知的財産報告書
1 コア技術と事業モデル
当社は,創業以来,140年の長きにわたり写真フィル ムやカメラのリーディングカンパニーとして事業を行っ てまいりましたが,これら製品の継続的な開発を通して, 材料,光学,微細加工,画像の4つの技術分野において 種々の強み技術を保有するに到りました。現在では,こ れらの強み技術を活用,複合化などすることによって,製 品機能の高度化や新規事業の創出に繋げております。 例えば,従来の粉砕法トナーに代えて,乳化重合法ト ナーを開発しましたが,これは写真フィルムの開発で 培ってきた化学材料技術を複合機(以下「MFP」)のト ナー開発に活用することによって実現できたものです。 この乳化重合法トナーは,粉砕法トナーに比較し,小粒 径で形状が均一であるため,高精細な画像を実現できる とともに,熱が伝わりやすく溶けやすいため,低温で紙 に定着が可能となり,MFPの省エネルギー化にも貢献し ています。また,液晶ディスプレイ用の保護フィルムに 視野角拡大機能を付与したVA-TACフィルムをいち早く 開発し,高いシェアを獲得しておりますが,これは,創 業以来のフィルム製造に関する技術を活用して新規事業 を創出した好例といえます。 このように,これまでの製品開発を通じて数々の強み 技術を保有するに到りましたが,これらは,現在,12の 「コア技術」2)に定義・分類されており,当社の狙う「新 しい価値の創造」の原動力となっております。 機能性有機材料 設計技術 機能性有機材料 合成技術 機能性微粒子 成型技術 製膜コーティング技術 光学設計技術 光計測技術 成型技術 表面加工技術 画像処理技術 プロセス技術 搬送技術 精密駆動技術12のコア技術
光 学
微 細 加 工
画 像
材 料
MFP VA-TAC 捺染インクジェット Aero DR アナログ/デジタル 複写機 写真フィルム カメラ、レンズ X線フィルム コニカミノルタ株式会社1)(以下「当社」)は,「新しい価値の創造」という経営理念のもと,「イメージングの領域で 感動創造を与え続ける革新的な企業」,「高度な技術と信頼で市場をリードするグローバル企業」を目指した事業活動を 展開しています。当社は,知的財産戦略も会社経営上の重要な戦略の一つであるとの認識の下,事業戦略,技術戦略と ともに三位一体で事業活動を展開しております。本書では,当社の知的財産活動についてご説明します。2 研究開発セグメントと研究開発費
当社では前述のコア技術を中心に,積極的な研究開発 活動を行っています。2012 年度における研究開発費は 715億円(売上高比9 %弱)でした。昨年,一昨年の投 資実績からいたしますと,対売上高比で9 %前後の研究 開発費を継続して投資していることとなります。事業分 野ごとの投資比率では,情報機器事業から有機EL照明や 表面プラズモン励起増強蛍光分光法(以下「SPFS」)な ど将来の新規事業を含む分野にシフトしています。3 知的財産活動の概略
(1)特許出願群および特許群の状況
当社は,研究開発への積極的な投資と共に,活発な特 許出願活動を行っています。2012年度の日本特許出願公 開件数は3,302件3)で,昨年,一昨年とほぼ同数ながら 微増傾向にあります。内訳は,グラフ2に示すようにほぼ 半数が主力事業である情報機器事業ですが,これは減少 傾向にあって,新規事業を含む情報機器事業以外の分野 に件数をシフトしています。特に,事業成長の加速に注 力している産業用材料・機器事業においては,出願公開 件数の比率が昨年度の15 %から23 %に増加しています。 当社の海外売上高比率は70 %を超えており,また,多 数の海外営業拠点および生産拠点を有し,グローバルに 事業を展開しています。グローバルな事業を知的財産面 からも支えるべく,重要市場,生産国などをカバーする グローバルな特許群を形成するための出願および権利化 を実行しています。具体的には,米国での積極的な出願・ 権利化活動は継続しつつ,中国での出願および登録件数 を大幅に増加させ,また事業特性に応じて東南アジア諸 国にも知財資産の蓄積を意図しています。 また,事業環境の変化に対応した適切な特許出願国の 選定を行うために,PCT出願を活用しています。グラフ3 に示すように,当社の日本特許出願公開件数3)に占める PCT出願の国際公開件数の比率が,2008年においては 14.3 %でしたが,2012年においては15.9 %にまで増加 しています。 グローバルな特許群の形成に注力してきた結果,次 ページのグラフ4に示す通り,日本,米国,中国ともに,各 年度それぞれにおける登録件数が着実に増加しています。 主要国別に概観しますと,2012年度に日本で登録され た件数は2,144件であり,これは2008年度の約1.7倍と なります。この件数は,特許庁発行の「特許庁行政年次 報告書」の情報に基づく推定順位では第16位 4)相当とな り,前年度の第21位から大幅に順位を上げました。この ように登録件数の大幅増により,2013年10月26日発刊 の日本経済新聞において公表された特許調査会社による 「特許資産規模ランキング」においても第14位にランキ ングされています。53
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% グラフ 1 研究開発費:715 億円 情報機器事業 ヘルスケア 事業 産業用材料、 機器事業 ヘルスケア 事業 共通基盤技術・ 先端技術 情報機器事業 有機 EL 照明 情報機器事業52
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% グラフ 2 日本特許公開件数:3,302 件2
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% 情報機器事業 産業用材料・ 機器事業 ヘルスケア 事業 共通基盤技術・ 先端技術 その他事業 グラフ 3 PCT 出願国際公開件数の比率 14 15 16 2008 2010 2012 (%) ( 年度 )また,米国における特許登録件数は,2008 年度比約 1.5倍の708件であり,日本企業の中では第17位 5)となっ ています。 さらに,中国における特許登録件数は,2008年度の約 2.7倍に相当する179件であり,中国での権利化に注力 した結果,飛躍的な伸びを示しています。 なお,当社が保有する特許権の累積は,2013年3月末 現在,日本で11,295件,米国で8,469件であり,事業分 野別の保有率はグラフ5, 6の通りとなっています。 (2)工業所有権に対する補償・褒賞制度 当社では,従業員の創意を引き出し,活発な出願に結 び付けるべく,工業所有権に対する補償金・褒賞金に関 する社内規定を整備し運用しています。特許出願,実用 新案出願および意匠出願をなした発明者などに対して, 出願時および登録時に対価が支払われる他,自社製品へ の貢献に対する実績対価,他者への譲渡や他者からのラ イセンス収入に応じた許諾対価などが支払われます。こ れらの対価の額については,常に他社状況などを参考に 見直しをしており,インセンティブとなり得るものであ ることに留意しています。その一例として,ライセンス 収入に応じて支払われる対価につきましては,従来,支払 い額の上限を定めておりましたが,この上限を撤廃しラ イセンス収入に応じて永続的に従業員に支払う制度に改 訂をいたしました。また,対価の支払い方法についても 改訂を行い,発明者の選択肢を増やした対価の支払い方 法も導入しました。すなわち出願以降の様々な事象の発 生に連動して支払われる分割払いの補償のやり方は,従 来より,多くの企業に採用されている典型的な支払い方 法ですが,当社ではこの支払い方法に加えて,一括支払 いの補償方法も用意しました。従業員は,自らの意思に よって,典型的な分割払い方法に代えて,一時払いで一 括金の補償金を受けることもできます。これは,出願後 直ぐに選択できますので,早期補償を実現するものです。 なお,グローバル視点で補償制度に触れますと,当社 では,米国や中国に開発拠点を持っていますが,これら の拠点で働く従業員のために,それぞれの国に適した補 償制度も整備し,現地において運用しております。 1.0 1.4 1.8 1.0 1.4 1.8 2.2 2.6 3.0 2008 JP 登録 US 登録 CN 登録 2010 2012 ( 年度 ) (右軸 ) (左軸 ) (左軸 ) グラフ 4 各年度の登録件数の推移(2008年を1とする)
発明者
自由に選択
出願・登録対価
実績対価
譲渡・許諾対価
一 括 対 価
出願・登録対価に加えて、特許などから得た 利益に応じた対価(実績対価、譲渡・許諾対価 (上限なし))を、利益発生後に受け取る。 特許等から得た利益に関係なく、 一定の対価を、出願後、一括して 受け取る。59
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% 情報機器事業 ヘルスケア 事業 情報機器事業 産業用材料・ 機器事業 ヘルスケア 事業 共通基盤技術・ 先端技術 その他事業 グラフ 5 日本特許保有件数:11,295 件58
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% 情報機器事業 ヘルスケア 事業 情報機器事業 産業用材料・ 機器事業 ヘルスケア 事業 共通基盤技術・ 先端技術 その他事業 グラフ 6 米国特許保有件数:8,469 件4 知的財産活動を支える組織体制
(1)組織体制 当社は,成文化した知的財産方針の下,事業分野ごと に知的財産戦略を策定し,開発部門と知的財産センター が一体となってその実行を推進しています。知的財産セ ンターは,社長直轄の組織であり,グループ全体の知的 財産活動についての統括管理と推進の責を負っています。 知的財産センターは,発明発掘・創出を支援するリエ ゾン活動,出願権利化活動,他社特許権への対応活動を 行う「特許技術室」が中心組織であり,東京と大阪を主 な拠点として,日本国内はもとより米国や中国において も,各開発拠点に寄り添う形で支援部門を駐在させ,開 発者の傍で,タイムリーで緊密な支援活動を提供してい ます。具体的には,以下の日本地図に黄色で表示した個 所に,開発の拠点があり,開発者と一緒になって発明の 発掘,創作活動を行うなどの,いわゆるリエゾン活動を 行っています。このリエゾン活動においては,発掘・創 作した発明に対し,知的財産センターと開発部門とが合 議形式で発明内容のブラッシュアップを行い,評価した 上で発明の届出を行うシステムを運用し,発明の質向上 への取り組みを日常的に行っています。 また,知的財産センターには,リーガルスタッフを中 心要員とする「知的財産渉外室」が設けられていて,特 許技術を扱うセンター員と緊密に連絡を取りあえる環境 の下,特許交渉などの渉外業務,技術と不可分の開発契 約などを担当しています。ここには米国弁護士資格者や 米国ロースクール卒業者もおり,国際技術法務も推進で きる陣容となっています。 なお,知的財産センターの海外拠点は,現在,米国サ ンマテオ市と中国北京市にあって,日本からの出向者と 現地雇用者とを擁し,発明の発掘から権利化を含む幅広 い知的財産活動を行っています。 (2)教育,啓蒙活動 知的財産センターは,知的財産に関する教育の主管部 門でもあり,開発者への知的財産法の教育,発明の把握 や特許明細書の書き方,技術調査の指導など開発者とし て必須となる特許知識および契約法関係知識の啓蒙,教 育活動を主導しております。これらを階層別教育として, 入社時教育,中堅社員教育,基幹社員教育といった,会 社での地位に応じて,分野の広がりと深度の両面から高 度化するカリキュラムが用意されています。また,当社 では,全社教育システムとして,自由応募的に受講でき るコニカミノルタカレッジがあり,技術系やビジネス系 など多様な講座が提供されていますが,この中にも,知 的財産コースがあり,全社員の自発的なニーズに応える ことができるようになっています。 また,知的財産センター員の教育に関しては,各国の 法制度,裁判制度などの専門知識,特許実務に関する専 門スキルなど,総合的に能力開発を行っています。この ために計画的な社外教育機関への派遣なども行っていま す。語学教育に関しては,米国や中国の大学への留学制 度なども用意されています。 ロシア トルコ ドバイ インド 日本 中国 シンガポール オーストラリア 米国※ ブラジル フランス イギリスドイツ チェコ ※ ※ ※ リエゾン活動拠点 知的財産活動拠点 伊丹 西神 大阪狭山 瑞穂・三河 厚木 大阪(高槻) 東京 (日野・八王子) ※知的財産活動拠点(日本、中国、米国) グループ会社数 計 112 社 内、連携対象 計 97 社 40カ国に拠点展開5 事業分野と知的財産活動
(1)情報機器事業分野 情報機器事業分野は,MFPを主力とするオフィス分野 と,商業印刷や企業内印刷で用いられるフルカラーデジ タル印刷システムを扱うプロダクションプリント分野と で構成されています。 当社は,コア技術から展開した乳化重合法トナーの開 発をさらに進め,材料に植物由来成分を使用し,独自の 「コアシェル構造」を備えることにより,高画質かつ高速 印刷の実現に貢献するとともに,稼働時の消費電力を低 減して環境にも配慮した次世代型重合法トナー「デジタ ルトナー HD」,「デジタルトナー HD+(プラス)」,さら に,画質と省エネ性能を一段と向上させた「デジタルト ナー HD E」6)を開発し,これら重合法トナーをほぼ全ての 機種に搭載しています。 重合法トナーの開発への注力に伴って重合法トナー関 連分野の特許出願を強化しました結果,2013年3月末時 点での同分野の日本特許出願公開件数の累積は約1,000 件,日本特許登録件数の累積は約350件と,重合法トナー 関連分野においてトップレベルの件数に達しています。 また,2014年2月に発売予定のフルカラーデジタル印 刷システム「bizhub PRESS C1070」は,重合法トナー 「デジタルトナー HD E」の採用に加え,従来のデジタル 印刷システムにはない,新たな定着プロセス関連技術を 搭載しています。例えば,定着ベルトと用紙とを挟んで 加圧する一対の定着ローラを備えた定着ユニットを通紙 幅方向に周期的に移動させる,独自の定着揺動機能を搭 載することにより,用紙の端部が定着ベルト表面を通過 する位置を1枚毎に変更して定着ベルト上の通紙傷に起 因する画像ノイズを抑制し,特にコート紙で発生する光 沢ノイズの低減に成功しました。さらに,定着ユニット の出口付近でエアを吹き付ける機構を現行製品からより 改良することで,用紙がローラに巻きつくことを防止し, 薄紙の分離性を大幅に向上させました。その結果,多種 多様なメディアに対して,高画質化,高生産性,省エネ 化を達成しました。このような電子写真プロセス関連技 術についても網羅的に特許出願を行っており,日本特許 出願の公開件数は数十件に達しています。 重合法トナーに加えて,長年にわたって培ってきた画 像処理技術や用紙搬送技術,電子写真プロセス技術など の搭載により,bizhub(ビズハブ)シリーズのA3カラー MFPの販売台数は,米国・欧州でシェア2位,中国では 1 位とトップレベルのシェアを誇っており,プロダク ションプリント分野においても,bizhub PRESS(プレ ス)シリーズ等のカラー機の販売台数は,世界シェア1 位を獲得しています。 また,出張先からでも文書・画像の閲覧やプリント指 示を可能にすることで,オフィスでの生産性向上を実現 するビジネスソリューションをお客様に提供するために, ビジネス現場で活用が進むタブレット端末と,bizhubシ リーズとの連携を実現するアプリケーション「PageScope Mobile(ページスコープモバイル)for iPhone®/ iPadTM / iPod Touch®/ AndroidTM」7)を提供しています。 ビジネスソリューションを実現するソリューション技 術の開発に伴い,ソリューション技術の開発に関連する 技術分野の日本特許出願件数および日本特許登録件数も 増加させています。制御・ソリューション関連の技術分 野における直近 5 年の日本特許公開件数の累積は約 3,000件に達し,日本特許登録件数の累積は約2,000件 と情報機器分野全体の件数のほぼ半分を占めています。 (2)産業用材料・機器事業分野 液晶テレビや携帯電話などの液晶画面に視野角拡大機 能を持たせるVA-TACフィルムは,その品質がお客様に高 く支持され,トップシェアを獲得しています。VA-TACフィ ルムを支えるさまざまな技術についての特許出願および 権利化に注力した結果,日本特許出願公開件数は2010年 度から3年連続で増加しており,特許取得件数もワール ドワイドで100件以上となっています。本領域において は,日本,米国,中国だけでなく,VA-TACフィルムを用 いた液晶用偏光板や液晶テレビの製造または販売国であ る韓国や台湾においても積極的に特許を取得しています。 さらに,次世代の技術として期待される有機EL照明に ついても,当社の材料技術,積層構造に必須の層設計技 術など,複数のコア技術を活用し,サンプル出荷ができ るまでに開発を進めています。有機EL照明関連では,既 に,450件以上もの特許をワールドワイドで取得してお り,民間調査会社8)による調査結果では,特許力のラン キング第1位を取得しています。また,有機EL照明のリ ン光材料および発光補助材料についての日本特許出願公 開件数の累積および日本特許登録件数の累積はともに当 社が国内第1位(独自集計)となっています。 (3)ヘルスケア事業分野 当社の光学技術を,がんなどの早期発見のための開発 に活用しています。すなわち,抗原抗体反応で捉えた微 量のたんぱく質の蛍光発光を検出する技術に応用した, SPFS 9)の開発を進めています。これまでに開発してきた SPFSに関する技術を守るべく,130件以上もの日本特許 出願を行っています。 さらに,世界最軽量のカセッテ型DRである,Aero DR (エアロディーアール)が,多くの医療機関にご導入いた だいた結果,発売後わずか1年で販売台数1,000台を突 破し,カセッテ型DRの国内トップシェアを獲得しまし た10)。Aero DRは画像データの送信をワイヤレス化する とともに,本体重量の徹底した軽量化を行った世界最軽 量カセッテ型DRであり,撮影時に患者さんがDRを手で 支え持つ際の負担を飛躍的に軽減するとともに,医療従 事者のX線撮影の作業効率を大幅に改善しています。DR に関連する特許出願は,グローバルに行われており,既 にワールドワイドで300件を超えています。(4)その他事業分野 当社は産業用インクジェットの分野において,ヘッド とインクとシステムの全てを自社開発しているため, トータルなソリューションを提案できることを強みとし ております。近年,商業印刷市場のデジタル化が進展す るなかで,当社はその高度なインクジェット技術と株式 会社小森コーポレーションの搬送技術を融合し,プロ フェッショナルのニーズに応える安定した高画質・高信 頼性のインクジェット印刷機KM-1(開発名称)を開発 しております。KM-1は,最大でB2版用紙を印刷可能な インクジェット印刷機であり,デュッセルドルフで開催 された世界最大規模を誇る国際印刷・メディア産業展 「drupa2012」,シカゴで開催された「PRINT13」や東京 で開催された国際総合印刷機材展「JGAS2013」におい てもKM-1の技術展示を行い,好評を博しました。当社 の産業用インクジェットに関連する特許出願は,ヘッド, インク,システムの全ての分野で網羅的に行われており, ワールドワイドの特許出願数は2200件を超えておりま す。その中でもKM-1に関係する技術は,高画質を実現 するための高密度ヘッド,ヘッドノズルの射出不良を周 辺ノズルで補間するアルゴリズム,ハーフトーン処理技 術,短時間での乾燥定着を実現するUV硬化型インクな ど多岐にわたっており,これら技術についての特許出願 は,ワールドワイドで240件を超えております。開発中 の製品分野にも関わらず,既に当社のインクジェット関 連特許出願数全体の10 %以上を占めており,当社として 本分野の特許出願に注力しております。 また,当社は,カメラ用レンズなど光学製品の生産時 に使用されている酸化セリウム研磨材とガラス成分を効 率的に分離し,酸化セリウム研磨材を回収できる技術の 開発に成功しました。これにより従来廃棄されていたレ アアースである酸化セリウムのリサイクルが 95 % 以上 という高い回収率で可能となります。また,本技術によ れば,リサイクルにおいて,大がかりな設備投資やラン ニングコストを必要としません。この技術は高く評価さ れ,平成25年度「資源循環技術・システム表彰奨励賞」 (主催:一般社団法人産業環境管理協会)を受賞しており ます。酸化セリウムのリサイクル技術に関し,当社は開 発早期から複数の特許出願を行い,早期審査等の制度を 活用した結果,既に1件の特許権を確保しております。
6 ブランド価値の維持向上
コニカミノルタブランドは,当社にとってかけがえの ない無形の資産であり,ブランド価値の維持・向上は,当 社の事業をグローバルに推進するにあたって,極めて重 要であると認識しています。特に,2011年に策定した中 期経営計画「Gプラン2013」においてはブランド認知度 の向上を方針の一つとして掲げており,ブランド価値の 維持・向上を積極的に押し進める施策を取っています。 知的財産センターでは,全世界においてコニカミノル タブランドを法的に保護するため,約200カ国にわたり 商標の出願・権利化及び維持を行っています。 さらに,当社は,製品デザインを通じてもコニカミノ ルタブランドのイメージ向上に努めています。カラー MFP(bizhub C754 / C654 / C554 / C454 / C364 / C284 / C224),モバイル端末連携アプリケーション(PageScope Mobile for iPhone®/iPadTM/AndroidTM)が,2012年度 グッドデザイン賞11)を受賞しており,これらのデザイン を保護する意匠出願を行い,権利を取得しています。 本報告書に含まれている当社の方針,戦略など,将来 にかかわる事項の記述は,現時点の事業環境に基づく予 想であり,既に実現した事実以外は今後の事業環境の変 化により変更する可能性があります。 KM-1 bizhub PageScope Mobile1) 会社概要に関する当社HP: http://konicaminolta.jp/about/corporate/outline.html 2) 12のコア技術をご紹介した当社HP: http://www.konicaminolta.jp/about/research/ core_technology/index.html 3) PCT国際公開(日本)件数を含む。 4) 当社グループ各社の合算値(独自集計) 5) 当社グループ各社の合算値(独自集計)に基づき,Intellectual Property Owners Association (Top 300 Patent Owners) の データから順位を推定しています。 6) デジタルトナーHD+,デジタルトナーHD Eの技術概要を掲載 した当社HP: デジタルトナーHD+: http://www.konicaminolta.jp/graphic/products/ ondemand_print/color/bizhub_press_c8000/index.html デジタルトナーHD E: http://www.konicaminolta.jp/business/products/graphic/ ondemand_print/color/bizhub_press_c1070_c1060/index. html 7) PageScope Mobileに関する当社HP: http://www.konicaminolta.jp/business/products/software/ mobile_cooperation/index.html 8) 有機EL照明関連技術の特許総合力ランキングを掲載した民間 調査会社HP: http://www.patentresult.co.jp/news/2011/12/shomei.html 9) SPFSの技術概要を掲載した当社HP: http://www.konicaminolta.jp/about/research/special_ healthcare/high_sensitivity.html 10) Aero DRが発売後1年で販売台数1,000台を突破した旨のお知 らせを掲載した当社HP: http://www.konicaminolta.jp/about/release/2012/0605_ 01_01.html 11) 当社が取得したグッドデザイン賞に関する当社HP: http://www.konicaminolta.jp/about/research/design/ awards/2012awards.html