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額面株式か無額面株式か 利用統計を見る

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(1)

額面株式か無額面株式か

著者

小関 健二

著者別名

K. Koseki

雑誌名

東洋法学

22

1

ページ

p49-75

発行年

1979-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006053/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

額面株式か無額面株式か

六五四三二一

はじめに 資本と株式の関係 額面株式か無額面株式か 試案に対する意見 額面株式と無額面株式の一本化 おわりに

はじめに

 法務省の法制審議会商法部会︵以下単に商法部会という。︶では、昭和四九年の商法の一部改正に際してなされた 参議院および衆議院の各法務委員会における附帯決議をうけて、同年九月から会社法の根本改正について検討を開始 した。そして、翌五〇年六月その問題点を七項目にまとめ、法務省民事局参事官室︵以下単に参事官室という。︶か     東洋 法 学      四九

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    額面株式か無額面株式か      五〇 ら各界にこれに対する意見あるいは提案を求めたところ、約六〇件の意見が寄せられた。  そこで、商法部会では、その意見を参考として審議を再開し、まず最初に株式制度の改正について討議を進めるこ ととし、昭和五一年末までに株式制度の重要間題に関する一応の審議を終えた。そして、翌五二年五月参事官室では ﹁株式制度に関する改正試案﹂ ︵以下単に試案という。︶を公表し.再度各界にこれに対する意見を求めた。  樵の試案に関し.筆者も意見を提出したのであ為が、これが全く独断的なものでω勢、その提案の理由も十分に述 べていないので.本稿において筆者の考えを敷術したいと思う.なお、この試案に関して各界から吟轡官室に寄せら れた意見を参考にして、前記私見の一部を修正したことをお断りしておく。 皿 資本と株式の関係  昭和二五年の改正前の商法では、一九九条の﹁株式会社ノ資本ハ之ヲ株式二分ツコトヲ要ス﹂と二〇工条一項の ﹁株式ノ金額ハ均一ナルコトヲ要ス﹂という規定によって、 ﹁資本の総額﹂巨﹁株式の金額﹂×﹁発行済株式数﹂と いう公式が常に成立した。  しかるに、昭和二五年の改正後の商法︵以下単に現行法という。︶においては、無額面株式制疫、寺の導入により、 この公式は絶対的なものではなくなった。すなわち、現行法のもとにおいて﹁資本の額﹂U﹁券面額﹂×﹁発行済株 式総数﹂なる公式︵以下資本公式という。︶の成立しないこととなる場合をあげると次のとおりである。  ω 無額面株式のみが発行されているとき

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 無額面株式のみが発行され、額面株式が発行されていない会社においては、券面額自体が存在しないので、資本公 式の適用しようがない。しかし、このような会社は上場会社にはなく、非上場会社においてもその例を聞かない。  ㈲ 無額面の新株が発行され、その一株の資本組入れ額が、額面株式の一株の金額と同額でないとき  額面株式と無額面株式の両者が発行されている会社の資本の額は、発行済額面株式の株金総額と発行済無額面株式 の発行価額の総額から払込剰余金を差引いた額の合計額となる︵二八四条ノニ︶。従って、無額面株式一株の発行価 額から払込剰余金を差引いた額が額面株式の一株の金額に一致しないときは、当然資本公式は成立しないことにな る。現在上場会社において無額面株式を発行している会社は、三菱倉庫、住友金属工業、玉井商船および日立造船 ︵優先株式︶の四社で、この四社においては、資本公式は成立していない。  非上場会社で額面株式と無額面株式の両者を発行している会社は、現在存在しないと思われるが、あったとしても その数は微微たるものである。  ⑥ 法定準備金の資本組入れに伴い新株が発行されないとき  法定準備金は取締役会の決議でその全部又は一部を資本に組入れることができる。この場合、株主に対してその有 する株式の数に応じて新株を発行することもできるが、新株を発行しなくてもよい︵二九三条ノ三︶。資本組入れと 同時に、組入れ額と同じ株金総額の新株を発行︵抱合せ増資の場合は、組入れ額と払込を要しない額の総額を一致さ せて新株を発行。︶すれば、資本公式は崩れないが、資本組入れ額と新株の株金総額が一致しなかったり、準備金を 資本に組入れただけで新株を発行しなかった場合には、資本公式は成立しなくなる。     東洋法学      五一

(5)

    額面株式か無額面株式か      五二  かつて、三越が再評価積立金を資本に組入れて額面株式を発行したが、その新株の株金総額が資本組入れ額の一部 に過ぎず、資本公式が成立しない状態となったことがあるが、同社もその後の新株発行により、現在では資本公式が 成立する状態になっている。  現行法制上、資本と株式の直接の関連が切断きれ、資本公式が必ずしも成立しない建前にはなっているが、大部分 の会社が無額面株式を発行していないので.これら額面株式のみを発行している会社において資本公式が成立しなく なるのは.主としてこの法定準備金の資本組入れの場合であると考えられる.しかし.実際には.資本総入れと同時 に.組入れ額に応じて無償又は有償無償抱合せの噺株を発行し、常に資本公式が成立するようにしているのが実情で ある。  ㈲ 株式数の減少あるいは券面額の引下げによらない資本減少がなきれたとき  額面株式のみを発行している会社の資本減少において、発行済の株式はそのままにして、資本の額だけを減少きせ ることができるかどうかについては学説上争いがある。しかし、資本の額が株金総額を超えているときは.株金総額 を超える部分の範囲内で資本の額のみを減少させることは可能である。問題は、資本の額が株金総額を下回ることと なる資本減少が許されるかである。二八四条ノニの規定からそのような資本減少は許されないと解すれば、資本公 式の成立に影響はないが、二八四条ノニの規定は会社の成立あるいは新株発行の場合の額を算出する規定に過ぎず、 資本と株式の関連は切断されたのだからかまわないと解する説によれば.資本公式が成立しないことになる。しか し、後説は少数説であり、額面株式と無額面株式との間の転換を定める二二二条二項の規定からいっても、現行法上

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は前説に従うべきものと考える。  ⑥ 償還株式の消却がなされたとき  償還株式は利益をもって株式の消却がなされるので、株式が消却されても資本の額には影響がない。従って、株式 消却後は資本の額が株金総額を上回り、資本公式は成立しなくなる。  償還株式は優先株式と組合わせて発行すると意義があるといわれるが、実際には、償還優先株式よりも、解除条件 付又は期限付優先株式が利用される場合が多く、この場合には、条件成就又は期限到来により優先株式が普通株式に 転化するだけで、資本公式は変らない。  ⑥ 利益による株式の消却がなされたとき  定款に定めることによって、利益により株式を消却することを法は認めているので、これが実行されたときは、資 本公式は成立しなくなる。しかし、このような定款の定めについては、実例を聞かず、その必要性もあまり考えられ ない。  以上瞥見したとおり、資本と株式の直接の関連が切断された現行法のもとにおいても、無額面株式の発行はごく一 部の会社に限られ、大部分の会社は額面株式のみを発行し、その額面株式のみを発行する会社においては、そのほと んど全部の会社において﹁株金総額﹂H﹁資本の額﹂という関係を維持している現状にある。すなわち、わが国に現 存する株式会社のうち九九・九九九パーセント以上の会社においては、資本公式が成立しているのである。  授権資本制度を採用した現行法のもとにおいて、資本の総額が定款の絶対的記載事項から外されたのは当然である

    東洋法学      五三

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    額面株式か無額面株式か      五四 が、現行法のもとにおいても会社の資本の額は、利益配当の制約その他会社の信用の基礎となり、その電要性は改正 前と変るところがない。会社の大小あるいは優劣信用の判定基準としては、売上高、総資産、利益率、従業員数等が 考えられるが、もっとも一般的端的な基準として、この資本金が重視される。また、﹁株式会社の監査等に関する商 法の特例に関する法律﹂においては、会社の資本の額の大小により法律の適用が区別されるに至っている。  現行法上嚢本と株式の直接の関連が切断されたとはいえ、株式が資本の構成岡素たることに変りはなく.ただ、無 額面株式が議行されたときに.各株式の資太構旗額が無なる場合が生ずるに過ぎないのである。しかし、この場禽 も、発行済の嘆面株式と無額面株式の権利は同一であるから.無額面株式の発行により額面株式の資本構成額が変更 されたと考えればよい.また、法定準備金の資本継入れに伴い新株が発行されない携合に、組入れ謹本に対する株式 がないという考え方もあるが必ずしもそのように考える必要はなく.既発行株式の資本構成額が増加したと考えれば よい。償還株式の消却あるいは利益による株式消却の場合も、同様に残存株式の資本構成額が増加するものと考えれ ばよい。このように考えると、現行法上でも資本と株式の関連は切断されておらず、ただ、 ﹁株金総額﹂賛﹁資本の 額﹂の公式が成立しない場合があり得るに過ぎないのである。  授権資本制度を採用した結果、資本を株式に分つのではなく、株式発行の結果資本の額が確定することになったの である。そして.前述の如く、わが国の株式会社のうち九九・九九九パ⋮セント以上の会社の資本の額は、現行法の もとにおいても、コ株の金額﹂×﹁発行済株式総数﹂貸﹁資本の額﹂として算出きれる関係にある。立法論におい ては、この現実を重要視しなくてはならないと考える。

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 無額面株式の発行が認められているにも拘らず、ほとんどの会社はこれを発行しようとせず、また、ほとんどすべ ての会社は法定準備金を計上しているにも拘らず、新株発行をしないで資本の額だけを増加させる法定準備金の資本 組入れをやろうとしない。これはなぜなのか。答は簡寛である。資本公式を維持したいと考えるからである。 三 額面株式か無額面株式か

 e総 説

 多数の学者、証券業界は、こぞって、無額面株式は額面株式より理論的に優れているという。そしてその論拠とし て、額面株式の券面額は、株式引受人が払込んだ株金額を表わす歴史的意義を有するに過ぎず、株式の価値を表わし たものではないのに、これが株式の価値を表わすものと誤解する者があるので、有害無益である。また、額面株式は 券面額未満で発行できないので、時価が券面額を割る場合には、新株発行が不可能である。無額面株式なら可能であ る。というQ  しかしながら、明治以来数十年間額面株式︵昭和二五年改正前は単に株式という。︶が利用され、毎日、上場株式 の取引が行われているのであって、株式投資をしようとする程の者が、券面額すなわち株式の価値であると考える筈 はなく、かえって投資者は、券面額と株式の時価との比較により会社の経営内容の優劣が判断できるのである。時価 四〇〇円の株式も額面五〇円であれば優良会社といえるが、額面五〇〇円の会社では経営内容が悪化している証拠で ある。これが無額面株式の場合は、直ちにその良否の判断をすることができない。もっとも、これは額面株式のみ又

    東洋法学      五葺

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    額面株式か無額面株式か       五六 は無額面株式のみを発行している場合のことであって、その両者を発行している会社においては、額面株式の券面額 は意味はなく、後述の例の如く、場合によっては有害となることもある。  次に、時価が券面額を割っているときに額面株式では新株発行ができないというが、会社に法定準備金がある場合 には、それを資本に組入れて時価以下の払込金による抱合せ増資も不可能ではない。しかし.通常、時価が券面額を 割るということは.会社の経営内容が悪く欠損を出している場合であるから.減資をして欠損を璽補し、時価を券面 額以上にした後に、新株発行するのが本筋である.減資手続が困難あるいは不適当で、このような場合にも新株発行 ができなければならないというのであれば.立法論としては.額面株式の割引発行を一定の条件で認める方法もあ り、これが無額面株式を採用しなければならない絶対的理由ともいえない.  このように、無額面株式が額面株式より理論的に優れているとは必ずしもいえないのであって.後述するような無 額面株式の弊害もあり、また.次のような無額面株式では不都合な面もある。すなわち、A会社の貸借対照表によれ ば純資産が資本金の二倍であったとする。この会社が額面株式のみを発行していれば、一株当りの純資産が券面額の 二倍であることは一目瞭然である︵前述のとおりわが国の株式会社のほとんど全部について資本公式が成立する︶。 しかるに、この会社が無額面株式を発行しているときは、一株当りの平均資本組入れ額は公示されていないので、直 ちに一株当りの純資産額を知ることができない。もちろん登記簿謄本を取り寄せ、発行済株式総数を確認してこれを 算出することは可能ではあるが。  次に、東京証券取引所では、配当金について、券面額に対して年○パーセントという表示をやめて、一株当り金○

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円と表示せよと指導する。これは無額面株式のことを念頭に置いてのことかと思われるが、額面株式について年二〇 パーセントといえば、資本金の二割相当額が配当されたことが分るが、一株当り金○円だけでは、いちいち換算しな ければ分らない。また、一株当り一〇円の配当といっても、券面額が五〇円と五〇〇円とでは大違いで、券面額を確 認しなければ優劣を判断することができない。無額面株式の場合は、一株当りの配当金額により表示せぎるを得ない が、一株当りの平均払込金額が分らないと、その配当金は多いのか少ないのか分らない。このように、額面株式には 無額面株式より利点も多く、一般大衆に理解されやすい。  もう一つ、無額面株式推奨論者は株式分割の問題を採り上げる。株価が高騰した場合に、これを適当な取引価格に するため株式分割の必要があるが、額面株式では最低券面額の規制があり、また、分割により旧株券回収の手続を要 するが、無額面株式では自由な割合で分割できるし、旧株券を回収する必要もないという。  しかし、一般的にいって、株価が高騰している会社は、時価発行増資を続けた結果であって、旧来のように額面株 主割当増資を続けた場合は、株価は適当な価格に落ち着き、株式分割の必要も生じて来ないであろう。ところで、こ のような時価発行増資を続けて来た会社には、必然的に多額の資本準備金が計上されているので、この資本準備金を 資本に組入れて無償新株を発行すれば、株式分割の目的は達せられるのである。  無額面株式を時価発行した場合には、発行価額の少なくとも四分の三以上の額が新株発行と同時に資本に組入れら れるのであるから、無額面株式の新株を時価発行した後株式分割を行うのと、.額面株式の新株を時価発行した後資本 準備金を資本に組入れて無償新株を発行するのとは、全く同一の効果である。     東 洋 法 学      五七

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    額面株式か無額面株式か      五八  しかるに、額面株式発行の場合における法定準備金の資本組入れによる新株発行を考慮に入れず、ただ株式分割と いうことのみを比較して、無額面株式の優位性を論ずるのは当らない。  口 無額面株式の弊害  無額面株式推奨論者が利点として指摘する額面以下で新株発行ができるということを実践した富士観光㈱の無額面 株式の新秣発行状況をて、晃表にしてみると別表のとおりとな篠.同社は、資本金一七〇〇万円、株主数二九三名、発 行済株式総数三瞬万株、額面五〇円の額面株式のみい発行していたのであるが、昭和二七年六月.時価が額面を割っ ていたので、はじめて無額面聲弍の発行中,企顧し、一株の発行価額を一五円とし.株主に一対一の割合で新株を割当 てた.この新株発行の結果、同社の一株当りの平均払込金額は三五円一〇銭に下った︵失権株があったため計算上 の三二円五〇銭よりは高い。︶。その後一株の発行価額一五円ないし五円の無額面の新株発行を四回行ない、一株当り の平均払込金額は九円六〇銭になってしまった。そこで同社は.一〇対一の株式併合を行ない、額面株式の券面額は 五〇〇円となり.一株当りの平均払込金額は一〇倍の九五円九〇銭となった。その後更に.一株の発行価額二〇円な いし一〇円の無額面の新株発行を八回行ない、その間額面五〇〇円の優先株式︵額面総額二〇〇〇万円︶の発行もあ ったが、昭和三九年一二月には、発行済株式総数二億三五五六万一八二株︵優先株式四万株を含む。︶、資本金四〇億 三五八○万七七三〇円、株主数四万四六四二名という会社ができあがった。従って、この会社の額面株式の一株の金 額は五〇〇円であるにもかかわらず、普通株式の一株当りの平均払込金額は約一七円ということになったのである。  なお、その後同社は更生会社となり、更生計画で約十分の一の資本減少をするとともに、株式併合により一株の金

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富士観光㈱の無額面株式発行状況

東洋法学

無額面 株式発 行回数 マま234︻﹂

6789鉛

王∩∠3

111

年月日 22.9. 27.6。2 28.2.25 28.9。25 29.2.26 30.2.17 30.ま2.15 31.2.4 32,12.11 34.1.20 35.1i。28 36.7.1 36.10.2 36.12、1 37.io.20 39.12.16 行株均額 発1平金 株のり込 新後当払

行額

発 価

主当率

株割比

響⊥ま112

玉:2 i:1 3:1 2=1 1:2.5 1:王.5

55505

1i11

∩︾ハ︾︽︾00

22∩∠21

0︽︾5n∠2王 円

16326988900

552695994α53221 94333i

18.0 19.0 王7.0 円 新株発行 前の株価 (最嚢底) 円 42∼16 1王8∼20 40∼18 30∼18 69∼4 75∼38 57∼17 35∼王9 35∼22 219∼23 170∼85 124∼46 33∼20 株i金 面のの 額式株額  円 50 500 備 考 東京店頭公開 株式併合    (10:1) 優先株式も発 行 第三者割当も あり 東京二部上場 (注) この表は同社の新株式発行目論見書により作成した。 五九

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株主Aの薪株構醗状溌

無額面 株式発 ,引受新株数 行回数 (当初)

  1

  2

  3

  4

  5

(株式併合)

6789憩U鷲鴛

計 払込金額 !,000 i,000 2,000 2,000 6,000 24,000

  株

 7,200 10,800  7,200 M,400 王08,GOO 226,800 378,000 756,000 50,000 工5,000 30,000 30,000 60,000 i20,000    円  144,000  2亙6,000  i44,000  288,000 三,080,000 4,536,000 7,560,000 工1,340,000 25,6隻3,000 新株発行後 の持株数

 LooO

 2,000  4,000  6,0QO  工2,000  36,000  3,600  亙o,800  21,600  28,800  43,200  逢5王,200  378,000  756,000 !,5鴛,oOO     株 備 考 笈,5i2,000 額面50円 額面500円 憩0:ユ.5の優先 株式の割当ある も除外 額面株式か無額面株式か 轟ハ○

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額五万円の額面普通株式一本となったので、現在では無額面株式は発行されていない。  次に、このコニ回の無額面株式の発行と、一〇対一の株式併合によって、どういうことがおこったか、具体例で示 してみる。  仮りに、AおよびBが当初それぞれ額面五〇円の株式一〇〇〇株、各五万円を投資して持っていたが、Aは二二回 の新株の割当をすべて引受けて払込み、Bは一切新株を引受けず旧株を持ち続けたとする。  Aの新株引受けおよび払込の状況は別表のとおりで、投資総額二五、六一三、OOO円を必要とし、最終持株数は 一、五一二、○○○株となる。これに対し、Bは、株式併合の結果投資総額五〇、○○○円、最終持株数一〇〇株 ︵額面五〇〇円株式︶となり、一株当り平均払込金額が約一七円となったので、その持株の資本に占める金額は一、 七〇〇円ということになってしまったのである。  このように、額面株式を発行している会社が、券面額未満の発行価額で無額面株式を発行するということは、一株 当りの資本組入れ額が券面額を下回ることになり、実質上は、額面株式を有する旧株主にとって、券面額引下げによ る資本減少と同一の効果を生ぜしめるのである。従って、旧株主にとって利害関係は大きく、本来ならば株主総会の 特別決議によるべきであるにもかかわらず、ただそれが、新株発行という形式をとり、結果的には資本が増加される ので、このような株主の不利益が見過ごされているのである。  日時価発行募集と額面株式  証券業界の指導と助言によって時価発行募集を行なう会社が増えてきた。今迄の額面株主割当と違って、同数の新

    東洋法学      六一

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    額面株式か無額面株式か      六二 株を発行しても、会社の収入金額が非常に違うので、一度やったらやめられない。そのため、新株発行前に株価をつ り上げて時価発行を行なう喰い逃げ増資や、株価操作をしなくても、時価発行後株価が発行価額を割って新株引受人 が損害を被るという事例も発生している。  そもそも、株価は株主のものであって会社のものではない.額面株式発行会社でいえば、原始株主の券面額の出資 金︵一応今迄時価発行を行わなかったと仮定する。︶が.その運用蓄積の結果、現在の会社資産となっているのであ り.鵜れが株価として評価されているわけである、株式が時価で売買されて利得を得るのは旧株主であ肇て、会社は 無関係である、  ところが、現行法の新株発行は、会社の資金調達機能に重点が置かれ.矯株主の権利についての配慮は二次的なも のとなった。時価発行募集により旧株主の持株比率が低下する等の不利益が生ずることは無視され、旧株主に経済的 な不利益さえ与えなければ・株主総会の決議を要せず、取締役会の決議のみで新株発行が行なえることになったので ある。株主の権利に重点を置くときは、株主割当による新株発行をなし、割当の結果生じた失権株についてのみ募集 処理するのが本筋と思われる。  ところで、無額面株式推奨論者は.この株式時価・禿行増資と配当との関係から無額面株式の優位性を主張する。し かしながら、東京証券政策委員会によれば︵商事法務六二八号六七頁︶、 ﹁配当等の株主に対する利益分配は、額面 を基準として考えられる傾向にある。また.一般的にも、配当金額が額面との関係でのみ考えられるため、額面に対 する率が高率であると、投資金額との関係では適正配当額であっても、企業の利害関係者からは、株主に対して不当

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に高率配当をしているとして批判が起こりやすく、このため、株主に対する適正な利益分配が困難とな為おそれがあ る。﹂として、、額面株式は株主への適正な利益分配との関係で不都合であるとしながらも、無額面株式の資本組入額 との関係では、 ﹁額面株式の下で時価発行増資を行なった場合には、通常額面が資本に組み入れられるが、無額面株 式においては、現行商法では、発行価額の四分の三以上の額を資本に組み入れなければならないことになっている。 本来、資本金は株主に対する利益分配の基準となるものではないが、この規定の存在が、事実上、時価発行増資会社 が無額面株式採用をためらう一つの原因となるといわれる。﹂と現行の無額面株式制度に不満を述べている。そし て、券面額に対し年Oパーセントという配当表示をやめて、一株につき○円と金額で表示せよという。一体どうせよ というのであろうか。  前者については、現行法のもとにおいても、資本準備金を資本に組入れて無償新株を発行すれば、受取る配当金の 総額は同一でも、額面に対する配当率は下がり、簡単にその目的を達することができるのである。そして、これによ り、時価を低めるために不都合をとなえる株式分割の問題も、同時に解決されるわけである。  後者は、無額面株式の発行においては、発行価額の四分の三以上という資本組入れ額の制限を撤廃して、資本組入 れ額は会社の自由にさせろ、金は沢山出してもらうが資本金が大きくなるのはお断り、ということり、惨つであるが、 前述のとおり、資本金は株主、債権者その他にとって重大な意義があり、全然会社の恣意に任せるのは適当でない。  次に、前述のとおり、東京証券取引所では、配当について、額面金額に対して年Oパーセントという表示をやめさ せ、一株当り金O円と表示するよう指導しているようであるが、株主に対する利益分配の基準となるのは一体何であ     東 洋  法  巌ナ      六一二

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    額面株式か無額面株式か      六照 ろうか。これは、いうまでもなく、株主の会社に対する出資金額︵株式払込金額︶である。従って、額面株主割当増 資のみを行なって来た会社においては、額面に対する配当率は、会社と出資者たる株主との関係では重大な意義があ る。しかしながら.このことと、市場から時価で株式を取得した株主の配当金に対する投資利回りとは、別個の問題 であって、これを混同してはならない。  これに対し.時価発行増資を行なった会社においては、株主の会社に対する一株当りの平均出資金額が券面額を超 えることになるので、この額を基準にして配当率を算出すべきである.しかし、この一株当りの平均出資金額は公示 されておらず.券面額超過分の出資金額は資本準備金として積立てられているので、券面額に対する配当率に代え て.配当金総額の資本金と資本準備金︵資本準備金には、プレミアム以外に資産再評価積立金.減資差益.合併差益 もあるが.出資金と同視してよいであろう。︶の合計額に対する割合を算出して、資本配当率あるいは出資配当率と してでも表示するのが適当であろう。以上のことは.無額面株式を発行した場合においても同じことがいえる。  このような配慮もせず.ただ一株当りの配当金額のみを表示して、券面額に対する配当率の記載をやめよと会社に 対して指導するのは.株主あるいは投資者に対して不親切である。 四 試案に対する意見 e額面株式と無額面株式の併存 試案は額面株式と無額面株式の併存を認めるが、 何れかに統一すべきである。何れに統一すべきかということにな

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れば、現状を無視して無額面株式に統一すべきではない。仮りに併存を認めるとしても、同一会社においては、何れ か一方のみの発行とすべきである。その理由は、理論的にはともかく、混乱。弊害の原因となるからである。  前述の如く、現行法上資本と株式の直接の関連が切断されたとはいえ、ほとんど全部の会社が、依然として資本と 株式の関連を欲し、これを維持している現状を再確認し、その要望に添うような立法をすべきではないだろうか。無 額面株式の理論的優位性を論ずる者は多いが、必ずしもそのように断定できるわけではない。現に、銀行等特定の会 社に対しては無額面株式の発行を禁止しているではないか。  口 額面株式の券面額及び無額面株式の発行価額の制限  試案は、 ﹁額面株式の一株の券面額及び無額面株式の一株の発行価額は、会社設立の際には五万円を下ることがで きないものとし、会社設立後においては、制限しない。﹂としている。これは、今回の改正の動機ともなっている額 面引上げの具体化案である。すなわち、現行法の券面額の最低五〇〇円を五万円に引上げようとするものであるが、 無額面株式についてもその調整を行うと共に、株式分割の関係でこのような試案ができた。  しかし、会社成立後の券面額を制限しないということは、最低券面額の撤廃であり、額面強制引上げと矛盾する面 がある。これは、最低券面額の制度は株式分割を不可能にするという無額面株式推奨論者の主張を解決するための配 慮かと思われるが、前述のとおり、株式分割の目的である株価の低減は、準備金の資本組入れによる新株発行でその 目的が達せられるので、その必要性は少ない。会社設立後においても、最低券面額の制度は存続させるべきである。 額面五万円に引上げが妥当かどうかについては後述する。     東洋法学       六五

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    額面株式か無額面株式か       六六  日 資本・払込剰余金  試案は、 ﹁㈹ 会社の資本は、原則として発行済株式の発行価額の総額とする。﹂としている。この原則論には賛 成であるが、会社が時価発行増資を行った場合に、前述の資本公式が崩れるので、会社および株主はこれを嫌うであ ろう。また、試案は、 ﹁㈲ 株式の発行価額の四分の一を超えない額︵ただし.額面株式については券面額、設立に 際しザ編発行する無額面株式については三で定める五万円を超える部分に眼る.︶は.韓にかかわらず、取締役会の決 詳により、資本に組入れないことができる.﹂としているが、資本公式を維持するためには、券面額又は五万円超過 額はすべて資本準備金とすべきである。

 ㈱単位株制度

 試案は、新設会社の額面引上げに伴う既存会社の株式処理について.単位株制度なるものを考案した。これは株式 併合の暫定措置と思われるが.このような複雑な制度を設けるのは妥当でない。一見.既存株主の権利の保護をはか ったようではあるが.単位未満株式については、やはり権利の一部が制限されることに変りがなく.かえって.株式 併合による額面引上げをなし、端株については端株処分代金交付により処理した方が、株主にとっても会社にとって も有利である。単位株制度には反対である。      五 額面株式と無額面株式の︻本化  額面株式と無額面株式とについては、前述のとおりそれぞれ一長一短あり、現行法および試案のとおりその併存を

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認め、その採否を各社に一任することも一つの方法かも知れない。しかし、額面株式といい無額面株式といっても、 その内容は法律で定められたものである。そこで、昭和二五年の改正前の原点にかえって、既成概念にとらわれず、 それぞれの長所を取り入れて、新らたな株式制度を作り出したらどうであろうか。その私見を次に述べてみる。  e 資本公式の存続  前述の如く、現行法が資本と株式の直接の関連を切断したにもかかわらず、わが国の現存する株式会社の九九・九 九九パ⋮セント以上が、 ﹁資本の額﹂躊﹁券面額﹂×﹁発行済株式総数﹂なる関係を欲し、これを維持している現状 を無視することはできない。  ところで、現行法が授権資本制度を採用したので、改正前のように﹁資本を株式に分つ。﹂という概念を持ち込む のは妥当ではない。しかし、 ﹁資本は一定の金額に発行済株式総数を乗じた金額とする。﹂ことは差支えなく、現行 法もそのような規定を置き︵二八四条ノニ︶、ただ、前述のとおりその例外の場合を定めているに過ぎない。この一 定の金額とは、額面株式では券面額であり、無額面株式では発行価額である。無額面株式の発行価額は、発行の都度 必ずしも同額とは限らないので、無額面株式を発行した場合は、単純にこの公式が当てはまらなくなる。もっとも、 無額面株式でも記載式無額面株式なら定款に最低発行価額が記載されるので、無額面株式の資本組入れ額をこの最低 発行価額とすることに法定すれば、この公式は維持できる。  従って、資本公式が常に成立するようにするためには、まず、無額面株式を廃止して額面株式のみにするか、又 は、額面株式を廃止して記載式無額面株式のみにし、その最低発行価額を資本組入れ額とすることである。     東洋 法 学      六七

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    額面株式か無額面株式か       六八 次に、資本公式が成立しなくなる例外の場合を規定した現行法を、次のように改正する必要がある。 ω 法定準備金を資本に組入れる場合は、必ず新株を発行しなければならないこととする。  ω 償還株式の制度を廃止する。  ⑥ 利益による株式の消却を廃止する。  鑑のような改正については、現行の実務に何ら変革をもたらすものではない。すなわち.ωは実務上実行されてい ると嬬ろであり、ω鋤の制度は実務上ほとんど利用されないもので.これを廃止したからといって不都合を生じるこ ともない。  ⇔額、面株式と無額面株式の一本化  わが商法においては.その制定以来、株式の金額の最低額は五〇円.全額一時払込の場合のみ二〇円とされ、昭和 二五年の改正で額面株式の最低額が五〇〇円とされた。ところで、昭和五二年末における東京証券取引所に上場され ている一四〇七社の額面株式の一株の金額は、二〇円四社、五〇円二三ハ○社、五〇〇円四三社となっており、すべ ての会社は、法定の最低額を一株の金額としていることが分る。非上場会社においては.現行の最低額があまりにも 低いので.一株の金額を千円、五千円、一万円あるいは五万円等としている会社もないことはないが、その数は微微 たるものであり、ほとんどの会社は、五〇円又は五〇〇円である。  このように、一株の金額の最低額を法律で定めると、会社はその最低額を一株の金額とするのが通常である。そこ で、今度の額面引上げにおいては、特に引上げを強制するのであれば、最低額の引上げではなく、一株の金額を一万

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円なり五万円と法律で定めてしまうのも一つの方法である。これは、一見、券面額選択の自由が奪われるような感じ がするかも知れないがへ前述のとおりその自由を認める必要性は少なく、統一することによる利点の方が大きい。  金額が法定されれば、額面株式の一株の金額を定款で定める必要もなくなり、また、これを株券に記載する必要も なくなる。株券に一株の金額が記載されているものが額面株式であるとすれば、これは最早額面株式ではなく無額面 株式である。従って、形式的には額面株式を廃止して全部無額面株式としたことになるが、実質的には従来の額面株 式のみの発行と変りなく、前述の資本公式も維持できるし、額面株式か無額面株式かを論ずる余地もなくなる。  もっとも、額面株式と無額面株式との区別は、各株式の資本組入れ額が定款で定められているか否かで、券面上に 一定の金額の表示があるか否かには関係ないとの説によれば、これも額面株式ということになろうが、無額面株式推 奨論者のいう券面上の金額の記載をなくするという目的は、これにより達することができる。  これを条文化すれば、次のようになろうか。  第条株式の発行価額は○万円を下ることを得ず。  第条○万円を超える価額をもって株式を発行したるときは、その超過額は資本準備金として積立てることを要     す。  第条会社の資本は○万円に発行済株式総数を乗じた額とする。  なお、﹁額面株式、無額面株式﹂関係の記載は全条文より削除し、第二九三条ノ三第二項の﹁株式を発行すること を得﹂は﹁株式を発行することを要す﹂に改め、拘合せ増資の規定を存続させる。     東洋 法学      六九

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    額面株式か無額面株式か      七〇  このように、株式の最低発行価額を法定することにより、額面株式の一株の金額を強制的に一率に一定額に引上げ る効果を生ずると共に、券面額の記載を不要とすることから、何らの抵抗なく額面株式を無額面株式に転化すること ができる。従って、額面株式と無額面株式の転換制度を考える必要もなく、また、将来デノミが実施されるようなこ とがあっても、何ら株券の手当を必要としないであろう。  また.これにより各社とも株式の最低発.“価額が同一すなわち現行の券面額が同一になるので.投資者としては. 投資対象各社の比較が簡明容易となるという便益がある。  ただ、鑑のような最低発行価額の法定によると蓉は.無額面株式推奨論者欝ら、株価が惹の最低発行価額を割って いるような場合に.新株発行による資金調達ができないではないかという非難があるかと思うが.このような場合に は、前述のとおり、減資を行った後増資するのが本筋であり、法定準備金があれば抱合せ増資を行うことも可能であ って、それが健全な企業のあり方であると考える。  さて.この最低発行価額をいくらにするかであるが、試案はこれを五万円と設定した。貨幣価値からいっても.取 引所において現在額面総額五万円が取引単位になっていることからいっても妥当な線であり、筆者も試案に賛成の意 見を提出したが.その後、他の団体から提出された意見なども参考として検討した結果、新らたに一万円を提唱す る。その理由は次のとおりである。  ω 単位となる数は、計算の便からいえば一、一〇、一〇〇⋮⋮⋮という数字がよい。  ω 現在流通している最高額紙幣の金額は一万円である。

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 ⑥ 株式併合によって生ずる端株の量が五万円より一万円の方が少なくてよい。  ㈲ 株主割当による新株発行あるいは株式配当において、五万円では端株の生じる量が多くなる。  ㈲ 上場株式の取引単位も、五万円一株単位よりは、一万円五株単位または一万円一〇株単位にした方がよい。  日 既存会社の株式の処理  この新株式制度に移行するに際して、既存会社の株式を如何にすべきかであるが、これは株式併合の手続によるべ きである。前述のとおり、一時的とはいえ単位株制度を採用することには反対である。  仮りに、法定最低発行価額を一万円とした場合には、発行済株式総数が、資本金を一万円で除して得られる数とな るように株式の併合を行う。資本金のうち一万円に満たない端数がある会社は、その分について減資する︵自己株取 得による消却が適当であろう。︶か、株式併合の比率が適当な数になるように、法定準備金の資本組入れを行なっ て、資本金を万単位とする。もちろん、資本金に一万円未満の端数のない会社においても、法定準備金の資本組入れ と同時に株式併合を行なうことは差支えない。一般的には、額面二〇円株式は五〇〇株を一株に、額面五〇円株式は 二〇〇株を一株に、額面五〇〇円株式は二〇株を一株に、それぞれ併合すればよい。  額面株式と無額面株式の両者を発行しているω住友金属工業においては、資本準備金一八億七千八百万円を資本に 組入れることにより二〇〇株を一株に併合することができる。ω三菱倉庫においては、現在の資本金が額面五〇円に 発行済株式総数を乗じた額より一億二千万円多いので、二〇〇株を一株に併合して一億二千万円減資するか、二〇 〇株より少ない株数を一株に併合して資本金と資本準備金の調整をする他ない。⑥玉井商船においては、額面五〇円     東洋法学       七一

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    額面株式か無額面株式か       七二 にかかわらず、一株当りの平均資本組入れ額が三五円であり、約二八五・七株を一株に併合という計算になるので、 資本金額の調整が必要となる。@臼立造船の無額面株式は優先株式で、その一株の資本組入れ額は二〇〇円であるか ら、五〇株を一株の優先株式に併合すればよい。  無額面株式のみを発行している会社はないと思われるが、もしあるならば、その会社においては、一万円を一株当 りの平均資本組入れ額で除して得た数に近い数を併合比率レ転しで、株式の併合を行ない、資本金と資本駕備金の調整を 行なう.なお、一株が一万円を超える額面株式を発行している会社においては、当然株式の分割となる.  ㈱ 値愚株の処理  無額面株式推奨論者は、値嵩株については.取引しやすい株価にするため株式分割の必要があり.そのためには無 額面株式の方が都合がよいというのであるが.そのような会社は、時価発行増資により多額の資本準備金を有してい るので.新制度移行に伴う株式併合において、その資本準備金の資本組入れを同時に行なって、株式併合の比率を低 めることにより.株価の低減をはかることができる。また、新制度移行後においても.その必要があるときは.何時 でも、この法定準備金の資本組入れによる新株発行によって、株式分割と同一の効果を生じさせることができるので ある。  なお、資本に組入れるべき法定準備金がなくて株価が高い場合は、多額の任意積立金がある場合と思われるので、 このときは株式配当によって同一の目的を達することができる。次に、通常考えられないことではあるが、法定準備 金も任意積立金もないのに株価が高く.株式取引の上で不都合があるというのであれば、証券取引所の業務規程によ

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って、特定の株式についてその取引単位を減ずるという方法もあり 必ずしも株式分割の制度が必要とは思えない。 ︵そのためにも五万円より一万円の方がよい。︶、

六 おわりに

 以上のとおり、現行の株式制度の下における、一般の株主ならびに会社経営者の、株式および資本に対する一般的 な認識を基本として、新株式制度の改正私案を述べてみたのであるが、その根底には、一般大衆にも分り易い立法を 希望し、専門家でなければ理解できないような複雑な制度は、なるべく排除してもらいたいという気持がある。拙文 で意を尽さない点も多いが、ご一顧を賜れば幸甚である。  なお、本稿執筆に当っては、次の諸論文等を参考にさせて頂いた。いちいち引用は省略させて頂いたが、記して謝 意を表する次第である。   矢沢惇・無額面は魔術か・ジュリスト四号四〇頁以下   三戸岡道夫。額面株式の券面額の意義・企業会計四巻二一号三五頁以下   大隅健一郎大森忠夫・会社法改正の問題点。私法九号七七頁以下   高鳥正夫・無額面株式の効用と限界・企業会計六巻二号八二頁以下   松岡熊三郎。額面株式と無額面株式・株式会社法講座二巻五一一頁以下   服部栄三・額面株式と無額面株式との両建に伴う諸問題・民商法雑誌三四巻三号二頁以下

    東洋法学      七三

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  額面株式か無額面株式か 吉田昂・券面額引上げに関する諸問題・商事法務二九号二頁以下三一号八頁以下 申村武・比較無額面株式制度論・法学新報六七巻三号一頁以下 大住達雄・資本と株式・法学論叢三五巻四五六合併号二七頁以下 阪埜光男・無額面株式制度の反省・法学研究三五巻一号六六頁以下 星川長七・額面株式の最低券面額の閥題・企業法研究一九六輯二頁以下 清水新・額面引上げか?単位株制度か?・企業法研究一九六輯七頁以下 野尻孝夫・時価発行の隆盛と無額面株式への指向・商事法務六二四号一八頁以下 大住達雄・無額面株式の導入と商法の改正・商事法務六二四号二四頁以下 東京証券取引所証券政策委員会・無額面株式について・商事法務六二八号六七頁以下 三戸岡道夫・資本と株式・現代商法学の課題︵鈴木古稀記念︶︵中︶九六九頁以下 鴻常夫・額面株式と無額面株式・ジュリスト六四六号一五頁以下 龍田節・株式単位の是正についての所感・ジュリスト六四六号二〇頁以下 上田明信・単位株制度について・ジュリスト六四六号二六頁以下 橋本孝一・単位株制度の問題点・ジュリスト六四六号三三頁以下 足立武雄・商法改正をめぐる諸問題︵その二︶・経営経理研究一八号二二頁以下 商事法務研究会・会社法根本改正の論点 七四

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商事法務研究会・株式制度改正試案の論点 法務省民事局参事官室。﹁株式制度に関する改正試案﹂に対する意見 東京証券取引所・昭和五三年東証要覧 富士観光株式会社・新株式発行目論見書︵昭和二七年三月三一日∼昭和三九年一 一月一〇日︶ 以 上 東洋 法 学 七五

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