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ひきこもり傾向の不登校に対する訪問臨床の研究-期待と交流の要因によるタイプ分けとタイプ変化のプロセスの検討-

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Academic year: 2021

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- 97 - ひきこもり傾向の不登校に対する訪問臨床の研究 一期待と交流の要因によるタイプ分けとタイプ変化のプロセスの検討一 人間教育専攻 臨床心理士養成コース 崎原旦陽 1.問題と目的 文部科学省包015)では,支援を受けること ができなし叩登校児童生徒が全不登視尼童生徒 の 33.05%存在していることが示されている。 支援を受けられずに社会と遮断した生活を送り 続けると,ひきこもりが長期化してしまう恐れ があり,不登校無支援者を専門的な支援に繋げ ることが急務とされている。支援に繋げる方法 として, 近年官方問臨床"が注目を浴びつつあ る。‘訪問臨床"とは,専門家が行う狭義な心理 援助としてではなく,心酎強助が必要な人へ 行う,訪問しての臨床活動として広義にとらえ るものと定義される(青木, 2004)。 不登関尼章生徒の中には,大人であるカウン セラーを拒絶したり,カウンセリングという言 葉に抵抗感を抱いたりするため,大人やカウン セラーが不登校生徒に関わることが難しいと言 われている(伊藤, 1991)。そのこともあり,訪 問臨床では,不登視尼童生徒と年齢が近い兄や 姉のような存在いわば「ななめの関係J(笠原, 1977) の学生が行っていることが多い。また, 伊藤・伊藤包001)は歳の近い学生は思春期・ 青年期の児童生徒にとって心を許しやすい存在 になると示しているので,訪問臨床は専門的な 支援の入り口として可能性があると考えられる。 不登校児童生徒の支援を行う際に児童生徒の タイプに合わせて支援を行っていくことが求め られる。吉井包013)は,訪問臨床の経験から 指 導 教 員 吉 井 健 治 訪問対象児童生徒の受入れ態度繍待と交流) の2要因によってタイプ分類を行っている。 筆者が在籍している大学院では,約十数年前 から

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県教育センターや

B

市教育研究所が行っ ているひきこもり傾向の不登校児童生徒を対象 とした事業に参加し,訪問臨床の鶏責を積んで きた。しかし,過去の蓄積されてきたデータを 扱った研究はされてきていない。そこで,本研 究では過去の事例資料から,訪問対象児童生徒 の受入れ態度チェックリストを作成し,それを 過去の訪問臨床の事例のデータを照らし合わせ て,タイプ分類し,タイプ分類した後に,典型 事例を抽出し,各タイプのプロセス生成をして いきタイプ変化の促進要因を検討することを目 的とする。

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方法 予備調査:訪問対象児童生徒の受入れ態度の 違いによるプロセスの差異を検討するために, 訪問対象児童生徒の受対も態度チェックリスト の作成を目的に行った。過去の記長財も期待と 交流の要因と考えられる行動を抽出し,訪問臨 床を経験のある大朝実生 13名に,その行動が “期待の要因"“交流の要因"“その他"のど れに該当するかをチェックしてもらい,一致率 の高い項目制待の要因:4項目,交流の要因: 5項目)を作成した。 本研究の調査対象:A県及びB市で行われて いるひきこもり傾向の不登視尼童生徒対象とし

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- 98 - た訪問臨床である, A県, B市の訪問臨床事業 のX-13"-' X-lO年度及び, X-1"-'X年度に行わ れた訪問活動の活動証録45事例を対象とした。 調査方法:予備調査で作成した訪問対象児童 生徒の受入れ態度のチェックリストを用い,対 象事例の活動ま録を前期併1"-'3) , 中 期 併10 "-' 12), 後 期 併20"-'22),終了期(終了したセ ッションから遡った 2セッションを含む3セ ッション)に分けてチェックしていった。

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結果 訪問対象児童生徒の受け入れ態度チェックリ ストを用い,期待と交流の要因毎に平均値を基 準に高低に分けてタイプ分類した。その結果, 期待と交流がともに高い「良好タイプ :AJ,期 待が高く交流が低い「葛藤タイプ :BJ,期待が 低く交流が高い「受動タイプ :CJ,期待と交流 が共に低い「抵抗タイプ:DJの4タイプが示 された。また,各時期のタイプの頻出度を Table1に,タイプが次の時期にどのタイプに変 化したかを Table2

啄む

各自奇頬における訪問閣象児童生徒の受入れ態度タイフ敬 良 好 タ イ プ 葛 藤 タ イ プ 受 動 タ イ プ 抵 抗 タ イ プ 前 期 中期 後 期 終 了 期 14/(31%) 14/(50%) 10/(63%) 20/(51%) 3/(7%) 0/(0%) 0/(0%) 0/(0%) 8/(18%) 7/(25判,) 4/(25%) 9/(23%) 20/(44%) 7/(25%) 2/(13%) 12/(26%) Table2. 各タイプにおける1時期から次の時期のタイプ変化の数 良好→ 葛藤→ 受動→ 抵抗→ 良好→良好 30 葛藤→良好 3 受動→良好 7 抵抗→良好 2 良好→葛藤 0 葛藤→葛藤 0 受動→葛藤 0 抵抗→葛藤 0 良好→受動 4 葛藤→受動 O 受動→受動 11 抵抗→受動 4 良好→抵抗 0 葛藤→抵抗 0 受動→抵抗 0 抵抗→抵抗 19 典型事例聾出 典型事例の選出のためタイプ変化に合わせて 事例の型を8つ命名し,その中方略

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の多くが, 記述量が比較的多い8つを典型事例として選出 した。選出した事例の詳細を Table3に示す。 Table3. 典型事例の詳細 ケ ー ス の 型 性 別 学 生 #数 タイプ変化 良好維持型 F 中学2年 27 A - A→ A→ A 受動維持型 M 両学l年 28 C → C → C → C 抵抗維持型 M 中学l年 27 D → D - D吋 D 蓋藤好転型 M 中学3年 6 B → A 受動好転型 F 小 学6年 12 C → A 抵抗好転型 F 中学3年 27 D → C → A→ A {阜鉦] 抵抗好転型 M 高 学I 18 D → D → C (量動) 拒否型 M 中学3年 3 D 4.考察 (1)訪問対象児童生徒の 4つのタイプについて 各タイプの

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時期から次の時期までの変化を 見てみると,各タイプとも悪く進むことは稀で あり,基本的には変わらなし功吠再三することが わかった。良好タイプへと変わることがあれば, 良好タイプのまま進んでし、くため,タイプ嫡三 の促進要因を検討していく必要がある。 包)典型事例の考察 本研究では8つの典型事例の分析を行った。 8つある中の抵抗維持型以外の典型事例におい て訪問臨床のプロセスが「抵抗感」→「葛藤」 →「受容」→「社会との入り口Jの順に進んで 行くことが分かった。また,良いタイプ変化を 促進する促進要因が,<治療契約>, <関わり >, <発言の工夫>, <意識>の4つあること が分かった。また,訪問者と訪問対象児童生徒 の関係性にズレを生じさせる阻害要因が,<現 実を突きつける>の 1つあることが分かった。 面接有期に訪問対象児童生徒に対して治療鰍句 を結ぶことの重要性や,訪問対象児童生徒の状 態によって訪問者が前首醸しながら関わるこ とで,訪問者との共同性を感じることで,エネ ルギーを蓄えると思われる。また,訪問者は訪 問対象児童生徒の状態を把握しながら現実につ いて指摘しないと関係にズレが生じることが示 された。

参照

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