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進路の自己決定に関する事例研究 ―教員を目指すまでの過程に焦点を当てて―

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Academic year: 2021

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進路の自己決定に関する事例研究 一教員を目指すまでの過程に焦点を当てて一 学 校 教 育 専 攻 学 校 改 善 コ ー ス 薮 中 優 介 1 .研究の目的 進路指導における問題には、児童生徒や保護 者の意識の低さ、教員には児童生徒に個々に対 応するゆとりがないこと、就職市場の縮小など が上位にあげられている。他にも多くのことが あり、進路指導を困難にさせる原因であると言 われている。この困難性は、長年解決されない 問題であり、進路指導に関する研究も数多く見 られる。しかし、それは現在の進路指導の各種 の試みに関する研究がほとんどである。学校生 活を振り返って、当時の進路指導の効果を検討 した研究は少ない。しかも、進路を自己決定し た過程に焦点を当てた研究は見られない。 そこで、本研究では、調査対象者が進路指導 を振り返り、進路指導の試みや教員の指導につ いてどのように感じたか、また、自分が望む職 業について考えるきっかけは何かなどを考察す る。それを進路指導で生かすことができないか を探ることを目的とする。 なお、本研究では、教職に焦点を当てる。そ れは、教員は大学進学までの経緯を長期的に見 ることができ、そして幼い頃から見ている職業 であるので、教職をイメージしやすし、からであ る白 2.研究の課題 本研究の課題を以下の4点とするD ①進路指導について決定するための、社会、親、 指導教員 佐 竹 勝 利 学校などの外的要因、子どもの進路観、性格、 得意不得意などの内的要因を探り、教職に就 きたいと思うきっかけには、どのようなこと があるかを明らかにする。 ②個々によって就きたい職業についての決定時 期と、就きたいと思う程度を探り、その特徴 は何かを分析する。 ③個々人の教職に就きたいと思うきっかけの構 造を明らかにして、そこにはどのような特徴 があるかを分析する。 ④以上のことを踏まえ、児童生徒の進路決定に 教員がどのように関われるかを探り、進路指 導において留意しなければならないことにつ いて分析する。 3. 研究の方法 ( 1 )質問紙調査の実施 進路指導を経験した教員志望の大学生、大学 院生、現職教員の方に質問紙調査を実施した。 その内容は以下のとおりである。 ①教員を目指した経緯について ②高校生の時の進路指導について ③なぜ教職に就きたいと患ったのかについて ④これからの進路指導に対する希望について (2)聞き取り調査 質問紙調査をベースとして、さらに詳しく開 き取りを行っている。聞き取り調査を行うこと によって、進学や就職に関する決定の仕方や、

(2)

-28-なぜ教員になろうと思ったのかということを詳 細に開いた。 (3) Eメールによる調査 上記の(1 、 (2)の結果から 5人に絞って、) (2)に見られる、教職に就きたいと思ったき っかけについて、それらがどの程度あてはまる かを聞いた。 4. 研究の結果と考察 ( 1 )教員を志望したきっかけについて 本研究では、教職に就きたいと思った主なき っかけは以下の6点で、あった。 ①両親の助言 ②両親の職業 ③学校外の人物の影響 ④自己の経験 ⑤大学で学んだこと ⑥自分が教わってきた教員の影響 (2)教職に就きたいと思うきっかけの構造 5人に対する調査を通じて、教職に就きたい と思うきっかけに至るまでにいろいろなパター ンが明らかになった。教員になろうというきっ かけが複数ある事例、 1つのきっかけで、教員を 目指すとしづ事例、いったん教職に就くことを あきらめるが、再び教職に就こうと行動する事 例、教職を考えずに進学していき、大学在学中 に教職に就きたいと考える事例、大学在学中に、 あるきっかけで、校種の希望が変わる事例など、 いくつかのきっかけの組み合わせがあることが わかったo (3)教員を目指す独特のきっかけ 本研究は教職に就きたいという方に照準を絞 って調査をしたので、教員の場合の独特のきっ かけについて考察している。 教職は、子どもが幼い頃から触れているので、 具体的に受け止めて考えることができる職業で ある。 (4)進路指導とのかかわり 調査を通して明らかになった教員に就きたい と考えるきっかけを、教員以外の職業にも当て はめて考察した。その上で、進路指導に留意し なければならないことを以下のようにまとめた。 ①児童生徒が両親の助言や意向を知り、その職 業についてどのように考えているかを知るこ とで、両親の影響があるかどうかを知る。 ②人物、もの、作業に対する憧れから、それに 関する職業に関心があるかどうかを知る。 ③児童生徒にとっての学校外の活動の影響や、 児童生徒が自分の経験から将来の職業に対し て、どのように感じているかを理解する。 ④当然のことながら、児童生徒が興味、関心の あることを知り、児童生徒がそれを生かした いと考えているかどうかを知る奇 要するに、将来の職業について考えるきっか けを与えるような指導を心がけなければならな いことを示唆した。 (5)職業を決める決断力 将来の職業に向かって行動で、きるような決断 力が調査対象者のすべての方に見られた。きっ かけを与えるような指導と同時に、そのような 決断力の育成が必要である。 5.今後の研究課題 研究上の課題としては、将来の職業を考える きっかけの妥当'性や教員を目指すきっかけの特 徴の考察のために、教員志望、現職教員の方へ の調査の拡大、他の職業を目指している方への 調査が必要であろう。実践上の課題としては、 段階的な指導の計画、進路指導に関する具体的 なカリキュラムを作成することである。 Q U っ “

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