• 検索結果がありません。

乳幼児用繊維製品(衣服及び玩具)に使用されている染料成分中の芳香族第一アミン類の分析調査

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "乳幼児用繊維製品(衣服及び玩具)に使用されている染料成分中の芳香族第一アミン類の分析調査"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

乳幼児用繊維製品(衣服及び玩具)に使用されている

染料成分中の芳香族第一アミン類の分析調査

中島晴信*1 鹿庭正昭*2

We studied the final test analytical method using the GC/MS method for 9 kinds of aromatic primary amines regulated in the EN71 standard of dye components for toys in Europe. Twelve commercially available textile products (toys and infant-toddler clothing) (20 parts of the products) were analyzed by the method. As a result, the amines could not be detected in all the products. This method had sufficient sensitivity as a qualitative analysis method for confirmation. However, it had problems with reproducibility, etc. as a quantitative analysis method, and it was considered that the method needed to be improved for higher accuracy.

キーワード:乳幼児用繊維製品、染料、芳香族第一アミン、欧州規格EN71、GC/MS

Key words:textile products for infant and baby, dye, aromatic primary amines, European Norm EN71, Gas chromatography mass spectrometry

乳幼児は、化学物質に対する感受性が高く、化学物 質暴露には特に留意しなければならない。現在、日本 においては、玩具や乳幼児衣類などに使用されている 繊維製品中の染料に関しては規制がない。ヨーロッパ で は 繊 維 製 品 の 安 全 性 自 主 基 準 と し てOEKOTEX Standardが用いられ、染料の溶出量も規定している1) 特に乳幼児用製品の基準は厳しく定められているが、 分析方法などは非公開である。ドイツでは、ドイツ規 格及びドイツ日用品規制令(LMBG)において、アゾ 染料・顔料などが規制され、分析法など定められてい る。さらに中国でも、繊維製品に使用されるアゾ染料 から生成する24種の芳香族アミンについて国家的に規 制されている。欧州では、EN71「玩具の安全性規制」 の中で繊維製玩具に使用する染料に対して、16種の着 色剤と9種の芳香族第一アミンが規制されている2,3) この規格では初期試験方法から最終試験方法までの分 *1 大阪府立公衆衛生研究所 衛生化学部 生活環境課 *2 国立医薬品食品衛生研究所

An Analytical Survey of Aromatic Primary Amines in Dye Components from Textile Products for Infant and Baby (Clothes and Toys)

by Harunobu NAKASHIMA, Masa-aki KANIWA

析法も公開されている2,3)。我々は、初回試験に該当す るJISの汗に対する染色堅牢度試験(JIS L 0801:2004)4-6) を既に実施した7)EN規格では、初回試験で色落ちし た製品(3級以下)には、最終試験分析法を実施する事 になっている。そこで今回、発ガン性を有するために 規制されている9種の芳香族第一アミン類のGC/MSに よる最終試験分析法を検討し、市販乳幼児用繊維製品 (衣服、玩具)について分析調査を行った。

実験方法

1. 試料 市販の乳幼児用衣服7製品(8部位)、繊維製玩具5製品 (12部位)をGC/MS測定用の試料とした(表1)。 2. 試薬 規制されている9種の芳香族第一アミン類標準品及 び1-ナフチルアミン標準品のCAS番号、製造社名及び IARC(International Agency for Research on Center)によ る発ガン分類基準を表2に示す。2-ナフチルアミンは、 スペルコ社製の1000 µg/mlメタノール溶液を用いた。 その他の標準品は、アセトニトリルに溶解して1000 µg/mlの標準原液を作製した。これを、tert-ブチルメチ

−研究報告−

大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 報 第47号  平成21年 (2009年)

(2)

ルエーテルで希釈して標準液系列を作成した。 アセトニトリル、tert-ブチルメチルエーテルは和光

純薬製残留農薬試験用を用いた。純水はミリポア製超 純水製造装置(逆浸透膜後、イオン交換処理)Milli RO 5plus, Milli Q plusを通過したミリQ水(超純水)を用い た。多孔質珪藻土カラムは、MACHEREY-NAGEL社製 CHROMABOND XTR (70 ml, 14.5 g)を用いた。 表1. 分析した市販製品 No. 製品 素材 色 製造元など 生産国 1 カバーオール 綿100% 赤 (株)ファミリア 日本製 2 ズボン 綿100% 茶 (株)ボブソン 中国製 3 セーター 綿70%、ナイロン15%、毛15% 赤 (株)ボブソン 中国 4 カットソー 綿100% 黒 (株)ボンアミー 中国製 5 カットソー 綿100% 赤 イオン(株) 中国製 6 ズボン 綿100%、ナイロン90%、ポリウレタン10% 黒 (株)アイク 中国製 7 黄 8 赤 9 黄緑 10 緑 11 黄 12 赤 13 黒 14 赤 15 黄 16 茶 17 青 18 赤 19 水色 20 青 中国製 中国製 中国製 中国製 中国製 発売元:(株)タカラトミー ポリエステル、アクリル、 ポリスチレン ポリエステル、アクリル、 ポリスチレン 表示なし ポリエステル 輸入元:日本トイザらス(株) 輸入元:日本トイザらス(株) オーガニック(株) 発売元:(株)タカラトミー タキヒヨー(株) 中国製 ポリエステル100%、綿 95%、ポリウレタン5% 着せ替え人形用の服 ぬいぐるみ カバーオール ぬいぐるみ ぬいぐるみ ぬいぐるみ ポリエステル 他 製 表2. 芳香族第一アミン類のCAS番号、製造会社及びIARC分類 CAS No. 製造会社 *IARC分類

Aniline 62-53-3 フルカ グループ3 o -toluidine 95-53-4 フルカ グループ2A 2-methoxyaniline 90-04-0 アルドリッチ グループ2B 4-chloroaniline 106-47-8 フルカ グループ2B 2-naphthylamine 91-59-8 スペルコ グループ1 Benzidine 92-87-5 片山化学 グループ1 3,3'-dimethylbenzidine 119-93-7 フルカ グループ2B 3,3'-dichlorobenzidine 91-94-1 スペルコ グループ2B 3,3'-dimethoxybenzidine 119-90-4 シグマアルドリッチ グループ2B 1-naphthylamine 134-32-7 関東化学 グループ3

* 1:Carcinogenic to humans 2A:Probably carcinogenic to humans

2B:Possibly carcinogenic to humans 3:Not classifiable as to carcinogenicity to humans 4: Probably not carcinogenic to humans

3. GC/MS装置及び分析条件

GC/MS装置は、Hewlett Packard社製5890 Series Ⅱ Plus型GCに同社製MS検出器(MSD 5972)を装着した ものを用いた。GC用カラムは、GL Science 社製Inert CAP 5 MS/NP(0.25 mmφ×30 m、膜厚 0.25 µm)を 用いた。キャリアーガス流量はHe 0.8 ml/min、注入口 温度は250℃、interface temperatureは280℃に設定した。 カラム温度は、60℃(3 min) -7℃/min - 280℃(4 min) -10℃/min - 300℃(2.58 min)にプログラミングした。 4. 試験溶液の調製 試料(繊維製品)1 gを細切し、50 mlのポリプロピ レン製試験管に量り採った。精製水を15 ml加え、ボル テックスミキサーで30秒間攪拌した。ガラスフィルタ ーで濾過し、ろ液を多孔質珪藻土カラムに注ぎ入れ、 20分間放置し液を吸着させた。カラムにtert-ブチルメ チルエーテル80 ml(40 ml x 2)を加えて溶出させた。 溶出液を100 mlの丸底フラスコに入れ、ロータリーエ バポレーターを用いて50℃で約5 mlにまで濃縮した。 エーテル溶液を10 ml試験管に移し、アルゴン気流下で 1 mlに濃縮し、試験溶液とした。

結果及び考察

1. GC/MS測定法の検討 GC/MS条件は、EN71に記載された条件に準拠し、 GL Science 社製Inert CAP 5 MS/NPを用いて、これら9 種の芳香族第一アミン類の相互分離を検討した。その 結果、相互分離が可能となった。図1にこれら9種のア ミン類10 µg/ml濃度のトータルイオンクロマトグラム (TIC)を示す。また、図2に、これらアミン類10 µg/ml 濃度のマスクロマトグラムを示す。各物質の定量イオ ン(ターゲットイオン)の m/zは図中に記載した。 なお、IARC分類ではグループ1(ヒトに対して発ガ ン性がある)に分類されているため規制対象となって いる2-ナフチルアミンの類似物質として、IARC分類で はグループ3(ヒトに対して発ガン性があるとは分類で きない)である1-ナフチルアミンが検出される可能性 も考えられる。そこで、両物質をGC/MSで測定し、結 果を比較した。これら2物質は少し保持時間が異なり、 マスライブラリーからの判別も異なった。 先に保持時間がある5種のアミン類は、1-10 µg/mlの 範囲で直線性を示したが、1-20 µg/mlの範囲では直線性 を示さなかった。4種のベンチジン類は、1-20 µg/mlの 範囲で直線性を示した。各アミン類の定量イオンによ る直線性のある範囲の検量線(1-10 µg/ml、1-20 µg/ml) を図3に示す。いずれもr2=0.97以上の直線性を示した。 また、10 µg/mlの5回繰り返し注入ではCV=2.7-9.5%の 再現性であった。各物質のピーク面積による変動係数 を表3に示す。これらの物質は注入部位(ライナーなど) の汚れや不活性の低下に影響を受けやすく、注入回数

(3)

しかし、欧州(EN71)における各物質の規制限度値 (action limit)は、5 µg/g (mg/kg)である。今回の操作法に 従って最終試験溶液を1 mlのtert-ブチルメチルエーテ ル溶液にした場合、5 µg/mlの濃度となる。各標準物質 のGC/MS感度から考慮すれば、いずれも定性的には十 分確認可能な感度である。 出限界は各物質により異なっていた。どのアミン類も 40 ng/mlレベルまでは検出できたが、10 ng/mlレベルで は4種のベンチジン類は検出できなかった。これらのア ミン類、特にベンチジン類は、インサート部分やカラ ム中で熱分解し、感度、精度共に良くなかったものと 考えられる。 Abundance 7.42 9.64 11.98 12.53 19.21 27.63 30.19 31.94 32.08 10 (×104) (min) Aniline o -toluidine 2-methoxyaniline 2-naphthylamine Benzidine 3,3'-dimethylbenzidine 3,3'-dimethoxybenzidine 3,3'-dichlorobenzidine 4-chloroaniline 20 0 30 10 15 20 25 30 35 401. 9 種のアミン類のトータルイオンクロマトグラム (10 µg/ml) 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 93.00 (92.70 ~ 93.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 106.00 (105.70 ~ 106.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 108.00 (107.70 ~ 108.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 127.00 (126.70 ~ 127.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 143.00 (142.70 ~ 143.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 184.00 (183.70 ~ 184.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 212.00 (211.70 ~ 212.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 252.00 (251.70 ~ 252.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 50000 100000 150000 Time--> アバンダンス イオン 244.00 (243.70 ~ 244.70): 0101001.D Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance m/z 93 7.42 9.64 m/z 106 m/z 108 11.98 m/z 127 m/z 143 12.53 m/z 184 27.63 m/z 212 30.19 m/z 252 31.94 m/z 244 32.08 Aniline o -toluidine 2-methoxyaniline 4-chloroaniline 2-naphthylamine Benzidine 3,3'-dimethylbenzidine 3,3'-dichlorobenzidine 3,3'-dimethoxybenzidine 19.212. 9 種のアミン類のマスクロマトグラム (10 µg/ml)

(4)

Aniline (m/z 93) 1-10ppm y = 416055x + 59303 R2 = 0.9895 0 1000000 2000000 3000000 4000000 5000000 0 2 4 6 8 10 12 ppm Pe ak A re a o -toluidine (m/z 106) 1-10ppm y = 454184x + 129875 R2 = 0.9885 0 1000000 2000000 3000000 4000000 5000000 0 2 4 6 8 10 12 ppm Pe a k A re a 2-methoxyaniline (m/z 108) 1-10ppm y = 262470x + 78376 R2 = 0.9892 0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000 0 2 4 6 8 10 12 ppm Pe ak A re a 4-chloroaniline (m/z 127) 1-10ppm y = 354172x + 120252 R2 = 0.9887 0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000 3500000 4000000 0 2 4 6 8 10 12 ppm Pe a k A re a 2-naphthylamine (m/z 143) 1-10ppm y = 375439x + 256572 R2 = 0.9806 0 1000000 2000000 3000000 4000000 5000000 0 2 4 6 8 10 12 ppm Pe ak A re a Benzidine (m/z 184) 1-20ppm y = 143450x + 96152 R2 = 0.9913 0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000 3500000 0 5 10 15 20 25 ppm Pe ak A re a 3,3'-dimethylbenzidine (m/z 212) 1-20ppm y = 111940x + 18443 R2 = 0.9789 0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 0 5 10 15 20 25 ppm Pe a k A re a 3,3'-dichlorobenzidine (m/z 252) 1-20ppm y = 61421x + 22984 R2 = 0.981 0 200000 400000 600000 800000 1000000 1200000 1400000 0 5 10 15 20 25 ppm Pe ak A re a 3,3'-dimethoxybenzidine (m/z 244) 1-20ppm y = 41956x - 25066 R2 = 0.9738 0 200000 400000 600000 800000 1000000 0 5 10 15 20 25 ppm Pe a k A re a 図3. 9 種のアミン類の検量線

(5)

3. 各物質のピーク面積による変動係数 (10 µg/ml) m/z SD CV(%) Aniline 93 142067.0 4.5 o -toluidine 106 94340.2 2.7 2-methoxyaniline 108 121132.9 5.6 4-chloroaniline 127 158182.5 5.5 2-naphthylamine 143 300156.9 7.9 Benzidine 184 232614.4 8.9 3,3'-dimethylbenzidine 212 157474.7 7.7 3,3'-dichlorobenzidine 252 96202.7 8.6 3,3'-dimethoxybenzidine 244 71226.9 9.5 2. 試験溶液調製法の検討 試験溶液の調製方法はほぼEN71に準拠した。しかし、 EN71では、水抽出液を「2000 gで15分間遠心分離する」 と記載されているが、この方法では遠心後に布試料が 再度含水するため、抽出水が十分に回収できなかった。 そこで、ガラスフィルターでろ過して、抽出水を回収 することとした。 調製した試料溶液をGC/MS測定したところ、どの試 料からも多くの共雑物質が出現した。特にジ-tert-ブチ ルフェノールが高濃度で検出された。これは、ガラス フィルターで濾過した試料水溶液を多孔質珪藻土カラ ムに吸着させ、tert-ブチルメチルエーテルで溶出させ る操作で汚染されることが分かった。つまりカラムか ら様々な物質が溶出することに起因する。しかし、そ の処理をした溶液中の物質には、各定量イオンへの妨 害はなかった。各アミン類を10 µg添加し、多孔質珪藻 土カラム処理をした場合の回収率を観察した(n=3)。 各アミン類の回収率は、平均35.3~80.6%と物質により ばらつきがあった。各アミン類の回収率を表4に示す。 ベンチジンが38.0%、3,3’-ジメトキシベンチジンが 35.3%と良くなかった。カラムによっても溶出挙動の 違いが見受けられた。 表4. 多孔質珪藻土カラム処理をした各アミン類の回収率 (10 µg添加) m/z 回収率 Aniline 93 80.57% o -toluidine 106 73.27% 2-methoxyaniline 108 78.17% 4-chloroaniline 127 65.89% 2-naphthylamine 143 59.12% Benzidine 184 37.92% 3,3'-dimethylbenzidine 212 51.94% 3,3'-dichlorobenzidine 252 60.58% 3,3'-dimethoxybenzidine 244 35.34% 3. 市販製品の分析 我々は既に市販の乳幼児用繊維製品41製品(62部位) と玩具8製品(15部位)に対し初期試験(染色堅牢度試 験)に、人工唾液による溶出試験8)も加えて実施し、 基準違反(3級以上)製品はなかったものの、乳幼児用 衣服7製品(8部位)から色落ちしたことを報告した7) そこで、それらの7製品(8部位)と、新たに購入した 玩具5製品(12部位)に対して、今回の最終試験を行っ た。 その結果、分析した製品からは、どのアミン類も検 出しなかった。初期試験で3-4級の色落ちがあった試料 No.1のTICを図4に、各定量イオンのマスクロマトグラ ムを図5に示す。試料から検出された物質として、No.19 とNo.20(着せ替え人形用の服)からUV吸収剤である ベンゾフェノンが検出された。 試料No.18に各アミン類10 µg/gを添加し、操作法に 従って添加回収実験を行ったところ、回収率は28.7~ 68.9%(n=3)であった。やはり、各物質により回収率 が異なった。ベンチジンの回収率は28.7%、3,3’-ジメ トキシベンチジンは45.5%と良くなかった。 今回は、試料からアミン類が検出されなかったが、 この方法では全てのアミン類が再現性よく正確に定量 できない。規制限度値付近でこれら物質が検出され、 正確な定量を行う場合には、より精度の高い方法を検 討する必要がある。例えば、内部標準物質を使った方 法9)などを検討していく必要があると考えられる。 Abundance 10 (×104) (min) 20 0 10 15 20 25 30 35 40 18.50 Di-tert -butylphenol4. 試料 No.1 のトータルイオンクロマトグラム

(6)

10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 200 400 600 800 Time--> アバンダンス イオン 184.00 (183.70 ~ 184.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 200 400 600 800 Time--> アバンダンス イオン 212.00 (211.70 ~ 212.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 200 400 600 800 Time--> アバンダンス イオン 252.00 (251.70 ~ 252.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 200 400 600 800 Time--> アバンダンス イオン 244.00 (243.70 ~ 244.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 1000 2000 3000 4000 Time--> アバンダンス イオン 93.00 (92.70 ~ 93.70): 0101001.D 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 1000 2000 3000 4000 Time--> アバンダンス イオン 106.00 (105.70 ~ 106.70): 0101001.D 6.98 18.48 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 1000 2000 3000 4000 Time--> アバンダンス イオン 108.00 (107.70 ~ 108.70): 0101001.D 8.74 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 1000 2000 3000 4000 Time--> アバンダンス イオン 127.00 (126.70 ~ 127.70): 0101001.D 10.20 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 0 1000 2000 3000 4000 Time--> アバンダンス イオン 143.00 (142.70 ~ 143.70): 0101001.D Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance Abundance m/z 93 m/z 106 m/z 108 m/z 127 m/z 143 m/z 184 m/z 212 m/z 252 m/z 244

結 論

欧州における玩具中染料の規制規格EN71の中で規 制されている芳香族第一アミン類9種のGC/MS法によ る最終試験分析法を検討した。そして、その方法で、 市販の繊維製品(乳幼児用衣服、玩具)12製品(20部 位)の分析を行った。その結果、全ての製品からこれ らアミン類は検出しなかった。この方法は、定性分析 には十分であるが、定量分析法としては、さらに改良 する必要があると考えられる。

謝 辞

2-ナフチルアミン標準品の分与及び中国での規制情 報(分析法など)をご提供頂きました国立医薬品食品 衛生研究所療品部伊佐間和郎室長と河上強志博士に深 謝いたします。

文 献

1) エコテックスについて,(財)日本染色検査協会 エコテックス事業所発行・編集,東京(2004) 2) 河村葉子,高野忠夫,津田 博:「乳幼児用玩具 の規格基準に関する研究」,平成17 年度厚生労働 科学研究分担研究報告書(食品の安心・安全確保 推進研究事業) 3) 小瀬達夫,岡田弘毅:平成 17 年度厚生労働科学 研究「乳幼児用玩具の規格基準に関する研究」付 属文書(欧州規格EN 71-10 及び EN-11 最終原案), p.160-208 4) (財)日本規格協会:染色堅ろう度試験方法通則 JIS L 0801:2004,東京(2004) 5) (財)日本規格協会:汗に対する染色堅ろう度試験 法 JIS L 0848:2004,東京(2004) 6) (財)日本規格協会:計器による変退色及び汚染の 判定方法 JIS L 0809:2001,東京(2001) 7) 中島晴信,高塚 正,鹿庭正昭:人工汗・唾液に よる乳幼児繊維製品(玩具及び衣類)からの染料 成分の溶出挙動、大阪府立公衆衛生研究所報告, 46,97-102(2008) 5. 試料 No.1 のマスクロマトグラム 8) (財)日本規格協会:歯科用金属材料の腐食試験方 法 JIS T 6002:2005,東京(2005) 9) 中華人民共和国国家品質監督検査検疫総局 中 国国家標準化管理委員会:繊維製品 使用禁止ア ゾ染料の測定,中国標準出版社出版・発行,北京 (2006)

参照

関連したドキュメント

第 98 条の6及び第 98 条の7、第 114 条の 65 から第 114 条の 67 まで又は第 137 条の 63

システムであって、当該管理監督のための資源配分がなされ、適切に運用されるものをいう。ただ し、第 82 条において読み替えて準用する第 2 章から第

注意: 条件付き MRI 対応と記載されたすべての製品が、すべての国及び地域で条件付き MRI 対応 機器として承認されているわけではありません。 Confirm Rx ICM

計量法第 173 条では、定期検査の規定(計量法第 19 条)に違反した者は、 「50 万 円以下の罰金に処する」と定められています。また、法第 172

・条例第 37 条・第 62 条において、軽微なものなど規則で定める変更については、届出が不要とされ、その具 体的な要件が規則に定められている(規則第

第二の,当該職員の雇用および勤務条件が十分に保障されること,に関わって

保安規定第66条条文記載の説明備考 (3)要求される措置 適用される 原子炉 の状態条件⑧要求される措置⑨完了時間 運転

第一五条 か︑と思われる︒ もとづいて適用される場合と異なり︑