確定拠出年金の評価と課題
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(2) 横浜経営研究 第26巻 第2号(2005). 62(224). 目 次 1.. わが国の企業年金. 5.3 途中払出しの要件緩和. 1.1. わが国の企業年金の特徴. 5.4 終身年金ぞの給付設計. 1.2. 企業年金の財政構造. 5.5 運用成績の向上と手数料引下げに. 1.3. 企業年金をめぐる環境変化. よる利便性の向上. 1.4. 企業年金見直しの選択肢. 6.退職給付制度の将来 6.1. 企業年金再生への検討ポイント. 2.1−’運用環境の低迷. 6.2. 確定拠出年金へのシフト. 2.2 退職給付会計導入の影響. 6.3. キャッシュバランス制度の動向. 3.確定拠出年金の現状. 6.4. 制度ミックスの多様化が進展. 3.1 確定拠出年金の導入状況. 6.5. もう一段の制度改革が必要. 2.企業年金の積立不足問題. 3.2 確定拠出年金の原資. 7.米国401(k)プランの動向と比較. 31.3 他制度からの資産移i換の状況. 4.確定拠出年金の制度設計. 7.1 米国401(k)プランの状況 7.2 従業員の選別手段としての応用. 4.1 確定拠出年金の掛金決定方法. 7.3 公的年金へのDC導入の可否. 4.2 確定拠出年金における運用リスク. 8.経営学からのアプローチ・. の移転. 8.ユ 退職給付のパラダイムの変化. 4.3 退職給付との役割分担. 8.2 退職抑制効果の後退 ・ L. 4.4 退職事由1による減額の可否. 8.3 確定拠出年金の導入による財務リ. 5.確定拠出年金の課題と対応状況. スク軽減仮i. 5.1 拠出上限の引上げ. 8.4“人的資本の評価に関する応用. 5.2 特別法入税の撤廃. (参考文献) ・.
(3) 確定拠出年金の評価と課題(山口 修). (225)63. (図表1−1)変革直前の2002.3宋の企業年金実施状況. 制度数. 加入貝数. 年金資産. 適格退職年金. 7a582件. 9,167千人. 227兆円. 厚生年金基金. 1737基金 1α871千人. 5τ0兆円. (出所)企業年金辿合会「企業年金に関する基礎資剛. 1.わが国の企業年金 1.1 わが国の企業年金の特徴. 付企業年金制度(規約型,基傘型いずれでも可). に移行して,加算部分等の上乗せ給付を承継し. つつ,制度を継続する運営が行なわれている.. . (1)企業年金制度の種類と最近の変化. この結果,今後のわが国の企業年金は,従前か. わが国の企業年金制度は,1962年3月の税制 改正で設けられた適格退職年金制度と1965年6. ら採用’されていた厚生年金基金制度のほか,新. たに導入された確定給付企業年金制度と確定拠. 月の厚生年金保険法の改正により1966年ユ0月か. 出年金制度の3つの類型に集約されていくこと. ら実施された厚生年金塞金制度の2つの制度が. になる.,. 導入されたことによって,本格的に普及してき た.. (2)退職時点で支給される給付がベース 、’. その後,2001年6月に企業年金2法が成立し,. わが国の企業年金め原資は退職一時金制度か. 同年の10月から確定拠出年金法が施行され,翌. らの移行が多い.(図表・1 一’2)によれば,従業. 年4月からは確定給付企業年金法が施行された. これらの法律の導入によって,・日本版40ユ(k). 員規模5QO人以上の企業では実に8割以上が退 職一時金制度の全部または一部を移行して企業. とも通称される確定拠出年金制度がわが国にも. 年金の原資としているのがわかる.したがって,. 導入されるともに,給付建て制度についての受. わが国の企業年金制度の多くは,そのルーツで. 給権保護が強化きれ,あわせて厚生年金基金の. ある退職一時金制度の特徴であった退職時点で. 代行部分を国に返上する途が開かれることにな. の一ll3金形式での給付方法を継続しつつ,年金 形式での受給もできるという選択肢の多様化が. った.また,確定給付企業年金法の施行にとも1. ない,適格退職年金制度の新規設立は認められ. なさ江たものと理解することができよう.. なくなり,既存の適格退職年金制度についても1. 企業年金における給付額算定方式として代表. 2012年3月までに廃止し,確定給付企業年金や 確定拠出年金など他の企業年金制度に移行する. 的なものは,定額式と給与比例式の二つの方式. こととされた.. 代行返上が開始される直前の2002年3月末現. であるが,現段階では給与比例式が多数を占め ている.わが国の場合,給与比例式の基準とな る給与は平均給与ではなく最終給与を用いるケ. 在での,企業年金の実施状況は(図表1−1・・)、. ースが多い.. のとおりであった.その後,適格退職年金制度. また,職能資格制度の導入の動きと相侯って. ぱ新規の契約が認められなくなり2005年3月ま. ポイント制の導入も幅広く進んでいるが,最近. でに2’万件以上減少したほか,厚生年金基金制. でぱ確定拠出年金によく似た外観をもつキャッ. 度でほ2002年4月から2005年9月までの間に. シュバランス制度(後述)の導入を検討する企. 324基金が解散し,831の厚生年金基金が代行部. 業が増加し,今後急速に拡大するものと見られ. 分の支給義務を国に返上するなど,大きな地殻. ている.このように給付額の算定方式は企業に. 変動が続いている.. なお,代行返上後の厚生年金基金は,確定給. よって異なるが,共通するのは,退職一時金制 度からの移行が多いために,退職時め一時金給.
(4) 杣浜経営研究 第26巻 第2号(2005). 64(・226 ). (単位:%). (図表1−,,2)年金制度導入の原資. 退職一時金を原資とする 区 分. 全体計. 合計. 退職一時金. i社数). ニは別枠. 100 ,. 合 計. 一部移行. 一部‘ 移行. 73.1. P5.3. @‘80i3. その他. レ行. {別枠. 23.3. 全部. (ユ2.3). (62、6). (2巴1). a7. i148). i6生8). i2巳4). S5. i217). i54D. i432). P.5. i245) T00人以上 ͡. P0α0 i177)1. T00人朱満. P00.0. P 544 S4.1. @ 卜. i68). (出所)日経連/凍経協「退職一時金・年金に関する実態調査」(平成コO年9月調査). 付を起点とする考え方が採られているという点. これらがキャッシュ・イ’ンフローとなる..一方,. である.. キャッシュ・アウトフローは年金や一時金など. もともと,退職一時金制度では退職時点で即. の給付である.したがって,この収支相等の等. 時に支給される給付である.このような即時支. 式が長期的な観点から成り立っという意味は,. 給タイプの制度をベースにして,一定の支給開. 掛金と運用収益の合計が,年金等の給付とi現在. 始年齢(例えば60歳)まで支給を据置く形で年. 価値に換算して一・致するものでなければならな. 金給付が設誹される場合,据置によ,る時間価値. いということである.つまり,. を調整する目的で据置期間に対応する金利相当. P+」=8 り・収支相等の原則. 分の給付の上乗せが行われるのが一般的である.. (収:二㌫禦曝纏吾;三⑳. このような据置期間に見合う金利相当額の上 乗せを据置加給と呼んでいる.この据置加給の 仕組みは,退職一情金制度をルーッとするわが 国の企業年金において,退職時から年金支給開‘. 始年齢まで繰り延べて年金形式での給付形態に 変換するにあたrうて,受給タイミングの差によ. 2000年度以後,企業年金の運用収益,がマイナ ・スになる年度が実に3年1も1続いたが,この収支. 相等式を用いて運用収益が低下した場合にどこ に影響が表れるかを確認してお己う.. いわゆる給付建て(以下法令表現に合わせて. る不公乎をなくすために必要なものであり,退. 「確定給付型」’という)制度では規約等で給付. 職一時金からスタートした日本の企業年金に特. 1内容が固定されているため,運用収益が予定利. 有のものといえる. 1. 率より少なくなる状態が続くと,こ1の[収支相 等の原則」の等式で規定される枠組みの下では,. 1.2 企業年金の財政構造 年金制度はその種類の畑何を問わず,「収支. 必然的に掛金を引上げなければならないご 二方,,掛金建て(以下,法令表現に合わせて. 相等の原則」というものが成り立つ.これは年. 「確定拠出型」という)の制度では,同様に運’. 金制度を円滑に運営するためには,制度に流入. 用収益が予定利率より少なくなる状態が続いた. する資金と流出する資金が長期的に均衝しなけ. 場合,逆に給付の方が可変的で掛金の方が固定. ればならないというもので,年金財政の基本的. されているため,運用収溢の低下がそのまま将. な考え方である.年金制度の側からみた場合の. 来受給する給付額の減少という形でバランスを. 収入とは掛金収入と積立金の運用収益であり・. とることに・なる1..
(5) 確定拠出年金の評価と課題(山口 修). この財政構造から,運用リスクを負担する主. (227う 65、. 国債利回りの過去実績の平均を用いたが,国債. 体が確定給付型では掛金を負担する企業である. の利回りが続落するにともないこれに連動して. Fのに対し,確定拠出型では自己責任で運用する. 割引率が低下し,・つれて退職給付債務の額が毎. 従業員ということになる.この相違は特に確定. 年増加するという事態が生じた.この結果,退. 給付型の企業年金等から確定拠出年金(企業型). 職給付のコス’ト負担が企業経営上の重要なテー. に移行する場合に重要なポイントとなる.詳細. マの一つとして広く認識され,企業年金を含む. は後述1)するが,運用リスクの移転にともなう. 退職給付制度全体について再検討が求められる. リスクプレミアームをどのように調整するかとい. ようになってきた.. う欄題である.. 加えて,’4つ目の影響としては,IT革命に 伴う生産性の向上や雇用の流動化の進展等によ. 1.3 企業年金をめぐる環境変化. って,伝統的な長期勤続を前提とする年功序列. 21世紀に入る前後において,企業年金をめぐ. 型の処遇体系では時代の変化に対応できなくな. る環境が,4つの面で非常に大きく変化した. 1つは公的年金の改正問題で,特に給付の削減. (PAY NOW)を求めるエー一ズが高まってきた. という面があげられる.少子高齢化,人口構造. ことがあげられる. 、. り,後払い (PAY LATER) より前払い. の変化の中で,年金財政を維持していくために. 2000年のミレニアム改革で報酬比例部分が5%. 1.4 企業年金見直しの選択肢. 引下げられたのにつづいて,2004年の法改正で. このような環境変化の申で,企業が進めてい. はマクロ経済スライドによる給付減額が導入さ. る年金改革の選択肢としては,現行制度の枠組. れることが決定した.このため,これを補完す. みの中で可能な漸進的な見直しと,制度の枠組. る観点から,企業年金に対する役割期待が従来. みそのものを変更する抜本的な見直しの2つに. 以上に高まることになった.しかし,一方では. 分けられる.漸進的な見直しとしては,. 前述の2000年度からの運用環境低迷の影響を受. ③予定利率を運用収益の実勢に合わせて引 下げる方法(この場合,掛金水準は上昇. けて,3年連続のマイナスの運用成績が続いた ため,旧来型の確定給付型制度では企業の掛金. する),. 負担が増加する事態が生じた.バブル崩壊後で. ② 給与比例式の給付体系から資格制度等に. リストラ継続中の企業にとっては,その負担は. リンクしたポイント制度の給付体系に変. 重く,給付利率の市場実勢に合わせた変更や労. 更する方法,. 使合意による給付水準の引下げなどによって, 掛金増加に歯どめをかけようとする企業が続出. ③一時金から年金に読み替える給付利率を. 実勢レートに会わせて引下げる方法,. するようになった.. (この場合,年金での受給額が減少する). さらに,一番インパクトが大きかった思われ. ④ 労使合意による給付水準の引下げ,. る変化は,いわゆる企業会計でのグローバル・. ⑤一年金委員会などを設置し,・資産運用面に. ルールの導入問題であった.2000年度から上撰. おいて企業のイニシアテブの下で企酬. 企業を中心に醇入された退職給付会計では,企. 金の管理運営体制を強化する方法. 業年金や退ll階一時金などの退職給付制度に{系る. などの動きがあげられる.. 会計処理に関しても国際的な会i汁暴準が樽入さ. 一・方,抜本的な見直しの方法とぱ,’. れることになり,勤務期間に応じて発生清の債. ⑥原生年金基金の代行部分を靱二返上して. 務を割馴計弊の手法によって斜1定する方法が採. 新たな企業継金の種別である確定給付企. られたtこの割引率の基準として多くの企業が. 業年金制度に移行する方法,.
(6) 横浜経営JliJf究 第26巻 第2“号 (2005). 66(228). (単位:%). (図表2ヰ)企業年金の運用成績. N度. 1998. 実績. 2.6. w. 1999 ユ3.1. 2000 ▲9.8. 2001 ▲412. 2002. 2003. 2004. ▲12.5. 16.2. 5.0. {出所)原生年金基金連合会,格付投資情報センター. ⑦従来の企業年金の全部または一部を確定. ていくのかが大きな焦、点となっている.. 拠出年金やキャッシュバランス制度など. 従来型の確定給付型の企業年金制度において. の市場連動型制度に移行する方法,. は,「収支相等iの原則」から運用収益が予定を. ⑧企業年金などの後払い型の制度を全面的. 下回る状態になるとそれを補うために掛金が増. に廃止して,在職中の報酬等に上乗せし. 加する仕組みになっている.このため,多くの. て支給する形に変更する方法(=退職一. 企業では掛金負担の増加を抑制するために,給. 時金の前払い制度). 付設計の見直しによって将来発生する年金受給. など,従来の制度の枠組みそのものを改編す. 額の減額や,既に受給中の年金額も減額する方. るものである.. 法2)などの既存制度の中での対応策を講じたほ. なお,これらの制度変更とは別に,会計上の. か,運用結果が給付額に直結し,従業員が運用. 年金資産とみなされる退職給付信託を設定する. リスクを負担する確定拠出型制度への転換など,. 動きが優良企業を中心に多く見られた.これは. 運用低迷は企業年金見直しの必要性が認識され. 主に,企業が保有する金融機関などとの持合い. る大きな転機となった.. 株を信託財産として拠出し,議決権を留保した まま従業員等を受益者とする信託を設定1して, 会計上のみなし年金資産を増額させ,退1隈給付. 会計上の積立水準の向上を図るものである.こ. 2.2 退職給付会計導入の影響 従来わが国の会計ルールでは,退職給与引当 金という勘定科目によって,退職一蒔金制度だ. の場合,拠出した株式の価値は時価評価される. けを対象にし,しかも必ずしも十分な引当水準. 取扱いとなっている.. でなくても許容される債務認識の方法が採られ ていた.しかし,2000年度から導入された新し. 2.企業年金の積立不足問題 2.1 運用環境の低迷 2000年度以後の厳しい運用環境の下で,前述. い会計ルールでは,企業年金,退職一時金いず れの制度を採用していても,制度の種類に関わ. りなく包括的に債務認識を行うことになった. しかもその認識の方法は全企業に統一的な方法. のとおり企業年金では3年聞連続してマイナス の運用パフォーマンスを記録するという未曾有. であり,国際的基準に合致した厳格な債務認識. の事態が生じた.特に2002年度については,平. が求められたため,従来は先送りしていた債務. 均でマイナス12.5%という劣悪な運用結果とな り,大幅な利差損(予定利率と実際運用利回り. の認識が必要となり,積立不足が一挙に顕在化 する1こどになっ1た.. の差異によって発生する財政上の不足額)が発. この・ため2000年度の導入時点において,会計. 生し,掛金の引上げを余儀なくされる要因とな. 基準変更に伴う積立不足は15年にわたって処理. った.その後,2003年以後では運用成績は回復. できると認められたが,宥力1企業では退職給付. しているが,過去の厳しい運用状況を踏まえ抜. 信託を設定する方法などによPて一時に費用処1. 本的な制度の見直しに着手する企業が増加して. 理を行う対応がなされた.その際,この信託に. きており,運用リスクを誰がどのように負担し. 拠出1された有価証券の中には,持ち合い関係の銀.
(7) 確定拠出年金の評価と課題(山口 修). (229)67. (図表2・2)、退職給付債務関連の構成比の推移(3t4社の分析}. 一. N度 退職給付債務. 2003/3. 2001/3 2002プ3. 2004/3. 100%. 100%. 100%. i56兆円)’. i60兆円). i54兆円). i51兆円). 50%. 4296. 52%. 100% ・. 年金資産. 、 T4%. 未認識債務. 17%. 、22%. 32%. 2096. 退職給付引当金. 33%. 34%. L39%. 37%. (出所)矢野、[2005]より抜粋. 行株が多く含まれていたが,その後の不良債権. 囲内)が予め決められており,それを加入者等. 処理問題の長期化の影響を受けて銀行株が特に. の個入別持分勘定に蓄えていく構造となってい. 大きく値を下げたほか,株式市場全般の低迷に. る.加入者等はこの持分勘定の積立金について,. よる資産の目減りによって新たな積立不足問題r. 自ら運用対象を選択し,その運用結果にもとつ. が生じた.. いて形成される勘定残高をN一スにして年金額. ・また,これと同じ時期に国債利回りが低下し,. を定めて,年金等の給付を受給する仕組みであ. それに連動ずる形で会計上の割引率も下がった. る.このため,同じ年数,同じ額の掛金を受け. たあ,発生済の将来給付を割引計算する退職給. 取った場合でも,選択した運用商品の種類や運. 付債務の額が増加する一方で,上記の資産価値. 』用割合の違いによって,、最終的な年金受給額が. 一の減少というダブルパンチで,多くの企業の財. 異なる自己責任にもとつく制度といえる.. 務状況に深刻な影響を与えた.,. この退職給付会計の問題を314社のサンプル で時系列調査をLた(図表2−2)によると,. 3、1 確定拠出年金の導入状況. 2001年10月から導入された企業型の確定拠出. 債務に対する資産の割合は2001年3月期で54%,. 年金は,その後緩やかな速度ではあるものの着. 2002年3,月期で50%,2003年3月期にいたって. 実に普及し,2005年9月末には規約件数で、. は実に42%・まで低下した.その後,2004年3月. 1,566件,加入者数では156.3fi入(2005.8末)の. 期には52%まで回復したが,これはやはり運用. 規模にまで増加した.また,資産残高についで. 環境が非常に悪かった時期に,傘利低下に伴う. も,2004年6末時点で7,688億円であったもの. 債務の増加が重なっ1たことが伺えるデータとい. が,2005年3月末には1兆円の大台を超過4)す. えよう.. るところまで拡大してきた.. な.お,ここで退職給付債務の実額が2003年以. これを規模別に実施件数を見たのが(図表. 後減少しているのは,代行返上に伴って,厚生. 3−1)である, 規約単位で見た場合,規模別の実施数がほぼ. 年金基金め代行部分が債務認識の対象から外れ’ たためである.. 同じであったが,1規約で複数企業が参加して ’いるため,企業数で見ると半数以上が従業員規. 凸 3.確定拠出年金の現状 このような犬きな変革期の中で老後の所得保 障を目的として導入された年金制度が確定拠出. 模100人未満の中小企業での実施であることが わかる.しかし,:1・,OOO入以上の企業での実施. 件数の比率も工0%に達しており,従業員規模別. 年金である.. の企業数比率の全体分布から考えて,相対的に. この制度では企業が拠出する掛金(上限の範. 大企業での確定拠出年金の導入が先行している.
(8) 横浜経営研究 第26巻 第2号(2005). 68{ 230 ). (図表3L 1)規模別実施件数. 規約単位の件数. 法人単位の件数. (合計:1260件). (合計:3,791件). 99人以下. 308件(24%). 2ユ74社(57%). 100∼299人. 319件(25%). 755社(20%). 300∼999人. 315件(25%). 487社(13%). 1,000人以上. 318件(25%). 375社(ユ0%). 入数規模. (出所)第13回確定拠出連絡会識資料(2005年1月末時点). (図表3−2)確定拠出年金の導入理由. 理由. 割合. ①企業会計改革に合わせた退職給付債務の解消. 48%. ②従業員が自らライフプランを考える契機. 43%. ③企業の財務体質の改善 ’. 42% ・. ④給与,報酬体系の再構築. 32%. ⑤福利厚生の充実・見直し. ・26%. ⑥従業員の老後生活保障の多様化. 24%. ⑦転職時などのポータビリティの確保’. 17%. ⑧新規人材確保などに向けた企業の魅力向上. 15%’. ⑨従業員,労働組合の要請. 696. ⑩その他. 1096. (出所)as 9回確定拠出連絡会誰の資料{2003年7月末時点). 状況が伺える分布となっている.. に基づいて評価・把握し,その債務から年金資. 次に確定拠出年金を導入むた理由は(図表 31−2)のとおりであるが,このうち一番多か. して引当金を計上するというのが新しい会計基. ったのは「企業会計改革に合わせた退職給付債. 準の考え方であった.. 務の解消」(48%)で’s三番目にも「企業の財. このような確定給付型の制度を確定拠出年金. 務体質の改善」(42%)という同様の趣旨の回. に移行すると,企業と従業員間の約束的容は,. 答があがっており,企業にとって企業財務上の. 毎月各従業員の個人勘定に掛金を拠出すること. 問題の解決がこの確定拠出年金導入の背景にあ、. に変わる.通常,企業は従業員に対するこの約. ったことが伺える.. 束(=拠出)をきちんと履行し,未清算の債務. 会計上の債務認識の問題を考えた場合,従前. eは残らないと考えられるので,企業会計上,摘底. 産として積立てられた額や遅延認識項目を控除. の確定給付型の制度では従業員に約束した給付. 定拠出年金に閲しては,退職給付債務の認識を. が退職時又は退職後に実そテされるので,在職申. する必要がないことになる.. は受給権は生じているものの給付が行なわれて. 一方,債務認識が必要な確定給付型の制度に. いない状況がずっど続くことになる.その間,. おいては,金利が低下すると割引率(国債の利・. 会社は従業員に対して債務を負っていることに. 回りの過去・5年平均などを使う企業が多い)、も. なるので,その債務を会計的に厳密な発生主義. 低下をすることになる.その場合,金利感応度.
(9) 確定拠出年金の評価と課題(山口 修)’. (231)69. で影響を計ると,大体0.5ポイント割引率が低. 料からの天引き拠出がベース・になっ1た貯蓄優遇. 下すると,10%程度退職給付債務が増えるとい 税澗であり,企業は本人の貯蓄を補助するマッ う関係がある.したがって,金利の低下局面が チング掛金を拠出して,401(k)プランを奨. 続く中で確定給付型の制度を維持していると, 励するケ“スが多い. r 債務認識の評価額が大きくなって,退職給付費 一方,わが国では税制優遇措置による貯蓄奨. 用がどんどん増えることになる. 励政策はとられていないため本人が拠出すると これは,米国でFAS87という会計ルールが導 いう考え方はなく,企業拠出のみになっている. .入された後にも同様の動きがあって,米国では このように企業だけが拠出するタイプの確定拠 特に,概念上確定拠出型によく似た年金制度で 出年金制度では,従来の退職給付制度とは無関 あ,るキャッシュバランスプランが急速に増加す 係に新たな企業負担として導入されるゲtスは. る契機になった.このように,会計ルールの変 ほ、とんどなく,大部分は既存の退職給付制度 更が年金制度に与えるインパク下は,非常に大 (退職一時金や企業年金など)を減額または廃 きいものであったと推測で1きる. 止する見返りに導入されており,この点は米国 の制度と基本的に異なる点である.. 3.2 確定拠出年金の原資 したがって,わが国の確定拠出年金では,他 わが国の確定拠出年金は,米国の401(k)プ の退職給付制度からの聞度移行を想毒してt資 ランを手本にして作られた.そもそも米国の401 産の移管についての親定が設けられている.. (k)プランとは,内国歳入法の第401条k項の 厚生労働省のeg 9回確定拠出連絡会議で報告 規定を満たす制度であり,基本的な制度内容は, されたアンケート調査では,確定拠出年金を実 ・・ CODA(Cash or Deferred Arrangement)1 施している企業で確定拠出年金以外の退職給付. 即時据置選択制度,つまり給料をキャッシュで 制度も保有している割合は66%であり,確定拠 今までどおり即時にむらうか,あるいは一部を1 出年金のみの実施企業は未だ少ない状態である. 据え置いて引退後に受給ずるかをアレンジでき また,確定拠出年金の導入パターンについては,. るというものである.この場合,据え置いた部 (図表3−4)のとおり「既存制度を一部減額し 分は所得税の課税上所得控除される.したがっ て導入した」と「既存制度をすべて廃止して全. て,糎の40ユ(・k.)1プランの本・N・tま本人の給 面的に移行した」齢計した麟制度からの移 行組が全体の8割近くを占めてお . り,「全く新規に導入した」企業 {図表3−4)確定拠出年金の導入パターン. はIT関連企業や・J・売業などで従 6296 既存制度を一部減額して導入した 来退職給付制度が十分整備されて 全く新規に導入した ・ 1 17% こなかったものと見られ{る. 16% 既存制度を廃止して全面的に移行した なお,確定拠出年金溝入後}こ廃. (出所)第・回繊幽くの’ltjl’F(平成15申醜㈱ 止さt’tte既存制度として髄酬 ・ 職年金が73%と一番多く,一・一一部減. (臓3昂退職給酬齢構酬合嘩化 銚た繊謝剛麟1ま退職一時 金{間度が47%と・一番多いと報告さ 導入後 導入前 退職給付闇度の種別 れている.その結果,確定拠出年 12% 17% 厚生年金基金制度 金の醇入前後において退職給付制 8% ‘適格退職年金制度 49%. 度の占める各制度穣別の割合は 18% 3096 退職一時金制度 (図表3−5)めように変化し・確 (出所)第9国揃三定拠出辿絡会識の資料.
(10) 角菖2号 (2005). 70(232) 横浜経営研究 第26巻. 定拠出年金の退職給付に占める割合は平均で. 適用は行っておらず,制度導入以後の期間だげ’. 58%となロている.ただし,・このアンケートは. を掛金拠出の対象とレているごとになる・. 従業員規模が300人未満の企業が半数以上を占. 4.確定拠出年金の制度設計. .めており,退職給付制度の構成比率は企業規模 4.1 確定拠出年金の掛金決定方法. による格差が相当大きいと思われる1ことから・. 確定拠出年金における掛金設計の仕方には. 制度種別割合の実態把握についてはなお詳細な. 様々あり,(図表4−1)で表わされている方法. 検討が必要であろう.. はそのうちの一つの例であるが,.比較的オーソ ドックスな考え方といえる:一一. 3.3 他制度からの資産移換の状況 確定拠出年金の導入にあたっては企業年金や. ここでは標準的な従業員のモデルを設定して,. その標準者が入社から退職までの間,毎月,確. 1退職金から資産を移換して,確定拠出年金導入 以前の過去期間に遡って拠出があったものとし ‘. 定拠出年金の個人持分勘定で掛金を受け入れて,. て取扱うケースが多い.2005年1月末の調査で. それを標準的な運用方法によって運用を行った. は,』1260件の規約のうち,70%にあたる881件. と仮定した場合に形成される元利合計の額が, 変更前め退職一時金等の額と一致するような水. .で資産の移換がなされており,そのうちもっと. も多かったのは適格退職年金からの移換で493. 準で掛金を定めるというものである.. 件(全体の39%の比率で,移換ありの中では. その場合,標準者の入社年齢や標準的な退職. 56%),次に多かっためが適格退職年金と退職. 年齢(多くの場合,定年退職年齢を用いる)な. 金の両方からの移換で174件(全体の1.4%で, 移換ありの中では20%),三番目は退職金から. どの条件について,いくつかのモデルを設定し た上で,掛金の元利合計額が退職一時金等から. の移挟で170件(全体の13%で,移換ありの申. の移行原資額と等価になるような掛金水準を複 数案用意して,色々なケースを比較検討した上. では19%)であoた. 適格退職年金については,2012年3月末まで. で一つに絞り込むことになる.. 査からも確定拠出年金が廃止される適格退職年. これは米国のターゲットベネフィットプラン と同種の考え方であり,はじめに目標となる給. 金の受け皿としての機能している状況が伺える.. 付水準があって,それに到達するように掛金を. にすべて廃止されるこどになっており,この調. 決めるというアプローチとなっている.. .なお,資産移換を行っていない確定拠出年金. の場合には摘蠣導入以前の過X;ng聞への遡及. その際の前提になるのが,運用利回りをどの t. (図表4,1)確定拠出年金の設計方法(例) 1. 運用利回りの想定が大きい. 蕾. ほど、掛金額は小さくなる. 目 ll. 運用収益見’ 。 r. 一. =. 砿掛金額累計. の 標準者の. モデル. 、. i_. へ. 入社(20歳). 定年(60歳). 移行原.
(11) 確定拠出年金の評価と課題(山口’修). 程度の水準と想定するかという点である.. (233)71. 4.3 退職給付との役割分担. 上記の(図表4.−1)の掛金決定方法では, 確定給付型制度からの移行原資額という全体額. 一般に,企業は確定拠出年金の導入の見返り. が初めに決まっていて,その内訳を掛金額の累. 七が多い.例えばt従前の退職一時金のうち. 計と運用収益の見込みで分担する構造となって. 30%相当を確定拠出年金に変更したいと考えた. いる.このため運用利回りの水準によって,掛. 場合,退職一時金制度の新しい給付乗率は残存・. 金と収益の役割分担の境界線が変わることにな. 部分にあたる従前の70%相当に変更し,確定拠. に従前の退職給付の一部又は全部を減額するこ. る.つまり,運用利回りを小さく見込めば境目. 出年金は退職一時金制度と別のものとして分離. が上にあがり掛金水準が高くなり1t運用利回り を大きく見込めば境目が下方に動いて掛金負担. する方法が一般的な取扱いである.このような. が小さくて済むことになる.. タ’自動車に見られるように,定期預金での運用. 移行方式を分離型というとすれば,一一一Jtfでトヨ. したがって,この運用利回りの想定水準の設. を選択した場合に得られる元利合計の額を元の. 定が制度設計上,大きなポイントとなり,確定. 退職一時金の額から控除して移行後の退職一時. 拠出年金導入時の労使協議の重要な協議事項に. 金額を定める控除方式の制度5}(これを「控除. なっている.. 型」と呼ぶことにする.)も数は少ないが存在 する.この控除型では従業員が追加的なリスク,. 4.2 確定拠出年金における運用リスクの移転. をとらずに,定期預金などの基準運用商品に全. 既存の企業年金から確定拠出年金に移行した. 額遅用すれば,トータルとしての退職一時金の. 場合,運用リスクが企業から従業員に移転され、 Mr. 額(正確には控除方式で減額された退職一時金. 驍アとになるので,効率的な労働市場での価格. の額と定期預金で運用した確定拠出年金の持分. 形成シズテムが機能しているのであれば,従業. 残高を合計した額)は従前と全く変わらないこ. 員へのリスク移転に見合うプレミアム(これをL. とになるため,従業員にとっては運用リスクを. 追加的な掛金△P七表現する)が付加されるこ とが合理的な掛金決定と奪る・例えば△Pと』し て,無リスク資産の収益率にもとつく掛金額P。、. 全く負担しないことも可能な選択肢が含まれる. と標準的なポ」トフオリオの期待収益率1にもと. のような制度でリスク資産を選択するのは文字. つく掛金額Plとの差を付加する方法等が考えら. どおり従業員の自己責任ということになる.な. れる.. 形になっている.このため,控除型制度ではリ スクプレミアム分の掛金△Pは不要であ1) ,こ. お,控除型の場合には元の退職一時金を切り離. しかし,現実にぱ景気勲向,企業の収益力, 雇用環境,労使の力関係等により,掛金額設定. すことができないため,企業会計上の債務認識. においては追加的な掛金△Pがほとんどゼロに 近い状態である.結果として使用される想定利. 本稿では,わが国で多く普及している分離型. 率としては標準的な資産配分にもとつく期待収. の計算基準年齢以外で中途退職する場合には, たとえ想定利率どおりの運用成績があがってい. 益率や過去の国債利回りなどを根拠に設定して いるところが多いが,その水準は2.5%程度1}と. なっている.このことは,多くの企業では,運. 用リスクに見合う△Pの元利合計相当分だけ実 質的な給付水準の切り下げが行われていると解 することができる. コ. の問題解決には十分つながらないことになる.. をベースに考察しているが,分離型では定年等. たとし1ても給付カープの形状の相違によって給. 付減額となるケースが多い.また,計算基準年 齢である定年で退職した場合であっても,定年. 時点までの運用の巧拙や市場酬によって生じ る運用リスクの結果として給付額が増減するこ とになる.このような観点にたてば,前述の想.
(12) 横浜経営研究第26巻第腸(2005). 72( 234). 定利率の決定に当た?て,』従業員のリズク負担. 確定拠出年金の持分残高についての受給権が確. に見合o{,無リスク資産の収益率を基準とし て掛金額を決定ずべきであるとする主張が一層. 保されることになり,退職事由にもとつく給付. .明確に理解されるであろう.. められないことになった.. 減額や懲戒解雇にあたっての没Jl又などは一切認. 5.確定拠出年金の課題と対応状況 4.4 退職事由’による減額の可否. わが国の退職給付制度では,自己都合で退職. かねてより,確定拠出年金の課題として,以. する場合には減額率が適用されるほか,懲戒解. 下のような澗題点が指摘されていた.. 雇の場合には給付が没収されるケースがあるな. ① 60歳まで途中引出しができない ② 自己責任の制度であり,継続的な投資教. ど,L退職事由による給付格差が大きぐ存在した.. しかし,確定拠出年金では勤続3年以上の加入 ③. 者については,退職事由の如何に関わりなく,. 育の充実が必要である 1 制度の普及発展のためには,特別法人税 (現在,課税凍結中)’の撤廃が必要であ. 一切減額できないものとされた.これは,米国 のエ,iJサ法(ERISA:従業員退職所得保証法). る. で,付与済の受給権は減額することができない. ④使い勝手を向上させるには,掛金の拠出. とされているのと同様の取扱いであり,従前の. 上限の引上げが必要である. 確定給付型と比べて確定拠出年金への掛金が賃. ⑤他制度からの移行をスムーズ}:できるs うに一層の規制緩和が必要である. 金としての性格を色濃く持っていることを考慮. このうち,①については2ees年lGAbM後,本. した取扱いであると思われる.. このため,勤続3年以上の従業員については,. 人持分の残高が少額の場合には引出しが可能と. (図表4−2)分離型と相殺型 ①分離型 ・ ②控除型 一. 大部分の企業で採用している方式 トヨタ自動車などで導入した方式 給付額. ‥残存抵職 金等の額. :・残存遮職. 金等の額 中途退職時の. 減額相当分 ,ン確定拠出年 ゴ〆{金のi残高. レ確定拠出年金 〆イの残高. 年齢 無リスク資産の運用を選択すれば, どこで退職しても給付額は従前と 同じ水準が確保される。. 給付カーブの相違から定年 以外の退職時には給付減額. ノ.
(13) }. 確定拠出年金の評価と課題(山口 修). (235) 73,. (図表5−1)上限引上げの効果. 《1)20歳入社40年積立の元利合計 想定利率. 変更前. α5%. 19,124千円. 10% 1.5%. 且0% ・. 一 変更後. (m30歳入社30年積立の元利合計 一 マ更前 ・変更後. 融437千円. 1ag80千円. 21.224千円. 127,120千円. 15,102千円. 19,297千円. 23β19千円. 、 D 30,180千円. 16β37千円. 20,876千円. 261352千円. 33;674千円. 口700午円、. 22616千円. 17,863千円. なり,②についても徐々にではあ1るが継続教育. 5一ユ)では,.この想定利率として,0.5%,. の充実に向けた取組みが行われようとしている.. 1.e%,1.5%と2io%の4種類のものを用いて計. また,⑤については,既に他制度からの資産移. 算している.さらに,この種の比較では標準者. 換する場合の移換限度額が廃止されたほか,他. モデルの設定が重要となるので,60歳定年時ま’. 制度とのポータブルについてもt定の進展が見. での積立期間のモデル設定については,20歳入. られた.さらに,④については,2004年の10月. 社で40年勤続して定年60歳に達する40年積立の. より,企業年金等を実施していない場合の上限. パターンと30歳入社で60歳まで30年積立のパタ. が36,000円から46,00QIコ[].iに引上げられ,企業年. 金等を実施している場合の上限もユ8,000円から. ーンの2種類で比較した. この表から,企業年金等を実施していなy・場. 23,000円に引上げられることになった. 、. 合の上限変更.(36.000円⇒46,000円)の影響を. また,次のような問題も今後の解決すべき課. 見るとご40年勤続のモデルで想定利率1,%のケ ースでは,’. ]来は定年退職一時金で2,122万円. 題として指摘しておきたい. 、 ・ ⑥一時金ではなく終身年金での受給ができ・. が移行の限度だったものが,上限引上げによっ. ・ るような商品や体制の整i備. て2,712万円まで移行可能額が拡大している、. ⑦運用成績の向上や手数料引下げによる収 ,益性の向上. また,30年勤続モデルで同じ想定利率のケース では従来は定年退職一時金で1,510万円の限度. がL930万円まで拡大している.中労委の調査 以下では上記のザち,いくつかの課題につい てコメントしておきたい.. による大卒38年勤続のモデル退職金の平均額が 2,800万円程度6)であることからすれば,一今回の. 上限引上げによって確定拠出への移行にあたっ. 5,1 拠出上限の引上げ. ての天井感はかなり薄れたものと評価できる.r. まず掛金の上限引上げの効果を検証しておこ う.. ここでは,変更前後の拠出上限をそのまま掛 金として採用した場合に,定年退職時点での元 利合計額がどの程度増加したかのチェックを行 うことにする.つまり,掛金の上限設定による 天井感がどの程度和1らいだかという点を検証す ることにしたい.. この方法では運用利率の見込みをどの程度の’. 水準に想定するかが重要な要素となる.(図表. 5.2 特別法人税の撒廃 特別法人税は確定拠出年金を含めすべての企 業年金{ご課税されている7}.しかし,1999年よ. りll醐租税特別樋法の適用が延長されて・課 税停止措置がとられており,現在は2008年3月 末までは課税停止の状態となっている.年金制 度の受給権保護の観点からは,載立金の早期充. 実は不可欠である.特に現在の低金利下では, 工2%の特別法人税(地方税を含む)が実際に.
(14) 74( 23G ). 横浜経営研究 第26巻 第2号(2005). 適用されることになれば,ようやく離陸したば. 財産となり,あくまでも受給者個人単位での財一Hヤ. かりの確巽…拠出年金にとって壊滅的な打撃を与. 産の帰属が明確に分離されたものとなっている.. えるこ主は容易に想像できるため,今後の包括. こ1めため,年金資産を包括的に一体として管理. 「的な年金税制の検討の中で早急にこの特別法人. 運用する確定給付型の制度とは異なり,死亡リ・. 税は廃止すべきものと考えられる. 特別法人税の撒廃が明確になれば,確定拠出. スクをプールして,予定より早く死亡した受給 者の給付原資を予定より長生きした受給者の給. 年金制度を検討している企業にとっても導入に. 付原資に振り向けるといった保険・共済的1な考. 向けて大きな弾みがつくものと思われる.. え方がなじみにくいものとなっている.・. したがって,終身年金での受給を希望する場 5.3 途中払出しの要件緩和. 合には,加入中に運用商品の一つとしての終身. 2004年6月に成立した年金制度関連の法改正. 年金保険商品を購入している場合を除いて,・通. によって,2005年10, Hより,従来加入期聞が3. 常は一旦一時金で受給した上で,一時払いの終. 年以下の場合に限定されていた確定拠出年金の. 身年金保険商品を購入して,終身年金を受給す. 脱退一時金の支給要件が次のように若干緩和さ. る方法が考えられる.. れた.. 米国の401(k)では,この種の終身年金保. ①個人型の確定拠出年金については,第3. 険を購入している割合は8%程度と報告されて. 号被保険者になるなど個人型確定拠出年. おり,多くは一時金での受給となっている.そ. 金に拠出できない状態になれば,個人持. の背景には,住宅購入やモーゲイジの支払,耐. 分が50万円以下の場合には脱退を認める.、. 久消費財の購入などの資金需要があるほか,生. ②企業型の確定拠出年金を脱退した場合で,. 活費への充当などが使途8)とLてあげられてい. 個人持分が1.5万円以下のときは,個人. る.. 型に移換することなく退職時に企業型で. さらに,昨今のように死亡率の低下が続き生. の脱退を認める.. 存リスクが増大するよう1な局面では,終身年金. これらの要件緩和は金額僅少な特別1なケース. 保険を引受ける保険会社の引受リ2クが相当大. に限定されたものであり,確定拠出年金が制度. きくなるためi大幅なリスクプレミアムが要求. として指摘されていた「60歳まで途申引き出し. されることになり,この種の保険は割高な商品. 禁止」とvSう基本的な枠組みが緩和されたとか,. 変更されたというものではない.適格退職年金. となりがちである.また,1年金受給中の運営管 ’理や資産管理に係る手数料を企業年金の場合に. や退職金制度等の退職時即時支給型の制度から. 準じて,受給者負担ではなく,企業負担とする. の移行が多い実態からすれば,退職時に受給で. 配慮も必要であろう.. きない引き出し禁止の規定がそのまま継続され. 奇後,確定拠出年金が安定した:老後め生活保. る状態が続けば,転業資金等を求める’部の従. 障機能の一翼を担うためには,終身年金保険と. 業員の切実なニーズに応えられないことになる. いう選択肢は不可欠であり,これを実現するた. ため,退職給付の金部移行を計画している企業 にとっては,大きな障害が残ることになる.. めの適切な商品開発や体制整備のほか,公的支. 援も積極的に考えるべきではなかろうか.具体 的には給付段階での既存制度(=確定給付型の. 5.4 終身年金での給付設計 確定拠出年金の基本的なコンセプトは「個人. 籠讐鐘:籠織騰麟」隻÷. 持分の自己責任による運用」である.. 負担を限定するための仕組みとして,一定年齢. この個人持分は本人が死亡した場合には相続. 以上の終身部分を共通のリスクプール組織など.
(15) 確定拠出年金の評価と課題(山口 修i). (237)75. に一元化する仕組みの構築なども検討する必要. 制度への期待が従来以上に高まってきている.. があろう.. 一一. ?堰C企一業の退職給付制度では,運用リスクを. すべて企業が負担しなければならない従来型の. 5.5 運用成績の向上や手数料引下げによる. 確定給付型の企業年金から,運用リスクを従業. 利便性の向上 +. 員に転嫁する確定拠出年金や,運用リス1クを労. 確定拠出年金の平均的な資産配分9)では. 使での分担するキャッシュバランス制度などが. 51.4%が元本確保型の運用商品となっており,. 大きな1関心を集めている.. 元本確保型の商品の大半が定期預金であるため,. また,退職給付会計で問題となった割引率め. 現行の定期預金の超低金利を反映して平均的な. 変動による偶発的な債務変動を抑制できる仕組. 運用成績も低い水準に止まつている.一方,リ. みが強く求められているほか,雇用の変化にあ. スク資産運用の器である確定拠出年金専用の投. わせて年功的な退職給付体系を変更して1いこう. 資信託については,アクティブ型のファンドで. とする企業の積極的な意恩も感じられる.企業. の運用報酬が既存の企業年金の運用報酬の2∼. が個々の従業員に対して,毎期・どの程度の退職. 3倍もめ高い水準旧となっていることや,資. 給付の権利付与を行ったかを具体的に見える形. 産規模が小さいことを反映して収益のプレも大. で開示していくことは,単に制度が分かり易い,. きく,i報酬控除後のネットの運用成績では安定. 親しみがもてるといった面だけでなく,従業員. 的な運用成績を確保できるところまで至ってい. のモラールのアップにも繋がる有力な手法とい. ないのが実情である.特に外国債券のフアンド. える.. などでは,運用の再委託が行なわれているケー. .しかし,確定拠出年金への移行によって,運. スやカストディフィーの負担によ慨て,コスト. 用リスクを全面的に従業員に転化することが,. 高となっているとの指摘もなされており,加入. 長年築きあげた労使協調の社風や企業文化に馴. 者と商品提供者との間の情報の非対称性に起因. 染むのかといった視点や投資教育の継続的な負. するエージェンシー問題が懸念されるL−. 担,さらには退職事由別め給付格差がなくなる. 一方,インデックス型などのパッシブ運用の ファンドでは,運用報酬の引下げ競争が始まっ. 点を雇用1政策の観点からどう整理するかなど; 総合的に検討すべき課題も多い.. ており,先行して引下げを実施した運用機関に よって運用報酬の格窪が大きくなってきており,. このように退職給付制度の見直しにあたって. 運用商品の入替えによってネットの運用成績を. するタイ’プの経理型年金から,企業の選択肢の. 改養できる状況となってきている・運用商品の. 拡大にあわせて,企業価値を高める観点を主軸. 入替えには加入者等の同意が必要であり,その. としつつ自社のニーズに即して,複数の制度を. 手続きに時間も要するが,企業は従業員の利益. 組み合わせるなど適切な制度ミックスを採用す. のために積極的に運用商品の入替えに関与して. るといった経営戦略型の年金政榮が求められる. 行くべきであろう.. 時代になってきている.. 6.退職給付制度の将来 6.1 企業年金再生への検討ポイント 2004年の年金改正によって,年金給付の調整. は,これまでのように主として節税効果を追求. 6,2 確定拠出年金ぺのシフ’卜. 確定拠出年金では,企業と従業員との約束は 従業員の個人持分勘定に掛金を拠出することで. 方法としてマクロ経済スライドが導入されたご. あり・,毎月拠出責任を果たすtとによって未溝. とに伴い1公的年金の給付水準は趨勢的に低下. 算の債務は存在しない・ことになるため,退職給. することになった.このため,企業の退職給付. 付債務を認識する必要がない:このため,退職.
(16) 76(238). 横浜経営研究 第26巻 第21号 (2005). 給付債務の偶発的な変動に頭を悩ませている企. 付タイプの企業年金はスムーズに受入れられる’一. 業の経理サイドにとって,この制度の導入は究. 土壌があるといえよう.. 極的な問題解決に繋がるものとして,経理・財. 年金総合研究センターが実施したアンケート. 務面からのニーズは非常に高い.. 調査では,今後採用したい制度のトップにこの. 加えて,掛金拠出限度額が引き上げられたこ. キャッシュバランス制度があがっているが,主. とや,移換限度額が廃止されたことなど,制約. に大企業での関心が高い制度といえる.. 要件が部分的に緩和されたこともあり,退職給. キャッシュバランス制度では,仮想的な個人. 付制度の一一部または金部を確定拠出年金に移行. 勘定を作り,そこに確定拠出年金の掛金にあた. する企業の割合は今後,徐々に増加していくも. る拠出付与額と運用収益に相当する市場連動型. のと予想される. “. の利息付与額を積み増していって,退職時にこ. しかし,退職給付制度のすべてを確定拠出年. の仮想勘定の残高を受給する退職給付制度であ. 金に一本化するパターン1←単独導入型)の企. る:この制度では,加入者自らが運用商品を選. 業は少なく,従来型の企業年金や退職金を減額. 択することはないため,事前に定められた指標. しつつも存続させ,確i定拠出年金と並存するパ. (国債の利回り等で定める)に連動する形で利. ターン(=並列導入型)の企業の方が多いのが. 息相当額が付与される仕組みとなっている.確. 現状である.特に大企業・製造業で確定拠出年. 定拠出年金と同様,個人勘定が設けられるため,. 金を導入する場合にはこのような並列導入型が. 親しみの持てる制度であり,一方で加入者個人. 一般的であり,単独導入型は小規模企業に多い. の運用巧拙による格差は生じない制度である.. ど報告されている11). ・. この制度を日本で最初に導入した企業12}で は,労使の交渉の中で,「変動こそ安定」とい. 6.3 キャッシュバランス制度の動向. う表i現がキtワードになったと説明1帥してい. 大企業・・製造業で関心が高いのは,キャッシ. る.これは,国債の利回りに連動して利息付与. ュバランス制度といわれるハイブリッド型の企. 額が変化する要素を制度の申に取り入れ,その. 業年金制度である.ハイブリッド型とは,確定. 結果として制度自体が自動安定装置を内包する. 給付型と確定拠出型の利点を組み合わせたよう. 形で長続きする.ものになるという考え方を示し. な混合型の制度であり,米国でも大企業を中心. たものであるi. に急速に増加した制度である.た〒だし,米国で. さらに,この制度では退職抑制効果があると. はこのキャッシュバランス制度がエリザ法や年. されている退職事由別の減額率同)が,形を変. 齢差別禁止条項に抵触する部分があるとする裁. えながらも実質的に適用可能である点や,運用. 判例が出たため,この制度を積極的に導入しよ. リ:スクの負担を労使で分担する財政構造となっ. うとずる動きが止まり1,制度の普及が一時停止. ている点を企業文化や社風等の面から評価をす. した状態になrっているといわれている.. る企業も多い.. キャッシュバランス制度は,、米国では珍しい. 退職時に即時給付されるタ4プの制度であり, そのために既存の据置給付を前提として作られ. 大企業・製造業の制度選択の方向としては,. た法令の規定と矛盾するような事態が生じて訴. 確定拠出年金の導入時に見られた並列導入型の. 訟に至るケースが生じている.しかし,わが国. パターンが今後も継続するものと予想される.. ではむしろ即時給付の退職一時金制度をベース. これは,退職一時金,・確定拠出年金,あるいは. にして企業年金制度を形成してきた経緯がある. キャッシュバランス制度など,様々な制度を組. ため,キャッシュバランス制度のような即時給. み合わせて,一つの企業がいくつかの制度をミ. 6.4 制度ミック字の多様化が進展.
(17) (239)77. 確定拠出年金の評価と課題(山口 修). (図ge 6−1)懲戒解雇時の没収の可否7. 日本の揚合. 米国の場合. 確定給付・確定拠出 測又の可否、. 根拠法. 付与された受給権は減額 十・没収できない. エリサ法. ・確定給付型 確拒拠出型・. 企業年金規約等に規定す. 3年以上の勤務者の減額. 黷ホ有効. E没収は不可. 確定給付企業年金法. 確定拠出年金法. r 輪. このような制度ミックスが採用される背景に. (申略),その他政令で定める場合には,規約 で定めるところにより,給{9:の全部又は一部. は,.、いずれの制度も一長一短があって,eつの. を行わないことができる.」. 制度によってすべてのニーズを満たすことがで. このような懲戒解雇の場合も含めて,.米国エ. ックスする1形で保宥する方法である.. きないという事情がある.企業の申でも,経. リサ法と同様に発生済の年金受給権の明確化を. ge ・財務部門が重視する株主資本価値の安定的. 行なうとともに,ζれを保全する支払保証制度. な増加と,人事・労政部門が求める事業経営の. の整備な.どを着実に実行してい・く必要がある.. 前提としての良好な雇用関係の維持など各部門. 約束された給付がきちんと受給できるという当. の政策目標は必ずしも同じではなく,それらの. 然の枠組みを確立することは,社会正義を実現. ニーズの強弱’も違っている... する観点か1らも重要である.特に確定拠出年金. 今後,包括利益の導入など退職給付会計の取. 制度で3年以上勤務した者の受給権が法令によ. 扱いが変化する可能性もあるが,企業の所有者. って確保されていることとのバランスからも早. である株主のほか,債権者や従業員などのステ ークホルダー間の利害調整という枠組みの中で,. この制度ミックスの問題を経営戦略の立場から. 急に対応すべき課題であろう.r. 一方,1の確定拠出年金についても,拠出限 度額の廃止,掛金の機動的な変更や途中払出し. ダイナミックに捉えていく必要があると思われ る.なお,現状,このような制度ミックスの考. の容認のほか,従業員からのマッチング拠出制. え方を採用している企業の特徴と.しては,. 金融機閥等との株式の持合関係が解消していく. ①長期勤続を前篭とする企業, ②運用リスクの分担に慎重な企業,. 流れの中で,M&Aへの対応策という観点から 安定株主機能を求めて,確定拠出年金の運用対. ③比較的収益の安定している企業. 象として自社株を組入れる動きが増加する・と予. といった点をあげることができる.. の導入など,改善を期待する声が大きい.また,. 想されるので,受給権保護のため1に必要な歯止 めをしっかりとかける必要があろう・t. 6.5 もう一段の制度改革が必要 既存の企業年金や確定給付企業年金などの確. また,雇用の流動化に対応して,ポータブル の受け皿となる仕組みとして,米国の個人退職. 定給付型の年金制度では,没収できない権利と. 勘定(IRA:工ndividual Retirement account). しての受給権という概念が確立していない.こ. ・と同様の仕組みを導入し,積立の継続や給付の. の典型的なケースとして,懲戒解雇時の取扱い をとりあげてみると確定給付企業年金法の第54. 一本化が図れるようなシステムを検討する必要 ’もあろう.そのうえで,終身年金または長期の. 条では以下のとおり規定されている: ’. 期間にわたる年金給付を行う制度など,公的年. 「加入者又は加入者であった者が,自己の故. 金の補完機能を有する制度に111って,拠出U痔・. 意の犯罪行為若しくは重大な過炎により,. 遮刷寺は非課税蔦給柑博に課税する税制優遇.
(18) 横浜経惜研究 第26港 第2号(2005). 78(240). (図表7−1)’401fk)加入者平均残高. 各年末. ユ999年. 平均残高. 65,572ドル. 2001年. 2000年 64,440ドル・. 59,510ドル. 一 2003年 76.809ドル. (出所)EBI[UIICI tlO1{k}Clatabase. しかし,その後め株価上昇や所得増加を背景. の措置を適用するよ1うに企業年金の税制上の取. にして,(図表7−1)のとおり2003年末には加. 扱いを整理する必要があろう.. 入者の平均残高rが76,809}ごルとなり,4年ぶ・り. 7.米国40i(k)の動向と比較. に上昇に転じており,米国の401−(k)が自社. 7.1 米国401(k)プランの状況. 株を含む株式投資比率が高いことを反映した結. ここで,米国の401(k)プランの現状につ. 果と1なっている.. いて概観しておぎたい.もともと,米国では確 定給付型の制度は費用対効果という観点からコ. また,4011(k)プランの給付状況について は,保有額が小さい場合には一括払いが多ぐ∴. スト高になっており,次第に確定拠出型の制度. 保有額が大きい場合にはIRAにロールオーバー. に取って代わられる可能性があると指摘されて. して積立を継続ずるパターンが多いこ1とが統計. いた」S).. で示ざれている.. 確定拠出タイプの制度としては,マネー・パ. さらに,IRAに移管した後の最終的に給付形. ーチェス制度,利益分配制度や株式賞与制度な. 態は不明であるが,一時金を受給してそのお金. どあるが,これらのうち内国歳入法401条(k). でannuityと呼ばれる一時払いの終身年金保険. の規定の適用をうけて;課税の繰り延べを可能. を購入するパターンが想定される.しかしr現. にする制度が401(k)プランであっ党.これ. 在のよう1に死亡率が趨勢的に低下している局面. らの確定拠出タイプの制度では,インセンティ. では1この種の終身年金保険は割高な商品となる. ブ効果としての企業からの拠出額,(401(k). ため,必ずしも年金受給権の購入が魅力的な選. の場合はマッチング拠出)を弾力的に変更でき,. 択とはなっていないもの’と思われる.. 企業負担の可変的調整が可能な制度であること. なお,先行1した米国の401(;k)ではコール. から,1990年代に急速に普及した.その後, 2001年に破綻したエンロン社では,401(k). サービスなどあまり意味のないサービスにコス. で自社株主体の投資を行っていだ従業員が職場. 非常に高いとの批判がある.また,運用報酬も. と年金を同時に失う事態が生じるなど,米国の. 確定給付型制度の大体1.ら倍から2倍の水準に. バプル崩壊が401(k)プランに与えた傷は大. なっており,(図表7−2)のとおり運用成績で. きく,株価低迷の影響を受けてプランの加入者. は確定給付型に劣後したものとなっている.. トをかけ過ぎており,全体として管理コストが. 一人あたりの平均残高も減少傾向が続いていた.. (図表7−2)確定拠出と確定給付の運用成績(対ベンチマーク). 米国株 確定拠出 確定給付 (出所)Arr〕bachtsheer. 小型株. , 外国株式 ,. 債券. T1. 一2.6. +3.9. +02. 一3.1. 一2.3. +3.9. +α8. s−.
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