ITガバナンスの評価について
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(2) 情報処理学会第 80 回全国大会. のがタスクをこなす振る舞いとしての人間行動 が要請される.ISO/IEC38500[1]では,「意図を もった活動」と説明されていて,単なる人間の 行動を言っているのではない.経営者は,コー ポレート・ガバナンス [1]では,IT の利活用の これらの活動を含めて,Outcome(成果)を出すこ とが求められている.なお,この成果について は,経営的な収益活動のみならず,内部統制の 仕組みを実現させて不正を防ぎ,働き易い環境 を構築することも含まれる.最近,ESG 経営を呼 ばれているものも対象となる. 経営者は,Outcome を達成するにあたり,IT を利 活用する組織をデザインする.これには,運営 方針に基づいて組織方針や構成,権限(責任) の割り付け,指揮命令,結果の評価などの仕組 みが含まれる.具体的には,経営者としては図 1 に示す EDM タスクやマネジメント層に実施させる PDCA の構築及び関係性(インタフェース)が重 要となる.ビジネスを遂行する実務面では,経 営者が計画や方針を指示(D)して,マネジメン ト層がこれを計画(P)して,実施(D)し,経 過のパフォーマンスをチェック(C)して改善 (A)を図り,経営に報告する.経営者はこの活 動全体をモニター(M)するとともに成果を評価 (E)する.その結果は次の指示に反映すること で,組織のパフォーマンスを最適化する. 4. IT ガバナンスの評価 4.1 評価指標 経営者は IT ガバナンスを組織に実践した結果と して,組織のパフォーマンスを上げて,経営目 標を達成できる. 有効なガバナンス達成には,経営者によるガバ ナンスを評価することが求められる.経営学で は,経営者による経営については,収益をベー スにして来た.しかし,ステークホルダーが広 がり社会の価値観が多様化する中で,経営の評 価 に は , 収 益 で は な く ESG(Environment, Society and Governance )が尺度として用いられ ている.したがって,IT ガバナンスの評価を行 う上でも,ビジネスの成功だけではない多義的 な評価が出来ることが求められる. 本 稿 で は , 現 在 , 検 討 が 進 ん で い る ISO/IEC38503, Assessment of Governance of IT [4]で検討されている IT ガバナンスの評価につい ての考察を行う. IT ガバナンスの評価として,①個別評価:経営 者が立てた目標と結果としての成果の達成状況 を評価する(ビジネス目標を細かく CSF に分解し て,個々の達成状況から全体を評価する),② 原則クライテリア評価:経営者の成果を原則ご. とに達成した結果をクライテリアと比較して評 価する,③インタフェース評価方式:IT ガバナ ンスの経営者の EDM タスクとマネジメント層の PDCA 間におけるインタラクションでの両者の行 動(behavior)に着目して,成果に繋がっている かを評価して,IT ガバナンス全体の達成状況と する.さらには,一般的な経営判断で実施され ているように,演繹的に全体を評価者が観察し て,達成状況を判断する方法などがある.本稿 では,現在,検討が進んでいる①から③につい て比較する. 4.2 評価方法 管理策の実施状況などの評価では,定量的に評 価することが難しいため,多くの場合には,5 段 階で評価する成熟度モデルが用いられることが 多い.成熟度モデルでは,各段階について細か く記述して曖昧さをなくす必要がある.また, 評価者によって評価が異なる可能性もあり,利 用するにあたっては客観性について注意が必要 である.ただし,自社の IT ガバナンスの現状や 過去との比較を内部的に評価するなどの自己目 的には役立つ. ①〜③の評価については,実施するにあたって 必要となる分析の粒度を分析のやり易さ,評価 における客観性を担保できるか,さらに,ビジ ネス成果にとらわれて IT 自体の評価がきちんで きるかの 3 つのポイントで比較した.その結果を 表 3 に示す.どの方法にも一長一短があり,1 つ の方法に絞り込むのは難しい. 表 3 IT ガバナンスの評価方法の比較. ① ② ③. 分析のやり易さ. 客観性. ITの考慮. △ 〇 〇. 〇 × △. △ 〇 〇. 5. まとめ 本稿では,IT ガバナンスを活用するために必要 となる IT ガバナンス評価方法について検討した. 方法の候補は,どれも一長一短があり,さらに, 実務上の検討が必要である. [1] OECD, G20/OECD Principles of Corporate Governance,2015 [2]ISO/IEC38500, Governance of IT, 2015, (JIS Q 38500:2015 情報技術−IT ガバナンス - 日本工業規格) [3]原田,企業に求められる IT ガバナンスの 新しいモデル,InfoCom Review, vol,47,2009 [4]ISO/IEC38503 NWIP draft, Assessment of Governance of IT, 2017. 4-398. Copyright 2018 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
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