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ネットワークの流動量分布から見た集計誤差に関する考察

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1999年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

1−D−7

ネットワークの流動量分布から見た集計誤差に関する考察

02302320 筑波大学 社会工学研究科 ●田村一軌 mMURAKazuki 01102840 筑波大学 社会工学系 贋塚武志 KOSH[ZUKATakeshi 流動量を導出する方法の詳しい説明については文献 【2】,【3】を参爬されたいが,実際の計算は非常に煩雑であ る.例えば(1)の場合であっても2点の位置によっては 移動がそのリンク以外のリンクを経由する場合がある. また(2)の場合にはリンクの組み合わせに対し,リンク を分割することにより, (i)リンク間の経路が1つだけしかない場合 (ii)長さの等いlリンクの両端ノード間に長さの等し い2つの経路が存在する場合 の2つの場合に帰着することができるのだが,ただし分 割の仕方がリンクの組み合わせによって変わってくる. 1.はじめに 都市交通分析では,計算機上に仮想のネットワークモ デルを構築し道路交通を説明するのが一般的である.こ のとき従来はネットワークのノードに移動の起終点を集 約することによりノード間の移動のみを用いて分析して きたが,本来都市における移動はネットワーク上の任意 の2点間で発生・集中するものである(厳密に言えば2 次元平面上にある起終点をネットワークに集約したもの である).したがって,このように起終点をノードに集 約することにより,本来の移動との間に誤差が生じてい ると言える. この集約による誤差(集計誤差)は,ネットワークの構 造にようて異なることが予想される.例えばネットワー クにおけるノードの“粗密,,を考えたときに,ノードが 比較的密に入っているネットワークならば集計誤差が小 さくなることが容易に想像できるだろう. 筆者は文献【3】において,ネットワーク上で一様に発 生する移動を対象とした流動量(通過量)分布導出方法 を確立したが,本稿では筆者が導出した流動量分布と従 来の方法による流動量とを比較する.これにより,ネッ トワークの構造と集計誤差について考察し,ネットワー クの性質や都市交通をネットワークで分析することの意 義について考えることの手がかりにしたい. 2.ネットワークの流動t分布 図1:流動量分布計算例 図1は茨城県の国道ネットワークの流動皇分布を計算 した結果である. 3.起終点の集約 ネットワーク上の任意の2点エ1,エ2について,2点間 の移動を珂と表すと,ネットワーク上の地点ヱにお ける流動量J(ェ)は,

′由=上囁ヰ血血

(1) と記述できる.すなわち,あらゆる2点の組み合わせに 対しその間の最短経路を決定しさえすれば,地点〇を通 過する移動の数を数え上げれることによって,J(ご)を 求めることができる.また,ネットワーク上で発生する 移動(起終点のペア)の総量は,リンク長の合計をエと したときエ2になる. 流動量分布を求めるためにはネットワークをリンク単 位で考え,2点の組み合わせを (1)2点が同一リンクにある場合 (2)2点が異なるリンクにある場合 の2つに分ける.それぞれについてあらゆる地点ごにお ける流動量を計算し全て足し上げると,流動量分布を求 めることができる. ネットワーク上で一様に発生する移動とノード間の移 動について,同一ネットワークでそれらの移動による流 動量を比較するために,今回は次のような方法で起終点 をノードに集約した.図2のように,ノードに接続して いるリンクのリンク長合計の1/2をそのノードの重みと して与える.こうすることで,すべてのノード間の移動 を考えたときにその移動の総量はム2で表されることに なり,2つの方法で対象とする移動の総量が一致するこ とになる. 図2:起終点の集約 −78一 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

4.ノード流動1 さて,実際に両者の比較を行うわけだが,今回はノー ドを通過する移動の量を比較の対象とすることにした. ノードを通過する移動には,そのノードに接続している リンクの内でどのリンクから入ってきてどのリンクに出 ていくかという経路がいくつかあることになるが,ここ ではそれらの合計の値をノード流動量と呼ぶことにする. 図1においてノードから上に伸びている線分の長さがそ のノードの流動量を示している. ノード間の移動におけるノード流動量に関しては,ノー ドを起終点とする移動をそのノード流動皇として扱うか どうかという問題があるのだが,今回はそれも含めた値 を用いることにした.逆に言えば,ネットワーク上で発 生する移動の場合にはこのような問題は考えなくてよい, ということもできるだろう. 5.流動1の集計誤差 1 2 〇. ▲

0 8 7 貞V ■8 .4 qリ 0 ▲U O ▲U O ▲U

0.1 0.2 0.a O.4 ノード流動量を考えたとき,移動の起終点をノードに 集約するということは,本来の移動経路を変更し,起終 点が集約されたノードを必ず通るようにすることだ,と 考えることができるだろう.つまり移動によってはその 移動経路が大きく変わってしまうことになる.また,起 終点がともと同じノードに集約されてしまう場合にはそ の移動によるノード流動量は0になってしまう. このことにより当然ノード流動量の値にも差が生じる わけだが,こめノードに集約することによる差をここで

は流動量の集計誤差とし考察の対象とする.

図3は,茨城県内を通る国道からなる道路ネットワーク と,・■その中から国道4,6,50,51,1柑,123,124,125号のみを 取り出し簡素化した道路ネッ・トワークである.茨城県国 道ネットワークについて,リンク総延長エ=1,027.3km, ノード数れ=82,リンク数m=108であり,簡素化した ネットワークについてはエ=524.7km,◆m=23im=24 である. この2つのネットワークについてノード流動量を求め 比較したものが図4である. 0 0.10.2 0.3 0.4 0.6 0.6 0.7 0.8 図4:ノード流動量の比較 6.おわりに 今回の分析で注目した「ノード流動量の誤差」をどの ように評価するかは,実際のモデルの設計や分析の目的 に依存する. しかしいずれにしても,リンクを1つ加えただけで 最短経路が大きく変わってしまうといったようなネット ワークの空間としての性質を考えたときに,ネットワー ク上に発生・集中する移動についておさえておくこ・とが 重要なのではないだろうかと思っている. また,ネットワークによって誤差のでかたに差がある ことが分かったが,このことを手がかりにネットワーク の特性を捕らえ端的に表すような指標といったものにつ いても考えていきたい. 参考文献 【1】腰塚武志(1997):移動から見たネットワークの分析日 本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブ ストラクト集.pp.252−253.

【2】田村一軌,腰塚武志(199坤ネ示トワークの距離分布・

日本オペレーションズ・リサーチ学会春季研究発表会ア ブストラクト集.pp.222−223. 【3】田村一軌,腰塚武志(1999):ネットワークの流動量分

布.月本オペレーシーヨンズ・リサーチ学会春季研究発表

会アブストラクト集.pp.15&159. 【4】田村一軌(1999):移動から見た道路網の分析方隠筑 波大学大学院社会工学研究科修士論文. 図3:対象ネットワーク −79− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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