NII-Electronic Library Service 【研 究 論 文】 UDC :550
曾
34 :519.
2 :624曾
042.
7 日本 建築 学 会 構 造 系 論 文 報告 集 第 349 号・
昭 和 60 年 3 月時
変 自
己
回帰
モ
デ
ル
に
よ る 三
次 元 地 震 動
の
合 成
正 会 員 正 会 員 正 会 員富
松
出
澤
村
水
恒
俊
稔
*夫
**彦
** *1
.
序 水 平 動 直 交2成 分 と上 下 動 1成 分か ら成る記 録地 震動 波 形の 組に,
3次元の 時 変 (time varying )自己 回 帰 (auto−
reg【essive、略し て
AR
)モ デルを当て は め, 定 まっ たモデルから模 擬 地 震 動 を作 成す る手 法 を,
筆者ら は文 献 レで述べ た。 本 論は,
こ の模 擬 地 震 動 作 成 手 法の 地 震工学 的 意味を明ら かにする と共に,
さ らに多 数の実 記 録 地 震 動 波 形に3
次元時 変AR
モ デル を当て は め,
そ の成 果 を基 礎に,
実 際の設 計に供し得る合 成 地 震 動の 生 成 方 法を提 案し た もの である。
本 論 文は,
理 論 予 想と理 論 検 証の 2つ の 部 分よ り構 成 さ れ ている。 理論 予想の部 分で は,
ま ず模 擬 地 震 動の生 成を 記述す る に は,
イノ ベー
ション過程 (innovation
procgss
)を 入力とする確 率 差 分 方 程 式が最も一
般 的な 表 現で あ ること を論 じ,
そ の特 別な場 合と して多次元時 変AR
モ デル を導 入し て い る。
次い で, パ ル ス伝 達 関 数が地 形 や 地 盤 特 性 等の観 測 点情報を, イノベー
ショ ン 過 程の共分 散 行 列が震 源および地 震 波 動の伝 播 経 路の情 報を計量 してい る こと を理 論 的に予想し, 適 当なパ ル ス 伝 達関数を有す る系に,
必 要なイノ ベー
ション過 程 を入 力する ことによっ て合成地震 動を作 成する ことを 提 案し て い る。
理論 検 証の部分で は, ま ず デー
タ とし て用い た 実記録 地震 動 波 形につ い て説 明した後,
パ ル ス伝 達 関 数 が観 測 点情報を表し,
イノ ベー
ショ ン過 程の共 分 散 行 列 が震 源と伝播 経路情報を表し て い る こと を,
具 体 例 を通 じて明 らか に して いる。 さ らに,
本 論の 目的である合成 地震動の作成例を提 示し,
そ の合 成 手 法が合 理 的 な もの であ ること を,
や はり具 体 例を通じ,
検 証して いる。
そ して最 後に,
設 計 用 3次 元 合成 地 震 動の作成 手順を提案 し結 論と して いる。 な お,
本 論で取 り扱っ て い る時 変AR
モ デル の 当て は め が,
記録地震 動 単 成 分 波 形で なく3成 分の組に対し 事 東京 理科大学 教授・
工博 1* 東京理科 大 学 助手 拿 # 東 京 理 科 大 学 大 学 院 生 (昭 和 59 年 4月21日原 稿受理日,
昭和59年10月27日改 訂原稿 受 理 日,
討 論 期 限 昭 和60年6月 末 日1 て行っ て いる理 由は,1
次元モ デル よ りも3次 元モ デル の 方が,
記 録 波形の周波数 特 性に,
より精 度よ く追従 (tracking)で き る か らである21。2.
模 擬 地 震 動の生成シ ス テ ム模 擬 地 震 動を 生 成 す る 動 的 シ ス テ ム (
dynamical
system )につ い て考え よ う。 考 察の順 序とし て,
最も 簡 単なモデ ルを基に し た シ ス テムか ら始め,
現 実に観 測 さ れ る地 震 動に等 価な地 表 面 運 動 を 生 成し得る シス テム に至る記 述を行 う。
最 初に,
地 震 動 を受 けて い る地 盤の最 も簡単な モデル と して,
図一1
に示す ような,
いわゆる基 盤一
土 柱モ デ ル を考え る。
この モデル は,
地震 基 盤な る剛 体 版の上に,
水平に広が る成層 地 盤を考え,
基 盤 を 白 色ノイズ過 程 と な る よ う な運 動で駆 動し,
地 震 時の地 表 面の動きを模 擬 し よ う とす る もの で,
地 盤の動き は単 位 断 面 積の土 柱の 動きで代 表さ せ る。 土 柱 を少なく と も層 数よ り多い任意 の質点数 n を もつ集 中 質 点 系で近 似す る と,
その運 動 は次 式で表せ る。ME
+L
右+K9 =− MIE
。…・
…・
…・
…・
・
……一
(1
) こ こ で,
質点の基盤 に対す る相対変位を,
水 平 直交2
方 向変位ξ,
ηと垂直方 向変位 ζに 考え,
変位ベ ク トル を E (t
)=[e
,一
・
一
驫i
η匸…
ηηi9
,…
9n
]’
と採れ ば,
剛 性マ ト リッ ク スK
は それ らの変 位に対 応 し たもの と し て定 義さ れ る。
ダッシュ は転 置 を 示 す。
M とL
は,
そ れ ぞ れ適 当 成 層 地 盤 単 位 断面土 柱覊
・
。
σ1
! o o マ・
の
r
。再 。−
i許
綱
1
矧
睾
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一
,
ff
・.
tr 矛
一
.
Pl
・m
メ ’メ
1γ ド ト冨躍
’し ド Pt’t
冨
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’
ノ
厂
’
「
”
r’
’
’
’
’
’
”
ノ
l
ノ
ノ
ノ
r’
ノ
ノ
tノ
ノ
ノ基 盤
(
モ デル ) 図一
1 基 盤一
土柱モデル一
10
一
N工 工一
Eleotronio Libraryな質量マ トリックスおよ び減 衰マ ト リックスで ある
。
言
。(t
)は基 盤の 3次 元 運 動 を示 し,3
次 元 正 規 性 白色 ノイ ズ・
ベ ク トル tV(t
}=tr
。(t
)=
[ξ
oEo
90
]’
と す る。 ま た,
,島
一[
き
llllll
揖
ヨ
:
:
:
1
:
:
:
譜
ll
∫
∫
1
:
1
:
1
]
であ る。地 表 面の動きに対応す る最 上 質 点の挙 動 を
,
観 測雑音 v(t)が附 加さ れ た絶対 速 度の形で観 測し た と す る と,
文 献3)の手法に従 っ て, 次の連 続 形 拡 大システム方 程 式 が提示でき る。
x
(t
>==AX (t)十Bw (t)・
…………・
…・
・
t・
…・
(2)Z
(の=CX
(の十σ(の ただし,
X
(t
〕=
[言iSiX6n
+1Xs n+2Xe
n+s]’
、Z
(t
>=
[衙 z” Zt ]’
, v〈’
t
)=
:
[Vt Vn Vg]
’
,A
= 〔Gn+
s〕xl6n+
3 )B
:
(6n十3ix3O
i
置
io
.
.
.
一
.
齟
一
一
幽
.
闇
■
冒
r
■
丁
冒
r
冒
r
冒
r辱
r
r’
一
幽
齟
一
一
.
.
一
幽
.
一
.
.
一
一
.
.
「
一
,
.
齟
.
幽
.
.
.
一
一M −
IK ;−
M−
iLi
O [一
〃−
1Ki−
M−
iL]の1
0
ξ
π ,bn
,ξ
.に対 応 する3行0
一
i
0C =
[0……
OI ] SX【6n 十3b す な わ ち, 入力が基 盤 運 動 ω (t
)で,
出 力が雑 音 v(t)を 伴 う地 震 動 Z(t)とみ る訳であ る。 次に,
も う少し複 雑な 地盤モ デルを考え る。
図一1
の モ デルで, 注 目 して いる土 柱の剛性と∫ その土柱 以外の 地 盤の 剛性と が若 干 違 う場 合を考え る のであ る。
す る と,
注目土 柱の側 壁に周 囲の地 盤か ら の干渉が存在して く る 成 層 地 盤 土柱 剛 性の異な る地 盤Y
}
禰曽
醗 鞍鬟 讖撚灘 蕋韃一
’.
一一
驪・
繼’
5愬飃,
魍 霊腫葦一
一
¶
”
酌
「
媚
’
鯨
几
{
⇔
「
’
−
鑼
一
L
。 17擁
靉
_−
Lt’
_
罫孅 ノ”
1 ノノ
ノ
,
,
,
鵬簾
邏
・
攤
’
ノ
尸
’
’
’
’
”
ρ
’
ノ
ノ
ノノ
iノ
ノノ
基 盤 図一
2,
’
,
Zt,’
,’
/(
連成モ デル ) 連 成し た基 盤一
土 柱モデル 図一
3一
般の基 盤一
土 柱モデル 任 意 地 盤 の で, 図一
2に示す よ う な連 成モ デ ル が提 示で き る。 こ の と き,
土 柱の挙 動 を表す状 態 方 程 式は次の形と な る。
X
(t)= AX (t)十B
ω (t)十DX
(t)十f
(t)……・
・
(3 ) こ こで,DX
(t
>は周 囲の地 盤か ら の状態フィー
ド・
バ ッ クで あ り, f(t
)は周 囲の地 盤か らの作用 力である。
し か し, こ の 場 合 で も,
A=
A+D
と お き,
f(t)十Bw (t
)=B
(t
)w (t
)とな るよ うに時変入力変換行 列B
(t
)を採 ることに よっ て,
次の シ ス テ ム方程式が成 立 する。x(t)
−
4x ω+B
(t
)w (t>.
.
.
.
_.
.
.
.
__.
_
(4 ) Z(t)=CX
(の十v(t
) さ ら に, 図一3
に示す よ う な, 平坦でない地形お よび 非均等な土 質構成 をもつ一
般の地 盤と,
必ずし も水平な 表面を有し な く と も よい基 盤とを 考え, 地 表 観 測 点 直 下 に土 柱 を設 定す ると, 土 柱へ の状 態ワィー
ド・
バ ッ クも 時 変 となる と考え る方が自然である。
したがっ て,
これ ま で の文脈か ら次 式が形 式 的に提 示で き る。互
1
:
1
:
跚 階
伽 ω1
……・
……・
…
(・・ こ の (5 )式の状 態ベ ク トル は,
現 実の地 盤内に任 意に 想 定した土 柱の挙 動 を表わす もの で あ る か ら, 3次 元の 可 変 形 物 質が示 すすべ て の変形 成 分を要素と し な け れば な ら な い し,
次 数もま た高 次と な る。
ま た, この土 柱に 対 する周 囲の地 盤か らの作 用 力も, 現実の地 殻の地 震 時 挙動 を知ら な け れば 決ま ら ない ところか ら,
シ ス テ ム行 列[F
(t
),E
〔切 を決 定 論 的に定める こ と は非 常に困 難 で あ る。
しか し, 後 述するよ うに,
(5)式を 3次元地 震 動Z
(t
)を 生 成するた めの最 も一
般 的な動 的シ ス テム と見て,
それに等 価 なシス テム を 同 定 (identification
) する の で あれ ば可 能で ある。
以 下, (5 )式の状 態ベ ク・
トルや シス テム行 列の 次 元 を,X
(t
);3mXl
, w (t
);3Xl
, v(t
);3Xl ,
Z
(t
);3
×1
,NII-Electronic Library Service
F
(t);3mX3m,
E
(t
);3m
×3,
C
;3
×3m
と して論 を進める。 こ こ で m は 3以 上の任 意の整 数。3.
生成システム の差 分 表 現 ディ ジ タ ル計 算 機に よ る演 算 処 理を予 定し て,
連続形 シ ステム方 程 式 (5)式を離 散 形シス テム方 程 式に変換 し て おく。
F
(t
)に対 する基 本 行 列 (遷 移 行 列 )V
〔t,t
。) が存 在す る と すれ ば,
次の (6)式が書ける4}。
x
{・)− v
(・,
・・)・(te
)・加
・,・)・(・)・ (r)・・…
(6)Z
(t
)=CY
(t
}十v(t
) こ こ で ,to=k・
At
,t=to
十At=
(h
十1)At,
w(T)=
Of
to) ;t
。≦τくt
とおけ ば,
(6)式の サンプル値 離 散 形システ ム方 程 式5}が 次 式の ご と く定まる。 た だし,
At は省 略 し て表 記 してある。 X(h十1)=
『(k十1,
h
)X〔k
) 十r
(h
十1,h
)w (k
} Z(h
)=CX
(h
)十 v{k
),
r
(h
十1
,
h
)一
∫
静 1臨 ・}E
〔・)d
・……
(7) こ の (7)式の 基 本 行 列V
(h
+1,
k
)は, 一
般に,
い わ ゆ るフル・
マ トリックス になると 考えられ る から,
これ を以下の ごと く最小の有意要素数 を もつ 同伴標準 形 式に 変換し た方が便利で あ る。
こ の変 換は, 下 記に示 す 時 変 可 観 測 行 列T
(k
)お よ び T(h
+1}が正 則の と き達 成さ れ, (8 >式の形とな る5)。
Y
(k
十1)ニ
φ(h
十1,
h
)Y
(k
) 十G
(k
十1,
h
)w (h
)・
…・
…・
…・
(8
) Z(h
)= ・Hr (k
)十v(h
) た だ しY
(h
)=T
(h
}X
(h
),
[3観×
L卜 φ(k
十1
.k
}=T
(k
十1
)Ψ(h
十Lh
)T一
置 (ん) 但 mx3 働O
I
O・
.
…・
・
……・
・
…・
………
00
0ご1丶』
馳
・
丶噛
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:\
.
丶丶一
9
丶0
00・
…・
…・
一
………『
『
.
一
.
0丶
丶
1−
a.
(k
),一
α嗣 (h
>ド…・
…・
,
一
α匚 [−
am (h
),−
am−
i(h
),…・
一
…・
,
−
al (h
)]=
αr
(h
十m ,h
)T
−
i (h
},7
=
〔3皿 x3 圃 cC 『(h
十1,
h
)C
『(ic
十2,
k
)C
『(h
十m−
1,
h
) T 〔k
+1)=
13mxlm 十一
12
一
,
c
CV
(k
十2,
k
十1)C
『(h
十3
,k十1〕C
『(k
十 m,
h
十1),
,
C
(陀十1
,h
); T (た十1〕r(h十1,鳶) 〔3mx3i=
[9i(k
),・
…一
・
,
9.(h
)]’
ll =
CT
−
L{k
)=
[1,
O,一
一
.
.
一
一
.
一
一
,
0
】 {3xsm ) こ の 同 伴 標 準 形 式 (8)式の場 合は,
要 素 行 列 α 1,
9t(h
);i
=1
,……
,m カ i判 明 すれ ばシス テム行 列 すべ て がわ か る の で,
(7)式よ りは確か に取 扱い易い。
し か し,
(5 )式ひ い て は (8 )式の シ ス テ ム で地 震 動 Z を生 成し よう とす れば, 入 力 w (k
}と 観 測 雑 音 v(h
)の 2種 類の 時 系 列 を 設 定 し な けれ ば な らず,
入力に対 して Z が一
意に定まら な い。 そ こで,
シス テム(8
)式に対し て離 散 形カルマ ン・
フ ィ ル ター
理 論7)の適 用 を考え る 。 観測雑音v(h
)が,
w (k
)とは独立に,
非 負 定の共 分 散 行 列を有す る3
×1の 正規 性 白 色ノイ ズ・
ベ ク トル の時 系列と す る と, カルマ ン・
フィ ル ター
理論よ り,
レヴィ の固有標 準形 式8) と呼ばれ る下 式が書け る。
Y
(h
+11k
)= φ(k
+1
,k
)y
〔hlh −
1) 十 Φ(彦十1,
k
)K
(た)e(k
)・
・
・
・
…
(9
>Z
(h
)=HY
(hlic−
1)十 e(h
) こ こで,r
硫+11h
)はh
時 刻まで の観 測 時 系.
列IZ
(h
)} を も と に,h
+1
時刻の状態ベ ク トル を最 適に予 測し た ベ ク トルを表 して い る が,
今の場 合,
単に状 態ベ ク トル の変種と 認識すれ ば よい。K
(k
)は カル マ ン・
ゲ イン行 列で あ り, e(k
}は イノベー
ショ ン過 程と呼ばれ る正 規 性 白 色ノイズ・
ベ ク トル時 系 列であ る。
こ の (9)式を,
Z(k
)の生 成シス テ ムと見る と,
入力 e(h
)に よっ て出 力Z
が一
意に定まっ てい ること が分か る。 次に,
文献3 )の手法 に従っ て (9
)式 を変形 す る と確率 差 分方程 式 (10
)式 が得ら れ る。
Z
(k
)十Σα‘(k
)・
Z
(h− i
) t=
1 m=
e(k
)十£B
,(h
)e(h
−
1
)・
……・
・
…・
…・
・
……・
(10) i=
1 こ こ で,
β は ム の要 素.
と し て次 式で定 義される。
A
(h
)= θ(産)Φ(h
十1
,h
)K
(h
)十Σ〔h
)……・
………一
(11) ただ し, 4(h)=
θ=
β 忍 &1
al1
0
a2 (k
)α 1〔h
)i α胴 〔h
),
α儒一
,,
一
.
一
.
.
:;’
a 、.
辱
i
, N工 工一
Eleotronio LibraryΣ
=
α 1
a:(
k
)。。
副
(10)式は
,
多 次 元の時 変 自己 回帰 移 動 平 均k
デル (time varying auto−
regressive moving average model )ま たは時 変
ARMA
モ デル と呼 ばれ る非 定常確率過程の数学 モ デル で ある。
さ らに,
カル マ ン・
ゲイン行列K
(h
)は 重み行 列である か ら, [θ(h
)O
(h
十1,
h
)]K (k
)十 Σ(h
)=
O………・
…・
(12) を満す よ うに K (k
)を選び,
r ≧ m な る次 数r ま で考え る と す る と,
(10
}式の特 別な場 合と して(13 )式が提 示で き る。
TZ
(k
)十 Σα 己(ん)Z
(h− i
)=
e(h
)・
・
…・
…・
…・
・
・
・
……
(13
) i=
] こ こで, at(h
)キai(k
)で あ る。
こ の(13 )式が, 多次 元の 時 変 自 己 回 帰モ デル または時 変AR
モ デル と 呼ば れ,
や は り非定 常 確 率過程の数 学モデル で あ る。
以 上の論 述 が, 正規性 白色ノイ ズ・
ベ ク トル時 系列e(h
)を入力 と’
して用 い,
模 擬 地 震 動Z
{h
)を生 成す る た めの動 的シス テム と して, 時 変AR
モ デル (13)式を本 論で採用ずる 理由で あ る。
前 述 し たよ うに,
実 際に(5 )式 を定め,
そ れ か らの演.
繹とし て (13)式を決 定する こ と は ほ と ん ど 不 可 能に近 い。し か し逆に,
ある平 均 値 既 知の記 録 地 震 動 波 形が(13
) 式で生成さ れ た と し た と きの,
時 変AR
係 数 行 列 ai〈k
) と・f
ノベ「 シ ョ ン共 分 散 行 列 (ま た は残差共分散行 列) σ訳た);
E[e(h}e’
(h)]を求めてお き, その at(k
)と 諺 (k
) な る共 分 散 を有 する正 規 性 乱 数 列 θ とで,
(13
)式に よっ て非 定 常の模 擬 地 震 動 を作 成し よ う.
と す ること は可 能で ある。
3次 元記録 地 震動波 形に時 変AR モ デル を当 て はめる に は, 地 震 動の局所 的定常かつ エ ル ゴー
ド性 成 立の仮 定 が 必要である。 適 切な時聞窓 [S,
T ];S≦h
≦ T 内.
で地 震 動が定常だ と す る と(14 )式が提 示で きる。r Z(h)十 Σα矯尹Z(
h −
i)需 e(h
)・
・
…・
・
…・
………
(14) t=
1 時 間窄
[S,T ユ;S
≦k
≦T
内の デー
タに対し て定ま るAR
パ ラ.
メー
タai (k
)とσ乙(k
)は, 時間 窓 内で は定 値で ある か ら,
α ‘(T
)お よ び aき(T
>と表現 で き る。
時間窓 を1時 刻つ つずら し な が ら,Z
〈k
)に対して, 文 献 1)の 手 法でAR
パ ラメー
タを求めると次 式が定まる。
’
r Z(h
)十Xal (τ)・
Z(k一
の t=
1 ; e(k
>,
S
≦h
≦ T・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
…
,
・
・
…
−t・
・
・
…
(15) すな わ ち,
任意の記 録 地 震 動 波 形が属 して い るとみ な し 得る非定常確率過程を生 成す る数 学モ デ ル が(15>式の形 で定まる訳で ある。
な お
,
(2)式は(5)式の特 別な場 合で あ ること に留 意 す る と,
(2
)式 よ り,Z
(t
)ひいではZ
(h
)が加速度で は な く 速度の単 位を持っ てい る こと が分か る。4.
伝 達 関 数 とイノ ベー
ション過程の意味時 間 窓[
S
,
T
]内のAR
モ デル (15
)式に z 変換を施す と次 式が得ら れ る。
β(之)= 〔}r(2
,
T)e(2}・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
…
∴
・
・
一・
・
…
(16 ) す な わ ち
,
地 震動はパ ル ス伝 達 関 数 砧 (Z,
.
T
)を有す る 系に,
イノ ベー
ショ ン過程を入 力 す ることによっ て得ら れ る。 こ の パ ル ス 伝 達 関 数の地震工学 的な意 味は,
以 下 の ごと き もの で あ る と考え ら れ る。
まず, 考え を(2 )式に まで 戻そ う。 (2 )式で 出力をZ
(t
)−
v(t
)とす る と, (2
)式は運 続 形システみ 方 程 式で あ る か ら,
ラプラ ス変 換 を とる ことによ り伝 達 関 数は次 式で示さ れ る。
σo(ε)
=C
[81−
A]一
匸8・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
17
) た だ しs は複素数。
この(17
)式で,
入 力ベ クト
ル と 出 力ベ ク トル の次 元お よび観測量 が速 度か 変位か によ り,
行 列B とC .
の要素配 列 が変わ るこ と,
すな わち行 列 B が 入 力の仕様, 行 列C
が観測 仕様を それぞれ示し てい る ことに注 意す ること,
(17 )式の伝 達 関 数は,
(2)式の よ うな簡 単な シス テムで す ら,
行 列A が表す地 盤の振 動 特 性のみ で は決ま ら ない こと を示してい る。 さ らに,
最 も一
般 的な生 成シ ズ テム (9
)式
に注 目しよう。
(9)式 の場 合,
出 力 Z(幻
は非 定 常過 程 と な る が,
局 所 的 定 常 区 間 [∫,
T]内の過 程は, 次に示す(18
)式 で生 成さ れ る と み な し得る。 た だ しdils
’
D=
φ(k
+1.
k
) ;S
≦.
k{
1T −
1γ(
k
ナ11h )・
φ(Slnr (klk −
1) 十φ(s’
ηKcs’
ne (k
)…
(18 )Z
(h
)= HY (klh −
1)十 e(k),
S≦h≦T こ の(18>式の z 変 換 をと れば,
離 散形 シス テム方 程 式 (18
)式のパル ス伝 達 関数は次 式と な る。GCi
・
n (z)=H
[zl一
φエs・
D],
1 φ〔s・
nK (s・
〇十 亘・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
(19 ) (19
)式の地震工学的意味は, (1 )式か ら(9)式に至る文 脈か ら,
イノベー
ショ ン入 力の入b
方,
地 盤の振 動特性,
観測 器の種 別 等に関連する伝 達 特 性を示してい る と考え られ る。
し たがっ て (19)式の値は,
基盤 振 動の主 軸 方 向, 地 盤の土 質とそ の構 成,
地形,
観測器の取 付け方 向 等で.
異なっ て くる。
、
次に, (18 )式か ら,
文 献3)の 手法と まっ た く同じ方法 で誘 導され る確 率 差分方 程 式 (20 )式 を考え る。
mZ
(h
)十 Σα‘(T)Z
(h
−
i)i
=
lm.
=
e(k
)十 Σβi(T)e(k一
の,S
≦h
≦T ………
(20 ) 1=
1 こ こ で,
at(T)とβ(T)の 時 刻 T の 意 味は, (15 )式の 場 合 と 同じ である。
(20 )式の z 変換をと る と,
次の 有 理 型パ ル ス伝 達関数が得られ る。
NII-Electronic Library Service
Gm
(2,
T
)=
〔12m十魚,
1(T}zm−
i 十……
…
十β胴一
1(τ}z十Bm
.
m 〔T
)]×[12m十α 殫 (
T
)2M−
1十……
…
十α叩一
1(T
)2十 am.
m (T
)]−
1− ・
(21
) (19)式 と(21)式 とは,
まっ た く同じ伝 達 関 数 を表し てい る。 さ ら に, (2
の式の特別な場 合でも ある(15
)式に対 応 す るパ ルス伝達 関 数 を求め る と, 次 式 を得る。Gr
(z,
T
}=
[1
十 a。1(T
}z−
1十……
十 ar
,
r−
L(T
)z−
〔’
−
1) 十ar,
r(T
)z−「
]−
1…・
(22) こ の と き,
係 数 行 列 α(T )を適当に と ることによっ て,
Cm
(z,
T}会G
,(z,
T
)と す るこ と が可能であ る。(22 )式で, z−
1=
e“
Jb’At=
e−
IMfdt , ノ;》=丁と お く と, 次の周 波 数 伝 達 関 数(23)式が得られ る。
rGr
⊂デ,
T
)=
[1
十 Σar,
i(T
)exp (−
j2
πノ’
Ati
)]一
亅・
…
(
23
) i=
1 ただし,
(− 1
/2At
)≦f
≦(1
/2At
),
At
;サン プリン グ 時 間 間 隔。 結局,AR
係数行 列の み によっ て定まる伝 達 関 数(23
)式が, 地形, 地 盤 特性を含む すべての観 測 点 惰 報を表してい る と言え る。
次に,
イノベー
ショ ン過程 e(h
)の 地 震工学 的 意 味に つ い て考え よ う。 (16
)式と(22
)式か ら分か る よ うに,
イ ノ ベー
ショ ン過 程 e(紛は,
地 震 動か らすべ て の観 測点 情 報を除い た残 りを表し てい る。
し たがっ て e(h
)は,
震 源お よ び伝 播 経 路の情 報の搬 送 波で あ る と考え られ る。
e(k
〕に関する こ の よ うな解 釈の,
より直 接 的な裏 付 けとし て は,
「
(9)式 を変形 し て得られ る次 式が あ る。
ア(k
十11h)ニ
ゆ(允十1,
h
)一
φ(h
十1,
h
)K
(h
)ff
]へ
・
y(hlll−
1)十 φ(k
十1,
旬κ(k
)Z(h
)θ(
h
)=− 1
丑厂
(klk −
1)十Z
(k
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
Ψ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(24
) こ の(24)式は,
いわ ゆ る白 色 化 (whitening >フ ィ ル ター
と呼ばれ る もの で,
地 震 動 Z(h)を入 力し て,
白色ノイ ズ・
ベ ク トル時 系 列e(k
)を 生成す る 逆 システムを表す。
Φ佛+1,
h
>や K(k
}がAR
係 数 行 列の.
み か ら定ま るこ と を考え る と,
θ が,
地震動か ら すべ て の観測 点情報 を 除いた残りを表 して いること は明ら かであ る。5
.
合成 地 震 動の作成手 法 以 上の考 察か ら,
地震 動の観 測点情報を計 量す る もの と し て C.
げ,
T)を,
震 源プラ ス伝 播 経 路 情 報 を計 量す る もの と して残 差 共 分 散 行 列 協 (T>を, 多 数の平 均 値 既 知の記 録 地 震 動 波 形に対 する多 次 元 時 変AR モ デル の当て はめを通じ て取得し整理 す れ ば,
異な る記 録 波 形 か ら得ら れ た種々のC
,(f
,
T
)とa}(T
)の組み合わ せ と な る合 成 地 震 動を, (15 >式の形で提 示で きる。
地 震 動の観 測 点 情 報 を実 際に分 類,整 理する に当っ て,G ,
(f
,T
〕の ま まで は観 測 地 点 間の特 性 比 較とい う点で 不 便である。
な ぜ なら, 前 述の ごと く, 同じ観 測地 点で も 震 源の 方 向に よっ てG ,
(f
,T
)のマ トリッ ク ス要 素 値 が異なっ て く る, と考え られ る か らで あ る。 そこで本 論 で は,
下 式の ご とくAR
係 数 行 列の ノル ム をと り,
観 測 地 点1個 所につ き 1 個だけ定ま るス カ ラー
伝達 関 数を 定 義し, 観測 地 点 間の特 性比.
較を行っ た。瓦
(∫,
τ)一
[
1+盞
ll
婦刎
1
・
・・p(
−
」・f・f
・A
・・i
)]
マ
Ila
,
,
‘〔T
〕ll
= [置¢ 砿‘(Tl’
ar.
1(T)] 1/2・
・
…
(25) こ の(25)式は.
あ く まで観 測地点 間の 特 性 比 較の た め に, 指 標と して定 義さ れ たもの で,
これ自体の物 理 的な意 味 は こ こ で は問わな い。 残 差 共 分 散に つ い て は, 共 分 散 行 列 魂 〔T)の 固 有 値 ん(T),i=
1
,2
,3
, す なわち主 分 散 値で表 示し比 較 を行っ』
て いる。
表一
1 時変AR モ デル を当て は め た記 録 地震波形 麗o.
記 録 地 震 波 形 震 央 域 マ グニ チュー
ド 震 源 距 離 (ω 謙 (秒) 発生年 月 日 (時 刻) 1 田 子 の 瀚 (S−
1055 ) 伊 豆 半 島 中 央 5.
8 46 301978 年 1月藍5日 (7:31) 2 釧 路 (S−
674 ) 釧 路 沖 5.
8 85 281972 年5月n日 (9:45) 3 鹿 島 事 (S−
882 ) 銚 子 沖 6.
1 62 30 且974年11月16日 (8:32) 4 衣 浦 (S−
585 ) 愛 知 県 沖 6.
且 72 30 夏97量年 1月 5日 (6:03) 5 大 分 (S−
924 ) 大 分 県 6.
4 43 291975 年 4月2旧 (2:跼) 6 塩 釜 工 場 (S−
782 ) 宮 城 県 沖 6,
4 124 2719 笥年11児19日 (22:02) 7 細 島 (S−
544 ) 宮 崎 県 沖 6,
7 74 321970 年?月26日 (7;41) 8 宮 古 (S一
ユ104 ) 1978年 宮 城県沖 (前 震 ) 6.
7 107 58 且978年 2月20日 (且3.
;37) 9 塩 釜 工 場 (S−
1118 ) 1978年宮 城 祭 沖 (前震 ) 6,
7 124」 601978 年 2月20日 (B:37) 10 細 島 (S −
213 ) 1968 年 日 向 灘 7.
5 127 50 且968年 4月1日 (9:42) 11 室 蘭 (S−
24 且) 1968 年 十 勝 沖 (余 震 ) 7.
5 194 561 嬲8年 明 16日 (19:39) 12 宮 古 (S−
236 ) 1968 年 十 勝 沖 (本 震 ) 7.
9 189 60 * 1368年 5月16日 (9:49) 13 八 戸 (s−
252 ) 1 9 6 B 年十 勝 沖 (本 震 ) 7.
9’
189 60 * 1368年 5別 6日 (9:49) * 60 (粉 以上のデー
タtt、
解 析対 敷から除い た。
一
14
一
N工 工一
Eleotronio Library6
・
.
解 析対象と した記録波形 本 論で,
これ まで に述べ て来た理論上の主張を検証 す る ために,
表一1
に示す実 記 録地震 動波形13
組に対し て,
3次 元 時変AR
モ デルの 当て はめ を実 行し結 果 を検 討し た。 当ては め は,
そ れ ぞ れ,
水平 動 直交 2成 分お よ び上 下動1
成分よ り成る速度 波形の組に対 し て行っ た。
デー
タ と して の速度波 形は,
運輸省港湾技研資料に 公 表 さ れて い る 加 速 度 記 録 波 形S } に対 してディジ タル・
フ ィル ター
による補正を行い, 積分実行し て求め た もの で あ る。
補 正フィル ター
の遮断振 動 数は,
バ イパ ス・
フィ ル ター
につ いては (0,
05−
(0.15
)>Hz,
ロー
パ ス・
フ ィ ル ター
につ いては ((10.
0
)〜20,0
)Hz
を標準的に用い,
速度波形に ド リ フ トが現れ た場合に は,
こ れ ら の値を修 正 してい る。 当ては め に際して必 要と な る時 間 窓 長さNw ’
At
の決 定に は,
以 下の個条書き に述べ る時 間窓長さ 選 択 の た め の ガ イ ドラ イン に拠っ た。
この ガイドラ インは,N
。 と 0,
oTlME (SEC 冫 20 30 40 釦 60 S−
le55脚
一肥
CNmOS;
15> S−
674 鱒 聞 廻 脚 90 凹 (Nnei匚
2e} 5−
882 団 fNmtX置
15冫 5−
585 邑o 乳o 眇 鶉 〔N 聞亘
■
IS , 一 S−
924 5ρ【
NMtt415〕
S−
18250⊂N
閥
齟
零
15⊃ 5−
5LL ” 愈ρ 75 〔N閥
卩
5eコ 5一
丿lq4 丘o (NT−1=
T5} S−
M 、6 sn−
δ
ρ
一
一一
一了
o:
‘
凹一
(N徊
凾
μ
.
〜o )、
s−
u3 5.
o 〔N匡
■
L5) S−
241 鶉 くN聞
犀
■
i5} S−
236 ” 聰 〔NN局
=
IS , s−
2s2 CHnernso] の鴇
_
」_
r『一
コ_______
__
__
__
__
図一
4 時 間 窓長さの変 化At
の選択に 関する数 値 的な検 討2)を基 礎に , 最 適な 3 次 元 時 変AR モ デル探 索の た めの判断 基 準で あ るAIC
が,
次 式の ご と く次 数 r,
時 刻T
のほ かNw
の関数でも ある点を利用して定め たもの で ある。
AIC
(r,T,IVw
)=Nw ・
log
[detlNw’
σ;(7・
,
T)}]十
2・
(3
)2・
r・
…………・
…・
・
…・
・
…
(26
) (1> サンプリング 時 間 間 隔At
は0.
04秒 (一
定 ) とし, 最 小の時間窓長 さは 5 秒と す る。 す な わ ち, ナ イ キス ト周 波 数 および 有 限 記 録 長さ に対す る サンプリング 効 果からみて,
解 析 対 象の少な く と もO.1〜12.
5Hz
の 変 動に対応で き る最 小の時間 窓 長 さ を設定す る訳で あ る。
(2
> 時間窓長さ の選択は,5
秒以 上 1 秒きざみ の値 か ら採る。
(3)当て は め始 発で は,
最 小 時 間 窓 長さ,
す な わ ち 5秒で 当て は め を開 始す る。 (4)当て はめ 実 行中に,
残差共分散 行列の正定 値性が破れ実 行 不 能と なっ た 場 合に は,
時間窓 長 さ を 大 き く し,
始 発か ら実 行 を や り直す。
(5 )当て はめ途中で,AIC
の値が単調 減 少 型 とな り最 適AR
モ デル が探 索 不 能と なっ た場 合に は,
その時 点 を 当てはめ開 始 時 点と読み替え,
再 び最 小 時 間 窓 長さ を設 定し て か ら実 行を再 開する。
以 上の ガイ ドラ イン に基づ き当て は めを実 行 した結 果,
表一
1の 13組の記 録 波 形に対し て選 択された時 間 窓 長さ を図一
4に示す。 図 中の Nmax は,
最 適AR 次 数 の検 索 範 囲 を 示し,15
を標 準と して,
時 間 窓長さを5〜
10秒と変 化さ せ て もAIC 値が単 調 減 少 型と な る場 合に,
上 限 を30と して範 囲 を拡 げた。
7.
観 測 点 情 報 と して の伝 達 関 数 記 録 波 形No .
8と No.
12は,
同一
観 測 点;宮 古で採 録さ れ た震 源の異な る記 録で ある。 こ の 2組の記 録 波形 に 3次 元 時 変AR
モ デル を当て は め た結 果,
得ら れ た 残差共分散行列 σ訌丁)の主分散値を 示し たのが図一
5と 図一6
で あ る。
両 図 を 比較すると,一
方は単 峰の卓 越 強 度を もつ変動を示し てい るの に対し, 他 方は双峰の卓 越 強 度 を もつ等,
明らか に異な る様 相 を 示 して い る。 これ に対して, こ れ ら2組の記 録 波 形か ら定まる 2つ の周波 数 伝 達 関 数 行 列Gr
(f
,T
)の そ れ ぞ れ要 素の う ち,
N−
S 成 分の特 性 変 化 を 示 し たのが図一
;7と 図一
8で ある。 こ れ らの 図 か ら, 入力であるイノベー
シ ョ ン過 程の共 分 散 (残 差 共 分 散)が まっ たく異なっ てい るに もか か わらず,
観 測 点;宮 古の伝 達 関 数は, 図一
7と 図一8
の ど ちらも6.
OHz
附 近 で ピー
ク を も ち,
比 較 的 近い特 性 を 示し て い る。
周波数 伝 達 関 数が観 測 点 情 報 を計 量 して い る ことをさ らに 明 確に す るため,
観 測 点;細 島に お け る記 録 波形 No,
7とNo.
10に注 目 し よ う。
図一9
が記録 波 形No .
7 に対 して定ま る周 波 数 伝 達 関 数N −S
成分であ り, 図一
10が記録波形No .10
に対して定 まる ものである。 こ のNII-Electronic Library Service 冒
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τlME (SEC } 図一
5 残 差主 分 散 値 (No,
8,
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二
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図一7
周波数
伝達 関 数N−S
成分
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波
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