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多様な考え方を引き出す算数科授業の開発

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Academic year: 2021

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(1)多様な考え方を引き出す算数科授業の開発. 胴題の所在】. 専  攻. 教育実践高度化専攻. コ 一 ス. 授業実践リーダーコース. 学籍番号. M07276D. 氏  名. 刑部 裕介.  左記の結果のように,1通りの解決方法で答.  現在,算数科では,「多面的にものを見るカ」. えを求めて終わりになっている子どもが多く,. やr論理的に考える力」など,創造性の基礎を. 多様な視点から事象を捉える習慣が身に付いて. 育てることが求められている1〕。. いないことがわかる。その原因の1つとして,.  しかし,国立教育政策研究所が行った「平成. 算数科の問題の答えや解決方法が1通りに決ま. 15年度小・中学校教育課程実施状況調査 質問. っていることが多いことからではないかと考え. 紙調査集計結果 一算数・数学一」の「算数(数. られる。. 学)の問題がとけたとき,別なとき方を考えよ.  そこで,本研究は,多様な結果や解決方法の. うとしていますか。」という質問項目に対して,. ある学習課題を設定し,子どもの多様な考え方. 半数近くの子どもが「そうしていない」または. を引き出す算数科授業を開発することを目的と. 「どちらかといえばそうしていない」と答えた. する。. 2)(表1)。 【研究の概要】. 妻1 「算数(教学)の間麗がとけたとき,別. 授業実践は,第4学年算数科単元r式と計算. なとき方を考えようとしていますか。」 (%). のじゅんじょ」(全3時間)を行った。第3時r式. ①. ②. ③. ④. ⑤. の表し方とよみ方」では,次のような学習課題. 小5. 20.6. 33.4. 27,5. 17.6. 0.8. を設定し,子どもの多様な考え方を引き出す授. 小6. 19.8. 32.O. 2818. 18.8. O.5. 業実践を行った(図1)。. 中1. 10.3. 20.4. 31.4. 37.2. 0,7. 中2. 8.7. 18.4. 31.2. 4110. O.7. 中3. 9.9. 17.4. 30.1. 42.1. 0,5. ●の数をいろいろなやり方でもとめよう。. ●.  ①そうしている,②どちらかといえばそうし. ●.  ている,③どちらかといえばそうしていない,.  ④そうしていない,⑤その他・無回答 国立教育政策研究所(2005)『平成15年度小・. ● ●. ● ● ●. ● ●. ● ● ● ●. 中学校教育課程実施状況調査質間紙調査集計結. ●. 果 一算数・数学一』 により筆者作成 図1 学習課働   (筆者作成). 一558一.

(2)  そして,本授業実践によって,子どもの多様. 行った。そのため,時間的余裕を持つことがで. な考え方を引き出すことができたのかどうか,. きず,単元全体を通して,オープンな問題を用. ワークシートやふりかえりシート,算数アンケ. いた授業実践をしたりすることができなかった。. ート等をもとに分析を行った。.  2点目は,1点目の改善により,単元全体を.  ワークシートでは,子どもが考えた「●の数. 通して,オープンな問題を用いたことである。. を求める式」の数の平均値は1α08個見られた。.  3点目は,オープンな問題を解くに当たって,. ふりかえりシートでは,「いろいろなやり方が. 見通しを持たせるために,事前に類似問題を解. あることがわかった。」,「いろいろなやり方で求. かせたり,一部分をみんなで一緒に解いたり,. めるのがおもしろかった。」,rいろいろなやり方. ルールを決め,ある程度の考え方をクラス全体. があって驚いた。」等について記述した子どもが. で共通認識させたりしたことである。本授業実. 24名中17名いた。事前事後の算数アンケート. 践では,十分な見通しを持たせなかったために,. では,次のような結果となった(表2)。. ふりかえりシートに,問題内容やルールがよく. わからなかったと答えた子どもが24名中6名 表2 算数アンケート. (ア). (イ). もいた。. ①. ②. ③. ④.  4点日は,「●の数を求める式」の数や種類が. 事前. 2. 11. 5. 6. 少ない子どものための手立てとして,アクリル. 事後. 12. 5. 4. 3. 板を使ったり,ルールの中にヒントを組み込ん. 事前. 12. 5. 3. 4. だりしたことである。. 事後. 4. 7. 8. 5.  5点目は,1点目の改善により,第4時の比. (ア)算数の問題をとくとき,いろいろなとき. 較・検討の場面において,●の数を求めた多様. 方をしようとしている,(イ)算数の答えはいつ. な式を検討する方法として,多様な考えを分類. も1つしかないと思う。①あてはまる,②どち. する活動を組み込んだことである。. らかといえば,あてはまる,③どちらかといえ.  今後は,修正・改善した算数科学習指導案を. ば,あてはまらない,④あてはまらない。. 実践するとともに,本授業実践以外の単元でも,.                (筆者作成). オープンな問題を開発し,実践していきたい。. 【引用文献】.  これらの結果により,子どもの多様な考え方 を引き出す授業が実践できたと考えられる。ま. 1)文部省(1999)『小学校学習指導要領解説. た,分析結果により,課題も明らかになった。.   算数編』,東洋館,pp.1・4. 明らかになった課題を修正・改善し,新たな算. 2)国立教育政策研究所(2005)『平成15年. 数科学習指導案を作成した。修正・改善した点.  度小・中学校教育課程実施状況調査 質問. は,次の5点である。.  紙調査集計結果 一算数・数学一』,p.21.  1点目は,授業時間数を全3時間から全5時 間に変更したことである。本授業実践では,実. 主任指導教員  米岡 豊. 習校との関係もあり,授業時間数を全3時間で. 指導教員 吉水裕他 一559一.

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参照

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