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OS教育支援における可視化環境の実現

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Academic year: 2021

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(1)1C-4. 情報処理学会第66回全国大会. OS 教育支援における可視化環境の実現 西野洋介† 大角圭吾‡ 早川栄一‡ †拓殖大学大学院 工学研究科 ‡拓殖大学 工学部 1.はじめに. 情報工学科. 4.コースウェア. 情報工学を学習する学生にとって,システムソフトウェアに. 次に本環境を使用した講義計画の一例に図1に示す. 概念の講. ついて,その動作を学習し,理解することは重要である.情報工. 義からソースコードを触る実践学習まで一連した講義を支援す. 学のカリキュラムにおいても, コアカリキュラムとして必須項目. ることができる.. となっている[1].この分野は計算機の根幹であり,その技術者. 講義の流れ. 学習者. 概念. の育成は重要な課題である.現在,こういった問題を解決するた. 本環境. 直感的な理解. 概念の可視化. 講義. めに,様々な学習環境の研究・開発が進められている[2][3]. これらの背景の中で,我々はシステムソフトウェア教育支援. 教授者 デモツール として 使用. 実 際 に 使 用 して みる. 練習問題. 環境の開発プロジェクト「港」[4][5][6][7]を進めている. 「港」. 練習問題を表示. 粒度を変えた可 視 化 を試 してみ る. はシステムソフトウェアの統合的な教育支援環境であり,OS,. 粒度を変えた可視化. 演習問題を解く. 演習課題を提示. ソー スコー ドとOS の動きを対応付 ける. 演習. リアルタイムシステム, プロセッサの三つの部分から構成されて. VM に よる可 視 化. いる.これまで,我々は可視化を中心とした「港」における各部 発展. 分の開発を進めている.. 実 ハ ー ドウ ェア、 ロ ボ ットの 可 視 化 実装. この開発の中で,各部分の関連付けに問題があることが明ら. 図 1.コースウェア. かになった.現在の支援環境の構成では,システムソフトウェア において重要となる相互関係が見えにくく, 視点を変えた可視化. 5.全体構成. が行いにくい.また,可視化部分を再利用することが難しく,教. 3.要求仕様で述べた設計方針を基に,全体設計を行った.次. 育支援環境として教授者が教材を作成し, 多様な可視化環境を学. に,本教育支援環境の全体構成を図2に示し,各部の詳細な設計. 習者に提供することが困難である.. について次に述べる.. 本研究の目的は, 「港」におけるOS 部分の可視化環境の開発. 本教育支援環境では,要求仕様で述べた学習項目に応じた可. である.上述した各部品間での相関性および、部品の再利用性の. 視化環境を実現するために MVC(Model-View-Control)モデル. 問題点を解決する。これにより、教授者の演習環境構築の手間を. を基とした 3 部分から構成されている.この全体構成において. 減らすことができる。. は,可視化の対象となるモデルをプラガブルにしている.その際 にはコントローラおよび可視化部には変更を加えずに差し替え. 2.問題分析. 可能となっている.各部の詳細設計を次に示す.. OS の学習,教育に対して,従来型学習方法の問題点を次に挙. S im u lato r B ase M o d e l. T ask M an age M od el. げる.. M em ory M an a g e M od el. (1)演習環境の構築に手間がかかる. I/O M an ag e M od el. (2)学習項目における視点が固定である. V M B as e M o de l ap p lic atio ns. app lic atio ns. (3)OS 学習の初学者への教育支援環境が少ない. T arget O S 命令実行. (4)視覚的な教育支援を行う環境がない. W eb. Flash. Java A p p. 可視化. Sta b. 可視化命令検知. VM M o nito r. 通信 FP G A B as e M od e l. 3.要求仕様. app lic atio ns. 前述の問題点を解決するために,教育支援環境の要求仕様を. ap p lic atio ns. T arget O S 命令実行. 次のように定めた.. V isu alization C o m p one nts M a na ger U se r M onitor In terfac e. Sta b. 可視化命令検知. F P G A o r R o bo t M o nito r. (1)学習項目に応じた演習環境が容易に構築できること. C o n tro ller. 図 2.全体構成図. (2)ある学習項目に対する視点の粒度を変更できること (3)概念に重点をおいた教育支援ができること. V isu alizatio n C o m p o n en t. 5.1モデル設計 可視化対象となるモデルは 3 部で構成されている.このよう. (4)視覚的な教育支援ができること (5)動的な状態遷移を追えること. に 3 部形態をとることで,教授者は用途や学習者の理解に応じ. Implementation of visualization environment in OS education support. た演習環境, デモンストレーションツールを容易に準備すること. Yosuke Nishino Keigo Osumi Eiichi Hayakawa. がき,手間を減らすことができる.. Faculty of Engineering, Takushoku university. 4−347.

(2) シミュレータベースモデル. おける可視化環境の有用性および, 学習項目に応じた可変的な構. シミュレータベースの可視化対象モデルは OS の機能を概念. 造をもつ可視化環境の有用性の確認である.以下の例では,タス. の学習に適した抽象化を行い, その動きを可視化されるモジュー. クスケジューリングの可視化について以前に作成した物と, コン. ルである.. ポーネントを利用して作ったものの比較である.次の表 2 にま. 仮想マシンベースモデル. とめる. 表 2.コンポーネント使用前と使用後の比較. 仮想マシンをベースとした可視化対象モデルは, 実際のカーネ ル(学習対象 OS)を仮想マシン上で動作させ,その動作の様子 を可視化するものである. FPGA ベースモデル FPGA をベースとした可視化対象モデルは VM ベースと同様. コンポーネント不使用. コンポーネント利用. 工程日数. 約 3 か月. 約 1 週間. コード数. 約 1000 行. 約 100 行. 言語. C++. JAVA. に,実際のカーネル(学習対象 OS)を FPGA によって実装さ. これらの結果から, 大枠での手間の削減につながっていることが. れたオリジナルプロセッサ上で動作させ, その動作の様子を可視. 言える.試作画面を次の図 3 に示す.. 化するものである. すでに先行研究として実装されているプロセ ッサ[3]を利用する.. 5.2可視化コンポーネント設計 5.2.1可視化の方針 可視化を行う際の方針として,配色に工夫をつけた.OS の各 状態や状態遷移を赤, 緑, 黄色の信号色を使って表現することで, 学習者の直感的な理解を得るものである.具体的には,タスク管 理において,実行中のタスクは緑,実行待ちのタスクは黄色,停 止中のタスクは赤で表すといったものである. 5.2.2可視化コンポーネント 可視化を行う可視化コンポーネントはシミュレータベースモ デルおよび仮想マシンベースモデル各モデルの状態遷移のデー タを受け取り,可視化データに変換するものである.図 3.全体 構成で述べたように, 可視化コンポーネントにおいて可視化され. 図 3.実現画面. 6.おわりに. た情報は,Web,Flash,Java と多様な出力形態を持つ.これ. 本報告では,システムソフトウェア教育支援環境「港」の概. は、環境にとらわれず、様々な出力において可視化できるように. 要と, 「港」の一環である,OS 教育支援環境の可視化の設計に. 構成されたものである.これにより,教授者はその学習環境に応. ついて述べた.本研究を通して OS の教育を視覚的に支援する環. じて出力するアプリケーションを選択すればよいことになる.. 境を実現し,これにより学習者の理解の促進および,教授者の講. 可視化コンポーネントは OS のハードウェア資源, ソフトウェア. 義, 演習における教材開発の手間を削減することができるように. 資源両者の組み合わせによって,構成されるものとする.各資源. なった.今後は本環境のシステムとしての評価および,可視化を. については同様に,粒度を設け,表示,非表示を選択することが. 用いた OS 教育支援の教育効果の評価を行う.. できる.これは,すべての情報を一度に可視化してしまうと,学. 参考文献. 習者はその情報の多さに注目すべき点を見落とし, 余計な混乱を 招く恐れがあるからである.. [2] 末吉、久我、柴村: “KITE マイクロプロセッサによる計算機工学教育. 次にコンポーネントの一覧を示す.. 支援システム”電子情報通信学会論文誌D-1 Vol.J84-D-I No.6 2001. 表 1.可視化コンポーネントの一覧 粒度大. [3] 美馬、田中、佐藤、有田: “計算機教育向けシステムKERNEL1 の設 計”第64 回情報処理学会全国大会 1ZB-02 2002. 粒度小. 可視化コンポー タスク,アドレス空間, プロセッサ,メモ ネントの種類. ファイル, タスクスケジ リ,キーボード,デ ューリング, タスクの状 ィスプレイコンテ 態,仮想メモリ,ファイ クストスイッチ,排 ルシステム,割り込み. [1] 社団法人情報処理学会:大学の理工系学部情報系学科のための コン ピュータサイエンス教育カリキュラム J97. 他制御. 5.3実現 前述した設計から,試作を行った.試作の目的は OS 教育に. [4] 吉田、早川:“ロボットプログラミング学習支援環境の開 発”FIT2003,N-026 2003 [5] 横山、早川: “自走ロボットを利用したリアルタイムシステムの学習 支援環境の開発” 電子情報通信学会 教育工学研究会 2002 [6] 下川、西野、早川: “システムソフトウェア教育支援環境「港」にお ける FPGA を利用した演習環境の開発”電子情報通信学会教育工学研究 会2003 [7] 米田、早川: “体験学習モデルによるOS の学習システム”情報処理学 会コンピュータと教育研究会,2002-CE-67 2003. 4−348.

(3)

参照

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