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物体の質感を表現するための色表現系に関する基礎研究

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Academic year: 2021

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長野大学紀要 第35巻第2号 75―76頁(125―126頁)2013 - 75 - 研究実績の概要 【研究の概要】 本年度は、色表現系の開発に加え、系に照明情報 を追加する手法の開発を行った。そしてそれを検証 するための視覚実験ブースの開発を行った。物体の 質感表現の精度が向上していることから、特殊な応 用を想定した視覚実験ブースを構築することにした。 特に本年度は、質感表現に不可欠な照明環境のモ デル構築に力点をおくことになった。具体的なテー マとしては、様々なシーン照明環境下での人間の肌 のCG 再現技術と周囲の照明環境を考慮した航空機 のパイロットの視覚系をシミュレートするシステム を開発することで、動きを伴う物体の質感表現の技 術開発を行った。 物体の見え方は、その周囲の照明環境に依存する。 たとえば人の肌については、コンサートホールや キャンプファイヤーの焚火の前、強い夏の日差し、 雪景色等、そのシーンによってその見え方は大きく 異なる。また、航空機の視界設計の分野にもこういっ た手法の導入は有効である。乗り物の安全性を議論 する上で、操縦者の視界の状況を知ることは重要で あるが、航空機の操縦席には周囲のシーンから様々 な外光が入ってくる。太陽光、反射光、その外光は その時の天候、気候などによって変化する。外光は パイロットにとって最も重要な視覚情報の獲得に大 きな影響を与える。例えば逆光状態であると操縦席 内にあるメーターが見えにくくなったり、悪天候下 では遠方がかすれ滑走路が見えにくかったりする。 実シーンの照明環境を用いたCG レンダリング法 としてImage Based Lighting(IBL)という手法があ る。これは実シーンの照明環境をHigh Dynamic Range (HDR)画像として記録し、その画像情報を照 明情報として用いるものである。 本年度の研究では先に述べた人の肌の CG 再現や パイロットの視覚系をシミュレートするシステムの 両面にこのIBL を用いた手法を導入した。 本研究では、大域的な照明モデルに基づいてシー ン照明環境を構築する。本研究では観測者の周囲に 対して全方位に存在する光源の空間分布があると仮 定する。ここでは単純化のために周囲にある光源は すべて平行光源と仮定し、照明方向と光源強度から 光源の空間分布を表現する。空間中に半球を仮定し、 この半球上に光源が分布していると仮定する。ここ では観測者に到達する光は、この半球上から到達す るが、実際の観測者の視界で見える映像は反射モデ ルを用いて計算される。このとき光源の空間分布は、 経度と緯度で示された一種のマップとして考えれば、 そのマップ上の座標はθとφで示すことができる。 このとき0≦θ≦2π、0≦φ≦πであれば全方位の光 源情報を表現できる。この経度と緯度で示された全 方位の光源分布を画像で示したものを全方位画像と 呼ぶ。観測者の視界による周囲の景色の見え方は、 このように構築されたシーン照明環境全体の照明モ デルに基づいてCG 化する。全方位光源分布情報に 基づいた光反射モデルを計算は周囲の照明光源の足 し込み処理となり、光源の数が増えれば計算量が膨 大になるという問題がある。そこで放射照度マップ *企業情報学部教授

(基礎研究)

物体の質感を表現するための色表現系に関する基礎研究

田 中 法 博

*

Norihiro TANAKA

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長野大学紀要 第35巻第2号 2013 126 - 76 - (Diffuse map)と呼ばれるシーン空間内の全方位の 光反射計算を一種のルックアップテーブルとして利 用する方法を採用して処理を高速化する。 以上の方法を統合したレンダリングシステムを構 築した。このシステムでは光源情報は全方位分光画 像から獲得し、肌表面の反射光は分光的な反射モデ ルで計算する。そして視覚系に入った色刺激は、等 色関数を用いてディスプレイに依存しない色情報と して計算する。 こういった研究成果は、いくつかの学会で発表し た。人の肌の質感表現の精度を向上させることがで きたことで、新たな人間の肌の CG 再現技術の開発 に結び付けることができた(N. Tanaka et al.、 AIC 2012)。航空機のパイロットを対象とした照明環境 と視覚系のモデル構築についての成果報告を行って いる(山本ら、日本色彩学会画像色彩研究会 2012) また、昨年度開発した疑似3D ディスプレイについ ても研究を継続している(望月ら、視覚情報基礎研究 会 2012)。 研究発表 学会発表

1.N. Tanaka, et al.「Imaging and rendering of human skin an RGB color camera」、AIC 2012、 2012 年 9 月 23 日、Chinese Culture University (Taiwan)

2.S. Toya, N. Tanaka, et al.「ESTIMATION OF HUMAN SKIN PROPERTIES USING SMARTPHONE」、AIC 2012、2012 年 9 月 23 日、Chinese Culture University(Taiwan) 3.N. Tanaka, et al.「Color Image Rendering of

Human Skin Based on Multi-spectral Reflection Model」、Color Science Association of Japan、2012 年 5 月 27 日、Kyoto University 4.田中法博,望月宏祐 他「人間の肌の表面反射特 性計測と3DCG 再現」、日本色彩学会 視覚情報 基礎研究会、2012 年 6 月 23 日、東京塗料会館 5.望月宏祐,田中法博 他「有形文化財のデジタル 展示システムの試作」、日本色彩学会 視覚情報基 礎研究会、2012 年 6 月 23 日、東京塗料会館 6.岩崎央華,田中法博「任意シーン照明環境下での 人間の肌のCG再現手法」、日本色彩学会 画像色 彩研究会、2013年3月9日、東京造形大学 渋谷サ テライト 7.山本遼太郎,田中法博 「飛行機の操縦席の照明 環境シミュレーション」、日本色彩学会画像色彩 研究会、2013年3月9日、東京造形大学 渋谷サテ ライト

参照

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