第6学年○組 算数科学習指導案
1 単元 ともなって変わる2つの数量 2 指導観 (1) 単元観 本単元は,これまでに学習してきた変化と関係についての見方をまとめるために,伴って変わる 二つの数量の中から比例や反比例の関係にあるものを考察し,関数の考えをのばすことをねらいと している。第4学年では,身の回りから伴って変わる二つの数量を見つけ,その関係を表から読み 取ったり表にかき表したりしながら特徴を調べてきた。第5学年では,簡単な場合についての比例 の関係について,表を用いて関係を考察し,変化や対応の特徴を見いだしてきた。第6学年では, 表やグラフから変化や対応の特徴を見いだし比例や反比例の関係を読み取る活動を通して,表を横 や縦に見て考察したり,意味や性質を根拠に比例や反比例の関係を説明したりすることができるよ うにする。これらの力は,中学校第1学年「関数」「比例・反比例」における,表ではなく式を見 ただけでx,yの関係が比例や反比例であることを判断する学習に必要な力の素地になる。また, 比例の関係を使って問題を解決する活動を通して,比例の関係を活用すると効率よく問題を解決す ることができるよさを味わうことができるようにする。これは,日常の問題に進んで比例の関係を 活用しようとする態度を育てる上で大変意義深い。 (2) 児童観 本学級の子どもは,第4,5学年において,伴って変わる二つの数量について,関数的な見方の 基礎・基本となる事柄を学習してきている。「伴って変わる二つの数量」についてのレディネステ ストの結果からは,「表の空欄に数値を入れることができる」子どもは,比例関係の表については ○%であったが,反比例関係の表は○%であった。また,比例関係にある表を横に見たり縦に見た りして,その関係を説明することができる」子どもは○%であった。さらに,「伴って変わる二つ の数量について具体例をあげることができる」子どもは○%であった。これらのことから,表から 二つの数量の関係を説明したり,日常生活の中で比例等の性質を意識して事象を見たりすることを 苦手としている子どもが多いことが分かる。 以上のことから,本単元では,問題設定の場面において,身の回りにある具体的な事象の中から 伴って変わる二つの数量を取り出し,何と何が関係しているのかを考える活動を通して,身の回り には比例の関係が成り立つものが多くあることに気づかせたい。また,比例や反比例の関係につい て調べる際には,「なぜ比例(反比例)しているのか」の理由を根拠(表,式,グラフからのよみとり) を明確にして説明することを大切にしたい。さらに,比例の関係を使って問題を解決する活動を通 して,比例の関係に着目するよさに気づかせ,日常生活や学習に生かしていこうとする態度を育て たい。 (3) 指導観 本単元の指導にあたっては,まず,単元の導入段階では,日常における伴って変わる二つの数量 の様々な変化に気づき,数量関係を調べていくという問題を設定することができるように,身の回 りにある伴って変わる二つの数量について調べ,その関係を表した表を考察する活動を設定する。 次に,二つの数量の関係を調べる際には,比例の意味と性質を理解することができるように,表を 横に見たり縦に見たりして,変化の特徴や対応のきまりについて話し合う活動を設定する。また, 比例の関係についての理解を深めることができるように,表や式,グラフからよみとったことを根 拠にして比例しているかどうかを判断し説明する活動を設定する。さらに,比例の学習についてま とめる段階では,比例の関係を活用するよさを実感することができるように,実際に数えることが 面倒くさい問題や計測することが困難な問題を比例の関係を活用して解決したり,計算で導き出し た数値が正しいのかを実際に確かめたりする活動を設定する。 単元の終末段階における反比例についての学習では,反比例の関係を比例の関係と関連付けて理 解することができるように,比例で取り扱った意味や性質,表やグラフの特徴と対比しながら考察 する活動を設定する。3 目標 ○ 比例や反比例の意味や性質を理解し,比例や反比例の関係について,表や式,グラフに表したり, その関係を調べたりすることができる。 (知識及び技能) ○ 伴って変わる二つの数量の関係について,比例や反比例の関係になっている根拠を見いだしたり,そ れらを明確にして問題解決の過程を説明したりすることができる。 (思考力,判断力,表現力等) ○ 身の回りから比例や反比例の関係になっている二つの数量を見つけようとしたり,日常生活や算 数科学習などの場面で効率の良い処理の仕方を求めて積極的に比例関係を活用したりしようとす る。 (学びに向かう力,人間性等) 4 単元指導計画(計14時間) 次 時 主な学習活動 主体的・対話的で深い学びの視点に立った手立て 一 8 ○ 比例の関係を表した表から規則性を見つけ,比 例の意味や性質を見いだしたり,表を縦や横に見 て,比例しているかどうかを判断したりする。 ○ 比例の関係を式やグラフに表したり,表や式, グラフを根拠に比例の関係を判断したりする。 身の回りにある伴って変わる二つの 数量について調べる活動を取り入れ, 知的好奇心をかきたてる課題の設定 【主体的な学び-③】 二 1 ○ 数えるには多すぎるくぎの数を比例の関係を 使って調べる。≪本時≫ 解決方法が多様な課題の設定と複数 の考えを比較・関係付ける場の設定 【対話的な学び-③】 三 5 ○ 反比例の関係を表した表から規則性を見つけ,反 比例の意味と性質を見いだしたり,表を縦や横に見 て,反比例しているかどうかを判断したりする。 ○ 反比例の関係を式やグラフに表したり,表や式, グラフを根拠に反比例の関係を判断したりする。 反比例の関係を,比例で取り扱った 意味や性質,表やグラフの特徴と対比 して考察し,学びの過程を再考する場 の設定 【深い学び-③】 5 本時 令和2年○月○日 (○) 第○校時 6年○組教室に於いて (1) 主眼 数えるには多すぎるくぎの数を,比例の関係における変化や対応の特徴に着目して調べ,表や式, 言葉を結び付けて考えを話し合う活動を通して,比例の関係を活用して問題を解決するよさを見い だすことができるようにする。 (2) 本時の主たる見方・考え方 児童が働かせる本時 の主たる見方・考え方 【見方】比例の関係における変化や対応の特徴に着目し,【考え方】比例の 関係を活用して問題を解決するよさを考える。 (3) 授業仮説 仮説1 【問題設定の工夫】 導入段階において,数えるには多すぎるくぎを用意し,くぎの本数をできるだけ速く求める方法に ついて交流する場を設定すれば,子どもは「本数と重さの比例の関係を使えば,速く求めることがで きるのではないか。」という問いをもち,問題解決への意欲を喚起することができるであろう。 仮説2 【交流活動の工夫】 展開段階において,表や式,言葉を結び付けて考えを話し合う活動を設定すれば,比例の関係を問 題解決に活用するよさを見いだすことができるであろう。 仮説3 【ふり返りの工夫】 終末段階において,「比例の関係を使うよさは何か。」「これから,どんな場面で比例の関係を使 って問題を解決していきたいか。」を視点にふり返る活動を設定すれば,比例の関係を日常生活の場 面に生かしていこうとすることができるであろう。 (4) 準備 釘250本,はかり,表,板書用画用紙(表を記したもの)
(5) 展開 過程 学習活動と子どもの意識 指導上の留意点(○)と評価規準(※) 導 入 展 開 終 末 1 本時の問題をとらえ,学習のめあてをつかむ。 (1) 本時の問題について話し合う。 (2) 解決の見通しをもち,めあてをつかむ。 2 比例の関係を使ってくぎの本数を求め,それぞ れの考えを交流する。 (1) くぎの本数と重さの関係を表に整理し,くぎ の本数を求める。 (2) それぞれの考えの共通点や相違点,比例の関係 を活用するよさについて話し合う。 3 本時学習をまとめ,ふり返りをする。 ○ 問題解決への意欲を喚起することができる ように,くぎの本数をできるだけ速く求める 方法について交流する活動を設定する。 ≪主体的な学び③興味や関心を高める≫ ○ 解決の見通しをもつことができるように, 「くぎの本数と何が比例しているのか。」 「何が分かれば問題を解決することができ そうか。」について話し合う活動をする。 ○ 変化や対応の特徴に着目してくぎの本数を求める ことができるように,くぎが1本や10本のときの 重さを確認し,表に整理する活動を設定する。 ○ 比例の関係を活用するよさを見いだすこと できるように,表や式,言葉を結び付けて考 えを話し合う活動を設定する。 ≪対話的な学び③互いの考えを比較する≫ ○ 見方・考え方が働くように,次の手だてを 仕組む。 ○ 比例の関係を日常生活の場面に生かしてい こうとすることができるように,「比例の関係 を使うよさは何か。」「これから,どんな場面 で比例の関係を使って問題を解決していきた いか。」を視点にふり返る活動を設定する。 ※ 比例の関係を活用して問題を解決するよ さを見いだしている。 くぎの本数は全部で何本あるのかな? 一本一本数えるのは,めんどくさい し,時間がかかってしまうよ。 どうしたら,数えずに全部の本数を 求めることができるのかな。 くぎの本数は,重さに比例しているのでは? くぎ1本の重さが知りたい。あとは,全体の重さ が分かれば,本数を求めることができそうだよ。 くぎの本数と重さの比例の関係を使って,数えずにくぎの本数を求めよう。 【表を横に見ると…】 本数が□倍になると, 重さも□倍になるので, 600÷2.4=250(倍) 1×250=250(本) 10 本の□倍で考える と, 600÷24=25(倍) 10×25=250(本) 【表を縦に見ると…】 10 本で 24gなので, 24÷10=2.4。決まった 数が 2.4 なので, 600÷2.4=250(本) 決まった数が 2.4 なの で,比例の式は y=2.4× x。yに 600 を入れると, 600=2.4×x,x=250(本) 左側の考えは,表を横に見て考えているよ。逆に,右側の考えは,表を縦に見て考えているよ。 どちらも,これまでに学習した比例の関係を使って答えを求めることができているね。 一本一本数えると時間がかかるけれど,比例の関係を使うと,速くて簡単に問題を解決すること ができるんだね。 比例の関係を使うと,速く簡単に,くぎの本数を求めることができる。 比例の関係を使うと,実際に一つ一つを数えな くても,速くて簡単に問題を解決することができ たよ。これから,たくさんのものを数える時に, 数と重さの比例の関係を使っていきたい。また, 身の回りで比例の関係が使われているものも調 べてみたいな。 ② 10本で24gだから,100本のくぎを用 意するには,240gになるまでくぎを袋に入 れるとよいと思うよ。数えずに用意できるね。 ① 実際にくぎの本数を数え確かめる活動 を設定する。 ② 100本のくぎを用意する方法につい て考え,話し合う活動を設定する。 ≪深い学び⑦思考して問い続ける≫ ① 実際に数えると,くぎは本当に250本あっ たよ。やっぱり,数えると時間がかかるから,比 例の関係を使って計算で求める方がいいな。