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(1)調査年月日

・平成 21 年 10 月 30 日~11 月 10 日 (2)調査対象

・都市計画区域内に居住する全世帯 (3)調査方法

・自治会による直接配布直接回収(回答者が調査票を自治会に持参)

注)光都地域の一部は郵送による回収 (4)配布数と回収率

・配布数:5,071 通

・回収数:3,438 通

・回収率:67.8%

2.調査結果 (1)回答者特性

回 答 率を 地域 別 にみ ると 、 梨ヶ 原地 区 が 96.1%で最も高く、次いで船坂地区 88.2%で関 心の高さがうかがえる。

播磨科学公園都市である光都地域は、回収率 が 15.4%と最も低い。

本アンケートのなかで、職業を「農業」と回答した方のみを抽出して、現況や将来の意向等 については以下のとおりである。

(2)農家について

①農業の経営形態

「農業は他人にまかせている」が約 半数で最も多く、次いで「自家消費分 だけ」が 23.5%、兼業農家」が 15.3%

となっている。農地を所有していても 他の農家に作業委託しているものが多 く、販売農家は非常に尐ない。

自家消費分だ け 23.5%

兼業農家 15.3%

専業農家 5.6%

その他 5.3%

農業は他人に 任せてる

50.2%

地域名 配布数 回収数 回収率

川西地域 1,926 1,315 68.3%

川東地域 999 574 57.5%

高田地域 1,510 1,096 72.6%

船坂地域 346 305 88.2%

梨ヶ原地域 128 123 96.1%

光都地域 162 25 15.4%

合計 5,071 3,438 67.8%

②農業の継続意向

農家全体では、「できるところまで継続する」が 32.6%で最も多く、「貸しても良い」

が 20.4%となっている。

経営形態別にみると、専業農家、兼業農家では、自分でできる限り継続し、その後は家 族とに継続するという傾向がうかがえ、廃業等を考えているものは 10%程度である。自 家消費分だけの農家についても、できるだけ継続したいという意向であるが、専業・兼業 農家に比べて廃業等の意向が高くなっている。また、既に他人に農作業等を委託している ものは、引き続き委託を続けたい意向である。

③農地賃貸の条件

前問で「自分の代でやめる予定」または「貸しても良い」と回答した方に、農地賃貸の 条件をみると、できれば農地法人に借りてほしいが、農業をやりたい人なら誰でも良いと いう傾向があり、農作業の委託が必ずしも農業経営規模の拡大につながるという予測はし にくい。

また、農地を譲渡したいというものも多いが、農地を持っていてもすでに農業に係って いないものは農地の譲渡への抵抗は尐ないと考えられる。

できるところ 家族などが 近隣営農者に 自分の代で まで継続 が継続予定 耕作し、継続 やめる予定

45 6 0 4 0 1 56

80.4% 10.7% 0.0% 7.1% 0.0% 1.8% 100.0%

101 13 13 14 8 2 151

66.9% 8.6% 8.6% 9.3% 5.3% 1.3% 100.0%

139 20 12 41 15 1 228

61.0% 8.8% 5.3% 18.0% 6.6% 0.4% 100.0%

農業は他人に 19 11 205 69 160 6 470

任せている 4.0% 2.3% 43.6% 14.7% 34.0% 1.3% 100.0%

3 1 0 6 9 19 38

7.9% 2.6% 0.0% 15.8% 23.7% 50.0% 100.0%

自家消費分だけ

その他

貸してもよい その他 合計

専業農家 兼業農家

賃貸の条件

(最も重視するもの)

2(0.7%)

55(19.0%)

71(24.6%) 61(21.1%)

11(3.8%)

35(12.1%) 32(11.1%) 22(7.6%)

0 20 40 60 80 100

その他 農地を譲渡したい 賃貸はいいが、譲渡はしたくない 誰も引き受けてくれない 工場やスーパーなら 定年を機に本気でやろうとしているなら 農業法人が借りてくれるなら 農業をやりたい人なら

④宅地化について

新しく農業に従事する人のために集落周辺の農地を住宅用地に転換することについて は、「計画的にするなら賛成」が約 60%を占める。「宅地化反対」は 16%程度で、全体的 には、農業後継者のために農地の宅地化を進めることについての抵抗は尐ないといえる。

また、農地の交換についての希望は尐なく、農地や宅地の集約化については余り考えら れていないといえる。

⑤後継者について

「決まっていない」が約 60%を占める。後継者が確保できているものは、就業予定者も含 めて 20%程度である。

29(3.3%) 39(4.4%)

547(61.5%) 130(14.6%)

144(16.2%)

0 200 400 600 800

その他 集落周辺の農地を他の農地と交換したい 宅地化反対 計画的にするなら賛成 賛成

40(4.1%)

592(60.6%) 130(13.3%)

56(5.7%)

159(16.3%)

0 200 400 600 800

その他

決まっていない

耕作者を斡旋してくれれば提供する

予定の者がいる

決まってる

第4章 土地利用上の問題点の把握・分析

上位・関連計画、農業従事者の意向や市街化調整区域の現状等から、本町の市街化調整区 域における土地利用の問題点・課題を整理すると以下のとおりである。

1.土地利用上の問題点

(1)農村集落の環境改善と人口減尐への対応

①農業人口の減尐や農業従事者の高齢化が進展し、地域の活力の減退やコミュニティの維 持が困難となってきている。

②土地持ち非農家数が多く、その多くは近隣農家に耕作委託をしている状況であるが、農 業従事者の減尐に伴い、耕作放棄地が拡大するおそれが高い。

③市街化調整区域では新たに土地を取得して住宅を新築することが難しいため、既存集落 では世帯分離のための住宅等の基準を満たす開発行為でなければ住宅を建築すること ができない状況であり、集落人口を維持するのが困難である。

(2)農業地域における空き地の適切な土地利用の誘導

①本町では、農振農用地区域外において養鶏場跡地や工場移転跡地などが目立ち始めてお り、実態として宅地利用していることから、景観形成上の視点も含め、適切な土地利用 を規制誘導していくことが求められている。

②小学校の統廃合に伴い、市街化調整区域内の小学校2校が廃校となったことから、地域 の活性化に資するよう校舎や敷地の有効活用が求められている。

(3)自然環境の保全

上郡町は、本町のシンボルである千種川がまちの中心部を流れ、市街化区域の後背地に は緑豊かな丘陵地や田園風景が広がるなど、本町は豊かな自然に囲まれたまちである。

また、千種川の支流では貴重種が生息していることから本町では良好な自然環境の維持 が求められるところである。

しかしながら、一方では近年の洪水被害については山林の維持管理が適切に行われてい ないことが被害拡大に影響する可能性もあり、豊かな自然環境を有する本町では、自然環 境の適切な維持管理や市街化調整区域における無秩序な開発を防止するとともに、新たな 開発については計画的に進めることにより、本町の豊かな自然環境を後世に引き継いでい くことが求められている。

2.地域別(旧小学校区)の現況及び問題点 (1)上郡地区

千種川東岸で鞍居川の流域に開け、国道 373 号が西端部を南北に通り、国道 373 号から 播磨科学公園都市へ至る上郡末広線が東西に通っており、密集市街地や公共施設が集積し ている市街化区域と、鞍居川北岸に比較的まとまって広がる農地とその周辺の集落で構成 されている。市街化区域以外はほとんど水田を形成している地区であるが、ほ場整備未実 施地区であり農業生産性は低く、市街地に近いこともあって住農が混在し宅地化が進んで いるため、土地利用の混在に対応した適切な誘導が必要である。

(2)山野里地区

千種川と安室川が合流する氾濫原に形成され、JR上郡駅を中心とする商業系市街地と これを囲む住居系市街地の市街化区域、その周辺の農地や集落で構成されている。市街地 に隣接した地区や幹線道路沿道地区の土地利用転換が進みつつある。また、上郡中学校の 周辺に市街化区域が拡大する可能性があることから、都市的土地利用の適切な誘導が必要 である。

(3)高田地区

千種川東岸に位置し、国道 373 号が西端部を南北に通り、姫路上郡線が地区中央部を東 西に通っており、計画的に開発された住宅地を形成している飛び地の市街地と、まとまっ て広がる農地とその周辺の集落で構成されている。市街化区域以外の大部分は水田であり、

ほとんどがほ場整備済みである。農地利用の適正化を図り、労働生産性の向上や経営規模 の拡大を促進し、農業経営の安定化を図ることが求められていることから、農業後継者確 保のために計画的な住宅建設を推進する必要がある。また、集落地区における低未利用地 ついては集落活性化促進地として地域活性化となる活用方法を検討する必要がある。

(4)鞍居地区

千種川支流である鞍居川沿岸に集落を形成し、背後は丘陵地となっており、ほ場整備も 完了している。中核農家を育成し、土地利用の高度化・機械化を推進し、収益性の高い農 業経営の推進を図る必要があることから、農業後継者確保のために計画的な住宅建設を推 進する必要がある。

(5)赤松地区

国道 373 号線および千種川流域と岩木川流域に農地と集落が広がっている状況である。

ほ場整備が完了している地区であり、機械化の推進などによる農業の近代化を図り水田農 業の確立が求められている地区であることから、農業後継者確保のために計画的な住宅建 設を推進する必要がある。

(6)船坂地区

安室川に沿って開けた地域で、上郡町中心部を通り岡山県へと通じる赤穂佐伯線が東西 方向に通っている。平坦な農地が大半を占め、集落が点在し比較的大きな工場が立地して いる。農地の流動化を図り中核的担い手農家を育成する必要があることから、農業後継者 確保のために計画的な住宅建設を推進する必要がある。また、小学校の統廃合により船坂 小学校が廃校となり規模の大きい遊休地が出現することや、養鶏場跡地も存在することな どから、地域の活性化を進める土地の活用が求められている。

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