<論文>西ドイツの監査役会と管理決定 : エーリッ
ヒ・グーテンベルクの所論を中心にして
著者
柿崎 洋一
著者別名
Kakizaki Youichi
雑誌名
経営論集
巻
24
ページ
137-158
発行年
1985-03-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005796/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja西 ド イ ツ の 監 査 役 会 と管 理 決 定
- エ ー ジッ ヒ ・ グ ー テ ン ベ ル クの 所 論 を 中 心 にし て n Ⅲ Ⅳ柿
崎
洋
一
課 題 固有 の管理決定 と取締役会 監 査役会 の機能変化 監 査役会の統制機能と管理決定 137 I 課 題 西 ド イツの 「株式法」(Aktiengesetzvom6.September1965 )は,「株式 会社 の体制」を 構成 す る必 要機 関とし て, 株主総会(Hauptversammlung ),監査役 会(Aufsichtsrat),お よび取締 役会(Vorstand) の3 つ を 規 定し てい る。そし て,「ド イツの 法律は, 会 社 の管 理(Fiihrung)を 義務 づ け てい る2 つ の会社 の機関, す なわち 取 締役会 と監査 役会をし ばし ば管 理 機 関(Verwaltung )と い う言葉 で統一 的に 把握し てい る1)」。し かし ,監 査役 会 と取 締役 会 の機 関分 離に 関し ては, こ うし た 機関 分離を 廃 止し て, 統 一的 な機 関を 置 くべきであ るとい う議論 な どが見ら れ る2)。 この場 合に 留意す べ きこ とは, 経営学 者の 立場 から も, ア メリカで めざ ましい 研 究がな されて以 来, 西 ド ツの経 営学に おい て も ます ます学問 的 な関 心を ひ くよ うに な ってき た企業 管理 の問題 との 関連で議 論し てい るこ とであ る。 このこ とは, かつ て,( ド イツの経営 組織 論の著作 の うちで 監査役 会に 論及し た ものは非 常に少 ない3)」 と評 価 さ れ て い たとい う意 味におい てだけ でな く, 企業 管理 の重 要 な問 題であ る管 理決定 (Fiihrungsentscheidungen)のに ない 手, ないし 機 関を 効 果的 に形 成 す る とい う意味 から も興 味深い こと であ ろ う。 ところ で, こ うし た経 営学 の立 場 から 西 ド イツの株式 会 社におけ る監査役 会 と取 締 役会 の問題を 取 り上げ てい る代表的経 営学 者 の1 人 に エ ー ジッヒ・ グーテン ベル ク(ErichGutenberg,1897 −1984) がい る。 ダ ヴ テン ペ ル クに よる監 査役 会と取締 役会に 関す る代表 的 研究は,1962 年 の著 作『企業 管 理(Un-ternehmensfuhrung )』 お よび1970 年 の論文 『監 査役会 の機 能変化(Funktions-wandeldesAufsichtsrats )』に これを 求め るこ と ができ る であろ う4)。 また, こ の著作 と論文 が1965 年制 定 の新し い 「株式法」 と前後し て発 表さ れてい る こ と も無 視し えない であろ う。 こ こでは, と くに 西 ド イツの株式 会 社に おけ る管理 機関 の特徴 であ る監 査役 会 の機能 変化を グーテン ベ ル クの所論に よっ て 検討し , その経営 学的意義 の一 端を 明らかに す ること を課題 とす る もので あ る。
l )E.Gutenberg, “Unternehmensfuhrung-OrganisationundEntscheidungen ―,"Wiesbaden,1962,S.25. 〔 邦 訳 〕 小 川 冽 ・ 二 神 恭 二 訳 『 企 業 の 組 織 と 意 思 決 定 』 第2 版 , ダ イ ヤ モ ン ド 社 , 昭 和41 年1 月,22 頁 。 同 様 の 見 解 と し て は , 黒 田 全 紀 ( 稿 )「 企 業 の 諸 形 態 」, 大 西 健 夫 編 『 現 代0 ド イ ツ , 職 場 と 社 会 生 活 』 三 修 社 , 昭 和57 年9 月 , 所 収,36 頁 。 な ど か お る 。 な お,Verwaltung は , 経 営 学 に お い ー・Iて は ,「 そ の 職 分 と し て , 計 算 制 度 , 通 信 な ら び に 報 道 , 経 営 組 織 お よ び そ り 改 善 , 人 事 ・ 社 会 問 題 , 法 律 ・ 租 税 問 題 な ど が あ げ ら れ る 」( 吉 田 和 夫 ・ 大 橋 昭 ア 編 著 『 ド イ ツ 経 営 学 総 論 』 中 央 経 済 社 , 昭 和57 年5 月,97 頁 ) の で あ り , こ こ で の 法 律 上 の 用 語 法 と は 異 な る 場 合 が み ら れ る 。2 ) こ う し た 議 論 に つ い て は,HorstSteinmann/ElmarGerum,"ReformderUnternehmensverfasstine,Koln,1978,SS.85-93 を 参 照 さ れ た い 。3 ) 小 島 三 郎 著 『 戦 後 西 ド イ ツ 経 営 経 済 学 の 展 開 』 慶 応 通 信 刊 , 昭 和43 年9 月 。58 頁 。4 ) こ こ で は , グ ー テ ン ベ ル ク の 次 の 文 献 を 中 心 に 検 討 す る こ と に す る 。E.Gutenberg,"Unternehmensfiihrung −OrganisationundEntscheidungen ― ”,Wiesbaden,1962.E.Gutenberg, “FunktionswandeldesAufsichtsrats",inZeitschriftfvirBet-riebswirtschaft,40,Jahrgang,Dezem )er,1970,Erganzungsheft,SS.1-10. な お , 本 稿 に お い て 参 照 し た 文 献 と し て つ ぎ の 著 作 を 挙 げ て お く 。 森 本 三 男 ( 稿 )「 最 高 経 営 組 織 の 性 格 と 意 義 」 古 川 栄 一 編 『 経 営 者 と 経 営 指 導 』』同 文 舘 , 昭 和38 年3 月 所 収 。 岸 田 尚 友 著 『 経 営 参 加 の 社 会 学 的 研 究 一 西 ド イ ツ に お け る ー 』 同 文 舘 , 昭 和53 年9 月 。 村 田 和 彦 著 『 労 資 共 同 決 定 の 経 営 学 』 千 倉 書 房 , 昭 和53 年1 月 。 ■■ ■■ ■ ㎜ ■ U 固有の管 理決 定と 取 締役会 っ ‥ 西 ド イツ の株式 会 社 の管 理機 関に 関す る グーテン ベル クの研 究におい て,
西ドイツの監査役会と管理決定139 企業に おけ る固 有の管理決定 (echteFiihrungsentscheidung)は, 決定的な 意 味を もってい る。「固有の管 理決定 は, す べて, 経営 内 外で生ず る経営 現象に ∧ 関与し, それに一 定の方 向を 与え, 意識 的に 形成す る 意思 行為(Willensakt) であ る。 そ こで, 一体, これら の管 理 決定 のに ない 手 はだ れか, 決定過程を 企業 の管理 機関 のなかで可 能にし ,寸 分効果 的に形成 す るために。 どの よう な組 織形態 が発展 させ られ たか,が問題 とな る1)」。/こ のよ うに 経営学 的な意 味で は, 固 有 の管 理決定 のにない 手お よび 決定 過程 の 効果的 な形成 とい う経 営的な 必要に よって管 理機関 が問題 とな る のであ る。 グーテン ベル クはい う。 「管理 決定は, 企業 の指導機 関に よっ て行な われ る決 定 であ る。 それは,個 十 人企業お よび人 的会 社の場 合に は 企業 の所 有 者に ょ っ て行なわ れ, 資本会社 の場 合には,\経 営者 または 取締 役会に よって 行なわれ る。 この よ与 な 管理機 関の責任 と権限 は, 法律上 の規定 に よ って, 契 約に よ っ て,一業 務制 度に よっ て確立 され る。し かし な がら, 企業 指導 者力v そ の業 務執 行権お よび代表権 に もとづい て行な うす べて の決定 が経 営的 な意味にお け る固有 の管理決定で あ るとは 限ら ない2)」。し た がうて ,株式 会 社 の管 理機 関 に関す る経営学的 考1 察は,l 企業に おけ る固有 の管理 決定を 明 確に す る ごと から始 められなけ れば なら ない6 そ れに よって, 経営学 的 な意 味におけ る管 理機 関 と法律上 の管理 機関の 相違 を 明ら かに する こと ができ るであろ う。 ト さて, グーテ ンベ ル クに よれ ば, 固有 の管 理 決定は ,3 つ の特徴を もって い るとされ る。 まず, 第1 の 特徴に 関し ては,「企業 の運命に重 要 な意味を もつ 決定 に対し て, あ ま り重要性 を もた ない もの よ り, よ り高い次 元のもの が与えら れ れば, それ が固有 の管理 決定 がな ん てある かを 把握す るための第1 歩を 意味す る ことに な るだろ う3)」。 そし て,「あ る 決定 が企業 の財産状態, 収益状 態お よび企栗 の構造に 対し て有す る重 要 性 の程 度は,犬固有の管 理決定 の第1 の特徴をな す4)」とさ れるの であ る。 つ い で, 第2 の特 徴は,(企業 全 体から のみ行な われ る決定 だけ が固 有 の管理 決定 とみ な され る5)」 こ と で あ る。 そし て,「たとえ実 際に委 譲は で きて も, 企業 と その管 理 のた めに委 譲 し ては ならなト 決定 が問題に な るとす れば, この委譲 されない とい うことの なかに, 固有 の管理 決定 の第3 の特徴 が示 さ れ る6)」 のであ る。 要す るに, 企業 の運命に 重 要な意味を もち, 企業 全体 の観 点 から な される, 委 譲し えな い 決定 が, 固 有の管理 決定 の特徴を な す のであ る。 ニ
ところ で, 西 ド イツの法 律は, 株式 会社の管理 機関 とし て取締 役会 と監査 役会を把 握す るの が一 般的 であ るとさ れ るので あ るが, 株式 法 では, 株式 会 社 の代表(Vertretung)〔新 子株式 法卜 第78 条 の第i 項, 旧 「株式 法」 第71 条 の第1 項〕と業 務執 行(Geschaftsfuhrung)〔新「株式 法」第76 条 の 第1 項, 旧 「株式 法」 第70 条 の第1 項〕 は取 締役会 だけ の責任 であ り,業 務執 行 の 監 督 (Uberwachung )〔新 「株式法」 第Ill 条 の第1 項, 旧 「株式 法」 第95 条 の第1 項] が監査役 会 の責 任であ る とし て, 機関 分離を 規定し てい るの であ る。 さ ら に, 新 「株式法」 第105 条 の第1 項(旧「株式法」第90条の第1 項) では, 取 締 役会お よび監査 役 会へ の兼 属の禁 止 が規定 され, 構成員 におい て も取 締役 会 と監査 役会の機 関 分離を 定 めてい る のであ る。 こ うし た 取 締役 会 と監査役 会 の機関 分離に 関 す る規定 は,1937 年 制定 の旧 「株式 法」 お よび1965 年制定 の新 「株式 法」 と も本質 的に は変わ っ てい ない と理解され てい る7)。 さて, 西 ドイ ツの株式 会社 の管理 機 関に 関す る経営学的 研究は, 企 業にお け る固有 の管理 決定 のに ない 手お よび 決定過程 の効果的 な形 成 とい う立場 か ら 取締 役会 と監 査 役会を 考 察す るこ とであ るとい え るであ ろ う。 グー テン ベ ル クは,1962 年 の 著作 『企業 管理』 におい て,」日「株式 法」 第70 条 の第2 項 お よび 第71 条 の第2 項に 基づ い て取締 役会 が多 数 の構成 員に よっ て構成 され てい る株式 会社 の場 合,「 ド イ ツの 株式 法に よれば, 取 締役 会 自身は業 務 の割 当につい て決定し , 個 々の構成 員は そ の要 求があ れば, あ る一 定 の所管 部門 を 引き受 け る義 務を 負 う。 こ うい う場合には, 取 締役員は, 固有 の管 理決定 と同時に 純粋 な部 門決定(Resortentscheidungen)を 行な うこ とに な るだろ う。 個 々の取 締役員 は, 取締 役 会に よる連帯 決議制 度(gemeinsameBeschluBfassung) に ゆだ ねる とい う手 続 きが望 まし い かあ るい は必要 と考え られ るす べて の問 題に 対し , そ の よ うな 手続 きを 要求す る権 利を もつ8)」 と 述べ てい る。 この ように, 法 律上 の 管理 機関 であ る取 締役会は, 確 かに 原則 とし て単 独 の業 務 執行機 関であ り代表 権を もつ とい う意味 で経 営学的に も固有 の管 理決定 のに ない手 とい え る のであ る が, 純 粋な 部門決 定を 行な うとい う意味 では一 義的 に, これを 純粋な 固有 の管 理 決定機 関 と理 解す るこ とがで きない であろ う。 そし て, こ うし た 取締 役会 におけ る二重 の性格は,「全 体 の利益 とそ の 所 管 部門 の利益を 同時 に 代表し なけ れば なら ない 。 が, こ の よ うな 特別 な状況 は, 利害 と責 任 の衝 突を まね くのであ る。部門 指導者に とって, なぜ一 定 の 部門の
西ドイツの監査役会と管理決定141 願い が企業 全体 の利害に 反す る のかを 認め るこ とが, 実際 上む ず かし い場合 があ る。 そ の場合, 考慮し なけ れば ならない こ とは, な に が 全 体 の利 益 かとい う点につ い て, 意見 の食違い が十 分あ り うる という こと であ る9)」。さらに, こ うした 取 締役会 内 の利 害 と責 任 の衝突に対 す る 取 締 役 会 会 長(derVorsitzerdesVorstands )の役割 が, 旧 「株式 法」 と新 「株式法 」 では 異 な ってい る と ころに 留意し なけ ればなら ない。 旧 「株式法」 第70 条 の第2 項に おい ては, 「取締 役員 の1 人 が取 締役会 会長に 指名 された 場 合にお い て, 定 款に 別 段 の 定めな き ときは, そ の取 締役員は, 取 締役会 内の意見 の相違 を 決定 する」 と 規定 さ れてい た が, 新て 株式 法」 第77 条の第1 項 では , 定 款 また は取 締役会 運営 規定(dieGeschaftsordnungdesVorstands ) とい え ども,「取 締役会に お け る意見 の相違を, そ の構成 員 の多 数に反対し て,1 人 または 数人 の取締役 員 が決定 す る旨を 定め るこ とは できない1 とさ れてい るのであ る。 そし て, グーテン ベル クはレ 『企業 管理 』におい て, 旧 「株式 法」 の こ うし た方法は 「迅速な反 応 と決定を 保証し , 企業 指 導 者 層 の 経 営 方 針 こ(geschaftspolitischeLinie )の徹底を 確保す る10)」 とし ながら も,「ひと りの人 間へ の決定 権 の 極 端に 強力 な委 譲は,基 本 的に まった く異なった 考え方 や 気質 の人 び とから 成 る集団に対 す る業 務 執行 の配分 よりも,企業 に とって よ り 大 き な 危 険 か お る11)」 とし てい る6 そし て,「こ の規定(旧「株式法」第70条の第2 項―榔 奇)は 株式 会 社の取 締役 会に 対し ては, そ れが多 数 の メン バ ーに よって構成 されて いるか ぎ り, 原則 とし て集団 決定制 が規定さ れ るよ うに変え ら れ るべきであ ろ う12)」 と する のであ る。 この 意味では,新 「株式 法」 にお い て より集団 決 定制 が明示さ れ てい る といえ る。し かし な がら, 取 締 役 会が多 数 の メン バー から構成 され, 個 々の メン バーが 固有 の管理 決定 と同 時に 純粋 な 部門決定を 行な う限 り, 取締 役会 が利 害調整 の場 とな り, 企業 の 運 命に重 要 な意味を も ち, 企業 全体 の立 場 から な され る固有 の管 理決定 とい う本来 の機 能が十分に 発揮 されない 場 合が考 えら れ るこ とを忘 れては なら な い であろ う。
1)E.Gutenberg, “Unternehmensfuhrung −OrganisationundEntscheidungen −",Wiesbaden,1962,S.H. 〔邦 訳〕小川冽 ・二神恭二 訳『企業 の組織と意思
決定』第2 版, ダ イヤモン ド社,昭和41年1 月,3 頁。2
)E.Gutenberg,a.a.O. ,S.59. (前 掲訳書,65 頁。) なお, ここでは,Geschaf-tsfiihrung を業 務執行と訳すことにす る。
3 )E. \Gutenberg,a.a.O.,S.59. ( 前 掲 訳 書,66 頁 。) な お , ダ ー テ ソ ベ ル 列 ち こ;うし た 固 有 の 管 理 決 定 を 構 成 す る 具 体 的 な 決 定 内 容 が う ぎ の5 つ の 基 準 に よ っ て 区 別 さ れ る と す る (Vgl.E.Gutenberg,a.a.O.,SS.61-75. ( 前 掲 訳 書 ,68 ∼84 頁 。)1. 長 期 的 視 野 に も と づ い た 企 業 政 策 の 確 立 レ2. し経 営 の 主 要 部 分 領 域 の 調 整 ニ3. 経 営 過 程 に お け る 障 害 の 除 去4. き わ め て 重 要 な 経 営 政 策5. 企 業 に お け る 管 理 職 の 任 命4 )E.Gutenberg,a.a.O.,S.60. ( 前 掲 訳 書,66 頁 。)5 )E.Gutenberg,a.a.O.,S.60. ( 前 掲 訳 書 ,67 頁 。)6 )E.Gutenberg,a.a.O ・,s.61. ( 前 掲 訳 書 ,67 頁 。)7 ) ハ ソ ス ・ ヴ ュ ル デ ィソ ガ ー / 河 本 一 郎 編 『 ド イ ツ と 日 本 の 会 社 法 《 改 訂 版 》』 商 事 法 務 研 究 会,1969 年2 月,28 ∼29 頁 。) を 参 照 さ れ た い 。8 )E.Gutenberg,a.a.O ・,s.75. ( 前 掲 訳 書,85 頁 。)9 )E.Gutenberg,a.a.O.,S.69. ( 前 掲 訳 書,77 ∼78 頁 。)10 )E.Gutenberg,a.a.O. ,S.46. ( 前 掲 訳 書,50 頁 。)11 )12 )E.Gutenberg,a.a.O ・,s.47. ( 前 掲 訳 書,51 頁 。) Ⅲ 監 査 役 会 の 機 能 変 化 グー テン ベ ル クは,1962 年 の 著 作 『企 業 管 理 』 に お い て, 株 式 会 社 の 制 度 とし て の 監 査 役 会 の 問題 点 を 指 摘 し な が ら も,「監 査 役 会 は 統 制 権 (Kontrol-Irecht ) は も っ てい る が, 管 理 権(Fiihrungsrecht)は も っ:て い な い1 )」 と 述 べ, 「原 則 と/し て, 監 査 役 会 は 統 制 機 関 (Kontrolleorgan ) で あ っ て, 業 務 執行 機 関 (Geschaftsfiihrungsorgan)で は な い2)」 とい う態 度 を 示 し た。 し かし , 監 査 役 会 に つ い て の こ うし た グ ー テン ベ ル ク の 考 え 方 は , そ の 後,1970 年 の 論文 『監 査 役 会 の機 能 変 化 』 に お い て, 企 業 管 理 の 全 体 シ ス テ ムに おけ ノる 監 査 役 会 の 位 置 づ け を め ぐっ て変 化し , こ れ を 監 査 役 会 の 機 能 変 化 とし て 把 え る 見 解 を 示 し てい る。しす な わ ち ,「監 査 役 会 の 制 度 的 職 務(institutionellenAufgabe) は , 統 制 と 監 督 の 処 置 とい う こ と で 論じ 尽 さ れ な い 。 現 代 的 大 規 模 経 営 の企 業 管 理 の 全 体 シ ス テ ムに お け る監 査 役 会 の位 置 を 特 徴 づ け て い る も の は , 実 際 に は , 監 督−, 助 言 ―(Beratungs ), 意 思 決 定 − , 協 動 −(Kooperations ), そ し て あ る場 合 に は , 調 整 機 能 (Koordinierungsfunktionen ) の 集 積 と い う こ と で あ る3)」 とし て い る の が こ れ で あ る 。 丿 そ こ で, こ こ で は , こ うし た 監 査 役
西 ド イ ツ の 監 査 役 会 と 管 理 決 定143 会 の 監 督5 助 言 − , 意 思 決 定 − , 協 働5 そ し て 調 整 機 能 を よ り ど こ 右 と し て 『 企 業 管 理 』 と 『 監 査 役 会 の 機 能 変 化 』 に お け る グ ー テ ン ベ ル ク の 所 論 を 比 較 検 討 し , そ の 変 化 を 明 ら か に す る ○1.1j ま ず, \第 ↑ に , 監 査 役 会 の 監 督 機 能 は , 新 「 株 式 法 」 第HI 条 〔 監 査 役 会 の 丿 職 務 お \よ び 権 利 〕( 旧 「 株 式 法 」 第95 条 ) に 基 づ く の で あ る が , グ ー テ ン ベ ル グ の 重 点 は , 新 「 株 式 法 」 第Ill 条 の 第2 項 ( 旧 「 株 式 法 」 第95 条 の 第3 項 ), す な あ 私 帳 簿 ・ 書 類 ・ 財 産 を 閲 覧 し , 監 査 す る (einsehenundpr 咄n )*) と い う 規 定 に 求 め ら れ て い る 。 こ の 規 定 に 関 し て , グ ー テ ン ベ ル ク は ,『 監 査 役 会 の 機 能 変 化 』 に お い て , 現 代 的 な 大 規 模 経 営 に お け る 複 雑 な 機 構 か ら し て 監 査 役 会 の メ ン バ ー は 帳 簿 , 書 類 , 財 産 の 閲 覧 と 監 査 を 一 般 に 実 施 す る こ と が で き な い と い う 理 由 か ら:, 「 こ の 規 定 ( 新 「 株 式 法 」 第Ill 条 の 第2 項 一 柿 崎 ) は , 今 こ そ 削 除 す べ き で は な い だ ろ う か5 )丿 と 述 べ て い る 。 そ し 七 , 了 企 業 管 理 』 に お い て も , 「 実 際 に 監 査 役 会 は , と く に 大 規 模 な 企 業 に お い て は , 直 接 的 な 業 務 執 行 を す べ て そ の 傘 下 に お さ め ら れ る よ う な 監 督 活 動 ぱ 行 な っ て い な い 。 し か し 株 式 法 第95 条 ( 旧 「 株 式 法 」 一 柿 崎 ) の 規 定 か ら は , 当 初 に お い て は そ の よ う な 活 動 を 考 え て い た と い う こ と が 推 察 で き る 。 な ぜ な ら , 監 査 役 会 は95 条 に も 規 定 さ れ て い る よ う に 会 社 の 帳 簿 や 書 類 , す な わ ち 会 社 の 現 金 , 有 価 証 券 お よ び 商 品 の 在 高 を 監 査 す る こ と が で き る か ら で あ る 。 ‥ … ・経 営 現 象 の 現 在 の よ う な 規 模 や 複 雑 性 か ら し て , も は や 行 な え な い と い う ご と は 疑 い な い 。 ま た , 一 定 の 監 査 職 務 に 対 し て 特 別 な 専 門 家 を 投 入 す る と い う ニご と で も 不 十 分 で あ る6) 」 と し て い る の で あ る 。 こ の よ う に , 監 査 役 会 に お け る 帳 簿 , 書 類 , 財 産 の 閲 覧 と 監 査 に 対 す る グ ー テ ン ベ ル ク の 『 企 業 管 理 』 で の 否 定 的 な 考 え 方 が , 『 監 査 役 会 の 機 能 変 化 』 に お い て 一 層 強 く 主 張 さ れ て い る と い え る で あ ろ う 。 ヶ 第2 の 監 査 役 会 の 助 言 機 能 に 関 し て , グ ー テ ン ベ ル ク は , 『 監 査 役 会 の 機 能 変 化J に お い て , 「 監 査 役 会 が 取 締 役 会 り 経 営 政 策 的 な 計 画 化 お よ び 意 思 決 定 を 効 果 的 に 監 督 し よ う と す る な ら ば , 取 締 役 会 が 計 画 し た 方 策 を 監 査 役 会 に 提 示 す る と き にや 統 制 は す で に 始 ま っ て い な け れ ば な ら な い7 )」 と 述 べ て い る6 す な わ ち , 取 締 役 会 が 計 画 し た 方 策 を 意 思 決 定 す る 前 に , 監 査 役 会 へ 報 告 す る こ と は , 監 査 役 会 が そ の 報 告 を 検 討 し , 場 合 に よ っ て は 意 見 と 助 言 を 行 な う ご と に な る 。レ モ し て, ニ ダ ー テ ン ベ ル ク は , 「 こ の よ う に し て , 監
査役員 の意見 と助 言は, 全 体経 営的 な 意思決定 過程 の一 部分 に な る8)」 とす るのであ る。 こ うし た 助言 機能 は, 新 「株式 法」 第90 条C 監査 役会 へ の報告] の第1 項お よび 第2 項 に 基づい て 理解 され るのであ る。 取締 役会 が監査 役会 に報 告し なけ れば なら ない 事 項は,主 とし てつ ぎの4 項 目であ る。1. 計画 された 営業 政策お よび 将来 の業 務執 行 のそ の他 の基礎的 問題,2. 会 社の収 益性, 特に 自己 資本 の収益 性,3. 営業 の成 行, 特に売 上, お よび会 社 の状 況,4. 会社 の収益 性 また は 流動 性に著し い 意味合 のお り得 る取 引。 こ の規 定は, 旧「 株式 法」 第81 条 〔監査 役会 へ の報告〕 におい て,「取 締 役 会 は, 営業 の成 行お よび 企業 の 状 況に 関し, 最長年4 回,△定 期的に 監査 役 会に, ま た重大 な事 由があ ると きに は 監査 役会 の会長 または代 理人に, 報告し なけ れ ばなら ない」 と規定 され てい た のに 対し て, 極めて整 備さ れ て い る だ け で な く, 事前 報告を 規 定し てい る こと が注 意さ れねばなら ない。 そし て, こり 意思 決定す る前 の報 告事項 こそ, グー テンベ ル クの前言機 能を 特質づ け てい るとい え るであ ろ う。 なお√『企業 管理 』では, 旧 「株式法」 に 基づ い てい るた めと考えら れ るが, こ うし た 助言機 能につい てぱ, とくに 触れら れてい ない。 つい で, 第3 の監査 役会に おけ る意思 決定 機能は, 新 「株式 法」 第Ill 条 〔監査 役会 の職 務お よび権 利〕の第4 項(旧「株式法」第95条の第5 項), すな わ ち定 款 またぱ 監査 役会は, 特定 種類 の業 務は 監査役 会の 同意(Zttstimmung) を もって のみ行 なわれ る こと が許 さ れ る旨定 め ること ができ るとい う規定に 基づ くものであ る。『監査 役会 分機 能変化 』にお い て,グーテン ベル クは ,「業 務執行 の計画と処 置に 関し て 監査役 会に 法律上認 められ た情報 権(Informati-onsrechte )は, 企業 の存 在 と発 展を 危 うくす る事 件を阻 止す るた めに は十 分 では ない9)」 と考え てい る。 そし て,「こ こでは, 監査役 会 が同 意義 務を もつ 業 務の枠 内で意 思決定を す る場 合に業 務執行の権限を 引 き受け る という 事実 だけ に関 心が寄 せら れる。 こ の場合に√ 監査役会は 意思 決定職 位 であ り, そ し て助言 職位では ない10)」 と 述べ るのであ る。 ここに, 特定 の業 務に 関す る 取締役会 の意思 決定 が最終 的 決定 とな るために必 要とさ れ る同 意 の留保 が意 思決定機 能と理 解さ れ ると ともに, 助言機 能の 補完 とし て位置づ けら れ てい ることを 知 るの であ る。し かし , こ うし た 監査役会 の意 思決定機 能 と助 言機 能 の関係は,そ の同意を 必 要 とす る業 務 の種類 と範 囲か ま った く種 々さ まざ
西ドイツの監査役会と管理決定145 まであ ることを 考慮 す るならば,乙 義的 には 規定しえ ないであ ろ う。 ところ で,『企業 管理』 では√「監 査概 念は どの よ うに 理解 さ れ るべ きか, と くに 監 査役会 の同意 権は 監督概 念 のも とに 理 解され るべ きか 否かにつ い ては なお 議 論の余地 が残 され てい る11)」 とし な がら も,「監 査役会 の認可を 必 要 と す る 同意を 義 務づけ ら れてい る業 務は, 経 営学的 意味で の固 有の管理 決定 であ る とい うことに 異論は なかろう 。 大 きな投 資計 画を認可し た りi 場 合に よって はそ れを 発起し , それを 提案 す る監 査 役会は, 法 律的 な意味にお い てでな く 経営的 な意味におい て企業 の業 務 執行に。参加し てい る12)」万と述 べ てい るので ある。し た がっ て,『監 査役会 の機 能変 化』に おけ る監 査 役会 の意 思 決 定 機 能は,『企業 管理J におけ る同意 権の経 営的 な意 味を 前 面に 打ち 出し た も の とい え るであろ う。 さ て, 第4 の監査役会 の 協働機 能に 関し て, グー テン ベル クは,『監査役会 の機能変化』 におい て,「企業 指揮 者 が取 り扱 う諸問題 へ の被用 者代表 (Ar-beitnehmervertreter^ の直 接的 お よび積 極的 な参 加は, 監 査役会を 企業 指揮 者, 被用者 代表お よび従業 者(Belegschaft) の間に 固有0 協 働を 生み出 す 場 と す る13)」 と理解し てい る。そし て, こ の協働機 能は, 西 ド イツの 株式 会社にお け る監 査役会 の1 つ の囚 有 の メル クマール(einspezifischesMerkmal)とされ てい るのであ る。 それは,主 とし て, 新 寸 株式 法」第96 条〔監査 役会 の構成〕 の第1 項 におけ る株主 と被用者 の監 査役員 の規定に基 づ くとと もに, 共同決 定を定 めたい くっ か の個別 法に よって理解 さ れ るもの であ る。なお ,旧 丁株 式法」第86 条 〔監査役会 の構成〕 では, 監査 役会へ の 被用者 側代表 の参加が 明示的に 規定 さ れてはい ない。 こ の意味 では, 新 「株 式法」は, 旧「株式 法」 よりも監 査役会へ の被用 者側代 表 の参加に つい て整 備 され てい るといえ るで あろ う。 グーテン ベ ル クは,『企業 管 理』に おい て, 経営意思 決定 め第3 の 中心 とし て共 同決定, なら びにそ の制度 とに ない手を 規 定 す る。「監査役会 は,法 律に よれば 単に監督 機 能を もつ だけ で業 務執 行 機能は もたない。し た がって従業員 が監 査役会を 通し で経 営者 の指 揮権に 参 加す るとはいえ ない。 だがし かし , と くに 大会社 では, 従業 員 が監 査役会 の 監督権を通 常 の形で掌 握す る場 合でさえ, 企業 経 営に対し , 事 実上, きわ め て大 きな影響を 及ぼす とい うこ とは 明ら か であ る。 なぜ なら,し監 査役 会のす べ ての メシ バヴは, 平 等 の権利を もつ から であ る14)」。 要す るに, グーテン ベル クは こ う七 だ共 同
決定 の制度 とに ない手, 監 査役 員の平等 の権利 と義 務を 監査 役会 の協 働機能 とし て位置づけ てい るに ほかなら ない とい え るであ ろ う。 ところ で, 第5 の 調整機 能は, 企業 の集団化に と もた って理 解 され てい る。 グーテンベ ル クは,『監査 役会 の機 能変化』におい て,「 現代 の産業 経済 の集 中過 程(KonzentrationsprozeB) で, 監査 役会は, 本来 考えら れ てい な かった1 つ の職務を 担当 す るこ とに な うた。 と くに, 支 配会社 がそ の従属会 社 の監 査 役会に 取締 役員を 代表 者 とし て派遣す ることに よって, 従 属 会社に 影響を 与え てい る15)」 とし て, こ の場合に 監査 役会は調整 手段に な る と理解 する の であ る。 こ うし た 監査 役会 の調整機 能は, 新「株式 法」 第101 条 〔監 査役員 の 派遣〕 の第2 項, す な わち,「構成 員を 監査 役会に 派 遣す る権 利は, 共同 決定 補足 法に 従い 労働 組合 の最高 組織に そ の権利 が帰属し てい るので ない限 り, 定 款に よって のみ, かつ 特定 の株主 のた め, または 特定 の 株式 のそ の時 の所 持人 のために のみ, 設 定さ れ ること がで き る」 こ とに 基づ い て理解 され るも のであ る。 ただし , 派遣 でき る役員数 が旧 「株式 法」 第88 条 では監査 役 総数 の3 分の1 まで とし ていた が, 新「 株式 法」 で は法 律 またぱ 定款 で定 め ら れた 株主 であ る監査 役 員の数 の3 分の1 までと縮 小さ れ て い る。『企業管 理』にお い て,「 自己 責任 的企業 指導 権の1 つ の例 外は,コン ツ ェルン会社 の 場合に 存在す る。 コソ ツ ≠ルシ会社は 経済的 目的を 統一 的な 指導 のも とに 総 合す る法的には 独 立し た企業 であ る。 資本参 加に よっ て, または 直 接間接に 他企業 の支配的 影 響 のも とに , この種 の法的企業 が存在 す る場 合, 支 配企業 と従属 企業 は 総合 的に は コン ツ ェルンを, 個別的 には コン ツ ェルン 企業を 形 成す る。 法 的な 独立 性に も かかわらず,企 業 の指導は 第三 者 の手中 にあ るか, または一 資 本 参加 の場 合には 支 配企業 犀 よっ て行 なわれ る16)」 とし て いる。 要す るに, こ うし た 特別な企業 の法的形 態におけ る監査 役会 の機能 が, 『監査 役会 の機 能変化 』 では 調整機能に 求めノら れ てい る とい え る。 さ て, 監査 役会は, 取締 役会 の選任(Bestellung) と解任 (Abberufung )の 権限を もっ てい る のであ る。 新 丁株式 法」 第84 条 〔取 締 役会 の選任お よび 解 任〕 の第 ]。項 「監査 役会 は最 高5 年を 限 り。取 締役員を 選 任す る。 反覆 的 選任 または 任期り 延 長 は, それ ぞれ 最高5 年を 限 り許 され る」, お よび 第3 項「監 査役 会は重 大な 事 由あ る ときは取 締役員 の選任お よび取 締役 会会 長 の指名を 撤 回す るこ とがで き る。 こ の事由 とは特に,重 大 な義務 違 反, 正規 の業 務執
西ドイツの監査役会と管理決定147 行のため の無能 力 または 総会に よる信任剥 奪であ る」 とし てい る。 この規定 は, 旧 「株式 法」 と法律 状態は なんら 変更 され るもり ではない。 そし て, グ ーテンベ ル クは,『監査 役 会の機 能変 化』にお い て, て監査 役 会は, づ一 般的に, 業 務執行権お よび 代表 権を 所有す る ことなし に, 指導的人 物(ieitendenPers-onlichkeiten ) の選択 に よ って将来 の企業 政策に 影響を 与え る17)」 と理 解す る のであ る。 この監査 役会 の有 す る取 締役 員の選 任なら びに 解任権 は, 監査役 会の意思決定機 能 が取 締役会 の 意思 決定に 直接的 な影 響を 与 え るのに 対し て, 間接的な影 響を 与 え る ものとい史 る であ ろ う。つ まり,そ れは, 監査役会 が そ の職務を は たす ため の1 つ の手段 ないし 背 景を なす ものとし て も理解 でき るであろ う。 \ し ≒ところ で, グーテン ベル クの説 ぐ監査 役会 の機 能変 化は, 監 査役会 の職務 と監査役 会の構 成 とい う2 つ の視点 から把 握され てい ると考 え るごと ができ る。 つ まり, 監 査役 会 の監督一, 助 言− お よび意思決 定機 能はj 取 締役会 の 業務執行を 監 督 する とい う, 監査 役会り 職務に関し て 説か れてい る のに 対し て, 協働− お よび 調整機 能は, 監 査役会 の構成(ないし 派遣)から 派生す る派 生的機 能であ ると理 解 でき るであろ う。 この場合, 監 査役会 の構 成は, 個 々 め企業 の特殊事 情(規模,法律形態など)に よって制約 され る ことに留 意し な ければなら ない 。 こ こに , 職 務を 達成 す るために,そ のに ない 手に対し て要 請される諸活 動 の内容 が機 能であ る とす るなら ば, 監 査役会 の機能 とは, 監 査役会の職務 と の関係 で理 解さ れる実 質的 な活 動内容 とい え るであろ う。 こ の意味での監査 役 会の 機能変 化は, 監査 役会 が監督 機 能だけ で な く, 助言一 お よび 意思 決定 機能を もってい る ところに 求められ る であ ろ う。 そし て, 助 言機能 が1965 年 の西 ド イ ツ株式 法 の識 正に よる 〔監査 役会へ の報 告〕 規定 の 整備から発現し てい るのに 対し て, 意思決定機 能が監 査役 会の 同 意権を 経営 学的 な立場 から 監督 概 念に 含 めずに 意 思決定 と理 解す る ことから 発 現し てい るのであ る。し た がヶ て, ダー テンでベ ル クの監督 機能 は, 新「株式 法」第Ill 条 〔監査役 会の職 務 と権利〕 から 同 意権を 除外す るこ とに な り, そ の内容を 帳簿, 書類, 財 産 の閲覧 と監査に 求め るこ とに な った と理 解 でき るであろ う。 さらに, 監査 役会にお け る取 締役 員 の選任と解 任 の権 限 が, 取 締役 会の意思 決定に対す る間 接的 な影 響 とし て 理解 され 七い る ことを 合 わせ て考慮 する な らば, ダーテソ ベル クにおけ る 『企業 管 理』 から 『監査 役会 の機 能変化』 へ
の移 行は, 監査 役会に 関す る経営学的 な理解 の表象化 とい え るであろ う。
1 )E.Gutenberg,"Unternehmensfuhrung −Organisationund 、Entscheidungen −" ,Wiesbaden,1962,S.43. 〔 邦 訳 〕 小 川 冽 ・ 二 神 恭 二 訳 『 企 業 の 組 織 と 意 思 決 定 』 第2 版 , ダ イ ヤ モ ン ド社 , 昭 和41 年1 月,45 頁 。)2 )E.Gutenberg,a.a.O.,S.36. ( 前 掲 訳 書,36 頁 。)3 )E.Gutenberg,"FunktionswandeldesAufsichtsrats"inZeitschriftfurBe-triebswirtschaft,40.Jahrgang,Dezember,1970,Erganzungsheft,S.10.4 ) ド イ ツ 歴 代 の 商 法 の 監 査 規 定 に お け る 変 遷 に つ い て は , 安 藤 英 義( 稿 )『 ド イ ツy 商 法 に 於 け る “ 監 査 ” の 語 の 変 遷 』 一 橋 論 叢 第84 巻 第3 号 所 収,331 ∼348 頁 を 参 照 さ れ た い 。 そ こ で は , こ こ で 使 用 し て い る 監 督 (・Qberwachen ) に つ い=で 次 の 様 に 説 明 し て い る 。「 監 査 役 の 基 本 的 職 務 に 関 す る 所 の , 会 社 の 業 務 執 行 を “ 監 視 す る ” を 意 味 す る〈uberwachen 〉 と い う語 で あ る 。 こ0 語 は , そ の 後 , 普 通 ド イ ツ 商 法 を 経 て 今 日 の 株 式 法 に 至 る ま で , 全 く 変 っ て い な い 。 し か る に,1937 年 株 式 法 以 後 , 監 査 役 は , 取 締 役 が 執 行 す る 特 定 の 業 務 に つ い て 事 前 に 同 意を 要 求 す る こ と が で き る (1937 年 株 式 法 第95 条 第5 項 。1965 年 株 式 法 第Ill 条 第4 項 ノ こ の ご と か ら し て , こ の 語 は , 業 務 執 行 の 事 後 的 な 監 査 ば か り で な く , こ の よ う な 云 わ ぱ 事 前 監 査 を も 含 み 得 る 広 い 意 味 内 容 を 有 し て い る , と 解 さ れ る。 こ れ に 対 し て 〈Priifung ,priifen〉 は , … … ド イ ツ商 法 ・ 株 式 法 で は 専 ら 事 後 的 な 監 査 の 意 味 に 於 て 使 わ れ て い る 」( 安 藤 英 義 ( 稿 )√ 前 掲 論 文,339 頁 。) こ うし た 立 場 か ら す れ ば , 後 述 す る よ う に , グ ー テ ン ベ ル ク の 監 督 機 能 は , 狭 義 で あ り , 事 後 的 な 監 査 を そ の 内 容 と し てい る こ と に な る で あ ろ う。 丿5 )E.Gutenterg, “FunktionswandeldesAufsichtsrats",S.3.6 )E.Gutenberg,"Unternehmensfuhrung" レs.39. ( 前 掲 訳 書,39-40 頁 。)7 )E.Gutenberg,"FunktionswandeldesAufsichtsrats",S.3.8 )E.Gutenberg “FunktionswandeldesAufslchtsrats,"S.5. こ うし た 助 言 機 能 は 。 グ ー テ ン ベ ル クに よ れ ば , 意 思 決 定 の 準 備 (Entscheidungsvorbereitung ) 段 階 へ の 参 加 に よ っ て 企 業 政 策 的 な 意 思 決 定 過 程 に 監 査 役 を 統 合 す る も の で あ る・ と 理 解 さ れ て い る(E.Gutenberg, “FunktionswandeldesAufsichtsrats" ,S.5.)9 )E.Gutenberg,"FunktionswandeldesAufsichtsrats" ,S.6. こ こ で の 情 報 権 と は 助 言 機 能 を 意 味 す る も の と 理 解 さ れ る 。10 )E.Gutenberg,"FunktionswandeldesAufsichtsrats",S.7.11 )E.Gutenberg,"Unternehmensfuhnang",S,41. ( 前 掲 訳 書 ,42 頁 。)12 )E.Gutenberg, “Unternehmensfuhrung ”S.43. ( 前 掲 訳 書,44 ∼45 頁 。) ま / た ,「 監 査 役 会 の 必 要 な 同 意 は し ば し ば 業 務 の 特 定 種 類 に 対 し て , 特 定 の 期 間 に 対 し て 全 権 委 任 (allgemeineErmachtigung ) の 形 で 与 え ら れ る 。 取 締 役 会 が 単 独 で 決 定 権 を も つ 限 界 は , と く に 業 務 の 種 類 と 範 囲 に 依 存 し て い る 」(E.Guten-berg, “Unternehmensfuhrung ’,S.39-40 べ 前 掲 訳 書,40 頁 )) と 理 解 さ れ てい る 。
西ド イツの 監査 役会 と管 理決定14913 )E.Gutenberg."FtinktionswandeldesAufsichtsrats".S.9.14 )E.Gutenberg."Unternehmensfiihruiig ”s.18. ( 前 掲 訳 書 ,11 頁 。) ダ ー テ ソ ベ ル クは 経 営 意 思 決 定 の に な い 手 とし て つ ぎ の3 つ を 挙 げ て い る (E.Gutenberg, “Untei-nehmensfxihrung' ≒SS.11-20. ( 前 掲 訳 書,3-13 頁D1. 企 業 の 所 有 者 一 企 業 家 企 業 (Unternehmer-Unternehmungen ) また は 所 有 者 企 業 (Eigentumer-Unternehmungen ),2. 経 営 者 一 経 営 者 企 業(Geschaftsfuher-Unternehmiingen ,Manager-Unternehmungen ),そ し て ,3. 共 同 決 定 , な ら び に そ の 制 度 お よび に な い 手 一 拍 世 紀 の き わ め て 激 し い 社 会 的 闘 争 の 時 代 に 出 現 し た 。15 )E.Gutenberg,"FunktionswandeldesAuisichtsrats",S.9.16
)E.Gutenberg, “Unternehmensf でhrung,"S.44. ( 前 掲 訳 書,47 頁 。)17 )E 。Gutenberg, “FunktionswandeldesAufsichtsrats",S.8.
Ⅳ 監 査 役 会 の 統 制 機 能 と 管 理 決 定 さ で , ダ ヽ!一一・テ ン ペ ル ク は , 『 監 査 役 会 の 機 能 変 化 』 に お い て , 監 査 役 会 は 監 督 機 能 だ け で な く , 助 言5 意 思 決 定5 協 働 − , そ し て あ る 場 合 に は , 調 整 機 能 を 遂 行 す る と 規 定 し た の で あ る が , ご こ で は , さ ら に 進 ん で , こ う し た 機 能 変 化 が 「 監 査 役 会 と 取 締 役 会 の 関 係 」 に 対 し て ど の よ う な 意 味 を も っ て い る か を 究 明 す る こ と に す る 。 な お , こ こ で は , 監 査 役 会 の 構 成 に 係 る 機 能 , す な わ ち 協 働 − お よ び 調 整 機 能 は , 個 々 の 企 業 の 特 殊 事 情 に よ っ て 制 約 さ れ る た め に 触 れ な い こ と に し , 主 と し て 監 査 役 会 の 職 務 に 係 る 機 能 に 基 づ い て 検 討 す る 。 。 − ・I と こ ろ で , す で に 述 べ た よ う に 西 ド イ ツ の 「 株 式 法 」 お よ び 『 企 業 管 理 』 に お い て , 監 査 役 会 は , 原 則 と し て 取 締 役 会 の 業 務 執 行 を 監 督 な い し 統 制 し な け れ ば な ら な い と 規 定 さ れ た 。 そ し て , 取 締 役 会 の 業 務 執 行 は , 経 営 学 的 に は 固 有 の 管 理 決 定 ( あjる 場 合 に は 純 部 門 決 定 を 含 む ) を そ の 内 容 と す る も の で あ っ た 。 こ の 意 味 で は , 「 監 査 役 会 と 取 締 役 会 の 機 能 関 係 」 の 基 本 的 枠 組 み は , こ れ を 統 制 機 能 と 固 有 の 管 理 決 定 機 能 の 関 係 に 求 め る こ と が で き る で あ ろ う 。 さ て , 統 制 機 能 は , 経 営 学 に お い て , 管 理 機 能 (managementfunctions ) の1 つ と し て 理 解 さ れ , 計 画 化 (planning ), 組 織 化 (organizing ) と と も に 管 理 過 程 (managementprocess ) を な し マ ネ ジ メ ン ト , サ イ ク ル (managementcycle ) を な す も の と 一 般 に 理 解 さ れ て い る1 )。 こ の よ う に , 管 理 機 能 の1 つ と し て の 統 制 機 能 は , 計 画 化 − お よ び 組 織 化 機 能 と 一 連 の 有 機 的 関 連 を も っ て 理 解
①計画化② ニ ネジメシ ② ‘ サイクル 統制 ①
か
皿
へ
E
② ヽ 、_ノ 管理機能 機能的特性 計 画 化一将来の行動を予定する 組 織 化一行動の枠組みを設定する 統 制 ① 匹 ② 接点の主な機能 将来に対 す る態度の決定 計画( 目標 ・基準)・・の呈示 ① 計 画 実 現 の た め の 活 動 め 量 と 質 の 確 定 ・・■■’W-I・│門¬ \ 「 理 の 限 界 」 の 確 定 \G 任 と 権 限 の 委 襄関 係 の 確 定 ) ② 組 織 構 造 ・. 飛 一 ① 計 画 と 実 績 の 比 較 ・ 評 価牡 二]二 二 二二 コ
図一1 マネジメント・サイクルと各管理機能の接点 (出所: 鈴木勝美著『経営管理と統制機能』香川大学商業短期大学部 経営学研究室,昭和59年3 月,203頁) され る。し た が って, 統制機 能は, 組 織化機 能 と接す る 統制機能 と計 画化機 能 と接 す る統制機 能とい う2 つ の機 能 特性を もつ ことに なる。 そし て, 図一1 の よ うに,「計画化機 能に よって示 され た 計画( 目標・基準など)に よ っ てノ つ ぎに 組 織化 機能におい て活動 の枠 組 みが作 られ,そ の枠 組みを 通じ て行な わ れ た活 動 の実績 が計画と比較 ・評 価 され るこ とに よっ て統 制 機 能 が 果 た さ れ, そ の結果 が また新た なつ ぎの 計画化 機能に 関 係 す る 過 程 を 示 し てい る2)」 のであ る。 と くに, 計 画化機 能 と接す る統 制機能 は, 計 画化機能 の前 提・ 出発点 であ り, 現 実に はす でに 計 画を 策定 す る計画 化の活動, すなわち 計画を 意思 決定 す る事 前活動 とし て理 解され る のである 。 この意 味では, 計 画化 機 能は 意思決 定活動 とし 七 も理 解す るこ とがで き るであ ろ う。 ここでは, こ うし た統 制機 能の経営学的 理解 に 基づい て 監査 役会 の統制 機能を 検討 す る ことに す る。 まず, グーテン ベル クの提 示し た 監査役 会 の監督機 能は, その主 要な内容西ドイツの監査役会と管理決定151 を新寸株式 法1 第Ill 条 の第2 孔 す なわち, 帳簿 ・ 書類 ・財産を 閲覧し √ 監査す るとい う規定に 求め ていた。 そ れは, 企業 の状 況 と成 行を 事後的に取 り上げ るこ とであ り, 経 営学的に は 組織化 機能 と接す る統 制 機能, すなわぢ 事後 統制機 能 の1 つ とし て理解 できるであろ う。 さ て, 第2 の監 査役会 の助言機能は, 新 「株式法」 第90 条 〔監 査役会へ の 報告〕 の第1 項お よび 第2 項に 基づい て理 解された の であ る低 ヨハネス・ ゼムラー(JohannesSemler )に よれば, そ れは3 つ の 部分に 整理 すること が できる。 すな わち 「取 締役会は, つ ぎの よ うな成行, 法律行 為お よび処置に つい 七監査 役会に 報告 す る。 。 ・I す でに 完了し, 過去 の事柄 となってい る 部 分(例えば,昨年度の収益性, 第90条の第1 項の第2 号および第2 項の第2 号) 計 画 さ れ , そし て 準 備 さ れ てい る 部 分( 計画中 の営業政策お よび将来の業 務執行 の基 本問題‐ 第90 条 の第1 項 の第1 号,当面 の収益性 または 流動性に著 しい 意味 合のあ り得る取引一第90 条の第1 項の第4 号お よび第2 項 の第4 号3))。 - すでに開始されているのであ るが,し かしいまだ進行中 の 部 分(開発 計画,投資計画,大規模事業), こ うし た ゼ ムラーに よる 監査役へ の報告に 関す る分 析を,経 営学 的な意味 での統 制機能に 関 係づけ る なら ば, これを つ ぎ のよ うに 理解 す ること ができ るであ ろ う。 第1 のす でに完了し た事 柄につ い ての 報告は, 事後 統制機 能に 属す る情 報 提供 であ り, 第2 の現 在進 行中 の事柄につい て の報告 は, 同時 統制機能に 属 す るものとい え る。し かし , これら2 つ の報告内容は , 計 画を 意思決定し た 後の事 柄に関 す るも のであ り, 広義 の事後 統制機 能に 係わ るも のと理解す る こと ができ るであ ろ う。 そし て, 第3 の計 画中 の事柄 お よび 当 面の収益 性 ま た流動 性に著し い 意味 合 のあ り得 る取 引に 関す る報告 は, い うまで もな く事 前統制機 能に 係わ る ものであ る。 この意味 では, 新 「株式 法」 第90 条 〔監 査 役会 への報 告〕 は, 旧 「 株式 法」 第81 条 が事後 統制機 能につい てり 報告に と どまっていた のに 比べ て, 情報 とい う側面 ではあ る が,経 営学的 な 意味での 統制機 能とい え る内容を もってい ると理解す ることが で きるであ ろ う。 この ことぱ, 新 「株式 法」 第90 条に 関す る政府 草案理 由書 のうちに 明 確に窺い知 るこ とができ る6 す なわち,「むし ろ取 締役会 はし ばし ば, 監査 役会に, 計
画さ。れた営業 政策を 叙述し , かつ そ れを 監査 役会 ととも に究 明し てい る。 か よ うな 慣行 が合理的 であ る理由は, 監査役 会 が取 締役 会に より行わ れる取引 に つ き, 事後に 意見を 述べ るだけに 限ら ない で,取 締役 会に よって計 画され てい る処 置 の実 行前に既 にそ の 監視を 行い得 るとい うこ とであ る。 他方に お い て取締 役会は 監査 役会の 意見を 手にし てそ の 計画を も う一 度吟 味す るこ と がで き る。 取締 役会は 個 々の監査 役員 の特 別な 専門知識 を 会社 のために 利用 す る こ とがで きるのであ る4)」 とい うの がこれ であ る。 つ い で, 第3 の監査役会に おけ る意思 決定機 能は, 新 「株式 法」 第Ill 条 〔監査 役 会の職 務お よび 権利〕 の第4 項(旧「株式法」第95条の第5 項)に 規定 され た特定 の業 務に 関す る取 締 役会 の意思 決定 が最 終的 決定 とな るた めに必 要と され る同 意の留 保を業 務執行 へ の参 加と理解 す るこ とから 発現し た も の であ る。 この場 合に, 重 要 なこ とは, 特定 の業 務 が経営 学的 な 意味におい て 固有 の管 理決定 と理 解され, 同 意 が最 終的決 定 と理解さ れ てい るこ とであ る。 と くに, 同意 が最終的 決定 とな るこ とに 関し ては, 新 「 株式 法」 第Ill 条 の 第4 項にお け る同 意を 拒絶し た 場合に 関す る規定に 注意し なけ れば なら ない。 す なわち,「監査 役会 が, そ の同 意を 拒絶す る ときは, 取 締役 会は, 総会 が 同 意に 関し 議 決す ることを 要 求す るこ とがで きる。 総 会 が同 意す る旨の決議 は, 投 票 された表 決 の少な くと も4 分の3 を 含む多 数を 必要とす る。 定款は, これ と異 な る多数 も, またそ の 他の要 件 も定 め ることは できない」(新「株式 法」第ill 条の第4 項)とい うの がこれで あ る。 こ の規定 は, 新規 の ものであ り, 旧 「株式 法」 第103 条 の第2 項 「業 務執 行 の間題に 関し ては取 締 役会が こ れを 要 求す る ときに限 り総会 は 決定す るこ と ができる」 とい う規定に基づ い て, 総 会 が単純多数 を もって, 監 査役 会に代 っ 七取 締 役会に 同 意を 与え る こ とがで きた のに 比 べて,監査役 会 の地 位を 強化 す るも のであ るとされ る5)。 そし て, ド イツ連邦議 会法 律委員 会 の報告 書では, こ の 規定に 関し て,「監 査役 会は, 総て の重要 な業 務執行 の問 題につい て最後 の断を 下す こ とに な り, 取 締役 会は, こ の監査 役会 の決定に 反し ては 何ご とも企 てるこ とがで きずに, そ の 決定 に身を 屈し なけ れば なら ない こ とに なっ てし ま うで あ ろ う6)」 と指 摘し てい るのであ る。 こ の よ うに , 新 「株式 法」 では, 監査 役会 の同 意権を 最 終的決 定権 とし て強化す る 傾向を示し てい るとい える。 そし て, グー テン ベ ル クは, 監査 役会 の同意権を 意思決 定機 能 と理 解す る立 場に立っ てい るの
西ドイツCD監査役会と管理決定153 であ るがド モれは経 営学的 な意味 で の統制機 能 の枠 組 みを 超え たも のと理解 で きるであ ろ う。 それ は, 計画を 意思 決定す る事前 活 動 ではな く, 意 思決 定 それ 自身に ほ かならない とい え る。 さて, ダニ テソベ ル クが『監査役 会 の機 能変 化』に おい て 提示し た 監査役 会0 監督− , 助言一 お よび意 思決定 機能を マ ネジ メン ト・ サ イクルにおけ る 統制機能に 関 係づけ ることに よって知 り うる ことは, つ ぎの3 点 てあ る。 まずけ 第1 に,旧 「株式 法」 第81 条 〔監査 役会 への 報告〕 は, 事 後統制機 能に属 す る報告を 規定し てい るだけ であ り, いわ ゆる 計画化(意思決定)機 能 と統制 機能 が情 報とい う意味で接 続 されてい ない。し かし , 新 丁株式 法」 第90 条 〔監査 役 会へ の報告〕 では, 第1 項の第1 号お よ び第2 号におい て, 計 画され た営業 政 策お よび将来 の業 務 執行 のそ の他の基 本問題, さらに 会社 の 収益性 または 流動 性に 著し い 意味合 のあ り得 る取 引に 関 す る報告,す なわち, 事前統 制に 属す る報告を 義務づけ てい る。 そ れに よっ て, 監査役会 の統制機 能は, 取 締役 会 の固有 の管理決定に 接 続す るこ とに よ り,い わ ゆ るマ ネジ メ ン ト・ サ イ クルを 形成し てい ると考え るこ とが できる であ ろ う。 つい で, 第2 に, ダー テソペル タは, 新 「株式法」 第Ill 条 〔監査役会 の 職務お よび権利〕 の第4: 項 で規定 された 監査 役会 の同 意権を 取 締役会の固有 の意思 決定 へ の参加と理 解し てい る。 それは, 計画さ れ た政策を 決定する事 前活動 とし て の事 前統制 機能を 超え, 政策を 決定 する ことそ れ自身 とし て位 置づけ ら れ る。し たが って, マネジ メン ト・サ イクル に 関係づけ るならば, 計画化(意志決定)機 能に 属す るもの とい え る。 さら に, こ うし た 事後統 制¬, 事前統 制− お よび意 思 決定 機能を もつ 監査 役会は, 自ら固 有 の管 理決定を 行 ない, そし てそ の実 施経 過お よび 結果を 事 後統制し , そ れを ふ まえ て事 前統制を 行な うことにな る。 そ れは, 他に対す る統制 機 能の特定 の会社 機関 ではな く, 自己 統 制機関 とし て位置づけ られる であろ う。 し た がって, 監査 役会は, 統制機 関 である と同時に 固有 の管理決 定股関 であ り, そ の意味 では, 経 営学的に は 監査 役会 は管 理機関 であ るとい える。 そし て, 監査 役会 の同意権 が最 終決定 とし ての 性 格を もち, そ の対 象 となる 特定種 類 の業 務 が固有 の管理決定 であ ると考え るなら ば, 取 締役会は 固有の管 理決 定を 執 行す る機 関 とし て 特質づけ ら れ る ことに なる。 要す るに, 監査役 会 の同 意権 が最 終決定 権 とし て理 解さ れ るかぎ り, 取締役 会と の関係
は 決定 と執行( または実施)とい う関 係 であ り, 共 同決定 とはいい がたい とい え るであ ろ ‰ まさ に, 共 同決定 とは, 平等 の権利を もつ 者 の関 係に。おい て 考えら れ るとい え る から であ る。 こ の意味で, グユテソ ペル クが説 く監 査役 会 の機能変 化は, 他に対 す る統制 機関 から 自己 統制機 能を 備え た管 理機関 へ の変 化に そ の特 質を 求め るこ とができ るであろ う。 1)十山城章 著『経営学』白桃書房,昭和52 年!2月, とくに, 第7 編 マネジ メントの 技法 と経営 科学。 鈴木勝美 著『経営管理 と統制機能』 香川 大学短 期大学部経営学 研究室,昭和59 年3 月,を参 照されたい。9 ) 鈴木勝美著,前掲書,203 ∼204 頁。 なお,図一1におけ る統制機能が 計画化機能 と接する②につい ては,「計画化の接点 ①の機能が, 現在 の企業 の能力を知 り, 外部の環境へ の適応をは かるた めに,経営理念の立場から 企業 の態度を 決定し , そ れに よって企業 の将来 の行動を 確定す ることにあ るとす るならば,そ こに接続 す る統制機能の接点 ②の機能的役割は,この うち 丁企業の能力」を「評 価・確認」 し,それを計 画化 機能に 提供することに関 係するものと考 え ら れ る」(鈴木勝美 著,前掲書,208 頁 。)と説明されている。3
)JohannesSemler, →Die ひberwachungsaufgabedesAufsichtsrats ”,1980,S.98.4
)Aktiengesetz,TextausgabedesAktiengesetesvom6.9.1965 (BundesgetzbLIS.1089 )unddesEinftihrungsgesetzeszumAktiengesetzvom6.9.1965 (Bundesgesetzb1.IS.1185 )mitBegrundungdesRegierungsentwurfs,BerichtdesRechtsausschussesdesDeutschenBundestags ,VerweisungenundSachve-rzeichnis,ZusammengestelltvonRegierungsdirektorBrunoKropff.1965. ( 慶応義塾大学商法研究会訳 『西独 株式法』慶応義塾大学 法学 研 究 会 刊, 昭和44 年3 月,129 頁。 なお, ここでは原書を入手し てい ないた め前掲訳書 より引 用す る。 ︱ 一 B B / " s / \ I に n C D Kropff, “Aktiengesetz",Kropff, “Aktiengesetz", 1965. 1965. ( 前 掲 訳 書 ,( 前 掲 訳 書 , 176頁)を 参照 されたい。177 頁 。) 〔資料1 〕 十 ∧ ここでは,n. 固有の管理決定と取締役会に関連する株式法の主要な条文を列挙 する。 (旧「株式法」−1937年1 月30日制定) 株式法第70条〔株式会社の指揮〕1. 取締役会は,自己の責任の下に,営業およびその従業員の福祉ならびに。国民 お よび国家の共同の利益の要求するところに従い,会社を指揮しなければなら ない。
西 ドイ ツの 監 査役会 と管理 決定1552. 取 締 役 会 は,1 人 ま た は 数 人 を も っ て 構 成 す る こ と が で き る。 取 締 役 員 の1 大 が 取 締 役 会 会 長 に 指 名 さ れ た 場 合 に お い て , 定 款 に 別 段 の 定 め が な い か ぎ り, そ の 取 締 役 員 は , 取 締 役 内 の 意 見 の 相 違 を 決 定 す る 。 株 式 法 第71 条 〔 株 式 会 社 の 代 表 〕1. 取 締 役 会 は 裁 判 上 お よび 裁 判 外 に お い て 株 式 会 社 を 代 表 す る 。 ノ2. 取 締 役 会 が 数 人 か ら 成 る と き に , 定 款 に 別 段 の/こ と を 定 め な い と き は , 総 取 締 役 員 は 共 同 し て の み 意 思 表 示 を 行 な い ま だ 会 社 の た め に 署 名 を 行 な う権 限 を も つ 。 取 締 役 会 は 各 取 締 役 員 に 特 定0 業 務 ま た は 特 定 種 類 の 業 務 を 行 な う 権 限 を 与 え る こ と が で き る 。 意 思 表 示 が 会 社 に 対 し て 為 さ れ な け れ ば な ら な い と き は,1 人 の 取 締 役 員 に 対 し て 為 す を も っ て 足 る 。 株式 法 第90 条 〔取 締 役 会 お よ び 監 査 役 会 へ の 兼 属 の 禁 止 〕1. 監 査 役 員 は , 同 時 に 取 締 役 員 ま た は 取 締 役 員 の 継 続 的 代 理 人 で あ る こ と は で き な い 。 被 用 者 とし て そ の 会 社 の 業 務 を 執 行 す る こ と が で き な い 。 株 式 法 第95 条 〔 監 査 役 会 の 職 務 お よ び 権 利 〕1. 監 査 役 会 は , 業 務 執 行 を 監 督 し な け れ ば な ら な い 。2. 監 査 役 会 は , 何 時-t:-も 取 締 役 会 に 対 し 会 社 の 結 合 企 業 に 対 す る 関 係 , そ の 他 会 社 の 業 務 に 関 す る 報 告 を 要 求 す る こ と が で き る 。 個 々 の 構 成 員 も ま た , 監 査 役 会 へ の 報 告 の み で あ る が , 報 告 を 要 求 す る こ と が で き る 。 取 締 役 会 が 報 告 を 為 す こ とを 拒 絶 し た 場 合 に は , 監 査 役 会 の 会 長 が そ の 要 求 を 支 持 し た 場 合 に 限 り , 報 告 を 要 求 す る こ と が で き る 。3. 監 査 役 会 は , 会 社 の 帳 簿 お よ び 書 類 な ら び に 財 産 , 特 に , 会 社0 現 金 在 高 な ら び に 有 価 証 券 お よ び 商 品 に つ い て の 現 在 高 を 閲 覧 し , 監 査 す る こ と が で き る 。 監 査 役 会 は , こ れ を 各 構 成 員 に 委 任 し ま た は 特 定 の 職 務 の た め , 特 別 な 専 門 家 に 委 任 す る こ と が で き る 。 ■ ■ ■4. 監 査 役 会 は , 会 社 の 福 祉 が そ れ を 要 求 す る と き は , 総 会 を 招 集 し な け れ ば な ち な い 。 5. 業務執 行の・処置は, 監査役会に委譲さ れるこ とは できない。 ただし ,定款 ま たは監査役会は, 特定の種類 の業 務が,そ の同意を もってのみ行われることが 許される旨定め るこ とが でき る。6. 監査役員は,そ の職務を 他人に より行わし めるこ とは できない。 ( 新「 株式法」−1965 年9 月6 日制定) 株式法第76 条〔株式会社 め指揮〕1 / 取締役会は 自己 の責任 の下に会社を指揮しなけ れば ならない。2. 取締役会は1 人または 数人を もって構成することが できる。300 万 ドイツマ ル クより多 い 資本を もつ 会社にう い ては,それは少 な くとも2 人 から成ってい なけ ればならない。ただし 定 款が1 人から成る旨を 定め るときぱ との限 りでな い6 労働取締役の選任に関す る規定 の適用を妨げない。 株式法第78 条[ 代表]
1 2 3 。 取締 役会は裁判上お よび裁判外で会社を 代表す る。 取締役会が数人から成 るときに,定 款に別段 のことを 定めない とき は,総取 締役員は共同し てのみ会社の代表につき権限 があ る。 意 思表示が会社に対し て 為さ れなけ ればならない ときは,1 人の取締役員に 対し て為すを もって足る。 定款は また, 個々の取締役員が単独で または 支配人 と共 同し て会社 の代表に つ き権限があ る旨を 定め ることもできる。定 款がその旨 授権す るときは,監査 役会は同様 のこ とを定めることが できる。 第2 項第2 文は, この場合に準用さ れる。 4. 共 同代表につき権限を 与えられた取締役員は, その うち の!人に特定の業務 または特定 の種類 の業 務を行 うため 授権することができ る。個 々の取締役員が 支 配人 と共同し て,会社の代表につき権限を 与えられた 場合に,これは準用さ れる。 株式法第105 条 〔取締役会お よび監査役会への兼属の禁止〕1. 監査役員は,同時に, 会社 の取締役員, 取締役員の継 続的代理人,支配人ま たは総て の営業 経営につ き授権さ れた番頭手代であるこ とは できない。 株式 法第Ill 条[監査役会の職務お よび権利] 犬1. 監査 役会は,業務執行を 監督しなければならない。2. 監査役会は, 会社の帳 簿お よび書類なら びに財 産, 特に,会社の現金在高な らびに有価証券お よび 商品につい ての現在高を閲覧し, 監査す るこ とができる。 監査役会は,これを 各構成員に委任し または 特定 の職務 のため,特別な専門家 に委任す るこ とが できる。3. 監査役会は, 会社の福祉がそれを要求するときは ,総会を 招集し なけ ればな らない 。そ の決議のためには,単純多 数決を もって足 る。4. 業務執行 の処置は,監査役会に委譲されることは できない。ただし,定款ま たは監査役会は,特定の種類 の業務が, その同意を もっ てのみ行われることが 許され る旨定めることが できる。監査役会が,その同意を拒絶するときは,取 締役会は, 総会が同意に関し 議決するととを 要求するこ とが でき る。 総会が同 意す る旨の決議は,投票された票決の少なくとも4 分の3 を含む多 数を 必要 と す る。定款は,これと異る多数も, またそ の他の要件も定めることは できない。5. 監査 役員は,そ の職務を 他人に より行わし めることは できない。 〔資料2 〕 こ こでは1. 監査役会 の機能変化に関 連する株式法 の主要 な条文を 列挙す る。な お, て資料1 ] 以外のものとする。 ・ ( 旧「 株式法」−1937 年1 月30 日制定) 株式法第81 条〔監査 役会へ の報告〕 取締役会は,営業 の成行お よび企業 の状況に関し ,最 長年4 回,定期的に 監 査 役会に, また重大な事由があ るときには監査役会 の会 長またはそ の代理人に
西 ド イ ツ の 監 査 役 会 と 管 理 決 定157 報 告 し な け れ ば な ら な い 。 報 告 は 良 心 的 か つ 忠 実 な 弁 明 の 諸 原 則 に 適 合 し な け れ ば な ら な い 。 ・ご 株 式 法 第88 条 〔 監 査 役 会 へ の 役 員 の 派 遣 〕L 定 款 に よ っ て 特 定 の 株 主 ま た は 特 定 の 株 式 の そ の 時 の 所 持 人 に , 監 査 役 会 に 役 員 を 派 遣 す る 権 利 を 与 え る こ と が で き る 。 派 遣 役 員 の 総 数 は 総 監 査 役 員 の3 分 の1 を 超 え る こ と が で き な い 。 ・。 ■ ■ ( 新 「 株 式 法 」 −1965 年9 月6 日 制 定 ) 株 式 法 第90 条 で監 査 役 会 へ の 報 告 〕1. 取 締 役 会 は , 次 の こ と に 関 し て 監 査 役 会 に 報 告 し な け れ ば な ら な い 。 (1) 計 画 さ れ た 営 業 政 策 お よ び 将 来 の 業 務 執 行 の そ の 他 の 基 礎 的 問 題 ; ▽ (2) 会 社 の 収 益 性 , 特 に 自 己 資 本 の 収 益 性 ; (3) 営 業 の 成 行 , 特 に 売 上 √ お よ び 会 社 の 状 況 ; (4) 会 社 の 収 益 性 ま た は 流 動 性 に 著 し い 意 味 合 の あ り 得 る 取 引 。 以 上 の ほ か , そ の 他 の 重 大 な 事 由 に よ り , 監 査 役 会 の 会 長 に 報 告 さ れ な け れ ば な ら な い ; 取 締 役 会 に 知 ら れ る に 至 っ た 結 合 企 業 に お け る 営 業 上 の 出 来 事 で あ っ て 会 社 の 状 況 に 著 し い 影 響 の あ り 得 べ き も の も 重 大 な 事 由 と 認 め ら れ な け れ ば な ら な い 。2 , 第l 項 第1: 丈 第1 号 乃 至 第4 号 に よ る 報 告 は 次 の 通 り 行 わ れ な げ れ ば な ら なl^ , ニ ニ(1) 第1 号 に よ る 報 告 雌. 状 況 の 変 化 ま た は 新 た な 問 題 が 遅 滞 な き 報 告 を 要 請 し な い と き は , 少 な く と も 年1 回 ; (2) 第2 号 に よ る 報 告 は , 年 度 決 算 書 に 関 し て 審 議 さ れ る 監 査 役 会 の 会 議 に おl ヽて ; ‥ ニ (3 ) 第s 号 に よ る 報 告 は , 少 な く も4 分 の1 年 毎 に 定 期 的 に ; △(4) 第4 号 に よ る 報 告 は , そ の 取 引 の 実 行 前 に 監 査 役 会 が こ れ に つ い て 意 見 を 述 べ る た め の 機 会 を 持 つ よ う に , で き る だ け 正 当 の 時 期 に 。3. 監 査 役 会 は , 会 社 の 事 務 に つ き , 結 合 企 業 に 対 す る 会 社 の 法 律 上 お よ び 営 業 上 の 関 係 に つ き , な ら び に 結 合 企 業 に お け る 営 業 上 の 出 来 事 で あ っ て , 会 社 の 状 況 に 著 し い 影 響 の お り 得 べ き も の に つ き , 取 締 役 会 か ら 何 時 で も 報 告 を 要 求 す る こ と が で き る 。 個 々 の 構 成 員 も ま た , 監 査 役 会 へ の 報 告 の み で は あ る が , 報 告 を 要 求 す る こ と が で き る ; 取 締 役 会 が 報 告 を 為 す こ と を 拒 絶 し た 場 合 に は , 他 の1 人 の 監 査 役 員 が そ の 要 求 を 支 持 す る と き に 限 り , 報 告 が 要 求 さ れ る こ と が で き る 。4. 報 告 は 良 心 的 か っ 忠 実 な 弁 明 の 諸 原 則 に 適 合 し な け れ ば な ら な い 。5. 各 監 査 役 員 は 報 告 に つ き 知 識 を 得 る 権 利 を 有 す る 。 報 告 が 書 面 で 為 さ れ た 限 り , か つ , 監 査 役 会 が 別 段 の こ と を 議 決 し な か っ た 限 り , そ れ は 各 監 査 役 員 に も ま た 請 求 に よ り 引 渡 さ れ な け れ ば な ら な い 。 監 査 役 会 の 会 長 は , 第i 項 第2 文 に よ る 報 告 に 関 し , 遅 く と も 次 の 監 査 役 会 議 に お い て 監 査 役 員 に 通 報 し な け
白 ればならない。六 白 ‥ 株式法第96条 〔監査役会の構成〕 ‥1. 監査役会は, 次の者から構成される。 ∧ 経営組織法第76条第1 項り 適用される会社にあ グては, 株主お よび従業員の 監査 役員,共同決定法の適用さ れる会社にあ っては,株主お よび従業員の監査 役員お よびその他若干 の構成員。 ト ご 共同決定 補足法第5 条乃至第13 条の適用される会 社にあ っては,株主および 従業員 の監査役員お よびその他1 名 の構成員。, その他の会社にあって は,犬株主の監査役員 のみ。 十2. 第97 条またぱ第98 条に より, 取締役会の公告 または裁 判の中に記載された法 律 の規定が適用されなけ ればならない ときに限 り,監査 役会は,直前に適用さ れた法律の規定 と異った規定に 従って構成されることが できる。 尚 株式 法第101 条〔監査役員 の選任〕 ▽ イ \2. 構成員を 監査役会に 派遣す る権利 は, 共同決定 補足法に 従い 労働組合の最高 組織にそ の権利が帰属し てい るのでない 限り,定 款に よってのみ√かつ特定 の 株主 のため, または特定 の株式 のその時の所持人 のjため にのみ,設定されるこ とができる。特定 の株式 の所持人に は, その株式が 記名式 であ り,かつその譲 し 渡が会社の同=意に結合されてい るときに限り, 派遣の権利が付与されるこづとが できる。派遣権利 者の株式は,特別 の種類とは 看倣されない。 派遣の権利は, 十全 体で,株主の監査 役員り 法律 または定 款に より定 まる人 数の最高3 分のI ま でに 付与される ことができる。 ( 注 記 ) 資 料 とし て 挙 げ た ド イ ツ 株 式 法 の 条 文 に つ い て は つ ぎ の 文 献 を 参 照 し て い る。 \ \ 犬 し1.A.Baumbach,A.Hueck,G.Hueck, “Aktiengesetz",11,neubearbeiteteAuflage,1961.2. 沃 隅 健 一 郎 ・ 八 木 弘 ・ 大 森 忠 夫 著 『 独 逸 商 法〔 Ⅲ〕株 式 法 』「 現 代 外 国 法 典 叢 ト 書(8)丁 有 斐 閣 , 昭 和31 年 。3.K.H.Lehmann,"Aktienrechtsreform 。1965",1965. づ4.B.Kropff,"Aktiengesetz" ,1965. ( 慶 応 義 塾 大 学 商 法 研 究 会 訳 『 西 独 株 式 法 』 慶 応 義 塾 大 学 法 学 研 究 会 刊 , 昭 和44 年 。 な お , 新 「 株 式 法 」 の 条 文 は , 慶 応 義 塾 大 学 商 法 研 究 会 訳 『 西 独 株 式 法 』 慶 応 義 塾 大 学 法 学 研 究 会 刊 , 昭 和44 年 よ り 引 用 し た も の で あ る 。 し