• 検索結果がありません。

Mycoplasma Pneumoniae によると考えられる Acute Polyradiculoneuritisの1例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Mycoplasma Pneumoniae によると考えられる Acute Polyradiculoneuritisの1例"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

(東女医大誌第54巻 第 附 ) 頁 1095-1101昭和59年10月

Mycoplasma Pneumoniae

によると考えられる

Acute P

o

l

y

r

a

d

i

c

u

l

o

n

e

u

r

i

t

i

s

1

{

:

f

U

東京女子医科大学脳神経センター 神経内科学教室(主任:丸山勝一教授〉 キタムラ エ イ コ ヤ マ ネ キ ヨ ミ イ マ キ トシヒロ 北 村 英 子 ・ 講 師 山 根 清 美 ・ 今 城 俊 浩 オ オ タ コウヘイ オ オ サ ワ ミ キ オ

太田

宏平・大津美貴雄

助 教 授 小 林 逸 郎 ・ 助 教 授 竹 宮 敏 子 ・ 教 授 丸 山 勝 一 ( 受 付 昭 和59年8月2日〉 はじめに 1962年, Chanockら1)により mycoplasma pneumoniaeが原発性非定型肺炎の原因菌として 分離,培養されて以来,マイコプラズマによる呼 吸器疾患以外の合併症として,血液,消化器,循 環器系など,種々の臓器に及ぶ障害が報告されて いる.この中でも近来,神経系合併症が注目され ており, psychosis,髄膜脳炎,髄膜炎,小脳失調, 脊髄炎,根神経炎,多発筋炎など中枢神経から末 梢神経 筋に至るまでを含めた多彩な合併症が報 告されている2) 今回,我々は先行する感冒様症状ののち,急激 に弛緩性四肢麻痔を来たし,し、わゆる広義のGuil -lain-Barre症候群を呈し,その後の検索で、マイコ プラズマ抗体価の上昇を認めた症例を経験したの で,髄液所見,電気生理学的検査に検討を加え, 報告する. 症 例 患者:K.K. 24歳,男性,工員. 主訴:四肢麻癖,上下肢しびれ感. 家族歴,既往歴,生活歴:特記すべきことなし. 飲酒歴,特殊薬物の曝露なし. 現病歴 生来健康であったが,昭和57年10月8日頃より 咳轍,関節痛出現,発熱は認めなかったが, 15日 より両下肢脱力のため歩行困難となった.次第に 両上肢の脱力も出現し,上下肢遠位部のしびれ感 も認められたため, 18日某院入院. 20日には四肢 麻痩となり, 10月23日当院に転院となった. 入院時現症 身長165cm,体重45kg,血圧104/80mmHg,脈拍 78/分.整,呼吸数 18/分.体温36.00 C. 貧血,黄 痘なく,表在リンパ節触知せず.胸部ではラ音を 聴取しなかったが,深呼吸は不十分であり,軽度 の呼吸運動障害を認めた.腹部所見に異常なく, 発疹も認めなかった. 神経学的所見では,意識は清明,高次神経機能 に異常なし.脳神経系では軽度の左末梢性顔面神 経麻揮を認めた.運動系では徒手筋力テストは上 肢近位部で2-3/5,遠位部で 1/5,下肢で 1-2/5で あり,弛緩性四肢麻痔の状態を呈していた.知覚 系では手袋靴下型のしびれ感,および軽度触覚低 下を認めた.深部臆反射は著明に低下,病的反射 は認めなかった.

Eiko KITAMURA, M.D., Kiyomi YAMANE, M.D., Toshihiro IMAKI, M.D., Kohei OTA, M.D., Mikio OSA W A, M.D., Itsuro KOBA YASHI, M.D., Toshiko TAKEMIYA, M.D. and Shoichi MARUYAMA, M. D. CDepartment of Neurology CDriector: Prof. Shoichi MARUYAMA), Neurological Institute, Tokyo W omen's Medical CollegeJ : Acute polyradiculoneuritis associated with mycoplasma pneumoniae infec -tion.

(2)

-1095-202 小脳症状,髄膜刺激症状なし. 検査成績 表 lに示すように血算にて軽度白血球増多を認 める以外,血液生化学,尿,便,胸部X線像,心 電図に異常なし.血沈1時間値10mm,

CRP

陰性. ウイルス抗体価(表2)は補体結合法(以下CF抗 体価〉で血清マイコプラズマ抗体価128倍と上昇, 同時に麻疹抗体価も64倍と上昇を示した.髄液中 のウイルス抗体価はいずれも正常範囲,寒冷凝集 素価は128倍と高値を示した. 神経学的検査所見 1)脳波,頭部

CT

では異常を認めなかった. 表l 入 院 時 一 般 検 査 所 見 血液生化学 血 算 TP 6.4g/dl RBC 548万 GOT 9 KU Hb 16.1g/dl GPT 9 KU Ht 46.5% LDH 227 WLU WBC 10100 Al-P 6.3KAU Seg 67 % LAP 108 GRU Lym 30 % CPK 21 mU/ml Mono 2 % BUN 22.3mg/dl Baso 1 % Creat 0.8mg/dl 血 沈 10 mm/h U-A 5.0mg/dl CRP (-) Na 143mEq/1 尿一般タンパク(::t) K 3.9mEq/1 糠 (ー) Cl 103mEq/1 ウロビリノーゲン(士〕 Tchol 129 mg/dl 胸 部X線 像 異 常 な し TG 66 mg/dl 心電図 異常なし 表2 ウイノレス抗体価 血清抗体価 マイコプラズマ (CF) 麻 疹 (CF) その他,インフノレエンザA, B, ムンプス, 7デノ, RS パラインフノレエンザ,風疹などすべて正常範囲 (寒冷凝集反応 128倍と上昇〉 髄液抗体価 マイコプラズマ 麻 疹 (CF) (CF) 57. 10. 28 I 12. 27 x 1 x 1以下 x 1以下 x 1以下 その他,インフノレエンザA,B, ムンプス, アデノ, RS パラインフノレェγザ,風疹などすべて正常範囲 2)髄液については,入院時,細胞数1/3,タン パグ65mg/dlとタンパク細胞解離を認めた.髄液 タンパクは発症2週後に最高値の540mg/dlを示 し,以後,徐々に減少した.髄液補体, IgG,アル ブミンなどの変動を図

1

に示す. 3) 末梢神経伝導速度(表 3)は,運動神経で両 側上肢で測定不能,下肢では正常範囲内,感覚神 経では上肢正常,下肢では30m/secと低下.感覚 神経は全経過を通じてほぼ同様であったが,運動 神経は髄液所見が最も悪化した時期に一致して悪 化し,以後次第に改善,退院時にはほぼ入院時と 同様にまで改善したが,尺骨神経は退院時まで測 定不能であった.

4

)

H

F

波は,全経過を通じて導出されず. 5)筋電図は,入院時,大腿四頭筋で神経原性変 化を認めたが,他の被検筋では活動電位が得られ なかった

6

)

筋生検,右目非骨筋筋生検では,

DPNH-TR

活 性像でミトコンドリア酵素濃縮現象のみられる小 角化線維を認め,神経原性変化を示した.

7

)

体性感覚誘発電位(以下

SEP)

は,図

2

に示 すように57年 11月 2日,発症後19日目では初期成 分である

P

。は振幅が小さく,潜時も延長してい る.その20日後, 11月22日では,左刺激にて,初 期成分は全く出現しておらず,臨床症状,髄液所 見とも最も悪化した時期に一致している.発症

4

カ月後, 58年3月14日では左刺激にて初期成分は 小さいながらも明瞭となってきており,右刺激で はほぼ正常化している.

8

)

短潜時体性感覚誘発電位〔以下

s

h

o

r

t

-

S

E

P

)

は,表4に示すように病初期に導出不能であった 表3 末 梢 神 経 伝 導 速 度 の 経 時 的 変 化Cm/sec) '82. 11. 1 '82. 12. 8 '83. 3. 14 運 動 両 慣u 尺骨神経 測定不能 測定木能 測定不能 左 IIIド骨神経 55 35 45 右 目非骨神経 45 37 43 感 覚 左 尺骨神経 63 44 60 右 尺骨神経 60 58 60 左 IlIF腹神経 30 46 32 右 IlIF腹神経 31 36 32 -1096

(3)

82.10/1 治 療 症 状 四 肢 麻 痩 顔面神経麻痩 四肢のしびれ思 臆反射消失 低下 髄 液 11/1 12/1 '83.1/1 ... 陸 』 細 胞 数(/3)

o

3 4 3 タン I~ ク (m砕1iD 65 540 225 114 95 C 3 <mrrf!l> 0.85 2.8↑ 1.21 1.18 1.24 C • (mrrf!t) 0.8 3.05 I gG <mrrf!l> 17 51 22 8 アルブミン (mrrf!D 54.4 217.6 86.4 62.4 42 血 清 I 9 G <mrrf!D 920 4.08 660 640 アルブミン (g,AlD 3.85 3.89 CSF C3/CSF C4 1.04 CSF C3/CSF Tpl%l 1.28 igG index 1.31 0.78 図l 入院後経過 乞/1 3/1 5 2 60 51 42 0.6 0.79 0.33 0.43 担E跡 痕跡 50 23.2 18 560 620 660 3.94 0.77 0.79 表4 短潜時 SEPの経時的変化 潜 時 Cmsec) 導 出 部 位 '82. 10.30 '82.11.25 '83.12.25 左鎖骨上寓CLt.C U,N. 導出不能 12.7 13.1 左正中刺激 第2頚椎疎突起CC,),N" 導出不能 導出不能 導出不能 右後ローラγド野CRPR),N,o 導出不能 導出不能 導出不能 右鎖骨上寓CRt.CL),N, 12.6 12.7 11.9 右正中刺激 第2頚椎練突起CC,,)N13 導出不能 13.0 13.0 左後ローラγド野CLPR),N,o 導出不能 導出不能 導出不能 ものが,次第に波形の出現が見られるようになっ たが,依然潜時の延長を認める. 9)肺機能検査は,表5のごとく,病初期拘束性 障害を示したが,その後,肺活量 1秒率とも著 明な改善を認めた. 入院後経過 入院後prednisolone60mg/dayを2週間投与 し,その後漸減した.図1に臨床経過を示す.経 過中,発汗過多,一過性

PAC

の出現などの自律神 経症状を認めた.22病日よりリハピリテーション を開始し,

5

8

2

月上旬には坐位可能

2

月下旬 には自立歩行可能となったが,

5

8

3

3

1

日,退 院時尚,上肢遠位部の筋力は2/5であり,下肢腫反 射は消失したままであった.髄液細胞数は正常, -1097ー

(4)

204 1982. 11.2 N2 N3 Lt-RPR N3 表5 肺機能検査 1 982. 1.122 N3 1983. 3. 14 N2 N3 3 M 川

J

1

0

0

fo' 図2 SEPの経時的変化 50msec 57. 11. 12 57. 12. 6 58. 3. 17 VC (l) 2.17 3.03 4.43 %VC (%) 52 73 107 FEV 1.0 (%) 81 97 99 Peak flowCl/s) 3.6 7.8 9.0 insp.V50 Cl/s) 1.9 5.0 5.1 一叩『ーー L一一一ー タンパグは最高値540mg/dlを示し,以後順調に 改善した. 考 察 本症例は先行する感冒様症状ののち,下肢遠位 部より始まる筋力低下にて発症,数日のうちに急 激に弛緩性四肢麻痔,および深部臆反射の著明な 低下ないし消失を来たし,軽度の左末梢性顔面神 経麻痔を呈した.検査所見では,①髄液にてタン パク細胞解離,②末梢神経伝導速度,特に運動神 経の著明な低下ないし測定不能,③筋生検にて神 経原性変化を認めたことより,当初,いわゆる Guillain-Barre症候群と診断され,病初期より prednisoloneの投与が開始された.その後,寒冷 凝集素価の上昇,および,第14病日に採取した血 清のマイコプラズマCF抗体価の上昇が明らかと なり, mycoplasma pneumoniae感染に伴った多 発根神経炎と考えられた. Guillain-Barre症候群は原因不明の多発根神経 炎3)であり,本例のように神経症状発現と, myco-plasma pneumoniae感染の関連性が強く疑われ る症例では折笠ら2)と同様,我々も GuillainBarre 症 候 群 に 含 め る よ り も , mycoplasma pneumoniae感染による acutepolyradiculoneur -itisとするのが適切で、あると考えた. 以下に,診断,髄液および各種生理検査結果を 中心に,若干の考察を加える. 1.マイコプラズマ感染と多発根神経炎につい て 1956年, Yesnick4)は,原発性非定型性肺炎に合 併する神経症状についてはじめて言及し,頻度と しては0.1%以下でまれではあるが,神経合併症と して meningoencephalitis,transverse myelitis, 1098

(5)

表6 Mycoplasma pneumonia巴感 染 の 神 経 系 合 併 症 A.中 枢 神 経 系 1.脳炎及び髄膜脳炎 2.Acute psychosis 3 急 性 小 脳 炎 4 無 菌 性 髄 膜 炎 5.横 断 性 脊 髄 炎 6 肉 芽 腫 性 血 管 炎 B 末 梢 神 経 系 1 多 発 性 脳 神 経 炎 2 多 発 根 神 経 炎 C 筋 肉 系 多 発 筋 炎 hemiplegia

ascending paralysis

cranial nerve palsyの

5

型 を あ げ て い る . そ の 後1972年, Hodge白sら 状として, psychosis,髄膜脳炎,髄膜炎,根神経 炎を報告し,頻度としては根神経炎が最も多いと している.現在では,折笠らにより表6のような 多 岐 に わ た る 神 経 合 併 症 と し て ま と め ら れ て い る. 表7はマイコプラズマ感染に基づく多発根神経 炎の本邦報告例制)-11)である.特徴として,男性優 位で平均年齢38.4歳と,比較的若年発症が多いこ と 1例を除きすべてに先行感染を認めるが,必 ずしもマイコプラズマ肺炎を認めないことがあげ られる. 2例において肝障害を認めたことも発生 機序における免疫機構の関与が示唆され,注目さ れる.本例においてはマイコプラズマ抗体価は128 倍であり,診断基準1川こ合致しており,マイコプラ ズマ感染に伴う多発根神経炎と考えた.同時に麻 疹抗体価が64倍と上昇を示したことについては, すでに小児期に擢患しており,また今回発疹など も認められなかったことより,マイコプラズマ抗 体価の上昇に伴って生じたものと考えた. 1980年, Goldschmidtら13)の報告によれば, Guillain-Barre症候群と診断された 100例中 5例 に血清マイコプラズマ抗体が陽性で、あったとされ ており,原因不明の多発根神経炎,いわゆるGuil -lain-Barre症候群の中には,かなりの頻度で、マイ コプラズマ感染によるものが含まれていると考え られ,抗体価の測定は診断上,重要かっ必須で‘あ ると思われる.

2

.

髄液補体,その他の変動について 図

1

に示すように,髄液タンパク,アルブミン, C3, C4, IgGを経時的に測定し, CSF C3/CSF C4 CSF C3/CSF Tp, IgG index (CSF IgG/CSF alb/serum IgG/serum alb)14)を計算した.最近, 井形ら15)は C3,C4比 が Guillain-Barre症 候 群 で 有意に高値を示すことを指摘しているが,本例で は上昇を認めなかった.IgG indexは入院時1.31 と上昇,その後は低下してきている.このことは 髄腔内における IgG産生能の充進を意味し,根に おける炎症反応を反映したものと推測される.以 上の各種パラメーターを使用することにより,病 表7 Mycoplasma pneumoniae感 染 に 基 づ く 多 発 根 神 経 炎 の 本 邦 報 告 例 臨 床 症 状 髄 液 所 見 Mycoplasma 症例 報 告 者 性 年齢 先感行染 肺 炎脳障神経害運障 動害知障 覚害障呼 害吸勝障 脱害 そ の 他 細 胞/3数 タ ン パ ク 寒素冷凝価集

1Zonlae mg/dl 価〔血清〕 1岡本(1976)男 23

+

V,V11 十 +朴 114 300 256 128 2 グ 31

+

+

十件

+

46 200 1024 256 3湯浅(1977)男 40 十

+

十仲

+

3 216 64 1024 4山田(1978)男 40

+ +

+

斗十

+

19 28 1024 64 5岩崎(1978)男 58

+

十 十十

+

肝 障 害 8 234 256 128 6折笠(1979)男 58

+ +

V11 十枠

+

十件 +仲 1 32 1024 2048 7 グ 女 30

+ +

V11 十汁

+

十件

126 512 512 8折 笠(1982)男 40 +十 28 79 128 128 9鎮 西(1982)男 40 十

+

V11 +十 +十 十十 肝 障 害 8 400 512 4096 10本 例(1983)男 24 十 V11 十件

+

540 128 128 (軽度〉 折笠ら(1982)を改変 1099

(6)

206 勢 の 客 観 的 評 価 が 可 能 に な る と 考 え ら れ , 今 後 の 症例の蓄積がのぞまれる. 3.各 種 電 気 生 理 検 査 の 経 時 的 変 化 に つ い て 本 例 で は 経 時 的 に 種 々 の 電 気 生 理 検 査 を 施 行 し た.radiculoneuritisの病変は,基本的には末梢、神 経 系 に お け る 炎 症 性 細 胞 浸 潤 , 節 性 脱 髄 , Schwann細 胞 の 増 殖 と 髄 鞘 形 成 と さ れ て い る3) SEP, short SEP, H波, F波 な ど の 電 気 生 理 検 査は,前述の障害の程度を反映するものとして, そ の 経 時 的 測 定 は , 回 復 過 程 を 知 る 上 で も 有 意 義 であると考えられる. 本 例 のSEPで は , 左 側 刺 激 時 に 導 出 が 不 良 で 左 右 差 を 認 め た . 末 梢 感 覚 神 経 障 害 の 際 のSEP で は , 感 覚 性 イ ン パ ル ス の 量 に 相 関 し て 体 性 感 覚 野が反応し, SEPの 構 成 成 分 に 変 化 が く る と さ れ ている16) 本 例 で 認 め たSEPの 初 期 成 分 の 低 振 幅 , 潜 時 の 延 長 , 導 出 不 能 な ど の 所 見 は , 高 度 の 末梢感覚神経障害を反映するものと考えられる. ま た 経 時 的 変 化 を み る と 臨 床 症 状 , 髄 液 所 見 と 平 行 し た 動 き を 示 し , 髄 液 所 見 の 改 善 と と も に SEP,および shortSEPの改善がみられた. 一 方

F

波 に つ い て は 全 経 過 を 通 じ て 導 出 で き な かった. F波 は 運 動 神 経 のproximalsegmentの 機 能 を 評 価 す る 上 で 有 用 な 検 査 法 で あ り ,

G

u

i

l

-lain-Barre症 候 群 の 他 , 各 種 神 経 疾 患 の 病 態 解 明 の 一 助 と し て 利 用 さ れ て い る17) Kimuraら18)は Guillain-Barre症 候 群 9例 を 検 索 し 8例 でF波 の遅延を認めたとしている.本例でも末梢(運動・ 感 覚 〉 神 経 伝 導 速 度 が 徐 々 に 回 復 を 示 し た の に 対 し F波 は 全 経 過 を 通 じ て , 最 大 上 刺 激 に よ っ て も導出されなかった.SEP, short SEPでは次第に 末 梢 感 覚 神 経 お よ び 神 経 根 ま で の 障 害 の 改 善 が 示 唆されるのに対し

F

波が認められないことは, 末梢運動神経の中でも特に神経根の障害が強いこ

とを反映しているものと考えられる.

以上により, SEP, short SEP, F波 な ど の 生 理 機 能 検 査 は , 末 梢 神 経 , 神 経 根 部 の 疾 患 の 病 態 を 把 握 す る 補 助 診 断 と し て 有 用 で あ る と 考 え ら れ た ま と め 1 ) マ イ コ プ ラ ズ マ 抗 体 価 の 上 昇 し たpolyr -adiculoneuritisのl例を報告した. 2) 本 症 例 は Guillain-Barre症 候 群 に 含 め る よ り も マ イ コ プ ラ ズ マtこよる polyradiculoneuritis とするのが適切であると考えた. 3)髄液タンパク,アルブミン, C3, C4, IgGを 経時的に測定し, IgG indexの上昇を認めた.

4

)

電気生理学的検査として,筋電図,末梢神経 伝導速度の他, SEP, short SEP, H波, F波 な ど の 経 時 的 検 索 を 行 な い , そ の 意 義 に つ い て 検 討 し た 本論文の要旨は東京女子医科大学学会第254回例会 (昭和58年 6月17日〉において発表した. 文 献 1)Chanock, R.M_, et al.: Growth on artifitial medium of ag巴nt associated with atypical pneumoniae and its identification as PPLO_ Pro Nat Acad Sci USA 4841~49 (1962)

2)折 笠 哲 男 ・ 水 野 美 邦 Mycoplasm Pneumoniae 感染に伴う急性多発性根神経炎.神経進歩 26(2) 370~ 379 (1982)

3)Rowland, L.P.: Merritt's Textbook of Neur -ology, Seventh edition, Lea & Febiger, Philadelphia (1984) 484 4)Yesnick, L.: Central nervous system com-plications of primary atypical pneumoniae. Arch Intern Med 9793~98 (1956) 5)Hodges, G.R., et al.: Central nervous system disease associated with mycoplasma infection. Arch Intern Med 130 277~282 (1972) 6)岡本進・ほか:Mycoplasma Pneumoniaeの感 染に伴う知覚優位の脊髄根神経炎.神経内科 4(1) 72~74 (1976) 7)湯浅亮一・ほか:Mycoplasma Pneumoniae感染 に併発したGuillain-Barre症候群および Menin‘ goencephalitis. 内科 40(2)353~356 (1977) 8)山田幸司・ほか マイコプラズマ肺炎に合併した 知覚優位の脊髄根神経炎の 1例.内科 41(5) 868~872 (1978) 9)岩崎泰彦・ほか マイコプラズマ肺炎に合併した Guillain-Barr吾 症 候 群 . 診 断 と 治 療 66(5) 810~817 (1978) 10)折笠哲男・ほか:Mycoplasma pneumoniae感染 に基く acutepolyradiculoneuropathyの2症例. 臨床神経 19(9)575~580 (1979) 11)鎮西忠信・ほか・脳炎ならびにGuillain-Barre症 候群を呈したマイコプラスマ肺炎の 1例.内科 49(3) 549~ 552(1982) -1100

(7)

12)中 村 昭 司 . マ イ コ プ ラ ズ マ 感 染 症 . 日 医 新 報 2851号23(978) 13)Goldschmitt, B.: Mycoplasma antibody in Guillain-Barre syndrome and other neurologic disorders. Ann Neurol 7(2) 108-112 (980) 14)Caroscio, J.T., et al.: Quantitative CSF IgG measurements in multiple sclerosis and other neurologic diseases an update. Arch N eurol 40(7)409-413 (1983) 15)井形昭弘・ほか・髄液中補体の検討.厚生省特定 -1101-疾 患 免 疫 性 神 経 -1101-疾 患 調 査 研 究 班 昭 和58年度総会 抄録集 16)小柏元英・ほか・運動障害と体性感覚誘発電位. 臨床神経 12 (3) 116 -125 (972) 17)石田哲朗:F波の臨床的価値.臨床脳波 21(2) 799-807 (979)

18)Kimura

J. and J.F. Butzer: F-wave conduc -tion velocity in Guillain-Barre syndrome. Arch Neurol 32(8) 524-529 (975)

表 6 Mycoplasma p n e u m o n i a 巴感 染 の 神 経 系 合 併 症 A . 中 枢 神 経 系 1.脳炎及び髄膜脳炎 2 .  A c u t e  p s y c h o s i s  3  急 性 小 脳 炎 4  無 菌 性 髄 膜 炎 5

参照

関連したドキュメント

Examination results suggest that the quantitative analysis in characteristics of image noise and image resolution at multi-slice CT images can provide an optimal parameter for

: Combined plasmapheresis and immunosup- pression as rescue treatment of a patient with catastrophic antiphospholipid syndrome occur- ring despite anticoagulation : a case report.

To identify the mechanisms for B cell depletion in vivo, a new mouse model for anti CD20 immunotherapy was developed using a panel of twelve mouse anti-mouse CD20

 CKD 患者のエネルギー必要量は 常人と同程度でよく,年齢,性別,身体活動度により概ね 25~35kcal kg 体重

免疫チェックポイント阻害薬に分類される抗PD-L1抗 体であるアテゾリズマブとVEGF阻害薬のベバシズマ

そのうち HBs 抗原陽性率は 22/1611 件(1.3%)であった。HBs 抗原陰性患者のうち HBs 抗体、HBc 抗体測定率は 2010 年 18%, 10%, 2012 年で 21%, 16%, 2014 29%, 28%, 2015 58%, 56%, 2015

(図 6)SWR 計による測定 1:1 バランでは、負荷は 50Ω抵抗です。負荷抵抗の電力容量が無い

A 31 抗アレルギー薬 H1受容体拮抗薬(第二世代) オロパタジン塩酸塩 アレロックOD5 A 32 抗アレルギー薬 H1受容体拮抗薬(第一世代)(フェノチアジン系)