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省力・省エネルギーを指向する都市型熱供給プラントの運用システム

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Academic year: 2021

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(1)

特集

都市開発に貢献する高度情報インフラストラクチャ

省力・省エネルギーを指向する都市型熱供給プラント

の運用システム

OperationSystemotEnergySupplyPlantforUrbanArea

坂内正明*

肋∫〟〟ん∼/ブ`榊7"才 堀

嘉成**

i′1バ/z才′∼〟7イ仙γ∼ 外気条件 需要家特性 転 支

吉岡正博***

肋ゴ〟ん7r√Jyり∫/z才√血

柿沼元子*

n`ん才ん(ノ〟〟仙∼`′′∼√′ 熱需要予測

藁塩

予測 の修正 ●需要家の増加 ●過去にない暑さ,寒さ

目的=巨垂亘亘亘亘∃

蓋し基●

気温,温度

鞘=(二重夏至五重亘)

運 転 計 画 蓄熱計画3 蓄熱計画2

目的二[二重垂亘二]

手段: 短時間での計画作成手法の開発

運転く>

省力・省エネルギー化 / 未利用熱 電 力

/

燃 料 ネルギープラン ヒートボン70 ポイラ 冷 水

温;

水; 吸収式冷凍機 ト 蒸 気 l 熱源機器 熱交換器 蓄熱槽 蓄熱槽 ▲▲T一 一 =+ 冷熱 熱 温 【] []□ [] □[]Dロロ ロ【] [] [] □ 需要家 [] □ロ ーD 【〕[】 [] 口□□□ [] ロ ロ ロ ロ[】【u[一 都市エネルギープラントの運用 都市の開発が進み,熱供給プラントが複雑になるに従い,省力・省エネルギー化は,熱供給事業者にとって緊急の課題となってきた0

都市部の熱負荷は,年々増えるビル群や気候など

の外的要因によって変動するがその都市に冷熱・温

熱を供給するプラントの運転は,熟練運転員が個人

のノウハウによって行っているのが実情である。し

かし,ビルが増えたり気象記録にないほどの暑さと

なると,経験だけでは効率の良い運転ができないお

それもある。また,プラントもエネルギー源の多様

化,蓄熱槽導入による系統の複雑化によってその運

転も複雑になってきた。

このような背景からプラント運転時の熱負荷の予

測精度向_l二のために,ビルの負荷特性や外気のエネ

ルギー特性を収り入れ,ニューロモデルと物理モデ

ルを融合した予測モデルを開発した。

また,蓄熱槽が入った系統の短時間での運転計画

作成のために,生物の進化の過程を模擬した遺伝ア

ルゴリズムを用いた技法を開発した。この技法は,

計画作成に要する時間を従来の動的計画法に比べ去

に短縮することができる。

省力・省エネルギーを目的として,この予測モデ

ルと計画作成技法を東京ガス株式会社新宿地域冷暖

房センターに納入済みの熱供給プラントなどに適用

することを目指している。

*1トナ製作所システム事文部 **Fl上製作所 L】屯研究所 ***H、Ⅰ仁製作所大みか卜場 21

(2)

634 日立評論 VOL.76 No.9(1994-9)

n

はじめに 都市の熱供給プラントの運転は,主として運転員の勘

と経験によって行われているのが実情である。しかし近

年のプラントは未利用エネルギー導入によるエネルギー

源の多様化,電力負荷平準化のための蓄熱槽導入などに

よって複雑になり,熱供給の需要家も景気の変動ととも

に増減するなどして外的条件が変化することも多い。こ れらの理由により,熱供給プラントを高効率に運用する ことがますます難しくなってきた。 熱供給プラント運用の最大の課題は,熱負荷予測1)の 精度向上と短時間での運転計画立案である。 ここでは熱供給プラント運用の高効率化(省力・省エ ネルギー化)を実現するために日立製作所が開発したニ

ューロと物理モデルによる高精度熟負荷予測システム

と,遺伝アルゴリズム応用短時間蓄熱運転計耐こついて 述べる。

8

熱供給プラント運用システムの概要

熱供給プラント運用システムは,プラント内の熱源機

器,蓄熱槽,コージェネレーションや補機設備の運用の

省力・省エネルギー化を推進するための熱需要予測機 能・運転計画機能を搭載したものである。 プラント運用システムをEIC(電気・計装・計算機)制 御統合システムHIDC-AZによって実現するシステム構 成例を図1に示す。プラントとの入汁.力・制御を行うコ ントローラPCSは,統合化制御LANによってプラント 内の各所に分散設置できる。需要予測・運転計画機能・ ヒューマンインタフェース機能とともにPOCCに搭載さ れる。 また,需要予測に用いるニューラルネットの構築,学 習などのオフライン処理はワークステーションで行い, 機能分散を図っている。

物理モデルによる予測手法

R_、ウニ製作所は東京ガス株式会社と共同で過去に経験の

ない熱負荷を精度よく予測するため,ニューラルネット で得られた熱需要パターンを修正する,物理モデルによ る予測手法を開発した。 ニューラルネットによる熱需要予測では,過去のデー タを基に学習するため,需要家噌などによる過去経験の

ない需要変動に対して予測精度が低 ̄Fするという弱点が

ある。このニューラルネット応用熱需要予測に,大気条 22 機 能 システム構成

l需要予測l

運転計画】

匡】ワーク

ス丁-ソヨン 情報LAN 状態監視・記録 故障監視・記録 帳票印字 機器操作

プ享三去†

l運転計画

運転員 き…彗妻≡ CRT70リンク 統合化制御LAN POCC 起動・停止指令出力 DDC シーケンス制御 PCS I PCS †

_J______…___+__し_________

注二略語説明 DDC(DirectDigitalControり POCC(ProcessOperation'sConsoleController) PCS(ProcessControIStation) 図l都市エネルギープラント運用システム構成例 監視制御機能と需要予測・運転計画機能とでハードウェアを分 離し,機能の分散化を図っている。 件を考慮する物理モデルによる予測修正機能を追加した 熱需要予測処理フローを図2に示す。入力された最高・

最低気温などの予報値が,それまで学習した範囲から外

れている,すなわち未経験データの場合,ニューラルネ ットで得られた熱需要パターンのピークを,物理モデル によって求めた1[jのピーク負荷に合致するよう熱需要 パターンを修正する。 物理モデルによる予測修正が必要となるのは,以下の 場合である。 (l)気象記録がないほど著し一日・寒い日を迎える場合 (未経験の外気条件) (2)新しいビルが需要家として加わった場合(需要家数 の増減)

(3)季節の変わり目,空調開始・停止時期を迎える場合

これらの場合での,物理モデルによる熱負荷の予測手

法を図3に示す。図2に示す履歴データが慧冨な領域④

には,熱予測に従来と同様ニューロモデルを通用し,履 歴データが乏しいかあるいはほとんどない領域⑧,⑥, ⑳には,物理モデルを加味して予測する。

(3)

省力・省エネルギーを指向する都市型熱供給プラントの運用システム 635 \ 開 始 125,000 100,000 き 三75.000 捏 収 蔵50、000 25.000

/て■

新需要豪増 r O

\卦

g0 0

1

実績値 ゆ

ぺ、

・月 20,000 40,000 60,000 80,000

翳目

(要盃)

外気エンクルピー(+/kg) 夏 季 中間期 領 域 熱需要家 外気条件 予 測 手 法 仏) 不 変 実績あり ニューロモテル し邑〉‥・=・ 実績なし 物理モデル(最大負荷)とニューロ モデル(負荷パターン)の融合 しe〕--= 増加 または減少 実績あり L♪ト=℡nり伽 実績なし 図2 熟需要予測処理フロー 物理モデルによる予測修正は,未経験負荷予測時に機能を発揮 し,予測精度を向上させる。

道伝アルゴリズム応用蓄熱運転計画

熱伏毒たプラントの最適運転計何とは,使用するユーテ ィリティ(電気,ガスおよび水)の使輔呆の合計値を最小

にすることである。特に蓄熱槽を含むプラントの遵奉云方

子よは多様なケースが考えられるため,最適計蜘決定には

数時間も要することが多かった。 蓄熱計内を短時間に作成するため,「′卜物の進化の過 程を模擬した最適化技法+である遺†云アルゴリズム2)を 応川した計画手法を開発した。その概要を図4に示す。 まず,蓄熱言卜両を染色体と呼ばれる一次元の配列で表 卑ユし,あらかじめ複数ケース作成する。そして,その計 何に従ってプラント運転を行った場合の運転コストを計 算し比較評価する。コストが小さい計所を増殖(複製) し,コストが人きい計由を淘汰(とうた)(削除)する「選 択+や,交差,突然変異という方法で新しい計蜘を作成 する「組替え+といった操作を繰り返すことにより,運

転コストが最小となる最適な蓄熱計由を作成する。

一般に遺伝アルゴリズムでは,計画を組み替える際 に,どの部分を組み替えるかをランダムに決定する。し かし,ここでは冷・温熱発牛のコスト偵単位を指腰とし

たルールを川い,人為的に組替えを操作しているので,

』予報値

入力 翌日の熱需要予測

(孟訂ラルネット)

外気条件 外気条件 物王里モデル 領域  ̄ ̄r ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄刀 _′二L________′11 -1 :組み合わせモテル器機:・

:≡(告莞莞諾意)至書

ニューロ予測領域 (実績データあり) 需要家数 その他の要因

儲蒜酢り乱)

予報値は 学習データの 範囲内か? YES

終 了 需要予測の修正機能 NO 物理モデルにより ピーク負荷算出 需要パターン補正

丁二二二二二ニン1

11 ビルの形態別こ: 物理モデル:: 領域 -: -ノ′ 図3 物理モテリレによる予測 需要家の増加や過去にない暑い日(寒い日)では,物理モデルに 基づいて予測を行い,予測精度の向上を図る。 短時間での計両作成が吋能となる。 あるプラントを対象に,熱需要量を仮定し,運転費の シミュレーションを行った。従来のDP法(動的計画法)3) では,厳密に運転コストが最′トとなる最適解を求めるこ とができるが,計算に120分を要する。そこで,遺伝アル ゴリズムをルールなしでそのまま用いる場合と,ルール を川いて組替えを行う場合の作成時聞を比較した。最適 繰り返L ノレーノレ 蓄熱計画(染色体) 初期 蓄熱計画

藍≡

転ス価 運コ評

八∨

選択 組み替え 増殖 コスト小 コスト大 淘汰 うた) (と

説Ln7鮒詣

新しい 蓄熱計画

]〓叩

◇′

貴凄計画 図4 遺伝アルゴリズム応用蓄熱運転計画の概要 生物の進化過程を模擬した最適化技法である遺伝アルゴリズム を,熱供給プラントの蓄熱運転計画に適用し,短時間での計画立案 を図る。 23

(4)

636 日立評論 〉0し,76 No.9(19949) 需要予測から運転までの基本フロー 効 果 予測精度の向上 未経験の領域の予測可能 熱需要予測

鈍くb

負荷修正 ロジック 二.ユーロ 学習 履歴 データ (学習剛

甘予測修正用

データ

(芸話芸芸 ̄)

エネルギープラント の運転計画

(農芸与雪空卜)

(二重〕

、盲蒜

さb

遺伝アルゴリズム応用 蓄熱運転計画

熱源機器, 蓄熱槽データ エネルギープラント の運転 プラント負荷データ エネルギープラント

Eコ

計画作成時間短縮

(従来比去)

緊急時の迅速な運転支援 省エネルギー 運転コスト最小化 むだな運転の排除

解との運転コストの差が0.5%以内を目標とすると,前

一石は25分,ルールを用いた後者は12分となり,後石では

DP法に比べ処理時間を去に短縮することができた。以

卜により,ルールを用いた遺伝アルゴリズムの手法は,十 分実運転計両に用いることができるとの見通しを得た。

運用システム導入による効果

ニューロを応用した熱需要予測は,過去経験したデー タをベースとした予測手法である。1勿理モデルによる予 測手法をこれに加えることにより,予測精度の向1二が図 れ,未経験の負荷領域でもあたかも経験したかのように

予測が行える。また,短時間で蓄熱運転計痢が作成でき

るので高効率・省力運転を実現できる。さらに急激な外 乱発咋や,プラント機器側の緊急停止などの事態が生じ ても,運転計画を容易に修正できるので,運転に柔軟な 対ん占ができエネルギーの了良質を避けることができる。 図5 運用システムの基本 フローと導入による効果 高精度の熟需要予測と運転 計画を一元化することにより, 柔軟なプラント運用が可能に なる。 熱需要予測と運転計痢を一元化することによI),初め

て省力が可能になる。運用システム導入による効果を

図5に示す。

おわりに

ニューロによる熱需要予測の弱一たとされる実綽データ

がない新設のビルの負荷を,全体の熱負荷に精度よく追

加する予測モデルを開発した。また,蓄熱槽を含む複雑

なプラントの連用計画を短時間で作成する技法を,遺伝

アルゴリズムを用いて開発した。 プラントの運転は,外的条件が変軌しても自動的に対 応することが理想である。

什立製作所は,今後も熱供給プラント運糊の自動化,

無人化を目指して技術開発を進めていく考えであり,東

京ガス株式会社新宿地域冷暖房センターに納入済みの熱 供給プラントへ本モデルの迫川を目指している。 参考文献 1)小原,外:ニューロ応川嵩 ̄安子iHlはと熱供給プラントの 適川,1=せ二評論,75,2,141∼144(平5-2) 2)J.H.H()11and:AdaptationinNaturalaIldArtificial 24 SystelllS,Univ.MichiganPress(1975) 3)伊丸 外:コージェネレーションの最適計画,産業l渕こ芳 (1990)

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