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IRUCAA@TDC : Inhibition of Insulin-like Growth Factor-1(IGF-1)Expression by Prolonged Transforming Growth Factor-β1(TGF-β1) Administration Suppresses Osteoblast Differentiation

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Inhibition of Insulin-like Growth

Factor-1(IGF-1)Expression by Prolonged Transforming Growth

Factor-β1(TGF-β1) Administration Suppresses

Osteoblast Differentiation

Author(s)

篠, 宏美

Journal

歯科学報, 114(1): 86-87

URL

http://hdl.handle.net/10130/3244

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的

TGF-β1は結合組織の再生や骨リモデリングに重要な役割を果たし,in vivo,および in vitro において骨芽 細胞分化を促進することは広く知られている。一方で,その濃度や細胞数,細胞分化ステージといった条件 によっては骨分化抑制に働くこともあり,その抑制機序については不明な点が多い。我々は,以前,低濃度 (1ng/ml)TGF-β1を1回のみ投与するとヒト歯根膜細胞の骨芽細胞分化が促進され,高濃度(10ng/ml 以 上),あるいは低濃度であっても複数回投与するとそれは著しく抑制されることを見出した。また,PI3K 経 路を阻害すると骨芽細胞分化を促進するいかなる刺激も完全に抑制することを見出した。そこで我々は,この 複数回の TGF-β1投与による骨芽細胞分化の抑制に PI3K 経路に関わる因子の制御が関与している可能性を 検討する為,DNA マイクロアレイによって網羅的に解析した。この結果から複数回の TGF-β1投与によって 著しく発現が減少した PI3K/Akt 経路に関連する因子に焦点を当て,臨床応用に向けた検討を行うこととし た。 2.研 究 方 法 細胞は,正常ヒト歯根膜由来細胞(HPDL;Lonza,Switzerland),正常ヒト間葉系幹細胞(hMSC;Lonza) およびマウス骨芽細胞前駆細胞 MC3T3-E1(理研,茨城県)を使用した。HPDL 細胞と hMSC はそれぞれ5 ∼8,および3∼5継代の細胞を1×105 cell/cm2 で播種し実験に用いた。MC3T3-E1細胞は1.6×105 cell/ cm2で播種し実験に用いた。骨芽細胞分化には,骨芽細胞分化培地(OBM;α-MEM に50μg/ml L-アスコルビ ン酸,10mMβ-グリセロリン酸を添加)を用いた。OBM に TGF-β1(終濃度1ng/ml)あるいは,IGF-1(終濃 度200ng/ml)を添加し72時間,または96時間培養した。TGF-β1単回投与群は,OBM 培養開始時(0h)に1回 のみ TGF-β1を投与した。TGF-β1複数回投与群は,OBM 培養開始時(0時間)とそれ以降12時間毎に TGF-β 1を含む OBM に交換した。TGF-β1複数回投与+IGF-1投与群は,OBM 培養開始時(0時間)に TGF-β1投 与,さらに OBM 培養開始から12時間毎に TGF-β1と共に IGF-1を投与した OBM に交換した。培養開始か ら72時間または96時間において,アルカリフォスファターゼ(ALP)活性,骨芽細胞分化マーカー遺伝子発 現,IGF-1タンパク質発現,リン酸化 Akt(pAkt)タンパク質発現を検出した。得られた結果は Bonferroni テ

氏 名(本 籍) しの ひろ み

(東京都) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2014 号(乙第761号) 学 位 授 与 の 日 付 平成25年7月10日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当

学 位 論 文 題 目 Inhibition of Insulin-like Growth Factor-1(IGF-1)Expression by Prolonged Transforming Growth Factor-β1(TGF-β1) Administration Suppresses Osteoblast Differentiation

掲 載 雑 誌 名 JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 第287巻 27号

22654−22661頁 2012年6月 論 文 審 査 委 員 (主査) 東 俊文教授 (副査) 阿部 伸一教授 山本 仁教授 井上 孝教授 齋藤 淳教授 歯科学報 Vol.114,No.1(2014) 86 ― 86 ―

(3)

ストにて検定した。 3.研究成績および考察

HPDL 細胞,hMSC,MC3T3-E1細胞において,TGF-β1を複数回投与すると RUNX2,ALP,BSP と

いった骨芽細胞分化マーカーの遺伝子発現量は著しく減少した。また,IGF-1遺伝子発現量も有意に減少し た。さらに,IGF-1タンパク質発現と IGF-1の主要なシグナル経路である PI3K/Akt 経路因子 pAkt タンパ ク質発現も著しく減少した。また,IGF-1下流因子である IRS-1の siRNA を用いて IGF-1の下流経路を阻害

すると,骨芽細胞分化が促進する TGF-β1単回投与であっても複数回投与のように骨芽細胞分化マーカーの

著しい発現減少が認められた。このことから,複数回の TGF-β1投与により生じる骨芽細胞分化抑制には IGF-1の発現減少とそれに引き続く IRS-1,そして Akt の不活化が関与していることが示唆された。さらに, TGF-β1複数回投与という骨芽細胞分化抑制条件において,IGF-1を同時に投与,あるいは過剰発現すると ALP 活性や RUNX2,ALP,BSP といった骨芽細胞分化マーカー遺伝子発現,そして IGF-1自身の発現も著 しく回復した。また,この条件で長期培養するとアリザリンレッド染色で陽染色される石灰物の検出も確認で きた。以上の結果から,持続的な TGF-β1投与は細胞から分泌される IGF-1を著しく抑制し,それに引き続 き PI3K/Akt 経路といった骨分化に重要な経路をも抑制されることにより骨芽細胞分化が阻害されることが 示された。 4.結 論 本研究では,持続的な TGF-β1が IGF-1の発現抑制とそれに引き続く PI3K/Akt 経路の抑制を介して骨芽 細胞分化を阻害することを示した。このことから,TGF-β1による骨芽細胞分化抑制の key メカニズムは IGF-1/PI3K/Akt 経路の抑制であることが考えられ,歯周病や関節リウマチといった慢性炎症局所等で引き 起こされる骨吸収や骨破壊において IGF-1の補填が骨再生に有効な手段となる可能性が示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 TGF-β1は骨芽細胞分化を positive にも negative にも調節しうるが,その抑制メカニズムについては不明 な点が多い。ヒト歯根膜細胞,そしてヒト間葉系幹細胞,マウス前骨芽細胞において,複数回の TGF-β1投 与は骨芽細胞の分化マーカーの mRNA 発現を減少させた。また,同時に IGF-1の遺伝子およびタンパク質量 の減少も認められた。さらに,IGF-1の減少に加えてその下流因子である Akt のリン酸化も著しく抑制され た。骨芽細胞分化が抑制される条件(TGF-β1複数回投与)において rhIGF-1の添加,あるいは IGF-1を過剰 発現すると ALP 活性,および骨分化マーカー遺伝子の発現,そして IGF-1遺伝子の発現回復が認められた。 本論文は,持続的な TGF-β1が IGF-1発現とそれに引き続く PI3K/Akt 経路の抑制を介して骨芽細胞分化を 阻害することを示し,TGF-β1による骨芽細胞分化抑制の key メカニズムは IGF-1/PI3K/Akt 経路の抑制 である可能性を報告したものである。 本審査委員会では,1)歯根膜由来細胞について,2)骨芽細胞分化培地について,3)骨芽細胞分化マー カーの選択理由について,4)臨床応用について等,討議ならびに質疑がなされたが,概ね妥当な解答を得ら れた。本研究で得られた知見は歯学の進歩発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判定し た。 歯科学報 Vol.114,No.1(2014) 87 ― 87 ―

参照

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