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第4回日本小児在宅医療支援研究会

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(3) −. −. −. −. −. 第4回. 日本小児在宅医療支援研究会 プログラム・抄録集. 地域で支え広めよう. 小児在宅!'医療. 2014年9月6日(9:50 ∼. 18:00. さいたま市大宮ソニックシテイ 市 民 ホ ー ル 田村正徳(埼玉医科大学総合医療センタ 正徳(埼玉医科大学総合医療センター小児科). 主催:日本小児在宅医療支援研究会. 埼玉県(厚生労働省小児等在宅医療連携拠点事業〉 共催:公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団.

(4) 第4回日本小児在宅医療支援研究会に向けて 厚生労働省科学研究「重症の慢‘性疾患児の在宅での療養・療育環境の充実に関する研究(研究 代表者田村正徳)」班の平成25年度全国調査では、官民をあげた取り組みで一時減少傾向を示し ていたNICUの1年以上の長期入院児が2010年出生児から再び増加傾向を示し、人工呼吸器を. 装着したままNICUを1年以内に退院する児が顕著な増加傾向を示していました。こうした児の. 多くは最終的には呼吸管理をしながら在宅医療に移行しています。しかしながら小児在宅医療を 取り巻く環境は厳しく、成人に比べて制度的にも経済的・人的資源の面からもはるかに遅れてい ることは周知の通りです。. 小児在宅医療の普及を目的に2011年10月29日に第1回日本小児在宅医療支援研究会が開催さ れてから、早くも3年が経過しました。この間、行政面でも学会レベルでも少しずつ小児在宅医. 療を支援するための取り組みが芽生えてきています。厚生労働省は2012年を「在宅医療元年」と. 位置付け、平成24年度には全国で105箇所の在宅医療連携拠点事業を開始しましたが、そのうち 小児在宅医療関連事業は3施設が採択されたに過ぎませんでした。しかし平成25年度には8都県. の事業が小児在宅医療連携拠点事業に採用され、平成26年度には9都県と増えました。日本在宅 医学会は勿論のこと、日本重症心身障害学会や日本周産期・新生児医学会や日本小児科学会や日 本呼吸療法医学会などでも小児在宅医療関連のシンポジウムや演題が採用される様になりまし た。地域で小児在宅医療支援を掲げるネットワークも増えてきています。. しかし、小児在宅医療に関する公的支援や社会的認識はまだまだ不十分で、高度な医療ケアを 要する子どもが在宅療養に移行した場合には、母親を中心としたご家族に過大な負担がかかる現 状が続いています。長期療育が必要な成長期のお子さんに出来るだけ適切な環境を提供し、ご家. 族の負担を少しでも軽減し、安全に在宅医療を進めていくためには、小児在宅医療に関わる人材 育成とともに、病院・療育施設の医師・看護師・コメデイカルスタッフと訪問看護ステーション・ 在宅療養支援診療所・在宅支援事業所・地域保健センターや行政との連携を更に推進して、医療 と福祉の壁を解消する方策を見出す必要があります。. 小児の在宅医療推進はNICUや小児救急患者の応召可能病床を広げることにもなり、日本全体 の子どもと母親の安全‘性の拡大にも寄与します。本研究会ではそうした観点も一般市民や行政に 訴えて、社会全体として医療ケアを要する子どもの在宅療養を支援するシステムを構築したいと 考えています。. この度、大宮ソニックシテイにおいて2014年9月6日に第4回日本小児在宅医療支援研究会を 開催することとしました。今回のテーマは「地域で支え広めよう小児在宅医療」です。過去最 大の34題の一般演題の応募を頂き、一部をシンポジウムで採用させていただくとともに、午前中. は3会場でご発表頂くことになりました。午後からの特別講演とシンポジウムでは、本会議場に 全員ご参集して頂き、小児在宅医療を地域で支え広めるためのアイデアや方策を積極的にご提言 下さいますように、お願いいたします。. 文末になりましたが、今回の日本小児在宅医療支援研究会開催には厚生労働省の小児等在宅医 療連携拠点事業に採択された埼玉県の他に公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団からご支援 をいただきました。ここに篤く御礼申し上げます。 平成26年9月吉日 日本小児在宅医療支援研究会発起人代表:田村正徳.

(5) 【A会場】4階市民ホール 開 会 挨 拶 9 : 5 0 田 村 正 徳. 「二羅震詞10:00 11:30 座長富田直(東京都立小児総合医療センター神経内科 子ども家族支援部門・総合診療科兼務). 長島史明(あおぞら診療所新松戸). 議鍵. 安全・安心な小児在宅人工呼吸療法一緊急時及び災害時に備えた. 「安心カード」および「消防連絡票」の作成− 1)公立陶生病院地域医療部在宅医療室、2)同小児科. ○星野美穂子')、小野薫')、武田知子')、秋江和香')、 久保田有美')、大橋嘉代')、家田訓子2). 蕊議. 交流研修を行った事による職員の在宅支援への認識の変化. 地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立こども病院患者支援・地域 連携室 ○牧内明子. 鍵蕊. 在宅重症心身障害児者の日中活動の場の拡大を目指した. 重症心身障害児者施設職員による福祉サービス事業所への出前研修 重症心身障害児者施設北海道療育園. ○林時仲、平元東. 謹蕊超重症心身障害児短期入所サービスを受け入れる看護師育成の試み 済生会川口総合病院小児科. ○高久香織、佐藤泰子、高橋かおり、大山昇一、八木橋克美. −3−.

(6) Jf蕊退院時支援よ'ノ考える訪問リハビリテーションの現状と対応策 筑波大学附属病院. ○石川公久、清水朋枝、鶴巻俊江、岩測‘慎也、上野有希子. f蕊. 小児在宅医療と生活を支える訪問看護ステーションと. 訪問介護ステーションの在レノ方を考える "NPO法人NEXTEP訪問看護ステーションステップキッズ、 2>NP0法人NEXTEPヘルパーステーションドラゴンキッズ. ○石橋直美')、中本さおり')、田中美晴2). #蕊. どこまでみるの、在宅医療 スマイル訪問看護ステーション15年間での終了者から. スマイル訪問看護ステーション理学療法士 ○直井寿徳. J礎. 小児在宅支援におけるリハビリテーションに関する調査研究. ∼A県におけるリハビリテーション実施状況と今後の課題∼. ’)埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科、2)あおぞら診療所新ホ 2)あおぞら診療所新松戸、 3)訪問看護ステーションあおぞら、. 4)医療法人財団はるたか会・NPO法人あおぞらネット、5)東邦大学. ○長島史明')2)、原和彦')、久保田章仁')、中川尚子2)、. 光村実香3)、梶原厚子4)、前田浩利4)、岸太一5) 垂懸︾. 黄︲ヤ立件qノムー、qに●と正Tb﹃、. 群馬県での小児在宅療養支援の取レノ組みについて. ’)群馬県立小児医療センター神経内科、2)群馬県看護協会、 3)群馬県健康福祉部医務課. ○渡辺美緒l)、森田麻吏子2)、野村孝昭3). −4−.

(7) 【B会場】6階604. R露圃10:00 11:30 座長山崎和子(埼玉医科大学総合医療センター小児科). 中村恵津子(埼玉医科大学総合医療センター3階東病棟). 蕊蕊. 気管分泌物/唾液アミラーゼ濃度比を用いた唾液の気道への流れ込みの評価; APilotStudy. l)愛仁会高槻病院小児科、2)愛仁会リハビリテーション病院小児科 ○森篤志')、榎本真宏')、上田陽子')、. 四本由郁')、南宏尚')、李容桂2). 凝議. 2012-2013年度に当院NICUで管理した18トリソミーの転帰と在宅医療. ’)埼玉医科大学総合医療センターNICU、2)同小児科、3)カルガモの家. ○金井雅代')、小川亮')、川崎秀徳')、石黒秋生')、高田栄子2)、 奈須康子3)、星順3)、側島久典1)、田村正徳2). 蕊蕊. 訪問看護師と連携し自宅で看取レノを行った18トリソミーの3例. ’)沖縄県南部医療センター・こども医療センター小児総合診療科、 2)社会福祉法人ゆうなの会大名訪問看護ステーション、 3)ふたば訪問看護ステーション、4)訪問看護ステーションはえばる. ○松岡孝1)、大川哲平1)、赤峰敬冶l)、宮城愛子2)、田本あゆみ3)、 安里貴子4)、松茂良力')、安慶田英樹'). #蕊. 最期は家で楽しく過ごして ∼在宅診療・訪問看護の関わしノー. エンフェルメリア虹(合同会社) ○瀬廼木洋子. 蕊議. 脳腫傷終末期の女児、家族と共に自宅で生きる. NPO法人あおぞらネット訪問看護ステーションそら ○的場千賀子. 鰯蕊. 当院におけるレスパイトケアヘの取レノ組み. ’)埼玉医科大学病院小児科、2)同看護部. ○阿部裕一')、荒尾正人')、山崎太郎')、寛紘子')、植田穣')、 秀雄') 佐藤祐美2)、松本幸子2)、小久保より子2)、徳山研一l)、山内秀鮒. −5−.

(8) 蕊議. 熊本再春荘病院小児科におけるレスパイト・ショートステイの現状と課題 熊本再春荘病院. ○木村由美、古賀恵美、島津智之. 蕊議. 小児一般病棟における経過観察入院数増加の実態と今後の課題: リハビリの観点から. l)亀田総合病院リハビリ室、2)亀田総合病院看護部、3)亀田総合病院小児洞 ○根岸悠理l)、一島栄美子2)、市河茂樹31. 蕊蕊. 祷清予防の為のポジショニングを、レスパイト先でも共有するための 実践報告及び課題. ’)東京小児療育病院、2)訪問看護ステーション在宅支援たんぽほ ○斎藤直美l)2)、馬上るみ子2)、園本純子2)、坂本芳美2). 【C会場】9階906. F腰震詞10:00 11:3C 座長大山昇一(済生会川口総合病院小児科) 小泉恵子(埼玉医科大学総合医療センター 小児特定看護師). 蕊蕊. 人的資源の不足によしノ孤立した家族への地域連携支援のプロセフ 埼玉医科大学総合医療センター小児病棟看護師 ○田村佳子、滝淫幸子、安藤てる子. 蕊蕊. 在宅医療を要する子どもの在宅移行における地域との協侭 大分県立病院新生児病棟 ○雨這理恵、品川陽子. 羅謹. 急性期病院における看護師の病棟在宅支援チームの活動 大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院. ○森貞敦子、寺山優子、浜田美和、渡部晋一. −6−.

(9) 羅蕊. 急性期病院における人工呼吸器装着患者の支援 ∼在宅支援開始からの変遷∼. 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 ○寺山優子、森貞敦子、浜田美和、渡部晋一. 鱗蕊. 医療ケアが多く不安が強い母に対する訪問看護・訪問リハビリの関わり(1事例) ')東京小児療育病院、2)訪問看護ステーション在宅支援たんぽぽ. ○松永文子1)2)、馬上るみ子2)、園本純子2)、坂本芳美2). 謹蕊医療的ケアを必要とする未熟児の在宅支援 一虐待ハイリスクとしての視点の必要性−. 1)浜松市発達医療総合福祉センター相談支援事業所シグナル、 2)友愛のさと診療所小児神経科. ○山本卓磨1)、尾関ゆかりl)、伊藤智恵子1)、遠藤雄策2)、平野浩一21. 鰯蕊. 医療的ケアのある子どもの在宅支援の多様性について. ’)浜松市発達医療総合福祉センター相談支援事業所シグナル、 2)友愛のさと診療所小児神経科. ○尾関ゆかりl)、山本卓磨1)、伊藤智恵子1)、遠藤雄策2)、平野浩一2). 蕊蕊. ワクワクドキドキ『かぼちゃんクラブJ(医療型特定短期入所施設) ∼熊本市の在宅医療・在宅福祉の現状から見えてきたもの∼ おがた小児科内科医院・かぼちゃんクラブ ○新塘久美子、緒方健一、落合順子、漬崎香織、 上田恵理奈、谷川章太郎、福田嘉明、森三奈美. 蕊蕊. 障がいを持つ子と家族のための防災キャンプ、ワークショップの取レノ組み. みらいTALK"医師、2)保健師、3)臨床心理士、4)保育士、5)会計士. ○遠藤雄策1)、生田望2)、板倉称1)、伊藤智恵子2)、笹田夕美子3)、 戸田尚美2)、内藤由美4)、中林睦美3)、中道律子4)、平野浩一l)、. 藤井邦彦5)、松本知子4)、水野義仁')、宮本健')、村山恵子'). −7−.

(10) 【A会場】4階市民ホール. 隔詞藷詞12:00 13:00 座長前田浩利(医療法人財団はるたか会あおぞら診療所). 赤ちゃんケア気持ちのいい毎日が早期療育1 医療法人財団はるたか会NPO法人あおぞらネット 梶原厚子. シンポジウム基調講演. 13:15∼13:45. 座 長 田 * 1 正徳(埼玉医科大学総合医療センター小児科). 行政の立場から小児在宅医療を考える 厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室 佐々木昌弘. F刃霧ラA13:45 17:00 「地域で支え広めよう小児在宅医療」 座長緒方健一(おがた小児科・内科医院). 梶原厚子(医療法人財団はるたか会. NPO法人あおぞらネット). 1.医療と福祉の連係のための勉強会「名古屋市南部・知多半島地域小児在宅医療勉強 会」を立ち上げて 社会医療法人宏潤会大同病院小児科. ○水野美穂子、田村泉、加藤衣津美、谷朋美、丸山貴美. 2.NICUからの在宅移行後方支援病院としての役割と現状. 一医療相談室のコーディネート支援一 ’)社会福祉法人愛徳福祉会大阪発達総合療育センター. 医療相談室、. 2)社会福祉法人愛徳福祉会大阪発達総合療育センター. 小児科. ○近藤正子')、和田浩2)、船戸正久2). −8−.

(11) 一. 一. 一. 一. 一. 一. 3.小児在宅医療支援に向けての新しいチャレンジ ∼岐阜の過去と今とこれから∼ ’)岐阜県総合医療センター、. 2)岐阜県健康福祉部地域医療推進課障がい児者医療推進室. ○寺淫大祐')、○都竹淳也2)、松尾直樹'). 4.平成25年度小児等在宅医療連携拠点事業における三重県の取組状況について. ’)三重県、2)三重大学医学部附属病院 ○安保和美1)、加藤和浩1)、溝口克志1)、岩本彰太郎2)、坂田佳子2)、 河俣あゆみ2). 5.地域での小児在宅医療活動∼長野県立こども病院の取レノ組み∼ 長野県立こども病院患者支援・地域連携室MSW. ○丸山昌子. 6.当院の東京都多摩地区における小児在宅医療拠点事業の展開 東京都立小児総合医療センター神経内科・子ども家族支援部門・総合診療科兼務 ○冨田直. 7.埼玉県における小児在宅医療に関する取組み. ’)埼玉医科大学総合医療センター小児科・新生児科、 2)医療型障害児入所施設カルガモの家、3)現厚生労働省医政局. ○森脇浩一')、田村正徳')、側島久典')、高田栄子')、奈倉道明')3)、 山崎崇志')、山崎和子')、小泉恵子')、安藤てる子')、星順2)、 奈須康子2). 側島久典. 閉会挨拶17:50. −9−.

(12) 特別講演.

(13) 赤ちゃんケア気持ちのいい毎日が早期療育1 医療法人財団はるたか会NPO法人あおぞらネット 梶原厚子. 日測日測日刈日狙一津︻峠刀一︾旨味一昨一︾咋一河[.]洞戸●一同. I 歴 3 4 4 4 Ⅲ 2 4 6 4 略S 師S 師S 団S 侭H 8H 皿H 旭H 加H 型 I. 済生会宇都宮病院付属看護専門学校卒業. 済生会宇都宮病院 濁協医科大学付属越谷病院 愛媛大学医学部付属病院. (株)クロスサービスケアサポートまつやま福祉事業部 同訪問看護ステーションほのか管理者 同居宅支援事業所管理者 同児童デイサービスほのかのおひさま管理者 NPO法人あおぞらネット. 訪問看護ステーションそら 訪問看護ステーションあおぞら京都 医療法人財団はるたか会. 子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田 あおぞら診療所新松戸. 訪問看護ステーションあおぞら新松戸 両法人理事 両法人統括看護(リハビリ)管理者. 小児医療における技術の急速な進歩と医療者の懸命な努力によって、殆どの子ども達の命は助 けられ、病気で亡くなる子ども達は本当に少なくなりました。乳幼児死亡率は低下し、多くの子 ども達が元気に育つその一方で、医療機器、医療的ケアに依存して育っていく子ども達も増えて います。. 私は、愛媛県松山市でH8年から在宅支援の仕事に従事してまいりました。「24時間365日すぐ に行くよサービス」を実践する職場でした。配食サービス・訪問介護居宅介護・訪問入浴・デイ. サービス・認知症対応型のグループホーム・訪問看護ステーション・児童デイサービス・障害者. 支援施設などを経験しています。在宅で暮らし続けたいと願っている方に出会い、何をどのよう にやり取りをしていけば良いのか、家族としてそこに暮らしが続くのか、その中で、看護師は、 介護士は、理学療法士や作業療法士はどのような役割をはたすのかなど、0歳∼100歳超えの方々 に関わる中で学んでまいりました。. 私が小児在宅支援に深く関わるようになったのは、当時社会資源が極端に少なく、母親が病気 になっても子どもの入浴や移乗などを頼める人がいないなど、最低限の生活を維持することが難 しい状況であることを知ったからでした。小児科経験のない自分と在宅のスタッフでしたので家. −12−.

(14) 族や小児科を持つ病院の方々に教えていただいて、看護師も介護士もリハビリスタッフも育てて いただきました。. H24年4月よりあおぞらグループ(医療法人財団はるたか会あおぞら診療所新松戸・子ども在 宅クリニックあおぞら診療所墨田・あおぞら訪問看護ステーション新松戸・中核地域支援セン ターほっとねっと.基幹相談支援事業ココ・NPO法人あおぞらネット・訪問看護ステーションそ. ら・あおぞら訪問看護ステーション京都)で在宅看護に従事することになりました。当法人は0 歳∼100歳超えまでお断りせずに24時間365日対応します(訪問看護ステーションは人員の都合. でお断りする事もありますが、スタッフ確保が可能でしたらお断りせずに24時間365日対応で0. 歳∼100歳超えまで対応します)。診療所は地域の在宅支援を担う責任ある活動として、訪問可能 なエ'ノアではお断りせずに関わらせていただいています。. 新松戸の診療所は成人領域230人、小児領域が80人です。新規の患者相談が毎月約20人、1015人新患導入、10人くらいの方の在宅看取りがあります。悪‘性腫傷終末期の方が常時10∼15人、 神経難病の終末期の方が10∼15人というような診療所です。. 墨田区の子ども在宅クリニックでは現在の利用者が212人で小児期発症の方を対象に0歳∼52 歳の方に訪問診療を提供しています。毎月の新患導入は10人弱で悪性腫傷終末期の子ども達の依. 頼もあり、今年になって半年間で8人の子ども達が亡くなりました。そのうち在宅の看取りが悪 ‘性腫傷の3人です。. 3か所の訪問看護ステーションのうち京都の訪問看護ステーションは20人で今のところ小児を. お引き受けするだけでいっぱいになってしまい成人には対応できていません。新松戸のステー ションは80人の利用者のうち小児は40人で、0歳∼100歳超え、難病、悪性腫傷、小児、高齢者. 認知症などに対応し多くの在宅看取りも経験しています。訪問看護ステーションそらは23区を対 象に62人の小児と2人の高齢者に訪問しています。. 診療所からのリハビリは墨田と新松戸を合わせると130人を超える子ども達に訪問リハビリを 提供しています。. また、社会福祉法人むそうが行う「ほわわ」という児童発達支援事業(児童デイサービス)や NPO法人ふわりが行う日本財団の研修会などにも関わっています。. 医療依存の高い子ども達はもちろんのこと、緩和ケア、ターミナルケア、発達障害、知的障害、 身体障害、など複合的に健康課題を抱える子ども達の成長発達、そして自立のプロセスを支援で きるような法人を目指して活動を広げています。. このあおぞらグループや今まで出会った子ども達と家族から教えてもらったことの中から、乳. 幼児への「気持ちの良いケア」「早期療育」という観点からどのように関わって行けば良いのかを 述べたいと思います。 ★赤ちゃんケアのポイント. 1.時を大切にします ①今現在…見立てる. 本人が何を感じて、どうしたい、どうありたいと思っているか? 何処がどのように気持ちいいのか?苦しいのか? ②過去の体験と将来…見通す. −13−.

(15) 生命記憶としてどのような体験をしてきたのか どの様に育っていくのか. 2.基本となる感覚を理解してコミュニケーションを促す. 基本的な感覚とは…触覚・固有受容覚・前庭覚・内臓覚.(視覚、聴覚). 3.基本となる感覚は誰もが欲しい感覚なので、正しく感じられるようなケアを行う つじつまの合わせ方を日常生活で体験させる。 4.その子なりの栄養と活動量を理解する. モニタリングの機能を持つ。平常と異常を見つける。. 脆弱な身体を持って産まれてくる子や、自閉的な特徴を持つ子は、この世に生を受けた胎内で 生きやすいように育っています。そのお母さんのお腹から帝王切開や産道をとおり産まれてきま. す。未熟な赤ちゃんは弱い皮層なので人に触られることが侵害刺激になり、人と触れ合うことに 抵抗を感じます。羊水に浮いて過ごしていましたから、重力には‘慣れていませんので抗重力不安 があります。そのような赤ちゃんの気持ちを感じ取りながら育児をするとお母さんは赤ちゃんと コミュニケーションがとりやすくなり親として自信をつけます。. 重力に負けてしまいそうなほど脆弱な身体の子どもは重力とポジショニングにより、つぶされ ていきます。「無重力なら動けるのに動けないよ−」と困っています。. 基本的な感覚は覚醒状態に大きく関与します。びっくりして覚醒するのではなく穏やかな状況. で目が覚めて落ち着いて周囲の事を感じ取り、自分自身で育っていく力を育むことが早期療育で あると考えています。. 子ども自身が持っている力を引き出す在宅看護の楽しさを皆さんにお伝えしたいと思います。. −14−.

(16) シンポジウム 地域で支え広めよう小児在宅医療.

(17) 基調講演. 行政の立場から小児在宅医療を考える 厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室 佐々木昌弘. 年年群畔碑碑 1681222 雌成成成成成成 I平平平平平平. 秋田大学医学部卒業. 厚生省入局. 国立成育医療センター政策医療企画課長. 厚生労働省医政局総務課医療安全推進室長 厚生労働省医政局指導課在宅医療推進室長. 厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室長(課名変更). −16−.

(18) 1.医療と福祉の連係のための勉強会「名古屋市南部・知多半島地域小児 在宅医療勉強会」を立ち上げて 社会医療法人宏潤会大同病院小児科. 水野美穂子、田村泉、加藤衣津美、谷朋美、丸山貴美. 【背景】近年、愛知県内でも重症心身障害児の在宅医療を進めるためのネットワーク会議や勉強会 が開催され、その重要』性が認識されてきている。当院では以前より大学病院や三次救急病院から 重症仮死、心臓疾患、神経疾患、溺水などが原因で人工呼吸器管理を要する重症児を受け入れ、 在宅支援と訪問診療を行ってきた。在宅支援を支えるためには訪問診療、訪問看護、訪問リハビ リなどの医療とヘルパーや訪問入浴など福祉の連係が必要である。地域の中で医療と福祉の互い. の活動内容を理解し、連携を深めることで小児在宅医療をさらに進めることができると考え「名 古屋市南部・知多半島地域小児在宅医療勉強会」を立ち上げた。. 【方法】大同病院が緊急時に対応できるエリア(救急車で搬送可能なエリア)の在宅支援診療所、 訪問看護ステーション、保健所、児童相談所、障害者地域支援センター、ヘルパー事業所、児童 デイサービス事業所などに勉強会の主旨を説明する文書を送付し、参加希望施設を募った。2ケ 月に1回定例会としてテーマを決めた勉強会のあと「顔の見える関係」をめざして、お互いの活 動内容などの報告を行なっている。. 第1回は平成26年2月に開催。「医療的ケアを要する子どもたちの保健・福祉制度について」の. 講演と大同病院における退院支援、訪問診療レスパイトなどのとりくみについて報告。第2回は 3月に開催。気管切開カニューレについてのハンズオンセミナーのあと在宅移行症例の検討会。. 第3回は5月に開催。障害者支援センター担当者による福祉制度についての講演と在宅移行のた めの退院支援チェックリストについての発表があった。毎回終了後に参加者に講演の内容、取り. 上げて欲しいテーマなどについてアンケートを行い、今後の活動について要望を確認した。. 【結果】アンケート調査の結果、これまでは小児在宅医療に関わる多くの職種が集まってミーティ ングをする機会がなく、互いの活動内容が全くわからなかった。定期的に集まって顔を合わせる ことにより連係しやすくなった、という答えが多かった。重症度の高い小児に関わることが少な いため、技術的な不安も強く医療的なケアや基本的な知識の勉強会の要望も強い。在宅医療を行. うためにはマネジメント、各職種の連係、スタッフの養成と研修が重要である。. 【まとめ】地域の基幹病院が中心となって身近で技術の習得と連係の場を設定する意義は大きいと 考える。. −17−.

(19) 2.NICUからの在宅移行後方支援病院としての役割と現状 一医療相談室のコーディネート支援一 ')社会福祉法人愛徳福祉会大阪発達総合療育センター. 医療相談室. 2)社会福祉法人愛徳福祉会大阪発達総合療育センター. 小児科. 近藤正子1)、和田浩2)、船戸正久2). 在宅支援の一環として、大阪府内において活動しているNMCSC新生児診療相互援助システム) と連携し、NICUに入院したまま「お家」へ帰れない子どもたちが、「お家」で過ごすことができ. るよう後方支援病院として2011年より取り組んでいる。重度重複障がいをもつ子どもの看護・療 育・リハビリテーシヨンなど、様々な専門分野が集結しているセンターの特‘性を活かし、①在宅 支援に向けたプログラム作成、②医療的ケアの確認と確立、③成長発達における各専門分野から の指導と助言、④在宅生活に向けての意識付けとフォロー体制作り、⑤社会資源の紹介と利用調 整などを役割とし、入院期間は2∼3ヶ月である。. 対象となる児は、申込み用紙と診療情報提供書に基づき、センター内で入院検討会議を行う。順 番になったら、医師、看護師、MSW、リハビリスタッフで紹介元病院に出向き面談、カンファレ. ンスを行っている。スムーズなプログラムを実行するために①当センターの役割の確認、②家族 とコミュニケーションを図ることで早期の人間関係を築く、③事前に入院計画を立案できること を目的としている。. また、紹介元病院に出向く前に家族は施設見学に来て頂き、センターの概要や入院目的の説明、. 病棟などの雰囲気などを感じてもらい、入院の意向は家族に委ねている。入院前には支援プログ ラムの確認と入院説明の為に家族には再度来訪して頂いている。. プログラム終了頃になると、紹介元病院や在宅の関係スタッフを含めたカンファレンスを行った 後、紹介元病院へ転院となる。. 2011年5月∼2014年5月の3年間で31名の申込みがあり、実利用は17名、その内在宅移行は. 14名、紹介元病院から施設入所が1名、紹介元病院に入院中が2名であり、利用中が1名、中止 が2名、待機が1名となっている。在宅移行している14名のうち呼吸器の使用は6名、在宅酸素 は9名、気管切開は12名である。. 在宅移行の際の在宅支援の内容としては、かかりつけ医は全員、訪問診療医は9名、訪問看護は 13名、訪問リハは11名、訪問介護は6名、ショートステイは全員が退院と同時に利用を開始し ている。また、保健師の訪問は9名、バギーなどの乗り物は10名の方が福祉制度を利用して作成 している。しかし、相談支援事業所との契約は2名、通園関係は0名という結果であった。 これらのことから、超重症・準超重症児の在宅移行には、訪問系のサービスやレスパイト、医療. 機器に囲まれた在宅生活を送るために必要なサービスの重要'性が明らかになった。また、生活を 送る中で利用するサービスの変化についても調査が必要であると考える。. −18−.

(20) 3.小児在宅医療支援に向けての新しいチャレンジ ∼岐阜の過去と今とこれから∼ ')岐阜県総合医療センター. 2)岐阜県健康福祉部地域医療推進課障がい児者医療推進室 寺津大祐')、都竹淳也2)、松尾直樹'). 岐阜県は人口約200万人、県面積は全国7位の広大な土地を有しながらも可住地面積比率は. 20%全国45位)と、県民が局在集中している傾向が強い県である。行政区分として、岐阜地区. (岐阜市中心)、西濃地区(大垣市中心)、東濃地区(多治見市中心)、中濃地区(関市中心)、飛騨 地区(高山市・下呂市中心)の5地区に分かれているが、県南部に人口集中の傾向がある。 小児科患者に対して常時積極的に入院治療ができる施設は10施設程度、小児に専門的な重症管 理ができる施設は、6施設程度となる。総合周産期母子医療センターは1施設、地域周産期セン ターは4施設、準NICUとして運用している新生児室を有する施設が2施設ある。. 医療型障害児入所施設は2施設、重症心身障害者用の療養介護病床を有する施設は1施設120 床のみであり、人口当たりの重症心身障害児者施設定員数は全国45位と少ない状況にある。. 一方で、小児の場合、在宅移行への流れが強まっており、県が把握する入所待機児は17名にと どまっている。. しかし、在宅障害児を支援する体制は整っておらず、小児の訪問診療が可能とする診療所は岐. 阜県内で89と、全体の8.8%にとどまっており、障害児対応ができる訪問看護ステーションも多 くはない。. この状況から脱却し、よりよい環境の中で全ての子どもと両親が健やかに育つことができるよ. う、岐阜県では2013年度から「障がい児者医療」を政策の柱と位置づけ、小児在宅医療推進の取 組みを始めた。. 大きくは、以下の6点である。. 1,小児在宅医療に関心を持つ医療・福祉関係者による研究会の開催 2,短期入所事業所の拡大. 3,在宅移行支援を併せて行う重症心身障害児入所施設の整備 4、岐阜大学における「障がい児者医療学寄付講座」設置による医師の育成 5,「重症心身障がい児者看護人材育成研修」の実施. 6,小児在宅医療への参入を目指す成人型訪問診療所の医師の教育支援 そしてこれらの政策の具現化においては、 イ、総合病院・診療所などの医師・看護師はもちろんのこと、患者家族、福祉・教育関係者ら多. 職種と協議すること p、人材育成、組織づくりを最優先課題とすること ハ、行政が主導となって流れを作ること を主眼に置いている。岐阜県での新たな動きについて、医師・行政それぞれの立場から報告し、 意見交換したい。. −19−.

(21) 4平成25年度小児等在宅医療連携拠点事業における三重県の取組状況 について ')三重県. 2)三重大学医学部附属病院 安保和美1)、加藤和浩1)、溝口克志1)、. 岩本彰太郎2)、坂田佳子2)、河俣あゆみ2). 三重県内の出生数は14,729人H24人口動態調査)であり、減少傾向にある。また、低出生体. 重児は1,307人であり、微減傾向にある。しかしながら、極・超低出生体重児(1500g/10009以 下)については、128人、54人と増加傾向にある。 三重県における低出生体重児数の動向 函2..…,。…・・画ロー・…・・官一・・・一一…..…今…壱や。っ…..……・・一毒一・’一・マーマ・ …一m-....-.…。。v・…・産、マーマワ・・・マ…,…・・-……。. 四トー…−.. い り 公 ■ ー. p. $. 函トー---…一・ マ.、−−.…一割一一一一一.、−−、.…、一一一一-−−− ・-…、、、−,一一"鐸一一一、v−. 1. 画据一一一合−一合-−一一一¥一一一参一一一・…一一一一一一-A-‐. 。L−−画-−−.…−−……….--..-.--..-…・・一一一…ず。…--.‐一画…一一一一一・ん一・・・…、.。−-一・…=…-. 平成蝉平成22年平窪2年平成23年平成泌年. 毎年のフローでは、NICUを退院する児は年間約1,000名程度であり出生数の7%近くを占め. る。医療的ケアを必要としながら在宅へ移行する児はこのうち約2%(20名程度)と見積もられ ているが医療的ケア(経管栄養、気管切開、人工呼吸器等)を要する在宅患児が県内にどの程度 いるかは判然としない。. このような中三重県では、国の地域医療再生基金を活用し、三重大学医学部附属病院小児トー タルケアセンターを中心に小児在宅支援施設ネットワーク体制の構築に取り組んでいる。. さらに、在宅医療を必要とする小児が、在宅において、必要な医療・福祉サービス等が提供さ れ、地域で安心して療養できるよう、国において、「平成25年度小児等在宅医療連携拠点事業」 を実施することとされ、医師不足など関連する医療・福祉等の資源が不足している三重県として. もこれに申請することとした。事業実施にあたり、最初から全県的に体制づくりを行うことは困 難と考えられたことから、一定のニーズがある地域を「モデル地区」として定め、ここでの事業 を通じて課題を抽出しながら最終的に全県展開を目指すための方向‘性を模索することとした。. 出生率が高く、地区の中に高度専門医療機関のない地域で課題を整理することで、県全体への 展開を円滑に行うことができると考え、モデル地区を選定することとし、本事業では、桑名地区、. 鈴鹿地区を選定した。 各モデル地区では、医療・福祉・教育などの多職種が集まり医療的ケアが必要な児の現状につ いて‘情報共有し課題抽出と対応策について意見交換を行った。また、県全体としてもレスパイト. 施設や基幹病院の関係者など多職種における意見交換を実施し顔の見える関係の構築を行った。. −20−.

(22) その結果、主として、①対象となる小児の把握、②体制(ネットワークづくり)、③家族への支 援、④療育・教育との連携といった共通の課題が提示された。. これらの対応策として、対象となる児を把握するための仕組みづくり、サービスの提供に係る 情報発信、関係者間の‘情報共有のためのシールの開発、親同士のつながりの場づくり、レスパイ. ト体制の整備、多職種にわたる人材育成といった対策を手掛けていく必要があることが考察され、. 何よりも、今回提案した地域における連携体制が機能するかどうか、実際の症例を通じて確認を 行いながら、更に抽出される課題に対処するなど、必要な修正を継続して行っていくことが重要 であると考える‘. −21−.

(23) 5.地域での小児在宅医療活動. ∼長野県立こども病院の取り組み∼ 長野県立こども病院患者支援・地域連携室MSW 丸山昌子. 長野県立こども病院では「私たちは、未来を担うこども達のために、質が高く、安全な医療を. 行う。」という理念のもと、特殊または高度な医療を必要とする小児の疾患を主たる対象として診 断、治療、相談を行っている。. 病床は180床で内、産科病棟27床(MFICU6床、一般21床)、新生児病棟42床(NICU24床、 GCU18床)が周産期センターとして、出産前後の母体・胎児から新生児に至る一貫した周産期医 療の提供をしている。. そのような医療体制の元、病状は安定したものの、濃密な医療的ケアを必要とするがためにな かなか在宅に帰れず長期入院となっている患児をどのように地域につなぎ、地域で支えてもらい 在宅生活を送れるようにするか、また、在宅移行ができたものの、患児家族に過度の負担がかか る状況をどう支えられるかという、小児の在宅医療への取り組みが必要となってきた。 そこで、長野県では、平成22年度から3年間「小児長期入院児等支援事業」として、県主導で 多職種参加の「長期入院児等支援対策協議会」を開催し、圏域ごとに「地域小児長期入院児等支 援連絡会」を設置。長期入院児の療養への移行支援を行ってきた。また、長野県立こども病院で. は、平成24年度に国の委託を受け、在宅医療連携拠点事業として、さらに平成25年度は小児等 在宅医療連携拠点事業として、多職種連携の強化や小児在宅資源マップ、DVD作成、研修会の開 催等、小児在宅医療に関する事業に取り組んできた。. 小児在宅医療の支援者側の恐怖と不安、患児・利用者側の不安を取り除くため、長野県立こど も病院スタッフが「地域へ出て(ちるくま外へ)」をコンセプトに、医療的ケア技術の指導、事業 所・行政間のコネクション役を務める活動も行っている。長野県独自の地理的障壁対策として、 また情報共有と継続した伝達を目的にICTの利用を促進し、人とICTによる多職種連携の輪を 目指した活動として「しろくまネット」の運用にも取り組んでいる。. 今年度も小児等在宅医療連携拠点事業の委託を受け、昨年度までの事業内容を踏まえ、発展さ せたり、見直しを加え新たに取り組み直したりして事業を展開する。長野県での取り組みを発表 し、ご意見を頂きたい。. −22−.

(24) 6。当院の東京都多摩地区における小児在宅医療拠点事業の展開 東京都立小児総合医療センター神経内科・子ども家族支援部門 総合診療科兼務 冨田直. 【はじめに】当院は平成22年開院の病床数561床の小児専門病院である。開院前よりその機能か ら医療的ケアを必要とする重症児が多数発生する事は予想されており開院時より院内多職種連携 チームによる在宅移行支援システムを構築した。一方院内努力の限界に対し、課題克服のため厚 生労働省による小児等在宅医療連携拠点事業に参加した。. 【当院の現状】当院は24時間体制で救急救命医が対応する小児ER、集中治療医管理の小児ICU を有する。また、人口420万人の東京都多摩地区に2病院しかない総合周産期母子医療センター である。新生児科入院の1/4以上が合併症児である一方、死亡例は最重症の先天'性疾患に限られ. る。これは重症例も救命できている事と同時に、重度障害を遺す児や介護負担の高い児が多数発 生し自宅に帰る事を示す。特に新規の在宅呼吸器は年々増加している。集中治療後の方針を決め る際に在宅呼吸器を医師が普通に勧める現状から今後も増加し続ける事が予想される。. 【当院の対策】開院時より小児神経内科医が中心となり医師・退院在宅支援看護師・MSW・臨床 心理士・リハビリスタッフ・医事課医療連携係の院内多職種連携による在宅支援チーム「療育担 当チーム」を結成。‘情報共有・担当決め・方針作成の為の月2回の定例会を中心として実際の症 例に対応している。その結果虐待症例を除き現在まで医療的な原因以外の長期入院固定患児は認 めていない。. 【現状の問題点と拠点事業】①地域との連携は訪問診療と看護に偏り、地域の基幹病院や自治体・ 福祉との連携が乏しい。より良い生活を児と家族が送るためには医療だけでは対応しきれない。. ②重症児ほど当院への入退院を繰り返し、増加する在宅呼吸器児の入院が次第に困難。 これらの問題に対応するため平成25年度から拠点事業に参加した。昨年度は周辺9市を対象とし て連絡協議会を結成し、対象自治体にアンケートによる福祉資源の‘情報提供を求めた。地域の基. 幹病院小児科を訪問し在宅医療支援を依頼。毎月小児在宅・重症児医療の公開勉強会を主催。看. 護科は訪問看護STや地域基幹病院看護師に対して実地研修を提供した。 今年度は対象地域の拡大と共に、自立支援協議会等を活用し自治体や地域の保健師、訪問診療医、 訪問看護STらに福祉や教育機関が加わり地域が重症児とその家族の生活を支えるシステムのモ. デル事業に着手する。今後、多くの困難が予想されるが地域で完結し永続的に機能する東京多摩 地域に合った小児在宅医療の地域システムを模索していきたい。. −23−.

(25) く地域が小児在宅の児と家族の生活を支える想定図>. 特別支援学級・学校. リハビリ施設. −24−.

(26) 7.埼玉県における小児在宅医療に関する取組み ')埼玉医科大学総合医療センター小児科・新生児科 2)医療型障害児入所施設カルガモの家. 3)現厚生労働省医政局. 森脇浩^1)、田村正徳1)、側島久典1)、高田栄子1)、 奈倉道明1)3)、山崎崇志1)、山崎和子1)、小泉恵子1)、 安藤てる子1)、星順2)、奈須康子2). 埼玉県は人口10万対医師数及び病院一般病床数はそれぞれ148全国平均227及び489全 国平均704)とともに全国最下位である。特に、小児患者に対して積極的に入院治療ができる病 院は20箇所程度、病床数は900程度と極めて限られており、中でも小児に専門的な重症管理がで きる病院は10箇所、500床に満たない。NICU(新生児集中治療室)を持つ施設は7箇所、しか. も母体・胎児管理まで請け負う総合周産期センターは1箇所に限られている。また埼玉県の医療 型障害児入所施設は6箇所、約660床と人口に比してキャパシテイが少なく、入所待ちする待機 児童が100人以上控えているというのが現実である。このような状況の中で、当センターは県内 唯一の総合周産期母子医療センターとして長期入院児への対応を迫られていた。そこで平成23年 度より年4回の埼玉県小児在宅医療支援研究会を開始し、特別講演で小児在宅医療の先進的な取 組みを学ぶとともに具体的な事例を顔の見える関係の中で話し合っている。また、平成24年度か ら厚生労働省の在宅医療連携拠点事業に参加して人材育成のための講習会等を行ってきた。その. 内容は小児在宅医療実技講習会、訪問看護研修会、医師向けワークショップ、多職種ワークショッ プなどである。また、在宅医療関連事業所の実態調査を行った。この中で訪問看護ステーション. と訪問介護事業所について平成24年度と平成25年度の調査結果の比較をした。平成24年度では 在宅医療を行っている小児の受入可としていたのは訪問看護ステーションが回答した123施設中 39施設(32%)、訪問介護事業所が回答した121施設中25施設(29%)であった。それに対して. 平成25年度は、訪問看護ステーションは131施設中48施設(37%)と受入可能な施設が増加し ていた。一方、訪問介護事業所に関してはアンケートの回収率が低下したため評価が困難であっ. た。講習会等で小児を受入る施設の増加を期待しているが、特に訪問介護事業所に関しては更な る取組みが必要と考えた。またこのアンケートをもとにインターネット上で小児在宅医療に関わ. る機関を表示するページを作成している。医師会では小児科医と在宅医が郡市医師会でペアを組 んでの取組みを始めている。. 多職種が関わる小児在宅医療では以上のような多彩な取組みで人の輪が広がることが重要と考 えている。. −25−.

(27) シンポジスト略歴 年年年年年 91691 3 9 0 0 0 9 02 02 02 0 1 2. 1.水野美穂子. 1984年岐阜大学医学部卒業名古屋市 立大学小児科入局 1990年社会医療法人宏潤会大同病院 小児科以後現在に至る 現職副院長小児科主任部長 愛知県小児科医会理事名古屋市小児科医 会理事日本小児科学会東海地方会評議員 愛知県医師会男女共同参画委員 所属学会日本小児科学会専門医日本ア レルギー学会専門医日本小児呼吸器学会 日本小児神経学会など. 2014年. 事務所所長補佐 岐阜県知事公室秘書課 岐阜県知事秘書(梶原拓、古田肇) 総合企画部総合政策課 商工労働部商工政策課課長補佐 健康福祉部地域医療推進課総合 療育推進室長 健康福祉部地域医療推進課障が い児者医療推進室長. 4.安保和美. 三重県健康福祉部医療対策局地域医療推進 課技師. 2.近藤正子. 1999年大阪府立医師会看護専門学校卒業 2007年財団法人日本総合研修所社会 福祉士養成所修了 2008年大阪発達総合療育センター看 護部入職 2011年同上医療相談室異動入退院 (所)コーデイネート担当 現在に至る 資格:看護師社会福祉士 3.寺淫大祐 2004年宮崎大学医学部卒業、同年高山赤 十字病院初期研修 2007年岐阜県総合医療センター新生 児科(2008年に改組により新生児 内科) 以後関連病院出向を行いつつ現職 2013年日本小児科学会企画戦略委員会 広報戦略WG委員 日本周産期・新生児医学会新生 児蘇生法普及委員会スキルアッ プコースWG委員 2014年日本小児科学会広報委員会委員 所属学会;日本小児科学会、日本周産期・ 新生児医学会、日本未熟児新生児学会、日 本重症心身障害学会、日本救急医学会、日 本小児救急医学会、日本航空医療学会、全 国障害者問題研究会他 都竹淳也 1989年筑波大学第一学群卒業、同年岐阜 県入庁 1995年自治体国際化協会シンガポール. 5.丸山昌子 1991年長野県職員福祉職採用. 2000年4月∼2005年3月までこども病院で MSWとして勤務 児童相談所、県庁地域福祉課勤務後、 2010年4月から再びこども病院患者支援・ 地域連携室に係長兼MSWとして勤務 6.冨田直 1993年浜松医科大学医学部卒業、東京大 学小児科入局 都立築地産院小児科・亀田総合病 院小児科で新生児医療を研修後 1996年東京都立府中療育センター小 児科 1999年焼津市立小児病院小児科 2005年東京都立神経病院神経小児科 2008年東京都立八王子小児病院小児 内科 2010年現職 専門小児在宅医療、小児神経一般 7.森脇浩一 1985年東京大学医学部卒業、東京大学小 児科入局 東京大学医学部附属病院、一般病 院、埼玉県立小児医療センターな どに勤務 2003年埼玉医科大学総合医療センター 小児科講師 2008年同准教授 専門小児科一般、小児血液. −26−.

(28) 一般演題.

(29) A-l. 安全・安心な小児在宅人工呼吸療法一緊急時及び災害時に備えた 「安心カード」および「消防連絡票」の作成一 '1公立陶生病院地域医療部在宅医療室、2)同小児科. ○星野美穂子'1、小野薫')、武田知子')、秋江和香')、 久保田有美')、大橋嘉代')、家田訓子2). はじめに:東海地方では南海トラフ巨大地震. 宅医療室では電子カルテ停止に備え、紙ベー. の発生が予測されており、災害対策は喫緊の. スでそれらをファイルし部署の非常持ち出し. 課題である。在宅医療室では、医療依存度の. としている。配布開始1年後の2013年、患者. 高い患者の訪問看護を行っている。現在31名. 満足度調査を行い、安心カードの活用状況を. の患者が在宅人工呼吸療法を行っており、. アンケート調査した。その結果、カードの「活. NPPV20名、TPPV11名で、内7名が小児で. 用方法を知っている」と回答したのは77%に. ある。在宅療養の緊急搬送及び災害時の対策. 留まった。また、活用経験のある患者は17%. として、「安心カード」と「消防連絡票」を作. で、入院時と器械の異常時に活用したと回答. 成した。その活用と今後の課題について報告. があった。. する。. 考察:医療依存度の高い小児は病態が複雑で. 方法及び結果:「消防連絡票」は医療依存度が. 症状が変化しやすいため、細やかな対応が必. 高い患者の情報を事前に消防署に提供するこ. 要となる。救急搬送時は、家族も動揺してい. とで、緊急時の安全な搬送に繋げる目的で作. る可能性が高い。患者情報を提供することに. 成した。人工呼吸器装着者の退院時に、消防. より速やかに病状を把握し、安全な搬送に繋. 署・救急救命センターに対象者の情報(患者. がると考える。また、外出先や災害時はかか. 基本情報・診療科・主治医・注意点・酸素流. りつけ病院へ搬送されない可能性もあるた. 量)を記載し情報提供している。新規対象者. め、情報提供は有用である。今後安心カード. が発生する等、内容変更時に更新している。. の認知度を上げ有効に活用される方法を検討. 「安心カード」は人工呼吸器や在宅酸素療法、. する必要がある。. cvポートなど医療処置が必要な患者を対象. おわりに:地域の基幹病院として関係機関と. に(患者基本情報、病院名、診療科・主治医、. 連携し、小児人工呼吸療法患者の緊急搬送や. 人工呼吸器機種・メーカー名・連絡先、設定. 災害対策をすすめ、安心・安全な在宅療養の. 値、在宅酸素機器機種・メーカー名・連絡先、. 提供をしたい。. 酸素指示量・カテーテル類のサイズと種類な ど)救急搬送要請の際、救急隊と搬送先への. 情報提供、または災害時に収容先への情報提 供を想定して作成した。患者家族へは目的と 具体的な使用方法を説明し居宅内の分かりや すいところへの掲示をすすめている。また在. −28−.

(30) A-2. 交流研修を行った事による職員の在宅支援への認識の変化. 地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立こども病院患者支援・地域連携室 ○牧内明子. 平成25年度に厚生労働省の小児等在宅医. 活動を見る事ができたなど)03入院中のこ. 療連携拠点事業が採択され、その事業の一つ. ども達への関わりの変化の有無は49%(内. として“交流研修”を行った。当院の職員は. 容:具体的な情報提供、生活にあったケアの. 入院中の子ども達の様子しか知りえないのが. 工夫など)、04職場で今回の経験を生かせる. 実情であるため、地域の療育施設や訪問看護、. かは71%(内容:生活をイメージし指導す. 訪問入浴の支援状況を知り、入院中のケアや. る、早期の情報提供など)研修が役に立つか. 退院後の支援を深める目的として行った。ア. は84%(内容:今までわからなかった分野を. ンケート結果より、参加した職員の意識の変. 知る事ができた、顔の見える関係作りができ. 化が認められたため結果を報告する。. たなど)、研修が満足できたかは85%であっ. l参加者と実習期間と受け入れ先. た。参加者のアンケート調査結果からは、在. 交流研修の対象者は全職員とし、実際参加. 宅で暮らすこどもの日常生活の様子がわか. した人数はのべ68人であった。内訳は医師3. り、家庭生活をイメージしながら、家族がで. 名、看護師50人、リハビリテーシヨンセラビ. きる方法や物など具体的に考え退院指導を. スト9名、その他6人であった。期間は平成. 行っていく重要性に気づく事ができ、地域の. 25年11月1日∼平成26年3月5日であっ. 関係者との顔の見える関係作りや速やかな情. た。交流研修先は、療育支援センター5ヶ所、. 報提供を行う必要性を理解していた。受け入. 訪問看護ステーション8か所、訪問診療2か. れ施設からも、情報交換ができ、顔の見える. 所、訪問入浴2か所等が受け入れ、見学や施. 関係や連絡がとりやすくなったという意見が. 設の説明、実習などを行った。. あった。この様な研修を継続していく事が、. 2アンケート結果. 関係機関との連携深化や小児の在宅移行がス. アンケートは交流研修後に行った。配布数 は68件の内回収は55件、回収率は80.9%で. ムーズに行え、地域でこどもと家族を支える 力の拡充に繋がると考える。. あった。質問毎で回答を示すと、01交流研修 を希望した理由は、在宅の生活の様子を知り たい、在宅支援の施設や内容に興味があった。 以下の質問を“ないがl∼あるが5”とした5. 段階評価の回答とした。回答の4と5の%と. 内容を示す。02研修での気づきの有無は 92%(内容:生活の場に適応できるよう訪問. 看護師がアレンジしている、療育センターの. −29−.

(31) A-3. 在宅重症心身障害児者の日中活動の場の拡大を目指した. 重症心身障害児者施設職員による福祉サービス事業所への出前研修 重症心身障害児者施設北海道療育園 ○林時仲、平元東. <目的>在宅重症心身障害児者(以下、在宅. ができるようになり、本年6月には生活介護. 重症児者)支援では日中活動の場の確保が課. 事業所の指定を受けて士別市の在宅重症児者. 題である。我々の調査では、福祉サービス事. の日中活動の拠点となった。M事業所は重症. 業所(以下、事業所)の多くは療育の経験が. 児者ケアに対し自信を深めた。また、家族は. ない等の理由から在宅重症児者通所支援を実. 経験の少ない事業所にわが子を託すことの不. 施していない。しかし、研修に人員を割く余. 安が解消され、当園職員は自身の使命を自覚. 裕が無いとしながらも在宅重症児者について. する機会となった。. 学ぶことができれば積極的に受け入れたいと. <考案>理解や技術の修得、またケアの質を. 望んでいた。そこで、我々は日中活動の場の. 維持するためには研修(派遣)は一度ではな. 確保を目的に、重症児者施設職員を事業所に. く繰り返して行うことが重要であり、さらに. 派遣して実技指導や情報提供を行う「出前研. 今後は研修プログラムと事業所における重症. 修」を実施した。出前研修の効果や課題等に. 児者ケアの目安(到達目標)の作成が必要と. ついて報告する。. 考えられた。新たに事業所を立ち上げること. <方法>2つの事業所に実施した。①R事業. に比べると費用対効果が高いことから、出前. 所(士別市所在:旭川市から50km、就労継. 研修は国または自治体の事業とし財政基盤を. 続支援B型):平成25年11月から4か月間. 確立することが望ましい。最近、重症児者療. に計9回、Nsのべ11名、PT1名、OTのべ. 育の経験のない事業所や訪問看護ステーショ. 3名、ST1名、保育士1名を派遣した。利用. ンが在宅重症児者支援に参入しているが、出. 予定の4名の在宅重症児者に対して日常ケ. 前研修はこれらの事業所の教育にも有効と考. ア、姿勢保持、関節可動域訓練、呼吸理学療. えられた。. 法、摂食の評価と指導、レクなどの日中活動. <結論>重症児者施設職員による出前研修は. 支援を事業所職員と一緒に実践した。また、. 重症児者療育の経験のない事業所を在宅重症. 彼らが利用する訪問看護ステーション看護師. 児者の日中活動の場とすることができ、有用. も一緒に研修した。②M事業所(枝幸町所. である。. 在:旭川市から130km、就労継続支援B型〉 PT1名、Nsl名を派遣し、すでに利用してい. (本研究は平成25年度厚生労働省重症心身障害児者の地域生 活モデル事業として実施した). る重症児者に対して姿勢保持や摂食、排疾方. 法、オムッ交換、抱きかかえ方法などを事業 所職員と実践した。. <結果>R事業所は独自で運営やケアの提供. −30−.

(32) A-4. 超重症心身障害児短期入所サービスを受け入れる看護師育成の試み. 済生会川口総合病院小児科. ○高久香織、佐藤泰子、高橋かおり、大山昇一、八木橋克美. 【はじめに】当院では、平成22年9月より超. し母親の介護状況や子供の様子を把握し、. 重症心身障害児短期入所サービス(以下「本. この訪問時の情報を共有することで円滑. サービス」と略す)の取り組みを始め、導入. 化に繋げられた。. 4年目を迎えた。開始時は関わる看護師を限. 2確実な技術の提供:特殊な食道塵のパウチ. 定し入所者の安全を第一に対応できるようマ. 交換・胃婁の刺入部のガーゼ交換、在宅用. ニュアルを作成した。今回は、本サービスに. 人工呼吸器の持ち込み物品が各自工夫さ. 関わる看護師を増員し、同じ質のサービスを. れ独創性に富んでいる場合は、母親が作成. 提供できるよう取り組んだので報告する。. した手順書をベースに実施。文書で分かり. 【目的】入所サービスの受け入れ人数が少な. にくい場合は、写真撮影し画像にて統一し. く、症例経験のチャンスが少ない事、病棟の. 安全な技術の提供ができるようにした。. チーム編成や勤務異動・退職者がいることか. 3.看護師が不安なく受け入れができる:不安. ら本サービスの受け入れをできる看護師が限. 要因として医療入院との違いがわからな. 定されていた。本サービスに積極的に関与で. い、家族とのトラブルが不安、自宅にいる. きる看護師を育成する。. 時のように看るのは大変、物品の管理が大. 【方法】. 変などの意見があり、勉強会やカンファレ. 1.年間計画のチーム目標として「本サービス. ンスを開催し、理解できるよう取り組ん. の受け入れ調整ができる看護師の育成」を. だ。現在、看護師が受け入れ調整につい. 掲げ担当看護師を中心に育成チェックリ. て、不安軽減に繋がったかアンケートにて. ストを作成し育成する。. 確認していく予定であり、今後の検討課題. 2育成チェックリストを作成しこれに沿って. である。. 育成、受け入れから退所までの流れに関わ. 【結論】. り習得させ、受け入れ調整ができる看護師. lこの取り組みを続け、チーム全体で受け入. を育成する。. れができるよう努力が必要である。. 【結果】. 2家族の心に寄り添い、看護師の共通した. 1.家族との人間関係を円滑にできる:他院か. らの預かりは、「向こうの病院はこうゆう. サービス提供ができるよう工夫が必要で ある。. やり方はしない」等、技術の手順の違いか ら信頼関係に亀裂が入り家族とのトラブ. ルが生じやすい。そのため初回利用者の場. 合、医師・看護師・MSWで必ず自宅訪問. −31−.

(33) A-5. 退院時支援より考える訪問リハビリテーションの現状と対応策. 筑波大学附属病院. ○石川公久、清水朋枝、鶴巻俊江、岩洲慎也、上野有希子. 筑波大学附属病院リハビリテーション(リ. 折した場合の原因を検証することで、受け入. ハ)部では、20年程前より、保健センターで. れ困難の要因を分析してみた(図1)。根本原. の小児療育相談に参加し、年間10回の小児療. 因は運動処方が不十分であることと、療法士. 育事業を継続している。また、12年前より近. の小児リハ研修の不足と推察した。これに対. 隣の肢体不自由児中心の特別支援学校に教員. してリスクアセスメントを実施(表1)。非常. 指導として年間35回非常勤講師として訪問. に高リスクの中で訪問リハが行われているこ. を開始。現在は年間35回訪問する特別支援学 校が1校追加され、さらに年間3回の訪問校 RO皿趣.中に骨クf. が1校ある。小児リハを専属で実施する療法 士は理学療法士5名で、十分な外来対応がで. ROM珪算蝿. 侍密度が低い. 鷹み剰激、の最 鰐が遥い、. きているとは言い難い。また、茨城県は小児 リハステーション制度をとり、助成金を出す などで、小児リハ施設の拡充を図っているが、. 効果は薄い現状にある。このような中で、学 齢期前の保健師、入学後の教員と連携を図り、. より質の高い療育を提供することを目的に前 述した活動を実施している。この度は、院内 で、退院時およびその後の支援に関わろうと いう活動が活発となり、当部でできることは 何かを検討した。NICUなどから退院する際 図1ROMEx.中の骨折原因. の困難症例の多くは、重度の心身障がい児や、 医療的ケア度の高い児である。このため、訪. 影響解析. 単位業務. る。しかし、訪問看護もだが、特に訪問リハ. エラーモード. を受け入れる施設が非常に少ない。また、病. 合計︵掛け算︶. 問系のサービス調整を行い退院に備えてい. 対. 筆. 発生蔑影響 P. 院と同じようなことが出来ないために、保護. 頻蕊度. 運動処方が不十’1. 斗 K 3 1 ユ. 者が後で断る場合も多い。全国的には療法士. 分難…癖詳細な運動処方. 蝋雷要諦で蔓“…. 数は増加していて、訪問リハ件数も増えてい. ¥鍵…”嬢・”州灘修”. るが、小児リハはこれに当てはまらないよう である。そこで、訪問でのROMEx.中に骨. 表1ROMEx.リスクアセスメント. −32−.

(34) とが判明した。対応策として、運動処方が詳 細に記載されること、小児リハ研修の実施が. 挙げられる。しかし、詳細な運動処方のできる. 小児科医は少ない。往診医も同様と推察する。 現実的対応として、担当療法士が訪問時同行. して在宅で可能な手技とリスクを伝達するこ とが全体のリスクを軽減できると考え、昨年 より同行訪問を開始し、良好な反応を得てい るc. −33−.

(35) A-6 小児在宅医療と生活を支える訪問看護ステーションと. 訪問介護ステーションの在り方を考える "NPO法人NEXTEP訪問看護ステーションステップキッズ、. 2'NPO法人NEXTEPヘルパーステーションドラゴンキッズ. ○石橋直美')、中本さおり')、田中美晴21. 新生児医療の進歩と共に医療依存度の高い. の同時訪問、ヘルパーのみの訪問等、子ども. 子ども達が、在宅へ移行してきている。しか. のケア内容や生活スタイルに合わせ対応して. し、必ずしも医療や介護のサービスを受けら. いる。事業所内では、訪問時の状態報告・ケ. れる環境は整っていない。. ア内容の統一や変更に伴う意見交換・今後の. 当法人は、子どもや家族が笑顔で生活でき. 方向性にむけての関わりかたなど、看護と介. やすい地域を目指すために、平成21年に小児. 護の垣根を越えて活発な会話が日常的にあ. 専門訪問看護ステーションステップキッズ. る。また、定期的なカンファレンスを実施し、. (以下ステップキッズ)を開設した。医療だけ. ヘルパーによる吸引等の医療的なケアの知識. ではなく生活を支援する上で、ヘルパーの役. を向上するために、看護師がヘルパーの教育. 割は大きく、ヘルパーステーションと連携す. をサポートしている。. ることも度々あった。しかし、連携する上で、. 様々な障害をもった子どもたちや家族が地. ①重症児を受け入れる訪問介護ステーション. 域で暮らし、成長発達していくためには、医. が少ない。②看護と介護の情報共有の不足。. 療的なサポートを充実させても生活の基盤を. ③ヘルパーからのタイムリーな看護への報告. 構築するには足らない。ヘルパーのレベル. が少ない。④利用者の成長に伴う支援の変化. アップを含め福祉のサポートを充実させるこ. に対応できない。という問題点が浮上してき. と、そして医療・福祉がしっかり連携し協働. た。看護と介護の連携の難しさは介護保険で. することが、在宅生活を支える確固となる基. も生じるが、小児の場合、訪問看護は医療保. 盤になる。. 今回、事例を交え看護と福祉のあり方につ. 険法、ヘルパーステーションは障害者総合支. いて報告したい。. 援法という制度の違いも根底にはある。それ を踏まえ、訪問看護だけではなく生活面での ニーズにこたえるべく平成24年に小児専門. へルパーステーションドラゴンキッズ(以下 ドラゴンキッズ)を開設した。 ステップキッズ、ドラゴンキッズは同一建. 物に事業所があり、人工呼吸器や在宅酸素、 経管栄養など医療的なケアを必要とする子ど もも含め、平成26年6月現在28名に訪問し ている。看護師のみの訪問、看護師とヘルパー. −34−.

(36) A-7. どこまでみるの、在宅医療 スマイル訪問看護ステーション15年間での終了者から スマイル訪問看護ステーション理学療法士 ○直井寿徳. 【はじめに】小児在宅支援が少しずつ広がって. 紹介します。. きており、小児に向けた訪問看護ステーショ ンも増えてきました。小児を中心に訪問して. またみなさんの介入方法やサポー トの考えを. いるスマイルは来年で15周年を迎えます。. 知りたいと思います。. 開所当初はたった1人の利用者をサポートす ることから始まり、現在では200名以上の利 用者さんを担当しています。. スタッフも20名と増員していますが、徐々に スケジュールを組むのが大変となってきてい ます。. そこで、訪問のあり方やサポートの方向を考. えていくために、スマイル終了者を検索しま した。. 【結果】スマイル15年間での終了者は総数207 名(小児:116名、高齢者:91名)でした。 終了理由は高齢者では死去、救急搬送、入院 が圧倒的に占めており、小児では困っている. ことがない、現状維持可能、他施設が終了理 由になっています◎中には金銭的な理由、誘 越しなど本人の理由ではないことで終了にな ることも小児の特徴ではないでしょうか。. 【見解とまとめ】障害があってもその子とその 家族の生活が成り立っていれば困っているこ. とが無いために訪問でのリハが必要なくなる ことをサービス提供側がきちんと伝えていく ことが必要と考えています。. あくまでも家は生活の場です。不必要に介入 し病院化、訓練室化しないように配慮する必 要があると考えています。. どのように訪問リハを「卒業」したかを症例. −35−.

参照

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