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リーダーシップに対するコミュニケーション・アプローチ -その論拠について-: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

リーダーシップに対するコミュニケーション・アプロー

チ −その論拠について−

Author(s)

狩俣, 正雄

Citation

沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 6(1): 1-30

Issue Date

1981-12-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6707

(2)

リ ー ダ ー シ ッ プ に 対 す る

コ ミュニケ ーシ ョン ・ア プ ローチ

ー そ の 論 拠 に つ い て

-狩

Ⅰ は じめに Ⅲ リー ダーシップ論の展 開

m

コ ミュニケ ー シ ョンと J)-ダー シ ップの関連性 Ⅳ 結 び

l はじめに

リー ダ-シ ップの研 究は 、 リーダー シ ップ現象 や リー ダー シ ップの有効性 の規定要因、あ るいは その条件 を解 明す るために様 々なアプ ローチが行 なわ れ、それが様 々な理論 ない しモデル と して表 わ されている。 しか し、 それ らは有効 な リ-ダーシ ップ とは何 か、あ るいは有効 な リー ダ ー とは どのよ うな リーダーか 、 とい うことに関 して は、 まだ充分 に解 明 して いな いO それは リーダ- シップの研究方法 が多様 であ り、 方法 論に問題があ るか らで あ ろ う

1

0) しか し、それ以上 に これ らの方法 論 と関連 して リーダ- シ ップの問 超や、 リーダ -シップにおける対 人影響 の過程 、あ るいはそれ と相 互作 用す る組織 の諸 要因 との影響 の過程 が充分に解明 されて いな いか らであ ろ う. す なわち、それは、そ れ らを解明す るために リー ダー シップ に対す る 統一的、総合的 アプ ローチが行 なわれて いな いか らであ る よ うに思 われ る。 そ こで本稿 では、最近 の代表的 な リーダーシ ップ ・モデルを コ ミュニケー シ ョンの観点か ら検討 し、 さ らに コ ミュニケ ー シ ョンと [)-ダー シップの関 -

(3)

1-連性 を考察 す る こ とによ り、 リー ダー シ ップ に対す る コ ミュニケー ショ ン ・ アプ ロー チ の論拠 を明 らか に し、 リー ダー シ ップ に対 す る統合 的 ア プロー チ を探 るこ とを意 図 す る もの で あ る。

n

リー ダ ー シ ップ 論 の展開

リー ダー シ ップ の研究 は、 そ の有 効性 を規 定す る要因が何 で あ り、あ る い は リー ダー シ ップの どの側 面 を重視 す るか、 とい うことに よって様 々な確 論 な い しモデ ル と して表 わ され て い るO それ らは、一般 に特性理論 、行動確 論、 状 況理論 と して展開 されて きて い る。 特 性理 論 は、 いわゆ る リー ダーの能 力 や知性 な どの個 人的 特徴 が リー ダー シ ップ の有効性 を規 定す る とい う考 え方 で、 リーダ←のいか な る特性 が リー ダー シ ップ を有 効 にす るか 、あ るいは有効 な リ--ダー と非 リー-ダーを区別す る特性 とは何 か につ いて論 じて いる(R.M.Stop,dill,1948 )2三 行動理論 は、 リー ダーの行 動 パ ター ンとその有効性 を関連 づけ 、 どの よ うな行動パ ター ン が望 ま しいパ ター ンであ るか と して論 じられている (R.Whlteiln(llk.LIPPitt, 1960;R.Llkert,1961)5). 状況理 論 は、 リーダー シ ップの有効化 は リーダー を取 り巻 く環境 要 因に よって規定 され ると して 、 リー ダー と状 況費因 との関 係 を中 心 に論 じられている(D.McGreglOr,1960,R.Tannenbaum

,

I.R.Wescher 4) and F.Massarik,1961)

0

しか し、 本節 で は これ らの押 論 を検 討 す るよ りも、 これ らのPll.論のUl.1視点 を克服 す る もの と して展 開 され て い る、巌 近 の代 火的 な リーダ ー シップ ・モ デルを検 討 す る こ とに した い。 まず初 め に状 況作品 の

脈 と して、 リー ダ-シ ップの有効性 を規 定 す る特 定 の状 況 や条件 を 明 らか に しよ うと して い るコ ンテ ィンジ ェ ンシー理 論 か ら考察す る。

1

. コン テ ィン ジ ェンシー ・アプ ロー チ リーダ ーシ ップ におけ る コンテ ィンジ ェ ンシー ・アプ ロー チ(contlngenCy - 2

(4)

-approaches)とは、 「あ る種の リ-ダー行動 又 は リー ダー特性が集団 の業績 又は集 団成員の満 足度 に関 して、他 の リ-ダー行動 又は リ-ダー特性 よ りも 5) 優れて いる特定 の状況 又 は条件 を 明 らかにす る研 究方 法 の総 称 であ る」0 以下 では、代 表的 な 3つの コンテ ィンジ ェ ンシー ・モデルにお いて 、 リー ダ ー シップの有効 性 を規定 す る特定 の状 況や条件が どの よ うな もので あ るか眺 めるこ とに したい。 (1) Fiedlerの コンテ インジ 1ンシー ・モデル F.E.Fiedler の コンテ ィンジェンシー ・モ デル は、 リー ダーシ ップ の有 る) 効性 は状況 の有 利性 に依存 して決 まる、 とい うもので あ る。すな わち、集団 業績の有 効性 は、(a)リーダーの動 機づ けパ ター ンと

(

b)

状況 が リーダーの権 限 7) や影響 に与 え る度 合 いを条件 とす る。 そ こでFiedlerは、 どの よ うな リーダ ー シ ソプ ・ス タイルが どの よ うな状 況 の場合 に適合 す るか、を明 らかに して いる。

Fledlerによる と、 リー ダー行動 の動 機づ けパ ター ンは LPC ( Least Preferred Coworker)(最 も好 ま しくない協働 者 )尺度 に よ って求 められる。 LPC得 点 の低 い リーダーは主 に課業志向的で あ り、 LPC得 点 の高 い リー ダーは関係 息向的 であるO また、状況 要素 につ いて は次 の 3つ の次元 の点か ら考慮 され る。(1)リーダ ーと部 卜の関係、(2)課業構 造、 (3)リーダーの地位 の権 限、がそ れであ る. こ れ ら3つ の次 元に より、 リーダーが課業を遂行 す る ときの有 利 さの度合 いに 従 って分類 す る と、 8つ の状況が 考 え られ る。 それぞれ の状況 は、 リー ダー と部 Fとの間に良好 な関係が あ り、構造化 の度合 い も高 く、地位 の権 限 も強 い、 とい う リーダーに とって 有利 fj:状況か ら、 そ の逆 の不利な状況 まで あ る。 F)edlerの実証 的研究 の結果は 、課業志 向型 (LPC得点 の低 い )の リー ダーは、有利 射 犬伽 と不利 な状況 Fで有効 であ り、関係志 向型 (LPC得 点 の高 い )の リーダーは、

哨 度 の有利 倒 犬況で有効 であ った8.)とい うことで ある。 Fiedlerは以 Lの結 果か ら、 リ- ダーのパ ーソナ リテ ィは安 定的 で永続 的 で あるので、 リー ダーシ ップ の有効性 を 向上 させ るためには、組織 を [)-ダ ー 3

(5)

--のパ ーソナ リテ ィに適合す るよ うに設計 すべきである、 と結 論づけている。 しか しこのモデルにつ いては多 くの間鐘点が指摘 されている'O)特 にこのモデ ルで は、 リーダーの どのような行動が部下 に影響 を 与えるのか、逆に部下 の どの よ うな行動が リー ダーに影響 を与 えるのか、すなわち リーダー と部下の 相互作用 の過程が明 らかに され ていないのであ る。 (2) Vroom -Yettonの意思決定 モデル V.H,Vr。。m と

P

.

W.

Y

e

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t

.

l

a

)

lま、あ る状況で リーダーはいかなる 。_ダー シップ ・スタイルを選択すべきか、 という規範 的モデルを展開 してい る。彼 らはそのモ デルにおいて、 リーダーの意思決定 スタイルと意思決定特性間 の 条件適合性 を問題 と してい る。 リーダーの意 思決定 スタイルには、部 下を問題解決 に どれほ ど参加 させ る かによって、専制 的、協議 的、集 団的 ス タイルが あ る。 リーダーは この意思決 定 ス タイルのいづれを用 い るか、を状況 の性質 (問 題 の性 質 )に よって決 め る。その場合 、意思決定 の有効性 に影響 を与 える 3 つ の基準 が ある。 (1)意思決定 の質、(2)部 下による意思決定 の受容 、(3)意思決 定 に必要 とされ る時間の量 、がそれであ る。 これ ら3つ の基準に従 って状択 要素が考慮 されるのである。 状況の性質は、部下を意思決定 に参加 させ るか どうか、 とい う観点か ら考 慮 され る。 それ は次の 7つで ある。(勾意思決定 の質 の重要性、(B)リーダ-の 情 報 の保有度 、(C)問題 の構造化 の度合 い、の)意思決定の効 果的な遂行にとっ て意思決定 の受容が重要で ある度合 い、駐)専制的意思決定が部下に受零 され る事前確率、軒)部下 の組織 目標 の共有度

G

)

解決案につ いて の部 下間 の不一 致 の度合い、 の 7つ である。 リー ダーは、 どの意思決定 スタイルを用 いるかを これ ら7つの状況 の性質 に よって決定す る.すなわ ち、 リー ダーは、状況 の性質を Aか ら順番に質問 す る形 で診 断す る。そ して、 「はい」

いいえ」 とい う二分法で答えるこ とに よってGまで進 み、 自己の意思決定 スタイルを選択す る。意思決定 スタ イルが 2つ以上選択可能 の場合 に、(3)の基準、つまり時間 の量 で決 め るので あ る。

-

(6)

4-以上 のよ うに して、VroomとYettonの意志決定 モデルでは、 リーダーの 最適な意思決定 スタイルが規範的に尊 びかれ るのであるC . しか し、 このモデルにおいて も意思決定が具休的 な状況下 でな され ていな いな どの批判 がな されているn.)特 にこのモデルで もFiedle, と同様 .)-ダー と部下の相互作用 の過程が明 らかに され ていな いので ある。 (3) Houseのパ ス ・ゴール ・-モデル パス ・ゴール (path- goal)理論 は、期待 理論 に根源 を有 し、部下 は リ ーダーの行動 が期待 および影響 を与え る度 合いに応 じて動機 づけ られ る、 と い う考え方を基礎 に して いる

1

2

)

R.∫.HouseとT.R.Mitcheu の理論 において、 リーダーの行動 スタイ ルは、(I)指揮的、(2)支持 的、 (3)参加的、 (4)達成 志向的 ス タイルの4つであ る。 これ らのスタイルが効果的 であ るか どうか、 の判断は以下 の考慮 に よってな され る15) まず、 この理論 は、 2つの命題か ら成 っている。第1の命題 は、部下が リ ー ダーの行動 を満足 の直接 の源泉、あるいは将来 の満 足 の手段 とみる範囲 内 で、 リーダーの行動 は部下 に受け容 れ られ、満足 され る、 とい う命題 であ る。 第2の命題 は、 リーダーの行動 は、次 の範囲で動機 づけの要因 となる、 とい ・う論題 であ る。すなわち、(1)リーダーの行動が効果的な業績を条件 と して部 下 の要 求を満 足 させ る、(2)リーダーの行動が 、効果的な業績に必要な コーチ、 ガイダンス、 支持、報酬 を与え ることによ って、部下 の環境 を補完す る、そ の2つ の範囲内で、 リー ダーの行動 は部下 の努力を高 め る、 というものであ る。 ところで、.この理論においては、 2つの コンテ ィンジェ ンシー変数 が取扱 われてい る。つ まり、(1)部下の個人的特徴、(2)環境 の圧力 と要 求、がそれ で あ る。 ここで部 下の個人的特徴 は、第1の命題 と結 びつ いてい る.す なわち,部 下の個人的特徴は、第1の論題 を知覚す る上において、それを知覚 す るか ど うかを部分的に決定す る、 と仮定 して い るのであ る。 部 下の環境 は、(1)部下 の課業、(2)組織 の公式権限 システ ム、(3)第1次作業 -

(7)

5-集 団で あ る. これ らの環境 を評価す る こ とによって、 明確な リーダーの行動 が部下 の動機づ けに及 ぼす影響 とそ の量 を予測す るこ とが可能 とな る0 パ ス ・ゴ ール ・モデルは、以上 の論点か ら、 リーダー の行動 とそれが適合 す る条件 を明 らか に して い るので あ る。 ` しか し、 その理 論 に も、 リー ダー行動 、部 Fの受容 、満 足 と業績 との関係 が静能的条件 を扱 って お り、 リーダーの行 動が状 況 モデ レー ターに どの よ う に影響 を与 えるのか、 そのモデ レー ターは特定 の リ-ダー行動 を どの よ うに 刺激 す るのか、な どの問題点が指摘 され て い るのであ る14) (4)総 合 的 コメ ン ト 以上 、代表 的な コンテ ィンジ ェ ンシー ・モデルを3つ眺 めて きたが、それ らのモデ ルは、 それ ぞれ どの よ うな条件 の場合 どのよ うな リーダー シップ ・ ス タイルが有 効で あるか 、 とい うことを示 してい る。す な わ ち、 これ らのモ デ ル は、 リーダー シ ップ の有効性 の規定 要因 とその条 件 とを明 らかに した も ので あ る。特 に、パ ス ・ゴール ・モデルでは、 「=--所与 の状況 下にお いて, どの スタイルが最 も有効で あ るか、を示す だけではな く、なぜそれが最 も有 効 であ るか、 とい うこ とを説明 しよ うと試 みて いる」105)この よ うに コンテ ィ ンジ lンシー ・モデル は、全体的状況 の中 で リー ダー シ ップの有効性 の条件 を 明 らか に した もので あ る。 この意味 で、 コンテ ィンジェンシー ・アプ ロー チは、 マ ク ロ ・レベ ルの分析を行 な った ものであ るといえ る。 16) しか し、第1表 で み られ るよ うに、そ れぞれ のモデルに おいて、 リーダー の行動 、状況要 因、有効性 の基準がそれ ぞれ異 な って いる。 こ うい う相違点 は、 明 らかに個 々の研究者 の リー ダーシップに対す る観 点 の相違 に起因 して い る。彼 らは、 リーダーシ ップを全体状況 の中 で捉 える とい う共通認識 はあ って も、 リーダー シ ップの何 を説 明す るのか、何 が重 要な要因であ るのか、 とい う点 で異な って い る。特 に、 そ れ らのモデルに共 通 して 言え るこ とは、 リー ダー と部下 が相互 作用 しあ うとき、彼 らは どのよ うに行動 す るか、 とい うこ とについ てほ とん ど明 らかに して いない ことであ る。す なわち、 コ ミュ ニ ケー シ ョンの観点か ら リ- ダー と部下 との相互作 用 の関係 が明 らか に され ていな いので あ る。 6

(8)

-第 1表 3つのコンテ ィンジェンシー ・モデルの要素の比較 モ デ ル リー ダ ー行 動 コンテ ィンジェンシー要因 結 果 基 準

Fi

e

d

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e

r

LPC

Vr

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1

n

の意思決定 Houseのパ ス ・ コ 一・ノレ 課業志 向 (低 い

LPC)

関係 志向 (高 い

L㍗C)

専制 的 スタイル 協 議的 ス タイル 集 団的 スタイル 指揮 的 スタイル 支持 的 スタイル 達成 志向的 スタ イル 参加 的 ス タイル リーダー ・メ ンバ ーの関 係 課業構 造 リー ダーの地位 の権 限 意 思決定 の質 の重要性 リー ダーの情報 の保有度 問 題 の構造化 の度合 い 意 思決定 の受容 の重要性 受容 の事前確率 部 下 の組織 目標 の共有度 解決案 につ いての部下 間 の不一致 の度 合い 部下 の特徴 と個人 的知 覚 環境 要因 :課業 権限 システム 第 1次 作 業集団 リーダーの 有効性 意思決定 の 質 部 下 に よる 意 思決定 の 受容 意思 決定 に 到達す るの に必 要 な時 間 部下 の満 足 リー ダーの 受容 報酬 を得 る ための努力 しか し、 リー ダーシ ップが 2人以 Lの人 々の関係 で起 こる ものであ り, コ ミュニケ ー シ ョンを通 じて行な われ る限 り、 コ ミュニケー シ ョンの視点 を欠 いた リーダーシ ップの研 究 では不 充分 であ るよ うに思 われ る。 コ ミュニケ ー シ ョンのプ良木 は、 コ ミュニケー シ ョンを行 な う人が交互的 であり、相互作 用 す ることであ るこ7)リーダーシ ップにおいて、 リ-ダーが部下 に影響 を与え る といって も、一方的影響 と して捉 え る こ とは、 コ ミュニケー シ ョンの一 方 的 流 れ とい う観点 か ら捉 え た ものであ る。前 述 した コンテ ィンジェンシー ・モ デ ルは それ ぞれ リーダーの観 点 か らのみ捉 え、部 下が リー ダーの コ ミュニケ ーシ ョンの結 果 と して どの よ うに反応 (行動 )す るか、 とい う点が ほ とん ど 考慮 され ていないので ある。 部 下の反応 (行 動 )が有効であ るか ど うか を、

-

(9)

7-リー ダーの.コ ミュニケー ション行動 とほ とん ど関連 させ ず、その他 の組織変 敬 (状況 )と関連 させ、 リーダーシップの有 効性 の条件を解明 しよ うとして いるのであ るO しか し、 リーダーシ ップの基本は、 コ ミュニケー ションを第 1に捉 え ることであ るように思 われ る。す なわち、 リーダ-シップの研究 で は、 まず第1に リーダー と部下 の関係 での対人影響 の過程が 明 らかに され る 必要 があ ると思 われ るのである。それが解 明 され た とき、その関係 は状況が 異 なった とき どのよ うになるのか、 あるいはどのよ うな環境 条件が、 リーダ ー と部下 の関係を促進 した り、あ るいは制約す るか、 といった ことが解明 さ れると思 われ るのである。 コンテ ィンジェ ンシー理論 で有効な業績に結 びつ く特定 の状況 や条件 を解 明 した として も、 もしもリー ダーの職能が、R.N.Osborn らの主張するよ ぅに1.8)現在 の業績 と望 ま しい業績 との間 のギ ャップ、あ るいは部下 の欲求 と 現 在 の満 足水 準 との間のギ ャップを埋 める ことで あるとすれば、それ らの条 件下 にお いて も、 リーダーシ ップの有効性 の解明のためには、 それ らのギ ャ ップを どの よ うに埋 めるのかを解明す ることが必要であると思われるのであ る。そのためには、 リー ダーと部下 との間 の対人影響 の過程が明 らかに され る必要 があるので ある。 さ らに、 これ らのモデルでは、有効性 の基準を一時点 で捉 えた静能的分析 で行なわれて いる。すな わち、 リーダーシップの有効性を目的結果変 数 とし てのみ考慮 し、 リーダーが部 下の反応 (行動 )に応 じて どのよ うに対応す る のか、.とい うことはあ まり考慮 されて いないのである. しか し、現実 の組織 で リーダーと部下が相互作用 の関係 にあ り、相互依存的 な影響にあ り、また、 リーダーの行動 と部下 の行動 に リー ド・ラグの関係がある とすれば、 リーダ ー シップの研究 は、 リ-ダーと部 下との相 互作用 を考慮 に入れ、諸条件の変 化 も考 えた動 態的分析 で行なわれ る必要が あるのである.以 下では、 これ ら の点を考慮 した リーダーシ ップのオペラン ト・アプ ローチにつ いて考察す る。

2

.

オペラン ト・アプ ローチ

オペ ラン ト(Operant)理論は、 B.F.Skinnerの提唱 による もの と言わ

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8-れ、それは人間の行動を解釈す るにあた って、有機体 の内部 の出来事 に言及 す ることな しに充分 に説 明で きる、 とす る ものである。 す なわち、 それ らは 強化 のコンテ ィンジェンシー (ReinforcementContingencies)(諸条件 )杏 独立変数 とし、反応 を従属変数 とす る関数関係 を分析 し、記 述す るものであ る0本節では リーダーシップにおけ るオペ ラン ト・アプ ローチにつ いて、H. P.Sim

S

,

J

r.のそれについて考察 す る。 まず強化 の コンテ ィンジェンシーについて概略的に示せば次の通 りである。 先 述 した よ うにオ ペラン ト理論 は、人間 の行動 を説 明す るにあたって、有 機体内部の心理的過程 な しに観察可能 な刺激変数 と反応変 数 との関数関係 に よって行動を説 明 しようとす る立場 で あ る。 そのために生 じて いる行動を観 察 し、分析 し、説明を加 えよ うとす る。 そこで観察対象 となる行動が坐体 の 自発す るオペ ラン ト(Operant)行動であ る。 ここでオペ ラ ン ト行動 とは、 生体が意図的、随意 的に行 な う行動 の ことである。 では、 どのよ うに してあ る特 定の行動が選 び とられ、その出現頼度 に変化 が生 じるようになるか、 と問 えば、それは、 このオペ ラン ト行動 に ともなっ て生 じる環境 の側 の変化 によってであ るO この特定 の行動 の出現額 度 な り、 確率が変 化 してい く過程が オペラン ト条件づけで あるo ところで、オペ ラン ト行動においては、強化 (reinforcement)の操作が 重要 であ るが、 この強化 は自発的行動に ともな う環境 の変 化で ある。 その基 本的な働 きは、自発行動を促進す る (出現頻度、確率を増大 させ る )か、抑 制す る働 きをす る。 このとき、環境 に変化を与 える機会 となる ものや手がか り、あ るいは信号が 弁別刺激 (discriminative stimul▲)(SD'S)と呼ば れる。 この弁別刺激 は、食物 が腹をすか した動物 の唾液を引 き出すよ うに、 オペラントを引 き出す ものではない。それは単 にオペラン トの誘因 (ocasion) を設定 し、オペ ラ ン トが起 こる確率 を高める もので あるにす ぎないのであ る。 以上 の ことか ら、人間 の行動は、従属変数 と して 「反応率」を用いる こと によって、 その行動 と環境 との相互作 用を公式化で きるのである。 これ らは 次の 3つ の相互作用に よってなされ る。 (1)反応が起 こる契 機、(2)反応 自体、 (3)強化 を もた らす反応結果、の3つである…0) -

(11)

9-この3つ.の相互作用 が 強化 の コンテ ィンジェ ンシーで あ るが、 これを リー ●ダー シ ップに適用 すれ ば、(1)リーダー行動 の誘 凶を設定す る弁別刺激 (SD'S)、 (2)1)- ダーのオペ ラン ト行動 、(3)それ らのオ ペ ラン トを強化する結RL,の 3つ が分析 され るので ある三1) SlmSは、 リー-ダー シップを考慮 す る際 に、上 と同様 なオペ ラン ト(あ る いは強化 )観 に基 づいて いる

.

2

2

)

Simsは リー ダー シップを考 え るにあた って、 リ- ダ-の行動 は部下 の行 動 (業績 )に応 じて (条 件 と して )行動 す る もの、 と考 える。す なわち、 リ ーダーは、部下 の行 動に影響 を与 え る強化 コ ンテ ィンジェンシーの管用 者 と み なす ことがで きるので あ る

0

2

5

)

この強化 コンテ ィンジ ェンシーは、一般 に、 3つ の構成 要素か ら成 って い るO(1)刺激 ない し環境 、(2)反 応な い し業績、 (3)結 果 ない し強化 、がそれであ るo前述 した よ うに、刺激 は反応が起 こる誘因を設LjfL、強 化 (そ の蜘 L-hを 条件 と して与 え られ る )は結果 であ る。 第 1凶は、正 の強化 (positive reinforcement)を表 わ して いる204)す なわち、止の射 ヒは. その加 古を条件 とす るスケ ジュール (schedule)に従 って与 え られ るので ある。 Simsは 、以上 の よ うなオペ ラ ン ト(強化 )観 に基づいて リーダーシップ ・ モデ ルを構 築 す る。 第

1

図 強化 コンティンジェンシー (正の強化 )

S

D

-

⇒R

-

ナR+

ここで SD-弁別刺 激

R

-反応 R+-正の 結 果 で あ る その際、第 1の仮説 は、部 下の作業行動 は組織環境 の強化 コンテ ィンジェン シーに よって主 に決定 され る とい うことであ る.組 織 の強化 コンテ ィンジ ェ

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-10-ンシーは、理論的 に、報酬 支給 の源泉 に従 って区分 され るが、 それ らは次の よ うに分類 され る㌔5) (1)組織が与 え る強化 (例 えば、給与 、付加給付 、物理的作業条件 ) (2)同僚が与 える強化 (例 えば、親交 、社会 的相互作 用 ) (3)仕入先や顧 客が与 え る一強化 (4)課業が与 える強化 (いわゆる職 務 の 「内的」側面 ) (5)監督者が与 え る強化 (例 えば、賛辞、 承認 、職務 の割 当て ) 組織 の強化 コンテ ィンジ 1ンシー は以上 のよ うない ろい ろな源泉 が あ る. しか し、 リー ダーシ ップの観点か らすれば、 (5)の監督者が与 える強化が重要 であ る. すな わち、 オペ ラ ン ト観 に従 えば 、 リー ダー シ ップは作業環境 にお け る強化 コンテ ィンジ ェンシーにつ いて監督者 が構 造化 す る過程 とみな され るので ある。 リー ダー以外 によって与え られ る強化 コンテ ィンジェンシー も重要 である がミム)しか し、多 くの粗鰍 こおいては 、監督者 は樹 ヒコンテ ィンジェンシーの 細 目を示す点 において重要 な役割 を演 じて いる。 それでは、監督 者 は これを どの よ うに して行な うで あ ろ うか。 Simsに よ れば、それ は、(1)リー ダーの組織づ くり、 (2)リーダ-の目標 明細化 、(3)部 下 の行動 (業績 )を条件 と して リーダーが報酬 を与 える行動 ,に よって であ る. (1)は 、いつ、 どこで、 どの ように して行動 が行な われ るべ きか を 明 らか にす る。 また、(2)は、他 の人が何 を行 な うべ きか を示す ので、 目標 を 明細 にす る 行動 は、反応 に対 す る誘因 を設定 し、弁別刺激 と解釈 され るので あ る。 (3)は、 強化 コンテ ィンジェ ンシーを 明確 にす るのに必 要であ り、強化 コンテ ィンジ ェ ンシーの結 果 と関 係 して いる リーダー シ ップの次元 と解釈 され る. simsは以上の よ うなオペ ラン ト観 に基づ いた リーダ ーシ ップ ・モデル を 構築 しているが、 それを図示 す る と第2図 のよ うにな る207)このモデルにお い て、 リーダーの組織 づ くりは、 そ の行動 が部下 の反応 の誘因 を確立 す るので 重要 で ある

目標を 明細 に示す ことも弁 別刺激 を確 立す るよ うに作用す る。 他方、 コンテ ィンジェ ン トな リ-ダーの報酬行動 は、強化 - 部下 の反応 の 結架 - と して作 用す るのであ る。 -

(13)

ll-第2図 リーダーが与える強化のコンティンジェンシ-,オ\

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l

l

I I)- ダーの r)- ダーの 部下 の リーダーの 組織づ くり 目捺明細化 反応 正 の強化 以上 がSimsのオペ ラン ト観 に基 づ く リー ダー シ ップ ・モデルである。 こ のモデル は異 な った リーダー行動 と強化 コンテ ィンジ ェンシーの別 々の部分 を関連 づ け るのに有 用であ る。 また、そ のモデルは、業績 を静態 的 な 目的緯 果変数 と してみなす よ りも、部下 の業鎖 に応 じて反応す る リ- ダーの行動 を 考慮 して い るので、動 態的モ デル と思 われ る。 このよ うに、 これ までの リー ダー シ ップ ・アプ ローチが部下へ の リーダー 行動 の影響 を中 心的 に考 えて いたの に対 して、 オペ ラン ト・アプ ローチは、 リー ダー シ ップの関係 を上司 と部下 との互恵 的な影響 の関係 と して捉 え、 リ ーダーは部下 の行動 を条件 と して行動 す る とい う考 え方に基 づ いて いる。 こ のよ うな ことか ら、 このモデ ルは、 コ ミュニケー シ ョンの基本 関係を考慮 し て いる よ うに思 われ る。 とい うのは、 リーダーが部 下の行 動 を条件 として行 動す る とい うこ とは、 コ ミュニケーシ ョンの送 り手 (リ-ダー )が、受 け手 (部下 )のフ ィー ドバ ック (反応 )を利 用す る ことで あ り、送 り手 (リーダ ー )の一 方的 コ ミュニ ケー シ ョンではな く、二方向的 コ ミュニケーシ ョン杏 示 してい るか らで ある.反応が フ ィー ドバ ック と して送 り手 に利用 され、送 り手 の反応 に影響 す る、 と して捉 えるこ とは、送 り手 (リーダー )と受 け手 (部下 )を相互作 用 の関係 と して捉 え ることであ り、 コ ミュニケー シ ョンの 関係 と して捉 えて いるので あ る。 このよ うにオペ ラン ト・ア プ ローチは リー ダー シップに対 す る有用な ア プ ローチで あ る よ うに思 われ る。 しか しなが ら、 このモデ ルにつ いてはSims自身、上 司 と部下の 2者関係 とい うクロー ズ ド・システムでの問 題 と、い ろい ろな強化 コンテ インジ ェン

(14)

-12-シー も考慮 したオ ープ ン ・システムで の間 複を指摘 してい る.28) 確 かに、 このモデルは リーダーシ ップを ミクロ ・レベルで分析 し、 I)-ダ ーと部下 の相 互作 用を明 らか に しよ うと しているが、 I)-ダー と部下 の基 本 関係やその相互作用 の過程が充分 に明 らかに されず、知覚 の問題 を どのよ う に扱 うのか、 また、 リー ダーの行動 の結果 と して、部下 の行動-(業績 )の変 化 に リー ド・ラグが生 じる ときの問題、 さらには、 リー ダーの強化行動 にお ける強化 の中身 とそれが連続 的に行使 され る場合のそれの相乗効果 (ないしは 相殺効果 )が どの よ うになるのか、な どの問題点が明 らかに されて いないの である

.

2

9

)

以上、最近 の代表的 な ()-ダーシ ップ ・モデル とその問題点を考察 して き たが、それ らの問題を解明す るためには、基 本的 には、.リーダー シップを コ ミュニケーシ ョンの観点か ら捉 え ることが必 要であるよ うに思 われ る。以下 では、 リー ダー シップが コ ミュニケーシ ョンの観点か ら捉 え られ る論拠 を明 らかにす ることに したい。 しか し、その前に l)-ダーシップの有効性を決定 す る影響 の源泉について考察す る。

コミュニケーションとリーダー シ ップの関連性

1

. 影響の源泉 コ ミュニケーシ ョンであれ、 リー ダーシ ップであれ、組織 におけ る対人的 な行動は、それに関連す る人 々が知識 、態度、行動 に影響 を及 ぼす こ とと関 係 してい る。 コ ミュニケーシ ョンが送 り手 と受け手 の間に情報、考 え方、意 図を共有化す るこ とであるとすれば、送 り手の コ ミュニケーシ ョンの結果、 受 け手に、知識 の変化 、態度 の変化 、行動 の変化 な どが起 こるこ とが予想 さ れ る。 この ような変化が起 こるときに、一般 には、影響 がある と言われ るの であるOこの影緋 について、D.CartwrlghtとA.Zatlderは、 「もしも0 (影響 を及 ぼす人 )が P (影響 を受け る人 )の特定 の状態 の変化 を起 こす ような行 為を行な うな らば、0はその状 態に関 してPに影響 を及ぼ した とい う

-13

-j

o

)

iL,

(15)

て いる。 さらに、彼 らは、 この影響 の潜在的 な ものを勢力 (power)である と して、次のよ うに説明 して いる

「も しも0があ る状態 に関 してPに影響 を与 えることがで きるな らば

0はその状態に関 して

P

につ いて勢力を持っ という三'らこの影響 と勢力 の関係については、 J.R.P.French,Jr.と B.Raven は、勢力 を影響 の点 か ら定義 し、影響 を心理的な変化 か ら定義 して、次のよ うに述 べている

Q

「影響 とは運動状態 にあ る勢力 (Kinetic power)であ り、 勢力 とは潜在的状態 にある影響 (potentialpower)であ るO」52)

それでは、人 々は何 故に 自己 の価値、態度 、行動 な どを変 えるのであ ろう か。他 の人 の知識 、態度 、行動 の変化 に作 用するよ うな勢力の基礎は何 であ ろ うか。 FrenchとRavenは、勢力 の基礎 をその勢力の源泉 とな っている0 とPとの関係 と定義 して、それが次の五つの源泉か ら生 じると している

.

5

5

)

(1)報酬勢力 (reward power)、(2)強制勢力 (coercive power)、(3)正当 勢力 ( legitimatepower)、(4)準拠勢力 (referentpower)、(5将 門勢 刀 (expert power)がそれである。それ らは次 のよ うに説明されて いる

0

5

4

)

(1)報 酬勢力。 これは、 Pに対 して報酬 を もた らす能力 を0が もっていると い う

P

の認知に基 づ いて いる

0の

P

に対す る勢力の強 さは

0が

P

に対 し て仲介 しうると

P

が認知す る報酬 の大 きさとともに増大す る。 また、報酬 勢 力の範 囲 は

、 P

の同調 に対 して0が報酬を与え る領域に限 られ る。 (2)強制勢力。 これは、 Pに対 して罰 を加 え る能力を 0が もっているとい う Pの認 知 に基 づ くものである。0のPに対する強制勢力 は、0の影響 の試み に対 して, もしPが同調 しなければ、 0か ら罰 を受 け るであ ろうとい うPの 側 の期待 か ら生 ず る。強制勢 力 の強 さは、脅威 と感 じる罰 の もつ負の誘意性 の量 と、同調 によって罰を さけ うる とPが認知す る確率 の積である。 (3)正 当勢力。 これ は、 P の行動 を規制す る正当な権利を 0が もっている と い う

P

の認知 に基づいて いる

0は

P

に影響 を与 える正当な る権利を もち、 かつ Pはその影響 を受け入れ る義務 があ ることを指示す るようなPに内在化 した価値 か ら生 ず る勢力 である。 この正 当勢力 の基礎 に なる ものは、 文価的 価値 、社会的構造、正 当性がある と認め られ た行為休に よる指定 な どである。 (4)準拠勢力。 0の Pに対す る準拠勢力 は、0に対 す るPの同一視 にその基

(16)

-14-礎 を おいて いる。 ここで い う同一視 とは、Pが0に対 して抱 く一休惑 わ:い し 同一化への要求で ある。個人Pが他 の人0に非常 に魅力を感 じて い る場合、 Pが 0との間にすでに緊密な る結 びつ きを もってい る場合、0に対する同一 視は大 き くな る。従 って、0に対す るPの同一視が強 くなるほ ど、 それだけ 0のPに対す る準拠勢力は大 きくなる。 (5博 門勢力。 これは、 0が あ る特殊な知識 を持 って いる とか、あるいは 0 は専門家である とい う

P

の認知に基づ いて いる

0の

P

に対す る専門勢力の 強 さは、特定 の領域内で0のもって い る知 識 や知覚が どの程度 の もので ある とPが考 えて いるかによって決 まって くる。 以上が FrenchとRavenによる勢力の源泉 の分頬で あるが、 この分華削ま、 主に、 Pの認知 を中心に した分類である。 しか し、 Cartwrlghtと Zander は、勢力の分析 は0の観点 とPの観点か ら分析 され る必要 があることを指摘 している。 そ して、 それを(a)0の特質 (勢力 の源泉 )と(b)Pの要求ない し価 悼 (

P

の動機的基礎 )とに分けて分析 してい るのであ る505)

CartwrighとZanderによ ると、 Pの欲求に基づ いた勢力 の基盤 は次 の通 りである.56)

(l)報酬を受 け、罰を避ける欲求 (desire to recelVe reward or ayoid punishment)。これは、 Pが欲 している ものを得 るため に、 0の影響 の試 みを受け零れ る影響 である。 (2)敬服者 のよ うにな りたいという欲求 (desire to be like an admired person )。 これ は、0が Pに魅力 ある人であ ったり、 Pが望む人であ ると きに起 こる影響 である。0 と密接 な一体的な関係 を持 ちたい とい うPの欲求 は、0の持 っ信念 、価値、行動をモデル とす るのであ る。

(

3

)

人の価Lltiに従いたい という欲求 (desire to abide by one's values)o

Oが持 っている公 平、合坤件 、寛大、 正直、勇敢 な どのよ う価値 をPが適 当 な もの として受 け容 れ る とき、0の働 きかけは大 き くなる。それは、Pもそ のよ うにな りたいと願 うか らであ る。 (4)正 しくあ りたいとい う欲求 (deSlre tO be correct)。 これは、 Pが 現実 につ いて正 しい見解を持 ちたいとい う願望であ る。 もしもPが0を専 門

-

1 5

(17)

-的な知識を持 ってい る と見 るな らば、 PはLOの影響 を受容す る。

(5)集団志 向的欲求 (group-oriented desires)0 Pが集団のある績栗 に

コミッ トしていて、0によ る影響 の試 みが この結果 の達成 の手段 とみ な され る とき、pは0の影響 を受け容 れる。

(6)本来的充足 ( intrinsic gratification)00 の働 きかけを Pが本来的な

報酬 とみる とき

、P

は それを受容す る。 以上が Pの欲求 に基づ く分 類であるが、 これは、 FrenchとRavenの分頬 とほ とん ど同様 であ る。 一万、0 の側か らの影響 を与 えるかどうかの決定は、次 によって行なわれ る ので あるご7) (1)影響 を与 える行為を遂行す る際 の、その個人 にとっての純 の利益。 (2)集団 にとってのその行為 の結果。 (3)その行為が成功す るだろ うとい う主観的確率。 (4)役割期待 を遂行す る際の報酬予想。 0はた とえなん らか の勢力 の基盤 を持 っている といって も、以上のような 動機 がなければ、勢力を行使 しないのである。 以上 、勢力 の基礎 について、 Pの側 と0 の側 か ら考察 して きた。前者 につ いてはPの欲求 と認知 、後者 につ いては0の持 つ勢力の資源 とな るのである。 しか し

0の持つ資源は、客観的資源 とい うよりも

、P

が 0は資源 を持 って いる と認知す るか ど うかにかかってい るのであ る。従 って、本節では、0の 資源 それ 自体 は取 り上げず 、その勢力行使 の動機を述べ たのである。影響 の 流れは、0がPに影響 を与 え よ うとす る動機 がなければ、その勢力 の資源 を 持 っていて も起 らないのであ る。 そ して、実際の影響 の流 れはその こと杏 P が知覚 す るかど うかにかか ってい るのであ る。 それ では、 このよ うに勢力を持 って いる人は、他人 に対 して どのように影 響 を与 えるのであろ うか。

F.E.Kastと J.E.Rosenzweigは行動に影響 を与 える方法の範関について第 2表 のように示 していi.8)そして、彼 らは、それを次 のように説明 している5.9)

(1)模倣 (emulation)、これは個 々人 の間に直接の接触 はないが、 しか し、

(18)

-第 2表 行動に影響 を与える手段の範Bil(Spectrum ) 影 響 の範 囲 模 倣 示 唆 説 得 強 制 同等 ない し卓越す ある人が考慮や あるものを行な 強制 的な圧迫、 る努力をす る ことo 行為を心に いだ わせ るために助 無理 じい、物理 同等 ない し卓越す く前 に (あ る考 言、せ きたて、 的な圧力、圧縮o る努力を模倣す る え、提案、計画 説 き伏せ、勧誘 ことo同等性 に近 等 )を提 出 した に よって人を説 づき、あるいはそ り、 もた らす こ き伏せ るこ とo 有名人が彼 らの行動 を模倣 されるように、人 々は、 しばしば、あ る行動パ ター ン を取 り出 し、彼 らと同等 であること、あるいは彼 らより卓越 しよ うと努力する。 これ らの行動パ ター ンがモデ ル (model)とな り、それ らの行動パ ターンは、 そ うな りたい と思 ってい る人 によって取 られ るので あ る。 (2)示唆 (suggestion)、 これは個 々人、あ るいは個人 と集団 との間の直接 の意識 的な相互作用であるが、ある考 えを示 した り、あるいは特 定の行為 の 指針を提 唱す ることによって、行動 に影響 を与 えよ うとす る明白な試 みであ る。 (3)説得 (persuasion )、これは、望 ま しい反応を引 き出すために、ある誘 因を用 いたり、せ きたてた りす ることで ある。 (4)強制 (coercion)、これ は物 理的な圧力を含む強制的な圧迫であ る。 以上が影響 の範囲で あるが、 しか し、 これは影響 を与え る方法 とい うよ り も、その範囲 について述べてい るのにす ぎないのである。 cartwrigh tとZanderは、影響 の方法につ いて、次の五つを示 している4.0) (1)・Pに対す る利 益 や費用を統制 す る、(2)説得、(3)0によって影響 され る方向 にPの態度 を使 用す る、 (4)Pの環境について統制 す る、 (5)資源 を再配分す る、 の五つである。 このよ うな方法を用 いて他人に影響 を与 える として いるので あ る。 また、Woffordらは、他人 に影響 を与 え る方法 として、 (1)シ ェ ー ビ ン グ ー

1

7

(19)

-(shaping)、 (2)モデル化 、(3)カウ ンセ l)ング とコー チ ング、(4)個人 的影響 、 (5)参加、 (6)環境 の変化 を挙 げて いる。4') 以上 の よ うに他人 に影響 を与 え る方法 は様 々であるが、 この方法 が行動 と な って現 われて くるのであ る。 それ が対人関係 において様 々な行動形態 と し て現 われ、 コ ミュニ ケー シ ョンの観点か らす れば コ ミュニケーシ ョン行動 と して現 われ て くるのである. これ は また リーダ-シ ップの観点 か らみれば、 リーダーの行動 と して表 わ され る。 このよ うな ことか ら、 この影響行使 の方 法 は、 リーダー シ ップ研究 や コ ミュニ ケーシ ョン研究 に とっては重要で ある と思 われ る。 とい うのは、そ の影響行 使 の方法は、行動 となって現 われ るた めに、そ の行動 に接 す る人 は、 その行動 につ いて、 自己の知覚 や動機 に よっ て判 断 したり、評価 し、その こ とが 様 々な感情 を生 み出すか らである。その こ とが、 た とえ 自己に とって なん らかの正当 なる勢 力を持 って い る人 であ る と知覚 して も、 あ るいは、 その行 動が単 な る情 報伝達 の一形 態で あ ると知覚 して も、その影響行使 の方法 (行動 )に よっては、そ のま ま受 け容 れ られず、 様 々な反作用 を引 き起 こす こ とにな るので あ る。 この よ うな ことか ら、 コ ミ ュニケー シ ョンの研究 は、その効果性 を考慮 に入れ る ときは、情 報の廃れ、 感情 の流 れ、影響 の流 れの3つの側 面か ら行 なわれ る必要 があ る と思 われる のであ る。以下 で は、 この点 を考慮 に入れて 、 コ ミュニ ケー シ ヲンと リーダ ー シップ の関連性 につ いて考察 す る。

2

.

コ ミ ュニケー シ ョン と リー ダー シ ップ の的連性 以上 、影響 の流 れ を何 らかの意図を持 った (影響 を及ぼす )人 とそれ を受 け る人 との関係 で明 らか に して きた。 しか し、 その影響 の流れは、先 に述べ た勢力 関係 の基礎 か らして、0 の動 機 と0が勢力を持 って いる とい うPの知 覚 に よって決 定 され る のであ る。 こ こに、 コ ミュニケーシ ョンの効 果の問題 (リー ダー と部下 の関係 で 言えば 、 リー ダー シップ の有効性 のrLi)超 )が/Eじ て くる。す なわ ち

0が 自己 は勢 力 の資源 を持 って お り、 その ことに より

P

に影響 を及ぼ そ うと意 図 して も、 Pがそれを知覚 しなか った り、 あるいはそ の勢 力を受 け容 れ よ うとす る欲求がなければ、 Pの側 の状 態 の変化 は起 こ ら -18

(20)

-ず、実際 には、影響 は起 こらないのである。 このことか ら、 コ ミュニケー シ ョンの効果 は、送 り手 (影響 を与 える人 )の 意 図だけではな く,それを受 ける受け手 (影響 を受け る人 )の反応で考慮 さ れなければな らな いのであ る。 この ことは、 リーダー シップの有効性 に も同 じことである。 リー ダ-シ ップの有効性 は、 リーダーの働 きかけだけではな く (リー ダーの単独の行為 )、部下 の反応 との関係 で捉 え られなければな ら ず、 リーダーの意図 した行動 とそれに対 す る部下 の反応 との関係で捉 え、 l) -ダーと部下 との闇の相互 作用 の結果 と して捉 えなければな らないのであ る。 しか しなが ら、 コ ミュニケー シ ョンの効果 (リー ダーシップの有効性 )を 捉 える場 合、送 り手 (リー ダー )の影響 を与 えよ うとす る意 図 とそれ に対 す る受け手 (部下 )の反応 を区別す る必要が生 じて くる。 このことは、部下 の 反応 は リーダーの意図 した行動 にな るとは限 らず、部下 の知覚能力、あるい は部下を取 り巻 く状況 (例 えば、集団規範 、役割 、風土な ど )に よって も影 響を及ぼ されるか らで あ る。 この ことか ら部下 の反応 は リーダーの意図 した 行動 とその他の要田に よって影響 を受け た行動 とを区別す ることが必要 にな って くるのである. コミュニケーシ ョン効果 (リー ダーシ ップの有効性 )杏 考慮す る場 合、この点が区別 され なければ な らな いと思われ るのであ る。 B.M.Bassは、 リーダーシップにつ いて試みの リー ダーシップ、成功 的 リ ーダーシップ、効果的 1)- ダー シップを区別 して いる。 Bassは リーダー シ ップにつ いて次 のよ うに考える

4

.

2

)

ぁ る人 (A )の目標が他 の人 (B )を変 え ることであ るとき、あ るいは Bの行動 の変化が Aに報酬を もた ら し、あるい はAの行動を強化す るとき、 目標を達成 しよ うとす るA の努力は r)-ダーシ ップであるOそ して、 リーダーシ ノブは、単に、 Aの行 為 とい うより もAと Bとの間 の相互作用 であ る、 と しているので ある。 Aが自分 の目標を達成す るか どうか は、 Bに よる活動ない しは不活動 を意 味 し、 Bの活動 はAの行動 を強化 し、Aのその後 の行動を修正す るか らである。 Bassは リーダー シッ プについて このように捉 え、試みの リーダーシップ、成功的 リー ダーシ ップ 効 果的 リーダーシップを次の ように説 明 している三5)も しもAの 目標 がBを変 えることであるな らば、AはBを変 え る試みが観 察 され る。 これが試み られ

(21)

-19-た リー ダー シ ップ (attempted leadership) で ある. もしも Bが Aの努力 の結果 と して彼 の行 動 を 実 際 に変 え るな らば 、こ れ は成 功 的 リーダ ー シ ップ (succesfulleadership)と言われ る。 も しもBの変 化 が Bの満 足、 報酬 な い し目標 達成 につ なが れ ば 、 これ は効 果 的 リー ダ ー シ ップ (effective leadership ) と言われ るので あ る。 これ らは、 明 らか に リ- ダ ー の意 図 した行 動 、 それ に対 す る部 下 の反応 、 そ の反 応 が 組 織 目標 な どの組 織 の有 効性 に結 び つ くか ど うか、 とい う3つの 側 面 を区 別 して、 リー ダ ー シ ップ を捉 え て い るので あ る。 そ れ で は 、 リー ダー シ ップ と コ ミュニ ケ ー シ ョンは どの よ うに関 連 す るの で あ ろ うか 。 リー ダー シ ップは コ ミュニ ケ ー シ ョンの観 点 か ら どの よ うに捉 え られ る の であ ろ うか 。 Woffordらは 、 コ ミュニ ケ ー シ ョン と関 連 す る リー ダー シ ップ ・モデ ル を 第3図 の よ うに示 して い る4.4)このモ デ ル では 、 リー ダ ーの コ ミュニ ケー シ ョ 第 3図 リ- ダー シ ップの過 程 リーダーの特徴 媒介状 況変数 部 下 の 特 徴 目 標 達 成 (内的影響 ) (外的影響 ) (内的影響 ) (列的一円的 )

(22)

ー20-ンー 影響 行動 は、状 況によって波過 され、それから部下 に続 き、目標達成 の有 効性 に作用す ることが示 されて いる。 しか し、 このモデルでは、部下 か らの フ ィー ドバ ックが示 され ているものの、 リーダーか ら部下 へ一 方的に働 きか け る関係であり、 リーダー と部下 のコ ミュニケーシ ョンの関係 は充分 に明 ら かにされず、 また、 コ ミュニ ケ ーシ ョンが リーダー シップ の全体状況で関連 していることを示 して いるだけであ り、 どれ が コ ミュニケーシ ョンの側 面で、 どれが リーダーシ ップの側 面か、 明確に されていないのであ る. 以下 これ ら の点を考慮 して リーダー シップ と コ ミュニ ケー シ ョンの関連性 について考察 す る。 リーダーシ ップと コミュニケー シ ョンの関連性を考察す る とき、 まず第 1 に着 目 しなければな らない点は、 リーダー シ ップが 2人以上 の人 々の関係 で ぁるな らば4.5)それ は コ ミュニケーシ ョンを必要 と し、 コ ミュニケ- シ ;ンに よって行なわれる、 とい うことであ る。 リーダ ーシップ はコ ミュニケーシ ョ ンな しには成 立 しえないのである。 このことか ら、 リーダーシップの研究 も コ ミュニケーシ ョンの観点か ら捉 え られ るのである。 しか し、 コ ミュニケー シ ョンは、それが機 械 システムでの通信伝達 でない限 り、人 々の間の コ ミュ ニケーシ ョンで あるな らば、情報 の流れ、感情 の流れ、影響 の流れ、 の 3つ の側 面か ら捉 え られなければな らな いので ある。 第 2は、 もしリー ダーシ ップが リーダーの共通 目標を達成す るための部下 への働 きかけであるとすれば4,6)リーダーは共通 目榛を達成す ることに関す る 様 々な情報を伝達す ることが必要になる。 ところが、 リー ダー シップの様 々 な問題は この点 にあるのである. もしリー ダー シップを、対 面状況下 におけ る部 Fの行動に影響を与 えよ うとす る意 図的な リー ダーの行動 に限定 して捉 えるな らば、 リーダーシップは次 の3つ の側 面に限定 され るo (1)は、組織 目 標を明確に示す。(2)は、部下がそ の目標を積極的 に達成す るよ うに動機づけ ること。 (3)は、 その 目標 を容易に達成 できるよ うに部下 の熟練度 を高 め るよ ぅにす るこ と。 以上 の 3つ である4.7)(1)は、 リーダ-は課業 目標 を明確 に し、 それを設定す る際 に部下を助 けることができる。(2)は、課業 に作用す る部下 の意思決 定、部 Fの努力の水準、部下の課業 に執着す る度合 いで、 リーダー -211

(23)

が動機づ け ることがで き る要因 であ る。(3)は、個人 の熟練水 準で、 これ は リ ーダーがよ い教師 の よ うにす ぐれ た指導 者 であれ ば、 高 め られ る要因 であ る。 これ らの点 か ら リーダーシ ップを捉 える と、 第 1に、 リー ダーは部下に 目 標 に関 す る情報 を提 供 しなければ な らな いこ とになる。 ところが リー ダーが この 目標 に関 す る情 報を伝 達す る場 合、 そ の情 報伝達 の方 法が本節 で述べ た よ うに様 々で あり、そ して、 この伝達 の方法 は感情 を含 んで お り、 しか も、 そ れは リー ダーの行動 とな って現 われ るので ある。 これ を コ ミュニ ケーシ ョ ンか ら捉 え る と、 目標 の明確化 や 目標設 定 は情 報 の伝達 とい う情報 の流 れで あ る。 しか し、 これは行動 となって現 わ れ るので リー ダーの行 動 とな る。 こ の点 か らコ ミュニケ ー シ ョン行動 と リー ダー行動 は共通 な もの と して捉 え ら れ るのであ る。 ところが、 これ らの行 動 に対 して、部下 は先 に述べ たよ うに、 自己の知覚 や動機 に基 づ いて反 応 (行 動 )す ることに なる. しか も、 この虎応 (行動 ) は, リーダー の送 る情 報的側 面 とい うより も、 リーダーの送 る感情 的側 面に よって反応 (行動 )す る傾向 が強 いのであ る。 そ して、 この部 Fの反応 (行 動 )が組織 目標 の達成度合 い (組織 の有効性 )を決定 す るので あ る。 この ことか ら、 リー ダーは第 2に、組織 の有効性 を高 め るため に、部下が 組織 目標 を積極 的 に達成す るよ うに動機 づ け ることが必 要 であ る。 ところが、 この動機 づけ もコ ミュニケ ーシ ョンを通 じて しか行 なえな いので あ る。 この 動機 づけの ため の コ ミュニ ケー シ ョンではそ の方法 が問題 とな る と思 われ る。 す なわ ち、 コ ミュニケ ー シ ョンの感情 の流 れ が重要 とな るのであ る。 とい う のは、それが動機づけのための r)-ダーの行 動 となって現 われ 、それを部T は 自己の知覚 や認 知能力 に よって知覚 し、積極 的 に 目標 を達成 す るか ど うか決 定す る と思 われ るか らで あ る。 一 般 に、 これ までの リー ダー シ ップ研究 で、従 業中心的、民主 的、参加的 、 あ るいは配慮 といわれてい るものは、 コ ミュニケー シ ョンにおける感情 の流 れ に着 目 した ものである と思 われ る。 リー ダー シップに おけ るこれ らの要因 が 、一 般 に部下 を動 機づけ るのに役立つ と言われ るのは、 まさに部 Fに対す る リー ダー行動 で、 これ らの要 因が感情 の流れ と して現 われ、それ が部下 の -2 2

(24)

-好反応を引 き起 こす と思 われ るか らであ る。 また、課業志向や組織 づ くりといわれ る ものは、情報 の流 れに強調点 を置 いた ものであ る と思われる。 これ らの こ とか ら、 リーダーが部下 を動 機づ け る場合、 コ ミュニケ ーシ ョ ンの方 法が大切 となって くるのであ る。 以上 の目標 に関す る情 報 の提示、動機 づけのほか に、 さ らに、 リーダー の 第 3の役割 は部下 が 目標 を容易 に達成 できるよ うに部下 の熟練 度 を高 め るこ とであ る。 目標達成 に関 す る部下 の熟練度 は、 明 らか に組織 目標 の達成度合 い (組織 の有効性 )に大 き く結 びついて くるo従 って 、 リー ダーは部 下が 目 標を容 易に達成 で きるよ うに、教育 した り、訓練 す る必 要が あるのであ る。 しか もまた、 これ もコ ミュニケーシ ョンに よって行な われ、 目操 を達成 す る 技術 に関す る適 切な情報が必要 であるが、 その伝 達の方 法 も、部下 の知覚能 力 に よっては問題 となるので あ る。 以上、 リーダーシ ップ の重要 な次元 を コ ミュニケー シ ョンの観 点 か ら取 り あげて きたが、 これ まで の リーダ ーシ ノブ研究 では、 これ らの次元 が区 別 さ れず 、一緒 に論 じられて い るために、 リーダーシ ップに おけ る問在が混乱 し て論 じられ る結 果 とな って いるので あ る。 しか し、 これ らは リーダー シ ップ において も別 々の次元 であ り、 コ ミュニケー シ ョンの観 点 か らは明確 に区別 され るのであ る。 コ ミュニケー シ ョンと リ-ダーシ ップの関連性 につ いての第3点は、組織 (集 団 )規範 や風 土な どの よ うな組織変 数 に関連 してい る.上 で述べ た情 報 の伝達 、動 機づ けな どの方 法 も、規範や風土 な どに よって促進 され た り、制 約 され た りす る。すな わち、対 人関係や対人 コ ミュニ ケー シ ョンは、集 EZl規 範、役割、地位、風土 な どによって促進 された り、制約 され た りす るのであ る。例 えば 、対人 関係 に信頼 があ り、集団風 土が良好 であれば、そ こでは、 コ ミュニケー シ ョンの方 法 はそれ ほ ど問題 と な らな い で あ ろ う。 従 って 、 コ ミュニケー シ ョン行動 、あ るいは リー ダー行動 は、集 団 の規範や風土、あ るいは組織 (集団 )での役割 、地位 に よって促進 され た り、制 約 され た りす るので ある。

(25)

-23-ところが., これ らの規範 や風土 は、組織成 員、なかんず く リーダ-の コ ミ ュニー シ ョンに よって大 き く影響 され るので あ る.48) 従 って、 これ らも コ ミュニ ケ ー シ ョンの観点か ら捉 え られ るのであ る。 こ のこ とに よ り、 リー ダーシ ップの状況変数 と して捉 え られ てい る これ らの要 素 が コ ミュニケーシ ョンとい う同一次元 で論 じられ、 これ らの要 素が リーダ ー と部 下 との関係 に及 ぼす影響 が明 らか にされ るので ある. リーダーシ ップ とコ ミュニケー シ ョンの第4の関連性 は、 コ ミュニケ ーシ ョン効果 と、 リー ダーシ ップ有効性 であ るo送 り手 と受 け手 との間の コ ミュ ニケ ー シ ョンの効果 は、 リーダー と部下 との間の リー ダーシ ップの有効性 と して捉 えるこ とがで きる。 ところが リーダ-シ ップ研究 に おける リーダーシ ップの有効性 は、 それを どのよ うに捉 えるか とい うこ とに よ ってそ の規 定要 因 も異 な るので.49)リーダーシ ップ研究方 法上の大 きな問超 で ある。本節 で論 じたよ うに、試 みの リー ダー シップか 、成 功的 リー ダーシップか 、効果的 リ ー ダー シ ップか、 とい うことは リーダー シップ研究 に とって重要 なのである。 しか し、 コ ミュニケーシ ョンの問題 と して これ らを考慮 すれば、これ らの間 嶺 は取 り除 くこ とがで きる と思 われ るので あ る。 最後 に、 リーダーシ ップ研究 における静 態性 と動 態性 の問題 も、現 実 の組 織 において、 リーダー と部下 が相 互 に作用 しあ う関 係に あ り、相 互依存的影 響 にあ るとすれ ば、す な わち コ ミュニケー シ ョンを通 じた関係 であれば、 リ -ダー シ ップの研究 は、 リー ダーと部下 の相 互作用 を考慮 に入れ、諸条件 の 変 化 も.考 えた動態的分析 で行 なわれ る必要 があ るのであ る。 以 上、示 して きた よ うに リーダー シップは、それ が2人 以上 の人 々の関係 であれ ば、 コ ミュニケー シ ョンの観点か ら捉 え られる。 そ して、 これ まで示 して きたよ うに リ-ダー シ ップにお け る様 々な問題 もコ ミュニケーシ ョンの 側 面か ら捉 える こ とによって統一的 に捉 え られ、明確 に され るので あ る。従 って 、今後 は リー ダーシ ップを コ ミュニ ケー シ ョンの観点か ら捉 えた研究 が 必 要 であ るよ うに思 われ るので あ る。

(26)

-24-Ⅳ

以上 に おいて、最近 の代表的な リー ダーシ ップ ・モデ ルを コ ミュニケー シ ョンの観点 か ら検討 し、 リーダー シップが コ ミュニ ケーシ ョンの観点 か ら捉 え られ る論拠 につ いて示 して きた。 最近 のほ とん どの リー ダーシ ップ研究 は、 リーダ ー シ ップを組織全休 との 関係 で捉 え、組織 変数 の よ うなマ クロ変 数を考慮 に入れて、 リー ダー シップ の有効 性 の成立す る状況や条件 な どの解 明を中心 に展 開 されて いる。 この こ とは リーダーシ ップが組織 の中で発揮 される以上 当然 の ことであ り、 リー ダ ーシップを マ ク ロ的 に分 析す るこ とは望 ま しい こ とであ るo しか し、 これ ら の方 法で は、状況 や コ ンテ ィンジェンシー要因 を強調 す るあま り、 リーダ ー シップ研究 にとって基 本的な リー ダー と部下 との関係 、す なわ ち、 リー ダー と部 下 との闇に どのよ うな相 互作用 があ り、 I)- ダーの どの よ うな行動 が部 下に影響を及 ぼ し、部 T は どの よ うに反応 す るか、 とい うことは充分 に明 ら か に されて いないのであ る。 そのため に、 リーダーシ ップの研究を対面状 況下 での リ- ダー と部下 との 2者 関係 に制 限す べ きである、 とい う ミクロ的分析 さえ主 張 され るのであ る。 しか し、以上 の問題 も リーダ- シップを コ ミュニケー シ ョンの観 点か ら捉 えることで、対 立す るアプ ローチ とい うよりも統合的 に捉 え ることがで きる よ うに 魁 わ れ るO す なわち、 リー ダー シ ップが2人以上 の人 々の関係 で あ り、それが コ ミュニ ケーシ ョンを通 じて行なわれ るな らば、それ は コ ミュニ ケー シ ョンの観点 か ら捉え られ 、その ことに より2者 関係や対人影響 の過程 か ら全体組織 の影響 の過程 まで も明 らか にされ ると思 われ るか らで ある。 な ぜな ら、組織 が 2人以 上 の人 々の協働 システムであ るな らば、対 人関係 は コ ミ▲ユニケ- シ ョンを通 じた相 互作 用の過程 で あ り、対人 ゴ ミュニケー シ ョン は対人関係 の基本で あ るため、対人影響 の過程 は コ ミュニケー シ ョンの観点 か ら明 らか に され るか らであ る。 また、 コ ミュニ ケー シ ョンは組織 活動 の中 心で あ り、 それは コ ミュニ ケー シ ョン行 動 と し捉 え られ るため に㌣)全体 組織 と リー ダー と部 下の影響 の過程 もコ ミュニケーシ ョンに よって 明 らか に され -25

(27)

-るか らで あ る。 さ らに、前節 で述べ たよ うに、 l)- ダー シ ップの次元 に おけ る諸 間複 もコ ミュニ ケ ー シ ョンの側 面か ら捉 える ことに よ り、 それ らが コ ミュニ ケ ーシ -A ンの次元 に よ って 統一 的 に捉 え られ、 明 らか に され るのであ る。従 って、今 後 は リー ダー シ ップを コ ミュニケ ー シ ⇒ンの観 点か ら捉 え た研究 が必 要 で あ るよ うに思 われ る。 この ことに よ り、 リー ダーシ ップの有効性 を規 定 す る要 因 や そ の条件 が解 明 され る と思 われ るので あ る。 注

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, p.134. 26)例 えば、課業が明確 に与 られておれば、 それだけ組織 づ く りは少 な くなる.

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30)D.CartwrightandA.Zander

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34) Ibid.,PP 262-268,同訳書 ,PP.734-745. 35)D.Cartwright and A。Zander.op.cit・, P 217 36)Ibid., PP 225-227.

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39)Ibidリ PP.3111313.

40)D.Cartwrightand A Zander,01,.cit・, PP.2191224U

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44)J,CWofford,E.A.Gerloffand R.C.Commins,oi).cit.,p321_ 45)D G Bowersand S.E Seashore,'predlCtlng OrganlヱationalEffective

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例 えば、Campbellは部 下の業績行動 を次 の式 で表 わ してい る. 業績 能力 熟練 達成 目標 課業に作用す どの程度 の努力 を行 行動=水準 ×水準×の理解度×る意駄決定 ×な うべ きかの選択 仕 事 に対す 個 々の .)-ダーに影 響 され × る執 着 心 ×ない促 進条 件 と阻 害条 件 -

参照

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