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新しい世界観の人間 - Edmund - について : King Lear の一考察

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(1)

新 しい世界 観 の人 間 ―

Edmund―

につ いて

Kケ

循 膨 ″ の 一 考 察

<は

じ め に

>

れ昭 L夕″

(1605-6年

制作

)は ,中

世 以来 の神 中心 のオー ソ ドックス な 世 界 観 (旧世 界観

)と

ル ネ ッサ ンス以来 の科学的

,合

理 的 思考 によ る新 しい世界 観 との 対立相 剋 の時代 に倉J作 さ れ, Shakespcareの戯 曲の うちで も

,特

に二 つの世界観 の相剋が明確 に見 られ る。 しか も

,

その相剋が この戯曲の重要な要素 ともな って い る。 そ して,この 論文 に取 扱 うのは新 しい 世界観 を代表す る

Edmundに

関 してで あ る。 まず

,彼

の社会 での状況や

,層

想 の特徴や

,

目的 な どを考え る (I)。 そ して

,

この よ うな特徴 を もつ “Ncw Man''① に対 す るShakcspcarcの判断 は工において考究す る。この論文 の 目的は,

Shakcspcareは

Ncw Man"に

対 して どんな 態度 を とってい るか

,換

言 す れば ri/2g L♂″ を弯J作

した時

,Shakcspearcは

どんな世界観 を もって いたかを調 べ ることで あ る。

最 初 に この劇 の特徴を考えな ければいけない。 玲堅 二♂″ はShakespcareの他 の劇 と違 って「二

重構 造」 よ り成 り立 ってい る。

A.C.Bradlcyは

主筋 と副筋 に関 して次 のよ うに述 べて い る。 Thc secondary plot fills out a story、γhich 、vOuld by itsclf havc becn somcwhat thin, and it prOvidcs a mOst cfFcctivc cOntrast bctwccn its pcrsonages and thosc of thc main plot, thc tragic strength and staturc Of thc lattcr bcing hcightcned by comparisOn、 vith thc shghtcr build of the formcr中 ●●The sub‐PlOt simply repeats thc themc of thc main stOry,②

Bradleyの この考察 は この論 文 の解 釈 の一 つ の骨組 とな って い る。 特 に 工 にお いて は この見 方 を

可 能 な か ぎ りお し進 めて い る。 とい うの は

,Edmundを

解 釈 す る場 合 に,彼個 人 を い く ら考 究 しよ う と して も,あるい は Sub‐p10tの中 だ けで 矛 盾 す る点,不IIFl確な点 を解 決 しよ う と して も

,満

足 の い く解 釈 は 困難 で あ る といわ ね ば な らな い。Sub‐plotに main―StOryに比 べ て 不 明確 な要 素 が多

Dandy,説死″2″'∫ Dο¢′ο″力♂げjW杉ヵ″(London,1949)の中で の彼 の造 語 。 Bradlcy, d力例を9ψ′ '″ 夕 '2 こ

(建

夕′プ (London, 1904), p. 262 明 俊 村 岡 F . C 一 J , A ① ②

(2)

明 岡

,そ

れ と対応 す る要素がmain‐StOryに はよ り明確 に表現 されて い る。 だか ら

,Edmundの

性 格や 彼 につ きまとった種 々の点 を解 釈す る場合 に

,

しか もSub_plotの なかだけでは解釈 されな い場合 に は

,main_stOryに

あ る,それ らに対応 す る,より明確 に示 されて い る点 と比較対 照 して い る。この態 度 は

, ShakCSpcarcの

他 の戯 曲を研究す る場合 には許 されないか もしれないが

,く

嘘 Lι,″ の構成 が特異で あ ることを考慮 すれば

,こ

れは決 して主観 的な態度ではない ことが了解 され るで あろ う。 工

1.社

会 にお ける地位 我 々は新 しい世界観 の人間―

Edmund―

の性格や

,思

想や

,行

動 の原理 を考え るのだが

,そ

の前 に彼 の社会 における位 置を知 る必要 があ る。 とい うのは

,そ

の位 置の理解 はそれ らすべてを評価す る非常 に重要 な手 がか りを我 々に与 えて くれ るか らで あ る。

Edmundは

庶子 で あ る。彼 の第一独 白③ か ら知 ることが 出来 るよ うに

,庶

子 は “basC''と 考え られて いた。 それ について

Kenncth Muirは

注 を つ けて い る。 ``Bastard has apparcntly no cty‐ mological conncxtion with thc attcCtiVe♭ ,v, though`basc sOn'was used for`bastard',"① そ し て

,こ

の劇では庶子で あ ること

,又

それに対 す る軽蔑 は非 常 に深 い意味を もってい る。彼 が外面 的 に好意を もたれて い るよ うにみえて も

,人

々は意識 的 に しろ

,無

意識 的 に しろ

,常

に侮蔑 を もって 彼 をみて い る。」・

Fo Danbyは

言及 して い る。 ``Shakcspcare thought of him simply and inclusively as thc Bastztrd, and` bastard' is the Elizabcthan cquivalcnt Of`outsidcr', Edmund is a completc outsidcr.''O 彼が `FOutSidcr"で ぁることを理解 しな ければ

,Edmundの

性 格 や 思想 な どの原理 を

,又

れ弩 ル″ を理解 す ることが 出来 ない ことにな る。庶子 に対 す る軽蔑がむ しろ象徴 的 にまで 高 め られて

,他

の登場人物 の心の中に常 に流れてい るが

,こ

れを例証 してみ よ う。

Opening scenc(劇 全体 の基調 を示すが

)で

,Edmundの

眼前 で Glouccsterが

Kcntに

言 う。

His brceding, sir, hath becn at my chargc: 正 hnve so often blush'd to ackno、 vledge him, hat now l am braz'd to't。 (1,1.9)

Glouccsterは

Edmundの

母 の ことを猥雑 に述 べた後 で

,庶

子 を生 んだ彼 の罪 につ いて意 識 しな が らも軽や か に言 う。

Kcnnch Muir(Cd・ ),Fi偲 ル,″ (Thc New Al・dcn Shakcspcarc,1950)のテキス トに よれ ば (1・

2.1-2

2)。 Iine‐

numberに

ついて は以下 同 じテ キス トに従 う。 乃払 P.24 0P, ο力・p. 44 ③   ④ ⑤

(3)

新 しい世界観の人間―

Edmund―

について Fipg夕Lα″の一考察

187

Do y∝

smell a rault,(1,16)

Lcarが

嫡 出 の娘 Gonc

lの

残 忍 さ に驚 い た時

,彼

は最 も侮 辱 の言 葉 ``bastard"を 使 わ ざ るを 得 な い。

Darkncss and devils:

Saddle my horscs, Call my train together.

Dcgeneratc bastard I(1.4.260-)

,彼

が非 情 の娘 達 の た め に気 違 い にな った時「 不 親 切 」 の典 型 で あ ると 思 っ て い た 庶 子 の

Edmundと

彼 女 達 を比 較 せ ざ るを得 な い気 持 に な る。

Let copulation thrivc; for Cloucester's bastard son Vas kinder to his fathcr than my daughters,

Got'twcen thc lawFul sheets.(4.6.117-)

Kentが

知 って い るか ざ りの最 悪 の言 葉 を使 って

OSWalに

どな りた て る時

,

彼 は ``WhOresOn'' (庶 子

)を

付 け加 え る こ とを忘 れ な い。

A knavc, a rascal, an catcr of broken meAtsi a base,prOud,sha■owp bcggarly, threc‐suitcd,

hundred‐proud, filthy 、voestcd‐stocking knavc;a lily‐ livcd,action‐taking,ω力οreso2,glaSs―gazing,

mper serviccablc,finical roguc,O(2,2.13-)(ィ タ リックス体 は筆 者)

そ して

,こ

の よ うな庶 子

Edmundを

生 ん だ の は Gloucesterの罪 な らび に社 会 の罪 で あ る とい う こ とが 出来 る。 何 故 な らば,Gloucesterは そ の罪 の た め に盲 目にな るが

,そ

れ に は 神 の摂 理 が働 い て い るか らで あ る。

Edgarの

言 葉 に注 意 しよ う。

The Gods are just, and of our pleasant viccs Makc instruments to plaguc us;

The dark and vicious place whcrc thcc he got Cost him Hs eyes.(5,3。

170-)

こ の こ と は

Lcarと

比 較 す れ ば よ り明 確 に な る だ ろ う。大 した 罪 を 犯 して な く,彼 同 様 に苦 しん で

(4)

明 岡 い る

Lcarが

狂気 にな るの に対 し

,Gloucestcrは

狂気 にな ることを希望 す るが〇 なれず

,正

気 の ままで彼 の苦悩をす るど く感 じ

,自

殺 を企 てて も果 す ことが 出来 な いのは

,「

煉獄 の苦 しみ」 を経 て 自分 の罪 を浄 め

,再

生 をす る役割 を彼 がにな って い るか らだ といえ よ う。 庶子 の性 が 「 悪」 で あ り

,

それは 「 善」 と対立す ることは

,

次 の科 白 に注 目すれば よい。 その点について

Edmundも

彼 の兄 に同意す る。彼 は庶子 の性 が「 悪」で あることを認め

,

生 存 中 に一 度 も良 いことを しなか った こと も認 める。

somc good l mean to do

Despite of my own nature.(5.3.243-)

そ して

,生

まれ な が らに して

Edmundは

,社

会 の この重 荷 の下 に生 きて きた といえ る。 社会 や,

神 に対 す る彼 の反 膝

,彼

の完 全 な個 人主 義 は幾分 は「 社会 に よ って ひ きお こされ た」

,「

社会 に原 因 が あ る」 といわ ね ば な らな い。

Danbyは

Richardの

伍 悽 と

Edmundの

庶 子 で あ る こと に つ い て言及 して い る。

Vith both Richard and Edmund wc reel that thcir rcscnt=nent is undcrstandable, Cartted Further, wc arc prcparcd to fcel that thcir rcaction night even bc justificd. FurthCr stin, and we coinc to the vague notion that Edmund and Richard arc sOHlcwhat θ

'ク影五

as thCy claim to

be, by thc sOciety thcy rcact against. They are both antittsOcial and cxpression of socicty. Their cOrruption is a brcaking out of corruption hiddcn below thc surfacc, imphcd in thc cOnduct of thc averagc pcople around thcn■ , but incapable of bcing brought to consciousncss cxccpt by

such cxperts in sclf‐ cOnsciousncss as thc villain arco③

な は

Danbyの

この説 に始ん ど同意す る。 しか し

,こ

れだ けでは

Edmundを

理解 出来ない点 が出 て くる。 それは

Iで

述 べ る。

2.個

人 主 義

Edmundは

個人主 義者 で ある。生 まれなが らに して社会 の “Outsidcr"の 彼 は

,

自か らの主 義 に よ って

,同

時 に他 の人 間 か らも隔離 されてい る。彼 の個人主義 は徹底 してい る。彼 は人間を彼 の 目 的の障害物 か補 助物 と して しか考えない。 彼 は心 の中では

Lcarに

忠誠を示 さない。彼 は父や兄 を尊敬 のよや

,兄

弟愛 で もってながめて い Ct(4.6.283-つ OP・ 力, pp. 64-65 ⑦ ③

(5)

新 しい世界観の人間―Edmund―について FiヵgL♂″ の一考察 な い。彼等 は全て彼 の 目的 の手段 と してのみ彼 と結 びついて い る。 実際 は

,Edmundは

彼 等 とは 完 全 に離れて いるわ けだ。個人主義者 の典型 的な例 は最後 の場面 にみ られ る。結婚 の約束を してい た二 人の女 ―Goncrilと

Rcgan_の

死体 が運 び こまれ

,そ

の場 は なった く悲惨 にな る。 その時 彼 は言 う。 晩 ιユ瓶 ク″′ 切斜 う夕どου'ど:

Thc One thc othcr poisOn'd for my sakc

And attcr slew herseli(5.3.239-)(ィ

タ リック体 は筆者)

Edmundの

全 て の考え は彼 自身 につ いてで ある。 彼 は この二 人 の悪 い女 の死を ひきお こした 自 分 の罪や

,死

の悲り について は

,ち

っとも考 えない。 自分 が愛 されて いた とい うこと

,即

ち 自己中 心 の点で しか考えない。彼 の考えは

,何

,ど

んな場合 にあって も

,自

己中心的で あ る。 これは彼 の著 しい特徴 で あ る。 彼 と対照 して

,旧

世界観 の人 々は互 い に密接 な関係を もって い る。彼 等 は他 の人 に仕 え るし

,ま

た仕 え られ る。第1幕の

Lcarは

勿論 大勢 の人 に仕 え られてい る。彼 が娘 達 に見 捨 て られ た時 で さ ぇ

,FOOlゃ Kentに

心か ら世話 されてい る。又

,彼

も人を愛 して

,彼

等 と結 びついて い る。 エゴ

イス トで個人主義者で あ るよ うにみえ るGonerilゃ

Rcganで

さえ

, Edmundが

好 きにな り

,愛

を誓 う。 しか し

,Edmundは

心 の うちでは彼女達を決 して愛 して はいない。

個人主義者 で あ る彼 は感情や悟性 を持 たない。 理性 のみの人 間 で あ る。 彼 の appcaranccと realityの 間 に大 きな差異 が あ り

,そ

れを彼 が維 持 出来

,

人 が彼 の正体 を見破 ることが 出来 ない理

由 はそ こにあるD Goncrilゃ

Rcganに

口で は愛を誓 っておきなが ら

,

その どち らを選ぶべ きかに ついての彼 の態度 には利 己的な

,冷

や かな理性 しかない。次 の引用句 に見 られ るとお りで ある。

To both thcse sistcrs l sworn my lovc:

Each jcttlous of thc othcr, as the sting

Arc of thc addcr, ■げhich of the蹴l Shall l take?

Both P oncP Or ncithcrP(5. 2. 55-― )

3.目

的 と 行 動

Edmundの

目的 と行 動 を この劇 の始 めか らた ど る こと にす る。

彼 の第 1独白

(1.2.1-22)で

,庶

子 で あ るた め に身 分 が低 く

,卑

しい とい う偏 見 に彼 は抗 議 して い る。 そ の偏 見 が根 強 く

,不

合 理 に思 え た。 彼 の第一 義 的 関 心 と して彼 の心 を しめ て い る もの は この抗議 以外 に何 もない。 しか し

,彼

は父 の領 土 を相続 す る とい う目的 を もって い る。

(6)

明 村 この抗議 と目的 とはどんな関係 にあるか。又

,後

に発展す る工位継承 とい う目的 と前二者 とはど んな関係 にあ るだろ うか。 これ らについて彼 の心 の発展をたどる ことは

, Edmundの

性格や論理 を一 層よ く知 ることにな る。 ここで は偏見 に対す る抗議 が第一義的で

,そ

の手段 として

,嫡

子 を打 負か し

,父

の領地を相続す るので ある。 この関係 が劇 の進行 に従 って

,ど

の よ うに発展

,変

化 す る かを考察 しよ う。 彼 が外国か ら帰 って くると

,時

を移 さず Glouccstcrゃ

Edgarを

だ ます。彼等 の馬鹿正直 を見抜 くと

,す

ぐさま彼 の 目的 は変化 す る。領 地 に対 す る欲望 が前面 に出て きて

,そ

の偏見 に対 す る社会 へ の反抗 心は後退す る。

Edmundは

独 白す る。

on whose roolsh honesty

[y practices ride casyI I sce thc bllsiness.

Let ine, ir nOt by birth,have lands by wit:

AH with me's meet that l can fashお

n fit.(1.2.188_)

彼 は この 目的 を な しとげ よ う と して

,

突 進 す る。 彼 の心 の 中で は 目 的 が 手 段 を 正 当化 す る。

Cornwallが

くる とい う報 せ を 聞 くや い な や

,

まだ不 明確 で あ った この計画 を 徹 底 的 に 行 動 に移 す。 次 に引 用 す る よ うに

,彼

は非 常 に頭 の回 転 の はや い OppOrtunistで ぁ る。

The Duke bc here to‐nightl the bcttcri bcstl

This weavcs itself pcrforcc intO my busincss.

My fathcr hath set guard to take my broher。

(2.1.14-)

何事によ らず彼の目的に適 っているものを利用する。“

all thc kingdom/May haVe due note of

him."(2.1.83-)と

ぃぅ

COrnwallの

言葉 によって

,彼

はGlouccstcrを 欺 くことに成功 した と

言える。 そして

,

彼の第

1独

自で第二義的に意図された目的は成就された。ついに父の領土を相 続す るGlouccsterの 許可を彼は得 る。

And of=ny land,

Loyal and natural boy, I'1l wOrk the means To makc thec capablc。

(2,1.83-)

そ して

,

当 然 の こ とな が ら

, Glouccstcrが

死 ね ば

,

彼 は Glouccsterィ白に な る。 彼 に必 要 な の は

,手

を下 さず に

,そ

れ を待 つ だ け だ。 しか し

,彼

の決 心 は更 に発 展 す る。

(7)

新 しい世界観の人FHE一

Edmund―

について れ弩 ニタ″ の一考察

This courtesy,forbid thcc,shan thc Dukc

lnstantly knoⅥ ′; and of that lcttcr too.

This scems a fair dcscrving, and must draw mc

That

Ⅵ/hich my father iOscs: no lcss than all.

Thc youngcr ttscs whcn thc old doth偽

11.(3.4.23-つ

彼 は父 を失脚 させ よ うとす る。

COrnwallが

禁 じて いた のだが, Glouccsterは 工 を芥添 してい る。 それを彼 は

COrnWa11に

みつ けさせ る。 ついに彼 は

COrnWa11の

許可 を 聞 くことが出来 た。

truc or falsc,it hath madc thec Earl of Cloucester(3.5,17-)

そ して この あた りにな る と社会 に対 す る彼 の抗 議 は影 を ひ そめて い る。彼 もそれ に言及 せ ず

,た

だ Glouccsterの伯位 と領 地 を相 続 す る 目的 に 向 か って 邁 進 して きた。 そ して彼 の 目的 は果 され た の だ。 しか し

,彼

は この成 功 に満 足 の気 持 を示 さな い。 それ ど ころか

,彼

の 目的 は「 間髪 を いれ ず に 」 変 化 して い く。 しか も新 しい 目的 は

,彼

は以 前 に は全 然 我 々 に暗 示 して もいず

,彼

自身 も意 図 し て い な か った と思 わ れ る。 この新 しい 目的 は

,彼

が後 ほ ど (5。

2.55-)明

ら か にす るよ うに

,工

位 婁奪 で あ る。 第 一 の 目的 の成 就直 後

,彼

は工 位 を ね らう。 これ を証 明 す る必 要 が あ るが

,そ

れ に は

Edmundと

二 人 の女― Goncrilと

Rcgan_と

の関 係 をた ど る必 要 が あ る。

5幕

7場

Edmundは

Glouccstcrの 城 を 出 て

,

彼 女 の夫 の城 へ と Gonerilと 旅 を と もにす る。 それ に は ま る一 日か か った。③ そ こに着 い て

(4.2.19),Gonerilは

Edmundに

重 大 な合 み の言 葉 を も らす。

This trusty servant

shan bct、veen us; crc long you arc likc to hcar, If you darc venturc in your own behal鳥 A mistrcss's COmmand, Wcar thisi sparc specch;

Dcclinc your hcadi this kiss,ifit durst spcak, Would strctch thy spirits up into the air.

Conccive, and farc thce wcll.

彼 女 は “mistress"に 二 重 の意 味 を もたせ て お り

,Edmundに

自分 の夫

Albanyを

殺 害 す る こ と

を た の む 意 図 も に お わ せ て い る 。

HCilmanん

べ言 っ て い る よ う に,``Several kinds oF scx innucndO"

③ 時の経過について

(8)

明 俊 村 岡 192 _(rFspirits''and“ conccivc'っ がある。二人の関係は推 して知 ることが出来 る。

次│こ

Reganと

はどんな間柄であったか。

Edmundは

Rcganと

彼女の城で会 う。 その後Goncril

の使いの

OSWalに

向か って

,彼

女は彼 との仲を次のように暗示する。

ヽly lord is dcad; Edmund and l havc talk'd

And more cOnvcnient is hc ror my hand

Than fOr your Lady's.め

り 評 力″ ηο″。

(4.5,30-)(ィ

タ リック体 は筆 者)

彼 女 達 二 人 との関 係 は愛 のた めで あ ろ うか。 しか し

,

愛 とは お よ そ縁 遠 い彼 の科 白 に注 目す れ

,そ

の答 え は否定 的で あ る といわ ざ るを得 な い。

To both thesc sisters l sworn my 10ve:

Each jea10us Of thc Otller, as the sting

Are of the addcr, which Of thcm sh豊■ I take, Both P one, Or ncitheir P(5. 2. 55-)

彼女達 の関係 について彼 は常 に 目的を もっている ことが了解 され よ う

cそ

のためには, Goncril

を取 って もいい し

,あ

るいは

Reganを

選 んで もよい。又 は二 人を捨てて もよい。 それでは彼 の 目 的は何 で あろ うか。 次の言葉 に注意 しよ う。

And hardly shall l carry out my sidc, Hcr husband bcing ahve。 (5. 2. 61-_)

``Edmund aspires tO the kingship.''① とそれ につ い て

G.L.Kittrcdgcは

注 解 し て い る。

Edmundは

そ の 目的 のた め に

,Albanyが

助 けよ うと した

Lcarと

COrdcliaを

殺 そ うと した。 彼 が

Reganを

利 用 した 目的 は

,彼

女 の軍 隊 を 率 い

,彼

女 の権 力 を委 託 して も らい

, Albanyと

対 等 にな ろ うと した こ とで あ る。 そ のた め に愛 を誓 う必要 が あ った 。そ して ,Goncrilと の関係 によ って 戦 争 後 に 彼 女 を そ そ の か して夫 を殺 さす予 定 で あ った。 そ して

,最

後 に は王 位 に つ くこ とが 出来 る。 これが彼の目的であった。 ここで注 目しなければな らないのは

,工

位糞奪 の意図を第 1独 自お も

,劇

のは じめで も彼は持 っていなかったことである。そのうえに

,父

の領上を相続 しようとね ら っている時には

,初

期の大 目的である社会に対する抗議 も忘れているようにみえる。 それで

,領

土 獲得に成功するやいなや

,「

突然」に工位にのばろうとする。 目的の突然の変化は

,

王位察奪 と

Hcilman,5ちλ θ″♂rrJ S,agθ (Louisiana,1948),p.314

Kittrcdgc(cd。),れ2g Lヮ,″ (ThC Kittrcdgc Shakcspcarc, Boston, 1941), p. 225

ユ L R G ⑩ ①

(9)

新 しい世界観の人間―Edmund―について れ2g L♂,″ の一考察 関連 のあ るその直後 の Gonerilを利 用す る態度 を考祭す ればわか る。 しか し

,

王位 婁奪 が彼の本 当 の 目的で あろ うか。

Edmundに

あ って は

,

目的が 矢 つ ぎばや に 変化 す る ことが 可能 で あろ う か。 しか も奇妙 な ことに

,彼

は ShakeSpearcの 史劇

,悲

劇 の工位 真奪者 の大 きな特徴 を欠 いてい る。Silakcspcarcの 史劇や悲劇 には王位察奪者 がいるが

,彼

等 には ほぼ共 通 した特性 があ る。工位 の偉大 さを

,そ

れを得 たい とい う願墾を身 に しみ るほど持 っている人た ちである。 これ らの特性を

Edmundは

全 然持 って いない。彼 はただ前進 しているだ けで ある。工位 についた後で何 をす るか, 国を如何 に統治す るかを全然考 えていない。 そ こで

,我

々は これ以外 に

Edmundの

目的 があ る こ と

,二

つの 目的 はただ外部 にあ らわれて いる仮面ではないだろ うか と考 え る必要 がある。 もう一度 彼 の言 葉 に注意 しよ う。

Edmundは

王 にな る意 図を示 した直後

,次

の よ うに続 ける。 WIy state

Stands on mc to defend, not to debatc,(5. 2. 64)

当 然 の ことな が ら

,彼

は王 の 嗣子 で はな い。 そ の彼 が王 にな る こ とは決 して「 身 を 守 る」 こ とで は な い。 これ は明 瞭 な論 理 で あ る。 彼 自身 も心 で は気 がつ いて い る。 す る と こ こで も

,彼

は社 会 の呪 い か ら自身 を防 禦 して い る こ とにな る。 そ のた め に偶然 的 に王位 を望 む よ うにな った と我 々は推論 せ ざ るを得 な い。 結 局

,彼

の 目的 はた だ一 つで あ る こと

,そ

のた め の思 想 で あ り

,行

動 で あ る こと に注 目 しな けれ ば い けな い。 我 々は劇 の進 行 に従 って

,こ

の悲 劇 の本 質 を見 失 い が ちで あ る。 とい うの は

,追

放 され て は い た が彼 は こ こで は 好意 的 に扱 わ れ て い る と思 わ れ る。 しか し

,庶

子 に対 す る軽蔑 は

,我

々が見 て きた よ うに深 い底 流 とな って劇 全体 を流 れて い るの だ。

4.論

理 と 世 界 観

Edmundの

論理 の特徴を考 えてみたい。 まず我 々は Glouccstcrの 次 の言葉 に注意す る必要 があ る。

Hc(Edmund)hath becn out nine years, and away he shall豊 gain.(1, 1・

32-)

その時 忘で

Edmundは

, Glouccsterゃ

Edgarが

いた社会 には

,

住 んで い なか っれ ことにな る。何故彼 は嫡 出の

Edgarと

違 って青年時代 には家庭生活 の味を知 らなか った し

,又

これか らも 知 る ことが許 されな いのか。斎藤 勇 は

Edmundが

国外 にいた理 由は「 私生児で あるために追放 さ れた ので あろ う。」⑫ と云 っている。確 かに

,我

々は庶子 に対 す る偏見 があま りに も強 い ことは

(10)

見 て きた ところで ある。

W.I.Craigは

p Oη

サル絃″カ ル抱

2,の

1幕 3場

(■・

7-11)と

比較 して

,Edmundは

“in fOreign parts pushing his fortunc''と 推 測 してい る。 こ れ は従 属的な理 由にはな るか もしれないが

,主

な理 由は偏見 のために彼を国外 に「 追放」 した ことで ある

,と

い っ て よい。彼 の社会 における地位や個人主義 の論理 や その 目的を考 えるな らば

,こ

の推論 が妥当で あ る と首肯 されよ う。 青年 時代 の

9年

間 の追放 は旧世界像を見 るどんな 目を彼 に与 えたか。生 れなが らに して彼 自身 に 与 え られた偏見 を彼 はど う考 えたか。 この重荷を背負 った

Edmundが

社会 に出 て どの よ うに彼 自 身 を主 張す ることが出来 るのか。結論 か ら先 に言 えば

,彼

は物理 的,生物学 的力 が何 に もま して優先 す る世界 に

,そ

れ らの答 えを見 つ けることが出来 た。 旧世界 に対す る彼 の反抗 は``Ncw Man''と し て の見地か らな されている。 そ して

9年

間 の国外追放 が この糸 口を彼 に与えた と言え る。 とい うの は

Edmundが

他 人 を欺す時 には

(1.2.125-157,ctc.),旧

世 界観 の人 と して考え

,行

動 して お り, その世界観 を熟知 してい る。 そ して彼 の心 の中で は

,旧

世界観 と新世界観 は明確 な断絶 のかた ちを とってお り

,彼

は意識 的に新世界観 を信 じてい る。 このよ うな明確 な意識 の断絶 は

,あ

る世界観 が 主 な思潮で ある一 つの社会 にのみ住 んでい るだけでは,形成 され る ことは困難 で あ る。Shakcspeare は

Edmundの

国外 追放 が庶子 に対 す る強 い偏見 のせ いで あることを示す と同時 に

,明

確 に意識 し て い る

Edmundの

New Man"と

して の思想 を,長期 の追放 によ って,無理 な く観 客 に納得 させて いる。Gonerilゃ

Reganは

Edmundと

殆 ん ど同様 な考 えを もっているが

,

切確 な主 義

,

主 張 の

域 には高 まっていない。彼女達 が十分 な意味 において「 新 しい世界観 の人間」 とは言 えないのは,

彼女 が一 つの社会 の中だけで生活 していた とい う理 由に もよる もので あろ う。

新 世界観 につ いて述べている

Edmundの

科 白に注 目 しよ う。如何 に彼 が庶子 と しての コ ンプ レ ックスを感 じ

,そ

の偏見 に

,又

社会 に反抗 して い るか明確 で あろ う。

Thou, nature, art my goddcss; to thy law

ヽly services are boudo WhcrcFOrc shOuld I Stand in the plaguc Of custOnl, and pcrmit The curiosty or nations to deprivc me,

For that l an some twclvc or fourtccn moonshincs Lag of a brother, why bastard P Vhercforc basc, When my di=nensions arc wcll compact,

【y mind as gcncrOus, and my shape as truc,

As honest madam's issucP Why brand thcy us

With basc, with basencssP bastardy? base? basc, Who in thc lusty stealth of nature tttkc

ヽIorc composition and Fierce quahty Than doth, within a dull, stalc, tircd bed,

(11)

新 しい世界観の人間一

Edmund―

について 滑2g二孵″の一考察

195

Go to th' creating a wllolc tribc of fops,

Got'twecn asleep ttnd wake,(1・

2.1-)

Edmundは

鋭 い知 性 を も った理 論 家 で あ る。 彼 は 旧世 界 観 に と らわ れ ず,物事 を あ りの ま ま に見 よ うと して い る。庶 子 は卑 しい とい う偏 見 が あ るが

,そ

れ は優 秀 だ と反 撥 す る。法 律 的 に正 式 な 夫 婦 は惰 性 的 な 肉体 関 係 を もち,「馬鹿 者 ど も」 しか生 まな い が,内縁 関 係 の男 女 は `FmOrC CompOsition and ficrce quality"を もった子 を生 む と。 しか し

,庶

子 の肉体 的優 秀 さを示 せ ば示 す ほ ど

,彼

は正 式 な結 婚 を拒 絶 し

,従

って社 会 道徳

,秩

序 (エ リザ ベ ス朝 で は社 会 を支 え る特別 に重 要 な要 素 で あ るが

)を

無 視 す る よ うに な る。 そ して

,こ

の コ ンプ レ ックス に基 づ く彼 の論理 は更 に発 展 して

,当

時 の世 界 観 と殆 ん ど あ らゆ る面 で対 立 す る

,一

つ の異 質 の世 界観 を形 成 す る ことにな る。 彼 の世 界 観 に は今 日の我 々の 目か らみ て も

,同

情 出来 な い要 素 が 多 い けれ ど

, Gonerilゃ

Rcganと

違 って 全 面 的 に否 定 出来 な い点 が あ るの は

,科

学 的

,理

論 的思 考 もあ るか らで もあ る。 例 え ば

,彼

は 旧世 界 観 の人 々 と違 って

,自

然 の 中 に物 質 的 囚果 律 しか 認 め な い。 自然 は前 もって 限 定 され て い る構 造 物 で あ って

,自

然 界 と人 間 界 の対 応 や相 互 関 係 は な い と彼 は考 え る。 次 に引用 す る Gloucestcrと

Edmundの

科 白は この世 界 観 の違 いを 明確 に表 わ して い る。 科 学 が発 達 した今 日に お い て は Ed―

mundの

この考 えが正 しい と認 め られ よ うが

,

当 時 まで は C10uCCSterの 考 え (旧世 界 観)カベ正 統 的 で あ った こ とに

,我

々 は注 目 しな ければ な らな い。

6あ ク. Thcse latc cclipses in thc sun and moon poFtcnd no good tO us: though thc wisdom of naturc can rcason it thus and thusぅ yct nature finds itselr scourg'd by the scquent cttects.

Love cools, fl・icndship Falls, brothers dividel in citics, mutinics, in cOuntrics, discordぅ in

palaccs, trcaSon; and thc bond crack'd 'tlvixt son and father. This villain of minc comcs under the prcdiction, therc's son against father: the king Falls from bias of nature; therc's fathcr against child. Wc have sccn the best of our timc: machinations, hollowncss, treach‐

erッЪ and all ruinous disorders fb■ o、v us disquictly to our gravcs. Find Out this villain, Edmund;

it shall lOsc thce nothing: do it carefully, And the noblc and truc‐ hearted Kent banish'd!

his ofFencc, honcsty! 'Tis strangc, EEX力.

ど,協. This is the excencnt foppcry of thc 、γorld, that, when we arc sick in fortunc, often the surttits of Our own behaviour, wc make guilty of our disastcrs thc sun, the moon, and stars;

as if、γe werc villains on ncccssity; fools by heavcnly compulsion,knavcs,thicves,and trcachers

by spherical prcdominance, drunkards, hars, and adultcrcrs by an enforc'd obcdicncc Of

planetary influcnccs and an that lvc arc cvil in, by a divinc thrusting on. An adHlirable evasion of whorcmaster man, to lay his goatish disposition tO the charge of a star! ヽly fathcr

compoundcd

、vith my mOthcr undcr the dragon's tail, and my nativty was under 1/r∫α ttο″;

(12)

1%岡

村 俊 明

maidcnlicst star in thc Firmamcnt twinkled on my bastardizing。 (Ⅲ

2.106-)

そ して二 つの世界観 の対立 は この劇 の大 きな特徴で もある。Shakespcarcは 出来 るだけ劇 のは じ めのほ うに この相剋 を呈示 し

,そ

れが れ狸 二ι″ の重要な要素 で ある ことを強調 している。 次 に は

, Edmundを

中心 に して

,彼

と対立 してい る思想 はどのよ うな もので あるかを具体 的に考察 し てみよ う。

Edmuudは

肉体優越 の世界 を至上 と考 えているが

,

その世界 か らは老人を どのよ うにみ るで あ ろ うか。 まず

,旧

世 界観 の人 々の老 人 に対 す る考 えを考祭す る必要 がある。

Albanyは

老令 の

Lcarに

対 す る Goncrilの仕 打 を憤 って言 う。

What havc you doncP

Tigersjnot daughters,wれ at have you pcrform'dP A fathcr, and a gracious agcd man,

Whosc reverencc evcn thc hcad lugg'd bcar would lck。 (4. 3. 39-_)

Cordcliaは嵐 の荒 野 へ

Lcarる

追 いや った彼 女 の姉 達 の こ とを思 い 出 し

,

老 人 へ の 同情 心 と父 に対 す る尊 敬 の念 で もって言 う。

Had you nOt becn their father, thcsc white flaFes 正)id challenge pity of them. Was this a Face To bc oppos'd against thc warring winds, To stand against thc deep‐ boltcd thunder, In thc most terriblc and nimblc strokc

Of quick, crOss lightning P to wlflich― ―pOOr perdu― ―

With this thin helm P(4.7.30-)

彼 等 は老 人 の弱 さを利 用 しよ うと も

,傷

つ けよ うと も しな い。 老 人 は尊 敬 と同情 で世 話 され な け れ ば な らな い。 彼 等 は老 人 の弱 さのゆ え に老 人 を一 層愛 す る。 この劇 の旧世 界 観 を信 じて い る人 々 はみ な共 通 して この性 質 を もって い る。

Edmundの

老 人 観 は完 全 に彼 等 の それ と対 立 して い る。

HCilmanは

次 の よ うに言 及 して い る。

“Agc is a crime wherc the chicf valuc is physic21 force.''⑭

Edmundは

,老令 が人 間 に 同情 や尊 敬 を お こさせ る世 界 とは違 った世 界 に生 きて い る。 彼 が父 を に裏 切 ろ うと決心 した時

,冷

た い 計算

O W.I.Craig(cd.),Fipg L夕 ,″ (ThC Old Ardcn shakcspcarc),p.5

(13)

新 しい世界観の人間―Edmund―について ripF二 ♂″ の一考察

197

以外 の何物 も示 しは しない。

This sccms a fair dcserving, and must draw mc That which my father loses――no lcss than an.

Thc yOungcr rises when thc old doth fall.(3.324-)

次 の引 用 句 は

Edmnndの

老 人 観 が先 に あ げ た 人 の それ といか に違 って い るか を よ く表 わ して い る。「 老 人 に は魂 力 が あ る。 」―一 彼 は その ことに実 際上 の危 院 しか見 な い。

Sir, I thought it Fit

To scnd thc Old and miserablc king To somc rctcntion and appointed guard; WVhOSC agc had charms in it, whosc titlc mOrc,

To pluck thc cOmmon bOsom on his sidc

And turn our impress'd lances in our eyes

Which do command hem。

(5,3.46-)

彼 が Gloudesterを贋 手 紙 で 欺 そ う とす る時 に は

,

皮 肉 に も彼 の 優 生 学 的 見 方 を 示 して い る。

Sons at perFect agc, and father dcclin'd, thc fathcr should bc as ward tO thc sonぅ

and

the sOn managc his revercncc。 (1. 2. 71-―)

This polcy and rcvcrcncc of age makcs thc world bittcr to thc bcst of our timcsi keeps our fortunes from us till our oldncss cannot rclsh thcm. I bcgin to find an idlc and fond bondage in thc opprcssion of aged tyranny, who sways, not as it hath powcr, but as it is

suFfer'd。 (1, 2. 47-―)

Cordcliaの見 方 と

Edmundの

そ れ と の 間 に は 著 しい違 い が あ る。 彼 と

Goneril,Reganは

同 じ よ うな 見 方 を も って い る。

O

そ して こ の二 つ の「 派 」 の相 剋 は「 優 生 学 的世 界 」 と「 慈 悲 に あ ふ れ た 世 界 」 と の相 剋 で もあ る。

⑮ Gol■crilの 老 人 観 は彼女 の次 の言 葉 か らもわ か るで あろ う。

Ho、v havc l ofttndcdP

All's not ottcnccとぁt indiscrctiOn finds

And dOtagc tcrms so.(2.4.147-)

Hcilman′ま述 べ てヤヽる。ThiS“is Goncril's favowitc word for agc: itis hcr way oF dcnying hat

agc htt dignity orご cscrts, and that it has a placc in Naturc; shc conccivcs of it only as a statc

(14)

198岡

村 俊 明

次 に

,父

に対 す る関係 ― ``bOnd of childhood"一_につ いて

Edmundは

ど ぅ考 え るか。 まず

,旧

世 界観 の人 々の考 えをみ よ う。

Lcarは

Gonerilの異常 な残忍 さを思 い出 して

Reganに

訴 え る。

No, Regah, thou shalt nevcr havc my cursc: Thy tcnder‐hefted naturc shan not givc

Thec o'er to harshnesg: hcr cycs arc Fiercc, but thine Do conllbrt, and not burn, 'Tis not in thcc

To grudgc my pleasures, to cut off my train, To bandy hasty words, to scant my sizes, And in conclusion, to Oppose the bolt

Against my coming in. ThOu better kn。 ■v'st

The Officcs of naturc, bond Or childhood,

Effects Of cOurtcsy, ducs of gratitude, (2. 4. 172-―)

Dandyは

次 の よ う に説 明 す る。

Lcar's theology of naturc here is ncither pagan nor Ancient British.… . Lcar's naturc・・・is a

structure ascending from prilnOrdial matter up to God. It, tOO,takes fbr grantcd that parcnts are to be honOurcd and human decencies Obscrved.〇

ThcOdOrc Spcncerも

,親

子 の関係 について説 明 して い る。

`FHc(Lcar)hadiCXpCCtCd tO

fulfil the natural law by hOnOring their fathcr...."o もし我 々が当時 の父 にに対 す る絶対 的な尊 敬 と従 属を知 らないな らば,COrdCliaの単 純 な答え (``Nothin5 my lord…

.")ゃ ,Gonerilの

不親 切 さに対 す る

Lcarの

猛烈 な驚 き (下 に引用

)を

理解 出来 ない。

O Rcgan, shc hath ticd

Sharp‐tooth'd unkindncss, likc a vulturc, hcre. I can scarce speak to thee; thOu'lt nOt bchevc

With hOw dcprav'd a quality'一〇

Regan:(2.4,135-)

次 に

,Edmundに

つ い て 。

Edmundは

父 を 裏 切 ろ う と して い るが

,

世 界 観 の相 違 を 思 想 的 に 意

識しているから

,良

心の可責を感じない。父を冷たい計算の態度でみる。

④ 蝕.加.p.141

(15)

新 しい世界観の人間―

Edmund―

について れ弩 五ヮ″ の一考察 199

This sce車lS a fair dcscrving, and must draw

That which my fathcr 10scs.(3.4.25-)

盲 目の父 が 人 々に同 情 心 を ひ きお こす か も しれ な い こ とを 聞 き,

れ に つ いて 言 って い る。

彼 を殺 そ うとす る。Goncrilが そ

Edmund, I think, is gonc, In pity of his misery, to dispatch

His nighcd life.(4.5.H―

)

我 々は

Edmundの

老 人観 や 親 子 観 を み て きた 。 彼 は他 人 を足 下 に踏 み つ けて で も

,

自分 の欲 望 の こ と しか 考 えず

,自

分 の成 功 の た め に しか働 か な い。 いか な る物 事 に もま して

,彼

の欲 望 の優 先 権 を も って い るわ けだ。 我 々は これ らの特 徴 を も った

Edmundを

「 特 に」 悪 者 扱 い に しが ちで あ る。 とい うは,いつ の時代 で もほぼ共 通 して流 れ る「 老 人」観 ,「 親子 」観 が あ るが

,そ

の為 に我 々 は 彼 を 悪 くみ る ので あ る。

Edmundは

Machiavcllianismを も って いて

,「

良 心 」「 同情 」「 愛 」 を排 斥 して い る。 あ る面 に お いて は

,意

識 的 に そ れ らを排 除 しよ う とす る。

Edmundは

科 学 的

,合

理 的 思 考 法 を 身 に つ けた人 で もあ り

,又

目的 の た め に は手 段 を選 ば な い

,奸

策 を妥 当 しよ う とす る時 代 思 潮 に も生 まれ た人 で あ ったか ら

,現

代 的 感 覚 の み で 彼 を否定 して は い けな い。 次 の

Danbyの

説 を か 考 の た め に引 用 しよ う。

Edmund belongs to thc new agc of scicntiric inquiry and industrial dcvclopmcnt,of burcau‐

cratic organization and social rcsiFnCntation, lhc agc Of n■ ining and mcrchant‐ venturing, of mo‐ nopoly and Empire‐ making,IthC agC Of thc sixteenth ccntury and artcr:an age of competition, suspicion, 810ry. Hc hypostatizcs thosc trends in man which guarantcc succcss undcr the new

conditiOns―― one rcason why his solilbquy is so fun of wllat we recognize as common scnsc.①

1. Edmundは

悪党であるか

Edmundは

悪党であるという説は圧倒的に多い ことは言 うまで もない。Shakespcareの 判断はど

うであったのか。 既述 したように

,Edmundの

世界観は二 つの要素―科学的思考法 とマキ ャベ リ

(16)

明 岡 ズム的態度―か ら成立 して いる。倫理 的考祭 を主体 として いる この項では

,彼

のマ キ ャベ リズ ム的 態度 についてみて み る。

Edmundは

生 まれなが らに して

,社

会 の軽蔑 を身 に お って い る。 彼 の行為 はい く分 「社会 に原 因」がある と言 えよ う。 しか し

,彼

は残忍な

,冷

血 な

,非

人道 的 な行為を平気 で している。果 さな か った けれ ども父 を殺 そ うとした。COrdcliaを 殺 させ

,そ

の罪 の責任を逃れ よ うとした。 これ ら全 て の彼 の行為は

,彼

の「原因」 によ って許 され るだろ うか。 あ るいは両者 の世界観 の相違 だとい っ て

,我

々はわ りきれ るだろうか。Shakespcarcは彼 を どのよ うに書 いたか

,同

情 を もって書 いて い るだろ うか。 しか し

,ShakCSpcarcの

同情如何 について は

,Edmund個

人 だ けを考 えて も

,我

々は 明確 に知 る ことは 出来 ない。 その判 瞬 の根拠 とな る ものは少 な いか らで あ る。 随 ζL″″ の構造 の

特徴 に注 目して

,main_storyと

sub‐plotとを比較 した り

,

両者 に出て くる共通 なパ ター ンをか照

す る必 要がある。

まず

,Edmundは

社会 に対す る偏 見 のために苦 しみ

,異

質 な世界観 を身 につ け,社会 に復讐す る ために も

,残

忍 な行為をす るので あるが

,い

わゆ る彼 のよ うな逆境 にあえば人 々はみな復讐す るで あろ うか。 ここで は

<は

じめに

>で

述 べ たよ うに

,Bradlcyの

考察 を可能なか ざ りお し進 めてい る。

Main‐stOryの

COrdelia,Kentの

逆境 について考えてみ よ う。彼等 は 自分達 に何 の責任 もない逆 境 と闘わな ければな らない。 まさ し く

, Edmundの

よ うに復警す る 「 原 因」 が あ る わ けだ。

Shakcspcarcは dOuble p10tsを 使 って

,「

原 因結果 のテーマ」を繰返 して いるのは注意 に値す る。

Kentの

逆境。

Lcarが

彼 の王 国を二 人 の邪悪 な娘 に分 けよ うと した時

,Kentは

彼 に忠告す る。

死刑 にす る と威喝 されて もなお彼 は王を諌 めよ うとす る。忠義 の前 には死は彼 に何 の意味 ももたな いのだ。

Ey lifc l nevcr hcld but as 2 pa■ vn

To

、vage against thine cncmics; nor Fear tO losc it, Thy sattty bcing mOtive.(1,1・

155-)

彼 の忠義 心 は絶 対 的 で あ る。 彼 は追放 を命 じ られ る

,

けれ ど も変 装 まで して

,

王 を助 けよ うとす る。 嵐 の荒 野 で は必死 にな って

Lcarを

助 け る。

Lcnrは

彼 に と って生 命 そ の もので あ る と言 え よ ぅ。

Lcarが

死 ん だ時 に は

,彼

は も う生 きて はお れ な い。 乱 れ た 国 を統 治 して くれ とい う

Albany

の 申出に次 の よ うに答 え る。

I have a journcy, sir, shOrtly to go;

(17)

新 しい世界観の人間―Edmund―について れ″g二′,″ の一考察

Kentの

絶対的愛について

, E.DOwdenが

説明 している。``Shakespeare would have known httt thcre is not any dcvotion to truth, to justice, tc charity morc intcnsc and rcal lhan that of

the man vho is faithful to thcm, Out of thc shccr spirit of loyalty."⑩

Cordeliaの逆境。COrdcliaは彼 女 の返事 の故 に拒絶 され

,追

放 され る。 しか し,COICridge④ や Bradley④ は彼女 の過失 だ と主 張 してはいるが

,

決 して そ うで はな い。② そ こで彼女 は逆境 の身 にたた され るが

,そ

の原因 は

Lcarに

ある とい うことが 出来 る。 しか しながが ら

,

彼女 は変 わ る ことな く父 を尊敬 し

,愛

,

そ して その苦 しみを救 うためにイギ リスにや って きた。②

Lcar

自身 も自分が残酷 な事 を した とい うことを

,狂

気 の後 にな って悟 る。 だか ら

,

嵐 の荒野 の場面 の 後

,昏

睡状態 を続 け

,意

識 を回復 した時 に

,

それに もかかわ らず 自分 を介抱 して いる COrdcliaを 見 つ け

,彼

女 が

Lcarに

復讐す る「 原因」があると言 う。

fOr yOur sistcrs

Have, as l do rcmembcr, dOne me wrong;

You have sOmc

ω朗

,thcy havc not,(4.7.73-)(ィ

パ リックス体 は筆 者)

そ れ に対 す る彼 女 の答 え は何 で あ ろ うか。

ω 腸 協. No cause, no causc.

彼女 の愛 は囚果律 を こえた ところにあるといわな ければいけない。彼女 の逆境 が どんなに大 き くて も

,そ

の為 に彼女 の愛 は変化 しない。彼女 はキ リス トの イメ イ ジで もって書かれて いる。

There she shOOk

Thc holy water fl・ Om hcr heaveuly cycs That clamOur moistencd。

(4,3.30-)

Lcarが

正気 を と り戻 し

,彼

女 に話 しか けた時 に も

,彼

女 には その イメ ィジがある。

Edward Dowdcn,Sん,そι∫´♂,″¢(Londonゥ 1875),p.271

S.T. Colcridgc,dん 就′│´″♂

'2G万,ひぢdrlD(London,1930),vol.1,p.54 9´. ,力. P, 318

J. Dover Vilson (cd.), れ ″gL夕,″ (Cambridgc, 1962),p. xx

``Cordcha succccdcd in pcrsuading hcr husband to abandon his purpOsc Of wrcsding a portion Of thc

kingdom fOr hilnsclf and rctirc tO his O■vn land, thus lcaving her frcc tO usc his army in dcfcncc of hcr fathctt shOuld thc Occasion arisc."(ThC Ncw Ardcn Shakcspcarc,p.160)

O ⑩ ① ② ④

(18)

202岡

村 俊 明

Thou art a soul in blss, but l am bound

Upon a whed offirc.(4.7.46_)

とにか く

,ど

んな逆境 にあ って も

,Kentゃ

COrdcliaの愛 は変 わ らない。 そ して

,彼

等を逆境 にあわせ た人 に復讐 を しないど ころか

,決

して見捨て もしない。彼等は社会 に抗議 も して いない。 彼 等の愛 は因果律を こえている。

Edmundは

逆境 にあ って苦 しむが

,

この劇には苦 しみ その ものの絶対性 を否定す る要素 もあ る。

.

価値観。 この劇での価値観 は固定的でな く

,柔

軟 性 があ る

,客

観 的でな く

,主

観 的で あ る。他人 の悪意 とか

,逆

境 は必 らず しも人を苦 しませ

,惨

めに し

,

不幸 にさせ は しな い。 例 え ば Sub‐plot の中の

Edgarを

例 に とろ う。 彼 は次 のよ うなみな りをす る。

thc basest and most poorcst shapc That cvcr pcnury in contempt of man, BrOught near tO beast.(2. 3. 7-― )

彼 は運命 の どん底 にいるわけだ。 そ して実際 に惨 めであ った。 しか し

,彼

は気 違 いの

Lcarを

み る と

,次

の よ うに独 白す る。

WhCn

ⅢVC Our bctters sce bearing our 、voes,

WC SCttrCCly think Our n■ iscrics our foes. ・

Who alonc suffers, sufrers most i' th' 宜nd, Lcaving frce things and happy shows behind; But the H nd much suffcrance doth o'erskip,

Whcn gricf hath matcs, and bcaring ttl104/ship.(3. 6. 105-― )

彼 は極 度 の不 幸 に あ りな が らも

,Learと

比 較 す る と絶 対 的 に惨 め とは感 じな くな る。 彼 の不 幸 は 比 較 的 軽減 され た わ けだ。

4幕

1場

で は

,彼

は 自分 の最 悪 の状 態 に つ いて不 平 を言 わ な くな る。

Yct bcttcr thus, and known to bc contcmn'd,

Than, still cOntemn■ 'd and aatter'd, to be ■vOrst.

The lowest and most dtteCted thing of Fortune, Stands stin in espcrancc,Ivcs not in fear。 (11.1-4)

(19)

新 しい世界観の人間一

Edmund―

についてFi″gニタ″ の一考察

りまか れて い る時が一番幸福であ るよ うにみ えた。 しか し

,娘

に裏 切 られ

,嵐

の荒野 を さまよい歩 く。 その窮地を見かねて

,Gordcliaが

戦 ぃをお こ して くれ た けれ ど も

,

彼等 は敗 れ

,

二 人 は牢獄 につながれ る身 とな る。工 の身で牢獄 に行かねばな らない。 しか し

,そ

こえ行 く途 中が

,皮

肉 に も

Learに

と って は最 も幸福な時である。

Comcぅ let's away to prison;

Vc too alone 、vill sing likc birds i' th' cagc:

When thou dost ask me blcssing, 11l kncel down, And ask of thce forgivcncss, so WCll livc,

Alld pray, and sing, and tcl1 0と d talcs, and laugh At gildcd butterfhes, and hcar pOOr rogucs

Talk of cOurt news; and well takc with thcm tOO, Who loses and who wins; whO's in, whO's out; And talk upon's thc mystery of things,

As if wc were God's spies:and wc'1l wear out, In a wall'd prison, packs and sects of grcat Oncs

That ebb and flow by th'mOOn,(5.3.3-)

これ ら以外 に Glouccstcrの 例 もあ る。 劇 全体 に流 れて い るので あ るが

,苦

悩 の価 値 観 は柔 軟 性 が あ る こ と

,又

幸 福 観 は主 観 的 で あ る こ と

,絶

対 的 な不 幸 は な い こ とが わか る。 だ か ら

,人

が 自分 自 身 の境 遇 (ど ん な に悪 い もので あ って も

)に

満 足 す るか否 か は

,外

的 な条 件 で は決 して な く

,人

の 心 の もち方次 第 な ので あ る。 しか し

,Shakespeavcは

一 方 で は庶子 に対 す る偏 見 が非 常 に強 い こと も強調 して い る。 しか し, こ こで 注 意 しな けれ ば な らな い のは

,逆

境 とか

,そ

れ に依 存 す る幸福観 は

,人

間 の世 界 観 の相 異 か ら生 まれ る もの で は な く

,そ

れ 以 前 の問題 で あ る こ と。 とい うの は

,Edmundの

世 界 観 は それ を根 拠 に して生 まれ た もの で あ って

,新

世 界 観 を も って い るた め に不 幸 とな り

,逆

境 に反 抗 した か らで は な いか らで あ る。 この ことは

,倫

理 的面 か らのみ言 えば

,彼

の新 世 界 観 の よ って きた る根 拠 その もの を くつ が えす もので あ る。

この よ うに考祭 す れ ば,我々は

Edmundを

悪 党 と考 え るだ ろ う。しか し

,Edmundの

death‐sccne を考 え れ ば

,Shakespeareが

彼 を 同情 を もって み つ めて い る ことが わか る。

2, Edmund

の death‐scene

ここでは Shakcspeareがどち らの世界観 を もってい るか

,彼

Edmundに

対 す る判 断 は如何 な る もので あるかを考察す る。二 つの 自然観 の対立 について は述べて きたが

,Shakcspcarcが

どの 自

(20)

204

然観 を もって い るか は議論 のわか れ る ところで あ る。

Eo M.W.Tillyard,Thcodore Spcnccr, I.

A.Duthieな

どの学者 は ShakeSpcareん ゞ新世 界観 を信 じて い ると し,J・

F.Dandyは

新世 界観 だ と してい る。文字通 り “dOCtors disagrcc"で ぁるが,Shakespeareの 世界観 を単純

,素

朴 な仕 方 で 明確 に証 明す る ことが 出来 る。

Edmundの

death‐

sccncが

我 々にその重要 な手 がか りを与 えて く

れ るので あ る。

次の引用句は К龍亀 二ι″ の最後 の場 にある

Edmundの

臨終 の言 葉で あ る。

I Pぁnt for life, some gοο〃I mcan to do

Dcspitc Of my Own,α ιク″♂。

(5,3.243-)(ィ

タ リックス体 は筆者)

``minc own nature''一 bastardで ぁ る こと

,

その性質― は悪か った ことを

,又

彼 は生存 中に善 を しなか った ことを

,又

彼 が以前 に考 えた ことも悪か った ことを彼 は認めて いる。彼 は新世界観 を信 じ,庶 子が卑 しい ことを認 める旧世 界観 に反抗 した。しか し,最後 に彼 は態度 をか えて旧世 界観 の上 に立 つよ うにな り

,そ

れか ら彼 自身 の以前 の世界観 を批判 す るよ うにな る。

Edmundを

拒絶 し

,彼

が考 え

,行

為 して きた世 界 を

,Shakcspearcは

拒絶 して い る。新世 界観 と旧世 界観 との対 立 にお い て

,Shakespeaaeは

劇 の最後 にな って

,旧

世界観 の代 弁者 で あ る ことを示 した

,と

いえる。 この事 実 は否定す る ことが 出来 ない。 しか し

,

次の二 つの理 由によ り

,Edmundに

対 す る Shakcspcarc の判断 について

,こ

れ のみで は我 々に十分 に満足すべ き解釈 を与 えているとは言えない。同様 に新 世界観 の代弁者 で あるGonerilと

Rcganは

Edmundと

違 って

,彼

女達 の死 ぬ前 に後悔 す る こと を許 されなか った とい う事実 と

,Edmundは

dcath‐SCCncでは以前 と違 って同情を もって描かれて

いるとい う事実 で ある。

Goncrilと

Reganの

death‐scencに ついて。

Albanyは

彼 女達 に警告す る。

If that thc hcavens do not thcir visible spirits

Scnd quikly down to tamc thosc vildc ofttnccs,

It will corne,

Humanity must prcy on itscl烏

Likc monsters of the dcep.(4.2.46-)

そ して

,彼

女 達 の 死 に際 して

,彼

の この 判 断 が 正 しい こ と が 証 明 さ れ る。Gonerilは妹 を 殺 し,

で 自殺 す る。

Albanyは

妻 で あ る COncrilの死 に対 して 全 然 天 に不 平 を 言 わ な い 。

This judgcmcnt of thc hcavcns,that makc us tremble, Touchcs us 2οι崩滋´

'ク

(21)

新 しい世界観の人間―Edmund―について ri狸 ル″ の一考察

彼女達 の死 は 同 情 を もってで はな く

,

厳格 な rctributionを もって書 か れ て い る。 しか し,

Edmundは

彼女達 と殆ん ど同 じ程度 の極悪 を したに もかかわ らず

,

二 つの dCath‐sccncに は大 き

な違 いがある。何故 だろ うか。

Edmundの

death‐scencについて。

Edmundの

イメ ィジは彼 が

Albanyの

強 い主 導 権 の主張

,挑

戦者 の攻 撃 にあ うと突然 に変 る。彼 は明敏 な合理主義者 であ るが

,Albanyの

主 張 に反対す る ことが出来なか った。② これは

,Edmundが

現下 の状況 に対処 出来 なか った最 初 の こ とであ る。 その後

,一

時 に何度 も失策 を繰返 した後

,彼

は素性 を名乗 らな い挑戦者 と戦 って死 ぬ ことにな るが

,Gonerilの

言 うよ うに “the law Of nature''に よ って

,挑

戦 を うけな くと もよか ったのだ。

This is practicc, Gloucester:

By th' law of war thou wtts not bound to answcr An unknown Opposite; thou art not vanquish'd, But cozen'd and bcguil'd。 (5. 3. 151-)

彼 の像の変化 は父 の死を聞いた時 にまた現 われ る。○ 彼 は言 う。

This speech Of yours hath ttου'′

mc

And shall perchance do gο ο法 (イ タ リックス体は筆者)

「 理性」 の固 い層か らのみな りた って い るェゴ イス トの彼 が感動 した の もは じめての ことで ある。 又

,最

後 に決心 をかえて

,COrddiaを

死か ら救 お うと した。 とにか く ShakCSpCare tま 最後 のどたん場 にな って

,

一時 に彼 の像 に完 全 な修正を加 えている。 これは勿論

,Shakcspcarcが

Edmundと

彼 の 自然観 を拒絶 した とい う意味だが

,

拒絶 だ けで あれ ば

,Gonerilゃ

Rcganの

よ うに

,彼

の態度 の変化 も

,後

悔 もな く

,

彼 を殺 す こ と で 十分であろ う。 この場での

Edmundの

描 写は詳細 を きわめ

,生

々と

,感

動的 に書 かれている。す ると我 々は 二 つ の矛盾す る事実 に出 くわす ―Shakcsacarcは旧世界観 の支持者 で ある こと

,新

世 界 を もって い

Edmundの

拒絶 は同情 を もってな されていること。 この矛盾か ら我 々は次のよ うに推測す る ことが出来 ないで あろ うか。ShakCSpcarcは この劇の一 般 的基調 として は

,Edmundを

拒絶 す る。 しか し

,旧

世 界観 を信 じて いた Shakespeareの心 の中 にを さえ

,当

時 の相剋 して いる時代思潮 を明確 に反映 して

,二

つの世 界観 に関 して少 しの コンフ リ ② Rcg‐an よう。 ④ 盲 日の の夫の死後

,彼

女に権力を委託 された Glouccstcrに ついての話を聞いた時 ,

Edmundは

Albanyと 同じ権力をもってい ることに注意 し 彼を殺そうとした

Edmundと

比較 しよう。

(22)

ク トがあった。それが最後の場での GoncFilや

Rcganと

は区別 され る こ

dmundに

対す る同情 と いう形で現 われて くる。

Edmandの

庶子 とい う身分 に対 し

,又

その上に成立 した科学的,合理性 を もかねそなえた彼の世界観 に対 して

,ShakCSpcarcは

殆んど劇の終 りにいたるまで冷徹な 日でみて

きた力ヽ

,ど たん場になって,彼 の態度が急変し

, Edmundを

暖かい自でみるようになった。

玲宅

frr創

作当時の

ShakespOarcの

心にはこのょうな変化と相剋がみられるあである。

参照

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