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高温金属材料の非接触温度測定へのレーザー超音波法の適用

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

高温で運転される電力発電設備の熱劣化状態の検討などのために機器・部材の熱解析が行われているが、解 析結果の検証には当該部分の温度分布の実測値が必要となる。通常、温度測定には熱電対が用いられるが、温 度分布の測定には多数の熱電対が必要となるため、測定点数に制限が生じる。よって、高温部品の任意箇所の 温度を非接触で測定できる技術が必要である。これまでに表面探傷などに用いられてきたレーザー超音波法が 温度測定に適用できれば高温金属材料に対し、非接触で任意箇所の温度測定が可能となる。

目 的

レーザー超音波法により高温金属材料の温度測定を実施し、その適用可能性を明らかにする。

主な成果

1.金属材料温度測定装置の開発 高温金属材料にレーザーを照射して試料表面又は内部に超音波を発生させ、励起点から一定の距離をおい た測定点における超音波波形を二光波混合型干渉計* 1 によって測定するレーザー超音波装置を構築した(図 1)。二光波混合型干渉計を用いることにより、従来のレーザー干渉計が適用できない非研磨の試料表面や部 分的に酸化した試料表面においても超音波波形の測定が可能となった。 2.金属材料中超音波伝播速度の温度依存性 代表的な金属材料である SUS316 の試料について、温度を室温から 700 ℃の範囲において変化させながら レーザーによって励起した超音波波形を測定した結果、表面波、縦波、モード変換波* 2 、横波が観測され (図 2)、以下が明らかとなった。 (1)試料裏面から反射した縦波と横波は試料表面の影響を受けないことから、それらの伝播速度の温度依存 性を正確に捉えることが出来る。SUS316 の場合、伝播速度は温度に対しほぼ線形に変化した(図 3)。 このことから、本結果を校正曲線として用いることにより伝播速度から温度が算出可能であることが分 かった。また、タービン等に用いられている 9-Cr 鋼についても同様の結果が得られた。 (2)試料表面を伝播した表面波は、波形が表面の酸化などによって大きく変化するため、その伝播速度の温 度依存性を正確に捉えることが困難である。 以上の結果から、レーザーによって励起された縦波と横波の伝播速度を把握することにより高温金属材料 の温度測定が可能であることが分かった。

今後の展開

高温金属材料に温度勾配が存在する場合の本手法の適用可能性について検討を行う。 主担当者 電力技術研究所 高エネルギー領域 上席研究員 福地 哲生 関連報告書 「鋼材料の非接触温度測定へのレーザー超音波法の適用」電力中央研究所報告: H06012 (2007 年 6 月) 92

高温金属材料の非接触温度測定へのレーザー超音波法の適用

* 1 :二光波混合型干渉計:試料へ照射するレーザー光と試料からの反射光を特殊な結晶内で干渉させ、試料表面変位 を測定する装置。従来のレーザー干渉計に比べ、粗面でも測定が可能、機械的振動の影響を受けない、感度が高 いなどの利点を有する。 * 2 :モード変換波:試料裏面における反射において縦波が横波に、又は横波が縦波に変換された波。

(2)

6.化石燃料発電/先進保守技術

93 図1 高温金属材料測定実験装置の構成 図2 SUS316試料の超音波伝播波形 図3 超音波伝播速度の温度依存性 レーザー超音波装置は高温金属材料に レーザーを照射した際に発生する超音波 の波形を二光波混合型干渉計によって測 定する。温度校正部は超音波伝播速度の 校正曲線を得るために付加したもので、 通常は用いない。 室温∼700℃の範囲において得られた超音波波形および測定された超音波(表面波、裏面反射 波)の比較。裏面反射波は表面変化に起因するばらつきが小さく、伝播速度の正確な算出が 可能である。一方、表面波はばらつきが大きく、伝播速度の正確な算出が困難であった。 SUS316中を伝播する縦波および横波 の伝播速度の温度依存性の測定結果。 本結果を校正曲線に用いることによ り、測定された超音波伝播速度から温 度が算出できる。

参照

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