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日本における多職種連携を測定する尺度に関する文献レビュー

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(1)

Ⅰ.緒言

 日本の 65 歳以上人口は 26.7%(総務省,2016)と 国民の約4人に1人であり,団塊の世代が 75 歳以上 となる 2025 年以降は国民の医療や介護の需要の更な る増加が見込まれ,疾病を抱えても,自宅等の住み慣 れた生活の場で療養し,自分らしい生活を続けられる 地域社会を目指し,在宅医療と介護の連携が進められ ている.2015 年度より介護保険法の地域支援事業に 位置づけられた在宅医療・介護連携推進事業における 医療・介護関係者研修の目的は多職種が連携するため のグループワーク等の研修を通じて,地域の医療・介 護関係者が,お互いの業務の現状等を知り,忌憚のな い意見が交換できる関係を構築するなど,現場レベル での医療と介護の連携が促進されるような研修の提供 とされ,医療と介護の多職種連携が進められている. 今後は現場レベルで取り組む多職種連携の客観的な評 価が求められると考えたが,在宅医療・介護連携推進 事業の手引き(厚生労働省,2015)には多職種連携の 取組事例が紹介される中,多職種連携の評価方法につ いて明確な記載は見られない.評価方法のうち現場で 評価可能という観点から尺度の現状を考えたところ, 連携の評価尺度では連携活動評価尺度の開発(筒井, 2003a,2003b),全国の市区町村保健師における連携 の実態に関する研究(筒井と東野,2006)での連携活 動評価尺度の使用と連携の定義が見られる.一方,日 本国内で取り組まれる在宅医療・介護分野の多職種連

要旨

 目的:日本国内に現存する他機関との多職種連携を測定する尺度はどのようなものがあるか, また各文献における多職種連携の定義を明らかにすることを目的とする.  方法:医学中央雑誌 Web 版を用い,検索語は連携 and 尺度,検索範囲は 1977 年から検索日 までとした.検索文献から連携を尺度を用いて測定した 22 文献を抽出し,うち連携対象に他機 関を含んだ 11 文献から多職種を測定する文献を確認した.  結果:疾患を限定せず複数職種に尺度を使用する6文献は,測定対象に医師,看護師,介護支 援専門員を含んだ.また連携の定義は見られたが多職種連携の定義は見られなかった.  結論:他機関との連携を測定しうる尺度のうち,疾患を限定せずに複数職種で使用可能な 6 文 献の5尺度は,尺度の信頼性・妥当性の記載があり,複数機関・複数職種の測定が可能であるこ とから,他機関との多職種連携を測定しうる尺度と考えられる.また多職種連携の捉え方は日本 国内で統一しておらず,尺度を用いる際は多職種連携の定義を明確にすることが重要と考える.

日本における多職種連携を測定する尺度に関する文献レビュー

Review of the literature on the scale to measure the multi-disciplinary

collaboration in Japan

前川絵里子

1)

,平澤則子

2)

,飯吉令枝

2)

,高林知佳子

2)

,川野英子

2)

Eriko Maekawa

1)

, Noriko Hirasawa

2)

, Yoshie Iiyoshi

2)

,

Chikako Takabayashi

2)

, Eiko Kawano

2)

キーワード:多職種連携,尺度

Key words:multi-disciplinary collaboration,scale



2016 年8月 18 日受付;2016 年 10 月 26 日受理

(2)

携を評価する尺度を概観する文献レビューは見当たら ないため,多職種連携の評価尺度,また尺度を使用す る文献において多職種による連携がどのように定義さ れているのか,特に日本の在宅医療・介護連携では病 院と居宅介護支援事業所など他機関との連携を含むこ とから,他機関との多職種連携について現状を整理す る必要があると考えた.  本文献レビューは日本国内に現存する他機関との多 職種連携を測定する尺度はどのようなものがあるか, また各文献における多職種連携の定義を明らかにする ことを目的とする.

Ⅱ.方法

 連携を尺度を用いて測定した文献を抽出後,連携対 象に他機関を含んでいる文献を抽出しレビュー文献と した.その中から連携対象が多職種である文献を確認 する手順を踏んだ.  文献検索は医学中央雑誌 Web 版を用い 2016 年3月 19 日に実施した.検索語は「連携」and「尺度」と し,会議録を除き,連携の統制語4語(専門職間人間 関係,チーム医療,多機関医療協力システム,地域社 会ネットワーク)全てを対象とした.検索範囲は医学 中央雑誌 Web 版に収録されている 1977 年から検索 日までとし 1991 年以降の 826 件が検索された.文献 タイトル・抄録より連携を測定しない 752 文献を除外 した.残る 74 文献を講読し,日本語の定義を確認し 日本国内で利用可能な尺度という視点から英文献を除 いた.文献抽出基準をサービス提供者側の連携を尺度 を用いて測定した文献とし,除外基準を一般住民・患 者が測定対象の文献,学生の教育理解度の評価,学校 教育,解説とした.その結果,連携を尺度を用いて測 定した 22 文献が抽出された.抽出文献全体を研究者 間で講読し,連携対象が同一機関内の職種間連携の文 献を除外した.その結果,連携対象に他機関を含んで いる 11 文献をレビュー対象とした.11 文献を発行年, 尺度が測定する事象,尺度を用いて測定した対象,尺 度の信頼性・妥当性の記載状況,多職種連携・連携の 定義に整理した.

Ⅲ.結果

 レビュー対象文献は発行年順に表 1 に示した. 1.文献の発行年  11 文献は,2006 年から 2010 年までに3文献,2012 年から 2015 年までに 8 文献と,過去 10 年以内に発表 されていた. 2.尺度が測定する事象  尺度は,連携状況,連携活動,連携,連携の良さ, 連携行動,地域連携行動の事象を測定していた.その 他,顔の見える関係構築の良さ,チームアプローチに よるケアの質,チーム活動の実践,チームワークと, 尺度により多様な事象を測定していた.11 文献に8 つの尺度が使用されていた. 3.尺度を用いて測定した対象  1職種を対象とした文献は3文献であった.地域包 括支援センターの3職種(社会福祉士,保健師,主任 介護支援専門員)を対象とした文献は1文献であった.  残る文献はいずれも4職種以上を対象としていた. 文献数は7文献で,いずれも対象職種に医師,看護師, 介護支援専門員が含まれていた.このうち6文献には ヘルパー,介護福祉士等の介護従事者が,5文献には 薬剤師が含まれていた.また1文献は緩和ケアの関わ りに限定した尺度を用い,1文献は認知症ケアを測定 していたが尺度の信頼性・妥当性の検討(杉本と亀 井,2011)では認知症ケアに限定せず用いていた.以 上より,連携対象に他機関を含む 11 文献のうち,疾 患を限定せずに他機関にまたがる複数職種で使用して いる文献および尺度は,4職種以上を対象とした7文 献のうち緩和ケアの連携を測定する1文献を除く6文 献で,学際的チームアプローチ実践評価尺度,医療介 護福祉の地域連携尺度,Relational coordination 尺度 日本語版,在宅医療介護従事者における顔の見える関 係評価尺度,在宅ケアにおける医療・介護職の多職種 連携行動尺度の5つの尺度であった. 4.尺度の信頼性・妥当性の記載  11 文献にはいずれも使用する尺度の信頼性・妥当 性に関する記載がされていた.内訳は,5文献は信頼 性・妥当性が検証された尺度を使用している旨の記載 がされていた.6文献は尺度の開発を目的として信頼 性・妥当性の検証を実施していた. 5.多職種連携,連携の定義 (1)定義,操作的定義  藤田ら(2015)は,多職種連携行動を「在宅ケア利 用者へのケアを目的とした,他職種と連携をとる際の 具体的行動」と操作的定義をしていたが,多職種連携 を定義した文献はなかった.3文献に連携の定義があ り,筒井と東野(2006)は「異なる専門職や機関(も しくは組織)が,より良い課題解決のために,共通の 目的を持ち,情報の共有化を図り,協力し合い活動す ること」とし他 1 文献でも引用された.成瀬ら(2014) は,言葉が示す意味,在宅療養者を取り巻く専門職間

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表1 他機関との連携を測定する文献リスト No 文 献名 発 行 年 著者 尺 度の 名 称 尺 度 が 測 定す る 事象 尺 度 を 用 い て 測 定 した 対 象 尺 度 の 信 頼 性・ 妥 当 性 の 記 載 状 況 多 職 種 連携 ・ 連携 の 定 義 尺 度の 使 用・ 開発 使 用 尺 度 に 対 する 論 文 中の 説 明 尺 度の 論 文 中 の 検 証 概 要 定義 概 念 枠 組 み 3区 分 の 引 用 ( lin ka ge ,c oo rdin at io n, f ull i nt er gr at io n) 信 頼 性 ・ 妥 当性 の検 証 出 典 文 献 の 掲載 信 頼 性 妥当 性 用 語 内容 用 語 測 定す る 事象 の 区 分 1 全 国 の 市区町 村 保 健 師 に お け る 「 連 携 」 の 実 態 に 関 す る 研 究 20 0 6 筒 井 孝 子 , 東 野 定 律 連 携 活 動 評 価尺 度 ( 連 携尺 度 ) 連携状 況 保 健師 使 用 妥 当 性 と 信 頼 性 に つ いて は ,す で に 検 証 さ れて い る ( 開 発 年 ,項 目 数 , 因 子 構 造 の 記 載 あ り ) あ り ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 819 因子 妥 当性 ( プ ロ マ ッ ク ス 回 転 , 最 尤 法 ) , 適 合 度 算 出 連携 異 な る 専 門 職 や機 関 ( も し く は 組 織 ) が ,よ り 良 い 課 題 解 決 の た め に ,共 通の 目的 を 持 ち ,情 報 の 共 有 化 を 図 り , 協 力し 合 い 活 動 す る こ と 2 地 域包括 支 援 セ ン タ ー の 3 専 門職の 個 別 支 援 に 関 す る 連 携 活動 と 社 会 資源 の 創 出 と の 関連 20 10 俵 志 江 連 携 活 動 評 価尺 度 個 別支 援 時 の 連 携活 動 地 域包括 支 援 セ ン タ ー の 3 専 門 職 ( 社会 福 祉 士 ,保 健 師 , 主 任 介 護支 援 専 門員 ) 使 用 信 頼 性 と 妥当 性 が 検 証 さ れ て い る( 項 目 数 , 因 子 構 造 の 記 載 あ り ) あ り ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 79 0,下 位 因 子 別 0. 4 51 ~ 0. 61 6に よ り合 計 点 の み 分 析 連携 異 な る 専 門 職 や機 関 ( も し く は 組 織 ) が ,よ り 良 い 課 題 解 決 の た め に ,共 通の 目的 を 持 ち ,情 報 の 共 有 化 を 図 り , 協 力し 合 い 活 動 す る こ と 3 認 知 症 高 齢 者 の 学 際 的 チ ー ム ア プ ロー チ に よ るケ ア の 質 評 価 W eb シ ス テ ム 使 用 前 後 に お け る 利 用 者 なら び に チ ー ムア プ ロ ー チ の 変 化 の 検 討 20 10 梶 井 文 子 , 亀 井 智 子 , 山 本 由 子 学 際 的 チ ーム ア プ ロー チ 実 践 評 価 尺 度 自ら の チ ー ム ア プ ロ ー チ に よる ケ ア の 質 学 際 的 専 門 職 ( サ ービ ス 提 供 者を 含 む ケア サ ー ビ ス チ ー ム) ( ケ ア マ ネ ジ ャ ー ,介 護 職 ,看護 師, 医 師 ,そ の 他 ) 使 用 評価 方 法 の 開 発 , 評価 項 目 の 明確 化, な ら び に 項 目 の 妥 当性 の検 証 を 行 っ た あ り チ ーム ア プ ロー チ ケ ア マ ネ ジ ャ ー , 医 師, 看護 職 ,介護職 な ど で 多 領 域 の 職 種 か ら 構 成 され る チ ー ム に よる ケ ア 4 在 宅 高 齢 者 に 対 する 訪 問 看 護 職 の チ ー ム 活 動 に 関 する尺 度 作 成 の 試 み とそ の 構 造 20 12 松 井 妙 子 訪 問 看 護 職 の チ ー ム 活 動 の 実 践を 測 定 する尺 度 チ ーム 活 動 の 実 践 訪 問 看護 事 業所 の 看護 職 開発 ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 9 6 .下 位 因 子 別 0. 8 9~ 0. 92 .再 テ ス ト なし 因子 妥 当性 の検 証 ( 主 因子 法 ,プ ロ マ ッ ク ス 回 転 ) , 基 準 関連妥 当 性 は 未 実 施 チ ーム 活 動 在 宅 高 齢 者 が そ の 人 らし い 人 生 を 完 成 さ せる と い う 共 通 目 標 を 達 成 す るた め に 他 職 種 と 協 力 し て 働 くこ と 5 「緩 和 ケ ア に 関す る 地 域 連 携 評 価 尺 度 」の 開 発 20 13 森 田 達 也 , 井 村 千 鶴 緩 和 ケ ア に 関 する 地 域 連 携 評 価尺 度 がん 緩 和 ケ ア に 関 す る地 域 の 医 療 福 祉 従 事 者 間の 連 携 医 療 福 祉 従事 者 ( 病 院 医師 , 診 療 所 医 師, 病 院 看護 師, 訪 問 看護 師, 病 院 薬 剤 師, 保 険 薬 局 薬 剤 師, 介 護 支 援 専 門 員 ,そ の 他 ) 開発 ク ロ ン バ ッ クα 係 数 ( 全 体 ,下 位 尺 度 ) 0. 8 6以 上 .再 テ スト あ り ,級 内 相 関 係 数 0.7 8 因子 妥 当性 ( プ ロ マ ッ ク ス 回 転 ,ス ク リ ー プ ロッ ト) ,併 存 的 妥 当 性 ( 他 尺 度 ) ,基 準 関 連 妥 当 性( 地 域 連 携 の 全 体 的 評 価 ) , 既 知 集団 妥 当性 ( 研 修 会 参 加 回 数 等) 記 載 なし 連携 lin ka ge 6 「 医 療 介 護 福 祉の 地 域 連 携 尺 度 」の 開 発 20 14 阿 部 泰 之 , 森 田 達 也 医 療 介 護 福 祉の 地 域 連 携尺 度 地 域 に お ける 医 療 介 護 福 祉 の 連 携 の 良さ 病 院 , 診 療 所 ,保 険 調 剤 薬 局 , 訪 問 看 護 , 地 域包括 支 援 セ ン タ ー ,介 護 系 施 設 (医 師, 看護 師, 薬 剤 師, 医 療 ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー ,介 護 支 援 専 門 員 , 介護 福 祉 士 ,ヘ ル パ ー ,介護 員 ,そ の 他) 開発 (元尺 度の 改 変 ) ク ロ ン バ ッ クα 係 数 ( 全 体 ,下 位 尺 度 ) 0. 8 6以 上 .再 テ スト あ り ,級 内 相 関 係 数 0.7 9 因子 妥 当性 ( プ ロ マ ッ ク ス 回転 ) ,併 存的 妥 当 性 ( 他 尺 度 ) , 基 準 関連妥 当 性 ( 地 域 連 携 の 全 体 的評 価) , 既 知 集 団 妥 当性 ( 研 修会 参 加 回 数 等) 記 載 なし 7 R el ati on al c oo rd in ati on尺 度 日 本 語 版 の 信 頼 性・ 妥 当 性 の 検討 20 14 成 瀬 昂 , 阪 井 万 裕 , 永 田 智 子 R el ati on al co ord in at io n 尺 度 日 本 語 版 (J-R C S ) 地 域 の専 門 職 間 の チ ー ムワ ー ク 予 備 調 査 ( 訪 問 看護 師, 病 院 医 師, 診 療 所 医 師 , 居 宅 介 護 支 援 専 門 員 ,介 護福 祉 士 ,保健 師 ) 信 頼 性 ・ 妥 当 性 検 証 の た め の 調 査( 訪 問 看 護 師) 開発 (元尺 度の 改 変 ) ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 77 0~ 0. 8 5 9, 再 テ ス ト あ り ,級 内 相 関 係 数 0. 67 3~ 0. 830 因子 妥 当性 ( 共 分 散 構 造 分 析 ,各 職 種別 G FI, C FI, R M S E A 算 出 .許容 基 準 適 合 は 主 治 医 の み ) ,併 存 的 妥 当 性 (他 尺 度 ) 連携 チ ーム ワ ー ク の 結 果 ,チ ーム 構 成 員 が 一 緒 に 何 ら かの 行 為 を 行 う こ と ,も し く は そ の 行 為 を行 う 過 程 8 「 在 宅 医 療 介 護 従 事 者 にお け る 顔 の 見 える 関 係 評 価 尺 度 」 の 適 切性 の 検 討 20 14 福 井 小 紀 子 在 宅 医 療 介 護 従事 者 に お ける 顔 の 見 える 関 係 評 価 尺 度 在 宅 療 養 者 に 関 わる 医 療 介護職 か ら み た 地 域 に お ける 他 職 種 と の 顔 の 見 える 関 係 構 築 の よさ 在宅 医 療 介 護 に 携 わ る 在宅 医 , 訪 問 看護 師, ケ ア マ ネ ジ ャ ー ,介 護 職 ( 社 会 福 祉 士, 介 護 福 祉 士, ヘ ル パ ー 1 級 及 び ヘ ルパ ー 2 級 ) , 薬 剤 師 開発 (元尺 度の 改 変 ) ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 92 以 上 ,再 テ ス ト あ り ,級 内 相 関 係 数 0.7 5 因子 妥 当性 ( プ ロ マ ッ ク ス 回 転 ) ,併 存 的 妥 当 性 ( 会 議 参 加 回 数 等 ) , 基 準 関連妥 当 性 ( 他 尺 度 等 ) ,既 知 集 団 妥 当 性( 研 修 会 参 加 ) 記 載 なし 多 職 種 連携 lin ka ge 9 在 宅 ケ ア に お け る 医 療 ・介 護 職 の 多 職 種 連 携 行 動 尺 度の 開発 20 15 藤 田 淳 子 , 福 井 小 紀 子 , 池 崎 澄 江 在 宅 ケ ア に お ける 医 療 ・ 介護職 の 多 職 種 連 携 行 動尺 度 在 宅 ケ ア に お ける 医 療 職 と 介護職 を 含 め た 多 職 種 に よる 連 携 行動 病 院 ・ 診 療 所 , 調 剤 薬 局 , 訪 問 看 護 , 居宅 介 護 支 援 事 業 所, 訪 問 介 護 事 業 所, 地 域 包 括 支 援セ ン タ ー ( 医 師 ,看 護 師 , 薬 剤 師介護 支 援 専 門 員 , 訪 問 介 護 従 事 者) 開発 ク ロ ン バ ッ クα 係 数 0. 9 4,下 位 尺 度 各 0. 8以 上 .再 テ スト あ り ,尺 度 全 体 の 相 関 0. 91 ,各 尺 度 相 関 0. 8 8~ 0. 9 6 因子 妥 当性 ( 主 因子 法 ,プ ロ マ ッ ク ス 回 転 ,ス ク リ ー プ ロ ッ ト ) ,併 存 的 妥 当 性 ( 他 尺 度 ) 多 職 種 連 携 行動 在 宅 ケア 利 用 者 へ の ケア を 目 的 と し た ,他 職種 と 連携 を とる 際 の 具 体 的 行 動 連携 c oo rd in at io n f ul l i nt er gr at io n 10 ケ ア・ カ フ ェ が 地 域 連 携 に 与 え る 影 響- 混 合 研 究 法 を 用い て- 20 15 阿 部 泰 之 , 堀 籠 淳 之 , 内 島 み の り , 森 田 達 也 医 療 介 護 福 祉の 地 域 連 携尺 度 医 療 介 護 福 祉従 事 者 間 の 連 携 に 関 する 変 化 ケ ア ・ カ フ ェ 参 加者 (診 療 所 医 師 , 訪 問 看護 師, 保 険 薬 局 薬 剤 師, ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー ,介 護 支 援 専 門 員 ,ヘ ル パ ー ,そ の 他 ) 使 用 信 頼 性 と 妥 当 性 が 確 認さ れ てい る あ り 記 載 なし 連携 lin ka ge 11 医 療 機 関 に お け るソ ー シ ャ ル ワー ク 部 門 の 構 造 と 地 域 連 携 行 動 に 関 す る研 究 ( 公 社 )日 本 医 療 社 会 福 祉 協 会 会員 調 査 より 20 15 榊 原 次 郎 , 早 坂 由 美 子 , 岡 村 紀 宏 連 携 活 動 評 価尺 度 地 域 連 携 行動 ( 保 健 医 療福 祉職 に お ける 連 携 ) 医 療 ソ ー シ ャル ワ ー カ ー 使 用 信 頼 性 お よ び 妥 当 性 につ い て は 各 々 の相 関 係 数が 0. 3 07 ~ 0. 5 3 5と 比 較 的 高 く ,尺 度 全 体 の ク ロ ン バ ッ クの 信 頼 性 係 数 が 0. 81 3と 高 い結果 が 得 ら れ て い る あ り 記 載 なし

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の連携に整理し,連携を「チームワークの結果,チー ム構成員が一緒に何らかの行為を行うこと,もしくは その行為を行う過程」とした.2文献はチームアプロー チ,チーム活動を定義していた. (2)概念枠組み  連携または多職種連携の概念枠組みとして,linkage, coordination,full integration の3区分による分類 を引用した文献が4文献見られた.いずれも Leutz (1999),宮島(2012)の概念枠組みを引用していた. 内訳は多職種連携の説明が1文献,連携の説明が3文 献であった.3区分を,医療と介護の統合レベル,連 携のレベル,また連携(integration)の水準や強度の 区分とするものがあり,文献により3区分の捉え方は 様々であった.  概念枠組みの1区分である linkage を測定する文献 は3文献であった.  また linkage の説明には,「集約もコーディネーショ ン機能も明確にはされていないが,地域のどこで何が 行われているかについての認識が共有されている「緩 やかな連携」(linkage)」(森田と井村,2013)の他,「患 者の退院時に病院から診療所医師への情報提供や,ケ アマネジャーによる日常的な複数事業者間でのサービ ス調整等の「linkage(つながり,連携)レベル」」(福井, 2014),「第1段階:ニーズがある人を必要なサービス へつなげる「Linkage」」(藤田ら,2015)が見られた.

Ⅳ.考察

1.他機関との多職種連携を測定する尺度  今回,尺度を用いて連携を測定した 22 文献の中か ら他機関を連携対象に含む 11 文献を検討した結果, 8文献が 2012 年以降に発表されていることから近年 急速に他機関との連携が求められ,その評価のための 尺度開発の必要性が伺える.また今回のレビュー文献 に使用されていた8つの尺度は尺度の信頼性・妥当性 の記載があり,他機関との連携を測定しうる尺度と考 えられる.一方,在宅医療・介護の現場では地域の医 療機関,訪問看護,居宅介護支援事業所,介護サービ ス事業所など様々な機関の多職種が1人の対象者に関 わるため,他機関・多職種間の連携の実態を測定する 尺度が必要であると考える.森田と井村(2013),福 井(2014)は,カナダで行われた系統的レビューでは 同時に多職種が地域で関わる場合の連携を評価する手 段は今のところない現状から,多職種連携の尺度を開 発している.また成瀬(2015)は,連携の定義や連携 に関する議論は多くの分野で発展過程にあるとした上 で,地域医療介護福祉分野,特に在宅の場合における 連携しやすい関係性を測定しうる尺度として3つの心 理尺度を記述している.今回の文献レビューでは,他 機関との連携を測定しうる尺度のうち,疾患を限定せ ずに複数職種で使用可能な尺度として,梶井ら(2010), 阿部と森田(2014)および阿部ら(2015),成瀬ら(2014), 福井(2014),藤田ら(2015)の5つの尺度を確認した. これら5つの尺度は,尺度の信頼性・妥当性の記載が あること,複数機関に対する測定が可能であること, また複数職種に対する測定が可能でいずれの尺度も4 職種以上が測定可能であることから,他機関との多職 種連携を測定しうる尺度と考えられる.5つの尺度が 測定する事象は多様であるが,医療介護連携,多職種 連携の取組が強化されている日本国内では現在,多職 種連携が現場で急速に取り組まれており,今後も尺度 の使用とともに尺度開発も進むと考えられる. 2.多職種連携の定義の現状  今回,尺度を使用する文献では多職種連携がどの ように定義されているか整理したところ,レビュー 文献では多職種連携を一文章で明瞭に定義した文献 は見られない反面,多職種連携,連携の概念枠組みに linkage,coordination,full integration の3区分を引 用する文献が 11 文献中に4文献見られた.3区分に ついて,Leutz が行った医療と介護の統合実現のため の実務的戦略講演を訳した池上(2004)は連携,協 調,完全統合を「統合の3つのレベル」とし,筒井 (2014)は integration の強度を考える際には linkage (連携),coordination(協調),full integration(完全 な統合)の区分が参考になるとしている.これら文献 より linkage,coordination,full integration の3区分 は医療と介護のサービス提供体制の統合の区分と考 えられたが,成木(2016)は連携と統合について国 際的な動きとして 1999 年以来,統合の中に linkage, coordination,full integration が含まれるとしている coordination の用い方と国内での用い方が統一されて いない状況が生じていると,日本での連携と統合の捉 え方は統一していない現状を示唆し,今回のレビュー 文献においても3区分を連携の区分とする文献,また linkage の説明内容に異なりも見られることから,多 職種による連携の定義は混在している現状が伺える. また尺度が測定する事象も多様であることからも,多 職種連携の捉え方の多様さが伺える.  現在,多職種連携の捉え方は日本国内で統一してい ないため,多職種連携を尺度を用いて測定する際には, 調査者が多職種連携の定義を明確にしておくことが重

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要と考える. 3.本文献レビューの限界  今回,1つの文献検索データベースのみを用いてお り,対象となる全ての文献・尺度は網羅出来ていない こと,連携,多職種連携の定義も未把握の文献に記載 されている可能性が考えられる.また本文献レビュー においても近年急速に多職種連携を測定する尺度に関 する文献が発表されていたことから,今後も文献検索 を続ける必要がある.

Ⅴ.結論

 在宅医療・介護の現場では,様々な機関の多職種が 1人の対象者に関わるため,他機関・多職種間の連携 の実態を測定する尺度が必要であると考える.今回の 文献レビューでは他機関との連携を測定しうる尺度の うち,疾患を限定せずに複数職種で使用可能な尺度と して5つの尺度を確認した.これら5つの尺度は,他 機関との多職種連携を測定しうる尺度と考えられる. 5つの尺度は連携行動,連携の良さ,顔の見える関係 構築の良さ,専門職間のチームワーク,チームアプロー チによるケアの質と,多様な事象を測定する.  現在,多職種連携の捉え方は日本国内で統一してい ないため,多職種連携を尺度を用いて測定する際には, 調査者が多職種連携の定義を明確にしておくことが重 要と考える.

文献

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参照

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