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教師のモチベーションとメンタルヘルスの関係-不安と抑うつに焦点をあてて-

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Academic year: 2021

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(1)教師のモチベーションとメンタルヘルスの関係一不安と抑うつに焦点をあてて_  学校教育学専攻 臨床心理学コース.    M0805山     金川 悟.          問題と目的. 方 法.  教師の精神疾患による休職は,年々増加している.  公立学校教員42名に対して質問紙調査。. (文部科学省,2008)。教職員の健康調査委員会. 質問紙. (2006)や,ウェルリンク株式会社(2007)の調査にお.  フェイスシート性別,年代,教職経験年数,校種。. いて,教師の受けるストレスは一般の労働者に比べて.  自由記述(a)教師になる最初の動機,(b)教師の仕. 高く,調査の中で“気持ちが沈んで憂うつ”であると回. 事をする中でモチベーションが上がるできごと,(C)教師. 答した教師の割合は一般企業の平均と比べると約2,9. の仕事をする中でモチベーションが下がるできごと,. 倍であった。. (むモチベーションが下がるできごとに遭遇したときの対.  文部科学省はこれらの事態に応じ,2008年1月,各. 処行動,(e)現在の教師の仕事を続けている動機。. 学校の管理職及び教育委員会あてに通知を行い,具. 結果. 体的な5つの方策を示したその方策の1つに“配慮. 〈KJ法による分類〉多様なモチベーションが相互に. が必要な教育職員を把握した場合には,例えば,中心. 関連しながら,調和し,教職へのモチベーションとして. となって相談を受ける職員を指名する”とあり,現場職. 統合されていることが示唆された。. 員による対応についても記された。. 〈自己決定翠論による分類>教師になる前は,“教科.  本研究は,教育現場での具体的な介入の視点の1. の専門性”,“子どもが好き’’などの“内発的調整”のモ. つとして,“教師のモチベーショゾに着目し,“自己決. チベーションが約3割を占めていた。教職に就いてか. 定理論’’(Deci&Ry㎜,2002)を参考に,教師のメンタ. らは,“生活の安定”,“職場環境’’などの“外的調整”の. ルヘルスの保持増進に向けた基礎的研究を行うことを. モチベーションの割合が高く約4割を占めていた。. 目的とする。.  研究I’教師のモチベ ション尺度の作成. <モチベーションについて>. 目的.  モチベーションに関する研究は,これまでに幅広い 分野セ“動機づけ研究”として数多く行われてきた。し.  “教師のモチベーション尺度’’を作成し,信頼性,妥. かし,本邦では今のところ,教師のモチベーションを. 当性を検討する。教師のモチベーション尺度質間項目. “自己決定理謝’によって分析し,メンタルヘルスとの関. の属性による差違を比較し,検討する。. 連を明らかにした研究は見当たらない。. 方法. 〈本研究の仮説>.  公立学校教員328人に対して,“教師のモチベーシ.  ①教師のモチベーションの維持・向上は,ストレス反. ョン尺度(29項目)”の質問紙調査を行った。.   芯としての不安・抑うつを緩和する可能性がある。. 結果. ②自律的なモチベーションは,問題解決,課題解決. <因手分析>主因子法,Pmm撤回転。十分な因子.   に向けた対処行動を促す。. 負荷量を示さない3項目を除外し26項目について因. ③モチベーションは教職特有のライフイベントの影. 子分析。“子供への関わり’’,“教職の楽しさ”,“経済.   饗を受けて変化する。. 性’’,‘‘生きがい”,“知的好奇心”の5因子を抽出。有意 な因子間相関(r=.22∼.77)を示した。.          予備調査. <信頼性>下位尺度の内的整合性は十分に高かった. 目的. (α:.74∼.90)。.  “教師のモチベーション’,“教職特有のライフイベン. <妥当性>質問項目は自由記述を基に作成。現職教. ト’’,“教師の対処行動’’を調査,分析する。本調査(研. 員2名を含む心理学系大学院生5名で検討,内容的. 究I,I)質問項目プールの作成。. 妥当性は高いと判断された。. 120.

(2) 〈平均値の比較>男女差については,18項目で男性. どもへの関わり’’,“教職の楽しさ”,“知的好奇心”が. の平均値が高く,そのうち5項目は有意に高かった。年. “問題焦点型対処”と弱い正の相関を示した。. 代差については,男性では20・30代が高かった。女性. 〈モチベーションとライライベントとの関係>男女とも. では20代が高かった。. に“子どもへの薗わり’’,“教職の楽しさ”,“知的好奇 心”,“生きがい”がポジティブなライフイベントと弱い正. 研究I:教師のモチベーションとストレツサr. の相関を示した。.       ストレス反応の関連          総合考察. 目的  “教師のモチベーション”,”ストレッサー”,”ストレス. <予備調奪の結果から>モチベーシ白ンは相互に関. 反応”の関連について検討する。. 連し,調和,統合されて教職への適応がすすむと考. 方法. えられる;.  公立学校教員328名に対して質問紙調査。質問項. <研究Iの結果から>モチベーションの因子間に正. 目は予備調査で作成した質問項目プールから精選。. の相関がみられることから,いずれかのモチベーシ. 質問紙. ョンを操作することでモチベーションを全体的に強.  (カ「教師のモチベーション尺度(26項目)」研究Iで. 化することが可能であると考えられる。また,男女.  作成,(b)「Dep祀ssionAn】de蚊S虹ess Sca1e」. のモチベーションに差異があること,男性では40.  (Lovibond&Lo耐b㎝d,1995)から不安(DASS−A)と. 代,女性では30代でモチベーションが低下する可能.  抑うつ(DASS−D)各7項目,(c)「教師のライフイベント. 性があることが示唆され,男女別,年代別に応じた.  尺度(12項目)」高比良(1998)を参考に自己作成,. 介入が適切であると考えられる。.  対人・達成場面のポジティブなライフイベント(P㎜. <研究Iの結果から>自律的なモチベーションは.  対人,PLE達成)とネガティブなライフイベント(NLE. “抑うつ’’を緩和する可能性があること,自律的な.  対人,NLE達成)各3項目,(d)r教師の対処行動尺. モチベーションは“問題焦点型対処”を促すこと,.  度(6項目)」Lazarus&Fo1㎞an(1984)を参考に自. 自律的なモチベーションはポジティブなライフイベ.  己作成,問題焦点型・情動焦点型対処各3項目。. ントの影響を受け,強化される可能性があることが. 結果. 明らかにされた。よって,仮説②は支持され,仮説①. く男女差の検討>モチベーションについて,‘‘経済. と③については部分的に支持された。. 。性”と“生きがい”は,男性〉女臨“不安”,“抑うっ’に. <教育現場へのラィードパックについて>“自己決定. ついては,有意な男女差はなかった。対処行動につい. 理論’’により,モチベーションが他律的な状態から. て,“情動焦点型対処’は,女性〉男性。ストレッサーに. 自律的な状態に変容する過程について理解すること. ついて,‘‘PLE達成”は,男性〉女性。. は,職務への適応状態を知る手がかりとなる。モチ. <年代差の検討>男性の“子どもへの関わり”は,30. ベーションを活用したアプローチは抑うつを緩和す. 代〉40・50代,“PLE対人”は,20代〉50代。女性では,. るとともに,職務への適応を促進する可能性がある。. “生きがい”は20代〉30代,“問題焦点型対処’は,2b. モチベーションを活用した介入プログラムとしては,. 代〉40・50代,“NLE達成”は20代>40代。. モチベーションのコントp一ルとリラクゼーション. 〈モチベーションと不安・抑うつの関係>男性は“知的 好奇心”,“教職の楽しさ”,“生きがい”,“子どもへの関. 等を並行して行うストレスマネジメントなど,“セ ルブケア”に焦点を当てた教育研修などが,精柚疾. わり”が抑うつと弱い負の相関。女性は‘‘教職の楽しさ”. 患の予防的介入と・して有効であると考えられる。. と“生きがい”が抑うっと弱い負の相関,“経済性”と抑う. く本研究の限界と課題>調査対象者の属性の偏りや,. つが弱い正の相関。モチベrションと“不安’’は男女と. 教師のストレスを職務に起因する要因に絞るなど,. もに相関なし。. 限られた範囲の結果であった。今後は,一本研究から. くモチベーションと対処行動の関係>男性は“子ども. の知見をもとに,さらに実証的な研究を積み重ねる. への関わり”,一“教職の楽しさ”,“知的好奇心”,“生きが. ことが課題とされた。. い’’が“問題焦点型対処’’と弱い正の相関。女性は“子.          主任指導教員(有園 博子) 十ヒ措払目  ∫r←1…目  ‡由r.コニ、. 丁目等微員 ぺ円困  1守一一」ノ. 121.

(3)

参照

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