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Dr.Hans Bader;Zur Tragweite der Entsheidung uber die Art des Anspruchs bei Verurteilungen im Zivilprozess 1966(Schriften zum Prozessrecht Bd.3) 利用統計を見る

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Dr.Hans Bader;Zur Tragweite der Entsheidung

uber die Art des Anspruchs bei Verurteilungen

im Zivilprozess 1966(Schriften zum

Prozessrecht Bd.3)

著者

白川 和雄

雑誌名

東洋法学

13

3・4

ページ

61-73

発行年

1970-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006117/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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︿紹 介﹀ Uや 霞きωω銭ΦびN霞↓量αQ類o一酵oα段国馨ω9鉱3pαQ    韓びR撫o︾博山①ω︾霧℃貰畠のび鉱    く①鐸旨鉱ぽβσQ窪帥簿§︿一一嘆o器。 。。 り這①①    ︵ωoぼ賦替臼旨欝℃8器器審o窪ωα.◎ o︶ 白

川和 雄

 この論文は、今は亡きポーレ教授の指導のもとにミュソヘソ大学に提出されたディゼルタチオソ︵9ωの。吋§菖︶で あり、著者バーダーは、この論文で給付請求の法的性質に関する裁判に既判力が生ずるか、生ずるとすればどの範囲 か、を主題として取り扱っている。 総頁数は二一六頁。構成としては、雛請求の性質、翻 間題事例、聖 問題事例の体系的整理、解学説.判例、 紡 給付訴訟における判決対象の構成要素としての請求の性質、齢請求の性質に関する裁判の個別化機能、留 理 由部分としての請求の性質に関する裁判、墾 ZPO三二二条についての立法者の基本的態度 聖 給付判決での請    申果 洋 法 磁子       ふハ一

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   紹  介 求の性質に関する裁判の上訴手続との関係、 §10 性質にかかわる属性の確定、 §1i 個 別 手 続  、 §12 総 六 括 二 二  この問題の解明に当って.バーダーは民事司法.しかも給付認容判決に限定し、 に関する裁判については.必要な範囲に限定してふれている. 確認判決における講求の法的性質  心 講求の性質  まずここで間題とする講求権は.ドイッ民法一九四条にいわゆる作為・不作為を求める権利ではなく.抽象的な法 趨の規準による請求権の分類が重要となる。したがって法規による講求権の性質︵轡鑑諭ζ誉欝︶が規準となる︵一七 頁.以下頁数は数字のみ︶。すなわち売買代金.賃貸借.故意または過失による不法行為の損害賠償.所有権または占 有権に基づく返還請求権などである、  請求の法的性質に関する裁判は.請求権を発生させる事実関係︵も っ麩響巽訂εに法的当てはめをすることによって なされる︵一八︶。生活事象は通常単一の性質︵魚嚢槻霧壽︶ではないということは注目すべきである。もちろん法的に 一義的な事実関係の際には、請求権の単一性質があるにすぎず、その法適用が正当か不当かは結果においてはなんら 変らない︵一九︶。法的に多義的な事実関係の際には、複数の誇求権の性質が与えられる。請求の法的性質を一般的

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︵典型的︶性質のメルクマールに制限することは、十分でない︵二〇︶。法的性質に関する裁判は、請求権発生事実を 請求権規範の抽象的概念のもとに包摂︵ω呂袈聲一8︶することである。  給付内容と請求権主体の両者によっても請求権の個別化には十分でない。十分な個別化要素は給付内容と請求権の 事実上の発生原因である︵一二︶。請求権の性質にかかわる属性は、請求権に特権を与えたり、負担をつけたりするこ とができる︵二三︶。  二 問題事例の体系的整理  既判力対象を個別化する際に、どの範囲で請求の法的性質が役割を果たすかについては争われている︵三二︶。この 論争は、とりわけ法的に多義的事実関係の場合の請求棄却判決の個別化に関してである。すなわち、ある実体上の請 求権について請求棄却された原告が、新たに裁判所はある実体上の講求権を看過したと主張して新訴を提起できるか どうかが問題となる。しかしバーダーは、ここでは認容判決に限定しているから、この問題にふれないとする。ただ 認容判決でも、請求の法的性質が判決対象の個別化に関与するかいなかが問題である︵三三︶。ことに法的に多義的な 事実関係の場合に、勝訴原告は前訴判決で顧慮されなかった請求権にもとづいて、同一内容の新訴が可能かいなかが 問題となる。またこれと関連して、顧慮されなかった講求権が再施されうるかどうかという、請求の法的性質の個別 化機能にかかわる間題がある。つぎに請求の法的性質に関する裁判の先決機能︵等8&一N芭姦段弩ざ。εについては、 異なる訴訟物の手続において、前訴で認容または棄却された法効果の存否が、新訴で適用さるべき法規範の要件とな

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六三

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   紹  介      六四 っている場合にはつねに既判力が介入する︵三三︶。また法的性質についての裁判に関しては、第二訴訟でたんに無色 の確定された法効果︵例えば被告は原告に一〇〇〇マルクを支払うべし︶または法的性質決定によって色づけられた確定法 効果︵例えば被告に原告はか故意による不法行為に基づき〃一〇〇〇マルクを支払うべし︶が規準とされねばならないかどう かが間題となる︵一一西︶。請求の法的性質に関する裁判の先決機能と個別化機能とは区馴すべぎである。すなわち個別 化は既判力をもって確定された法効果の眼界づけの問題であ参.先決機能は個別化された法効果が性質決定なきもの であるか.驚たは一個もしくは数個の実体法上の講求権の鑑質要素をもち既判力を生ずるものかどうかの闘題である ︵三五︶、つぎにバーダーは法的性質の裁判の存立機能︵騨婁繋鐘・露難書︶をとりあげている。講求の法的性質に関す る裁判の不可争性によって.既判力で確定された法効果の存立黛鍵韓蜘︶が保障ざれるのであ鞍、この存立機能によ って講求の法的性質に関する裁判が既判ガにかかわるとする、なお存立機能による法的性質決定の不可争性は.既判 力に由来するのであって.既判力と並存するが一般的失権効〃︵9 ・剛蒔Φ簿籔.噂較賦幽瞬謡む 。簡。謬︶に由来するものではないと主 張している点は.注目すべきである︵三七︶、一般的失権効は事実にかかわるのであって.認容判決の際の法的性質決 定にかかわらない。BG登九八五条による勝訴原告は一〇〇四条による所有権に基づく妨害排除の訴のためにも.そ の勝訴原告の所有権を確定するものでははい︵三八︶。しかし所有権という”法的性質メルクマール4は、それが既判 力により、確定された法効果について存立保障機能をもつかぎりでは、既判力に関与する。さらに法的性質裁判の法 律要件的効果をあげている。そして法律要件的効果嫁判決にかかわっており、その効果は.それゆえ判決の存在が法 律要件となっているとぎに限って発生する。

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 この点で判決にかかわる附随効は請求の法的性質にかかわる属性︵勝鰐器畠蹄︶と区別される。例えば故意による 不法行為に基づく請求権の相殺固定︵︾焦§ぼ弩σqω︷婁芭︽①δ︵BG旦二九三条︶は、判決で請求の性質について裁判さ れているかいなかに無関係である︵三八上二九︶。これに反してBGB二一八条一項前段の三十年の時効期間について は、既判力ある裁判が、その法律要件上の前提要件である︵三九︶。法律要件的効果については、判決は拘束対象では なく証拠対象である。しかし法的性質にかかわる属性が、請求の法的性質裁判の事実に依存する場合もある。請求権 のこれらの属性は法的性質ならびに判決にかかわっている。これらの場合には、請求の法的性質裁判は法律要件的効 果をもつのである︵三九︶。  三 給付訴訟での判決対象の構成要素としての請求の性質  訴訟物はその内容と個別化において既判力対象に影響を与える︵五三︶。原告の要求の正当化のためには、事実上と 法律上の要素を必要とする。請求の法的性質は法律上の要素の一部である。たとえ請求の法的性質は独立の判決対象 ではないとしても、判決対象の構成要素となりうるし、独立にではなく、確定された法効果に関連して既判力を生 ずる︵五三︶。事実上の要素については、バーダーは訴訟物の内容部分︵構成要素︶たる事実と訴訟物の内容を限界ず ける︵個別化する︶事実とを厳密に区別すべきであるとする︵五四︶。  いうまでもなく給付訴訟における判決対象の構成要素︵ω婁帥巳悉一︶は実体上の法効果であるが、そのことが当然に 請求の法的性質もまた判決対象の構成要素となる性質をもつことになるとはいえない︵五六︶。むしろ通常、原告は、

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   紹  介      六六 たんに講求の当否を間題とし、提出した事実関係を法的にどのように評価するかは、原告にとって重要ではない。た だバ!ダ⋮は次の場合には、請求の法的性質が判決対象の構成要素となることを認めている。すなわち原告が慰謝料 を請求すると、BGB二五三条による〃不法行為に基づく”という請求の法的性質が間題となる︵五七︶。また訴訟法 上も.請求の法的性質に関連して特別裁判籍︵例・不法行為の裁判籍︶が定められている場合には.そのような法的性質 が判決対象の構成要素となる︵六一︶。  羅 講求の法的性質に関する裁判の個別化機能  バーダーにおいても訴訟物は実体法の原則によってではなく.訴訟法の原期によ凸、て個別化される.いいかえれば 判決対象は通常.講求の法的性質に関連して個別化されない︵六三︶、そして.給付の訴では通常. “要求〃ないし が権利主張粛は講求の個別化に十分でないとして.他の個別化要素として事実を加えている︵六三︶。  例外的に訴訟法によって判決対象を請求の性質に関連して個別化することを認める︵六七︶。しかし通常.誇求の性 質は判決対象を個別化しないし.特に法的に多義的な事実関係の場合︵請求権競合︶にも訴訟物は単一であるとみて いる︵六七︶。給付訴訟では実体上の講求権の性質に関連する属性は訴訟物ではない︵七〇︶。そして法的観点が訴訟物 の構成要素とならないかぎり.全法的観点は交換可能な前提閲題︵ぎ鼠鍔鷺︶であり.裁判所はこれらの法的観点を自 由に選択でぎる、いいかえれば裁判は、事実関係を全法的観点の下に適用しなければならないものではない。そこで 請求認容判決の際でも、顧慮されなかった法的観点は裁判所に否認されていないから、その観点から再施が可能であ

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るとする︵七一︶。これに反し請求棄却判決の場合は、顧慮されなかった法的観点は既判力により再施は認められな い。その根拠は訴訟物の単一性のため裁判官が、請求棄却する前にすべての法的観点から、その訴を審理しなければ ならないという点にあるとする。さらに法的に多義な事実関係と区別して、複数の独立事実関係の場合には、顧慮さ れなかった事実関係は認容判決の既判力により分離され、裁判された事件から離れるので、顧慮されなかった独立の 事実関係の法的性質づけの再施︵28富量魯窪︶は不可能である︵七一︶。おそらくバーダ⋮は、この場合にはハ!プシ ャイトと共に認容判決の既判力により、その訴訟係属が終了し、しかも顧慮されなかった独立の事実関係については 審理されていない、とみるのであろう。したがって、この点について原告の新訴を認めることになる︵ハープシャィト ・訴訟物論二五八頁参照︶。  つぎに請求の性質に関する裁判は、通常既判力対象を個別化しない点にふれている︵七四︶。請求の法的性質は、給 付訴訟での判決対象をー例外事例を除いてー個別化しない。殊に法的に多義な事実関係の際の判決対象は単一で ある。また既判力対象は、請求の法的性質に関する裁判によって性質により分割されない。既判力は個々の実体権で はなく、実体法効果に生ずる。しかし請求の性質裁判につき、法効果と共に既判力が生ずる限りでは、その既判力あ る実体法効果は、請求の性質に関する既判力ある裁判によって豊富にされる、とバーダーはみる︵七四︶。そして、こ の事例は主張された法効果のみならず、請求の法的性質もまた判決対象の構成要素たる場合であると指摘する︵七四︶。 五 判決理由の部分としての請求の性質に関する裁判 東 洋 法 学 六七

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   紹  介      六八  パーダ⋮によれば.これまでの研究により講求の法的性質が判決対象︵訴訟物︶の構成要素である場合には.先決 機能をもった法的性質裁判が既判力で確定された法効果の構成要素として.既判力を生ずることが明らかであるとす る︵七八︶。そこでつぎに既判力拡張は.これをこえて認められうるかいなかを問題とする。この間題は.既判ガ対象 が判決対象と内容的に異なってもよいかいなかを間う際に先鋭化してくる。両者は内容的に異なって差支えないと解 すれば.その限鯵で訴訴物の.既判力範腿に対する意義を否定することになる︵七八︶.  判渓の法的性質づげは理由部分である煮いう点については.大部分の学者が二れを認めヅ、いる.ドイッ民訴法三一 三条一頂五号によれば.裁判理由は判決主文から表面上分離されている︵七九︶.しかし主文と裁判理由を表面上分離 することからは.裁判理磁の定義のための規準は引き出せな㌧としてこれに関するッオイナーの見解を援用Lヅ編い る、ッオイナーは.適切にもサヴ冨論ーに賛成して判決の外面的区わげから出発しないで.裁判所が論理的結論によ って申立に対する応答を得るすべての確定であると裁判理由を解していると。訴による申立の中に主間題があり.裁 判所の裁判の中にその答えがある。裁判理由はかかる主間題への答えを与えるのである︵八○︶。したがって裁判理由 の間題は.判決理由によって主間題に答えられる前提間題︵ぐ鍵暁欝αqΦ︶である。給付訴訟では.原告の要求する判決の 正当化のための主間題は.原告が被告に対しある作為.不作為に向けられた法効果をもつかいなかである。請求の法 的性質はこの法効果の存在にとって前提問題である。そこでバーダーによれば.講求の性質が法効果の構成要素にと って重要である場合には、講求の性質はもはやたんなる前提間題ではなくて.主問題。判決対象の構成要素となるよ うに主問題と密接に結びつくのである。

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 これに対し請求の法的性質が判決対象の構成要素でない限り、法的性質裁判は真の前提問題裁判であり.それゆえ 理由の一部である。  したがってバ!ダーによれば、請求の性質に関する裁判の本質如何の問題は、請求の性質が判決対象の構成要素で あるかいなかに応じて異った解答となる︵八○︶。裁判理由の既判力は、それが既判力により確定された法効果に関連 してのみ既判力に関与する︵相対的意味での理由の既判力︶ことを意味する。そして判決理由の既判力の相対性を明 確にするために、全体としての包摂結論︵も っ嘗ω琶識8馨江器ω募のき罷︶が既判力を生ずるという男9導巴が好んで 使胴される︵八一ー八二︶。  そこで判決理由は、その存立機能︵ご o。馨&総毒臣象︶または先決機能︵㌘.箇㎞&鼠裟感鼠彗窪薯︶によって、相対的 意味において既判力に関与しうるのである︵八二︶。所有権に基づく返還請求︵BGB九八五条︶の認容における相対的 拘束効の際には、その所有権が独立して既判力を生ずるのではなく、 〃無色の”︵器。誓窪︶法効果の性質メルクマー ルとして既判力を生ずるのである︵八三︶。法的性質メルクマール︵冴露鉱毒8は独立して先決効をもつものではな く、たんに既判力ある法効果の補助機能をもつにすぎない︵八三︶。  六 ZPO三一二一条における立法者の基本的態度  ZPO三二二条は、判決対象についての裁判が既判力を生ずるとしている。したがって基本的には、申立に含まれ る主問題に対する単純な諾・否だけが既判力ある裁判である︵八四︶。ところが・ーゼンベルクは、訴訟物が既判力対    東洋法 学      六九

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象ではなく、訴訟物についての裁判が既判力対象であるとして.法的性質決定の既判力を正当化している。ところで既 判力ある裁判の解釈のために裁判理由を関係させることは、判決理由の相対的拘束効の方向を示すものである︵八五︶。 判決主文の解釈は、つねに既判力ある法効果についてだけ行なわれうるし.言渡された法効果を越えてはならない。 判決主文の解釈のためには通常.判決理由の助けをかりてはじめて.確定された法効果の範囲と内容が明白となるこ とを.バーダーもこ菰で指摘している穴六︶。ところで.包摂結論は同価値の構成要素を含むものではない︵八八︶.        パ㌧麗ノ⋮飛陣幅      !隔幅 審感 た理慮の部分として含むことができるとする興味ある見解を提示している︵へ八︶、  七 法的性質にかかわる属性︵難饗蓉瞬減熱︶の確定  原告は訴訟物を摩法的に性質づける4ことを許されるかいなか.、︸とに法的に多義な事実関係の際に.復数の法的 観点の一つに制限することが許されるかいなかの間題については争われている︵一〇六︶。この点についてはバーダー は・多くの場合に.このような原告による訴訟物の法的性質にかかわる個刷化は不可能であるというハープシャイト の見解に賛成している︵一〇六︶。しかし、ハープシャイトは.原告が一定の法的性質決定した権利たる”具体的法効 果主張”をする法的保護利益をもっている場合には、これを許している。そこでつぎに原告は一定の法的性質決定を 判決対象の構成要素に引き上げることができるかどうかの問題が提起される︵一〇七︶。例えば原告は既判力ある裁判 を得るために、被告が”故意による不法行為に基づいて4賠償金を要求することがでぎるか。ハープシャイトはかか

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る要求の権利保護利益を認めない。その理由としては、被告が故意による不法行為を行なったという〃判決理由〃に 該当する確定は、既判ガを生じないからである︵一〇七︶。しかし講求の性質が判決対象の構成要素となれば、それは もはやたんなる判決要素ではなく、既判力ある裁判の構成要素であるとバ⋮ダーは強調し、このことは故意による不 法行為に基づくという法的性質決定の部分としての故意の責任形式にとっても妥当すると主張する︵一〇八︶。そして バーダーは、請求の法的性質と請求の性質にかかわる属性とを明確に区別している。すなわち請求の法的性質は係属 する法効果に関して、また請求の性質にかかわる特性との関連では、先決法律関係ではない。先決法律関係は給付訴 訟における係属する法効果のみならず、さらに独立の法律関係のそれぞれの基礎でありまた部分である。これに対し て、請求の性質にかかわる特性は、独立の法律関係ではなく  具体的な給付内容には属さないとしても  給付判 決の中で確定さるべき法効果の内容に属している。しかし請求の性質にかかわる属性が独立の法律関係でないとする と、それを現わす︵崖︶笹。 ・婁属窪︶請求の性質もまた、請求の具体的法効果をめぐる争いにおける先決法律関係ではな いとする︵一〇八︶。給付訴訟において判決対象の構成要素となりうる請求の性質と、性質にかかわる属性︵聾げ禽お窪Φ 票αq窪8ξεとは区別すべきである、とする︵一二︶。原告が独立に請求の法的性質の確認を求めると、その問題は 請求の性質にかかわる属性に向けられてはいるが、性質にかかわる属性は給付内容をもたず、それゆえ給付訴訟によ っては実現されない。すなわち性質にかかわる属性を求める問題は、ZPO二五六条の確認の訴によらなければなら ない︵一一一︶。  さらに給付訴訟での中間確認の訴について、バーダーはつぎのような見解をとる。すなわち給付の訴にとって請求

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の法的性質が重要である場合には.法的性質は判決対象の構成要素であり.確定された法効果について.また請求の 性質にかかわる属性に関して既判力を生ずる。したがってZPO二八○条の中間確認の訴を起こす余地はないとする ︵一〇九︶。また法的に多義な事実関係の際には、裁判所は最も迅速に羅的を達する法的観点を選択することができる ︵二〇︶。そ艶︶で原告による訴訟物の法的性質決定が裁判所を拘束するかたちで許されるのは.原告がそれについて の法的利益を明らかにすることがでぎる場合に限られる︵二〇︶。  戴繍らにバーダーは.法律関係の性質と内容菰の関係について次のよう紅説明する.法律関係の性質を確定すること は.法律関係の抽象的な.性質にかかわる内容の確定にほかならない。そこで法律闘係の内容を明確にするために・        いる︵二二︶、       気の内容を現わしている眠鯵.それは法律関係 の構成要素である、法律関係の性質はいわば法律関係の内容の簡約された再現︵≦欝騨融暫︶にすぎない.そこで法 律関係の性質が法律関係の内容を現わしている︵醗拶噴吸麟驚糞騨象︶かぎり.その法的性質は・また法律関係の構成要素 であり.そして法律関係の性質に関する裁判は.既判ガをもって異なる法律関係の構成要素として既判力に転化す る︵一二訟︶ゆ 三 著者バーターが.給付請求の法的性質につき既判力を生ずるかいなかという興味ある問題を提起し.その解明に当

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って法的性質に関する裁判の諸機能、殊に存立機能をあげていることは注目してよいであろう。また訴訟物と既判力 対象との関係では、訴訟物の個別化はどちらかというと争いの目標たる原告の要求に向けられ、飽方訴訟物の内容は、 より要求の正当化をめぐる争にかかわるという認識、さらにこれと関連して、裁判内容と裁判の性質、主問題と前提 問題、主文と理由、法効果と法律要件等のそれぞれの場合の内的関連性を検討している点は、評価してよいであろう。 また請求の性質と性質にかかわる属性とを明確に区別したこともバ⋮ダーの功績であるといえよう。  ただ著者がこの問題を取り扱うに当って、基本的問題である訴訟物、既判力について一応の態度表明をすることが 望ましかった。  なお本書については、︾ω&δ器段による基本的には同調的な書評がある。 ︵浮誉欝畦8霧に麟。晦お巽︶       ︵本 学 教 授︶ 東 洋 法 学 七三

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