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モデルマッチングによる胸部マルチスライスCT画像からの大動脈抽出方法の改良

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Academic year: 2021

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(1)

Title

モデルマッチングによる胸部マルチスライスCT画像からの

大動脈抽出方法の改良( 本文(Fulltext) )

Author(s)

佐藤, 真知子; 周, 向栄; 原, 武史; 藤田, 広志

Citation

[医用画像情報学会雑誌] vol.[22] no.[3] p.[203]-[209]

Issue Date

2005

Rights

MII: Medical Imaging and Information Sciences (医用画像情報

学会)

Version

出版社版 (publisher version) postprint

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/30367

(2)

1.はじめに

マルチスライス CT が開発され,時間分解能,空 間分解能が飛躍的に向上したことにより,従来,造 影剤を用いるなど,侵襲的な方法により行われてい た心臓,血管領域の診断を非造影の CT 画像を用い て行える可能性が出てきた.心疾患の診断には,心 室,心房,中隔の形態評価,冠動脈の狭窄,瘤の評 価といった形態診断に加え,心容積,心拍出量など の心機能の評価が必要で,このためには,CT 画像 から心臓の 3 次元構造を認識することが不可欠であ る.ところが,心底では,大動脈,食道が心臓に近 接しており,また,心臓とこれら臓器間の CT 値の コントラストが低いことから,安定して,心臓領域 を抽出することが難しい.このことから,あらかじ め大動脈を抽出しておけば,心臓領域の抽出が容易 になるものと考えられる.また,大動脈の抽出は肺 野領域の抽出においても,有用である[1]. 血管領域を抽出する方法には,おおまかに分けて 2つの方向がある.1 つは,開始点を指定して,そ の点から,領域探索(追跡)により順次領域を拡張

[論

文]

モデルマッチングによる胸部マルチスライス CT 画像からの

大動脈抽出方法の改良

東京工芸大学工学部画像工学科 〒243-0297 厚木市飯山 1583 †岐阜大学大学院医学系研究科再生医学専攻知能イメージ情報分野 〒501-1194 岐阜市柳戸 1-1 (2005 年 6 月 30 日受付.最終 2005 年 7 月 15 日受理)

Improvement of the Method for Aorta Area Extraction from Multi-slice

Chest CT Images based on Model Matching

Machiko SATO, Xiangrong ZHOU

, Takeshi HARA

††

and Hiroshi FUJITA

†††

Department of Image Engineering, Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University 1583 Iiyama, Atsugi, Kanagawa 243-0297, Japan

Department of Intelligent Image Information,

Division of Regeneration and Advanced Medical Sciences, Graduate School of Medicine, Gifu University,

1-1 Yanagido, Gifu, Gifu 501-1194, Japan (Received June 30, 2005, in final form July 15, 2005)

Abstract : Aorta extraction from chest CT images is an important topic in computer-aided diagnosis. Kitasaka et

al proposed a method for the automated aorta extraction based on the model matching and showed the usefulness using the real CT images. In this paper, we describe a method to improve the decision of initial model location and the evaluation function in the model matching process of the Kitasaka’s method. The improved method was applied to 30 patient cases and the result showed that the method worked well for all of the cases.

Key words : multi-slice chest CT images, aorta region extraction, model matching

(3)

㪊㪛㩷㪺㪿㪼㫊㫋㩷㪚㪫㩷㩷㫀㫄㪸㪾㪼 㪚㪼㫅㫋㫉㪸㫃㩷㪸㫏㫀㫊㩷㫆㪽㩷㪸㫆㫉㫋㪸 㪤㫆㪻㪼㫃㩷㫆㪽㩷㪺㪼㫅㫋㫉㪸㫃㩷㪸㫏㫀㫊 㪘㫆㫉㫋㪸㩷㫉㪼㪾㫀㫆㫅 㪊㪛㩷㪺㪿㪼㫊㫋㩷㪚㪫㩷㫀㫄㪸㪾㪼㫊 㪚㫆㫅㫊㫋㫉㫌㪺㫋㩷㫄㫆㪻㪼㫃 㪧㫉㪼㫇㪸㫉㪼㩷㪻㫀㫊㫋㪸㫅㪺㪼㩷 㫋㫉㪸㫅㫊㪽㫆㫉㫄㪼㪻㩷㫀㫄㪸㪾㪼 㪤㫆㪻㪼㫃㩷㫄㪸㫋㪺㪿㫀㫅㪾 㪩㪼㫊㫋㫆㫉㪼㩷㫊㪿㪸㫇㪼 㪚㫆㫅㫊㫋㫉㫌㪺㫋㫀㫆㫅㩷㫆㪽㩷㪺㪼㫅㫋㫉㪸㫃㩷 㪸㫏㫀㫊㩷㫄㫆㪻㪼㫃㩷㫆㪽㩷㪘㫆㫉㫋㪸 㪘㫆㫉㫋㪸㩷㪸㫉㪼㪸㩷㪼㫏㫋㫉㪸㪺㫋㫀㫆㫅 㪛㫀㫊㫋㪸㫅㪺㪼㩷㫋㫉㪸㫅㫊㪽㫆㫉㫄㪼㪻 㫀㫄㪸㪾㪼 3 3 2 2 1 1

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b

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2 2 2

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+

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1 0 3

1

(

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t n i i t

f

n

E

q

7 7 6 6 5 5

E

w

E

w

E

w

E

precious

=

+

+

し,血管を抽出するもので,文献[2-7]で用いられ ている方法はこの範疇に属する.しかし,これらの 方法では,探索開始点や拡張条件を指定する必要が あり,手入力で与えたり[4, 5],解剖学的な知識を もとに決定するなどの手段がとられている[6, 7]. また,局所的なノイズの影響によって,途中で拡張 や追跡が不可能になる場合がある.第 2 の方法は, 血管の形状モデルを用いて,入力画像とのマッチン グ処理により,血管領域を抽出するものである[1, 8]. この方法では,モデルによって,血管の大まかな存 在範囲が限定されるため,抽出に当たっての細かい 条件設定が不要である.従って,胸部大動脈のよう に大動脈弓で大きく位置を変えるものに対しても安 定して領域を抽出できる.また,概形が与えられて いるため,多少のノイズがあっても抽出不能に陥る ことはない. 以上のような背景から,筆者らは,文献[1]の方 法を用いて,大動脈の抽出を試みた.本研究では, 従来方法を改良し,多くの症例に対して,安定して 大動脈領域を抽出できる方法とすることを目的とす る. 以下,2.で文献[1]の方法を概説する.3.では, この方法の問題点を示し,4.で改良を加えた処理 方法を述べる.5.では,本手法を実際の 3 次元胸 部 CT 画像に適用した結果を示し,考察する.

2.大動脈領域抽出の概要

文献[1]で述べられている大動脈領域抽出方法の 処理概要をFig. 1 に示す.処理は 4 つの部分:(1) 芯線モデルの作成,(2)距離値画像の作成,(3)モ デルマッチング,(4)形状復元および修正からなる. このうち,モデルマッチングは,B-spline 曲線で表 現した芯線モデルを距離値画像を利用して入力画像 の大動脈の芯線にマッチングさせ,芯線を抽出する 処理で,大局マッチングと精密マッチングの 2 段階 からなる. 大局マッチングでは,モデルにアフィン変換を 施して,大動脈の大きさや位置の個人差を修正し, 次段階である精密マッチングにおける初期形状を 決定する.このとき,アフィン変換のパラメータ !'"!$'!#'!% )!%+"!$"!')!'*!'+"'は平 行 移 動 量,

#"!&)!&*!&+"'は 拡 大 率,%)!%+は そ れ ぞ れ x 軸,z 軸まわりの回転角)は,次式により定義される評価 関数を最小にするように決定される. (1) (2) (3) (4) こ こ に($!(%!(&は 重 み 係 数,%#!#"#!$!$! $!!$"は モ デ ル の 制 御 点 の 位 置 ベ ク ト ル,%## !#"#!$!$!$!!$"はその初期位置,!は気管分岐 点の位置ベクトル,"#!#"#!$!$!$'!$"は芯線上 のサンプル点の位置ベクトル,"!#"は点 #におけ る距離値を表す.また$!!$'は,それぞれ制御点, サンプル点の数である. 精密マッチングでは,各制御点を動かすことに よって,芯線の形状が症例画像に合うように調整し, 芯線を抽出する.この時,各制御点は評価関数 (5)

(4)

{

}

2 0 0 1 2 1 2 0 0 1 5

)

(

)

(

)

(

)

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v

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v

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v

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(

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c

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1 0 7

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t n i i t

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0 i

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㫄㫆㪻㪼㫃㩷㩿㪸㪽㫋㪼㫉㩷㫉㫆㫋㪸㫋㫀㫆㫅㪀

(6) (7) (8) を最小とするような位置に移動する.ただし,#%! #&!#'は重み係数,"!!"は点 !における曲率であ る.

3.従来方法の問題点

前章で述べた方法を初期実験に使用したデータ 5 症例に適用したところ,1 症例、大局マッチングの 結果得られた芯線の位置が本来の位置から大きく回 転しているものがあった。また,後述する方法によ りこの問題を解決した後,30 症例について再度実 験を行なったところ,大局マッチング結果の芯線位 置が実際の位置より大きく下方に移動しているもの が 3 症例見られた.これらのように,大局マッチン グ結果のモデルの位置と実際の芯線位置のずれが大 きい場合,次の精密マッチングでずれを修正しきれ なかったFig. 2(a),Fig. 2(b)参照). 第 1 の現象は評価関数の定義に起因している.す なわち,(1)式は,アフィン変換によってモデルの 変形が起こると!#!!$の値が増加することによっ て,モデルの変形を抑制するように設定されている. しかし,Fig. 3 に示すように,変形が気管分岐点を 中心とする回転によって行なわれる場合,気管分岐 点と各制御点の間の距離が変化しないため,(2)式 によって!#はゼロとなる.(1)式には,回転を抑制す る項がないため,この評価関数は距離値のみを評価 する結果になり,症例によっては,モデルが大きく 回転することになった. 第 2 の現象は以下に起因するものと考えられる. (1)式を評価関数として最小値探索を行なう場合, 症例によっては,Fig. 2 に示すように肺動脈付近に 大動脈弓がマッチングしてしまうことがある.この 場合,モデルの下行大動脈部下部は肝臓領域に,上 行大動脈部下部は心臓領域入り込んでしまうので, この付近での距離値が大きくなり,正しくマッチン グした場合に比べて湾曲部付近での距離値が小さい

Fig. 3 Rotation around bifurcation of trachea:vi0and vi:i-th

control point of the model at initial position and after rotation.

(a) (b) (c)

Fig. 2 An example of the failure in the rough matching :(a)result of rough matching,(b)result of precious matching and

(c)distance transformed image. Pixels with high distance values in the dotted ellipse in(c)correspond to Pulmonary archery.

(5)

{

}

2 0 2 0 2 2 1

(

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t

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t

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㪧㫉㪼㪺㫀㫆㫌㫊㩷㫄㪸㫋㪺㪿㫀㫅㪾

にもかかわらず,評価関数が極小値となる(Fig. 2(c) 参照).つまり,評価関数は本来の解以外に肺動脈 付近をモデルの湾曲部とするような位置でも極小値 をとることがあるため,場合によっては,後者に収 束してしまうものである.

4.改良手法

本章では,前章で述べた問題点を修正した手法 について述べる. 4.1 距離値画像の作成 距離値画像の作成に当たっては,血管,心臓など を含む領域を抽出する.そのために,まず,症例画 像をメディアンフィルタ(マスクサイズ 3×3×3) とオープニング演算(半径 4!の球)によって平滑 化し,その後,各画素のグラディエントとその画素 を中心とする半径 2!の球内にある画素の濃度値の 標準偏差を調べる.これらの値がそれぞれ閾値'", 閾値'#以下である画素を抽出した後,半径 1!の球 を構造要素とするクロージング演算によって穴埋め を行い,さらに,濃度値が閾値'$以上の画素を残 して対象領域とする.この領域に対して 3 次元ユー クリッド距離変換を行い距離値画像を得る.なお, '"!'#はあらかじめ設定した値を用いるが,'$は気 管分岐点付近のスライスを用いて判別分析法により 決定する. 4.2 モデルマッチング 改良手法のモデルマッチング部の処理手順をFig. 4 に示す.モデルは気管分岐点を基準として配置する. なお,気管分岐点の位置は,気管支領域の抽出など によって,あらかじめ得られているものとする.従 来方法では,モデルを配置後,すぐに大局マッチン グを行なうが,改良手法では,大局マッチングの前 にモデルの体軸方向の位置調整を行なう.これは, モデルの湾曲部を,あらかじめ症例画像の湾曲部付 近に移動して,探索を正解の近くからはじめること で,誤った極小点に収束しないようにするための処 理である.実際には,湾曲部に位置する 3 制御点の 距離値の和が最大となる位置を探索し,モデルを移 動することによって行なう. また,大局マッチングの評価関数としては,次式 を用いる. ( 9 ) (10) (11) (12) (13) ただし,')!は体軸方向の位置調整による移動量, $!はモデルの初期長である.従来方法((1)式)で は,アフィン変換による変形を制御点の移動として 捉えていたが,アフィン変換パラメータは全ての制 御点に対して同一であるため,パラメータの変化を 制御点の移動を通して個別に評価する必要はない. ここでは,パラメータの変化が直接,評価関数に反 映される形式とした.また,拡大率に関しては,症 例間で体軸方向の大きさのバラツキが平面内の大き さのバラツキに比べて大きい傾向が見られたため, 各軸方向の値の影響を独立に制御できるような形と してある.評価関数!&%("#を最小にするアフィン変 換パラメータ!を多次元最小値探索法によって求 め,得られたパラメータによりモデルをアフィン変

(6)

50

t

5

8

t

4

*

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3

15

t

2

15

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1

1.0

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4

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w

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1.0

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w

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50

w

6

300

w

2x

100

w

5

400

w

1 換して,大局マッチングを終了する. 精密マッチングの評価関数は,従来方法と同じも の((5)−(8)式)を 用 い る.精 密 マ ッ チ ン グ で は !)*$#%(-+を最小にするような各制御点の位置を探索す るが,探索にあたっては,大局マッチングの結果を 初期位置とし,以下の手順にしたがって処理をおこ なう.ただし,上付き文字!&"は,繰り返しの回数 を表す. 1)!)*$#%(-+を最小にするような,制御点 0 の座標値,

!#!&"#!.#!&"!/#!&"!0#!&""を,3 次元の最小値探索に

より求める. 2)残りの制御点!%!&"!%# $!$!'"!$"についても, 順に!)*$#%(-+を最小にするような座標値を 3 次元 最小値探索により求める. 3)すべての制御点に対して !%!&"#!%!&!$"!%##!$!$!'"!$" ならば,処理を終了する.そうでなければ,1) にもどって,&"$回目の繰り返しを行なう. 4.3 形状復元 精密マッチングにより得られた芯線上の各点に対 し,逆距離変換を行い,形状を復元する.この時, 球の半径の初期値は芯線上の点における距離値とす るが,この方法によって得られる血管領域は,実際 のものより細くなる傾向があるため,球の半径を以 下の条件の下に拡張する. 1)拡張された球殻の平均濃度値と初期球の濃度値 の差が閾値,%以下である. 2)拡張された球殻内の濃度値の標準偏差が閾値,& 以下である. 拡張された半径をもつ球を用いて,逆距離変換を行 ない得られた領域を抽出する.

5.実験結果

4. の手法を実際の 3 次元胸部マルチスライス CT 画像 30 例に適用して,手法の評価を行なった.画 像の空間解像度は 29 症例が 0.625!の等間隔で,1 症例のみスライス間隔が 0.5!であった.また,画 像サイズは 512×512 画素,スライス数はスライス 間隔が 0.5!のものが 531 枚,その他は 530 枚であ る.30 症例の内訳は男性 23 症例,女性 7 症例で, 年齢は 20∼88 才に分布しており,大動脈に関して の異常は認められない.いずれの症例も普通の撮影 条件で撮影された単純 X 線 CT 画像で,造影剤は不 使用である. 芯線モデルは 30 症例のうちの 3 症例を用いて作 成した.それぞれ手抽出した大動脈芯線を B-spline 曲線で近似し,平均形状と平均長を求めて,芯線モ デルとした.用いた制御点数は 16 である. モデルマッチングにおける最小値探索は,大局マッ チング,精密マッチングとも,Powell 法[8]を用い て行なっている. Table 1 に実験で使用した閾値と重みを示す.こ れらの値は,全症例共通で,実験的に決定した.処 理に要した時間は距離値画像作成に約 430 秒,モデ ルマッチングに約 13 秒,形状復元に約 4 秒である (CPU : Pentium 4 3.4GHz, memory 2Gbyte 使用).

Fig. 5 に芯線マッチングの結果例を示す.図では, 手抽出した大動脈領域に抽出した芯線を重ねたもの を 3 方向への投影として示した.これらの例が示す ように,芯線の抽出はすべての症例で良好な結果が られた.また,Fig. 6 は復元された大動脈領域の例 を示す.図には投影像とともに復元された大動脈の 形状を 3 次元表示してある.復元形状もおおむね良 好であるが,大動脈領域において石灰化などを原因 として極端に濃度が高くなっている部分では,抽出 不足が見られた(Fig. 6(b)の矢印の部分).これは, 形状復元において,濃度が極端に高い部分も抽出す るように条件を変更することで対処可能と考えられる.

(7)

6.まとめ

多くの症例から,安定して大動脈領域を抽出す ることができるように,モデルマッチングを用いて 大動脈領域を抽出する手法に対する改良を提案した. 提案方法を非造影の胸部マルチスライス CT 画像 30症例に適用した結果,すべての症例に対して, 芯線の抽出結果は良好であった.復元された大動脈 の形状も概ね良好であったが,石灰化した部分など で一部抽出不足があり,修正が必要である.今後よ り多くの症例に適用して,手法の有効性を検証する 必要がある.

参考文献

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and Visualization of Vessels in 3-D Angiographic Images., IEEE Trans. on Medical Imageng, Vol. 19, No. 4, pp.337-346, 2000.

[4] 北坂孝幸,森健策,長谷川純一,他:非造影

(a) (b)

Fig. 5 Results of matching : central axis obtained by matching is superimposed on the aorta region extracted by hand :

(a)case1 and(b)case2.

(a) (b)

(8)

3次元胸部 X 線 CT 像からの大動脈領域抽出, 2000年電子情報通信学会総合大会講演論文 集,情報・システム 2,p. 383, 2000. [5] 北坂孝幸,森健策,長谷川純一,他:非造影 3次元胸部 X 線 CT 像からの縦隔内血管領域 抽出法の改善,第 20 回日本医用画像工学会 大会号,pp. 289-290, 2001. [6] 小川浩史,北坂孝幸,森健策,他:3 次元腹 部 X 線 CT 像からの大動脈領域の自動抽出手 法の開発,第 20 回日本医用画像工学会大会 号,pp. 291-292, 2001. [7] 高垣宏章,財田伸介,安友基勝,他:マルチ スライス CT 画像を用いた冠動脈石灰化検出 アルゴリズム,信学技法,MI2004-73, pp. 127-131, 2005. [8] 北坂孝幸,内潟幸宏,森健策,他:非造影 3 次元胸部 X 線 CT 像からの形状モデルを利用 した大動脈領域抽出,第 19 回日本医用画像 工学会大会号,pp. 571-572, 2000.

[9] Press R, Teukolsky S., Vetterling W. : Numerical Recipes in C, Cambridge University Press, Cambridge, 1992.

Fig. 1 Outline of the procedure
Fig. 2 An example of the failure in the rough matching : (a) result of rough matching, (b) result of precious matching and
Fig. 4 Flow of the model matching process
Fig. 5 Results of matching : central axis obtained by matching is superimposed on the aorta region extracted by hand :

参照

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