併せて徴収して納付する場合にも、従来 どおり事務機械を利用する場合の源泉徴収 の税額の特例が適用できることとされ(復 興財確法29①二)、「東日本大震災からの復 興のための施策を実施するために必要な財 源の確保に関する特別措置法第29条第 1 項 第 2 号の規定に基づき、同号に規定する所 得税法第189条第 1 項に規定する財務大臣 が定める方法及び復興特別所得税の額の計 算を勘案して財務大臣が定める方法を定め る件」の別表第一(給与所得控除の額の 表)、別表第二(配偶者控除の額、扶養控 除の額及び基礎控除の額の表)及び別表第 三(税率の表)によることとされています (平成24年 3 月財務省告示116号)。 ⑵ 改正の内容 ① 所得税法の源泉徴収税額表 イ 源泉徴収税額表  上記⑴①イの源泉徴収税額表(「月額表」、 「日額表」、「賞与に対する源泉徴収税額の 算出率の表」)について、上記 2 の所得税 の税率構造の改正を織り込んだものとする 改正が行われました。具体的に改正が行わ れた部分は、最高税率の見直しの影響があ る所得税法別表第二「月額表」の㈧部分、 別表第三「日額表」の㈦及び㈧部分並びに 別表第四「賞与に対する源泉徴収税額の算 出率の表」です(所得税法別表第二~四)。 ロ 事務機械を利用する場合の源泉徴収税額 の特例  上記⑴①ロの事務機械を利用する場合の 源泉徴収税額の特例について、上記 2 の所 得税の税率構造の改正を織り込んだものと する改正が行われました。具体的には、 「所得税法第189条第 1 項の規定に基づき、 同項に規定する所得税法別表第 2 の甲欄に 掲げる税額が算定された方法に準ずるもの として財務大臣が定める方法を定める件」 の別表第三(税率の表)が次のとおり、改 正されました(平成25年 5 月財務省告示 174号)。 (注) その月の課税給与所得金額3,333,334円 以上について、45%の税率が設けられま した。

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別表第三 その月の課税給与 所得金額 税 額 の 算 式 以 上 以 下 円 円 その月の課税給与所得金額× 5 % 162,501 275,000 その月の課税給与所得金額×10%- 8,125円 275,001 579,166 その月の課税給与所得金額×20%- 35,625円 579,167 750,000 その月の課税給与所得金額×23%- 53,000円 750,001 1,500,000 その月の課税給与所得金額×33%-128,000円 1,500,001 3,333,333 その月の課税給与所得金額×40%-233,000円 その月の課税給与所得金額×45%-399,667円 (注) 税額に10円未満の端数があるときは、これを四捨五入した額をもってその求める税額とする。 ② 復興財確法の源泉徴収税額表 イ 復興財確法の源泉徴収税額表  上記⑴②イの復興財確法による復興特別 所得税を併せた源泉徴収税額表について、 上記 2 の所得税の税率構造の改正を織り込 んだものとする改正が行われました。具体 的に改正が行われた部分は、最高税率の見 直しの影響がある「東日本大震災からの復 興のための施策を実施するために必要な財 源の確保に関する特別措置法第29条第 1 項 第 1 号の規定に基づき、同号に規定する所 得税法別表第 2 から別表第 4 までに定める 金額及び復興特別所得税の額の計算を勘案 して財務大臣が定める表を定める件」の別 表第一「月額表」の㈦及び㈧部分、別表第 二「日額表」の㈦及び㈧部分並びに別表第 三「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の 表」です(平成25年 5 月財務省告示175号)。 ロ 復興財確法の事務機械を利用する場合の 源泉徴収税額の特例  上記⑴②ロの復興財確法による事務機械 を利用する場合の復興特別所得税を併せた 源泉徴収税額の特例について、上記 2 の所 得税の税率構造の改正を織り込んだものと する改正が行われました。具体的には、 「東日本大震災からの復興のための施策を 実施するために必要な財源の確保に関する 特別措置法第29条第 1 項第 2 号の規定に基 づき、同号に規定する所得税法第189条第 1 項に規定する財務大臣が定める方法及び 復興特別所得税の額の計算を勘案して財務 大臣が定める方法を定める件」の別表第三 (税率の表)が次のとおり、改正されまし た(平成25年 5 月財務省告示176号)。 (注) その月の課税給与所得金額3,333,334円 以上について、45.945%の税率が設けら れました。 162,500円以下 3,333,334円以上

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別表第三 その月の課税給与 所得金額 税 額 の 算 式 以 上 以 下 円 円 その月の課税給与所得金額× 5.105%       162,501 275,000 その月の課税給与所得金額×10.210%- 8,296円 275,001 579,166 その月の課税給与所得金額×20.420%- 36,374円 579,167 750,000 その月の課税給与所得金額×23.483%- 54,113円 750,001 1,500,000 その月の課税給与所得金額×33.693%-130,688円 1,500,001 3,333,333 その月の課税給与所得金額×40.840%-237,893円 その月の課税給与所得金額×45.945%-408,061円 (注) 税額に10円未満の端数があるときは、これを四捨五入した額をもってその求める税額とする。

4  平成27年分の純損失の繰戻しによる還

付の特例

⑴ 平成27年分において純損失の金額がある場 合の純損失の繰戻しによる還付の計算におけ る還付金の計算の基礎となる所得税の額は、 上記 2 による改正前の税率を適用して計算し た所得税の額によることとされています(改 正法附則 6 )。 ⑵ 相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請 求や純損失の金額が生じた年の翌年において 事業の廃止等があった場合の純損失の繰戻し による還付の請求等の場合における還付金の 計算の基礎となる所得税の額についても、上 記⑴と同様に、上記 2 による改正前の税率を 適用して計算した所得税の額によることとさ れています( 5 月改正所令附則 5 )。 ⑶ 上記⑴又は⑵の適用がある場合における純 損失の繰戻しによる還付請求書に記載すべき 純損失の金額が生じた年の前年分の所得税の 額は、上記 2 による改正前の税率を適用して 計算した所得税の額とされています( 5 月改 正所規附則 3 )。

5  適用関係

⑴ 上記 2 の改正は、平成27年分以後の所得税 について適用し、平成26年分以前の所得税に ついては、従前どおりとされています(改正 法附則 5 )。 ⑵ 上記 3 の改正は、平成27年 1 月 1 日以後に 支払うべき給与等について適用し、同日前に 支払うべき給与等については、従前どおりと されています(改正法附則 7 、平成25年 5 月 財務省告示174号前文、平成25年 5 月財務省 告示175号前文、平成25年 5 月財務省告示176 号前文)。

二 利子等の源泉徴収に係る所得税の納税地の改正

1  改正前の制度の概要

 給与や報酬・料金などの支払をする者(以下 「給与等支払者」といいます。)に係る源泉所得税 の納税地は、その者の事務所、事業所その他これ らに準ずるものでその支払事務を取り扱うもの (以下「事務所等」といいます。)のその支払の日 における所在地とすることとされています。ただ し、給与等支払者がその支払の日以後に事務所等 を移転した場合には、その事務所等の移転後の所 在地、具体的には所得税法の規定による開業届出 書又は給与等支払事務所等の開設等届出書に記載 162,500円以下 3,333,334円以上

(10)

すべき給与等支払者の移転後の事務所等の所在地 とされています(旧所法17、旧所令55①)。  一方、公社債の利子や剰余金の配当その他の一 定の所得については、その支払をする者(以下 「利子等支払者」といいます。)の、その支払の日 (支払があったものとみなされる日を含みます。 以下「支払日」といいます。)における本店又は 主たる事務所等の所在地を、その源泉所得税の納 税地とすることとされています(旧所法17、旧所 令55②)。  したがって、支払日以後に、給与等支払者が事 務所等を移転した場合には、その事務所等の移転 後の所在地が納税地とされていますが、利子等支 払者は本店又は主たる事務所等の移転があっても、 引き続き支払日における本店又は主たる事務所等 の所在地が納税地とされていました。

2  改正の内容

 源泉徴収の対象となる複数の所得の支払をする 者が、その支払日以後に本店又は主たる事務所等 を移転した場合、その所得の種類によって源泉所 得税の納税地が異なることが生ずる可能性がある 現状を踏まえ、源泉徴収義務者の利便性や税務署 の事務効率等の観点から、利子等支払者が支払日 以後に国内において本店又は主たる事務所等を移 転した場合における源泉所得税の納税地について も、移転後のその者の本店又は主たる事務所等の 所在地とすることとされました(所令55②)。  また、給与等支払者について、その事務所等の 移転後の所在地の対象に法人税の納税地の異動届 出書に記載すべき事務所等の所在地が追加され、 その移転後の所在地が納税地であることの明確化 が図られました(所法17、所令55①)。 (注) 上記の改正に伴い、所得税法第17条を準用 する租税特別措置法に定める国外公社債等の 利子等、国外投資信託等の配当等、国外株式 等の配当等、上場株式等の配当等並びに特定 割引債の償還金及び国外割引債の償還金に係 るその支払をする者とみなされている者の納 税地についても、国内において事務所等を移 転した場合には、その事務所等の移転後の所 在地が納税地となります(措令 2 の 2 ④、4 ③、 4 の 5 ③、 4 の 6 の 2 ③、26の17⑪)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成25年 6 月 1 日以後に源泉 所得税を納付する場合について適用し、同日前に 源泉所得税を納付した場合については従前どおり とされています(改正法附則 3 、 5 月改正所令附 則 2 )。

三  資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の

所得計算の特例の改正

1  改正前の制度の概要

 その年分の各種所得の金額の合計額のうち、① の回収することができないこととなった金額又は ②の返還すべきこととなった金額に対応する部分 の金額は、各種所得の金額の計算上、なかったも のとみなすこととされています(所法64①)。 ① その年分の事業所得以外の各種所得の金額の 計算の基礎となる収入金額又は総収入金額(不 動産所得又は山林所得を生ずべき事業から生じ たものを除きます。)の全部又は一部を回収す ることができなくなった場合(所法64①) ② 国有林野事業の改革のための特別措置法第12 条第 2 項の規定による特別の給付金の支給を受 けた者が同法第14条第 1 項の規定によりその給 付金を返還すべきこととなった場合その他これ に類する事由に該当することとなった場合(旧 所令180①)

(11)

2  改正の内容

 上記 1 ②について、法律の規定により返還すべ きこととなった場合として例示している国有林野 事業の改革のための特別措置法の廃止(国有林野 の有する公益的機能の維持増進を図るための国有 林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する 等の法律(平成24年法律第42号) 5 二)を受けて、 国家公務員退職手当法第 2 条の 3 第 2 項に規定す る一般の退職手当の支払を受けた者が同法第15条 第 1 項の規定による処分を受けた場合を例示とす る規定の整備が行われました(所令180①)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成25年 4 月 1 日から施行さ れています(改正所令附則)。

四 財産債務明細書の記載事項の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 確定申告書を提出する者は、その確定申告 書に記載したその年分の各種所得の金額の合 計額が2,000万円を超える場合には、その年 の12月31日(年の中途で死亡した場合又は出 国をする場合には、その死亡の日又は出国の 時。以下同じです。)における財産の種類、 数量及び価額並びに債務の金額その他必要な 事項を記載した財産債務明細書を、確定申告 書の提出の際、税務署長に提出しなければな らないこととされています(所法232①)。 ⑵ また、財産債務明細書に記載される財産の 価額及び債務の金額は、次に掲げる財産及び 債務の区分に応じ、それぞれ次に定める額と されています(旧所規105②)。 ① 公社債、株式(投資信託及び投資法人に 関する法律第 2 条第14項に規定する投資口 (以下①において「投資口」といいます。)、 公募公社債等運用投資信託以外の公社債等 運用投資信託の受益権及び社債的受益権を 含みます。)並びに貸付信託、投資信託及 び特定受益証券発行信託の受益権(②に該 当するものを除きます。以下「公社債等」 といいます。)……これらの権利を表示す る証券の額面金額(無額面株式(投資口を 含みます。)については発行価額とされ、 オープン型の証券投資信託の受益権につい てはその取得をした時における受益権一口 当たりの金額とされます。)による価額 ② 青色申告書を提出する個人で貸借対照表 を提出している場合に該当する財産及び債 務……事業元入金の金額 ③ 棚卸資産及び青色申告書を提出する者の 不動産所得、事業所得又は山林所得に係る 減価償却資産(②に該当するものを除きま す。)……その年分の事業所得の金額の計 算の基礎となったその棚卸資産の評価額及 びその年12月31日における減価償却資産の 償却後の価額 ④ その他の財産及び債務……その年12月31 日におけるその財産の見積価額及びその債 務の金額

2  改正の内容

 平成24年度改正において創設された国外財産調 書制度との平仄をとる観点等から、上記 1 ⑵①の 財産債務明細書に記載すべき公社債等の価額を、 その年12月31日におけるその公社債等の価額(市 場価格のない公社債等で当該価額の計算が困難な ものは、その公社債等の取得に要した金額)とす ることとされました(所規105②一)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成25年分以後の所得税につ いて適用し、平成24年分以前の所得税については 従前どおりとされています(改正所規附則 2 )。

参照

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