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乳幼児唾液・胃液の血液型物質について

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Academic year: 2021

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(1)

24.

麟蓮轡霧四四)

乳幼児唾液・胃液の血液型物質についτ

緒 東京女子医科大学小児科教室(主任磯田仙三郎教授)

笠 井

カサ イ

和・荻野 .島子

カズ オギ ノ シマ コ 東京都済生会中央病院乳児院(医長豊田保矧:専士) 言 竹 タケ 内 ウチ 允 マ=卜 昭和医科大学法医学教室(指導野田金次郎講師)

粛粛携ラ馨馬’金蓮扉傳

(受付 昭和30年10月18日)

人緬L球以外に,体液にも液性状態で存在する血 Cl) 液型物質を証明したのは,外国ではF. SchifEで ある。氏は抗A沈降素を用v・てA型及びAB型の 人の.唾L三共の他について型特異的沈降反応を見て VAる。一方我国でも白井三郎(2)(1925)は法医学 的見地から人精液の個人識別への目的を以て精液 について研究し,精液によっても1血液型が判定さ れることを報告し,唾液についても同様結果を得 てV・る。吉田寛一(3)(1928)も同様の事実を報じ

たが,ESchiff u. H. Sasaki(4)(5)(1932)のS

式血液型発見によってこの方面の研究が体系づけ られた。分泌型(S)及非分泌型(s)は勿論遺伝 型質に属するものである。又唾液について行われ たと同様に,胃液についての報告も多く,唾液と 略々同様の結果を得ている。 爾来1血液型的基礎研究のみならす,法医学的応 用,人類学的利用等にS式一血液型に関する研究は 陸続と報告され現在に至っている。一方血液型的 にみた入の発育過程についての研究も古くからあ り,既にその概略は笠井和等(6)(1955)の報告に よっても明かな如く,種・々論ぜられているし,該 報告に於てその方法論的な点に間する意見の一部 を:も述べたが,S式.血液型について胎児乃至乳幼 児期,小児期にわたっての系統的調査報告をみな V・。私共は胎児,新生児,乳児,幼児から成人へ と発育して行く設階について,種々な正常所見が 如何に変化しながら成長して行くかと云う事に興 昧を持ち,調査しているが,ここに乳幼児の唾 液・胃液について1韻夜型物質証明の消長について 報告する。 実験材料並に実験方法 予め血球より血液型を検知し得た3ヵ月から8才迄 の乳幼児142例について唾液・胃液を採取1して検査し た。胃液は早朝空腹時即第一回の授乳の前にネラトン のカテーテルを用いて採取し,唾液は清潔な脱脂綿を なめさせそれrしみ込んだ唾液を採取した。 両者共100。C,30分間加温して後遠心沈澱を行いそ の上清を用いた。 検査方法は何れも擬集素価4×に規正したそれぞれ の抗体即α・13・抗凝凝集素についてイ府式は試験管法 を用いて,抗原・抗体等量を加え37。C1時間吸収し てから該当血球浮遊液を加えて37。C30分後判定法に よる凝集阻止反応によつて行った。抗A[∼wとα,抗 BI∼皿とβについては略々同一一の所見を得たのでここ では何れも抗A[∼W,抗BI∼皿についての結果を示し ている。0型材料については抗OI∼皿抗体のみを用い た。 実験成績並に三明 乳幼児の唾液・胃液について,α及抗AI∼w凝 集素,β及抗B[∼皿凝集素,抗0[∼皿1凝集素につ

Kazu Krssai, Shimako Ogino, Makoto ”valteuehj, Y di’ro Nagao and Fusae Kanebako : On the blood group substances in the saliva cand gastric juice of infants and children.

(2)

20r いて凝集阻止反応を施行し,その阻止を示す抗原 最:高稀釈濃度について検討した。その中明かに型 特異性阻止を示した例即明かにS型と判定された ものについて,その成績牽示し説明を加えて見る。

第 一表

唾液についてのみ検査しS型と判定された31例 についてその阻止価を生後月別に表示すれば第一 表の如くである。0型以外の例ではα又はβに対 する態度と抗AI∼Iv凝集素叉は抗BI∼皿凝集素に 対する態度は略k・同様であったので抗AI∼1▽凝集

型 別

A

B

o,

AB

三型竺越.二一仁王蔦回

年 月 O − 3 4 641 1 8 64 O −3 64 O − 4 32 i・ 64 O − 6 0 − 6 0 一・一 9 16 64 1 Lr. 1” 128 ’P 一’一i −ll’一”M’ ” 1

第二表

型 別

A

B

o

AB

t.tt抗体別1抗A抗B抗0抗A抗B

年令別\\、.l I 一rVI I∼皿 1∼川 1∼IVI I∼Y【

32 i ’4’i .月 Q= 4. O − 7 ,2 1

512i 16

O −9 61.ITa ’1−o’el.l141

1呈寄F.

0 −10 16 i ] 512 i l O −10 O 一一 11 128 l

i

1 − O . 8i 1 一一 1 1 64・ L f−L−1i’ 一・ . .”一一一Li .. 1…”i−tt一”snLrlrt i l 一 U j I 1 一 10 1/ 32 256 i 1 − 11 i 256 i I r 2 − 1 li 321 r’ 2 −2 4, 1}T=,”@”P”一 512 2 −4

’td決鼈黷狽狽秩│7r I I 2 一一6 ・2司 ,32 i・ ,32 ?L=1,Ll

2『 111128

3 − e 32 ] 6 −O 2561 6 −3 ト32i

7−3

−7 −132

s r一 ii 1 1 .321

一一一5一’

二1f

l対照成人 例 32i 16! し ii 640.1...

数1161

1 1 1 t r J ’ ’ 10 F 4−og6 i堰E 32 i 1 一一 1 1 − 2 4

1

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1一一 A一 1’ 128 !’ 1 j i s 1 lo24 ] l l 一一一一 1 512[ 32

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256i 64

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32i 8

1 1 −11 2 − 3 2 一一 3 e−IEu. ’i 256 1i 512 i 1 512 1 16 1 1024 ] 1 2 − 4 ,4 1 2 − 5 2 − 6 !,?.!i g一,,1”

1

2 −8 16 2 − 9 321 2 一一 10 128 2 −11 8] F 3 一一 0 3 一一 1 ・8 2s“o l j 3 −9 128 160 1 1280 ] so 1

9 1 3 1 3

対黙・こ1..3割…1・・2?164・1・2・

例 数 12 9 9 4 800

(3)

26 素・抗BI∼皿凝集素に対する態度のみを示してあ ることは前述の通りである。(以下各表共同様で ある)この際全検査例中最少年令は生後3カ月で あったが,唾液でS型と判定された最:少年令は生 後3カ月のものであり,B型2例, AB型1例であ った。AB型1例では抗A 1 一’1▽に対し8×迄阻止能 力を示して居り,成長唾液対照では80×迄阻止能 力を示して居るのに比較すればやや低いが,B型 三三BI∼ に対する阻止能力は成人対照の10×に 比し64×という高値を示している。A型について は生後4カ月の1例がありその抗AI∼wに対する 阻止能力は成人対照640×に比して低いが明かに 32×を示し,0型でも生後4カ月の1例では抗o I∼皿に対して64×の阻止価を示していた。 以後の各年令について見るとA型では阻止能力 :最低4×から256×(生後1年11月)の聞に分布 第 三 表 門 別

A

B

o

\〉_難別

年令別 抗A卜IV 抗BI∼皿

抗0卜m

AB

抗Aエ∼w l 抗BI∼皿 1

㈱触液唾魂液嘩液胃轟測胃液障測胃十一液

年 月

O− 6

256 32 ’ri O 一一一 6 si2 1 i6 1

O−8

256 E6 t, j 8 192 128 O − 9

1画6絹

o o 一 11 128 32 一 11 512 128 i

1−4 1 512

256 1n 一 5

B−ireL/Ti iE,g−i’1.IISIE一一gi−211” 2s61−ua2−s.io一一11ft.

1 − 6 512 ] 128 64 8 ト161 6d.t l 1 − 7 204s 1 32 204ti8 i 512

1 −8

4096 64

1 −8

16 1 8

1 −8

5i巨i 128 .nt1一一nt一

1−9

2048 1 512

1−11

2e48 1・ 512 i 2 − 4

2561 16

2.5 1 512]

32 16 2’6/1,一IL2S6Jl [ 2 6

2 −8

,2 1 2 一一 8

2 −9

1?&L...ii..?...1. 256 ] 128 si2 1 64 1 s12 1 2s6 128 6 ut i 2 一一 11 gL 3 1

I I

i互8』1128−21.・2

対照成人・5・・164・i・・”・・6・512・i128・6m

例 数 ・3 i 7 9

801 320 1 10 1 2 一‘惣一

(4)

2’7 し,B型では16×から256×(生後2年3月)で あり,之では成人対照を上廻る阻止能力すら示し ている例を見たみ0型では64×から256×の阻止 能力を示し一般に成人対照より劣っていた。AB 型では19×から64×を示し何れも成人対照を上廻 っていた。 次に胃液のみについてしか検し得ながった34例 を表示すれば第二表の通りであった。これについ ても第一表で説明したのと略ft同様であり,最年 少B型4カ月では細入対照に比して低かった(32

×)。併し生後7ヵ月及1年3カ月のAB型各々

1例については既に成人対照と同位の価を示して いた。叉B型でも生後11カ月の例に出て成人と略 ・列司直を示した1例を見た。A型に於ても生後1. 年で成人を超えた価を示した。 第三表は同一人で輪舞及胃液を検した31例を美 示してあるが,胃液の方が唾液より…般に高い価 を示し,時に略・々同価であり,31例中3例のみが 唖液に於けるより低価を示したに過ぎす,成人に 於ける胃液e唾液の態度と大差なかった。更に細 くこれを見ると胃液では生後6カ月で成人と同価 を示したB型1例,生後8カ月で成人を超えた価 を示した0 ij一 ’i!の1例を見た。 総 括 か.くみて来る時,生後3ヵ月及それ以後の在例 で阻止能力に於て高低はあるが最低でも阻止能力 4×の.ものがわすかに2例あったのみであり,多 少共nL液型についての経験のある人戸が検査を施 行してもあやまる事のない程度の発育を示してい る事は疑いない。本検査では生後3カ月以前の例 がなかったのでその期間については言.及し得るも のではないが,私共ぼ一一方では:4カ1」胎児より胃 を得て,この食塩水浸出液について明石窪に型特異 性凝集阻止能力を認めた経験を有して居り,之を 併せ考える時新生兇及それ以後に於ては胃液・唾 液堅め血液型物質.は阻止反応に於て個体差はあっ ても明かに型特異性を認められるものであり,更 に推察を蜘えるならば』h球中の型物質同様胎生2 ヵ月及それ以後に於て証明可能であると老えられ る。叉逐年的に生後稻々発育しつつ一定価に到達 する如くに見られる。しかしごの出合抗0凝集素 に対する態度は抗A又は抗Bに対するものより阻 止能力の成人えの織すき方が年霊的におそい結呆 を得てv・る。しかし阻止能力のみから直に発育過 恥を決定することは至難に属するものであるごと を附記しておく。 結 論 私共は生後3.カ月及びそれ以後q)乳幼児につい て唾液・胃液中の頚エ液型物質を凝集阻止反応によ って検した結集下記の如き結果を得た。 1)生後3.∼4カ月に於て既に唾液胃液}でついて 一血液型物質の存在を知り得た(S式』l!l・」.t型)。 2) 胃液・唾液両者を共に採取し得た例について 見ると成人のそれと同様胃歓の阻止能力の方が唾 液のそれを一L廻っている例が多かった。 3) 阻止能ヵよIJ]見る.と成人対照と略・々同様叉は それを凌駕一)一る価を示した例は最年少で}ま唾液で 3カ月の1例,冒液では7カ月の例であった。 4) 0物質の咀[lr.能力は4充A及び抗B型質のlllt止 死力に比して成人値へ過すくのがやや遅いと云う 結果を示していた。 以上から見るとやはり高産時にぱ既に.頃L液型物 質の酔興硫1液への今泌が行われて居り個人1は あるが生.後一∴定H・椹脆に於て順1欠威人の1父に達す るものの如くで.bるが,この時期につV・てはi更に 例数を.コ1ねて検討した醍.■。 (本論文σ要職Lよ菟一回日本小児科野夫又京地方会}二 IJこて発表した⊃ 終にのぞみ御国ζt御幽墜頂いた孔美田教コ受,小山院 長,二.ま田L三長,野饗請師1寄柴震いたしヒ、vV。 豊要参考1文献 1) Sc“?Lit’f, ts’.:Klin. Ws・.chr. 3. C 6) 679一一680 (19 24;) 2) 白井三郎;束京医享新誌,2376,1283−1291 (!924.) 同 :東京畠医事新説葺, 2499,457一一一462 (19 25) 同:北海道医会誌,3(2)25・一一73(1925) 3)吉田寛一:社会医誌,495,331−34(1928) 社会医誌,498,661−711(1928)

4) Schiff, F. u. H. Sasaki:Zschr. f. lnn. u.

Exp. Therapie, 77(>f£) 129−139 (1932)

Klin. Wschr, 11(38) 14,26一一・1428 (1932) 5) ff. Sasaka : Zschr. f. lnn. n. Exp. Therapie, 77(r6) 101一一!20一 (1932) 6)笠井和,他:東京女医大’誌,25(4)163−164 (1955) 7)古畑種基:血液型学(医学上書6)学術堂院, (194−7) nL一@b)D/一 ..r

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