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水力施設の防災・維持管理技術

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Academic year: 2021

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(1)2 主要な研究成果 プロジェクト課題 - 設備運用・保全技術の高度化. 水力施設の防災・維持管理技術. 背景・目的. 主な成果. 電力会社が所有する水力施設では、建設後. 本課題では、水力施設の主要構造物である. 50年以上経過した高経年施設が増え、これ. ダム本体とダムゲートを対象として、大規模. らを適切に維持管理し、運用していくことは、. 地 震 時 の 安 全 性 確 保 の 観 点から、経 年 劣 化. 電力安定供給や再生可能エネルギー利用の. や 損 傷 の 程 度を考 慮した 耐 震 性 能 評 価・解. 観点から重要である。近年、河川・ダム貯水池. 析法を構築する。また、水力施設の防災と効. 周辺の森林を取り巻く環境が変化しており、. 率 的 運 用に資 する土 砂 管 理 技 術として 、ダ. 施設環境の保全(周辺地山の土砂管理など). ム上 流 域での 土 砂 発 生 要 因を明らかにした. が重要な課題となっている。加えて、地震や. 上で、河川・貯水池内での土砂の挙動を監視. 降雨による自然災害の増加・巨大化が施設の. する技術や土砂堆積・濁水を簡易に予測する. 運用に大きな影響を与えている。. 解析モデルを開発する。. 1. ダム堤 体・ダムゲートの 耐 震 性 能 評 価・解 析 法 の 構 築. 重力式ダム堤体着岩部近傍の破壊を想定. 残存する耐荷性能の関係を把握することによ. する模 型 実 験 を 実 施し、解 析 によりそ の 再. り、重力式ダムの地震時安全性を評価する考. 現 性を検 討して、堤 体や 基 礎 岩 盤 等 の 損 傷. え方を構築した[N11026]。また、ダムゲート. を扱う非線形有限要素解析手法を開発した. の大規模地震に対する安全性照査の考え方. [N11025]。 この手法を用いて実規模ダムの地. と解析事例を取りまとめた。. 震応答解析を行い、堤体の損傷状況(図1) と. 2. 森 林にお ける土 砂 発 生 要 因 を 明らか. 林 情 報や 地 形・地 質 情 報を組 み 込 んだ流 域. に す る た め に 、雨 滴 の 運 動 エ ネ ル ギ ー. 環 境 デ ータ ベ ー ス[ V 1 1 0 0 3 ]と水 循 環 解 析. [ V 1 1 0 0 1 ]、雨 滴による土 壌 剥 離 、土 壌 面を. コードと組合せて、ダム貯水池内に流下する. 流 下する雨 水( 表 面 流 )、土 壌 流 出を同 時に. 土 砂・濁 水 の 解 析に活 用 できる。さらに、大. 観測できるシステムを構築した。林床被覆に. 量の土砂発生要因となる斜面崩壊における. は土壌剥離と表面流の両方を抑制する効果. 土 壌 中 水 分による危 険 度を把 握 するため 、. があり、それによって土壌流出量が低減され. 豪 雨による土 壌・地 下 水 の 浸 潤 状 況を再 現. るプロセス(図2)を明らかにした[V11030]。. しながら斜面の安定度をシミュレーションす. 本 結 果は、荒 廃 林 地や伐 採 放 棄 地 などの 森. る解析手法を構築した(図3)。. 3. 42. 土砂発生要因の解明. 河 川・貯 水 池における流 動・堆 砂 評 価 手 法 の 開 発. 全 地 球 測 位システム( G P S )と超 音 波ドッ. た( 図 4 )。また 、実 用 性 を 確 認した 降 雨・出. プラー流速分布計を用いた移動式 の 観測. 水 予 測システムに河 道 内 濁 質 流 動・堆 積 解. システム を 開 発し、従 来 、観 測 装 置 の 設 置. 析コ ードを 結 合し、ダ ム 貯 水 池 や ダ ム 下 流. が 困 難 な 場 所にお いて、急 な 流 れの 様 子や. 域 の 洪 水・土 砂 管 理 を 安 全に行うため の 統. 土 砂 の 堆 積 状 況を観 測できることを確 認し. 合予測システムの開発を進めた。.

(2) 図1 重力式ダムの地震時損傷に関する解析結果 堤 体 、着 岩 部 、基 礎 岩 盤 の 損 傷を考 慮した非 線 形 地震応答解析を実施した。ダム堤体の特徴に応じ て 地 震 時 の 損 傷 形 態や 程 度を評 価 することが で きる。堤 高 1 0 0 m の ダ ムでは 堤 体 頂 部 の 応 答 が 卓越して、そこでの 損 傷 が 顕 著となり、堤 高 5 0 m の ダ ム で は 堤 体 の 応 答 は 小 さく、基 礎 岩 盤 で の 損傷が顕著となる。. 図2 土砂流出量観測システム 手入れがなく荒廃し、土壌が剥きだしとなっている 斜面の増加による、濁水や土砂流出量の増加が懸 念されている。15ヶ月間の観測の結果、土壌が剥 きだしの斜面では、土壌流出量は林床被覆がある 斜面の15.6倍に上った。雨滴の運動エネルギーと 土壌の剥離、表面流とともに流下する土壌を同時 に観測できるシステムを開発したことにより、斜面 からの土砂流出量の定量評価が可能となった。. 図3 斜面におけるすべり安定性の評価事例 斜面を対象に、想定豪雨を与えたときの斜面内部の浸 透流を解析するとともに、浸透流による水分量変化を 考慮した斜面安定解析により、せん断ひずみが卓越し てすべり破壊を生じる箇所を把握した。図から、降雨 の斜面への浸透深さと、斜面内部のすべり破壊の箇所 とが概ね一致していることがわかる。. 図4 移動式流動堆積場観測システム 左図は、移動式流動堆積場観測装置を用いた水力発電 所取水堰での観測の様子である。右図は、流れ方向の 鉛直流速分布と河床高の観測結果である。. 43.

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