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不妊症治療における泌尿器科領域の関わり

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Academic year: 2021

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192 ─  ─ 第65回北関東医学会総会

同窓会推薦講演

不妊症治療における泌尿器科領域の関わり

群馬大学医学部附属病院泌尿器科 柴 田 康 博  本邦は過去にない少子高齢化社会を迎えており,とりわ け少子化対策は急務である.社会構造の変化により婚姻年 齢の高齢化も進んでおり,現在生殖年齢カップルの8- 15%が不妊症であり,不妊症の治療は少子化の歯止めの1 つの対策となり得る.不妊症カップルのうち,40-50%で は男性側にも原因があり,男性不妊症の治療は重要である が,男性不妊症治療に携わる泌尿器科医は少なく,全国の 生殖医療専門医659名のうち,泌尿器科医は58名と1割 に満たない.群馬県では本学に1名のみであり,全県より 紹介される男性不妊症患者に積極的に対応している.男性 不妊症の原因の90%以上は精巣での造精機能障害である が,その5060%は原因の特定できない特発性で,現在 の医療では明確な治療法が確立されていない.造精機能障 害の原因として次に多いのが,20-30%を占める精索静脈 瘤で,外科的に治療が可能である.精索静脈瘤に対する手 術は,浅鼠径輪の末梢で顕微鏡下に静脈瘤血管を処理する 低位結紮術が,低再発率と日帰り手術も可能な低侵襲性か ら最も良いが,顕微鏡下に温存する動脈を同定し,静脈の みの処理を行わなくてはならず,脈管同定の困難さ,手技 の困難さが普及を妨げている.我々は,術中にインドシア ニングリーン(ICG)蛍光血管造影を行い,脈管を可視化 することで,迅速で確実な動脈同定・温存を可能とした. 本学臨床試験部の協力下に医師主導臨床研究として有用性 を検証し,現在本手術におけるICGの使用は公知申請に より保険適応が認められた.本学では本手術を積極的に行 い,妊孕能の改善へ寄与する結果を得ている.また,近年 では顕微授精が普及し,高度の造精機能障害患者でも精巣 上体や精巣より外科的に精子を採取することで,挙児を得 る機会を持つことができる.当科では外科的な精子採取を 担当しており,産婦人科と協力して不妊治療に貢献してい る.

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