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【目次】
Ⅰ章 研究の目的 1節 研究の背景 2 節 研究の目的 Ⅱ章 研究の方法 1 節 調査対象 2 節 質問項目 Ⅲ章 調査結果 1 節 聴き取り調査結果 2 節 調査結果の分析 Ⅳ章 まとめ Ⅴ章 今後の展望 参考文献Ⅰ章 研究の目的
1 節 研究の背景
私はこれまでの教員生活のほぼ半分を、児童数 100 名 以下の小規模校に勤務してきた。それらの学校では、地 域住民に卒業生が多く、学校への関心が高かった。運動 会や学習発表会などの行事には、保護者、祖父母さらに は地域住民も参加していた。また、学校外での子どもた ちの様子に気を配ってくれる人も多く、地域全体で子ど■研究生による研究成果報告
学校と地域のさらなる連携を目指して
−学校と公民館・生涯学習センターとの連携に関する調査から考える−
Promotion of Additional Linkage between School and Community
− A Survey of Collaboration of School with Community and Lifelong Learning Center −
櫻井 秀樹
※Hideki SAKURAI
※ 芳賀町立芳賀北小学校 もたちを見守ってくれていた。私たち教職員も地域の学 校に対する期待を感じながら勤務していた。このような 地域性もあり、学校では保護者や地域住民の協力を得な がら、教育活動を行うことができた。 現在の勤務校は、平成 15 年に 2 つの学校が統合され てできた学校である。開校当時は、2 つの地域の融和が 難しかったが、時間の経過とともに保護者同士も打ち解 けて、地域の学校として認知されるようになってきてい る。 学校と地域の関係は、学校の規模によって決まるわけ ではないが、現在の学校が、小規模校のときと同じよ うな地域とのつながりをもてているのかを考えるように なった。そんなときに社会教育主事講習を受講する機会 を得た。 講習を経て、社会教育主事有資格者になり、率先して学 校と地域の連携に取り組むべきであったが、学校と地域 の連携についてまだ分からないことも多く、どのように 進めていけばよいのか明確になっていなかった。そこで、 この内地留学の機会に、「学校と地域が連携するとはどう いうことか」、「自分が勤務する学校がどのように連携し ていけばよいのか」を明らかにしていきたいと考え、こ のテーマを設定した。2 節 研究の目的
栃木県総合教育センターと宇都宮大学生涯学習教育研 究センターが平成 19 年度にまとめた「公民館と学校の 連携に関する事例調査研究報告書」を読むと、県内外の 公民館、生涯学習センターが地域住民の学習や活動の支 援を行うだけでなく、学校と連携して子どもたちの教育 活動を行っていることが分かった。そこで、現在各市町ウ 地域コーディネーター連絡会議 各学校の地域コーディネーターが地域内の活動の充実 を図るために行っている会議である。コーディネーター 同士の情報交換や学校支援ボランティアに関する情報交 換を行っている。 ④学校、地域コーディネーターについて ア 学校コーディネーター 市内各小中学校に 1 名配置されている。学校支援ボラ ンティアについての教職員の要望をとりまとめ、地域コー ディネーターにボランティアの派遣を依頼し、ボランティ アを受け入れる学校側の窓口となる。 イ 地域コーディネーター 地域教育協議会の推薦で選出され、各地域に数名配置 されている。学校のニーズを把握して、学校の求めに応 じた学校支援ボランティアを派遣する役目をもっている。 ⑤学校支援ボランティアについて 学校支援ボランティアとして、学校・地域コーディネー ターの要請に応じて活動を行う。 (3)アシストネットで取り組んだ内容について ①内容 各学校では、平成 24 年度に次のようなことを支援し ていただいた。かけ算九九のテストやプリントの採点な どの学習支援、昔の暮らしや遊び、野菜や米の育て方な ど体験をともなう活動やカッター、ミシンの使い方、校 外学習の引率、登下校時の見守りなど安全に配慮する必 要がある活動、総合的な学習の時間の活動や学校の環境 整備などである。 ②役割分担 ア 生涯学習課 学校と地域がうまくつながりを持てない場合の支援や 校内研修会への社会教育主事の派遣などを行っている。 イ 公民館 教育支所及び公民館が、エリアで行う事業の事務等を 行っている。また、学校と地域を結ぶつなぐ役割をもっ ている。 ウ 学校 学校コーディネーターから地域コーディネーターへ依 頼し、学校支援ボランティアの協力を得る。 (4)成果と課題 (成果) ・平成 24 年度の学校支援ボランティア活動回数は 3,623 回で、延べ人数は 18,652 人となる。毎週全ての学校で、 ボランティア活動を行っていることになる。 ・各学校の要請に応じて、社会教育主事による校内研修 会を実施したり、教育委員会事務局が主催して、学校 コーディネーター研修会を開催したりすることにより、 教員の理解が進んできている。 ・学校が地域住民を招いて行事を行うと、以前より多く の人に参加していただけるようになった。 (課題) ・教育委員会事務局が中心に展開してきたので、学校は 協力的になったが、公民館は支所業務があり、役割を 十分に果たせていないところもある。今後はこれらの 公民館と学校をつないでいくことが課題となる。 ・現在、公民館職員に対する研修会は行っていない。教 員の研修会だけでなく、公民館職員の研修会も行う必 要がある。 ・今後、学校が地域に対して貢献活動を行うことも考え ていく必要がある。 ・ボランティアとして学校に来ていただいた地域住民同 士の絆がつくれるよう、学校内にボランティア控え室 を設置していく必要がある。 (西方公民館) (1)西方地域アシストネット本部の組織について ①地域教育協議会 学校長、公民館長、地域コーディネーター、自治会、 PTA、こども会育成会代表など 15 名で構成されており、 西方地域アシストネットの活動方針や成果と課題などに ついて話し合っている。 ②地域コーディネーター連絡会議 西方エリアは、学校数が少ないので、学校ごとに学校長、 学校コーディネーター・地域コーディネーター・公民館 と担当教員を交え、具体的な打合せ会を行うことにして いる。 ③公民館の役割 公民館には大きく2つの役割がある。1つめは環境づ くりである。学校やコーディネーター、地域の方が活動 しやすいような仕組みづくりとボランティアと地域コー ディネーターの居場所づくりである。2つめは活動支援 である。学校と地域コーディネーター間、学校間、コーディ ネーター間の連携・協力を図るための連絡調整を行う役 割を持っている。 (2)アシストネットで取り組んだ主な内容について ①西方小学校 ・入学間もない1年生の帰りの準備を支援 ・ダンスクラブと運動会の表現種目の指導 ②真名子小学校 ・ふるさと交流会 ・日光和楽踊りのお囃子指導 の公民館、生涯学習センターと学校がどのように連携し ているのか調査を行い、地域と学校の連携がどのような 考え方と方法で進められているかのかを明らかにしたい。 さらにそれを基にして、芳賀町でできる連携の方法を検 討し、提案したい。
Ⅱ章 研究の方法
1 節 調査対象
下記の地域の生涯学習課や公民館、学校を対象として 聴き取り調査を行った。 栃木市は「とちぎ未来アシストネット」という事業を、 足利市は、「学校ボランティア出前市」という事業を行っ ている。これらの事業がどのように行われ、公民館がど のような役割を果たしているか明らかにするために調査 対象とした。 下野市には、「生涯学習情報センター」という施設があ る。公民館とも生涯学習センターとも違う名称にどのよ うな意味があるのか、その機能にも違いがあるのか興味 をもち、選定した。 日光市落合地区では、「緑が丘ふれあい交流会」という 学校と地域と公民館が連携したイベントを開催している。 そのイベントに興味をもち、選定した。 栃木市と足利市、日光市については、公民館と連携し ている学校を紹介していただき、追加で調査を行った。2 節 質問項目
おおよそ下記の内容について聴き取り調査を行った。 (1)生涯学習課、公民館に対して ①連携に至った経緯等について ②実行委員会、連絡協議会等の組織について ③連携の内容について ④成果や課題について (2)学校に対する調査 ①学校の連携担当者について ②教育計画・校務分掌への位置づけについて ③連携の内容について ④成果や課題についてⅢ章 調査結果
1 節 聴き取り調査結果
○とちぎ未来アシストネットの調査 (栃木市生涯学習課) (1)事業の趣旨 要項によると、とちぎ未来アシストネットの趣旨はお およそ次の通りである。社会が複雑多様化する中、学校 は様々な課題を抱えている。こうした中、未来を担う栃 木市の子どもたちを育てるには、学校と家庭、地域の連 携・協力が不可欠である。そこで、これまで各学校、各 地域において、地域の方々に様々な形で協力していただ いて取り組んできたことをさらに発展させ、組織的なも のとして、学校が求めるものと地域の力を調整一致させ、 より効果的に教育の充実を図る教育システムとしたもの が「とちぎ未来アシストネット」である。 栃木市の子どもたちに「生きる力」を育むとともに、学 校や子どもを支える活動を通して、住民同士の絆を深め ることにより、協働の場としての学校を核とした「人づ くり」「地域づくり・まちづくり」を本事業は目指してい る。平成 22 年度から準備を始め、平成 24 年度に本格ス タートした。 (2)事業の推進体制 ①とちぎ未来アシストネット推進プロジェクトチーム 事業の企画立案の協議を行う機関である。アシストネッ ト事業全体をまとめる役割をもつ。生涯学習課職員、教 育総務課職員、学校教育課職員、教育支所職員、公民館 職員が構成員となっている。 ②とちぎ未来アシストネット推進委員会 事業を効果的・効率的に展開するために設置してある。 アシストネット事業の課題や成果、各地域の取組状況な どについて話し合っている。地域教育協議会(3 名)、生 涯学習課長、学校教育課長、教育総務課長が構成員となっ ている。 ③各エリアの推進について ア 地域アシストネット本部 市内を 9 つのエリアに分け、そのエリアごとに地域ア シストネット本部が置かれている。その地域ならではの 特色ある教育活動を展開するために、公民館に設置して いる。 イ 地域教育協議会 アシストネット本部内には、地域教育協議会が設置し てあり、学校長、公民館長、地域コーディネーター、地 域住民の代表等が構成員となっている。各学校の取組状 況の情報交換、地域アシストネットの課題、成果につい て検討を行っている。61 ウ 地域コーディネーター連絡会議 各学校の地域コーディネーターが地域内の活動の充実 を図るために行っている会議である。コーディネーター 同士の情報交換や学校支援ボランティアに関する情報交 換を行っている。 ④学校、地域コーディネーターについて ア 学校コーディネーター 市内各小中学校に 1 名配置されている。学校支援ボラ ンティアについての教職員の要望をとりまとめ、地域コー ディネーターにボランティアの派遣を依頼し、ボランティ アを受け入れる学校側の窓口となる。 イ 地域コーディネーター 地域教育協議会の推薦で選出され、各地域に数名配置 されている。学校のニーズを把握して、学校の求めに応 じた学校支援ボランティアを派遣する役目をもっている。 ⑤学校支援ボランティアについて 学校支援ボランティアとして、学校・地域コーディネー ターの要請に応じて活動を行う。 (3)アシストネットで取り組んだ内容について ①内容 各学校では、平成 24 年度に次のようなことを支援し ていただいた。かけ算九九のテストやプリントの採点な どの学習支援、昔の暮らしや遊び、野菜や米の育て方な ど体験をともなう活動やカッター、ミシンの使い方、校 外学習の引率、登下校時の見守りなど安全に配慮する必 要がある活動、総合的な学習の時間の活動や学校の環境 整備などである。 ②役割分担 ア 生涯学習課 学校と地域がうまくつながりを持てない場合の支援や 校内研修会への社会教育主事の派遣などを行っている。 イ 公民館 教育支所及び公民館が、エリアで行う事業の事務等を 行っている。また、学校と地域を結ぶつなぐ役割をもっ ている。 ウ 学校 学校コーディネーターから地域コーディネーターへ依 頼し、学校支援ボランティアの協力を得る。 (4)成果と課題 (成果) ・平成 24 年度の学校支援ボランティア活動回数は 3,623 回で、延べ人数は 18,652 人となる。毎週全ての学校で、 ボランティア活動を行っていることになる。 ・各学校の要請に応じて、社会教育主事による校内研修 会を実施したり、教育委員会事務局が主催して、学校 コーディネーター研修会を開催したりすることにより、 教員の理解が進んできている。 ・学校が地域住民を招いて行事を行うと、以前より多く の人に参加していただけるようになった。 (課題) ・教育委員会事務局が中心に展開してきたので、学校は 協力的になったが、公民館は支所業務があり、役割を 十分に果たせていないところもある。今後はこれらの 公民館と学校をつないでいくことが課題となる。 ・現在、公民館職員に対する研修会は行っていない。教 員の研修会だけでなく、公民館職員の研修会も行う必 要がある。 ・今後、学校が地域に対して貢献活動を行うことも考え ていく必要がある。 ・ボランティアとして学校に来ていただいた地域住民同 士の絆がつくれるよう、学校内にボランティア控え室 を設置していく必要がある。 (西方公民館) (1)西方地域アシストネット本部の組織について ①地域教育協議会 学校長、公民館長、地域コーディネーター、自治会、 PTA、こども会育成会代表など 15 名で構成されており、 西方地域アシストネットの活動方針や成果と課題などに ついて話し合っている。 ②地域コーディネーター連絡会議 西方エリアは、学校数が少ないので、学校ごとに学校長、 学校コーディネーター・地域コーディネーター・公民館 と担当教員を交え、具体的な打合せ会を行うことにして いる。 ③公民館の役割 公民館には大きく2つの役割がある。1つめは環境づ くりである。学校やコーディネーター、地域の方が活動 しやすいような仕組みづくりとボランティアと地域コー ディネーターの居場所づくりである。2つめは活動支援 である。学校と地域コーディネーター間、学校間、コーディ ネーター間の連携・協力を図るための連絡調整を行う役 割を持っている。 (2)アシストネットで取り組んだ主な内容について ①西方小学校 ・入学間もない1年生の帰りの準備を支援 ・ダンスクラブと運動会の表現種目の指導 ②真名子小学校 ・ふるさと交流会 ・日光和楽踊りのお囃子指導 60 の公民館、生涯学習センターと学校がどのように連携し ているのか調査を行い、地域と学校の連携がどのような 考え方と方法で進められているかのかを明らかにしたい。 さらにそれを基にして、芳賀町でできる連携の方法を検 討し、提案したい。
Ⅱ章 研究の方法
1 節 調査対象
下記の地域の生涯学習課や公民館、学校を対象として 聴き取り調査を行った。 栃木市は「とちぎ未来アシストネット」という事業を、 足利市は、「学校ボランティア出前市」という事業を行っ ている。これらの事業がどのように行われ、公民館がど のような役割を果たしているか明らかにするために調査 対象とした。 下野市には、「生涯学習情報センター」という施設があ る。公民館とも生涯学習センターとも違う名称にどのよ うな意味があるのか、その機能にも違いがあるのか興味 をもち、選定した。 日光市落合地区では、「緑が丘ふれあい交流会」という 学校と地域と公民館が連携したイベントを開催している。 そのイベントに興味をもち、選定した。 栃木市と足利市、日光市については、公民館と連携し ている学校を紹介していただき、追加で調査を行った。2 節 質問項目
おおよそ下記の内容について聴き取り調査を行った。 (1)生涯学習課、公民館に対して ①連携に至った経緯等について ②実行委員会、連絡協議会等の組織について ③連携の内容について ④成果や課題について (2)学校に対する調査 ①学校の連携担当者について ②教育計画・校務分掌への位置づけについて ③連携の内容について ④成果や課題についてⅢ章 調査結果
1 節 聴き取り調査結果
○とちぎ未来アシストネットの調査 (栃木市生涯学習課) (1)事業の趣旨 要項によると、とちぎ未来アシストネットの趣旨はお およそ次の通りである。社会が複雑多様化する中、学校 は様々な課題を抱えている。こうした中、未来を担う栃 木市の子どもたちを育てるには、学校と家庭、地域の連 携・協力が不可欠である。そこで、これまで各学校、各 地域において、地域の方々に様々な形で協力していただ いて取り組んできたことをさらに発展させ、組織的なも のとして、学校が求めるものと地域の力を調整一致させ、 より効果的に教育の充実を図る教育システムとしたもの が「とちぎ未来アシストネット」である。 栃木市の子どもたちに「生きる力」を育むとともに、学 校や子どもを支える活動を通して、住民同士の絆を深め ることにより、協働の場としての学校を核とした「人づ くり」「地域づくり・まちづくり」を本事業は目指してい る。平成 22 年度から準備を始め、平成 24 年度に本格ス タートした。 (2)事業の推進体制 ①とちぎ未来アシストネット推進プロジェクトチーム 事業の企画立案の協議を行う機関である。アシストネッ ト事業全体をまとめる役割をもつ。生涯学習課職員、教 育総務課職員、学校教育課職員、教育支所職員、公民館 職員が構成員となっている。 ②とちぎ未来アシストネット推進委員会 事業を効果的・効率的に展開するために設置してある。 アシストネット事業の課題や成果、各地域の取組状況な どについて話し合っている。地域教育協議会(3 名)、生 涯学習課長、学校教育課長、教育総務課長が構成員となっ ている。 ③各エリアの推進について ア 地域アシストネット本部 市内を 9 つのエリアに分け、そのエリアごとに地域ア シストネット本部が置かれている。その地域ならではの 特色ある教育活動を展開するために、公民館に設置して いる。 イ 地域教育協議会 アシストネット本部内には、地域教育協議会が設置し てあり、学校長、公民館長、地域コーディネーター、地 域住民の代表等が構成員となっている。各学校の取組状 況の情報交換、地域アシストネットの課題、成果につい て検討を行っている。したり、地域の行事に積極的に参加したりした。その ことにより、教職員全員が真名子地区のよさを実感し ながら、子どもたちの指導をすることができた。 ・学校として、普段からコーディネーターやボランティ アと連絡を取り合い、小さなことでも相談していたの で、すぐに対応していただける関係ができた。 ・「学校から地域へ」という視点で、子どもたちが地域の 行事に積極的に参加したり、地域の施設の清掃を行っ たりした。このような子どもたちの活動を地域の方た ちに認めていただけるようになった。 (課題) ・学校が、ボランティアにとって居心地がよい場所とな るようにボランティアの控え室の確保が必要である。 ・組織を立ち上げ、ボランティアも集まったが、活動の 場がなかった。これが最初の課題であった。これを解 消するために動いてくれていたのが、公民館と生涯学 習課である。行政機関との信頼関係がなくてはいけな いと考えている。 ○足利市「学校ボランティア出前市」の調査 (足利市生涯学習課) (1)「学校ボランティア出前市を始めた経緯 足利市では、平成 14 年度の「総合的な学習の時間」 の開始に合わせて、前年度から学校ボランティア登録を 始めた。そして、ボランティアを教職員に紹介し、ボラ ンティアによる学校支援が滞りなく行えるようにするた めにボランティア出前市を始めた。1年目は、足利市市 民プラザにブースを作り、ボランティアに自分の得意な ことを披露していただき、それを教職員に見てもらうよ うにした。翌年は、市民プラザに近い小学校の 3 年生に いろいろな体験をしてもらい、子どもたちへの効果を見 ることにした。しかし、この形態で行うと、会場と参加 できる学校が限定されるという問題点があがった。 この問題を解消するために、公民館を会場にして、そ こに近い学校が参加するという方法で、何年間か続けて 行ったが、参加した教員と参加しない教員の間に出前市 に対する認知度に差が出始めた。そのため、会場を学校 でも行えるようにして、参加したことがない教員に出前 市やボランティア活動の様子を見てもらえるようにした。 このようにして、学校または公民館で実施するという現 在の方法が確立された。 (2) 実行委員会、連絡協議会等の組織について ①組織の有無 学校ボランティア出前市に関する会議は、事前研修を 行うくらいで、特に会議はもっていない。事前研修もボ ランティア出前市を初めて行う学校は行うが、2年目以 降は省略している。 ②学社連携連絡会議 聴き取り調査の際にいただいた要項によると、この会 議は、学社連携・融合に関する理解を深め、学校・家庭・ 地域、行政の連携による事業展開をめざした体制を整備 するために開催している。市内を 8 ブロックに分け、学 校と公民館を中心に会議を行い、学校行事や公民館の事 業等についての情報交換などを行っている。地域ごとに 実施の形態は様々で、社会教育振興委員会や健全育成会 議等を学社連携連絡会議にあてている地域もある。 (3)学校ボランティア出前市について ①概要 生涯学習課が、市内各小中学校や保育所等にチラシ等 で広報を行い、希望があれば出前市を行う。実施に当たっ ては、地区の公民館と学校の共催という形をとり、企画 から生涯学習課、公民館、学校で相談して行っている。 また、この事業には予算が付いており、材料費などの経 費は、生涯学習課が支出している。準備は生涯学習課と 公民館が中心に行い、学校の負担を少なくしている。 ②公民館の役割について 登録されたボランティアではなく、地域の方と交流し たいという要望が学校から出されたときは、公民館の職 員が地域からボランティアを探している。地域の方が地 域の学校に足を運び、子どもたちを支援することは、地 域で子どもを育てることにつながるという考えのもと、 生涯学習課としては、なるべく地域の方を学校に入れて ほしいと考えている。 ③学校ボランティア出前市で行った内容 ・三重小は、以前から公民館の協力を得て、昔の暮らし や遊びについて地元の老人会の方に教えていただいて いた。この活動に他の活動も加えてボランティア出前 市として実施するようになった。 ・坂西北小は、ボランティア出前市を三和公民館と共催 している。現在は、生涯学習課から離れて、「ふれあい 学習会」という名前で実施している。 ・桜小は今年で 2 年目になるが、助戸公民館の和室を使い、 お茶などの伝統文化を学んでいる。 (4)学校と公民館の協力について ・家庭教育や人権などの教育講演会を公民館と学校が共 催で行っている地区がある。 ・少年の砦という公民館の事業に、三重小の教員はボラ ンティアとして協力している。 ・公民館が主催し、子どもたちに様々な体験の機会を提 供する少年教室に、教員が指導者として協力している ③西方中学校 ・書写ボランティア ・音楽(邦楽)ボランティア「箏と尺八の実技体験」 (3) 成果と課題 (成果) ・教職員が事業の趣旨やねらいを理解し、事業に対して 積極的に取り組んでくれるようになった。 ・子どもたちが、琴や尺八など本物に触れることができ、 専門性の高い指導を受けることができた。 ・学校支援ボランティアとして活動している地域住民に とって、アシストネット事業が、自分が学んだ知識や 身に付けた特技を生かせるよい機会となった。 ・アシストネット事業によって、地域が学校を支援する ことは、いずれ地域に帰ってくる子どもたちを育てて いることと同じことであり、地域の人材育成につながっ ている。 (課題) ・アシストネット事業をPRするために西方地域版の啓 発チラシを作り、地域住民の理解を促進していく必要 がある。 ・学校支援ボランティア活動が活性化するように、公民 館の講座の中に、ボランティアの養成講座を取り入れ ていく必要がある。 ・より多様な学校支援ができるように、西方エリア本部 と他エリア本部が連携して、ボランティアを探せるよ うにしていく必要がある。 ・アシストネット事業は、地域の教育力を高めることが 最終目的である。学校はボランティアに指導していた だくだけでなく、学んだ成果を地域に返していくとい うことを考えて行かなくてはいけない。 (栃木市立真名子小学校) (1)学校側の担当者 教頭 (2)教育計画・校務分掌について ①教育計画 真名子小学校は「進んで学ぶ子 思いやりのある子 笑顔はじける元気な子」という学校教育目標を掲げてい る。この教育目標を受けた学校経営の方針の中に「アシ ストネット事業の推進により、真名子地区学校支援協議 会と連携し、地域の教育力を生かした地域ぐるみの教育 に努める。」というアシストネットと関連する項目が位置 づけてある。 ②校務分掌 校務分掌の中に生涯学習指導部が位置づけられており、 その中に家庭連携、地域連携、アシストネットという役 割がある。主務者は、教頭と他1名となっている。 (3)地域と連携した内容 ①「ふるさと交流会」の概要 「ふるさと交流会」は、地域の名人から地域のよさ、伝 統を学び、ふるさとを愛する子どもたちを育てるという ねらいに向かって取り組んでいる学校行事である。全校 体制で取り組んでおり、子どもたちは「絵手紙、折り紙、 竹トンボ、横笛、太鼓、和紙人形、和裁」という6つの 活動の中から、自分の希望に合ったものを選択できる。 活動には、保護者も参加し、講師・児童・保護者がいっしょ に制作や演奏などを行い、交流している。 講師は、アシストネットや真名子地区学校支援協議会 に要請し、地元の方にお願いしている。 ②「ふるさと交流会」以外で連携した内容 ア 真名子フェスティバル 真名子フェスティバルは、真名子の自治会が主催して 行っている真名子全体のお祭りである。この行事はアシ ストネット事業ではないが、地域の人づくり、真名子地 区のまちづくりにつながると考え、教職員も参加し、子 どもたちに参加を呼びかけている。 学校は地域に協力していただくだけでなく、地域の活 動に子どもたちを参加させ、交流するところから双方向 的な連携が始まると捉えている。 イ 神社の清掃 この活動は、アシストネット事業ではないが、勤労生 産的な行事として、感謝や奉仕の気持ちを込めて行って いる。この行事を通して、ふるさとを大切にする心を育 てようと考えている。 (4)真名子地区学校支援協議会について この組織は、地域教育協議会とは別に、真名子地区独 自で作られた組織である。 アシストネット事業を始めるにあたり、地元の人で組 織を作り、真名子小学校を応援しようという意見が社会 福祉協議会の中で持ち上がった。その社会福祉協議会が 母体となり、各地区の代表や保護者などが集まり組織と してできあがった。構成員は、祖父母の世代が中心で、 現在 36 名のボランティアが登録されている。主な活動 は学校支援であり、真名子小学校の要請に基づいた支援 を行っている。 (5)成果や課題について (成果) ・地域の人々に学校行事や授業を支援していただき、子 どもたちの学習意欲を高めることができた。 ・「ふるさと真名子」を愛する子どもを育てるために、教 職員は、地域の文化や伝統を学ぶ研修会を複数回実施
63 したり、地域の行事に積極的に参加したりした。その ことにより、教職員全員が真名子地区のよさを実感し ながら、子どもたちの指導をすることができた。 ・学校として、普段からコーディネーターやボランティ アと連絡を取り合い、小さなことでも相談していたの で、すぐに対応していただける関係ができた。 ・「学校から地域へ」という視点で、子どもたちが地域の 行事に積極的に参加したり、地域の施設の清掃を行っ たりした。このような子どもたちの活動を地域の方た ちに認めていただけるようになった。 (課題) ・学校が、ボランティアにとって居心地がよい場所とな るようにボランティアの控え室の確保が必要である。 ・組織を立ち上げ、ボランティアも集まったが、活動の 場がなかった。これが最初の課題であった。これを解 消するために動いてくれていたのが、公民館と生涯学 習課である。行政機関との信頼関係がなくてはいけな いと考えている。 ○足利市「学校ボランティア出前市」の調査 (足利市生涯学習課) (1)「学校ボランティア出前市を始めた経緯 足利市では、平成 14 年度の「総合的な学習の時間」 の開始に合わせて、前年度から学校ボランティア登録を 始めた。そして、ボランティアを教職員に紹介し、ボラ ンティアによる学校支援が滞りなく行えるようにするた めにボランティア出前市を始めた。1年目は、足利市市 民プラザにブースを作り、ボランティアに自分の得意な ことを披露していただき、それを教職員に見てもらうよ うにした。翌年は、市民プラザに近い小学校の 3 年生に いろいろな体験をしてもらい、子どもたちへの効果を見 ることにした。しかし、この形態で行うと、会場と参加 できる学校が限定されるという問題点があがった。 この問題を解消するために、公民館を会場にして、そ こに近い学校が参加するという方法で、何年間か続けて 行ったが、参加した教員と参加しない教員の間に出前市 に対する認知度に差が出始めた。そのため、会場を学校 でも行えるようにして、参加したことがない教員に出前 市やボランティア活動の様子を見てもらえるようにした。 このようにして、学校または公民館で実施するという現 在の方法が確立された。 (2) 実行委員会、連絡協議会等の組織について ①組織の有無 学校ボランティア出前市に関する会議は、事前研修を 行うくらいで、特に会議はもっていない。事前研修もボ ランティア出前市を初めて行う学校は行うが、2年目以 降は省略している。 ②学社連携連絡会議 聴き取り調査の際にいただいた要項によると、この会 議は、学社連携・融合に関する理解を深め、学校・家庭・ 地域、行政の連携による事業展開をめざした体制を整備 するために開催している。市内を 8 ブロックに分け、学 校と公民館を中心に会議を行い、学校行事や公民館の事 業等についての情報交換などを行っている。地域ごとに 実施の形態は様々で、社会教育振興委員会や健全育成会 議等を学社連携連絡会議にあてている地域もある。 (3)学校ボランティア出前市について ①概要 生涯学習課が、市内各小中学校や保育所等にチラシ等 で広報を行い、希望があれば出前市を行う。実施に当たっ ては、地区の公民館と学校の共催という形をとり、企画 から生涯学習課、公民館、学校で相談して行っている。 また、この事業には予算が付いており、材料費などの経 費は、生涯学習課が支出している。準備は生涯学習課と 公民館が中心に行い、学校の負担を少なくしている。 ②公民館の役割について 登録されたボランティアではなく、地域の方と交流し たいという要望が学校から出されたときは、公民館の職 員が地域からボランティアを探している。地域の方が地 域の学校に足を運び、子どもたちを支援することは、地 域で子どもを育てることにつながるという考えのもと、 生涯学習課としては、なるべく地域の方を学校に入れて ほしいと考えている。 ③学校ボランティア出前市で行った内容 ・三重小は、以前から公民館の協力を得て、昔の暮らし や遊びについて地元の老人会の方に教えていただいて いた。この活動に他の活動も加えてボランティア出前 市として実施するようになった。 ・坂西北小は、ボランティア出前市を三和公民館と共催 している。現在は、生涯学習課から離れて、「ふれあい 学習会」という名前で実施している。 ・桜小は今年で 2 年目になるが、助戸公民館の和室を使い、 お茶などの伝統文化を学んでいる。 (4)学校と公民館の協力について ・家庭教育や人権などの教育講演会を公民館と学校が共 催で行っている地区がある。 ・少年の砦という公民館の事業に、三重小の教員はボラ ンティアとして協力している。 ・公民館が主催し、子どもたちに様々な体験の機会を提 供する少年教室に、教員が指導者として協力している 62 ③西方中学校 ・書写ボランティア ・音楽(邦楽)ボランティア「箏と尺八の実技体験」 (3) 成果と課題 (成果) ・教職員が事業の趣旨やねらいを理解し、事業に対して 積極的に取り組んでくれるようになった。 ・子どもたちが、琴や尺八など本物に触れることができ、 専門性の高い指導を受けることができた。 ・学校支援ボランティアとして活動している地域住民に とって、アシストネット事業が、自分が学んだ知識や 身に付けた特技を生かせるよい機会となった。 ・アシストネット事業によって、地域が学校を支援する ことは、いずれ地域に帰ってくる子どもたちを育てて いることと同じことであり、地域の人材育成につながっ ている。 (課題) ・アシストネット事業をPRするために西方地域版の啓 発チラシを作り、地域住民の理解を促進していく必要 がある。 ・学校支援ボランティア活動が活性化するように、公民 館の講座の中に、ボランティアの養成講座を取り入れ ていく必要がある。 ・より多様な学校支援ができるように、西方エリア本部 と他エリア本部が連携して、ボランティアを探せるよ うにしていく必要がある。 ・アシストネット事業は、地域の教育力を高めることが 最終目的である。学校はボランティアに指導していた だくだけでなく、学んだ成果を地域に返していくとい うことを考えて行かなくてはいけない。 (栃木市立真名子小学校) (1)学校側の担当者 教頭 (2)教育計画・校務分掌について ①教育計画 真名子小学校は「進んで学ぶ子 思いやりのある子 笑顔はじける元気な子」という学校教育目標を掲げてい る。この教育目標を受けた学校経営の方針の中に「アシ ストネット事業の推進により、真名子地区学校支援協議 会と連携し、地域の教育力を生かした地域ぐるみの教育 に努める。」というアシストネットと関連する項目が位置 づけてある。 ②校務分掌 校務分掌の中に生涯学習指導部が位置づけられており、 その中に家庭連携、地域連携、アシストネットという役 割がある。主務者は、教頭と他1名となっている。 (3)地域と連携した内容 ①「ふるさと交流会」の概要 「ふるさと交流会」は、地域の名人から地域のよさ、伝 統を学び、ふるさとを愛する子どもたちを育てるという ねらいに向かって取り組んでいる学校行事である。全校 体制で取り組んでおり、子どもたちは「絵手紙、折り紙、 竹トンボ、横笛、太鼓、和紙人形、和裁」という6つの 活動の中から、自分の希望に合ったものを選択できる。 活動には、保護者も参加し、講師・児童・保護者がいっしょ に制作や演奏などを行い、交流している。 講師は、アシストネットや真名子地区学校支援協議会 に要請し、地元の方にお願いしている。 ②「ふるさと交流会」以外で連携した内容 ア 真名子フェスティバル 真名子フェスティバルは、真名子の自治会が主催して 行っている真名子全体のお祭りである。この行事はアシ ストネット事業ではないが、地域の人づくり、真名子地 区のまちづくりにつながると考え、教職員も参加し、子 どもたちに参加を呼びかけている。 学校は地域に協力していただくだけでなく、地域の活 動に子どもたちを参加させ、交流するところから双方向 的な連携が始まると捉えている。 イ 神社の清掃 この活動は、アシストネット事業ではないが、勤労生 産的な行事として、感謝や奉仕の気持ちを込めて行って いる。この行事を通して、ふるさとを大切にする心を育 てようと考えている。 (4)真名子地区学校支援協議会について この組織は、地域教育協議会とは別に、真名子地区独 自で作られた組織である。 アシストネット事業を始めるにあたり、地元の人で組 織を作り、真名子小学校を応援しようという意見が社会 福祉協議会の中で持ち上がった。その社会福祉協議会が 母体となり、各地区の代表や保護者などが集まり組織と してできあがった。構成員は、祖父母の世代が中心で、 現在 36 名のボランティアが登録されている。主な活動 は学校支援であり、真名子小学校の要請に基づいた支援 を行っている。 (5)成果や課題について (成果) ・地域の人々に学校行事や授業を支援していただき、子 どもたちの学習意欲を高めることができた。 ・「ふるさと真名子」を愛する子どもを育てるために、教 職員は、地域の文化や伝統を学ぶ研修会を複数回実施
たちに指導していただくようになり、中学校と地域の協 力関係はさらに強まっていた。8 月には、2 機の石窯を 増設し、ピザとハーブを生かした地域づくりががさらに 盛り上がりを見せた。この盛り上がりを受け、学校と地 域からイベントを実施しようという意見が出され、地域・ 学校・公民館が協力し、地域全体が参加する交流祭の開 催に向けて動き出した。 (2)実行委員会、連絡協議会等の組織について ①組織の有無 緑が丘ふれあい交流会実行委員会があるが、連携のた めの組織はない。学校と公民館が直接話をして、地域の ボランティアが必要であれば、公民館が窓口となって人 を集めるというという形をとっている。 ②実行委員会の目的 実行委員会の要項によると、この実行委員会は、地域 の人々が活動できる機会を整え、落合地区に住む全ての 人々の交流を推進するとともに、地域の活性化と学校と の協力関係を高めることを目的としている。 ③実行委員会の事務局 学校、落合公民館それぞれに置いている。 ④会議の参加者 落合地区各種団体代表、公民館長、中学校長、中学校 PTA会長、地域コーディネーター等が出席している。 ⑤会議の内容 緑が丘ふれあい交流会の実施に向けて、事業計画の立 案、地域への広報活動、事業の運営、成果、課題の検討 を行っている。 ⑥会議の回数 年 3 回実施していて、3 回目には各部活担当の教員も 参加し,地域の各種団体の代表者と打合せを行っている。 1 年目は、かなり細かいところまで話し合いをしたが、 今年で 3 年目ということもあり、それほど話さずに活動 できるようになってきた。 (3)「緑が丘ふれあい交流会」の内容 ①活動内容 学校は、部活動単位で学校の授業では体験できないこ を行う。そこに地域の団体の方が入り、支援を行う。 ・石窯ピザ ・けんちん汁 ・グラウンドゴルフ体験 ・やきいも ・お茶会 ・ハーブ喫茶 ・おにぎり ・消防体験 ・展示 など ②参加者 24 年度は中学生、地域の団体をはじめ、地区内の小学 5、6 年生を招待した。25 年度は、土曜日に実施したので、 全ての小学生と一般の地域の方を対象にした。参加人数 は 24 年度までは約 700 名ほどであったが、25 年度は約 1,000 名に増加した。参加費は無料。 ③役割分担 学校は、部活動単位で得意なプログラムを組むことや 資料作りを担当している。公民館は学校の要望を地域の 団体に伝え、調整するコーディネートの役割をしている。 ④地域団体の協力 自治会、交通安全協会、体育協会、社会福祉協議会な ど地域内の多くの団体が交流会の開催に協力しており、 地域をあげてのイベントとして定着している。 ⑤事前の準備 各種団体、学校、公民館も慣れてきて、スムーズに準 備を進めることができている。また、中学生との連携・ 共同作業が重要であることから、中学生も準備の段階か ら参加している。 (4)成果と課題 (成果) ・学校支援ボランティアに協力してくださる地域住民が 増えてきた。 ・学校林の整備も公民館がコーディネートし、地域のボ ランティアに支援していただいたが、現在は、学校が 直接地域の方に声を掛け、支援していただくようになっ てきた。公民館を介さずに、学校と地域が連携できる ようになってきた。 (課題) ・公民館も学校も異動により職員が入れ替わるので、事 業に対する考え方に変化が生じてくる。担当者が替わっ たときの対応が難しい。 ・費用は社会福祉協議会の補助金から支出している。し かし、参加者が増えてきたことにともない、費用負担 も増えてきている。費用の不足分は自治会やPTAか ら支出していただいているが、来年度継続するにあたっ ては、催しを少なくするか、一人当たりの量を減らす か検討する必要がある。 (日光市立落合中学校) 落合公民館と連携し、「緑が丘ふれあい交流会」を実施 している落合中学校の担当教諭から、学校としてどのよ うに取り組んでいるのか話を聞いた。 (1)学校の担当者 緑が丘ふれあい交流会は、教頭と生涯学習担当者が中 心になって運営している。 (2)教育計画・校務分掌について ① 教育計画への位置づけ 学校経営方針や生涯学習計画などには位置づけていな いが、「緑が丘ふれあい交流会」を年間行事計画に位置づ 地区がある。 ・地区の文化祭を公民館と学校が共催している地区があ り、学校が会場を提供したり、小中学生や幼稚園児の 作品を公民館に掲示したりしている。 (5)成果と課題について (成果) ・学校ボランティア出前市が、地域住民に子どもたちの 姿を見ていただくきっかけとなっている。 ・サークル活動をしている人が、子どもたちに教えるこ とで刺激を受け、活動のレベルを向上させようとして いる例が多い。 ・学校ボランティア出前市を学校と公民館が共催するこ とによって、学校と公民館が協力関係を築けるように なってきた。 (課題) ・ボランティア出前市は、生涯学習課が中心になって企 画、運営しているが、学校と公民館が連絡をとりあって、 実施できるようにすることが最終目標である。 ・出前市以外の事業で、学校と公民館が連携できるかを 学社連携連絡会議で模索していく必要がある。 ・学校だけでなく、公民館も定期的に職員が替わるので、 事業を続ける難しさがある。月 1 度開催している公民 館職員研究部会で出前市の仕事についても研修してい くことが必要である。 ・教員は社会教育主事有資格者でないと、公民館といっ しょに何かができると考えない。出前市には、公民館 と連携することによって、より充実した教育活動を行 えることを教員に伝える役目がある。 (足利市立久野小学校) 平成 25 年 12 月 17 日に久野小学校で、初めて「学校 ボランティア出前市」を開催するという話を聞き、見学 させていただいた。 (1)学校側の担当者 渉外全般を教頭、学社連携は、教務主任が担当している。 (2)教育計画・校務分掌について ①教育計画への位置づけ 久野小学校の学校教育目標は「深く考え進んで学習す る子ども 健康でねばり強い子ども 豊かな心をもち思 いやりのある子ども」である。「学校経営の方針」に「(公 民館も含めて)家庭や地域の諸団体との連携・協調を図 る。」という内容があり、家庭・地域との連携を意識して、 学校経営を行っている ②校務分掌への位置づけ 「ボランティア出前市」については位置づけていないが、 今後位置づけていく予定である。 (3)公民館と連携した内容について ①「学校ボランティア出前市」の概要 5、6 年生児童 33 名が、茶道、生け花、琴のうち 1 つ を選択して、体験していた。講師は、学校から地域の方 に教えていただきたいという要望があり、公民館がコー ディネートして、琴と茶道は地域ボランティアに指導し ていただいた。生け花については学校ボランティアに登 録している方に指導していただいた。 ②「学校ボランティア出前市」を実施した理由 学校ボランティア出前市を通して、地域の人たちに学 校を支援いただくこと進めていきたいと考えた。そのた めに、公民館と連携して取り組むことでシステムの構築 を図りたいと考えたからである。 ③学校と公民館が話し合いや情報交換をする機会 決められた会議等は実施していないが、久野公民館が 主催する「久野筑波子ども教室」の会議で要望等の話し 合いしている。また、施設や道具等の借用のときに話を している。 (4)成果や課題について ・会場を公民館と学校の両方を利用することで、児童は 公民館が身近に感じられ、公民館の職員も学校との距 離が縮まると考えられる。 ・公民館のもつ人的な情報を、学校へのボランティアと いう形で支援につなげていただくことで、公民館を柱 とした地域・学校の連携が深まると考えられる。 ○「緑が丘ふれあい交流会」の調査 (日光市落合公民館) 落合地区では、中学校と公民館、地域が協力し合い、「緑 が丘ふれあい交流会」というイベントを開催している。 (1)「緑が丘ふれあい交流会」を始めた経緯 落合中学校と落合公民館は同じ敷地内にあり、担当者 同士の話し合いや施設や物品の貸借などを通じて、少し ずつ協力関係を築いていった。そのような中、地域の団 体や各学校の代表者が参加する地域学習圏会議という会 議の場で、「ピザとハーブのまち落合」という提案が中学 校の委員から出された。これは地域の特産物の小麦と中 学校で栽培しているハーブを生かして地域づくりをして いこうという考えのもとに出された意見である。 これを受け、平成 23 年 1 月にピザ用の「石窯 1 号機」 を地域の協力を得て、中学校の敷地内に作った。この石 窯で作られるピザが地域で話題となり、公民館のサーク ル活動やイベントで活用されるようになった。中学校の 調理実習や総合の時間にピザを作るときには、地域の人
65 たちに指導していただくようになり、中学校と地域の協 力関係はさらに強まっていた。8 月には、2 機の石窯を 増設し、ピザとハーブを生かした地域づくりががさらに 盛り上がりを見せた。この盛り上がりを受け、学校と地 域からイベントを実施しようという意見が出され、地域・ 学校・公民館が協力し、地域全体が参加する交流祭の開 催に向けて動き出した。 (2)実行委員会、連絡協議会等の組織について ①組織の有無 緑が丘ふれあい交流会実行委員会があるが、連携のた めの組織はない。学校と公民館が直接話をして、地域の ボランティアが必要であれば、公民館が窓口となって人 を集めるというという形をとっている。 ②実行委員会の目的 実行委員会の要項によると、この実行委員会は、地域 の人々が活動できる機会を整え、落合地区に住む全ての 人々の交流を推進するとともに、地域の活性化と学校と の協力関係を高めることを目的としている。 ③実行委員会の事務局 学校、落合公民館それぞれに置いている。 ④会議の参加者 落合地区各種団体代表、公民館長、中学校長、中学校 PTA会長、地域コーディネーター等が出席している。 ⑤会議の内容 緑が丘ふれあい交流会の実施に向けて、事業計画の立 案、地域への広報活動、事業の運営、成果、課題の検討 を行っている。 ⑥会議の回数 年 3 回実施していて、3 回目には各部活担当の教員も 参加し,地域の各種団体の代表者と打合せを行っている。 1 年目は、かなり細かいところまで話し合いをしたが、 今年で 3 年目ということもあり、それほど話さずに活動 できるようになってきた。 (3)「緑が丘ふれあい交流会」の内容 ①活動内容 学校は、部活動単位で学校の授業では体験できないこ を行う。そこに地域の団体の方が入り、支援を行う。 ・石窯ピザ ・けんちん汁 ・グラウンドゴルフ体験 ・やきいも ・お茶会 ・ハーブ喫茶 ・おにぎり ・消防体験 ・展示 など ②参加者 24 年度は中学生、地域の団体をはじめ、地区内の小学 5、6 年生を招待した。25 年度は、土曜日に実施したので、 全ての小学生と一般の地域の方を対象にした。参加人数 は 24 年度までは約 700 名ほどであったが、25 年度は約 1,000 名に増加した。参加費は無料。 ③役割分担 学校は、部活動単位で得意なプログラムを組むことや 資料作りを担当している。公民館は学校の要望を地域の 団体に伝え、調整するコーディネートの役割をしている。 ④地域団体の協力 自治会、交通安全協会、体育協会、社会福祉協議会な ど地域内の多くの団体が交流会の開催に協力しており、 地域をあげてのイベントとして定着している。 ⑤事前の準備 各種団体、学校、公民館も慣れてきて、スムーズに準 備を進めることができている。また、中学生との連携・ 共同作業が重要であることから、中学生も準備の段階か ら参加している。 (4)成果と課題 (成果) ・学校支援ボランティアに協力してくださる地域住民が 増えてきた。 ・学校林の整備も公民館がコーディネートし、地域のボ ランティアに支援していただいたが、現在は、学校が 直接地域の方に声を掛け、支援していただくようになっ てきた。公民館を介さずに、学校と地域が連携できる ようになってきた。 (課題) ・公民館も学校も異動により職員が入れ替わるので、事 業に対する考え方に変化が生じてくる。担当者が替わっ たときの対応が難しい。 ・費用は社会福祉協議会の補助金から支出している。し かし、参加者が増えてきたことにともない、費用負担 も増えてきている。費用の不足分は自治会やPTAか ら支出していただいているが、来年度継続するにあたっ ては、催しを少なくするか、一人当たりの量を減らす か検討する必要がある。 (日光市立落合中学校) 落合公民館と連携し、「緑が丘ふれあい交流会」を実施 している落合中学校の担当教諭から、学校としてどのよ うに取り組んでいるのか話を聞いた。 (1)学校の担当者 緑が丘ふれあい交流会は、教頭と生涯学習担当者が中 心になって運営している。 (2)教育計画・校務分掌について ① 教育計画への位置づけ 学校経営方針や生涯学習計画などには位置づけていな いが、「緑が丘ふれあい交流会」を年間行事計画に位置づ 64 地区がある。 ・地区の文化祭を公民館と学校が共催している地区があ り、学校が会場を提供したり、小中学生や幼稚園児の 作品を公民館に掲示したりしている。 (5)成果と課題について (成果) ・学校ボランティア出前市が、地域住民に子どもたちの 姿を見ていただくきっかけとなっている。 ・サークル活動をしている人が、子どもたちに教えるこ とで刺激を受け、活動のレベルを向上させようとして いる例が多い。 ・学校ボランティア出前市を学校と公民館が共催するこ とによって、学校と公民館が協力関係を築けるように なってきた。 (課題) ・ボランティア出前市は、生涯学習課が中心になって企 画、運営しているが、学校と公民館が連絡をとりあって、 実施できるようにすることが最終目標である。 ・出前市以外の事業で、学校と公民館が連携できるかを 学社連携連絡会議で模索していく必要がある。 ・学校だけでなく、公民館も定期的に職員が替わるので、 事業を続ける難しさがある。月 1 度開催している公民 館職員研究部会で出前市の仕事についても研修してい くことが必要である。 ・教員は社会教育主事有資格者でないと、公民館といっ しょに何かができると考えない。出前市には、公民館 と連携することによって、より充実した教育活動を行 えることを教員に伝える役目がある。 (足利市立久野小学校) 平成 25 年 12 月 17 日に久野小学校で、初めて「学校 ボランティア出前市」を開催するという話を聞き、見学 させていただいた。 (1)学校側の担当者 渉外全般を教頭、学社連携は、教務主任が担当している。 (2)教育計画・校務分掌について ①教育計画への位置づけ 久野小学校の学校教育目標は「深く考え進んで学習す る子ども 健康でねばり強い子ども 豊かな心をもち思 いやりのある子ども」である。「学校経営の方針」に「(公 民館も含めて)家庭や地域の諸団体との連携・協調を図 る。」という内容があり、家庭・地域との連携を意識して、 学校経営を行っている ②校務分掌への位置づけ 「ボランティア出前市」については位置づけていないが、 今後位置づけていく予定である。 (3)公民館と連携した内容について ①「学校ボランティア出前市」の概要 5、6 年生児童 33 名が、茶道、生け花、琴のうち 1 つ を選択して、体験していた。講師は、学校から地域の方 に教えていただきたいという要望があり、公民館がコー ディネートして、琴と茶道は地域ボランティアに指導し ていただいた。生け花については学校ボランティアに登 録している方に指導していただいた。 ②「学校ボランティア出前市」を実施した理由 学校ボランティア出前市を通して、地域の人たちに学 校を支援いただくこと進めていきたいと考えた。そのた めに、公民館と連携して取り組むことでシステムの構築 を図りたいと考えたからである。 ③学校と公民館が話し合いや情報交換をする機会 決められた会議等は実施していないが、久野公民館が 主催する「久野筑波子ども教室」の会議で要望等の話し 合いしている。また、施設や道具等の借用のときに話を している。 (4)成果や課題について ・会場を公民館と学校の両方を利用することで、児童は 公民館が身近に感じられ、公民館の職員も学校との距 離が縮まると考えられる。 ・公民館のもつ人的な情報を、学校へのボランティアと いう形で支援につなげていただくことで、公民館を柱 とした地域・学校の連携が深まると考えられる。 ○「緑が丘ふれあい交流会」の調査 (日光市落合公民館) 落合地区では、中学校と公民館、地域が協力し合い、「緑 が丘ふれあい交流会」というイベントを開催している。 (1)「緑が丘ふれあい交流会」を始めた経緯 落合中学校と落合公民館は同じ敷地内にあり、担当者 同士の話し合いや施設や物品の貸借などを通じて、少し ずつ協力関係を築いていった。そのような中、地域の団 体や各学校の代表者が参加する地域学習圏会議という会 議の場で、「ピザとハーブのまち落合」という提案が中学 校の委員から出された。これは地域の特産物の小麦と中 学校で栽培しているハーブを生かして地域づくりをして いこうという考えのもとに出された意見である。 これを受け、平成 23 年 1 月にピザ用の「石窯 1 号機」 を地域の協力を得て、中学校の敷地内に作った。この石 窯で作られるピザが地域で話題となり、公民館のサーク ル活動やイベントで活用されるようになった。中学校の 調理実習や総合の時間にピザを作るときには、地域の人
・学校支援ボランティア情報の発信 ・学校支援コーディネート情報の発信 (3)学校支援を行った主な内容について ① 国分寺東小学校 3 年生 「書写」の授業で、文字に向かう姿勢や筆遣いを支援し た。支援者は、学校の特別非常勤講師として勤務してい た方で学校支援ボランティアとして新たに登録し、活動 していただいた。 ② 石橋中学校 2 年生 「職場体験活動」では、生涯学習情報センターがもって いるリストから受け入れ事業所を紹介するとともに、新 たな受け入れ事業所の開拓を行った。生涯学習情報セン ター職員と中学校担当者が連絡を取り合い、受け入れ先 の調整を行った。 ③ 緑小学校現職教育 教職員が学校支援ボランティア登録をしている水彩画 講師から講話と実技指導をしていただいた。緑小の学習 指導主任から依頼があり、生涯学習情報センター職員が コーディネートした。 ※ ボランティアを依頼するシステム 学校教育課と学校を結ぶイントラネットが構築されて おり、そのサイト内にはボランティア名簿を掲載してい る。それを見て学校が直接ボランティアに依頼すること もできるようになっている。 (4)成果と課題について (成果) ・ふれあい学習推進会議を実施したことから、学校側の センターに対する認知度が上がった。1 回目はセンター がコーディネートして、2 回目からは学校とボランティ アが直接連絡し合えるようなつながりを作れるように なってきた。 ・学校に慣れたボランティアは、1 校だけでなく複数校 で活動することや支援の方法を工夫することなどを考 えてくれている。少しずつ学校支援ボランティアが根 付いてきている。 ・地域の団体(コミュニティ推進協議会)の中には、学 校と連携してお祭りをやりたいと考えているところも あり、地域住民の意識も変化してきている。 (課題) ・ボランティアの保険は団体で加入しているが、ボラン ティアの増加で保険の負担が増えてきている。予算は 少しずつ削られていくので、将来的には予算の確保が 難しくなる可能性がある。 ・ボランティアバンクに登録しても、実際に活動機会が ない方からお叱りの声をいただくことがある。学校支 援ボランティア活動について理解を得られるように説 明する必要がある。