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星のふるさと
教科・領域教育専攻 芸術系(美術)コース 竹 谷 知 佳 子 作品の要旨 1.はじめに 筆者は、幼い頃から山や森に行く機会が 多かった。そこに行くと、動物や植物では ない何かがいる気配がしていた。木と木の 聞から何かが覗いていたり、薮の陰からこ ちらをうかがう目を感じた。また、その気 配をそれぞれのものに宿る神秘的な妖精の ような生き物としてみていた。森や山に限 らず、昼間の森の中や、夜の森、草むらや 色とりどりの鉱物、夜空の大きな空間、降 ってきそうな星々を見ていると、自然に対 する感動と、少し不気味であるが目が離せ ない感覚を覚える。このような体験から、 星空や植物などの自然物からイメージを得 て、目に見えなかった気配を表現しようと 考えている。I
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材料と技法 これまでは、パネルに油彩のみで描く手 法をとってきた。油絵の具を筆で薄くのば し、指や筆などでたたき込むようにのせる。 この行程を繰り返し、絵の具を何層も重ね ることにより、下にのっている地の色が透 け、複雑に透過した色が現れる。色に深み が増し、単純な色面にならないような効果 を用いて制作していた。また、同時に行っ ていた鉛筆や墨でのドローイングで得られ 指 導 教 員 鈴 木 久 人 た重厚感のある質感やにじみが、筆者の表 現したい自然の姿や世界観に合っていた。 修了制作では、より筆者の表現したい世界 観になるように、これまでの油彩に加えて 鉛筆と墨を用いて制作を行うことにした。 支持体には、パネルに白亜地を施し、そ の上から薄い和紙を貼ったものを使ってい る。パネルに白亜地のみや麻布に描くこと も試みた。しかし、パネルに白亜地のみの ものは画面が滑らかすぎて鉛筆ののりが悪 い。また、麻布は繊維の目が組すぎて細か な描き込みが難しく、鉛筆で表現する部分 には不向きなものだ、った。和紙は、麻布よ り毛羽立ちがなく、ほどよい繊維の凹凸が ある。パネルに和紙を貼ることによって、 平滑なパネルの画面に和紙の細かな繊維が のる。ざらざらとした細かなマチエールを 作ることで、鉛筆ののりや定着がよくなる。 また、白亜地で目止めを施しであるので、 油彩も併用することができる。 墨を用いて画面に濃淡をつけ、有色下地 にするとともに、墨特有のにじみや掠れを 作り出す。金色の顔料を用いて、部分的に 金箔地のような面を作る。その上に鉛筆や 墨で部分的に描き込んでいく。鉛筆や墨の 濃淡で地の金色が透けることで、かすかに 輝く神秘的な効果を持たせるようにしてい る。部分的に油彩を用いて色面を作る。色- 372 - - 371 - 味が浮いて見えないように、適宜薄く溶い た油絵の具でグレーズすることで、画面上 が一つの世界にまとまるような空気感を持 たせる。