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ぺた語義:新たなICTが教育にもたらすもの

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Academic year: 2021

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(1)Vol.80. CON T E N T S 【コラム】新たな ICT が教育にもたらすもの… 増澤 利光 【解説】最先端テクノロジーを学ぶ理系学生の留学を官民協働で支援する理由… 船橋 力 【解説】情報処理分野における留学とインターンシップの重要性 … 佐久間 洋司. COLUMN 基 応 専 般. 新たな ICT が教育にもたらすもの. 昨年(2017 年)末,「ブロックチェーンを使って学習記録を管理する国内初の実証実験を年度内に始める」と いうニュースを目にした.ブロックチェーンは,ビットコインなどの仮想通貨の基盤技術としてよく知られている が,インターネット上に構築された P2P(peer-to-peer)ネットワークを利用して,情報(仮想通貨の場合,取引 の全履歴)を記録した台帳を実質的に改ざん不可能な形で共有することを可能にし,365 日 24 時間利用可能なシ ステムの実現を可能にする.P2P ネットワークを利用するため,高度な信頼性を有する高価なサーバが不要であり, 比較的安価に実現できるという利点もある.分散台帳の改ざん(仮想通貨の場合,通貨の偽造や二重使用)を防ぐ ために,暗号的ハッシュ関数や電子署名をうまく組み合わせて利用しており,技術的にも非常に面白いが,その詳 細は解説文などに譲る.ブロックチェーンで実現される,信頼性の高い分散台帳を仮想通貨以外のさまざまな分野 で活用しようという取り組みが多数行われており,教育分野でもその活用が模索されている. 今回のニュースで紹介されたシステムは,ブロックチェーンを利用して,学生の学習到達度や学習活動を記録 するものである.これらの情報を教員間で共有して学習指導に活用することや,多数の学生の学習活動記録と AI を用いて,各学生に適切な学習指導を提示することが可能になる.さらに,IoT を活用して,さまざまなデバ イスから収集されるきめ細かな情報を利用できれば,そのときの学生の気分に応じた学習指導も可能になるかも しれない.また,ブロックチェーンに保管される記録は改ざん不可能なので,学習到達度や学習活動の証明とし て入学試験や就職試験に活用することも可能である. 日ごろの学習活動の記録を学習指導,入学試験や就職試験に利用できると,教育学習方針もずいぶんと様変わ りする可能性がある.適切できめ細かな学習指導を受ければ,学生はムリ・ムダ・ムラのない学習計画を立てる ことができる.アナログ的な学生時代を過ごした筆者から見ると羨ましい限りである.一方,すべての学習活動 が記録されるわけだから,さぼっていたことも分かってしまうし,好きな科目ばかり熱心に勉強するとか,嫌い な科目は一夜漬けで凌いでしまうという,個性的な学習態度が失われないか少し気になる.また,日ごろの学習 活動が記録されると思うと,学生は常にプレッシャーを感じるかもしれず,少し可哀想な気もする. 増澤利光(大阪大学). LOGOTYPE DESIGN...Megumi Nakata, ILLUSTRATION&PAGE LAYOUT DESIGN...Miyu Kuno. ぺた語義は pedagogy(教育学)を元にした造語です.常設の教育コーナーとして教育や人材育成に関する記事を広く掲載しています. ぺた語義に掲載された記事は,情報処理学会 Web ページの「教育・人材育成」からどなたでもご覧いただけます .. 情報処理 Vol.59 No.4 Apr. 2018. 381.

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