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近現代ハンセン病資料アーカイブス事業 -「昭和42年度 沖縄らい検診等援助計画報告書」資料の公開-

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Academic year: 2021

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(5) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 昭. 和. 4. 2. 年. 度. 沖 縄 ら い 検 診 等 援 助 計 画 報 告 書. (沖 縄 ら い 対 策 矩 援 助 計 画 協 議 資 料). 厚 生 省 公 衆 衛 生 局 結 核 予 防 課. 昭和43年4月25日. 1. 103.

(6) 目次 Ⅰ. 沖縄らい対策援助計画打合せ会 .................................................................. 1. 1. 昭和 42 年度らい検診結果報告について ................................................... 1 2. 昭和 43 年度計画及び今後の方針について ............................................... 1 Ⅱ. 昭和 42 年度までの沖縄らい検診等援助の概況 .......................................... 2. Ⅲ. 沖縄本島、北部・中部地域の中学生および高校生の皮ふ検診成績 ............ 4. Ⅳ. 第2回沖縄らい検診の報告会 .................................................................... 12. Ⅴ. 検診班の報告から ..................................................................................... 15. Ⅵ. 視察顧問班の報告について ....................................................................... 17. 1. 視察顧問第一班報告 ................................................................................ 17 2. 視察顧問第二班報告 ................................................................................ 20 Ⅶ. 昭和 43 年度沖縄らい検診等援助計画案の概略 ........................................ 22. 1. 学校皮ふ科検診援助について ................................................................. 22 2. 在宅患者検診等の援助について .............................................................. 23 Ⅷ. 今後の沖縄らい対策の諸問題 .................................................................... 26. 1. 疫学的にみた沖縄のらい(続報) ―. 軽快退所者の実態とその管理. ― .................................................... 26. 2. 軽快退所判定基準(案)......................................................................... 37 3. 今後の沖縄らい対策検討事項 ................................................................. 38. 2. 104.

(7) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). Ⅰ. 沖縄らい対策援助計画打合せ会 開催期日:昭和 43 年 4 月 25 日(木) 午前 10 時~午後 1 時 開催地:京都市左京区吉田近衛町 京都大学 楽友会館. 次 第 開 会. (司会)厚生省公衆衛生局結核予防課長補佐. 小野寺. 伸夫. 挨 拶 1 厚生省公衆衛生局結核予防課長 2 総理府特別地域連絡局援助業務課長 3 京都大学医学部皮膚病特別研究施設 教授. 鈴 木 晃 岸 良 明 西 占 貢. 協 議 1. 昭和 42 年度らい検診結果報告について 1)昭和 42 年 10 月より昭和 43 年 3 月まで実施した学校皮膚科検診 について 国立療養所多磨全生園医務部長 難 波 政 士 2)沖縄本島北部中部地域の中学生および高校生の皮膚検診成績につ いて 前国立多摩研究所第一研究部長 前 田 道 明 3)沖縄らい事情の視察顧問報告について 国立療養所長島愛生園長 高 島 重 孝 2. 昭和 43 年度計画及び今後の方針について 1)昭和 43 年度沖縄らい検診援助計画案について (1)学校皮ふ科検診援助について (2)在宅患者検診等の援助について 2)今後の沖縄らい対策の諸問題について (1)軽快退所者の実態とその管理について (2)軽快退所制定基準(案)について. 前 田 道 明 難 波 政 士. 3 その他について 閉 会. 1. —1—. 105.

(8) Ⅱ. 昭和 42 年度までの沖縄らい検診等援助の概況. らい予防から沖縄における公衆衛生上の重要な課題であるのにかんがみ、ら い患者の早期発見早期治療、感染源の対策及びらいの疫学的事情の把握等を目 的に学童、生徒を対象にらい検診援助を下記の通り実施した。 検 診 結 果 計 画. 検診時期. 検診対象. 人. 発見患者 数. 人. ~. 第 昭和42年4月7日 宮古、八重 一 山地域の小 次 中学生 計 画 昭和42年6月10日 第 昭和42年10月31日 本島北部及 二 び中部の一 次 部の中学高 計 校生 昭和43年3月14日 画. 検診実施数 (検診率). 対象数. 29,696 (99.5%). 29,800 人. ~. 32,457 (98.8%). 数. 人. 54 人. 32,866. 万対率. 新発見患者. 18.2. 43. 人. 15. 万対率 人. 14.5 人. 4.7. 6. 1.9. また、これらの計画を推進するためらい専門医師、行政官等よりなる打合せを 適宜行ったが、本土で開催した打合せ会等の主なものは次の通りである。 開催年月日. 打合せ会. 会. 場. 打合せの主な事項. 42. 1.17 らい検診計画打合せ会 厚生省会議室 42. 6.16 らい対策打合せ会. 宮古、八重山、検診計画、実施要綱の協議. 〃 結核予防課 昭和 42 年度計画の方針、対策の大綱等の協議. 42. 8.11 らい検診実施報告会. 総理府会議室. 42. 8.22. らい検診等実施計画打合せ会. 南方援護会会議室 昭和 42 年度らい結核検診実施要綱派遣方針の協議. 43. 2.16. らい対策等援助計画打合せ会. 松本楼会議室. 昭和 43 年度計画協議のみで 42 年度検診等の中間報告. 楽友会館会議室. 昭和 42 年度らい検診等の総括報告及び今後の方針の協議. 43. 4.25 らい問題等打合せ会. 宮古、八重山検診の報告及び将来の方針についての打合せ. 2. 106. —2—.

(9) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). らい検診等の援助をおこなうため、次の要員が派遣されている。 計 画. 派遣時期. 業 務. 42. 2.14~42. 2.20. 事前協議. 〃. 第 一 次 計 画. 第 二 次 計 画. 〃 検診第1班 42. 4. 1~42. 5.10 (宮古班) 〃 〃 ( 〃 ) 〃 〃 (八重山班) 〃 〃 ( 〃 ) 検診第2班 42. 5. 9~42. 6.10 (宮古班) 〃 〃 ( 〃 ) 〃 〃 (八重山班) 42. 5.22~42.6.10 検診班長. 氏 名. 所 属. 辻林 嘉平. 厚生省医務局国立療養所課技官. 小野寺 伸夫. 〃 公衆衛生局結核予防課技官. 小林 茂信. 国立療養所栗生楽泉園医務部長. 伊東 正保. 〃 多磨全生園耳鼻咽喉科医長. 中村 啓八郎. 〃 菊池恵楓園医務部長. 友田 政和. 〃 〃 耳鼻咽喉科医長. 宝木 原浩. 〃 栗生楽泉園皮ふ科医長. 鈴木 正和. 〃 多磨全生園. 石原 重徳. 国立駿河療養所医務課長. 難波 政士. 国立療養所多磨全生園医務部長. 〃. 解析指導. 前田 道明. 国立多摩研究所第一研究部長. 42.10.31~42.11. 9. 事前協議. 鈴木 晃. 厚生省公衆衛生局結核予防課長. 〃. 〃. 原 福太郎. 〃 事務官. 42.10.31~42.11.29. 検診第1班. 横田 篤三. 国立療養所長島愛生園医務部長. 〃. 〃. 原田 禹雄. 〃 邑久光明園研究検査科長. 42.11.24~42.12.23. 検診第2班. 石原 重徳. 国立駿河療養所医務課長. 〃. 〃. 熊丸 茂. 国立療養所菊池恵楓園眼科医長. 43. 1.14~43. 2.16. 検診第3班. 金谷 喜久雄. 〃 松丘保養園皮ふ科医長. 〃. 〃. 伊東 正保. 〃 多磨全生園耳鼻咽喉科医長. 43. 2.10~43. 3.13. 検診第4班. 荒川 巌. 〃 松丘保養園医務課長. 〃. 〃. 松本 淑子. 〃 大島青松園皮ふ科医長. 42. 2.26~43. 3.14. 検診班長 視察顧問 第1班 〃. 難波 政士. 〃 多磨全生園医務部長. 高島 重孝. 〃 長島愛生園園長. 守屋 睦夫. 〃 邑久光明園長. 43. 1.23~43. 1.31. 〃 〃. 時田 日出男. 厚生省公衆衛生局結核予防課事務官. 稲葉 俊雄. 国立駿河療養所長. 〃. 〃 視察顧問 第2班 〃. 伊崎 正勝. 岩手医科大学皮ふ科教授. 43. 3. 1~43. 3.14. 解析指導. 前田 道明. 国立多摩研究所第一研究部長. 〃. 〃. 寺田 静雄. 厚生省公衆衛生局結核予防課事務官. 43. 2.18~43. 2.27. 3. —3—. 107.

(10) Ⅲ. 沖縄本島、北部・中部地域の中学生および高校生の皮ふ検診成績. 前回の宮古・八重山地域における小・中学生の皮ふ検診に引続き、1967 年 10 月 31 日より 1968 年 3 月 14 日まで5班にわかれて沖縄本島中部以北の中学生 および高校生を対象として皮ふ検診が行なわれた。実施方法は前回と同様であ る。. 調. 査. 成. 績. 表1 検診結果の総括 表2 中学および高校生の受診状況 表3 a. 不受診理由(中学生). b. 不受診理由(高校生). 表4 患者の実態 表5 性別・学年別患者発見率 表6 市町村別、性別患者発見率. 1) 検診成績への信頼性(表1、2) 受診率は全対象では 98.8%(男 98.2%・女 99.3%)、中学生では 99.0% (男 98.6%・女 99.5%)、高校生では 98.2%(男 97.2%・女 99.0%)であ って、中学生より高校生の方が受診率は低かった。さきに調査した宮古・八 重山地域の中学生と比べて今回の沖縄本島中部以北では欠席者が多いので、 解析班は検診成績を明確にするため1週間をついやして離島以外の学童生 徒について不受診理由を調査した。その結果、中学生では不受診者の 40.6%、 4. 108. —4—.

(11) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 高校生では 13.2%のものを検診することが出来たが、それでも宮古・八重山 地域よりも不受診者が多かった。 不受診理由を調査すると、高校生では検診の最終時期が3月上旬に及んだ ために、3年生のなかには進学・就職のために不在のものがいたこと、定時 制高校生には仕事の関係で就学日が明らかでないものがいたことによるも のであった。これに対し、中学生では怠慢のため常時欠席のもの 45%、病気 欠席中のもの 25%、非行児のため欠席中のもの 11%であり、原因不明のも のは調査し得なかった離島の学徒 14%であった(表3-a、3-b) 従って、調査しえなかったものにらい患者が混在している可能性は極めて 少いものと考えられる。 2) らい患者の発見率 発見患者は 15 名(新発見6名、既知のもの9名)であった。なお高校生 1名(3年生の女. B 型)の患者が本検診開始直前に入所したが、この検診. 成績からは除外した。 a) 被検者 32,457 名のうち新発見患者は6名(人口万対 1.9)、既知患者は 9名(人口万対 2.8)であった。これを性別にみると、男では 15,883 名 中9名(人口万対 5.7)、女では 16,574 名中 6 名(人口万対 3.6)であ って、女より男の方に高率であった(表1) b) なお一部の地域の小学生 694 名については要望によって検診を行った が、その際治療中の患者1名(小学5年の女、TM2 型)が発見された。 c) 年令別に患者発見率を比較するため、中学、高校別に較べると、中学生 では被検者 22,011 名のうち新発見患者および既知の患者はいずれも5 名(人口万対 2.3)ずつであり、高校生では被検者 10,446 名のうち新発 見患者は1名(人口万対 1.0)、既知の患者は4名(人口万対 3.8)であ った。すなわち、中学生と高校生との間に患者発見率の差はみられなか った(表5) d) 学校区の明確な中学生のみについて北部地域と中部地域とにおける患 者発見率を比較すると、北部地域では被検者 11,135 名のうち新発見患 者1名、既知の患者3名、計4名(人口万対 3.6)であり、中部地域では 被検者 10,876 名のうち新発見患者4名、既知の患者2名、計6名(人口 5. —5—. 109.

(12) 万対 5.5)であった。すなわち、現在では北部地域より中部地域にらい 患者の発見率が高くなっていることが明らかとなった(表5、6) e) 本検診にあたり 1967 年 5 月までに判明している外来施設の登録患者お よび療養所からの軽快退所患者のうち、今回の検診地域居住の 18 才以 下のものについて受診者および不受診者の名簿を詳細に調査した。その 結果、15 才以下のものでは 10 名中3名、16~18 才のものでは 19 名中 3名が発見されたにすぎなかった。この事実は現在の沖縄では人口の移 動が著しく、北部地域では人口の移動と共に患者の発生率は減じ、中部 以南の地域では患者の発生率が高くなりつつあることを推察させるも のである。 3) 発見患者の病型 新発見患者6名の病型は L 型1名、Borderline 1名、Indeterminate 1 名、TM 型 3名であった。 また既知の患者9名のうち、軽快退所のものは5名であり、他の4名はス キン・クリニックに登録されていたものであった。なお既知の患者のうち菌 陽性者が発見されたことは注目すべき点と考える(表4)。 総. 括. さきに前田らは 1967 年 5 月末日における沖縄のらい患者(収容中の患者、外 来施設への登録患者および逃亡患者)についてその実態を調査報告した。その成 績によると、沖縄のらいは離島に高く、沖縄本島では中南部に較べて北部地域に 高率であった。しかし、沖縄本島の北部地域および中部地域の北半分を調査した 今回の成績によると、中学生および高校生のらい発見率は北部より中部に高率 であった。この両成績の矛盾は、現在の沖縄でも生活のために人口の都市集中化 が顕著となったため、人口の移動と共に患者も移動したために起った現象と考 えるべきであろう。従って、現在では沖縄本島のらい患者は人口密度の高い那覇 周辺の都市、すなわち中南部地域に多いものと推察される。. 6. 110. —6—.

(13) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表1. 検 診 成 果 の 総 括. 総 計. 中学生. 高校生. 性. 対象. 欠席. 受診率. 被検者. 新発見. 既知患者. 男. 16,181. 298. 98.2 %. 15,883. 5 (3.2). 4 (2.5). 女. 16,685. 111. 99.3. 16,574. 1 (0.6). 5 (3.0). 計. 32,866. 409. 98.8. 32,457. 6 (1.9). 9 (2.8). 男. 11,330. 161. 98.6. 11,169. 4 (3.6). 4 (3.6). 女. 10,893. 51. 99.5. 10,842. 1 (0.9). 1 (0.9). 計. 22,223. 212. 99.0. 22,011. 5 (2.3). 5 (2.3). 男. 4,851. 137. 97.2. 4,714. 1 (2.1). 0. 女. 5,792. 60. 99.0. 5,732. 0. 4 (7.0). 計. 10,643. 197. 98.2. 10,446. 1 (1.0). 4 (3.8). 註:患者説明の部の(. )は人口万対の患者数. 備考:離島および避地の一部については小学生も依頼されて検診した。 なお高校生 1 名検診直前に入所したものあり(高校 3 年女・B 型). 7. —7—. 111.

(14) 表2. 中学高校生の受診状況 男. 学校区. 女. 計. 学年 対象. 欠席. 受診率. 対象. 欠席. % 中 学 北 部 連 合. 中 学 中 部 連 合. 中 学 生. 全 日 高 校 生. 定 時 制 高 校. 対象. 欠席. %. 受診率 %. 中1年. 1,875. 5. 99.7. 1,869. 16. 99.1. 3,744. 21. 99.4. 〃2 年. 1,833. 15. 99.2. 1,797. 6. 99.7. 3,630. 21. 99.4. 〃3 年. 1,958. 31. 98.4. 1,884. 8. 99.6. 3,842. 39. 99.0. 計. 5,666. 51. 91.1. 5,550. 30. 99.5 11,216. 81. 99.3. 中1年. 1,835. 6. 99.7. 1,758. 4. 99.8. 3,593. 10. 99.7. 〃2 年. 1,948. 37. 98.1. 1,779. 8. 99.6. 3,727. 45. 98.8. 〃3 年. 1,881. 67. 96.4. 1,806. 9. 99.5. 3,687. 76. 97.9. 計. 5,664. 110. 98.1. 5,343. 21. 99.6 11,007. 131. 98.8. 中1年. 3,710. 11. 99.7. 3,627. 20. 99.5. 7,337. 31. 99.6. 〃2 年. 3,781. 52. 90.6. 3,576. 14. 99.6. 7,357. 66. 99.1. 〃3 年. 3,839. 98. 97.4. 3,670. 17. 99.5. 7,527. 115. 98.5. 計. 11,330. 161. 98.6 10,873. 51. 99.5 22,223. 212. 99.0. 高1年. 1,560. 13. 99.2. 2,045. 8. 99.6. 3,605. 21. 99.4. 〃2 年. 1,543. 27. 98.3. 1,761. 4. 99.8. 3,304. 31. 99.1. 〃3 年. 1,287. 42. 96.7. 1,554. 30. 98.1. 2,841. 72. 97.5. 計. 4,390. 82. 98.1. 5,360. 42. 99.3. 9,750. 124. 98.4. 高1年. 193. 36. 81.4. 191. 8. 95.8. 384. 44. 88.5. 〃2 年. 98. 6. 93.9. 90. 2. 97.8. 188. 8. 95.7. 〃3 年. 100. 12. 88.0. 83. 6. 92.8. 183. 18. 90.2. 〃4 年. 70. 1. 98.6. 68. 2. 97.1. 138. 3. 97.8. 計. 461. 55. 88.1. 432. 18. 95.8. 893. 73. 91.8. 8. 112. 受診率. —8—.

(15) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表 3-a 性. 男. 女. 理由 入院中 病 気 なまけ 非 行 家 事 不 明 計 入院中 病 気 なまけ 非 行 家 事 不 明 計. 不受診理由(中学生) 北部連合 中1 中2 中3 1 1 4 4 6 1 9 2 11 4 4 4 5 15 31 1 7 1 2 6 2 4 1 1 1 1 1 1 1 16 6 8. 表3-b 性. 男. 計. 中部連合 中2 中3 1 4 2 2 26 43 1 7 2 7 9 37 67 2 2 3 4 2 1 1 2. 中1. 2 14 10 13 4 8 51 1 10 12 1 3 3 30. 3 1. 2 6 3. 1 4. 8. 9. 計. 総 計 中2 中3 2 5 6 8 26 52 3 18 4 2 11 13 52 98 2 2 4 6 4 5 2 1 3 1 1 14 17. 中1. 5 7 70 8 2 18 110 4 10 3 1 3 0 21. 7 2. 2 11 1 10 6 2 1 20. 7 21 80 21 6 26 161 5 20 15 2 6 3 51. 不受診理由(高校生) 全日制. 理由. 高1. 高2. 定時制. 高3. 計. 高1. 高2. 高3. 高4. 計. 病 気. 3. 4. 3. 10. 1. 0. 長 欠. 3. 6. 2. 11. 8. 1. 9. 休 学. 2. 5. 4. 11. 1. 1. 不 明. 5. 12. 33. 50. 27. 5. 11. 1. 44. 計. 13. 27. 42. 82. 36. 6. 12. 1. 55. 2. 病 気 女. 計. 0. 長 欠. 1. 1. 2. 休 学. 3. 2. 5. 1. 不 明. 4. 1. 30. 35. 7. 2. 6. 2. 17. 計. 8. 4. 30. 42. 8. 2. 6. 2. 18. 菌. 備考. 表4. 0 1. 患者の実態. 市町村 学年. 性. 新既. 病型. 国 頭 〃 屋我地 恩 納 読 谷 〃 〃 具志川 〃. 女 男 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃. 新 既 〃 新 〃 〃 既 新 既. TM1R. 中1 〃3 〃1 〃2 〃1 〃3 〃3 〃1 〃2. 菌. 備考 軽退 〃. TM1R B 2R I L3. + + - ++++. s.c. 市町村 学年. 性. 宜野座 伊是名 辺土名 名 護 本 部 読 谷 前 原. 女 〃 男 女 〃 〃 〃. 中3 小5 高1 〃2 〃1 〃1 〃2. 新既 病型 既 〃 新 既 〃 〃 〃. TM2 TM 2R TM 1R TM2 B1. - - - + -. 軽退 治療中 軽退 s.c s.c 軽退. s.c. 9. —9—. 113.

(16) 表5. 性別 学年別患者発見率 男. 学校区 中 学 北 部 連 合 中 学 中 部 連 合. 中 学 生. 全 日 制 高 校. 定 時 制 高 校. 学年. 被験者. 中1年. 1,870. 2年. 1,818. 3年. 1,927. 1. 5,615. 0. 中1年. 1,829. 2. 2年. 1,911. 1. 3年. 1,814. 1. 計 人口万対. 5,554. 中1年. 3,699. 2. 2年. 3,729. 3年. 3,741 11,169. 高1年. 1,547. 2年 3年 計 人口万対. 1,853. 1. 1,876. 2 (3.6). 5,520. 1. 被験者 3,723. 1. 1 1 1 (1.8) (1.8). 3,803 11,135. 2 1 3 (0.9) (2.7) (2). (1). 1,771. 3,682. (1). (1). (1). 1,797. 3,611. (1). (1). 5,322. (0). (1). 3,607. 1. 1. (1). 3,562. 1. (2). 3,673. 4 (4) (3.6) (3.6) 1. 10,842. (0). 1 1 1 (0.9) (0.9). 10,876 7,306. 3. 1. 7,291. 1. 1. 7,414. 1. 3. 22,011. (2). 3,584. 1,516. 1,757. (1). 3,273. 1,245. 1,524 (0). 5,318. (4) (2) (3.7) (1.8). 5 5 (2.3) (2.3) (1). 2,769 (0). (3) (5.8). 9,626. (1) (3) (1.0) (3.1). 157. 183. 2年. 92. 88. 3年. 88. 77. 165. 4年. 69. 66. 135. 0. 820. 0. 406. 0. 0. 414. —10—. (2) (1). 高1年. 計 人口万対. 1. 3,583. 4 (2) (7.2) (3.6). 1 (2.3). 患者 既知. 3,609. 2,037. 4,308. 新. 1,754. 10. 114. 計. 患者 新 既知. 1,791. 計 人口万対. 計 人口万対. 女. 患者 被験者 (新) (既知). 340 1. 0. 1 (24.1). 180. 1. 1 (12.2).

(17) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表6. 市町村別、性別患者発見率 中学北部連合. 中学北部連合 市町村. 男. 女. 市町村. 計. 被験者 (患者) 被験者 (患者) 被験者 (患者). 男. 女. 計. 被験者 (患者) 被験者 (患者) 被験者 (患者). 国 頭. 489 (既 1). 442 (新 1). 931 ( 2 ). 恩 納. 397 (新 1). 372. 大宜味. 278. 276. 554. 石 川. 731. 681. 1,412. 東. 151. 149. 300. 与那城. 255. 313. 568. 羽 地. 409. 438. 847. 勝 連. 1,021. 942. 1,963. 屋我地. 142 (既 1). 129. 今帰仁. 641. 573. 上本部. 251. 222. 271 ( 1 ). 具志川. 1,603. 1,214. 読 谷. 950. 473. 嘉手納. 597. 本 部. 746. 739. 1,485. 屋 部. 218. 195. 413. 名 護. 793. 802. 1,595. 久 志. 249. 273. 522. 宜野座. 181. 174 (既 1). 355 ( 1 ). 金 武. 348. 359. 707. 伊 江. 365. 350. 715. 伊平屋. 145. 164. 309. 伊是名. 209. 計. 5,615. 235 新 0 既 2. 5,520. 計. 5,554. 1 1 2 1. 新 4 既 2. 1,520. 3,123 ( 2 ). 899. 1,849 ( 3 ). 595. 1,192. 5,322. 10,876. 11,135. 新 1 既 3. 定 時 制 高 校. 317 (新 1). 505. 822 ( 1 ) 北部農林. 89. 北山. 283. 554. 837. 名護. 67. 北部農林. 442. 253. 695. 石川. 89. 95. 184. 本部. 93. 191 ( 1 ). 前原. 33. 109. 142. 名護. 750. 885. 1,635. 読谷. 44. 40. 84. 宜野座. 287. 495. 782. 中部農林. 84. 21. 105. 石川. 468. 599. 1,067. 前原. 582. 1,014 (既 1). 1,596 ( 1 ). 読谷. 416. 678 (既 1). 1,094 ( 1 ). 中部農林. 670. 237. 計. 4,308 (新 1). 新 4 既 2. 444 新 1 既 1. 全 日 制 高 校 辺土名. 新 既 新 既. 769 ( 1 ). 98 (既 1). 5,318 (既 3). 計. 406 ( 0 ). 30 119 (既 1). 414 (既 1). 119 186 ( 1 ). 820 (既 1). 907 9,626. 新 1 既 3. 11. —11—. 115.

(18) Ⅳ. 第2回沖縄らい検診の報告会. 1968 年 3 月 12 日午後 2 時より琉球政府厚生局々長室において、沖縄本島の 中部以北にある中学および高校の学童生徒を対象にして行なわれた第2回皮膚 検診成果の報告会が行われた。. 参会者:琉球側. -. 中山医務部長、安富病院課長、泰川予防課長、玉城総務 課長、田端那覇病院長、伊波石川保健所長、原コザ保健 所長、世嘉良名護保健所長、渡久地係長、宮城係員、川 満係長. 日本側 -. ◦. 難波検診班長、前田解析班長、寺田事務官、小林事務官. 局長および公衆衛生部長が出張不在の報告があったのち、安富課長より挨拶 があり、難波班長より検診概略の説明があった。. ◦. 次いで前田班長より検診成績について説明とその考察が述べられた。その要 点は次のごとくであった。 1) 受診率は宮古、八重山検診の場合より低率であった。 2) 解析を行うにあたり、欠席者が多いので、欠席理由を明確にするため伊 江島を除く離島以外の地域の中学、および一部の高校を7日間をついや して訪問し、出来るだけ受診率を高める努力を試みた。その理由は欠席 者中にらい患者が混在することを防止するためである。 3) 今回の検診の最終が3月上旬となったことは、特に高校生の場合進学或 は就職のため不在となり易いので適当ではないことを知った。 4) 中学生の不受診理由に怠慢・非行による常欠席者が特に中部地域に多く みられたことは、今後中南部地域の検診時に注意すべき点と考える。 5) 高校生の中には先生から皮ふ検診の重要性を説明されて受診するもの が多かったことは現在の教育の姿を反映していた。また一部の中学生に 12. 116. —12—.

(19) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). はかねて罹病している皮ふ病の病名を知らず、らいと言われる恐怖心か ら逃亡していたものもみられた。この点は沖縄の子供達にはらいに関す る PR が結核と同様に必要であることを示していよう。 6) 今回の検診成果をさきに報告した成績と比較して検討するとき、沖縄本 島のらいは人口密度に比例して北部より中南部、特に那覇の辺に集中し てきていることが推察される。 ◦. 引き続き 1967 年 5 月現在で調査された沖縄のらいの実態について前田班長 より説明が行われた。さらにその後調査された軽退者の実態についても追加 説明があった。すなわち、調査成績に述べられた対象は療養所に収容中の患 者と未収容患者(逃亡患者、外来登録のものおよび軽退患者)であった。 1) 沖縄のらい患者数は 2000~2500 と推定される。但し未収容患者の観察 期間によってやや患者数に変動があると考えられる。 2) 前田班長は次の4点を要望した。 a) 菌陽性の患者は原則として収容することがらい撲滅の上に重要であ る。 b) 早急に収容患者の退所基準を作成し、実行すべきである(本土より も在園期間が短い) c) 外来施設への通院患者および軽快退所者を要観察者として管理下に おいた場合に、らいの再燃を考慮に入れて病型別に観察期間の基準 を作るべきである。 d) 本土には存在しない外来施設は有効に活動させる必要があるが、そ の業務範囲を確立すべきである。. ◦. 最後に今回の検診で発見された患者の名簿を保健所長に示し、その治療につ いては各所長に一任した。. ◦. 次に質問に入ったが、次の点がその中心話題であった。 1) 本土におけるらい患者の退所基準とその方法および軽快退所者の視察 の仕方について難波班長より説明があった。難波班長はこれらの判定を 1人の意思で行うことの非を説き、多数方式で判定することの重要性を 例をあげて強調した。. 13. —13—. 117.

(20) 2) 患者管理を行うには、至急指定医を地域別におくことが強調され、また 少くとも宮古、八重山、那覇の3カ所にはらい担当官をおくことが要望 された。この点については現在予算要求中であると説明があった。 3) 外来施設に菌陽性者がかなり通院している点について意見を求められ たが、難波、前田両部長は公衆衛生上菌が陰性となるまでは病型の如何 をとわず収容すべきであることを要望した。 4) 現在琉球政府には前回の検診以後、らい対策審議会が設置されているこ とが報告された。しかし、その後運営がうまく進んでいないため、らい 専門医の活動が充分に延ばされていないことが察知された。われわれは 早急にこれらの諸点が解明されて、運航が行われることを願った次第で ある。 ◦. 次に 43 年度のらい検診について寺田事務官より案が示され、説明があった。 1) 実施地域、方法、期間については異議はなかったが、担当者は従来通り 医務部ということに落着した。 2) 管理検診の方法についても異論はなく、出来るだけ有効に行いうるよう 方法をとるとのことであった。 附1. 3 月 13 日午前安富課長と共に米軍フェヤー・チャイルド博士に 面会し、検診の結果を報告した。. 附2. 43 年度以降琉球政府側で実施する検診成果の集計方法および注 意すべき諸点について前田班長は 14 日午前をついやした。. 14. 118. —14—.

(21) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). Ⅴ. 検診班の報告から. 1.. 検診第1班. 横田篤三. 〃. 原田禹雄. 私たちは第1班として 7,347 名の高校生と中学生とを対象として、その約 99% の 7,277 名の皮ふ検診をおこなった。そして、その中から2名のらい患者を発 見した。いづれも類結核型で1名は高校生、1名は女子中学生であった。 この成績は前回、先島において行われた検診のそれと比べると、遙かに低い有 病率であった。 私達の検診にさきだち、各種協議会がおこなわれ、その目的が各学校に周知徹 底されていた。そのため、検診は終始円滑におこなわれた。 この種の検診は、特に女子生徒の羞恥心のために、かなりの抵抗があるかに懸 念されていたが、学校長はじめ各教員の積極的な協力によって、おおむね順調に すすめることができた。駐在公家衛生看護婦の援助も、見逃すことはできない。 今回の皮ふ検診で、膿痂疹とその後遺症たる瘢痕、及び各種白癬症がかなり高 率にみとめられた。また男女とも、中、高校生ともに、故意に爪を伸ばしている ものが多かった(爪をのばす流行が生徒間にあるようである)。皮ふを清潔に保 つこと、皮疹ができた場合はそれを大きくしないための注意など、今後の皮ふ科 学的な学校衛生教育の推進が望まれる。 琉球政府厚生局・沖縄愛楽園・名護保健所・北部連合区教育委員会の各位が、 私たちに熱心な協力をよせられたことに、心からお礼を申しあげたい。また沖縄 滞在中、親身になってお世話をして下さった南方連絡事務所の係官の感謝する。. 15. —15—. 119.

(22) 2.. 検診第2班 〃. 石原重徳 熊丸. 茂. (1) 先島における 42 年 4~6 月の検診成績と比較して幾分低いがほぼ近い受診. 率であった(98.0%)。 (2) ハンセン氏病. 既登録の治療中のもの 1、軽退者 1、T 型 1名の他、し. ばらく経過を見る事の望ましい者 1、精査を要する者 1で、要入所者は 1名もいなかった点は今春の八重山、宮古で 25 名の発見・要入所6名の成 績と比較して、沖縄本島北部のらいは当初に想像した程は多くないであろ う。(第1班は T 型 2例を発見) (3) 検診に当って各学校は非常な熱意をもって協力してくれた。殊に最近に患. 者の出た学校では全員受診をした所も少くない。 しかし周辺に基地のある如き学校では受診者の態度や、行動には可成り問 題のあることがうかがわれた。これは検診が北部から中部にさらに南部や 那覇市内にと及ぶに従って全員検診は困難になるであろう。 (4) 検診の事前から準備された事は有難いことと思ったが一面らいの検診とし. て生徒たちが理解することは疑問のある者や要精検者の取扱方によっては 彼等の心情を著しく傷つけることが心配された。これに対する ― 精検の やり方 ― 対策も考えておく必要がある。 (5) スキン・クリニックが今度正式に政府の手で行なわれることになったが、. これは非常に喜ばしいことと思う。菌陰性の患者たちには大変幸な事であ り、フォロー・アップのためによい方法であらう。 (6) 患者登録カードの作成を急がれ、管理方式を樹立する必要がある。現在、. 愛知、三重でやりはじめたカード等を送付する事を約束した。 (7) 患者ならびに家族の都市集中が行なわれているのではないかと思はれるの. で管理方式を考える必要がある。 (8) 先島、宮良部落の住民健診で T 型4名の新患を発見した事などからして、. 濃厚地区についての住民検診が必要ではないか。. 16. 120. —16—.

(23) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). Ⅵ. 視察顧問班の報告について. 1. 視察顧問第一班報告(昭和 43 年 2 月 24 日) 長 島 愛 生 園 長. 高島 重孝. 邑 久 光 明 園 長. 守屋 睦夫. 結核予防課らい係長. 時田日出男. 琉球におけるらいは、若年層に多発し、その罹患率が本土に比較して、高率 であることから、その予防事業の困難性が指摘される①。 今回 1 月 25 日より、1週間その現況を視察することが出来て、その見通し は必ずしも暗黒ではないと確信し得たことは、感謝に堪えない所である。ただ し現在までの努力を継続すればという条件の下に於てである。 以下私見を報告する。 問題点の1. 若年層に於ける癩多発に就て。. 癩病勢の強い国或は地方に於ては、発病年令が若く、よって患者年齢曲線が 左傾することは疫学上の定説である。 現在学童検診によって、その感染源の調査が実施されて居るが②、罹患者の約 半数は家庭内伝染と推定される。入浴の困難性から、身体の不潔が問題とされ るであろう。このさい沖縄本島は無論のこと先島に於てさえ、インド農村の児 童とは、同一には論じられない。後者は餓死寸前の低栄養に加えて、裸足、裸 体、床のない生活である。児童保護の諸手段の活用によれば、沖縄のらい予防 及び管理の前途は明るい。 問題点の2 沖縄のらい病型に就いて 一般に軽症が多い。頭髪、眉毛の脱落少く、瘢盲また少し。Once a leper, always a leaper の俗説を信仰すれば、沖縄の癩は絶望的であり、Life-long segregation を要する人は 2,000 名を超えるであろう。早期発見、早期全治を 信ずれば結論は全く別のものとなるであろう。 17. —17—. 121.

(24) 問題点の3. らい患者数に就いて. 沖縄の癩報告、第1回(難波、滝沢)に比較して、第2回(横田、上妻)に 於て、罹患者は増加して居るとの解析(前田)がなされて居るが、誤差論の見 地から再検討をなすまでもなく、5ヶ年間の罹患率は大差はないと考えられる。 第1回、第2回共に精確であり、その間に大差なく、罹患率は学童に於て高く、 減少の傾向は認められないということは出来る。 このことは、沖縄のらいは、Epidemic の流行から Endemic の蔓延病と化し て居ることを物語るから、対策も長期に、腰をすえてかかる必要性がある。 又2ヶ所の療養所入所者に就いては、全治者の実態把握が必要であろう。日 本内地の如き Life long Segregation はとるべきではない。現在患者自治会役員 は穏健であるだけ、管理者の配慮がのぞまれる。. 琉球らい対策に対する私見. その1. Skin clinic の重要性について. 現在 Naha 市に Skin clinic が活動中である。ここには専任医官をおき、その 機能を充実すべきである。ここに於て、癩の治療、即ち DDS 投薬並に簡単な 外科処置(例へば plantar Ulcer の処置)等が可能となるならば、愛楽及南静 両園より各 100 名位の入園者の社会復帰は容易となるであろう。 その2. 後保護指導所の拡充強化. この施設③が成功裡に運営されていることは、敬服にあたえする。ますます強 化すべきであろう。. その3. 学童検診について. この事業の立案者の事前協議並びに計画そのものは洵に見事である。又協同 者の努力に就いて敬意を表する。この事前協議は、今後も継続を希望する。理 由は前述の如く、沖縄のらいは、すでに Endemic のものであるによる。 18. 122. —18—.

(25) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). その4. 児童保護の重要性について. らいは熱帯病であり、かつ Rural disease と定義されて居る。よって学童の 保護が必要であり、学校給食による栄養の向上、並びに小中学校に水と石鹸の 普及を計ること等が考えられる。 Jeanselme は仏国のらい予防は、水と石鹸の普及にあったとの名言を残した。 皮ふの清潔こそ、皮ふを守る近道であろう。水道とシャワー設備の完備はのぞ ましい。 その5. BCG 接種の方法論. これは事前協議の緊急な課題であろう。あくまで政府内協定に基き、精密な 立案と正確な実施とが、信頼すべき結果をもたらすから、いやしくも素人の特 志等. 手にまかすべきではない。. その6. 先島における保健婦の活動. 石垣島の保健所の活動には敬意を表するものである。家庭内伝染源の探求に は、これら諸氏の活動を期待したい。. 結. 論 沖縄住人の Vitality と、その日常生活を見て、らいの不治という偏見、. その他の偏見を克服出来るとするならば、見通しは明るい。従来までの協力体 勢に敬意を表し今後その継続を希ふものである。多くの人々の努力の積重ねが、 重要であることは、癩予防事業には即席手段がないからである。 参 考. 資. 料. ① 小野寺、辻林:沖縄における癩調査等事前協議報告書 ② 公衆衛生局結核予防課:沖縄における癩調査報告 ③ 沖縄らい予防協会:後保護指導所概要. 42. 2. 20. 42. 6. 10. 42. 4. 19. —19—. 123.

(26) 2. 視察顧問第二班報告 顧問団員としての視察報告. 国立駿河療養所長. 稲葉. 俊雄. 岩手医科大学教授. 伊崎. 正勝. 私達は、 昭和 43 年 2 月 18 日より 27 日までの間沖縄方面へ出張を命ぜられ、 主として沖縄本島、宮古島の一般住民の生活環境、衛生状態ならびにその中に あってのらい健康調査のための検詮班の活動状況、現地におけるらい担当医師 はじめ関係職員の活動状況、意見を詳しく見聞視察する機会に接した。 その結果得られた所見の一端を記すと次の通りである。 §. 今回の検診地域は沖縄本島の中央地区で、私達は検診班員荒川医務課長 (松丘)および松本女医(大島青松園)の両氏に具志川中学校で面談した が、初期皮疹ことに未定型や類結核型の斑紋と白癬との鑑別を要する例の 多いこと、皮疹の明かなるものなく大耳介神経のみ触知可能また時には可 視的の症例あることを知った。後者は私の経験から見てもらい疫学上注意 すべき症状と考えられるのでその旨検診医に話しておいた。. §. 宮古南静園にて新堀園長の説明を受け患者を診せての意見を聞いたが、 TMq と診定されたもののうちかなりの数に活動性皮疹の発現を数ヶ月後 に呈してくる症例があり、TMq の診定は、流行地においては本土における よりも慎重に行うべき必要性を認めたことにその診定にもとずいて、その 後の経過観察期間をおかずして直ちに患者の診療区分を決定し推量をとる ことには考慮の余地あるものと考える。 この点は同行の伊崎教授も同感であるので、帰国前那覇市にて検診班長 難波政士博士に、また今回の検診医両氏にも意見伝達の機会を持った。. §. 那覇市スキン・クリニックにて湊博士の実際の診療患者を診たが初期の 類結核型軽症で、早期治療の実際例に含まれる患者と認めらい予防上の早 期診断、早期治療の点からも、また施設治療の長期化による施設病発生予 防の点からも、適切な処置と考えられた。. §. その際偶然にある保健所の看護課長(公看)が湊博士に訴えている意見 を聞く機会を得たが、今回の検診業務担当者としての公看を、もっと検診 20. 124. —20—.

(27) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 業務の中心にいれてハ氏病に関する関心をより多く持たせるようにすべき であると思われた。公看の側には充分にその意慾があるし、秘密の遵守の 点からも結核検診などで何等心配なきことが立証されていることであるか ら、一層その活用が望まれる。 この点は、本土においても保健所は昭和 28 年以後除外されているようだ が、実際には保健婦がより協力している現況であるし、沖縄のらいはなお 未だ流行期にあると認められるから、尚保健所の活動(人材・資材ともに) を強化する必要があると思われる。. 21. —21—. 125.

(28) Ⅶ. 昭和 43 年度沖縄らい検診等援助計画案の概略. 1. 学校皮ふ科検診援助について 第1次計画の宮古、八重山地域、第2次計画の本島北部及び中部の一部 地域のらい検診援助に引続き第3次計画として、昭和 43 年度下記の通りの 援助を実施する予定である。 1) 検診対象 本島中部の残り、那覇市郊外及び久米島の中学、高校生約 30,000 人 を対象とする。 2) 検診時期 昭和 43 年9月下旬より 12 月下旬までの3ヶ月間にわたり、検診実日 数は約 60 日間とする。 3) 派遣人員及び派遣時期 各班3人のらい専門医師よりなる検診班を3班編成し1ヶ月交代で 派遣する。さらに、検診結果等についての解析助言を行う疫学者等2人 よりなる解析助言班を2週間派遣する。その他検診援助の連絡調整に必 要な要因の派遣をおこなう。 本土派遣検診班等の構成. 検診第1班 国療医師2人 大学医師1人 〃 第2班 〃 〃. 検診班長(1人 検診第3班長兼務). 〃 第3班 〃 〃 (各班に班長1人おく) 合計9人 (国立らい療養所医師6人 大学医師3人) 解析助言班長 (1人疫学者)、班員1人. 4) 検診結果の解析及び報告書の作成. 22. 126. —22—.

(29) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 第1次、第2次計画については解析整理班を派遣し、報告書を作成し たが、昭和 43 年度計画にあたっては解析等の助言指導を行うにとどめ、 集計、解析、報告書の作成は沖縄側でおこなう。. 2. 在宅患者検診等の援助について 学校皮ふ科検診の終了した地域及び必要な地域において、感染源対策と しての患者家族等健康調査、患者登録管理指導、らいについての正しい知 識の普及等の強化充実をはかる在宅患者検診等の援助を昭和 43 年度より 実施する予定である。 1) 患者家族健康調査計画について 昭和 44 年2月下旬より3月下旬まで宮古、八重山地域において、学 校検診にて発見された患者の家族等を対象に健康調査を実施するとと もに、既に発見された学童生徒の患者について必要に応じてその後の病 状把握をおこなう。 2) 患者登録管理指導計画について らい在宅患者検診等を円滑に推進し感染源対策の強化、らい患者の適 正医療の普及等をはかるため、らい患者の登録管理指導をおこなう。 登録管理指導の主な項目 (1) 登録対象者の範囲、継続期間について (2) 登録管理に必要な情報入手方法について (3) 登録管理票の様式及びその保管方法について (4) 登録に必要なその他のカード、帳簿等について (5) 登録患者の管理検診の実施について (6) 患者家族検診の実施及び連絡方法について (7) 登録管理の場所及び管理担当者について (8) 管理担当者及び関係者の教育訓練について (9) 秘密保持の確保について. 3) らいについての衛生教育活動計画について らいについての正しい知見をもつことはらい予防をはかる上からも 極めて重要なことであるにかんがみ、地域らい予防対策の一助として地 23. —23—. 127.

(30) 域住民及び児童生徒を対象にらいについての衛生教育活動の強化をは かる。 らい在宅患者検診等の援助に必要な派遣班の構成について 患者家族健康調査班. (派遣期間) 昭和44年 2月下旬~3月下旬 1ヶ月間 (派遣要員) らい専門医師 4人. 登録管理指導班. (派遣期間) 昭和44年 3月上旬~3月中旬 2週間 (派遣要員) らい専門医師等 2人. 衛生教育班. 第1班 (派遣期間) 昭和43年 9月上旬~9月中旬 2週間 (派遣要員) 医師等若干名 第2班 (派遣期間) 昭和44年 3月上旬~3月中旬 2週間 (派遣要員) 医師等若干名. 24. 128. —24—.

(31) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 43年 4月. 25/Ⅳ. 5月. 7月. 8月. 衛 生 教 育. 9月 24/Ⅹ(木). 10月. 検 (国療) 診 第 (国療) 一 班 (大学). (. 9/Ⅹ(水). (国療) 検 診 第 (国療) ニ 班 (大学). 22/Ⅹ(火). 25/Ⅸ(水). 解 析 助 言 班. (検診班長. 検 (国療) 診 第 (国療) 三 班 (大学). 19/Ⅺ(火). 21/Ⅺ(木). 11月. ). 19/Ⅻ(木). 12月. 44年 1月. 昭和43年度沖縄らい対策援助計画 (案) 主なる派遣計画 6月. 沖縄らい打合せ会(京都). 4/Ⅵ 18/Ⅵ. 連 25/Ⅸ(木) 絡 調 査. 2月. 八 重 山 班. 宮 古 班. 25/Ⅱ(火). 在 宅患 患者 者家 検族 診健 班康 調 査. 登指 録導 管 理. 衛 生 教 育. 3月. 20/Ⅲ(木). 129. —25—. 第 三 次 計 画 案. 総 合 計 画 班. 25. ).

(32) Ⅷ. 今後の沖縄らい対策の諸問題. 1. 疫学的にみた沖縄のらい(続報) ―. 軽快退所者の実態とその管理 ― 国立多摩研究所 前. 田. 道. 明. 1. まえがき 1967 年 5 月 31 日現在で判明しうる収容患者および未収容患者の実態を 調査し、その成績はさきに沖縄におけるらい調査報告書に述べた通りであ る。しかしこの報告書の中で取り扱った未収容患者は現在沖縄にある数カ 所の外来施設を訪れる患者と療養所からの逃亡患者とを対象としたのみで あった。一方らいと言う慢性疾患を考える場合に、療養所からの軽快退所 者(以下軽退者と略称する)については或る期間の観察管理を行うべきで あることは論をまたないことである。そこで軽症患者の多い沖縄において らいの管理を行う場合の参考資料となると考え、愛楽園および南静園にお ける最近 7 年間の軽快退所者について調査を行い、併せて全未収容者のら い管理について検討を加えた。 2. 調査成績 1). 調査した 1961 年 1 月以降 1967 年 5 月末日までの軽退者は表1に示 す通り、男 235 名、女 115 名、計 350 名であり、男:女はほぼ2:1 であった。. 26. 130. —26—.

(33) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表1. 収容施設別. 性別軽退者. 性. 愛楽園. 南静園. 計. 外来受診者. 男. 164. 71. 235. 16 ( 6.8% ). 女. 88. 27. 115. 12 (10.4〃). 計. 252. 98. 350. 28 ( 8.0〃). 特に注目すべきことは、これら軽退者のうち現在外来施設で観察中のも の(外来受診者)は 28 名(8.0%)にすぎなかったことである。 2). 軽退者の退所年をしらべると、表2に示す通り、1962 年より 1964 年にかけて他の暦年よりも多かったが、年間平均数は 54.5 名(男 36.6 名、女 17.9 名)であった。. 表2 退所暦年別・性別軽退者 暦年. 男. 女. 計. 1961 年. 19. 9. 28. 1962 〃. 47. 20. 67. 1963 〃. 42. 23. 1964 〃. 53. 1965 〃. 外来受診者. 愛楽園. 南静園. 17. 11. 2 ( 3.0 % ). 41. 26. 65. 2 ( 3.1 〃). 48. 17. 25. 78. 6 ( 7.7 〃). 58. 20. 28. 18. 46. 4 ( 8.7 〃). 36. 10. 1966 〃. 30. 13. 43. 10 (23.3 〃). 31. 12. 1967 〃. 16. 7. 23. 4 (17.4 〃). 21. 2. 計. 235. 115. 350. 28 ( 8.0 〃). 252. 98. また現在外来施設に受診中のものは 1966 年以後に退所したものが 28 名中 14 名(50%)、1964 年以後に退所したものが 24 名(85.7%)に達 していた。従って退所後1年半以内のものでは 66 名の軽退者中 14 名 (21.2%)が、また退所後3年半以内のものでは軽退者 190 名中 24 名 (12.6%)が外来施設を訪れているものであった。 27. —27—. 131.

(34) 3) 軽退者の病型をみると表3に示す如く、L 型は 206 名(58.9%)、TM 型は 76 名(21.7%)、TN 型は 67 名(19.1%)、B または I 型は1名 (0.3%)であった。すなわち、L 型は収容患者の病型比にほぼ匹敵す るが、TM および TN 型は全患者(収容および未収容患者)の病型比に ほぼ近いものであった。 表3. 病型別・性別軽退者. 性. L型. TM 型. TN 型. B・I 型. 計. 男. 135. 49. 50. 1. 235 名. 女. 71. 27. 17. 0. 115 〃. 計. 206. 76. 67. 1. 350 〃. (%). (58.9). (21.7). (21.7). (0.3). (100.0). 外来受診者. 21. 4. 3. 0. 28. (%). (10.2). (5.3). (4.5). (8.0). また現在外来施設で観察中のものは T 型に比し L 型に高いのは當然 であるが、L 型でも軽退者 206 名中 21 名(10.2%)にすぎなかった。 4). 年令階級別に軽退者をしらべると、表4に示す通りであった。その年 令分布は収容患者と未収容患者との中間の様相を示していると言いえ よう。. 28. 132. —28—.

(35) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表4 年 令. 年令階級別軽退者および全患者 男. 0~才. 計. 1. 1. 外来受診者. 収容者. 未収容者. 2. 28. 10~. 25. 10. 35. 3. 56. 148. 20~. 33. 23. 56. 4. 102. 181. 30~. 77. 40. 117. 10. 198. 132. 40~. 43. 13. 56. 3. 297. 65. 50~. 26. 9. 35. 2. 245. 45. 60~. 19. 5. 24. 1. 109. 34. 70~. 5. 11. 16. 4. 48. 25. 80~. 6. 1. 7. 1. 15. 5. 1. 2. 3. 17. 20. 1,089. 683. 不 明 計. 5). 女. 235. 115. 350. 28. 軽退者の在園期間を病型別にみると、表5に示す通りである。在園2年 未満のものは L 型 8.2%、TM 型 19.2%、TN 型 7.1%であり、4年未満のも のは L 型 29.1%、TM 型 49.3%、TN 型 27.1%であり、在園6年未満のもの は L 型 50.9%、TM 型 67.1%、TN 型 41.4%であった。すなわち軽退者の約 半数が占める在園期間は、L 型では6年未満、TM 型では4年未満、TN 型で は8年未満であった。. 29. —29—. 133.

(36) 表5. 軽退者の性・病型別在園期間 L型. 期 間. TN 型. TM 型. (年). 男. 女. 計. 男. 女. 計. 男. 女. 計. 0~. 4. 4. 8. 7. 1. 8. 1. 2. 3. 1~. 7. 2. 9. 5. 1. 6. 1. 1. 2. 2~. 13. 5. 18. 7. 2. 9. 7. 2. 9. 3~. 12. 13. 25. 9. 4. 13. 4. 1. 5. 4~. 19. 7. 26. 3. 3. 6. 8. 8. 5~. 12. 7. 19. 5. 2. 7. 2. 2. 6~. 6. 6. 12. 3. 3. 1. 1. 7~. 15. 3. 18. 1. 1. 3. 3. 8~. 3. 2. 5. 1. 1. 3. 1. 4. 9~. 2. 2. 4. 1. 1. 2. 2. 1. 3. 10~. 36. 12. 48. 6. 8. 14. 15. 9. 24. 20~. 6. 8. 14. 1. 2. 3. 4. 2. 6. 計. 135. 71. 206. 48. 25. 73. 51. 19. 70. 考. 察. 1966 年8月らい研究協議会は最近7年間に日本本土の療養所を軽快退所し た患者の実態について調査を行ったが、私はその成績と上述の沖縄における軽 退者の実態との比較を行い、沖縄のらい管理について考察を加えてみたいと考 える。 沖縄では軽退者のうち現在外来施設で観察中のものは 8.0%にすぎなかった が、本土の場合には軽退者 859 名のうち観察可能なものは、表6に示す如く 588 名(68.5%)であった。本土の場合に病型別にこれを較べると、L 型では 64.8%、TM 型では 47.8%、TN 型では 35.6%であって、病状の重い L 型患者に 観察可能者が多かったことは、極めてらい再燃防止上幸なことであった。これ に対し、沖縄では現在外来施設に登録されているものは、表3に示される如く、 L 型では 10.2%、T M 型では 5.3%、T N 型では 4.5%であった。本土の場 30. 134. —30—.

(37) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 表6. 本土の軽退者中観察可能なものの出現率. 病 型. L型. TM 型. TN 型. B・I 型. 計. 軽 退 者. 386. 316. 146. 11. 859. 観察可能. 250. 151. 52. 11. 588. (%). (64.8). (47.8). (35.6). (100.0). (68.5). 合に観察可能と言われるものは、療養所へ受診にくるもの以外に訪問・通信な どによって医師の指導をうけているものも加わっているので、沖縄の場合との 直接の比較は無理である。しかし沖縄では観察中のものが極めて低率であり、 私は沖縄の軽退者についても退所後一定期間の観察管理は是非必要であると 考える。 次に、軽退者の病型比をみると、本土の場合には表6にみられる如く、L 型 44.9%、TM 型 36.8%、TN 型 17.0%、B・I 型 1.3%であったが、沖縄の場合には L 型が全軽退者の 58.9%と言う過半数を占めており、沖縄では本土の場合より L 型患者の軽退者の多いことが窺われた。. 31. —31—. 135.

(38) 表7. 本土の軽退者の病型別在園期間 L型. 期 間 (年). 男. 女. 0~. 8. 2. 1~. 9. 2~. TN 型. TM 型 計. 男. 女. 10. 9. 2. 6. 15. 22. 15. 3. 18. 3~. 28. 12. 4~. 28. 5~. 計. 男. 女. 計. 11. 6. 5. 11. 17. 39. 14. 4. 18. 21. 11. 32. 12. 4. 16. 40. 34. 14. 48. 14. 2. 16. 15. 43. 14. 10. 24. 6. 4. 10. 22. 4. 26. 15. 9. 24. 4. 5. 9. 6~. 15. 14. 29. 9. 5. 14. 6. 3. 9. 7~. 27. 6. 33. 15. 9. 24. 7. 4. 11. 8~. 17. 4. 21. 7. 7. 14. 4. 9~. 8. 4. 12. 5. 3. 8. 4. 1. 5. 10~. 91. 31. 122. 34. 28. 62. 26. 8. 34. 20~. 12. 5. 17. 10. 6. 16. 3. 計. 280. 106. 386. 195. 121. 316. 106. 4. 3 40. 146. さて、軽退者について特に注目すべきことは、その治療状況を推定しうる在 園期間であろう。本土の軽退者について在園期間を病型別に示すと、表7の如 くであった。在園2年未満のものは L 型 6.5%、TM 型 15.8%、TN 型 19.8%で あり、4年未満のものは L 型 21.5%、TM 型 41.1%、TN 型 41.7%であり、6年 未満のものは L 型 39.4%、TM 型 56.3%、TN 型 54.7%であった。すなわち軽退 者の約 50%が在園していた期間は L 型では8年未満、TM 型および TN 型では 6 年未満であった。これを沖縄の軽退者の在園期間(表5参照)と比較すると、 TM 型および TN 型患では本土の場合と大差はないが、L 型患者では本土の場合 より沖縄の軽退者の方が在園期間が短かかった。らいの再燃を考慮すると、沖 縄でもらいの軽快退所の基準について早急に検討決定すべきであると考える。 本土の軽退者における再燃率を退所時の病型別にしらべると、上述の如き在 園期間を示した患者のうち L 型では 386 名中 45 名(11.7%)、TM 型では 316 名中 15 名(4.7%)、TN 型では 146 名中4名(2.7%)であった。退所時 L 型 32. 136. —32—.

(39) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). であった患者よりの再燃者が T 型であった患者のそれよりも高率であったこ とはらいの性格より考えて當然であるが、T 型であったものからもかなりの再 燃者が認められたことは注目すべきことであった。さらに再燃者の年令階級別 出現率をしらべると、いずれの年齢層にも認められるが、特に 20 才代の 15.5% が最も高く、次いで 40 才代、30 才代のものであり、退所後の労働と関係のあ ることが窺われた。この点も軽退者に対して退所後の管理の重要性を示唆する ものである。 本土の軽退者中再燃は L 型患者では退所後6年以内に、T 型患者では退所後 4年以内に大多数が起っており、その平均年数は L 型患者では退所後3年、T 型患者では退所後2年であった。従って退所後4~7年経過したもののみにつ いて再燃者の出現率を求めると、447 名中 56 名(12.5%)に達し、男 14.5%の 方が女 8.4%より高率であった。また再燃者の出現率を療養所に収容されてい た在園期間別にしらべると、表8に示す通りであった。L 型患者では在園 20 年 未満のものに特に在園期間とは関係なくいずれの期間にもほぼ同率に認めら れたが、TM 型患者では在園期間の短いものに再燃者が多発する傾向が窺われ た。再燃者の最高在園期間は L 型では 19 年、TM 型では 12 年であったが、再 燃者の 67%は L 型では在園 10 年未満、TM 型では在園6年未満の経験を有す る者であった。なお退所後一定期間 DDS などの薬剤を服用したものからの再 燃者の出現率は、服用しなかったものからのそれよりも低率であった事実は、 軽退者に対し一定期間退所後にも服薬を実施させることが軽退者の管理上極 めて重要であることを示していよう。. 33. —33—. 137.

(40) 表8. 本土の軽退者の病型別、在所期間別再燃率 L型. 在園. TM 型. 期間(年). 軽退者. 再燃者(%). 軽退者. 再燃者(%). 0~. 25. 3 (12.0). 50. 3 (6.0). 2~. 58. 8 (13.8). 80. 5 (6.3). 4~. 69. 6 ( 8.7). 48. 2 (4.2). 6~. 62. 11 (17.8). 38. 2 (5.3). 8~. 33. 2 ( 6.1). 22. 1 (4.6). 10~. 42. 8 (19.1). 27. 1 (3.7). 12~. 45. 5 (11.1). 20. 1 (5.0). 15~. 35. 2 ( 5.7). 15. 20~. 17. 計. 386. 16 45 (11.7). 316. 15 (4.8). 私は沖縄の軽退者の実態を本土の場合のそれと比較検討し、さらに沖縄では 未だ調査されていない軽退者のらい再燃について本土における調査成績を述 べた。これらの成績かららい軽退者に対する管理については、次の3点を基本 方針におくべきであると考える。 1) らい退所基準は軽退者に起るらい再燃を考慮に入れて設定する必要が ある。 2) らい軽退者は退所後一定期間らい専門医師の観察指導を受けさせる必 要がある。その期間は L 型患者では退所後6年、T 型患者では退所後 4年が適當であると考えている。 3) らい軽退者はその病型に応じて退所後一定期間の服薬が必要である。 さて沖縄では本土と異りらい患者を観察指導しうる外来施設を有するが、こ の活躍はらい対策にとって極めて重要であり且つ期待される所である。しかし 一方らいの場合には外来施設の存在は本来ならば療養所に収容して治療すべ き排菌患者が未収容の状態を固執する原因になる危惧がある。そこで私はこれ 34. 138. —34—.

(41) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). らの点を知る一助として、現在沖縄で外来施設に登録されている患者について、 入所経験の有無とその在園期間とを調査してみた。 沖縄の未収容患者のうち療養所を逃亡したものを除いた患者 603 名につい て、療養所に入所したことのあるもの(入所経験者)を病型別にしらべると、 表9に示す通りであった。L 型では 54.5%、TM 型では 13.0%、TN 型では 8.3%、 B 或は I 型では 27.6%のものが入所経験者であり、それは全未収容患者 603 名 中 160 名(26.5%)を占めていた。特にらい菌陽性者が大多数を占める L 型患 者の約半数が入所未経験者であった事実は、らい治療および予防の面から考え て注意すべき問題であろう。また、これら入所経験者の在園期間をしらべてみ ると、L 型では在園4年未満、TM 型では在園3年未満のものが全体の約 50%. 表9 未収容患者中の入所経験者 L型. TM 型. TN 型. 男. 未収容. 113. 144. 28. 入所経験. 63. 19. 女. 未収容. 67. 入所経験. 計. B・I. 不明. 計. 41. 32. 358. 2. 13. 7. 104. 110. 20. 17. 31. 245. 35. 14. 2. 3. 2. 56. 未収容. 180. 254. 48. 58. 63. 603. 入所経験. 98. 33. 4. 16. 9. 160. (%). (54.5). (13.0). (8.3). (27.6). (14.3). (26.5). 病 型. 型. を占めており、本土の軽退者の在園期間に較べて短いものが多かった。この事 実は外来施設を當にして退所を急ぐ傾向のあることが窺われ、療養所における 完全治療の点から考えると余りかんばしくないことである。 これらの成績から、沖縄における現在の外来施設の活用法には検討の余地の あることが窺われ、外来施設で行うべき業務の明確化は沖縄におけるらい対策 実行の上で極めて重要な急務であると思われる。私は外来施設の業務として次 の3点を提案したい。 35. —35—. 139.

(42) 1) 外来施設はらい対策の地域センターたる性格を保有すべきである。 2) 外来施設は新患者の発見につとめる。発見患者はその病型の如何を問 わず一応らい治療の中心である療養所に送り、一定期間完全治療を行 わせることを原則とする。特に排菌者については収容しうるように努 力する。 3) 外来施設は退所基準に合致した軽退者の観察指導を一定期間行う施設 とする。. 結. 語. 私は沖縄らいの軽快退所者の実態を調査し、本土の軽退者の実態との比較検 討を行った。そして本土で調査された軽退者からの再燃出現率から沖縄での軽 退者の管理について論じ、さらに外来施設が負うべき業務について現状の分析 結果から私見を述べた。. 36. 140. —36—.

(43) Jpn J Lepr 89, 101-142 (2021). 国立療養所多磨全生園医務部長. 難波. 政士. 2. 軽快退所判定基準(案) この案は厚生省のらい化学療法研究班により病勢並に治ゆ判定基準により 考按したもので、用語及内容は稍変更修飾した。沖縄でも適用して不都合の無 い様に思う。類結核型、未定型群は一応除外し、らい腫型及ボーダーライン群 の中で菌排出、検出の多いものに限定した。. 病勢用語 病勢をp r q arrested の4期に大別し p – progressive. 進行期. r – retrogressive 退行期 q – quiescent 鎮静期 arrested - 臨床的治ゆ期. 各期定義 p:諸症状が旺盛で進行の傾向にあり菌には変性像の殆んど認められぬもの。 r:諸症状が退行し始め菌指数の減少及その変性像の見られるに至った時期 であるが此の時期は可成り長期に亘ることもあるので、r1, r2 , r3 と 小別する。 r1(退行初期). B.I は未だ変化がないか変性像が出て来る. r2(退行良好). B.I 減少し変性像が多い. r3(退行著明). 菌 1~0 の時期で少くも rod の見られぬもの 37. —37—. 141.

(44) q: 過去 1 年間菌(-) が僅かに顆粒を見る程度で諸症状は一応鎮静したと 思はれる時期 arrested:qと判定されてから2年以上その状態にあるもので臨床的には治 ゆしたと言ってよい. 軽快退所の時期及条件 1. p, r期を通じて菌の検出が多いが、少くも rod の検出される間は治療及 隔離の為入所療養を要し退所はr3 以後の時期が適当である。 2. 学問的には arrested 或はレプロミン陽転期を主張する説もあるがこれは可 成り長期に亘るものでそれ迄留めおく必要はない。 3. 問題は退所後の管理である。好都合に行なはれるならr3 の時期でもよい。 4. 往々皮ふ或は神経症状のみに捉はれて前眼部、鼻腔の活動性病変を見落す ことがあるので注意したい。 5. Biopsy 旧病変部の組織検査が出来れば非常に理想的である。rod 菌のな いこと、細胞浸潤に旺盛期変化のないことが必要で全々正常に復する必要 はない。 6. E.N.L. 虹彩毛様体炎の発症は時に晩発することもあるが、それは臨時に. 治療すればよい。その発症を危惧して入所を延々継続する必要はない。. 3. 今後の沖縄らい対策検討事項 1. 沖縄らい対策の基本計画の策定について 年次別に基本計画を策定し、沖縄側でそれら計画のどの部面について実 施するか、本土政府はどの部面の援助を実施するかを明確にする。 2. らい療養所の入退院条件の検討について(別添軽快退所判定基準案) 3. 本土のらい予防法と沖縄のハンセン氏病予防法の相違点の検討について 例. ハンセン氏病予防法. 第8条(在宅予防措置)第 10 条(公衆と接触. の機会の多い場所への出入りの禁止) 38. 142. —38—.

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