ラ ッキ ョウ切 断加工機 の開発
藤 井嘉儀
*昭和 55年 7月31日受付
Studies on the Deve10pment of a Cutting―
Processing
Machine for Baker's Garhc
YOshinori FuJII
Demand for Baker's Garhc has been increasing lately because Of its use in preparing pickles. It should urgently be noticed that the level of Baker's Garlic productiOn has been decreasing duc tO a labOr shortage. To case such a problem, the nechanization Of the rOOts and leaves cutting― Off operation lvill
play a prOmising role in imprOving the existing manually_operated procedure The cutting―prOcessing machine fOr Baker's Garlic 、vas fabricated successfully for trial use. A description of the operations can briefly be drawn as follows i A rOtating disc, which mounts numerous rollers constituted the main portion When a bulb is placed between the r01lers, its OrientatiOn becomes upright because of the pull―dOwrn action of the rollers on the roots The bulb is conveyed by a rOtating disc up to the cutting portion 、vhich mounts a blade and hence cuts off the roots and leaves simultaneously. The control of orientation at the cutting portion will be done actuating the pick― up mechanism.
食生活の多様化 と共 に
,数
年前 か らいわゆ る自然食品 と呼ばれ る素材 を生 か した ものがもてはや され始め,鳥
取県特産物の一つで あるラ ッキ ョウも砂丘地 栽培 による その食味 を買われ,需
要 が伸 びて来 ていた。 ところが, ここ1∼ 2年需要 の停滞 と価格 の伸 びなやみで,生
産者 はその対応 に苦慮 してい る。 ラッキ ョウの利 用は そのほ とん どが漬物 に加工 される が,その方法は根・ 茎 を切除 し水洗後塩漬 けにして貯蔵, 適宜取 り出 して調味液 に漬 け込めば仕上 が り,加
工法の 簡単 なことと自家 の好みの味付 けが出来 ることなどか ら, かなりの需要 があった。現在 も需要量は そ う落 ち込 んで はいないものの, その価格 の低迷 は どこに基囚す るので あろ うか。 現行の ラッキ ョウ出荷形態は次 の二通 りが中心 である。1)土
付 きラ ノキ ヨウ (又は荒 ラ ッキ ョウ) 根茎の一部 が附者 した収穫姿の ままの形態2)洗
い ラッキ ョウ 不可食部 の根,茎を切除・水洗 し塩水 な どで処理, 消費者 が購入 し直 ちに利用出来 る半加工品 全国的 には前者の供給 が上 まわってお り,洗
い ラッキ ョウの市場流通量は約45%で
ある。 土付 きラッキ ョウの利用 は,近
年家庵消費 において自 家加工尊重の ムー ドにも押 されていると考 えられ るが, 他方洗 いラ ノキ ヨウの流通量 に限 界があるため需要 に応 じられない点 も考 えられ る。 す なわ ち, ラッキ ョウ加工業者は労働事情 などか ら殆 緒*鳥
取大学農学吉 “ 農 業経営学科農場 管理学 研究室藤井嘉儀 んどが洗い ラッキ ョウを求 め
,一
方供給側の生産者 も労 働事情 によ り,洗
い ラ ッキ ョウの生産 に限界がある。 し たがって洗い ラッキ ョウは市場 で品薄 とな り,い
きおい 土付 きラッキ ョウで代替 され ると考 えてよいで あろ う。 洗 い ラッキ ョウは,根
・茎 などの不可食部の除去 か ら 始 まるが,慣
行法では刃物 を用いて一球づつ人手で切除 してお り,多
大 な労 力を要す る作業で あ り,その生産性 は著 しく低 いもので あ る。 ゆ えにその収益性 はかな り生 産者 にとって食指 の動 くもので はあるが,労
働 力確保 の 困難 さか らやむを得ず洗 い ラ ッキ ョウを断念 し,土
付 き ラッキ ョウで出荷 してい る生産地 が多い。 これ ら根 ・茎の切断作業の機械化 は,か
ねて切望 され てはいたものの現在 まで に,か
って著者 ら1∼3)の 考案 を 含めて も数件の提案 しかな く, しかも,それ らのいず れ も性能的 に大同小異で実用化 にはほど遠 いもので あった。 す なわち,これ ら提案 された機構 の最大の欠点 は最 も 肝心 なラッキ ョウの切 断位置の設定 が機械化 (自動化) され得ず,作
業者の手 と勘 とに頼 る方法 が採用 されてい ることであ り,そのため生産性 に自ず と限界があ り,慣
行法の三倍 にも達 し得 ないもので実用化 に一歩踏み込め ないものがあった。 本研究 は,根
本的 に異 なる機構 の開発 によ りこの ラッ キ ョウ切断位置の 自動化 を可能 と した もので,か
な り実 用性の高い機構 と考 えるので その概要 を報告す る次第で ある。 なお,本
研究は昭和51年10月特許 出願 (出願人 鳥取 大学長)し,昭
和55年4月特許査定 され,同
年 6月 特許 設定 申請 した もので ある。 (特許 出願番号 昭和51年 第126485号) (特許出願公開 昭53-52677) (特許登録番号 第1013375号) 試 作 機 の 概 要 第1図は試作機の平面図,第
2図は側面図,第
3図は 主要機構竪方向断面図で ある。1
構造 構造本体(1)にとりつけた減速機付電動機(2) を動 力源 とし,スプロケ ッ トとチ ェー ンか らなる伝達装 置(3)を介 して緩速度で回転 す る車軸14)を構造本体 中央 部 に取付 け,そ の車軸 に共 に回転 す るよ うに円形甲板(5) を取付 ける。 円形 甲板 の周 円上面 にそれぞれ対 になっ て回転 す るローラー(7)を多組取 付 け,これ らローラーの 回転草由(71の うち若千個 (少くとも2個 )にローラー駆動 用の平歯車又はかさ歯車(9)を装着 す る。この歯車 は構造 本体 の腕(61によ り固定 された円卓(6)の裏面周円部 に装Fig。
l Plane view
Fig 2 Side view
着 したフ ェースギヤ(8)とかみ あわせ る。 各 ロー ラーの回転 は各 ロー ラー軸 の中程 に連動用平歯 車 10を 取付 け対回転 を発生せ しめ るとともに全 ローラー を運動回転 す る。 第1図及び第3図に示 す よ うに
,切
断 すべ きラッキ ョ ウ 仰)の姿勢制御 と保持 のための保持 ベル ト住Dを駆動す るプーリー 1)を,構造本体 に固定 した支持 アーム10に取 付 ける。他方円形甲板上 に等速度で回転 す るよ うに保持 ドラム10を 取付 け,保
持ベル トと相 作用 して ラッキ ョウ 球 の胴部 を保持 固定す る。 第3図に示 す よ うに保持 ドラムの上縁 に取付 けた枢動 軸1う にピ ックアップペ ィル 住)を枢動 自在 に取付 け,こ れを枢動 させ るピックアップガィ ドレール 10を 円卓上面 に取付 ける。2
作用 電動機 を始動す ると伝達装置 を介 して車軸 に取付 け られた円形 甲板 が緩速度で回転 す る。 円形甲板 の周円部 に取付 け られたロー ラーは,固
定 さ れた円卓の裏側 に装着 したフ ェースギヤ と,ロ
ー ラー回 転軸端 に取付 けた平歯車 とのかみ合 によ り自転 力を発生 してかな りの速度で回転 す る。 ロー ラーの各回転軸 に取 付 けた運動用平歯車 によ り全 ロー ラーは互 に対回転 を発 生 しなが ら連動回転 す る。 適切 な間隙 をもって対回転 しているロー ラー間 には引 込 力が発生す るが,今
この間 に根毛 をつ けた ままの ラッ キ ョウを落す とロー ラーは根 毛 をくわ えて引込 み,ラ ッ キ ョウの球底部 がロー ラーに接 して妨 げるまで引込みつ づ け,その引込 力とラッキ ョウ球 の抵抗 のため に接触面 を支点 として ラッキ ョウはロー ラー間 に起立 させ られる。 これ らの作用 中,円
形甲板 はもちろん回転 を続 け りお り, これ らラッキ ョウ起立 に要す る区間 を過 ぎる頃 から,ガ
イ ドがラッキ ョウに作用 し整列 させは じめ,何
かの理由 で起立不完全 なラッキ ョウ茎 をピックア ップガィ ドレー ルがピックァ ップペィルを枢動 して起立 させ始 める。 円形 甲板 が さらに移動す ると持上 った ピ ックア ップペ ィ ル とロー ラーの間に保持ベル トが作用 しは じめ ラッキ ョ ウの胴部 を保持 ドラムに押 し付 けは じめ る。 これ らの作用 が円形甲板の回転移動 とともに進行 し, ラッキ ョウは完全 に直立 させ られ保持 ドラムと保持ベル ト間 に一列 に整列固定 され,切断機構lA)に至 り回転 切断 刃によ り根 と茎 を切除 されて一連 の行程 を完 了す る。 図面記号の説明 (1)構造本体 (21減速機付電動機(3)動
力伝達装置 14)車軸(5)円
形 甲板(6)円
卓 (固定) (6)円卓固定腕 (7)ロー ラー(7)ロ
ー ラー回転軸 (8)フェースギヤ (9)自転用平歯車10連
動用平歯車10Vプ
ー リー 住り保持 ベ ル ト 19イ呆持 ドラム 40ス ポ ンジ帯 19ピックア ップペ イル10枢
動軸 10ピックア ップガイ ド1,切断機構駆動用 プー リー 10回転切断 刃 住9支持 アーム9o回
転切断用車軸 ¢1)Vベ ル ト (a)ラ ッキ ョウ 9Dガイ ド lA)切断機構 部 切断姿勢制御機構 の詳細I
ロー ラー式切断位置設定機構 第4図は主要機構 の斜祝図で ある。Fig. 4, Sketch Of the built_up Of rollers
l
機構 円形 甲板 の周円上面 に多組 の対 ロー ラー を 密接 に放射状 に組付 ける。 この各 ロー ラーの回転軸 の中 途 に適切 な径 の平歯車又 はか さ歯車 を装着 し,全
ロー ラ ーの連動 と各対 ロー ラーの対回転 を発生 させ る機構 とす る。(第3図参照) 円形甲板 に組付 けたロー ラーを回転 せ しめ る方法 は種 々あるが,最
も簡単 なのが転 が り摩擦 の利用で ある。す なわ ち,ロー ラー回転軸 の先端 に摩擦車 か歯車 を取付 け, 円形 甲板 を回転 させ,固
定 した摩擦体 と接触 させ ればロ ー ラーは自転 す る。本機構 では自転 力の確実 な発生 を得 るために歯車のかみ合せ を利用 した。 それは構 造本体 上部 に固定 された円卓 の裏面 に大径 のフ ェースギヤ を装 着 し,若
干個 のロー ラーの回転軸先端 に取付 けた平歯車 をこれにかみ合せて駆動 した。2
作用の説明 円形 甲板 が緩速度で回転 す るとロー ラー回転軸 に取付 けた平歯車 に横 方向への移動 力が働 く。 平歯車 は固定 されたフ ェースギヤ とかみ合 っているため, 平歯車 は転 がって移動す る以 外 には横方向へ移動出来ず, このギヤの組合せの歯数比 によ りかな りの速度でローラ藤井嘉儀 ―を回転 させ ることが出来 る。 フ ェースギヤ と平歯車 によ り駆動 された若干個 のロー ラーは運動用平歯車 を介 して全 ロー ラー を回転 せ しめ る がその際
,各
組合せの2本のロー ラーは対回転 とな り, 今 この上 に根毛 を付 けたままの ラ ッキ ョウを落 す と,ロ ー ラーは根毛 をくわえこみ,ラ ッキ ョウ球底部 がロー ラ ーに接 して引込 み を停止す る。 しか し根毛 には依然 と し て引込 力は働 いてお り,ラッキ ョウ球 は球底部 を支点 と してロー ラー上 に起立 させ られる。 この起 立姿勢 は根毛 が切断 した りして引込 力が消失せぬ限 り続行 され る。 を を対回転 す る各組 ロー ラーの隣接 したロー ラー との間 に は上向 きの反焼 力が発生 し,そこへ落下 した ラ ッキ ョウ ははねのけ られて隣接の対回転 ロー ラーに引込 まれて起 立 させ られる。3
ロー ラー機構 の基礎的実験 機構 に適 したロー ラ ー を決定す るための簡単 な実験 を行 った。 イ)供
試ロー ラーa)円
柱形 ロー ラー直径14 mm× 長 さ100 mm 18mm× loO mm 20mm× 100 mm 24mm× loO mm
b)円
錐形 ロー ラー 18 mm>14 mm×loO mm
口)引
込 力 とロー ラー速度 各組 ロー ラー を低速電動 機で駆動 し,ラ ッキ ョウ根毛 を引込 ませ,引
込 力を観測 す ると同時 にロー ドセルにて引込 力を測定 した。又,周
速度の差 を見 るため歯車 を使用 して変速 した。 引込 力はロー ドセル容量 が合 わず不明で あったが,数
10gから100数gと考 えられ,周速度の影響 を うけること が観測 された。 ハ)起
立固定 力 小径 ロー ラーほ ど弱 く,周
速度 が速 いほ ど固定 力が強 かつた。周速度88mm/secでは不充分 で,176mm/secで
起立固定良好で あった。大径 ロー ラー は固定位置 が深 くなりす ぎる懸念 が認 め られた。 二)ロー ラーの形状 円柱形 と円錐形 ロー ラー間 に差 は認 め られなかったが,これは実験 の不備 もあった と考 えられる。 ホ)根
毛量 など 根毛 が2本以上附 いた ラッキ ョウは 起立固定出来 たが, 1本の場合 は姿勢維持 が困難で あっ た。 ちなみ にラッキ ョウ球 を分株 した場 合の根毛 の1本 又 は0本の比率は約3%で
あった。 根毛 の最適長 さは約40mmで,長
す ぎるとローラーに巻 き付 く恐 れが認 め られた。 へ)円
形 甲板速度 円形 甲板 の回転速度 は作業追 随な どから考 え周速度で 300 mm/secを 目標 とし,直径 は1000 mmを基準 として設計 した。 以上の結果,試
作 ローラーは円柱形,直
径21mm,周速 度 200 mm/sec,円 形 甲板直径 1000 mm,回 転速度5,7r.pm. とした試作基準 を立 てた。4
ガイ ドによるラ ッキ ョウの整列 ロー ラー上 の任 意の点 に落下起立 した ラッキ ョウはかな りの帯状 で分布 してお り,これを切断す るには一列 に整列 させ るのが合 理的で ある。円形 甲板 の回転 に対 し斜 め にガイ ドレール を固定 してPD・くと,円
形 甲板 の移動 (回転)に
伴 って移 動 す るラッキ ョウはガイ ドに妨 げ られ,強
制的 に一方向 に誘導 され一列 に並 べ られ る。 Ⅱ 保持 ドラム,保
持 ベ ル ト及 び ピックア ップペ イル による姿勢制御機構 ラッキ ョウは株 で生育 してお りこれ を分球 す ると大部 分 が第7図の如 き扁形球 となっている。 したがって これFig 5 SChematic diagram of the autoinatic Orientation control mechanism
Fig. 6 Sketch Of the pick―up mechanism
Fig。 7 Figure or a
が起立 しても直立 し得 ないため切断 が非常 に困難 となる。 したがってその制御機構 が必要で あ り