多様な考え方を引き出す算数科授業の開発
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(2) そして,本授業実践によって,子どもの多様. 行った。そのため,時間的余裕を持つことがで. な考え方を引き出すことができたのかどうか,. きず,単元全体を通して,オープンな問題を用. ワークシートやふりかえりシート,算数アンケ. いた授業実践をしたりすることができなかった。. ート等をもとに分析を行った。. 2点目は,1点目の改善により,単元全体を. ワークシートでは,子どもが考えた「●の数. 通して,オープンな問題を用いたことである。. を求める式」の数の平均値は1α08個見られた。. 3点目は,オープンな問題を解くに当たって,. ふりかえりシートでは,「いろいろなやり方が. 見通しを持たせるために,事前に類似問題を解. あることがわかった。」,「いろいろなやり方で求. かせたり,一部分をみんなで一緒に解いたり,. めるのがおもしろかった。」,rいろいろなやり方. ルールを決め,ある程度の考え方をクラス全体. があって驚いた。」等について記述した子どもが. で共通認識させたりしたことである。本授業実. 24名中17名いた。事前事後の算数アンケート. 践では,十分な見通しを持たせなかったために,. では,次のような結果となった(表2)。. ふりかえりシートに,問題内容やルールがよく. わからなかったと答えた子どもが24名中6名 表2 算数アンケート. (ア). (イ). もいた。. ①. ②. ③. ④. 4点日は,「●の数を求める式」の数や種類が. 事前. 2. 11. 5. 6. 少ない子どものための手立てとして,アクリル. 事後. 12. 5. 4. 3. 板を使ったり,ルールの中にヒントを組み込ん. 事前. 12. 5. 3. 4. だりしたことである。. 事後. 4. 7. 8. 5. 5点目は,1点目の改善により,第4時の比. (ア)算数の問題をとくとき,いろいろなとき. 較・検討の場面において,●の数を求めた多様. 方をしようとしている,(イ)算数の答えはいつ. な式を検討する方法として,多様な考えを分類. も1つしかないと思う。①あてはまる,②どち. する活動を組み込んだことである。. らかといえば,あてはまる,③どちらかといえ. 今後は,修正・改善した算数科学習指導案を. ば,あてはまらない,④あてはまらない。. 実践するとともに,本授業実践以外の単元でも,. (筆者作成). オープンな問題を開発し,実践していきたい。. 【引用文献】. これらの結果により,子どもの多様な考え方 を引き出す授業が実践できたと考えられる。ま. 1)文部省(1999)『小学校学習指導要領解説. た,分析結果により,課題も明らかになった。. 算数編』,東洋館,pp.1・4. 明らかになった課題を修正・改善し,新たな算. 2)国立教育政策研究所(2005)『平成15年. 数科学習指導案を作成した。修正・改善した点. 度小・中学校教育課程実施状況調査 質問. は,次の5点である。. 紙調査集計結果 一算数・数学一』,p.21. 1点目は,授業時間数を全3時間から全5時 間に変更したことである。本授業実践では,実. 主任指導教員 米岡 豊. 習校との関係もあり,授業時間数を全3時間で. 指導教員 吉水裕他 一559一.
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