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杭の水平極限支持力の理論的解析法に関する研究(斜杭および斜め荷重を含む) : 第3報 短い杭頭自由杭の解析法

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(1)

【論   文】 UDG :624

131

524

4 日本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 報告 集 第 365 号

昭 和 61 年 7 月

限 支

理 論 的解 析 法

       

斜 杭

よ び

荷 重 を含

3

報 

自由

解析 法

正 会 員 正 会 員

国 府

榎    

* 昭* *  

1.

概   要  水 平成分と鉛直成 分によ る斜め荷重が作 用する短い杭 頭 自 由 杭の終 局 状 態に おいて

弾 性 変 形が無 視さ れる場 合

荷重の傾き が あ る限 度 以上の角 度 ω max に な る と

杭はき方向の み に運 動 し

方 向に は移 動し な い (図

1

1a )。

同 様に

角 度の傾 き が, ある限 度 以 下の 角 度 (a}min )になると

杭は引き抜き方 向の み に運 動し, 横 方 向に は移 動し ない (図

1

1c )

荷 重の傾きが上記 角 度の 中 間に あ る場 合, 杭 自体は破 壊せずに地 盤の崩 壊 に よっ て杭 が 回 転 運 動す る (図

1

lb

 本 論 文では終 局状 態におい て 杭の運 動 形 が 横 移 動 を 伴う問 題を水平支持力 問 題と称す る

ま た, 杭 自体は崩 壊せずに地 盤の 崩 壊によっ て終 局に至る杭 頭自由杭を短 い杭 頭 自 由杭と称す る

  本論文は, 上 記水平極限支持力 問題の定 義に従う鉛 直 杭お よび斜 杭の 水平 極限支持 力の 解析法を提案する もの であ り

本 報は その中の短い杭 頭 自 由 杭の解 析 法につ い てあ る 。 な お

本 解 析は斜 杭および斜 め荷 重を対 象に含め る た め に

杭 面と地 盤との 間の摩 擦 力 を 考 慮し た受 働土 圧の解が 必要とな るが, こ れ につ い て は 第 1報で報 告して い る。

1

a

    ’

    ’

   

t

    ’

   ’

主 な 記 号よ び 符 号

   

b

1

1         t wT:;

i7Tlt

   

ノ ’      ti     ’     ’ C θ

晩:受 働 問 題に お け る杭の傾き (図

2

3に           示す方向を 正〉

杭問題に お け る杭の傾        き (図

2

1に示す傾き を 正)  

B ,E ,H

。:杭の見 付け幅ま た は杭 径

杭 頭 距 離

杭        の根入れ長さ     H

H。:杭の地 表 面 位 置か ら杭の根入部分の任意       点 までの距 離

回 転 中心 距 離        q :地 表 面に作 用する分布 荷 重    φ,C,γ:土の内部摩擦角, 粘着力, 単 位重量      δ 

C

ρ:杭 面と地 盤との問の摩擦角

粘着 力       δr :杭 先 端面 と 地 盤 との間の摩擦角        ω :水平 方向に対す る杭頭荷重の傾き (図

          

2.1

に示す方向を 正) ω m .

aJm、n :極 限 時に おいて杭が水 平 移 動 を起こす荷           重の傾きの大値

最 小 値

    

m :受働土圧条 件 係 数 (

般 仮 定

3

参照〉      σp

Tp:受 働 土圧 の垂直成 分およびせ ん断 成分

      

(図

2

3に示す方 向 を正) Np, 

Qp

, 

H

。 :σρの合 力

 rp の合 力,その作用点距離 (図        

一2.3

参 照 )

  Hu ,

 

Vu

:杭 頭荷重の水 平 成分

鉛 直 成分 (図

          2

1に示 す 方 向 を正)    

Qu

, 

Nu

:杭 頭 荷 重の せ ん 断 成分

軸方 向成 分

  N 。

Qr

先 端の軸 方 向 地 盤反 力 (図

2

1に示           す方 向 を 正 ), せ ん断方向地 盤 反 力 (図         

2

1に示 す 方 向の 逆 向き を 正 )      

Ru

杭 先 端 地 盤の杭 軸 方 向の極 限 支 持 力  

M ,N ,

Q

の曲 げモ

メ ン ト, 軸方 向 力

せ ん断           力 (図

2

6

9に示す方向を 正 )

2.

基 礎 事 項 2

1 一

般 仮 定 本解析法 全体に共 通 する

般 的な仮定は次の と おり で 日本 建 築学会 大 会 学 術 講演 会

昭和59年 * 日本大学 助教授

工博 # 日本 大 学  教 授

工博   (昭 和 60 年 5 月 28ロ原稿 受 理 ) ある

 

般 仮定 1:断 面形 状 お よ び 力 学 的性質

の長さ方 向に対し て

定と す る。  

般 仮 定2 ;地 盤は均 質等方性で剛塑性 体と し

その 降 伏は次 式に示すク

ロ ンの

降伏 後

定 応

一ll9一

(2)

力 が保た れ る。   τ

;C

十σ tan φ

一・

一・

 

9・

 (2

1

)  

般 仮 定

3

受 働土圧 σp(垂 直成 分 )

τρ(せん 断 成 分 ) は次 式の関 係を満 足す る

   τP

m (Cρ十 σρtan δ)

…・

………・

 

…・

…・

(2

2 )      

1≦m ≦1 こ こ に

m は受 働 十 圧のせ ん断 成 分 τ。の稼 動 率 を表す もの であり 本 論 文に お い て受働土圧条件 係数と呼ぶ も の である

 

般 仮 定4:杭の背 面 (主 働 土 圧 面 )お よびその側 面 に作 用する土 圧の影響は無視する  2

2  荷 重 条 件  本 解 析 法が対 象と す る杭頭荷重の軸 方 向 成分

1V。

せ ん断成 分

Qu

は次 式の 関係に あ る。    

Nu =

Q

。 

tan

(ω

一a

……・

…・

……・

…・

…・

C2

3 な お

杭 頭 荷 重の鉛 直 成 分 Vu お よ び水 平 成 分

H

。 は次

litsJ

”u  

a 杭 中 間回 転 形       図

2

1 a 完 全 剛 塑 性体   の地 盤 b  杭 先 端 回 転 形 杭の運 動 形

b

実 際 地 盤 図

2

2 垢 、 c 解に用い た   地 盤 図

2

3

G .

L

一120一

の関 係に ある。      Hu

=Qucos

 e,

Nusin  Cl,      Vu

Qu

 sin θo十 ハluCOS e,  2

3 杭の運 動 形 状   終 局 時に おける杭の運 動 形 状は図

2

1a に示す よ う に回 転 中心 が杭 中 間 部にある場 合と 同 図 bに示す よ う に杭 先 端にある場 合の 2種 類に分け られ る

本論 文では 前 者 を 「杭 中 間回転 形 」

後 者 を 「杭 先 端回転形」と呼ぶ

 2

4  地 盤 反 力  杭に作 用す る地 盤 反 力は

杭 側 面お よび杭 背 面に作 用 する地 盤 反 力 を 無 視する ため (

般 仮 定 4)

考 慮する 地 盤 反 力は 杭の移 動 方 向 面に作用 する受働土圧, 杭 先 端に作 用す る軸 方 向地 盤 反 力お よびせ ん断 地 盤 反 力で あ り

そ れ ら は

以 下の と お りで あ る

 1) 受 働土 圧   地 盤 が完全剛塑性の理 想体であ る な らば

破壊時の体 積 膨 張 (ダ イレイタン シ

)によっ て

受 働 領 域の土粒 子は

地表 面に向か っ て斜め

E

方に移 動 するで あ ろう (図

2

2a >。 実 際 地 盤におい ては

浅い 領 域の崩 壊 形 状は

土 粒 子が斜め 上方に移 動し

崩 壊が 地 表 面に お よ ぶ完 全な 3次 元 崩 壊 形 状を示す が

こ れ よ り深い中 間領 域で は

土 粒 子が斜め上 方に移 動 するが

崩 壊が地 表 面にまで達 し ない不 完 全な3次 元 崩 壊 形 状 を 示す

そ し て 深い領 域で は上載 重 量の抑え効 果により 土 粒 子は杭 軸に対して直 角 方 向に移 動する 2次 元 崩 壊 形 状になる もの と考え ら れる (図

2

2b )

  第 1 報では

上記 中間 領 域の崩 壊 形 状 を考 慮する こと が困難で あ る た め に, これを 無視し, 上記浅い領 域の

3

次元崩壊形状と 深い領域の

2

次元崩 壊 形 状 を仮 定し (図

z

2c )

受 働土 圧 を下 式に示すパ ラメ

タの数 と し て与え た (図

一2.3

    ap

 Tp

 

Np,

 

Qp

 

Hp,…

f

(m

H ,

θ

 etc

2.

4) こ こ に

etc は

杭 幅

B ,

土の内 部 摩 擦 角 φ 土の粘 着

C ,

杭と 地 盤 との摩擦 角δ

土と地 盤との粘着

Cp

, 地表面に作用す る分布 荷重 q で あ る

(2

4 )式の パ ラ メ

タの

受 働 土 圧 条件件数 m お よ び受働土圧の 作 用 距

ee

 

H

解 析に よっ て決 定さ れ る ものであ る が, そ の他は 問 題 条 件とし て 直接的え られ る もの で あ る

本 報 告で は受 働 土 圧を (2

4)式の よ うに関 数 表 示し

そ の詳 細につ い ては第 1報を参 照して いた だ くこ とにす る。  

A

) 杭 中間 回転形杭の 受働土圧 :地 表 面と 回転 中心 間 に作 用す る受 働 土 圧の垂 直 成 分の合 力 を

N

ρi

せん 断 成 分の合 力を

QPi

そ れ らの地 表 面か ら の作 用 点 距 離を Hpiと す る。 ただ し

これらを求める パ ラ メ

タ は次の 関係にある (図

2

la 参照)

     ハ厂ρL

Q

ρ1

Hp1

ノ(77L

7ηヨ

H

H陀

θ

θo

 etc }      

 

 (

2.

5

) ここに

Ml は回 転 中 心 上 部の受 働 土 圧 条 件 係 数 を表す

(3)

     

3 ,

  

t 〜

2

4  回 転 中心下 部の受 働土 圧の関 係 (

般 仮 定3)。  回転 中心 と杭 先 端 間に作 用す る受 働 土 圧の垂 直 成 分の 合 力 を

Np2

, せ ん断 成 分の 合 力を

Q

ρ2, そ れ ら の 回 転 中 心 か らの作 用 点距 離を

H

ρ2 と して表す

ただし, これら は 回転 中心下の地 盤の受働 崩壊

土 粒 子 が 杭 軸に対し て直角方 向に移 動 する深い領 域の崩壊形 (第 1 報参 照 ) にな る もの とし

根入 れ長さ

H

。に作用 す る受 働 土 圧と 根 入 れ 長 さ Hn に作 用す る受働土 圧の 差と し て

次 式の よ う に与え ら れ るもの と する (図

一2.4

参照)。      

1V

。2

=1V

ρ。

Np6      

Q

。2=

Q

。沌

Q

。 β     

Hp

、= (

1V

。バ

H

。厂

N

。,

H

。,)/〔

N

。A

− N

。R)

− Hn

             

………・

…………・

2.

6

) こ こ に

Np、

 

QPA

 H

A は

深さ H。 (杭の根入 れ長さ) に作 用す る受 働 土 圧の垂 直 成 分の合 力

せ ん断 成 分の 力お よ びそ れら の 作 用 点 距 離

,fVPB

 

QPB

 

HPB

深さ

Hn

に作 用する受 働 土 圧の垂 直 成 分の 合 力

せ ん断成分 の合 力お よびそ れ らの作 用 点 距 離 を表 す (図

2

3}。 な お上 記 (2

6)式 を求め るパ ラ メ

タ は次の関 係にあ る。

    

IV

ρA, 

Q

ρA, 

H

ρA= ノ(m = M2

 

H

Ho,

θ=

− eo,

 etc )

    

NPB,

 

Q

ρB

 

H

ρB=

f

(7乱

肌 t

 

H =Hn,

 

e =

=− e

etc ) こ こ に

m2 は回転 中心下の受 働土圧条 件 係 数を表す。 な お

回転 中心下のは負 方 向 (荷重方 向の逆 向き)に 移 動 する た め

受 働 土 圧を求 める際は

杭の傾きをθ

傷 とし てう こ注 意し な け れな ら な

 B> 杭 先 端 回 転 形 杭の受 働土 圧 :杭の運 動 形が杭 先 端 回 転 形を示す場 合

地 表 面と杭 先 端 間に作 用 する受 働 土 圧の垂直成 分の合 力をN

せ ん断 成 分の合 力 を

Qp

それら の作 用 点 距 離をHp とし て表す

な お こ れ らを 求 めるパ ラ メ

タ は次の関 係にある。      Nρ

Qp,

 Hp

f

(m

H

Ho

θ

etc )

2

7   2) 杭 先 端 地 盤 反 力  杭 先 端 地 盤 反 力 N。,

Qr

は, 杭 先 端の面 積の影 響 を 無 視し

次の関 係 を有す るもの と する

なお 下 式におい て 杭 断 面 積の影響 を考慮す る と 杭 先 端面積 Ap と杭 先端 面と地 盤の粘着 力

Cr

Cr

が含ま れる こ とに な るが

杭 受 働 土 圧 面の面 積 に対し て杭 先 端面積が小さい ことに よ り

粘 着 力 C。の 影響 を 無視し たQ   。杭 先 端回転 形 杭 :      IQ。1≦N。

tan

δ。

 

R 。

Nr

≧0

………・

(2

8 )  

杭 中 間 回 転 形 杭 :

   

Q

。≦

N。

tan δ

, 

Ru

N

。≧

0・

…・

…一

2.

9

} な お

本論文 解 析 例にお け る杭 先 端 地 盤の極 限 支持 力は 次 式に従 う ものと する。 これ は杭の傾き および杭 先 端 面 の せ ん断 力の影 響 を無 視 した もの であ り

Terzaghi の 杭 先端極限支持力 式に おい て 杭 先 端 面 以 下の土の単 位 重 量 を 無 視し たもの である

し た がっ て

本 極 限 支持 力 の 評 価は本論文の解 析 例に限る もの であり

ほ か に良い 解 析 法が あ れ ば

これにわ り得るもの で あ る

   

Ru =

lp

(α

C1

>c十γ

1

)!

NQ

9・

 

一・

一・

 (2

10) こ こ に

α は 杭 先 端 面の 形状係 数

,Dx

は杭 先 端の深 さ

A。は杭の断 面 積

,N

、お よ び

Nq

は下式に よっ て与え ら れ る支 持 力係 数を表す。

   

Nq

ニExp

 

l

3π/2

φ)tan φ

i

/(!

sin φ)

     Nc(Na

1)cot φ   3) 地 盤 反 力に関 する定理  以 下に述べ る定理 は

杭 先 端 回転 形 杭および杭 中 間 回 転 形 杭に お け る回 転 中心 上 部の受 働 崩 壊は

浅い領 域

ある い は浅い領 域と中 間 領 域の両 方か ら なる崩 壊 形 状にな るもの と し

土 粒 子は 斜め上方に動す る ものと する

2

5a )

また 杭 中間 回転 形杭の 転 中心下 部の受働崩 壊は, 土 粒 子 が杭 軸に対して直 角 方 向に移 動す る深い 領 域の崩 壊 形 状と仮 定す る (図

一2.5b

>。 な お, こ の崩壊形状に関する仮 定 は

受働土圧 の解析に 用い た崩 壊 形 状と は 矛盾す るが, 次に列 記し た 理由によ り妥 当と 思 わ れ る

 

L

 本 解 析 法に お け る受 働土 圧解は

中 間 領域と崩壊 形 状を考 慮す ること が困 難で あっ た た め

これ を無視し

浅い領域と3 次元崩壊形状と非常に深い領域の 2次元崩 壊 形 状 を 用い て解 析 を行っ た が

実 際には

2

4の1} に述べ た よ うに

浅い領 域か ら深い領 域に移 行す る中 間 領 域の崩 壊 形が考え られ る

。一

回転 中心下 部の受 働 崩 壊は, 回転 中心 と杭 先 端 間の閉じ られた領 域で発 生す る た め

土 粒 子 が

杭 軸に対し て直 角 方 向に移 動 する深 い領域の崩 壊 形 状にな ることが考え られ る

 

2.

  砂地 盤を 用いた模型 実 験で は, 回転 中心上 部にお け る受 働崩

砂粒 子が斜め上 方に移 動す る崩 壊 形 状 を 示 し

砂粒 子が

杭 軸に対して直 角 方 向に移 動す る 深 い領域の崩壊形 状は認め ら れ な かっ た。

方, 回転 中心 下部の受働崩壊形状は

砂粒子が斜め上 方に移動す る傾 a 図

2

5

b

121

(4)

向 がみ ら れ た が

そ の傾向は回 転 中 心

E

部に比べ

ま た

回転 中心下 部の崩 壊 形 状

深い領 域の形状 と仮 定 し た方が 領 域形 状 を仮 定 する よ り も , 実 験との適合性が良い。

 3,

実際に用い られる よ う な杭で は 短いが成 立 す る杭長さはき く ない。

 

な お

本解 析 法に対 する実 験 的 検 証につ い ては

本解 析 法の シ リ

ズが終了す る第5 報, ま たは

その後の 第

6

報で述べ る予 定で ある

 

定理

1

:杭の運 動 形が杭 先端 回転 形であ る ならば

受 働土 圧条 件 係 数は m

1で あ り, 杭 先端 地 盤 反 力は

Q

. <0

Nr>0である

 

〔証 明 〕:釣 合 条 件 (2

14

2」6)式よ り, 杭 先 端 回転 形に おける杭 先端のせ ん断 地 盤 反 力は 次の よ う に 与え られる

。E ,

 

H

ρ

 

N

ρ

 

H

。が正である か ら明ら かに

Qr

<0である

    

Q

E

H

1V 。/(E +

H

∂<

0

また, 杭 先 端の軸方 向 地 盤 反 力

Nr

(2

8)式よ り次 の よ うに与え ら れ

正である

     N

≧ 1 

Q

1/

tan

 Dr>

0

し たがっ て杭の運 動 形状が杭先 端 回 転 形で あるな ら ば, 杭 先 端 地 盤 反 力は

,N

,>

O,

 

Q

。〈

0

で あ る

 

杭 先 端回 転 形におい て

仮に 受 働 土 圧条件係 数 を1>m >

1と す る と

受 働 土 圧 面は非 滑り状態と な り

杭は土粒子の移 動と ともに上方に移 動す ることに な る

これ は杭 先 端が

杭 先 端 地 盤にし て離れ る方 向 にす るこ と を意 味し

杭 先 端の引 張 力 を無視す る と

地 盤反 力 を

N

Q

O とな ら な け れ ば な ら ない。 同様 に

m

=−

1と仮 定する と 杭が引き抜き方 向に運 動 す る滑り状 態 を意 味 し

杭 先 端は, 杭 先端地 盤に対して離 れ る方向に移 動 する

したがっ て, 杭先端地 盤反 力は Nr

Q

0 とな ら な けれ ば ない ない 。 これ らは受 働 土 圧条 件 係 数 を1>m ≧

1と仮 定す る と

杭 先 端 地 盤 反 力は

Nr =

Q

0 とな るこ と を意味し

上 記 1V。 お よ び

Q

。の符 号に矛盾す る。 ゆえ に

杭先 端 回 転 形の受 働 土 圧 条 件 係 数は 上 記 以外の係 数 値 す な わち

m

1と な る

 

定理 2;杭 先端地 盤 反 力

N

= 

Oで ある な らば, 杭の運 動 形は杭 中間 回転形であ る

 

〔証 明〕:定 理1に よ り, 杭 先 端回転形杭の杭 先 端 地 盤 反 力は 1V。≠

Qr

≠0で ある

し た がっ て, 

Nr

Q

,= Oで ある な らば

杭の 運 動 形は杭 先端 回 転 形 以 外の形, す な わ ち

杭中間回転 形の運動 形を示 すことに なる

 

定理

3

:杭 中 間 回 転 形杭におい て

回 転 中心下部の

1

動土圧 条 件 係 数が 1>M ,≧

1 であ る ならば

杭 先端 地 盤反 力はN.

 io である

 〔証 明〕:受 働 土圧条件係 数 1> M 、〉

1は

回転 中心 下 部の受 働 土 圧 面が非滑 り状 態にあ ること を 意味す る

一122一

回転中心下 部の地 盤の崩壊 は

土粒子が 杭 軸に対し て 直角方 向に移 動する深い領 域の崩 壊 形 状で あ る か ら

,1

>M2 >

− 1

の状 態は

の軸 方向変位 を 拘 束す ることに な る。 し たがっ て

杭先端に は力が伝 達さ れず

杭 先 端 地盤 反 力は

N

=O

Q

=O

と な る

また

受働土 圧 条 件 係 数 m :

=−

1は, 回転 中心下 部の受 働 土圧面が負の滑 り状態

すなわ ち

杭 は引き抜き状 態に あ ることを意 味 し

杭 先 端 面は くい先端地 盤に対し て離れ る関 係と なる

し た がっ て

杭 先 端 地 盤の 引張 力 を無 視す る から

軸 方 向地 盤反 力は N

・=

O

と な

2

9) 式 っ て

せ ん 断 地 盤 反 力は

Q

=0

と な る。

 

定 理4:杭中間回転形 杭に おい て

回転 中心下 部の受 働 土 圧 条 件 係 数が 1> M2 >

1であるな ら ば

回 転 中心 上部の受働土圧条 件 係 数は Ml

1で あ る。

 

〔証明〕:上 記 定 理3に述べ た よ う

回転 中心 下 受働土圧条 件 係 数が 1>m !〉

− 1

であ る状 態は 杭の軸 方 向 変 位が拘 束されていること を意 味 する。 その結果

回転 中心 上部の受 働 土 圧 領 域は

土 粒 子が上方に移 動 し

回転中心 上部の受 働 土圧面は

正 方向の摩 擦 力 (杭面に 対して

ヒ向 き を正)が働く滑り状態と なる

し た がっ て

回 転 中 心 上 部の受 働 土圧条件係 数は Ml

1と な る

 

定理 5 :杭 中間 回 転 形 杭に おい て

回転 中心上部の 働 土 圧 条 件 係 数が

1

>M 、≧

− 1

で あ る な ら ば, 回 転中心 下 部の受 働 土 圧条件 係数はm2

・−

1で あ り

杭 先 端 地 盤 反 力は N

=  

0

あ る 。

 

〔証 明〕:心 上部の 受 働 土 圧 条件係数が 1>m 、 〉

− 1

の状 態は

回 転 中心 上部の受働土圧 面 と 地 盤 が非 滑 り状態にあり

杭は回 転 中心上部の受 働 崩 壊 地 盤とと も に斜め 上方に移 動 する こと を意味す る。 よっ て

杭 先 端は杭 先端地 盤に対し て離れ る方向に移 動 し

軸 方 向 地 盤反力は

,N

Q

0 とな る

。一

方, 回 転 中 心 下 部の 杭面は

軸 方 向に変 位し ない地 盤に接す る た め

負 方 向 の 摩擦が働く滑り状 態と な る

し た がっ て

回転 中心 下の受 働土 圧条 件 係 数は Mz

=−

1と な る。

 

定理 6:杭 中 間 回転 形 杭において

杭 先 端 軸 方 向地 盤 反 力が Nr>0で あ る な ら ば受 働土 圧条 件 係 数は Ml = M2

1で ある

 

〔証 明 〕:回 転 中心下の 土 圧条 件 係 数が 1>M2 ≧

1で あ る な らば 定 理 3 っ て

杭 先端地 盤 反 力 は

Nr

Q

Oで ある

また, 回転 中心上 部の受 働土圧 条 件 係 数が

1

>Ml ≧

1で ある な ら ば

定理

5

に よっ て杭 先 端 地 盤 反 力は

N ,

tQ ,

Oである。 し た がっ て

 

N 。

0

が成 立するた めの受 働 土 圧条 件 係 数は

上記 以 外の係 数

すな わ ちM1

Mz ;

1

で あ る 。  2

5 釣 合条 件  図

2

1a お よび同 図

b

に示 し た力の関 係か ら

釣 合 条 件式 は次の よ う に求め ら れ る

  1) 杭中間 回 転 形 (図

2

la参 照 〉

(5)

Σ

y

0:

Q

1V。「 1V。、+

Q

. Σ

Z6;

0 :1V。

Q

。 、+

Q

。、+N。 Σ

M =0

:(E 十

HPi

Npi−

E

H

π

H

.}

1V

ρ2        十(E 十

H

。)

Q

O

     

………・

……・

…・

(2

11)

(2

13>  

2

) 杭 先 端 回転 形 (図

2

1b 参 照 )     Σ二y6

0:

Qu=

∫Vρ

Qr

    ΣZ6

0 :1V。

Q

。+N。     ΣM

0 :(E +H)Np+(

E

H

。>

Q

=0

     

 (2

14

(2

16)  2

6 杭 体の応 力 M

N

 

Q

 杭 体の モ

メ ン ト

M ,

軸 力

N ,

せ ん断力

Q

F

式の と おり で ある

 1) 根入 れ 上部 (図

2

6参 照 )    

M =−

e

Q

。     N

N以     

 

r・

 

9・

 (

2.

17)      

Q

Q

。 ここ に

e は杭 頭か らの距 離 を表す

2

)根入 れ下 部  A) 杭 先 端 回 転 形 (図

2

7参照)  

0≦H ≦Ho

   M

=一

E

H

Qu

十(

H − Hp

H

)}

 

Np

H

)     N = Nu

Qp

H

)      

Q

Qu

− Np

H

)      

……・

…・

……・

…………

(2

18) 62

! ノ 》 図

2

 B 7Z 図 図

2

9 こ こ に

Q

ρ(H )

 Np〔

H

 

Hp

H

)は 杭の入 れ点と距 離 H の 間に作用す る受働土圧の せ ん断 成 分の合 力

垂 直 成 分 の 合力

そ れ ら の根人 れ点か らの作 用 点 距 離 を表 す

 

B

) 杭 中 問 回 転 形  

0≦

H

≦Hn (図

2

8参 照 )     〃

=一

E

H

Qu

十(

H − H

ちi(H))

Npi(H )      

N

1VrQp

匸(H )     

Q

Qu

− Np1

H

)                

 

一・

 〔2

19 ) こ こに

QPi

(H)

 N ρi(H)

 HPi(H )は杭の根入れ点と距離

H

に作 用 する受 働 土 圧の せ ん断 成分 の合力

垂直 成 分の合 力

そ れ らの根 入れ点か らの作 用点 距離を表す。  

Hn≦H ≦H。 (図

2

9 参照)     M

E

H

Qu

十(

H − Hp

])

N

ρi       

H − H 。

− H

N

H

>     N

Vu

Q

。rQ 。,(

H

)     

Q

Q

N

“1+

N

。、(

H

) こ こ に

2.20

      

Q

。i

 NPi

 

HPi

は杭の根入 れ点と回 転 中心距 離 Hn の 問に作用 す る受働土 圧の せ ん断 成 分の合 力

垂 直 成 分の 合 力, そ れ らの根入 れ点か らの 作 用 点 距 離 を表 し

Qp2

H

 

Np、

H

 

Hp2

H

は回 転 中 心 位 置 と 距 離

H

の 間にす る受 働土 圧の せん断 成 分の合 力, 垂直成 分の 合 力, そ れ ら の回転 中心位 置か ら の作 用 点 距 離 を表す

  2

7 杭の運動 形の判 別 式Dmax

 

荷重のきの最 大 値 ω皿 .時におけ る杭 先端軸 方向地 盤反力は

杭 先 端地盤の極 限 支 持 力

R .

に等しい (

3.1

参 照 )

従っ て ω  .時に おい て

杭の運 動形 が 杭 先 端 回 転 形を示す場 合

釣 合 条 件 (2

14)

(2

16

)式に よっ て

杭 先 端時反 力 は次 式の よ うに求め られ る

     

Qr

E HpNp/〔EH 。)〈

o

       

…・

(2

2D      

lV7=Ru

上式を杭先 端 回 転 形の地 盤 反 力 条 件 (

2.8

}式に代入 し

Q

。<0であ ること を考 慮する と, 次 式が求ま る。      

Dtnax

E

H

ρ}

N

ρ 

 

R

 ta 

tan

δr(

E

H

。)≦0      

tt

 (2

22)  上式は

杭 先 端回転形杭の釣 合 条 件と杭 先 端 地 盤反 力 の 条 件を満足 する か ら, ω 蹴 時に おい て

杭の運 動形 が杭 先 端 回転 形 を示す条件式と な る。 また

Dma、

荷 重の傾 きa)mex 時にお け る杭の運 動 形の判 別 式に も な る。 す な わ ち, 1)m。、c≦0の場 合は

上 記の とお り, 杭 先 端 回 転 形とな り,

Dmax

0

の場 合は

杭 先 端 回 転 形 以 外 の杭の運 動 形

す な わ ち

杭中問 回 転 形と な る

た だ し

D

 

0は

杭の運 動形状は杭 先 端 回 転 形で あるが 杭 先 端 地 盤 反 力の係が杭 中間 回 転 形と同 じ (2

9) 式の 関係にあり

杭 先 端回転 形と杭中間回転 形の 境 界にある 場 合で ある

 な お

上記 判 別 式 を適 用す る場 合

杭 先 端 地 盤反 力 は

(2

21)式を 用いるこ とに注 意 し な け れ ばな らな い

123

(6)

 

3.

解析 法  杭先端回転 形 杭で は, 受 働 土 圧 条 件 係 数 m が分か る と

受働土 圧 解

Np,

 

Q

 

Hp

が求ま る ((2

7)式 )。 し た がっ て

釣 合 条 件 (2

14)

(2

16) 式に含ま れ る未 知の パ ラ メ

タ は, 受働土 圧 条 件 係 数 m , 杭 頭 荷 重Nu

 

Qu

杭 先 端地盤反力

N 。

Q

の合 計 5個で ある

中 間 回 転 運 動 形で は

回 転形 中 心 上 部の受 働 土 圧 条 件 係 数 Ml

下 部の受 働 土 圧 条件 係 数M2 お よび 回 転 中 心 距

Xt

 

Hn

か る と

受 働土 圧解

Nli1

 

Qpi

 

H

ρ1 お よび

Np2,

 

Q

ρs

 HPi が求まる((2

5)

(2

6)式 〉

し た がっ て,釣 合 条 件 (2

11)

2

13)式に含ま れ る未 知の パ ラ メ

タ は, 受 働 土 圧 条 件 係 数 Ml

 M2

回転中心距

Xt

 

Hn,

杭 頭 荷 重

1V。

 

Q

。 , 杭 先端地 盤 反 力Nr, 

Qr

の合 計 7個 で あ る

こ れらの パ ラメ

タを 求める ために は

杭 先 端 回 転形では釣 合 式 以 外に 2個の条 件 式

杭 中 間 回転 形では 4個の 条件式が必 要と な る

解析は こ れ ら の条 件 式と 釣合 条件式 との連 立方程式を解くことにより行 う。 な お

t

これ ら の条件式 の

つ は荷重条件 (2

3)式で あ り

そ の他は以 下にの べ る地 盤 反 力 条件で ある

  3

1

 地 盤 反 力条件  図

3

la に示 す よ うに 荷 重の傾きが ある限 度 角 度 よりも大き く な る と

杭は入方 向の み に移 動し

横方 向には移 動し ない

重の傾き がこ の限 界 角 度よりも小

a OMAXく0 DMAX=e D階xO

   

一 ・   bl     c     d

7

励     b2 さく な る と

杭は横 移 動 を 起こ す

こ の 限 界 角 度 を ahm

x とする (同 図

b

,, 

b

 

b

,)

 1) 判 別 式

Dmax

<0杭 :   判 別 式が Dmax<0とな る杭で は

荷 重の傾き a}max 時 に おいて杭の運 動 形が杭 先 端 回 転 形を示し(2

7参照 ), 定 理 1が 適 用で き る

また

荷 重の傾き ω  .は

杭 が 横 移 動せずに貫 入 方 向の み に運 動す る荷 重の傾きの境 界 にある か ら, 杭先端軸方向地 盤反力 1V

は, 杭先 端 地 盤 の限地 盤 反 力

Ru

しい こと が推 測され る

ゆえ に ωm

X 時の地 盤 反 力条 件は次の よ うに な る

  ● ωωhmex

    m ;

1

Nr

Ru

0

Qr

− Rutan

δr

3.1

)  荷 重の傾きが

ヒ記 ωhm

よ りも小さ く な る と

あ る荷 重の傾き ωmid3 に お い て

杭の運 動 形は杭 先 端 回 転 形で あり ながら, 杭 先 端 地 盤 反 力が (2

9) 式 を 満 足す る状 態が推 測され る (図

d

し たがっ て

荷 重の傾き が ω皿 x>ω≧fthnidS の範囲に あ る場 合, 杭の 運 動 形が杭先 端回転形で あ ることが 推 測さ れ, 定 理1が 適 用 出 来る

ゆ えに

これ らの荷 重の傾き時の地 盤 反 力 条 件は次の よ うにな る。  

a}max >ω>ahnida :     m = 1

 0>

Qr

− Nr

 

tan

δ

ア………・

……

(3

2)   ・ ahTLaxahmld3  

r

Np

e        f         9 N

Qr

O     h         Ru      時 詛 7

     tr

Qr

O       i      j         b3 図

3

1 荷 重の傾き ω と杭の 運 動 形 お よ び地 盤 反 力の関係 Nr

Qt

O   k

一124一

(7)

      m

1

 

Qr

=−

Nr tan δr

 

−tt

(3

3)  荷 重のき が ah,、ida よりも 小さ く な る と

杭の運動 形 は杭 中 間 回 転 形に転 じ

杭 先 端 地 盤 反 力

Nr

が減少す る こ と が予 想さ れ る

そ し て あ る角度ω mid 、にな る と

N

Oに な る状態が推 測さ れ る (

1

司図

f

)。 したがっ て

荷重の傾き が 〔th。id3>ω〉ωmtd2 の範 囲で は

 

N

。>

0

であ ること が 推 測 さ れ

定 理6が適 用で き る

a}mldt 時は

上 記 荷 重 範 囲の 境界に ある か ら 受働土圧条 件 係 数は ω皿idS>ω〉ω mid2 と同

と考え ら れ る

ゆ えに

こ れ ら の 荷 重の 傾き時に おける地 盤反 力 条 件 は次の よう に な る

 

a},、idS>ω > ah。ld2 :      Ml

1

 m2

1

 

Qr

Nrtan δ r

……・

(3

4)  

ω

ωmid2

     Ml

=19

 M2

=1,

 

Nr =

O,

 

Qr

;O・・

 

一一

t・

(3

5)

 

荷 重の傾き が ahmid2 よ り も 小 さ く な る と 回 転 中心下 部の受 働 土 圧 条 件 係 数 m2 が減 少し

ある角 度 c、h。id, に な る と

m ,

=−

1とな ること が推測さ れ る (同 図

h

し たがっ て

荷 重の傾 き が a)、、id2>ω≧ ah。idi の範囲にあ る場 合, 回転 中心下の受 働土圧 条 件 係 数は 1>Mz ≧

ユ と考え られ

定理

3

が適 用で き る

ゆえ に

これ らの荷 重 時の地 盤反 力条 件は次の よ うに な る

 

ω mid2 >ω〉ω midr :     m1

1

 1>m !〉

1

 Nr

=0,

 

Qr

O

tt・

(3

6)   o ω= ωmldD     ml =

1,

 m2

=−

1

 Nr

;0,

 

Qr

=0一鹽

 

7r・

3

7

 

荷 重のき が a}mldl よ りも小 さ くな る と

回転 中心下 の受 働 土 圧 条件 係 数は変 化し な い が m :=

ユ)

回 転 中心上部の 受 働土 圧条 件 係 数 m 、は減少し

あ る角 度 ahni

にな る と M1

=−

1と なる こ とが推 測さ れる 同 図

j

し た がっ て

荷 重の傾きが ahnidz>ω≧ ai,、idl の 範 囲にあ る場 合

1>Ml ≧

− 1

と な ること が推 測 され

定 理

5

が 適用で き る

ゆえ に これ らの荷 重 時に お け る地 盤 反 力条 件は 次の よ うに な る。 な お

荷 重の傾き が ahmin より小 さ くな ると, 杭は引き抜 き方 向の み に変 位 す る 運動 形 状に な る こと が推測 さ れ 〔同 図k)

本 解 析 法の範 囲外とな る。  

ω m1d1 >ω〉ωmi

 l      l>mt

=− 1

 M2

;− 1

 

Nr

0

, 

Q

=0 …

3,

8

>  

ω

ω皿in

     肌 1

=− 1,

 m2

=− 1

, 

1Vr

0,

 

Q

γ= 0

 (3

9)  2) 判 別 式

D

,,ax

=0

杭  

Dmax=

0杭 に お ける荷 重の傾き ωhmax 時は

杭の 運 動 形は杭先 端 回 転 形 を示し

地 盤反力は (2

9

) 式 が 適 用 で き る (2

7参 照 )。 したがっ て

定 理 1が適用で き る

ま た, 荷重の傾き ω)ma.時は

杭が横 移 動せ ずに貰入方 向の み に

動する荷 重の傾きの境界にある か ら

こ の時 の杭 先 端 軸 方 向 地 盤 反 力は 杭 先端 地 盤の極 限 支 持 力に 等しい。 ゆえ に

ωinax 時の地 盤の地 盤 反 力条 件は次の よ うに な る

 

ω

ωmax

     m = ユ

 

Nr

Ru,

 

Qr

=− R

.tan δr

 

…・

(3

10)  荷 重の傾き が ahma. よりも小さ くな る と

杭の運 勤形 は杭 中 間 回 転 形に転じ

杭 先端地 盤反 力は小さ くな り

ある角 度 ωmid2 (同 図

f

)にな る と

 N。mO に な る こと が推 測さ れ る

し た がっ て

荷 重の 傾 きが ω  x>ω> Uh。id2 の範 囲では

 

N

。>

0

で あ ること が推 測され

定理 6が適用でき る

ゆ えに

こ の時の地 盤 反 力条件はの よ うにな る。   ・tOmax ω> ah 。ld2 :     mI

1 Ms = 1

 

Qr

=− Nrtan

δ r

…・

(3

11)

 

な お

荷重のき ω(Lh 。tdZ の範 囲は上 記

Dm

。x〈0に 対応す る 〔(

3.

5)

(3

9)式 参 照 )

 

3

) 判 別 式 Dmax〈0杭  

Dmax

〈0杭にお ける荷 重の限界傾き αhax 時は

杭の 運 動 形は杭 中 間 回 転 形 を示し, 杭 先 端地盤 反 力は (2

 9) 式が 適用で き る (2

7参照)

杭先端 軸 方 向 地 盤 反 力は 横 移 動せずに貫 入 方 向のみ に運動す る荷 重の傾 きの境 界 にあ るか ら

杭 先 端 極限支持 力に等 し く

Nr

=R 。

>0 である ことが推 測さ れ (同 図

b

,)

定 理6が適 用で き る。 ゆえに こ の時の地 盤反力条 件は次の よ うになる

  o ω

ω

 

x

     m ■

=1

, m2

1

 

Nr ;Ru ,

 

Qr

=− Rutan

δr               

……・

………・

…・

………・

3.12

)  荷重の傾き が ω)max よ りも小さ く な る と

杭 先 端 地 盤 反 力は小さ く な り

ある角 度 ωmld2 にな る と, 

IV。

=0

に な ること が推 測さ れる (同 図 f}

し た がっ て

荷重の 傾き が tOma.〉ω 〉ω mid2 の範 囲で は

 N

>0 に な る こと が推 測さ れ る。 ゆえ に定 理 6に よ り地 盤 反 力条件は次の よ うになる

 

a,,

ax >ω> a  且d2 :      m 、

LM2

=1

, 

Q

=一

丿

V

tan

δ。

一 ・

3.13

)  なお

Dm。x

O杭と同 様

荷 重のきω≦蜘 id、の範 囲は上記 D

 

<0に対 応す る ((3

5

3

9)式 参 照 )。

 3

2 荷 重の傾き t・m。。 , ah。id3

 Qnid!

 ahmldl

ω min

 前 述 し た荷 重の 境 界 角 度 ω 

ω ml “3

 Gコid、

 ah。i。1

ahml。 の 各大き さ は

これ らの 荷 重時の極限 支 持 力1Vu

Qu

が求め ら れ る と

次 式か ら計算で き る。

    ω max

ω mid3

ωm且d2,ωmldt ,αhmin

=tan 

1 (Nu/

Qu

}十e,        

 nyt

3

14 以下に

これ らの各 荷 重の傾き時にお け る解

および

そ れ ら の法 を示す。

 

1)

Dma.

0

杭の極 限 支 持 力Nu

 

Q

    ・

 

A)

 

ω

  .

時 :

本 荷 重 の 傾き時に お ける杭の 運動 形 は

杭 先端 回 転 形で あ る か ら (図

3

lb,}

釣 合 条 件 は (

2.14

(2

 16)式適 用

地 盤 反力 条件は (3

1)

一125一

(8)

式が 適用さ れる (3

1の

1

参照)

。.

し た がっ て

受 働土 圧 条 件 係 数 m が既 知で あ るか ら

受 働 土 圧 解は (2

7} 式より求め ら れ

上記 釣 合 条 件 式と ト記盤反 力 条件式よ り

次 式の ように解が求め られ る。

Q

=1V

。(H。

− H

。)/(

E

Hg

IVu

Qp

Ru

lVr

RuQr

Qu

錦 a}mldS 時 :

 (

3.

15

 

B

)        上 記 ωma

時と 同様

荷 重 あ 傾き ah。id3 時は杭 先形で ある か ら (図

3

1d ), 釣 合 条 件は (

2.14

2.16

)式 が 適 用さ れ, 地 盤 反 力 条 件は (3

3) 式 が 適 用 さ れ る (

3.1

1

) 参照)

し た がっ て

受 働 土 圧 条 件 係 数 m が既知であ るか ら, 受働土 圧解は直接 求 め ら れ ((

2.7

) 式 〉

上 記 釣合条 件式と

ヒ記盤 反 力 条 件 式よ り

次 式の よ うに解 が求め ら れ る

Q

1v。(

H

砌 /(

E

H

。;

Nu =

Q

ρ

Np

E

Ho

)/(

E

Ho

tan

δr Nr

Nu

Qp

Qr

=− Nr

 

tan

δγ      

 (3

16)

 

C

) WTnLd!

ωmldl

 ahmin :荷 重の 傾き a}mid2

 a}midl お よ び fth

ll. の各 荷 重 時に お け る 杭 の 運動形は

と もに杭 中 間回転 形である から(図

一3.1

 

f,h,

 

j

釣 合 条件は(2

11)

2

 13)式が適 用さ れ

地盤反 力条 件は そ れ ぞ れ (3

5)

(3

7 ), (3

9)式が適 用さ れ る (

3.1

1

)参 照 〉

した がっ て

これ らの受 働 土 圧 条 件 係 数 Ml

 mt が 既知で ある か ら

回 転中心距 離 Hnが求め られ る と

受働土 圧は (2

5) 式お よ び (2

 61 に よっ て求め ら れ る。計算は

釣 合 条 件 式および地 盤 反 力条 件 式 より

次 式に示 す 基 礎方程式 を導きに示す方 法に よ り

回 転 中心距 離を求め る。      Fn(Hn)

=一

E

H

。 、)

Np

、+(

E

Hn

H

。,)

N

』、=

0

                 

 (

3.17

) 回 転 中心距 離 H。が求め ら れ る と

受 働土圧

N

ρi

Qpi

N。z

 

Q

。2が求め ら れ

前 述 し た 釣 合 条件式 お よ び各 地 盤 反 力 条 件 式より

極 限 荷 重 解は次の よ う に与え ら れ る

     

Qu

 

Npl

 L  

N

ρ:

   

Ju

Qp1

Q

ρ2

   ………・

…・

………・

…・

3

18      N。

Q

0  な お

回転中心距 離

Hn

の計 算は

基 礎 方 程 式

F

。が 真の回転 中心 距離よ り も大き い H。に対して は負

真よ りも小さい

Hn

に対 して は正

真の Hn に対 して は零に な る性 質 を利 用する。 す な わ ち

一3.2

に示す よ うに

最 初に真の Hn の値 より全に小さい 値 を

H 。

i, 完 全に 大 きい値を

H

。2 と置き

それ らの中 央 値を Hn と す る こ とに よっ て, 受 働 土 圧を計 算し

それ を用いて基 礎方程 式 Fn を 計 算す る

次に

 

Fn

の符 号 を判 別 し

正の場 合は

Hn

H

。i

負の場 合は Hn をHnt と置き

同じ計算 を繰 り 返 す

そ し て Fnがほぼ零に なっ た 時の

Hn

を 回

126

3

2 回 転 中 心 距 離H

の計 算 法 転中心距 離の近 似 解 とす る

  2)

Dm

。x

O 杭   A) ωh。。x 時 :本 荷 重 時に お ける杭の運 動 形は杭 先 端 回 転 形で あ り (図

一3.

b

,)

釣 合 条 件 式は (2

14)

(2

16)式が適 用さ れ

地 盤 反 力 条 件は (3

10}式が適 用さ れ る (3

1の 2)参 照 し た がっ て, 受働土 圧 条件 係 数が既 知で あ る か ら, 受働土圧解が直 接 求め られ ((2

7) 式 )

上記 釣合条件式と地 盤 反 力 条 件より

次 式の ように解が求め ら れ る。

Qu

N。(

H

厂 砌 /

1E

H

。)

Nu =

Qp

十Ru

Nr=RuQr

=− Rutan

δr

Dmax

>0杭

 (3

19  

B

)              Dmax〈0杭 参 照  3)

 A

    

本 荷 重 時にお け る杭の運動 形は杭 中 間 回 転 形 で あ り (図

3

lbs )

釣合 条 件式は (2

11)

2.

13

)式 が 適 用さ れ

地 盤 反 力 条 件は (

3.

 12 )式が適 用 され る (3

1の 3)参 照 )。 こ の場 合, 杭先端 地 盤 反 力 お よ び受 働 土 圧 条 件 係 数は既知であ る が

回転 中 心 距 離 猛 は未知で あ る

回 転 中 心 距 離の 計 算は

前述 し た

D 皿

x く

0

杭の

C

)と同 様

地 盤 反 力 条件式お よび釣 合 条 件 式より

次式に示す基礎方 程 式を導き, これ より求め る

た だ し

こ の計 算 法は前 述し た 図

3

2と同じ で あ る。      Fn(Un)

=一

E

Hp

,)

IVPi

十(E +Hn十Hp2)Nρ2       +(E +H。)R。 tan cr,

O

− ・

……

3.

20) H

が 求まると

受 働土 圧 条件係数 Ml , M2 が既 知で あ る か ら

受 働土 圧 解 は (2

5ト (2

6}式より求め ら れ, 前 述 した地 盤反力 条 件 式お よび 釣合 条 件 式より

解は次 の よ うに求め ら れ る

(9)

Qu

Nρi

N

ρ

2

− Rutan

δ.

IVu

Qpi

Q

ρ2+Ru

Nr;RuQr

=− Rutan

δr

…・

……

3

21  B>      Dm

xく0杭 参照

 3

3  任 意の荷 重の傾 きω に対 する極 限 荷 重

  荷 重の傾き が

⊥記 Cthnax

ωmidl

ωmid2

  a}midl

ωmin に

す る場 合

3

2に よ め ら れ る

し た がっ て

荷 重のき が

これら の中 間にある場 合の解 析 法を示せ ば良い

 

DDm

。 .〈0杭  A > tUma .〉 ω 〉 ωmiα」 の 時 :荷 重の 傾 き が ωhmax と ωmid3 の 中 間に あ る場 合

杭の運 動 形は杭 先 端 回 転 形 を 示し (図

3

1c )

釣 合 条 件は (2

14)

(2

16)式が適 用され地 盤 反 力 条件は(

3.

2)式が適 用さ れ る(

3.1

の ユ) 参 照 }

し たがっ て, 受 働 土 圧 条 件 係 数 m が 既知で あ る か ら 働 土圧解は 2

7)式に よっ て直 接 求め ら れ

荷 重 条 件 (2

3

)式

,.

ヒ記 釣 合 条件式お よ び上 記地 盤 反 力 条 件 式よ り

次の よ うに解が求め ら れ る

Qu

(H。

Hp)Np/〔E 十Ho) Nu

Qu

 

tan

(ω

e,)

Qr

=一

E

H

A

』汽

E

Ho

) N

N。

Q

ρ

……・

 

3

22  

B

)      荷重のき が fthnideと ah。td2 の中 間にある時, 杭の運 動 形は杭 中 間回転形を示し (図

3

1e

合条件

2.

ll

2

13)式適 用さ れ

地 盤 反 力条件は (

3.4

}式が適用さ れ る (3

1の 1)参 照 )。 受 働 土 圧条件係 数Ml

 m が 既で ある か ら

回 転 中心 距離

Hn

が求ま る と

受 働土圧 解が求まる ((2

5)式

2.6

)式〉

回転中心 距離

H

。の計 算は

荷 重 条 件 (2

3) 式

上 記 釣合条件式 お よ び 上記 地 盤 反 力条 件 式より

次 式にasす 基 礎 方程 式を導き

これ を図

3

2に示し た方 法によっ て求め る      

F

Hal

11

tan δ . tan (ω

e,}

H

(E +H

、)N

i       十

E

Hn

H

ρ2)

N

ρ :

1

tan δア(E 十Ho)

IQ

ρi            +

Q

。,

Np1− N

。,)tan(ω

の }

=0

     

 

r・

 

一・

 (3

23)   回 転 中 心 距

SS

 Hnがまると

受 働 土 圧 解が求め ら れ

荷 重 条 件 式 (2

3)式

上 記 釣 合 条 件 式 お よび上 記 地 盤 反 力 条 件 式よ り

次の よう に解が求め ら れ る

Q

 〔H、

Hρ1)N。,    

(H。

Hn

H』、>1V。 、

1

/(E +H、) 凡

Q

。tan (ω

θ。)

Q

= =

i

(E 十H ρi>1Vp聖    +(

E

Hn

H

ρ2)

V

ρ21/(

E

H

。) Nr

=−

Qrtan

δr

 (

3.

24  C >      荷 重の傾き が a}mid 、と ωm 蔔dl の 中 間に ある場 合

上記と同 様

杭 中 間 回 転 形を示し (図

一3.19

釣 合 条 件 式は (2

11)

(2

13)式 が 適 用され

地 盤 反 力条件は (

3.

6

)式が適用 さ れ る (

3.1

1

))

こ の 場 合

杭 先 端 地 盤 反 力および受 働 土 圧 条 件 係 数Ml が 既 知で あ る が

回 転 中心距 離

H

。と受 働 土 圧 条 件 係 数 m2 が 未 知 数で あ る

こ れ ら は

荷 重 条 件 式 (2

3)

,.

1.

: 記 地 盤 反 力 条 件お よ び釣 合条 件 式か ら

次の 2つ の基 礎 方 程 式 を導 き

これより求め る

   Fni(nz  !, Hn) 

(E 十HPi)Nρ1               +(E +H。+H。 ,)N。,

O      

Fn2

(M2

 

Hn

=tan

ω

e,)(Npi

N

ρ

2)              

QPi

Qpz

=0

     

 

 (3

25)  な お

こ の 計 算は図

3

3に示すとお りである

これ は

荷重のき ω と受働土圧条件係 数の間の次の関 係 を利用し た も ので あ る。  「杭 中間 回転形杭で

杭 先端地 盤反力

N

,= Oで あ る と き

受 働土圧 条 件 係 数が増 大す る と荷 重のきω も 増 大す る。」  す な わ ち

3

3に示す よ うに

ま ず MA を

M 。 を+1と置き

その 中 央 値 m

を受 働 土 圧 条 件 係 数 の第

近似と し

前述 し た

一3,2

の 方 法に よっ て回 転 中心距離 Hn を計算す る

a

次に受 働 土圧 N

 

Q 。

を計 算 し

基 礎 方 程 式 F。2 か ら荷 重の傾 きω

を求 める。 そ して

問 題 条 件と して与え られ た傾き ω と 上記 ω

との 大 小を比 較す る

次に ω

くω の場 合 m

を 7nB

ω

くω の 場 合 m

を m 渦 と置き

同 様な計 算 をMA と MB との 差 が 十 分に小さくな るまで繰り返し

その時の m

を受 働 土 圧 条 件 係 数の近 似 解とする

そ して

こ の受 働 土 圧 条件係 数 値を 用い

一3,

2に示し た方 法 を 適用 し て 回 転 中心距 離

H。

を 計 算する

 回転形中心 距離

H。

お よ び受 働 土圧条 件 係数 M2 が求 め ら れ ると, 受働土 圧 解が求め ら れ ((2

5)

(2

6)式), 図

3

3 受 働土圧 条件 係 数お よ び 回転 中心 距離H

の計 算 法

一127

参照

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