上 郡 町 土 地 利 用 計 画
平成24年2月
序章 土地利用計画の位置づけ 1.背景 ··· 1 2.目的 ··· 2 3.計画の位置づけ ··· 3 4.土地利用計画について ··· 4 4-1.目的 ··· 4 4-2.性格 ··· 4 4-3.市街化調整区域における土地利用計画の構成・概要 ··· 4 4-4.土地利用計画の策定 ··· 5 4-5.土地利用計画の更新 ··· 5 第1章 上郡町の現状の把握・分析 1.自然・地理的条件 ··· 6 1-1.位置 ··· 6 1-2.地形・水系 ··· 7 1-3.気候 ··· 7 2.社会的条件 ··· 8 2-1.歴史・沿革 ··· 8 2-2.人口・世帯の状況 ··· 9 2-3.産業の状況 ··· 11 2-4.土地利用 ··· 16 2-5.交通体系 ··· 18 2-6.法規制 ··· 19 2-7.都市計画施設等の整備状況 ··· 22 3.上位関連計画の位置づけ 3-1.西播都市計画区域マスタープラン ··· 23 3-2.第4次上郡町総合計画 ··· 24 3-3.上郡町都市計画マスタープラン ··· 25 3-4.上郡町農業振興地域整備計画 ··· 26 3-5.上郡町一般廃棄物処理基本計画 ··· 27 第2章 土地利用の地域分類 1.土地利用規制の弱い地域の抽出 ··· 28 第3章 地域住民の意向把握 1.調査実施要領 ··· 30 2.調査結果 ··· 30
第4章 土地利用上の問題点の把握・分析 1.土地利用上の問題点 ··· 33 2.地域別(旧小学校区)の現況及び問題点 ··· 34 第5章 土地利用計画 1.土地利用の基本方針 ··· 36 2.土地利用区分(ゾーン区分)の設定 ··· 37 2-1.土地利用区分の基本的な考え方と誘導方針 ··· 37 2-2.土地利用区分設定の基準と誘導方針 ··· 39 2-3.特別指定区域(地縁者の住宅区域)の区域設定基準 ··· 42 2-3-1.区域の設定 ··· 42 2-3-2.特別指定区域(地縁者の住宅区域)の区域界の定め方 ··· 44 2-3-3.特別指定区域(地縁者の住宅区域)の区域界の判定方法 ··· 44 2-3-4.特別指定区域(地縁者の住宅区域)の単位 ··· 44 2-3-5.特別指定区域(地縁者の住宅区域)指定後の境界調整 ··· 44 2-3-6.特別指定区域(地縁者の住宅区域)指定後の変更 ··· 45 2-3-7.開発区域周辺の取扱 ··· 45 2-3-8.特別指定区域(地縁者の住宅区域)内の建築基準 ··· 46 参考資料 別表1 災害の発生のおそれのある土地の区域についての参考資料 ··· 48 土地利用計画図 ··· 51
序章 土地利用計画の位置づけ
1.背景 上郡町では、都市計画法や農業振興地域の整備に関する法律、森林法等により土地利用の規 制がなされているため、これらの個別規制が個々単独に広域的なゾーニングに基づいて成立し ていることから、規制地域が重複する区域や、規制が緩やかな区域が存在しており、適切な土 地利用の誘導が困難な状況となっている。 また、都市計画法に基づく線引き制度により、市街化調整区域において厳しい建築制限が行 われてきたため、居住者が減尐して活力が失われつつある地域や土地の既得権(既存宅地制度) による開発行為や建築行為により、住宅と農地が混在するなど、土地利用の混乱が生じている 地域が見られるようになっている。 このような市街化調整区域の土地利用の課題に対処するには、線引き制度の枞組みを維持し つつ、市街化調整区域にふさわしい良好で住みよい環境を維持又は創造し、活力が失われつつ ある地域については、それを活性化するための取り組みが必要である。 このため、住民や町が地域の課題を解決し、その将来の姿を描く土地利用計画を地域の総意 に基づいて作成した場合に、その計画に沿った開発行為等を認めていく制度として、平成 13 年 5 月 18 日に施行された改正都市計画法第 34 条第 8 号の 4 に基づく「特別指定区域制度」を兵庫 県が平成 14 年 4 月 1 日に創設した。この制度は、本町の市街化調整区域のまちづくりにおいて、 地域の特性を活かし活性化を図る有効なものであるため、今後「特別指定区域制度」を活用し、 地域住民の自主的なまちづくりを実現していくものとする。 ※線引き制度⇒無秩序な市街地の拡大による環境悪化の防止、計画的な公共施設整備による良好な市街 地の形成、都市近郊の優良な農地との健全な調和等を図るため、計画的な市街化を促進すべき市街 化区域と市街化を抑制すべき市街化調整区域とに区域区分すること。 ※既存宅地制度⇒線引き以前から住宅等の建築物が建っていた宅地については、一定の基準に適合する 場合、既得権により市街化調整区域内でも建築物の建築が可能となる制度。この制度は、平成 13 年 5 月 18 日施行の改正都市計画法により廃止され5年間の救済措置期間が平成 18 年 5 月 17 日で満了 し完全廃止となった。 ※特別指定区域制度⇒この制度は、住民と市が一体となって、地域の現状や課題を洗い出し、地域のま ちづくりについて検討し、農地や森林として保全する区域、住宅を建てる区域、地域に必要な事業 所等を建てる区域などを明確にした土地利用計画をまとめた場合に、その計画に位置づけられた区 域のうち地域の活性化を図るために必要な区域を特別指定区域として県条例で指定し、計画に沿っ た建築物の建築を認め地区のまちづくりを実現していくものである。2.目的 市街化調整区域の土地利用の課題に対処し、地域の特性を活かしたまちづくりを実現するた めに、上位計画における土地利用方針等との整合に留意しつつ、市街化調整区域全体において、 土地利用の方針を示す「上郡町土地利用計画」を策定し、この土地利用計画に沿った開発行為 等を認めていく「特別指定区域」の指定を行うことを目的とする。 ※特別指定区域のメニュー(平成 18 年 4 月の改正施行条例による) 【用途型特別指定区域】 【目的型特別指定区域】 ①地縁者の住宅区域 ①駅・バスターミナル周辺区域 ②新規居住者の住宅区域 ②工場・店舗等周辺区域 ③市町公営住宅区域 ③人口減尐集落区域 ④地縁者の小規模事業所区域 ④公共施設移転区域 ⑤既存事業所の拡張区域 ⑥地域振興のための工場区域 ⑦既存工場の用途変更区域 ⑧流通業務施設区域 ⑨資材置き場等の区域 (兵庫県パンフレットより抜粋)
3.計画の位置づけ 上郡町土地利用計画は、町のまちづくりを行うにあたっての基本的な計画であり、国土利用 計画法に基づく国土利用計画(全国計画、県計画、町計画)及び県土地利用基本計画と一体的 な関係を持つもので、町レベルの即地的な計画としての役割を果たすものである。 【計画の位置づけ】 国土利用計画 (土地利用に関する方針) 町計画 (国土法第8条) 都市計画法 農振法 森林法 自然公園法 自然環境保全法 個別規制法 町土地利用基本計画 地区土地利用計画 県計画 (国土法第7条) 全国計画 (国土法第5条) 全国計画 県土地利用基本計画 (国土法第9条) 基本とする (国土法第7条) 個別法計画の 総合調整 規制に関する措置 (国土法第 10 条) 基本とする (国土法第7条) 土地利用基本計画 (土地利用の総合調整を図る) 町土地利用計画 市町における地区単位 の土地利用調整計画 基本とする (国土法第 9 条)
4.土地利用計画について 4-1.目的 ・町域全体に対する将来像を住民や地権者、自治体などの関係者が共有し、まちづくりを進 めていくための計画として定める。 ・市街化調整区域の土地利用の基本的な方針を示すとともに、土地利用ゾーニング(土地利 用区分)を行う。 4-2.性格 ・本土地利用計画は、土地利用の方向を示すマスタープランであり、個々の土地利用を拘束 するものではない。 4-3.市街化調整区域における土地利用計画の構成・概要 ①土地利用計画の構成と要素 ・土地利用計画は、町が主体となり市街化調整区域の全域を対象とする「町土地利用基本 計画」と、地域が主体となってその区域全域を対象とする「地区土地利用計画」の2種 類がある。 ②町土地利用基本計画 ・町が主体となって市街化調整区域について定める。 ・広域レベルの土地利用の方向を示すものである。 ・計画で位置づける内容は、適正な土地利用の実現を図るため、一定のまとまりのある「保 全区域」、「森林区域」、「集落区域」、「特定区域」の5つの区域について概ねの位置を示 す。 ③地区土地利用計画 ・原則として自治会の範囲を基本として地域が主体となって定める計画である。ただし、 同一大字内で自治会界が複雑な場合は、複数の自治会を一つの単位とすることができる。 ・地区土地利用計画は、「町土地利用基本計画」を基本に、市街化調整区域において、地域 が主体となって集落の将来像として、地区土地利用計画を策定することができる。 ・地区土地利用計画の策定により「町土地利用基本計画」との調整が必要な場合は、相互 調整により整合を図る。 ④町土地利用基本計画と地区土地利用計画の関係 ・町土地利用基本計画は、地区土地利用計画策定にあたっての指針となるものであり、地 区レベルの計画が隣接する場合は、調整機能を果たす。 ・地区土地利用計画を策定した後は、これを町土地利用基本計画にフィードバックするこ とにより、より実効性のある町土地利用基本計画となる。
【町土地利用基本計画と地区土地利用計画の関係】 土地利用計画(市街化調整区域) 4-4.土地利用計画の策定 ・平成 23 年度は市街化調整区域全域を対象とした「町土地利用基本計画(集落区域に関する もの)」を策定する。 4-5.土地利用計画の更新 ・10 年後の目標達成を目指し、概ね 5 年ごとに見直すことができる。 町土地利用基本計画 ●対象範囲:町内の市街化調整区域 ・地区土地利用計画策定の指針 ・地区レベルの計画が隣接する場合の調整機能 ・フィードバックにより、より実効性のある町 土地利用計画となる 地区土地利用計画 ●対象範囲:原則として自治会の範囲を基本として地区全域を対象
第1章 上郡町の現状の把握・分析
1.自然・地理的条件 1-1.位置 上郡町は兵庫県の南西部(東経 134°31′北緯 34°52′)に位置する西播磨地域の西部内 陸地域にある。東側は播磨臨海工業地帯の一画を占める相生市、たつの市、南側は赤穂市、 北側は佐用町、西側は岡山県備前市に接している。 鉄道で県庁所在地である神戸市まで約 90km、姫路市まで約 35km、岡山市まで約 54k mの距離にある。 町の位置図上郡町
岡山県 鳥取県 兵庫県 西播磨地域 京都府 大阪府 佐用町 赤穂市 相生市 たつの市1-2.地形・水系 上郡町の西北部、東部には中国山地からはりだした海抜 300~400mの山地が連なり、町 域の 85%を占める。また、それぞれの谷間を千種川と 4 つの支流が良好な農地と宅地部を 形成しつつ流れている。 源を宍粟市に発し、南下して本町中央部を貫流している千種川は、鮎の名所として知られ る県下一の清流で水量も豊富である。町内における流路は 15kmで、その途中、高田川、 安室川、鞍居川、岩木川、細野川の各支流が合流している。各支流の流路は約 10km前後 である。 地形的には中国山地東端の氷ノ山(須賀ノ山)を最高峰とする南北に伸びる山脈の南端部 に位置する。しかし、後背山地はせいぜい標高 500m止まりで幼年期山地ということもあり、 山容は標高の割に急峻で平坦地に乏しい地形となっている。町の中心部は、千種川、安室川、 鞍居川の狭小な氾濫原に開けてきた。このため、水害等の被害を受けやすく、治水事業が進 められてはいるが、近年でも台風時には大きな被害を受けている。 近年の主な災害被害(平成以降) 年月日 事象 上郡町における被害状況 平成 10 年 10.17~18 台風 10 号 床上浸水 15 戸 床下浸水 204 戸 平成 16 年 9.29 台風 21 号 半壊 3 戸 床上浸水 207 戸 床下浸水 563 戸 平成 21 年 8.9~10 台風9号 半壊 17 戸 床上浸水 41 戸 床下浸水 76 戸 土砂崩れ(岩木地区3箇所) 地層は上郡町とたつの市を結ぶ一帯に舞鶴層群、夜久野岩類、トリアス系等が分布する特 殊な地帯がある。特徴としては夜久野複合岩類からなる。また、古生層では粘板岩及び輝緑 凝灰岩、砂岩、レキ岩からなる。町南部は播磨花コウ岩が地表近くにみられる。 山地の植生は全域にわたってアカマツ林やクヌギ、コナラ林等の二次林が多い。 1-3.気候 気候的には瀬戸内海気候の地域であり、温暖で寒暑の差はそれほど大きくない。 年間気温は最高で 35 度前後、最低気温は氷点下に達することもあるが、平均で 15、6 度 程度である。年間の降水量は 1,000mm程度、日照時間は 2,000 時間程度で、全体的には生 活しやすい穏やかな気象条件にある。 気象状況(H20 年) 最高 最低 30℃以上 0℃未満 日数 日数 15.6 35.3 -2.8 66 45 71 2.7 1,020.0 2,064.7 ℃ ℃ ℃ 日 日 % m/s mm h 平均 最高気温 最低気温 日照時間 気温 湿度 (平均) 風速 (平均) 降水量 (合計)
2.社会的条件 2-1.歴史・沿革 上郡町では古くから千種川の清流を中心に人々の生活が展開されてきた。 古代より山陽道が町内を東西に走り、因幡街道や千種川との結節点として交通の要衝であ った。また郡衙や寺院、駅家が設置されるなど、赤穂郡の政治・文化の中心地として繁栄し てきた。落地で発掘された山陽道野磨駅家跡は非常に貴重な遺跡として国指定史跡となって いる。 中世には、赤松則村(円心)が白旗城を築き新田軍の攻撃に耐え抜くなど、室町幕府の成 立に貢献し播磨守護となった。その後赤松氏は播磨・備前・美作の 3 カ国の守護職として、 幕府政治に重きをなした。現在白旗城は国指定史跡として、堀切・土塁・石積などの防御施 設が残っている。 江戸時代中頃になると、現在の町域は分割統治されるようになり、幕末期には幕府、尼崎 藩、安志藩及び赤穂藩に 4 分割されていた。交通は千種川を利用した高瀬舟などの舟運が中 心であった。 明治期の町域内の各村は姫路県、次に飾磨県、そして兵庫県の管轄下におかれ、明治 22 年に5ヶ村(上郡村、高田村、鞍居村、船坂村、赤松村)に整理・統合された。 明治 24 年に山陽鉄道(現 JR 山陽本線)が開通、明治 28 年上郡駅が開業し、それに伴い 商業が次第に発達した。 第 1 次世界大戦以後、臨海部において近代産業が隆盛し、農村地域の労働力が都市に流出 を始め、農家の兼業化が進行した。第 2 次世界大戦以後もこうした傾向が一層進み、臨海工 業地帯のベッドタウン的性格を有することとなった。 昭和 30 年に上郡町(旧上郡町)、高田村、鞍居村、船坂村、赤松村が合併し、農業振興・ 農業構造改善施策を積極的に実施したが、農家の兼業化は止まらず、町内の基幹的労働力は 町外へ流出した。 このような中で、平成 2 年に工場立地促進条例を制定し、既存工業の振興を図るとともに、 西播磨テクノポリス建設による土地利用や自然環境と調和のとれた技術集積産業の誘致を 推進し、雇用の安定確保が図られてきた。 また、JR 山陽本線に加え、平成 6 年には智頭線が開通し、京阪神と鳥取を最短時間で結 ぶ交通の結節点として注目されてきた。 さらに近年では、市町合併等、従来の市町村の枞組みが変わりつつある中で、本町と赤穂 市及び岡山県備前市とで定住自立圏形成協定が締結され、一体的な圏域として広域的なまち づくりが期待されている。
2-2.人口・世帯の状況 ①人口及び世帯数 人口は減尐傾向にあり、平成 17 年の人 口は約 17,600 人で、平成 7 年からの 10 年間で約 7%減尐した。世帯数は依然とし て増加傾向にあり、平成 7 年から 10 年間 で約5%増加し、平成 17 年で約 5,800 世 帯となっている。 西播地域、県と比較すると、本町の人口 の減尐率は大きい。 人口・世帯数の推移 (資料:国勢調査) ②年齢階層別人口構成 年齢3区分別人口をみると、本町の 65 歳以上人口比率は平成 17 年で 24.2%、平成 7 年か ら 5.5 ポイント増加した。西播地域、県平均と比較すると、上郡町の高齢化率は高い。 年齢3区分別人口構成比の比較(H17 年) 上郡町の年齢3区分別人口推移 15歳 未満 15~ 64歳 65歳 以上 上郡町 13.4% 62.4% 24.2% 西播地域 14.3% 62.7% 22.8% 兵庫県 14.2% 65.6% 19.8% 18,849 18,419 17,603 5,853 5,817 5,552 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 H7年 H12年 H17年 人 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 世帯 人口 世帯 17.2% 15.0% 13.4% 64.2% 63.4% 62.4% 18.7% 21.6% 24.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% H7年 H12年 H17年 15歳未満 15~64歳 65歳以上 H7年 H12年 H17年 H17年 /H7年 H7年 H12年 H17年 H17年 /H7年 上郡町 18,849 18,419 17,603 0.934 5,552 5,817 5,853 1.054 相生市 36,103 34,320 32,475 0.900 11,967 11,964 11,847 0.990 赤穂市 51,426 52,077 51,794 1.007 15,880 17,527 18,275 1.151 宍粟市 47,685 45,460 43,302 0.908 12,784 12,989 13,069 1.022 たつの市 83,431 83,207 81,561 0.978 23,255 24,588 25,559 1.099 太子町 31,634 31,960 32,555 1.029 9,698 10,240 10,885 1.122 佐用町 23,341 22,337 21,012 0.900 6,585 6,611 6,515 0.989 西播地域計 292,469 287,780 280,302 0.958 85,721 89,736 92,003 1.073 兵庫県 5,401,877 5,550,574 5,590,601 1.035 1,871,922 2,040,709 2,146,488 1.147 人口(人) 世帯数(世帯)
③人口動態 人口の自然動態(出生者数、死亡者数)はこの 10 年間でほぼ一定で推移している。 社会動態については、転出者はほぼ一定であるが、転入者が減尐傾向にあり、新たな定住 者の減尐が人口減につながっていることがうかがえる。転入者の前住地では兵庫県内が約 2/3 を占め、その他の地域からの移動は尐ない。 人口の自然動態・社会動態 転入前の従前地 ④人口の流出入 流出・流入状況についてみると、流出者が約 1,000 人上回っている。 流出先では姫路市が最も多く、次いで隣接する赤穂市、相生市への移動が多い。流入先で は、たつの市からの通学者が目立つが、通勤者に限れば赤穂市、相生市、姫路市が多く、流 出先とほぼ同様の傾向がみられる。 流出、流入とも大部分が兵庫県内の移動で、隣接する岡山県とは特に強い結びつきはみら れない。 流出・流入人口 (資料:H17 年国勢調査、但し姫路市には当時の家島町、夢前町、香寺町、安富町を含まない) 通勤 通学 計 通勤 通学 計 3,702 384 4,086 兵庫県内 2,054 1,271 3,325 相生市 660 75 735 相生市 375 112 487 赤穂市 747 39 786 赤穂市 517 159 676 宍粟市 33 0 33 宍粟市 53 36 89 たつの市 504 25 529 たつの市 323 700 1,023 太子町 90 5 95 太子町 53 35 88 佐用町 380 16 396 佐用町 262 23 285 姫路市 1,008 83 1,091 姫路市 341 134 475 神戸市 112 77 189 神戸市 32 12 44 その他 168 64 232 その他 98 60 158 298 98 396 兵庫県外 66 11 77 大阪府 45 24 69 大阪府 11 2 13 岡山県 230 58 288 岡山県 42 6 48 その他 23 16 39 その他 13 3 16 4,000 482 4,482 2,120 1,282 3,402 兵庫県外 流出人口計 流 入 流入者計 流 出 兵庫県内 出生 死亡 自然増減 転入 転出 社会増減 H11年度 139 181 -42 569 626 -57 H12年度 128 192 -64 476 611 -135 H13年度 143 163 -20 542 644 -102 H14年度 134 174 -40 575 613 -38 H15年度 138 172 -34 479 606 -127 H16年度 137 180 -43 455 583 -128 H17年度 112 169 -57 497 587 -90 H18年度 119 181 -62 459 588 -129 H19年度 105 214 -109 450 542 -92 H20年度 109 191 -82 410 574 -164 自然動態 社会動態 (資料:住民課) 65% 7% 5% 5% 18% 兵庫県内 大阪府 岡山県 東京都 その他 (資料:H17 年国勢調査)
2-3.産業の状況 ①就業構造 平成 17 年の就業人口は約 8,000 人で、平成7年から約 11%減尐し、人口減尐に伴い就業 人口も減尐傾向にある。西播地域、県と比較すると本町の減尐率は大きい。 産業別人口比率をみると、平成 17 年では第3次産業が 61.5%を占め、平成7年から5ポ イント以上増加した。県平均と比較すると、西播地域は第2次産業の比率が高いが、その中 で本町は第3次産業の比率が高い。町内に一定の雇用を確保できる製造業等の企業が尐ない ことが影響していると考えられる。 就業人口の推移 (資料:国勢調査) 産業別就業人口比率(H17 年) 上郡町の産業別就業人口比率の推移 (資料:国勢調査) (資料:国勢調査) H7年 H12年 H17年 H17/H7年 上郡町 9,020 8,607 7,996 0.886 相生市 16,825 15,753 14,648 0.871 赤穂市 24,028 23,852 22,933 0.954 宍粟市 23,966 22,131 21,548 0.899 たつの市 40,327 38,924 37,710 0.935 太子町 16,077 15,719 15,372 0.956 佐用町 11,637 10,700 9,915 0.852 西播地域 計 141,880 135,686 130,122 0.917 兵庫県 2,604,791 2,598,880 2,553,965 0.980 36.6% 35.4% 33.9% 56.2% 58.9% 61.5% 4.3% 5.4% 7.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% H7年 H12年 H17年 第1次産業 第2次産業 第3次産業 第1次産業 第2次産業 第3次産業 上郡町 4.3% 33.9% 61.5% 西播地域 4.2% 38.0% 57.5% 兵庫県 2.5% 30.4% 68.2%
②農業の状況 ア)農家数 農家数のうち販売農家は約 54%、自給的農家が約 46%である。専業農家は約 11%を占 める。これらの比率は、周辺地域と比べてほぼ平均的なものである。 また、土地持ち非農家数が総農家数を上回っている。これは西播地域では上郡町だけに みられる特徴である。 農家数の状況 注)自給的農家:経営耕地面積 30a未満で、農産物販売金額 50 万円未満の農家 土地持ち非農家:農家以外で耕地及び耕作放棄地を 5a以上所有している世帯 イ)経営耕地面積 経営耕地面積は 753ha であり、その大部分は販売農家が所有している。一方土地持ち非 農家が所有する農地は 339ha あり、町内農地の 30%以上を占めている。 これら土地持ち非農家が所有する農地の大部分は農家に貸付されており、農家の規模拡 大が図られているが、耕作放棄地となるものも多く、耕作放棄地の約 70%を占めている。 経営耕地面積等 (単位:ha) 小計 専業農家 第1種 兼業農家 第2種 兼業農家 924 503 105 32 366 421 972 100.0% 54.4% 11.4% 3.5% 39.6% 45.6% 744 467 101 14 352 277 363 100.0% 62.8% 13.6% 1.9% 47.3% 37.2% 1,381 629 124 45 460 752 970 100.0% 45.5% 9.0% 3.3% 33.3% 54.5% 4,172 2,283 268 59 1,956 1,889 1,578 100.0% 54.7% 6.4% 1.4% 46.9% 45.3% 4,302 2,359 349 129 1,881 1,943 2,282 100.0% 54.8% 8.1% 3.0% 43.7% 45.2% 1,094 516 90 9 417 578 416 100.0% 47.2% 8.2% 0.8% 38.1% 52.8% 2,665 1,663 340 76 1,247 1,002 910 100.0% 62.4% 12.8% 2.9% 46.8% 37.6% 佐用町 赤穂市 宍粟市 たつの市 太子町 自給的 農家数 (参考) 土地持ち 非農家数 上郡町 相生市 市町村名 総農家数 販売農家数 (単位:戸) (資料:2005 年農業センサス) 販売農家 自給的農家 753 676 77 339 1,092 69.0% 61.9% 7.1% 31.0% 100.0% 19 10 9 41 60 31.7% 16.7% 15.0% 68.3% 100.0% 土地持ち 非農家 経営耕地 面積 計 農地面積 耕作放棄地 (資料:2005 年農業センサス)
販売農家の経営耕地面積についてみると、0.5~1.0ha が約半数を占める。西播地域、 県平均と比較すると、2ha 以上の大規模農家の割合が高い。 経営規模別販売農家数 ウ)農業生産額 農業産出額は減尐傾向にあり、H18 年で 1,120 百万円となっている。金額は周辺地域 と比較すると相対的に尐なく、町の主要産業とはなり得ていない。 販売金額別に販売農家数をみると、50 万円未満が約半数を占めている。西播地域の中 では比較的販売金額が大きい農家が多いが、県平均よりは尐なく、経営規模の大きさが高 い販売金額に結びついていない。 農業産出額の推移(百万円) 販売金額別販売農家数 32.4% 45.6% 33.1% 47.9% 42.6% 44.8% 10.3% 8.7% 18.0% 0.7% 0.4% 1.0% 2.9% 1.9% 4.2% 0.5% 0.9% 4.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 上郡町 西播地域 兵庫県 0.3ha 未満 0.3 ~0.5ha 0.5 ~1.0ha 1.0 ~2.0ha 2.0 ~5.0ha 5.0ha 以上 (資料:2005 年農業センサス) 販売なし 50万円 未満 50~ 100万円 100~ 300万円 300~ 500万円 500~ 1000万円 1000万円 以上 上郡町 30.6% 47.7% 8.3% 7.4% 1.8% 2.6% 1.6% 西播地域 39.0% 46.8% 7.2% 4.0% 1.0% 0.9% 1.0% 兵庫県 22.9% 40.1% 15.7% 13.0% 3.1% 2.8% 2.4% (資料:2005 年農業センサス) H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H18/H13 上郡町 1,344 1,367 1,214 1,267 1,220 1,120 0.833 相生市 665 630 608 524 520 500 0.752 赤穂市 3,537 3,431 3,255 3,191 3,920 3,650 1.032 宍粟市 2,790 2,686 2,634 2,564 2,840 2,700 0.968 たつの市 4,737 4,599 4,549 3,980 3,830 3,910 0.825 太子町 601 585 554 486 440 420 0.699 佐用町 4,800 4,935 4,329 3,860 3,450 3,270 0.681 (資料:兵庫県統計書)
③事業所数と製造品出荷額 大規模事業所が尐なく、製造品等出 荷額は西播地域の中で低いが、H15 年 以後は増加傾向にある。 事業所数についても、西播地域で最 も尐なく、周辺地域と同様に減尐傾向 にある。 周辺市町との比較(H20 年) (資料:工業統計) 注)従業員4人以上の事業所 製造品等出荷額を産業別にみると、プラスチック製造業が約 40%を占めている。次いで 食料品製造業、窯業・土石製品製造業が多く、この3業種が上郡町の主要業種となっている。 産業別製造品出荷額等(百万円) (資料:H20 年工業統計) 注)従業員4人以上の事業所 76 120 62 67 415 32 422 0.738 0.744 0.816 0.657 0.839 0.766 0.711 0 100 200 300 400 500 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつ の市 太子町 佐用町 H 20年事業所数 0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 0.800 0.900 伸び 率(H 20/ H 10) 119,203 76,075 26,834 155,280 268,382 385,962 36,269 1.757 1.139 0.853 1.216 0.904 0.974 0.806 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつ の市 太子町 佐用町 H 20年製造品等出荷額( 百万円) 0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000 1.200 1.400 1.600 1.800 2.000 伸び 率(H 20/ H 10) 食料品 製造業 繊維工業 プラスチック 製品製造業 窯業・土石 製品製造業 その他 計 5,450 48 14,745 1,989 14,037 36,269 15.0% 0.1% 40.7% 5.5% 38.7% 100.0% 上郡町 31 35 31 32 32 38 38 41 42 43 45 26,070 36,269 25,168 25,090 24,095 18,972 18,592 18,849 19,195 18,168 20,644 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 H10年H11年H12年H13年H14年 H15年H16年H17年H18年H19年H20年 事業所数 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 製造品等出荷額 (百万円) 事業所数 製造品等出荷額(百万円) 町工業の推移
④商業 小売業の年間商品販売額は、西播地域 で最も小さい。また、金額も減尐傾向に あり、減尐率は周辺地域の中で最も大き い。 事業所数も周辺地域と同様に減尐傾向 にある。 周辺市町との比較(H19 年) (資料:商業統計) 小売業売り場面積についても、大型商業施設が尐ないため、西播地域の中では最も面積 が小さい。 近年、新たに大規模小売店舗が開店したため、今後は面積の増加が見込まれるが、それで も周辺市町と比較すると低い水準にある。 178 311 511 593 806 296 281 0.871 0.806 0.781 0.831 0.843 0.766 0.777 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつ の市 太子町 佐用町 H 1 9 事業 所数 0.650 0.700 0.750 0.800 0.850 0.900 伸び 率( H 1 9 / H 1 1 ) 11,003 31,870 50,758 42,078 69,206 17,803 51,226 1.064 0.857 0.914 0.848 0.982 0.875 0.801 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつ の市 太子町 佐用町 H 1 9 年間商品販売額( 百万円) 0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000 1.200 伸び 率( H 1 9 / H 1 1 ) 178 191 208 229 11,260 11,003 13,082 13,738 0 50 100 150 200 250 300 H11年 H14年 H16年 H19年 事業所数 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 年間商品販売額 (百万円) 事業所数 年間商品販売額(百万円) 町小売業の推移 大規模小売店舗の分布 23,603 19,166 19,095 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 H14年 H16年 H19年 ㎡ 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつの市 太子町 佐用町 小売業売り場面積の推移
2-4.土地利用 ①土地利用現況 大半が山林・原野で占められ、千種川流 域の平坦地に市街地や集落、農地が分布し ている。 河川沿いの平坦地や集落周辺の平地部の ほとんどは、農業振興地域に指定されてい る。 市街地は上郡橋をはさんだ左岸地区と右 岸地区(中心市街地)及び高田台に形成さ れ、在来集落は主に河川沿いに点在してい る。 ②建築動向 現在の建物については、中高層建築物が 尐なく、ほとんどが低層住宅で占められて いる。 近年の建築着工動向をみると、年間 100 件前後で推移している。西播地域の中では 着工件数は尐ないほうである。 着工件数の内訳をみると、持家が 60%を 占める。県が分譲マンション主体の供給で あるのに対して、戸建住宅中心の供給とな っている。大部分は既存住宅の建替え、分 家住宅等であると推定できる。 60.1% 54.2% 26.2% 41.4% 35.4% 37.8% 31.3% 7.1% 3.5% 1.0% 0.9% 1.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 上郡町 西播地域 兵庫県 持家 分譲住宅 貸家 給与住宅 新設着工住宅の内訳(H16~20 年度) (資料:新設住宅着工統計) 106 180 121 49 98 113 110 168 120 66 0 100 200 300 400 500 600 700 800 H11年度 H12年度 H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 戸 上郡町 相生市 赤穂市 宍粟市 たつの市 太子町 佐用町 新設住宅着工件数の推移 (資料:新設住宅着工統計) 8.3% 80.0% 1.4% 6.8% 0.5% 3.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 田 畑 宅地 山林 牧場・原野 雑種地 地目別面積構成比(課税対象分) (資料:H20 年兵庫県統計書)
③農地転用状況 平成 14 年度から平成 18 年度までに 41 件の農地転用があり、平成 14 年度から 15 年度 にかけて 22 件と約 50%の転用が行われている。 平成 16 年度から 18 年度にかけては、件数が平成 14 年度の約 45~65%に減尐している。 【農地転用の推移】 (単位:㎡) 件数 面積 件数 面積 件数 面積 件数 面積 件数 面積 上郡小 尾長谷 1 612 1 250 2 608 山田 平野 1 321 大酒 1 779 1 270 2 461 1 296 1 384 中野 1 610 1 344 1 37 1 59 1 55 宿 1 474 休治 1 567 佐用谷 小野豆 奥 宇治山 1 2,306 1 353 神明寺 與井 1 647 1 1,629 3 2,537 西野山 1 29 2 659 釜島 正福寺 1 160 土井・土井の内 1 172 小山 赤松小 大枝 上栗原 1 55 下栗原 1 157 別名 1 1,094 岡 金内 2 167 名村 1 352 船坂1・2・3 2 791 1 440 梨ヶ原 落地 1 309 1 71 合 計 11 6,822 11 4,064 5 1,101 7 2,433 7 3,635 合計の指数 100.0 59.6 16.1 35.7 53.3 1件当たりの面積 620 369 220 348 519 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 船坂小 梨ヶ原小 平成14年 旧小学校区名 地区名 山野里小 高田小 鞍居小
2-5.交通体系 ①道路 幹線道路は南北方向に国道 373 号、東西方向に国道 2 号と主要地方道姫路上郡線、赤穂 佐伯線がある。さらに中心市街地においては、これに接続する形で主要地方道及び一般県 道が放射状に伸びて道路交通網を形成している。 国道 373 号は、上郡町を南北に縦断し、赤穂市において国道 2 号に連絡している。 (主)姫路上郡線は、姫路市よりたつの市、相生市を経て上郡町の市街化区域の南部を 横断し、南西部で国道 2 号に接続している。 (主)赤穂佐伯線は、南は赤穂市を通る国道 250 号に発し、国道 2 号を経て上郡に入り、 中心市街地を通って北西方向の山地部から岡山県に抜けている。 また、テクノポリスとは、(主)上郡末広線で結ばれている。 ②公共交通 鉄道は JR 山陽本線が東西に、上郡駅を起点とする智頭線が南北に走っている。平成6年 の智頭線の開業により、上郡駅の乗車人数は大きく増加したが、平成 10 年度をピークに近 年は微減状況にある。 乗車人数のうち普通(定期外)利用者は 1,800 人前後でほぼ一定で推移しているが、定 期利用者が減尐傾向にあり、この 10 年で 20%以上減尐した。 このような状況の中で平成 17 年に「上郡駅利用促進協議会」が設立され、住民一人ひと りの利用促進と増便等による駅の利便性向上に向けた活動が展開されている。 智頭線については、上郡駅、苔縄駅、河野原円心駅が町内にあり、普通列車は一日 17 本(平日)運行されている。 バスについては、神姫バスが上郡駅から高田台方面、赤穂方面、播磨科学公園都市方面 を運行している。佐用方面の路線は平成 21 年 10 月で休止となった。 JR 上郡駅乗車人数の推移 (資料:兵庫県統計書) 1,812 1,799 1,793 1,827 1,882 1,887 1,848 1,852 1,903 1,820 1,792 1,643 1,669 1,787 1,798 1,747 1,634 1,629 1,547 1,482 1,463 1,444 1,424 1,403 3,547 3,488 3,585 3,539 3,447 3,428 3,340 3,309 3,344 3,331 3,272 3,255 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 H8年度 H9年度 H10年度 H11年度 H12年度 H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 人 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 人 普通 定期 計
2-6.法規制 ①土地利用規制 都市計画区域は、JR 上郡駅周辺市街地と川東市街地部の上郡地区、及び高田台地区が西 播都市計画区域に、テクノポリス周辺が西播磨高原都市計画区域に指定されている。このう ち線引きが行われているのは西播都市計画区域であり、市街化区域面積は 304ha で、都市計 画区域 6,357ha の 4.8%、町域面積 15,028ha の 2%にすぎない。 農業振興地域は、市街化調整区域の平地部の河川沿いの農地や集落を中心に指定されてお り、その大部分が農用地の指定を受けている。 自然環境保全地域と環境緑地保全地域は、山野里地区・鞍居地区・船坂地区の4箇所の寺 社林が指定されている。 砂防指定地は町内河川の各支流や山地部に、河川保全区域は千種川に、宅地造成等規制区 域は町の北東部に指定されている。 保安林は、尾長谷・上郡・神明寺・竹万・八保北部付近等の山林に、水源かん養保安林、 土砂流出防備保安林等が指定されている。 ②用途地域指定状況 用途地域の指定状況については、西播都市計画区域に含まれる区域の大部分は住居系用途 が指定されており、西播磨高原都市計画区域では工業系が中心の用途指定がなされている。 用途地域指定状況 (単位:ha) 89.0 29.3% 89.0 16.3% 63.0 20.8% 42.0 17.3% 105.0 19.2% 26.0 8.6% 26.0 4.8% 83.0 27.4% 83.0 15.2% 13.0 4.3% 24.0 9.9% 37.0 6.8% 22.0 7.3% 22.0 4.0% 0.0% 8.5 3.5% 8.5 1.6% 7.3 2.4% 71.0 29.3% 78.3 14.3% 97.0 40.0% 97.0 17.8% 0.0 0.0% 0.0 0.0% 0.0 0.0% 303.3 100.0% 242.5 100.0% 545.8 100.0% 304 5.7% 304 2.0% 5,066 94.3% 5,066 33.7% 5,370 100.0% 987 6.6% 6,357 42.3% 8,671 57.7% 15,028 100.0% 工業専用地域 第1種中高層住居専用地域 第2種中高層住居専用地域 第1種住居地域 第2種住居地域 近隣商業地域 都市計画区域外 行政区域面積 第1種低層住居専用地域 市街化区域面積 市街化調整区域面積 都市計画区域面積 商業地域 準工業地域 工業地域 用途地域面積 西播都市 計画区域 西播磨高原 都市計画区域 (非線引き) 計
③ 法指定区域状況 本町においては、都市計画法、農業振興地域整備に関する法律、森林法等に基づく地域地区 が指定されている。 ■ 法指定状況 地域地区等の名称 指定年月日 根拠法令等 農業振興地域 S45.4.13 農業振興地域整備に関する法律 農業振興地域内農用地区域 S45.4.13 農業振興地域整備に関する法律 都市計画区域 S46.3.16 都市計画法 揖保川地域森林計画 H20.12.28 森林法 上郡町森林整備計画 H21.2.26 森林法 自然環境保全地域 S51.3.12 兵庫県の環境の保全と創造に関 する条例 土砂災害警戒区域 H22.3.30 H23.1.14 土砂災害防止法 山地災害危険地区 - - 砂防指定地 - 砂防法
2-7.都市計画施設等の整備状況 上・下水道 水道普及率は平成 20 年度で約 98%となっており、年々整備が進んでいるが、県平均(99.8%) と比較するとわずかに下回る状況にある。 上水道の普及状況 上水道 簡易水道 合 計 管内人口(人) 16,883 現在給水人口(人) 16,468 75 16,543 (H20 年度水道施設現況調書、兵庫県 HP より) 公共下水道は、平成 11 年4月に供用開始され、各家庭の下水道接続率も順調に進捗してい る。公共下水道等の接続が不可能な地域では、合併処理浄化槽の整備が進捗中である。 公共下水道計画の概要 処理場名 上郡浄化センター 全 体 認 可 計画区域(ha) 402.6 402.6 計画人口(人) 14,000 13,800 計画汚水量(日平均㎥/日) 5,513 5,283 計画汚水量(日最大㎥/日) 7,414 7,153 計画汚水量(時間最大㎥/日) 10,978 10,517 計画処理能力(日最大㎥/日) 7,414 7,153 計画流入水質 BOD(mg/ℓ) 210 210 処理方式 オ キ シ デ ー シ ョ ン デ ィッチ法 オ キ シ デ ー シ ョ ン デ ィッチ法 (上郡町) 下水道整備現況図
3.上位関連計画の位置づけ 3-1.西播都市計画区域マスタープラン(平成 22 年 4 月決定) 西播都市計画区域マスタープランの「都市計画に関する方針」から、上郡町に関連する 分野についての基本方針を下表のとおり抽出・整理する。 分野 内容 整備の方向 土地利用 基本方針 ○JR 上郡駅周辺地区においては、都市基盤整備を進め、商業業務 施設の集積を促進し、にぎわいの創出を図る。 都市交通 道路 ○鉄道駅の交通結節点において、鉄道、バス、タクシーなど交通機 関相互の乗り換えの利便性を向上するため、JR 上郡駅の駅前広 場の整備を推進する。 都市環境 公園・緑地 ○市街地においては、史跡・文化財と一体となった緑地、社寺林、 都市内に残る里山等を利活用する。 下水道・ 河川 ○生活環境の改善と海や河川の水質向上を図るため、各市町の「生 活排水処理計画」に基づく下水道整備を進める。 ○河川改修にあたっては、地域の歴史・文化にも配慮し、生物の生 息・生育環境や多様な河川景観を保全・再生する多自然川づくり を進める。 市街地整備 市 街 地 整 備の方針 ○密集市街地においては、道路・公園等の公共施設整備と建築物の 耐震化・不燃化を一体的に進め、災害に強い市街地の整備を図る。 ○上郡駅周辺については、中心市街地として、歩行者空間のネット ワーク化や交通結節点整備を進めるため、駅前広場や道路を整備 することにより、交通体系を再整備するとともに、魅力ある商業 施設等の機能の導入と高度利用、住宅と福祉等の生活施設整備等 を図る。 都市防災 浸水対策 ○都市化の進展による雤水流出量の増大や集中豪雤などにより、都 市の浸水被害のおそれが高まっていることから、千種川をはじめ とする河川の治水安全度の向上を推進する。 上郡町
3-2.第4次上郡町総合計画(平成 18 年 9 月策定) 「清流と緑につつまれた、創造性豊かな田園文化都市~川の都づくり」を将来像とし、 平成 27 年の目標人口を 17,500 人と設定している。 将来像を実現するための5つの柱のうち、「元気とにぎわいを生み出すまちづくり」に おいては、自然や歴史と調和のとれた土地利用計画にもとづき、「都市基盤等の整備」と 「定住環境の整備」を進めるとしている。 また、「豊かな自然を活かした魅力あるまちづくり」においては、工業で工業用地の確 保・企業誘致と雇用の確保が、商業で駅前整備、既存商店街の再編成や商業施設の整備が 示されている。 土地利用については、上郡町内を8つのゾーンに区分し、土地利用ゾーニング図を下図 のように設定している。
3-3.上郡町都市計画マスタープラン(平成 23 年 3 月策定) 上郡町では、平成 11 年(1999 年)3 月に都市計画マスタープランを策定し、平成 23 年 3 月に見直しを行い、地域の特性を活かしたまちづくりを推進するための指針としている。 (1)目標年次と目標フレーム ●目標年次:平成 32 年 ●目標人口:16,400 人 (2)まちづくりの将来像
-自然・人・まちが交流のなかで共に創る田園文化都市-
(3)まちづくりの視点と目標 (4)土地利用方針図 <まちづくりの視点> ○人口流出を防ぎ、新しい人を受け入れるま ちづくりを進める ○千種川をまちのシンボルとして活用し、ま ちの個性化を進める ○交流人口を活用してまちの活性化を進める ○災害予防やコミュニティの活性化を図り、 安全・安心のまちづくりを進める <まちづくりの目標> ●誰もが安心して快適な生活を実感できる まちづくり ●豊かな自然と歴史を生かした個性あるま ちづくり ●若年者の働く場所が確保された活力ある まちづくり ●交流人口の拡大による人が行き交うまち づくり3-4.上郡町農業振興地域整備計画(平成 20 年 1 月策定) (1)地域の振興の方向 ・稲作を主軸に、転作作物の麦・大豆の拡大により農家経済の安定化を図る。 ・ナス・メロン・その他園芸作物の軟弱野菜の生産を高齢者及び婦人グループを中心に 振興し、産地化を目指す。 ・農業基盤の整備を積極的に実施し、営農意欲の高い中核的農家を育成し、生産流通の 合理化、再編を目指す。 ・青年層の農業従事者が減尐し、高齢化が深刻な問題になっていることから、後継者の 確保とプロの農業者として意欲を持って営農を行う担い手の育成を重要な課題とする。 (2)農業生産基盤の整備開発計画 主要河川の流域平坦部から山間部に至る耕地は水田で占められ、上郡地区を除いたほ とんどがほ場整備完了地区である。 農業生産基盤の整備・開発についての基本的な方向は、高能率機械が効率的に駆使で き水管理が適切に行われるとともに、ほ場整備・農道及び用排水施設の整備・農用地の 集団化を促進し、ほ場への機械生産資材の搬入等が円滑にできる優良農地を確保する方 針である。 (3)生活環境施設の整備計画 ①生活環境施設の整備の目標 兼業化・混在化が進み、農業従事者の高齢化が進行する中で、兼業農家と専業農家・ 非農家間との連携を深めながら、コミュニケーションにより活力ある村づくりを形成す る必要があることから、農業構造の改善を促進し良好な生活環境を確保するため、公共 的な生活環境施設をはじめ、農業者の福祉向上・健康増進を図り生活の質の豊かさの実 現を図り、農村地域への定住化を促進する。 ②生活環境施設の整備計画 農村地帯を住みやすい地域とするため、安全性・保健性・快適性及び文化性の観点か ら改善し、生活環境の整備を図る。 ・優良農地の保全に配慮し、住居の整備や公共施設の整備 ・ほ場整備と併せた生活雑排水処理施設の整備を計画的・一体的に進める。 ・自然的資源の循環利用を促進し、自然の景観を損なわないようにする。
3-5.上郡町一般廃棄物処理基本計画(平成 22 年 10 月策定) (1)計画目標年次 ○基準年度 平成 19 年度 ○中間目標年次 平成 26 年度 ○長期目標年次 平成 34 年度 (2)減量及び再資源化目標値の設定 ①ごみ発生抑制に関する目標 ア)家庭系ごみ ・1人 1 日平均排出量(排出原単位)を 17%削減 イ)事業系ごみ ・年間排出量を 31%削減 ②リサイクルに関する目標 ・兵庫県の目標値と同様 25%とする。 ③最終処分量の削減に関する目標 ・兵庫県の目標値と同様 31%とする。 ④焼却処理量の削減に関する目標 ・最終処分場の削減量と連動して 31%とする。 (3)減量化・再資源化計画 ①家庭及び事業所におけるごみ減量化・再資源化の促進 ②学校教育による環境学習 ③家庭系ごみ減量化促進 ④事業系ごみ減量化促進 ⑤集団回収の促進(自治会単位での援助金交付) ⑥個別の資源化 ⑦リサイクルの促進 ⑧容器包装廃棄物の排出抑制策 ⑨にしはりま環境事務組合が建設する循環型社会拠点施設に伴う対応策
第2章 土地利用の地域分類
1.土地利用規制の弱い地域等の抽出
都市、農地、森林、自然保全の4地域に係る個別法等の規制地域・区域の指定状況を確認 し、調整青地地域、調整白地地域、調整無地地域を抽出した。町域における個別法の規制と しては、農業、森林に係る規制が係わっており、その中で土地利用規制の弱い地域を抽出し た。(次頁「土地利用規制状況図」参照) ・調整無地地域:平地には農業振興地域が定められており、山林部には地域森林対象民有 林があり、その間のわずかな区域のみである。 ・調整白地地域:平地部は建物がある集落の周辺部であり、また、ほ場整備がなされてい ない区域が一部この区域となる。山林部は国有林、自然公園と保安林を 除く区域であり、山林部の多くがこの区域となっている。 【土地利用規制状況(都市計画法を除く)による分類】第3章 地域住民の意向把握
1.調査実施要領 (1)調査年月日 ・平成 21 年 10 月 30 日~11 月 10 日 (2)調査対象 ・都市計画区域内に居住する全世帯 (3)調査方法 ・自治会による直接配布直接回収(回答者が調査票を自治会に持参) 注)光都地域の一部は郵送による回収 (4)配布数と回収率 ・配布数:5,071 通 ・回収数:3,438 通 ・回収率:67.8% 2.調査結果 (1)回答者特性 回 答 率を 地域 別 にみ ると 、 梨ヶ 原地 区 が 96.1%で最も高く、次いで船坂地区 88.2%で関 心の高さがうかがえる。 播磨科学公園都市である光都地域は、回収率 が 15.4%と最も低い。 本アンケートのなかで、職業を「農業」と回答した方のみを抽出して、現況や将来の意向等 については以下のとおりである。 (2)農家について ①農業の経営形態 「農業は他人にまかせている」が約 半数で最も多く、次いで「自家消費分 だけ」が 23.5%、兼業農家」が 15.3% となっている。農地を所有していても 他の農家に作業委託しているものが多 く、販売農家は非常に尐ない。 自家消費分だ け 23.5% 兼業農家 15.3% 専業農家 5.6% その他 5.3% 農業は他人に 任せてる 50.2% 地域名 配布数 回収数 回収率 川西地域 1,926 1,315 68.3% 川東地域 999 574 57.5% 高田地域 1,510 1,096 72.6% 船坂地域 346 305 88.2% 梨ヶ原地域 128 123 96.1% 光都地域 162 25 15.4% 合計 5,071 3,438 67.8%②農業の継続意向 農家全体では、「できるところまで継続する」が 32.6%で最も多く、「貸しても良い」 が 20.4%となっている。 経営形態別にみると、専業農家、兼業農家では、自分でできる限り継続し、その後は家 族とに継続するという傾向がうかがえ、廃業等を考えているものは 10%程度である。自 家消費分だけの農家についても、できるだけ継続したいという意向であるが、専業・兼業 農家に比べて廃業等の意向が高くなっている。また、既に他人に農作業等を委託している ものは、引き続き委託を続けたい意向である。 ③農地賃貸の条件 前問で「自分の代でやめる予定」または「貸しても良い」と回答した方に、農地賃貸の 条件をみると、できれば農地法人に借りてほしいが、農業をやりたい人なら誰でも良いと いう傾向があり、農作業の委託が必ずしも農業経営規模の拡大につながるという予測はし にくい。 また、農地を譲渡したいというものも多いが、農地を持っていてもすでに農業に係って いないものは農地の譲渡への抵抗は尐ないと考えられる。 できるところ 家族などが 近隣営農者に 自分の代で まで継続 が継続予定 耕作し、継続 やめる予定 45 6 0 4 0 1 56 80.4% 10.7% 0.0% 7.1% 0.0% 1.8% 100.0% 101 13 13 14 8 2 151 66.9% 8.6% 8.6% 9.3% 5.3% 1.3% 100.0% 139 20 12 41 15 1 228 61.0% 8.8% 5.3% 18.0% 6.6% 0.4% 100.0% 農業は他人に 19 11 205 69 160 6 470 任せている 4.0% 2.3% 43.6% 14.7% 34.0% 1.3% 100.0% 3 1 0 6 9 19 38 7.9% 2.6% 0.0% 15.8% 23.7% 50.0% 100.0% 自家消費分だけ その他 貸してもよい その他 合計 専業農家 兼業農家 賃貸の条件 (最も重視するもの) 件 2(0.7%) 55(19.0%) 71(24.6%) 61(21.1%) 11(3.8%) 35(12.1%) 32(11.1%) 22(7.6%) 0 20 40 60 80 100 その他 農地を譲渡したい 賃貸はいいが、譲渡はしたくない 誰も引き受けてくれない 工場やスーパーなら 定年を機に本気でやろうとしているなら 農業法人が借りてくれるなら 農業をやりたい人なら
④宅地化について 新しく農業に従事する人のために集落周辺の農地を住宅用地に転換することについて は、「計画的にするなら賛成」が約 60%を占める。「宅地化反対」は 16%程度で、全体的 には、農業後継者のために農地の宅地化を進めることについての抵抗は尐ないといえる。 また、農地の交換についての希望は尐なく、農地や宅地の集約化については余り考えら れていないといえる。 ⑤後継者について 「決まっていない」が約 60%を占める。後継者が確保できているものは、就業予定者も含 めて 20%程度である。 29(3.3%) 39(4.4%) 547(61.5%) 130(14.6%) 144(16.2%) 0 200 400 600 800 その他 集落周辺の農地を他の農地と交換したい 宅地化反対 計画的にするなら賛成 賛成 件 件 40(4.1%) 592(60.6%) 130(13.3%) 56(5.7%) 159(16.3%) 0 200 400 600 800 その他 決まっていない 耕作者を斡旋してくれれば提供する 予定の者がいる 決まってる
第4章 土地利用上の問題点の把握・分析
上位・関連計画、農業従事者の意向や市街化調整区域の現状等から、本町の市街化調整区 域における土地利用の問題点・課題を整理すると以下のとおりである。 1.土地利用上の問題点 (1)農村集落の環境改善と人口減尐への対応 ①農業人口の減尐や農業従事者の高齢化が進展し、地域の活力の減退やコミュニティの維 持が困難となってきている。 ②土地持ち非農家数が多く、その多くは近隣農家に耕作委託をしている状況であるが、農 業従事者の減尐に伴い、耕作放棄地が拡大するおそれが高い。 ③市街化調整区域では新たに土地を取得して住宅を新築することが難しいため、既存集落 では世帯分離のための住宅等の基準を満たす開発行為でなければ住宅を建築すること ができない状況であり、集落人口を維持するのが困難である。 (2)農業地域における空き地の適切な土地利用の誘導 ①本町では、農振農用地区域外において養鶏場跡地や工場移転跡地などが目立ち始めてお り、実態として宅地利用していることから、景観形成上の視点も含め、適切な土地利用 を規制誘導していくことが求められている。 ②小学校の統廃合に伴い、市街化調整区域内の小学校2校が廃校となったことから、地域 の活性化に資するよう校舎や敷地の有効活用が求められている。 (3)自然環境の保全 上郡町は、本町のシンボルである千種川がまちの中心部を流れ、市街化区域の後背地に は緑豊かな丘陵地や田園風景が広がるなど、本町は豊かな自然に囲まれたまちである。 また、千種川の支流では貴重種が生息していることから本町では良好な自然環境の維持 が求められるところである。 しかしながら、一方では近年の洪水被害については山林の維持管理が適切に行われてい ないことが被害拡大に影響する可能性もあり、豊かな自然環境を有する本町では、自然環 境の適切な維持管理や市街化調整区域における無秩序な開発を防止するとともに、新たな 開発については計画的に進めることにより、本町の豊かな自然環境を後世に引き継いでい くことが求められている。2.地域別(旧小学校区)の現況及び問題点 (1)上郡地区 千種川東岸で鞍居川の流域に開け、国道 373 号が西端部を南北に通り、国道 373 号から 播磨科学公園都市へ至る上郡末広線が東西に通っており、密集市街地や公共施設が集積し ている市街化区域と、鞍居川北岸に比較的まとまって広がる農地とその周辺の集落で構成 されている。市街化区域以外はほとんど水田を形成している地区であるが、ほ場整備未実 施地区であり農業生産性は低く、市街地に近いこともあって住農が混在し宅地化が進んで いるため、土地利用の混在に対応した適切な誘導が必要である。 (2)山野里地区 千種川と安室川が合流する氾濫原に形成され、JR上郡駅を中心とする商業系市街地と これを囲む住居系市街地の市街化区域、その周辺の農地や集落で構成されている。市街地 に隣接した地区や幹線道路沿道地区の土地利用転換が進みつつある。また、上郡中学校の 周辺に市街化区域が拡大する可能性があることから、都市的土地利用の適切な誘導が必要 である。 (3)高田地区 千種川東岸に位置し、国道 373 号が西端部を南北に通り、姫路上郡線が地区中央部を東 西に通っており、計画的に開発された住宅地を形成している飛び地の市街地と、まとまっ て広がる農地とその周辺の集落で構成されている。市街化区域以外の大部分は水田であり、 ほとんどがほ場整備済みである。農地利用の適正化を図り、労働生産性の向上や経営規模 の拡大を促進し、農業経営の安定化を図ることが求められていることから、農業後継者確 保のために計画的な住宅建設を推進する必要がある。また、集落地区における低未利用地 ついては集落活性化促進地として地域活性化となる活用方法を検討する必要がある。 (4)鞍居地区 千種川支流である鞍居川沿岸に集落を形成し、背後は丘陵地となっており、ほ場整備も 完了している。中核農家を育成し、土地利用の高度化・機械化を推進し、収益性の高い農 業経営の推進を図る必要があることから、農業後継者確保のために計画的な住宅建設を推 進する必要がある。 (5)赤松地区 国道 373 号線および千種川流域と岩木川流域に農地と集落が広がっている状況である。 ほ場整備が完了している地区であり、機械化の推進などによる農業の近代化を図り水田農 業の確立が求められている地区であることから、農業後継者確保のために計画的な住宅建 設を推進する必要がある。 (6)船坂地区 安室川に沿って開けた地域で、上郡町中心部を通り岡山県へと通じる赤穂佐伯線が東西 方向に通っている。平坦な農地が大半を占め、集落が点在し比較的大きな工場が立地して いる。農地の流動化を図り中核的担い手農家を育成する必要があることから、農業後継者 確保のために計画的な住宅建設を推進する必要がある。また、小学校の統廃合により船坂 小学校が廃校となり規模の大きい遊休地が出現することや、養鶏場跡地も存在することな どから、地域の活性化を進める土地の活用が求められている。
(7)梨ヶ原地区 山林が多くを占め、国道 2 号線及び梨ヶ原川沿いに農地と集落が広がっている。農地の 流動化を図り中核的担い手農家を育成する必要があることから、農業後継者確保のために 計画的な住宅建設を推進する必要がある。また、小学校の統廃合により梨ヶ原小学校が廃 校となり規模の大きい遊休地が出現することや、国道 2 号沿いは流通業務系の土地利用を 図れることから、地域の活性化を進める土地の活用が求められている。
第5章 土地利用計画
1.土地利用の基本方針 1-1.集落居住環境の維持・保全 ・市街化調整区域では、尐子高齢化や人口減尐・流出に伴い、農業の後継者不足や将来の地 域コミュニティを支える年代が減尐している。このため、自然豊かな集落環境を維持・向 上することにより地域の魅力向上を図り、UIターン希望者が非農用地等へ住宅の建築を 行えるように集落としての受け入れ体制を整備する。 ・地区外地権者が所有する耕作放棄地や遊休農地を活用し、産業としての農業が成り立つよ う、農業の6次産業化などを推進する。 ・地区内居住者による集落景観維持のためのルールづくりなど、集落での居住環境の改善の ための地域によるまちづくりを積極的に推進する。 1-2.優良農地の保全 ・市街化調整区域の広大な優良農地は、食糧生産の重要な場であるとともに、美しい田園風 景を形成する重要な資源である。従って、集落周辺部や幹線道路沿道部における農地の無 秩序な開発を抑制し、優良な農地と美しい田園風景の保全を図る。 ・都市と農村の交流による地域活性化のため、地域資源を有効に活用した観光農業を促進し、 就業機会の確保と農産物の販路拡大を図る。 1-3.適正な土地利用の推進 ・市街化調整区域では、耕作放棄地や養鶏施設の跡地が目立つようになっている。特に養鶏 場跡地については、一団の低未利用地であるため、地域の活性化を進める土地の活用を図 る。 ・小学校の統廃合に伴い、学校敷地及び校舎の有効活用が求められており、校区内に立地す る集落の活性化を進める土地の活用ができるよう、住民との協働による新たな土地利用を 推進する。2.土地利用区分(ゾーン区分)の設定 2-1.土地利用区分の基本的な考え方と誘導方針 市街化調整区域の土地利用の基本方針を踏まえ、土地利用状況、個別規制法の指定状況等 を考慮して、土地利用の骨格となる基本区域を定めるものとする。 (1)基本区域 ①保全区域 保全区域は、森林や里山、神社境内樹林地などの良好な自然環境の保全を図るべき区 域、森林などの多様な公益機能を考慮し、地域の貴重な資源として、自然環境、生態系 などの保全、土地の形質などの保全を図るべき区域に設定する。この区域は、原則とし て土地利用の転換を認めない。また、豊かな自然を活用するためのレクリエーションな どを目的とした小規模な施設整備については、周辺環境との調和を満たす場合に限り可 能とする。地域住民のかけがえのない資源は、維持保全する。 ②森林区域 森林区域は、森林としての土地利用を通じて、森林が持つ多面的な機能の発揮を図り、 森林としての地域環境の形成を図るべき区域に設定する。この区域は、都市的土地利用 や開発、施設整備については抑制する。また、森林資源を活かし、自然とのふれあいを 目的とした文化、レクリエーションなどの場を提供する。 ③農業区域 農業区域は、農業の振興を図るとともに、農業の営みを通じて農地が持つ多面的な機 能の発揮を図るべき区域に設定する。この区域については、優良農地を保全するため、 農業生産活動や集落と関連のない土地利用や開発、施設整備のための土地利用転換は抑 制する。また、観光農業など、豊かな田園環境を活かした体験や交流の場を提供する。 ④集落区域 集落区域は、既存の住宅を中心に、良好な生活環境の保全と創造を図るべき区域、生 活の利便性や快適性を得るために、区域における生活関連施設や公共公益施設などの効 率的整備を促進し、より良い居住環境の形成に配慮すべき区域に設定する。 この区域については、農業生産活動や集落との関連がなく、良好な集落環境の形成に 支障を及ぼすような都市的土地利用や開発は抑制する。 また、商業・業務施設については、日常生活用品の販売など小規模なものとする。さ らに、既存集落のコミュニティーと一体となった計画的な住宅供給については、可能と し、周辺環境と調和したゆとりのある生活空間の保全に配慮した、低層住宅を主とした 建築物の誘導を図ることを基本とする。
⑤特定区域 特定区域は、地域の活性化を図り、周辺環境に配慮しつつ、一定の開発を計画的かつ 適正に誘導すべき区域に設定する。 この区域は、他の区域では許されない土地利用について、周辺営農環境、生活環境及 び田園景観などとの調和が図られ、また、地域の活性化に資するものは許容する。さら に、快適でゆとりのある居住空間を備えた、一定のまとまりのある住宅地の形成につい ては可能とし、雇用の場の創出や定住促進に資する生産流通、商業などの産業立地を可 能とする。
2-2.土地利用区分設定の基準と誘導方針 土地利用区分及び設定基準、誘導方針を以下に示す。 (1)保全区域 保全区域は、以下に示すものに該当する区域について設定することを基本とする。 ①個別規制法等に基づく区域 規制の強い地域(調整青地地域)の内の、 ・国有林の区域及び森林法に基づく保安林、保安施設地区 ・文化財保護法に基づく史跡、名勝、天然記念物 ・砂防法に基づく砂防指定地の砂防の施設 規制の弱い地域(調整白地地域)の内の、 ・県の環境の保全と創造に関する条例に基づく自然環境保全地域 ②良好な自然環境を有する里山、丘陵、河川、ため池、保全すべき緑地等 ③社寺境内地、鎮守の森等の貴重な区域 ④公益的機能が高い森林、樹林地等の保全すべき緑地 (2)森林区域 森林区域は、保全区域に該当しない森林で、以下に示すものに該当する区域について設定 することを基本とする。 ①個別規制法等に基づく区域 規制の弱い地域(調整白地地域)の内の、 ・森林法に基づく地域森林計画対象民有林の保安林以外の森林(鳥獣保護区、砂防指定 地も含む) ②林業の振興に必要な森林 ③一体のまとまりのある森林 ④自然とふれあう場として整備された区域、あるいは整備すべき区域などの、憩いの空間 の確保が可能な区域 ⑤現在、森林ではないが(土取場、荒れ地等)、将来的に一体のまとまりある森林に戻すべ き区域 (3)農業区域 農業区域は、農業の振興を図るべき区域で、以下に示すものに該当する区域について設定 することを基本とする。 ①個別規制法等に基づく区域 ○規制の強い地域(調整青地地域)の内の、 ・農業振興地域の整備に関する法律に基づく農用地区域(農振青地地域) ○規制の弱い地域(調整白地地域)の内の、 ・農業振興地域の農用地区域以外(農振白地地域) ・農地法による甲種農地及び第1種農地
④現在、農業生産は行われていないが(耕作放棄地、荒れ地等)、農業振興を図るべき区 域 (4)集落区域 集落区域は、既存の集落及びこれを中心として集落のコミュニティを形成すべき区域で、 以下に示すものに該当する区域について設定することを基本とする。 ①連たんして集落形成がなされている既存集落の区域 ②既存集落の拡張が見込まれる区域 ③集落における生活関連施設や小規模な商業施設等を適切に立地させる必要がある区域 ④個別規制法等に基づく区域 ○農業振興地域の整備に関する法律に基づく農用地区域(農振青地地域) 農用地区域、甲種農地及び第 1 種農地(以下「農用地区域等」という。)のうち、次 のいずれかに該当するものは、区域に含めることができる。 なお、農用地区域等を含むこととなる場合は、指定図面中に「※集落区域内にある 農用地区域、甲種農地、第1種農地及び森林法で指定した保安林等(保安林、保安施 設地区)は、区域内から除く。」ことを明記する。 ア)集団農地を構成していない農用地区域等で、かつ明確な地形地物で囲まれている もので、以下のいずれかに該当する小規模なもの。なお、ここでいう明確な地形地 物とは、幅員が概ね(注1)1.8m以上の道路又は水路、もしくは山裾のことをいう。 (ア) 地縁者・新規居住者の住宅区域、地縁者の小規模事業所区域に含めようとす る土地改良事業受益区域外の農用地区域等の面積が概ね(注1)1.0ha 以下である もの。 (イ) 地縁者・新規居住者の住宅区域、地縁者の小規模事業所区域に含めようとす る土地改良事業受益区域内の農用地区域等の面積が概ね(注1)0.3ha 以下である もの。 イ)周囲のほとんどが宅地で囲まれた農用地区域等、もしくは住宅に挟まれた農用地 区域等で、当該農用地区域等を区域から除くと地縁者の住宅区域が著しく不整形と なるもの。ただし、この場合も、当該農用地区域等は、上記ア)に定める小規模な ものとする。 ○農業振興地域の農用地区域以外(農振白地地域) 土地改良事業を実施した地域(実施中で換地計画が確定している地域を含む)にお いて、非農用地とされた低未利用地で、建築物の敷地としての土地利用が見込まれる 土地は、区域に含めることができる。 ○個別規制法(農業振興地域の整備に関する法律、森林法等)に基づく土地利用規制の 無い地域(調整無地地域)の内の、 ・上位計画で都市的土地利用の誘導を位置づけられた地域