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<論文>非決定的な問題状況の構造化とソフトシステム方法論 利用統計を見る

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ム方法論

著者

松行 康夫

著者別名

Matsuyuki Yasuo

雑誌名

経営論集

49

ページ

169-182

発行年

1999-03-31

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005597/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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経営論集 第49号(1999 年3 月 )

非 決定 的 な問題状況 の構 造化 と ソフ トシ ステ ム方 法論

松 行 康 夫

1 。は じめに2. 近 代科学 の特徴 と限界3. システ マティ ック・シ ステ ムとシ ステ ミ ック・ シス テ ム4. ハ ードシス テ ム方 法論とそ の限 界5. ソフト シス テ ム方 法論 におけ る 問題 の認 識と 構造化6. 学 習プロセ スとして の7 段階 モ デル7. お わりに 169 1 . は じ め に ]。7世紀 の ガ リ レ オ・デ カルト ・ニ ュー}■ンら の還 元 主義 的 機 械論 科学 は 、そ の後 、 物質 科学 のめ ざ ま しい 発展 を 導 き、18 世 紀に始 ま る産 業 革命を 誘 起 し、 アダ ム ス ミス の自 由主義 経 済理 論を 台頭 さ せ た。 そ し て 、19世紀 後半 には 、効 率重 視 の科学 化運 動 が生 起 し、 産 業 界 の経営 環境 が 大き く変 化し た。 効 率 主義 は 、 シ ス テマテ ィ ッ クな 思想を 必 要 とす る。 科 学 もま た、 シ ステ マ テ ィッ クな 論 理過 程を とる。 テ ーラ ーの科 学的管 理法 な どに見 ら れる 効率 重 視 の経 営管 理 思想 は 、20世紀 に 入り、IE 、統 計的 品 質 管理 、OR 、 シ ステ ム工 学に 加 え、 コンピ ュ ータ科 学 ・情報 科 学 な どを 関 連さ せ て 、 そ れらは 経 営 科学 と総 称 されて発 展す る。1950 年代 か ら1960年 代 に かけて 、こ の経 営科 学は 急速 な 発 展を 見 せ るが 、経 営問 題 の狭 い範 囲を 対 象 とし、 科 学的 な 方 法 と量 的な 手法を 手 際 よく当 ては め て 解 くこ とを 前提 として い た。 しか し、 こ の ような 実証 主 義 に も とづ く量的 な ハ ードシ ステ ム方 法 論(hardsystemmethod ) は、1970年 代 から1980年 代に かけ て、 シ ステ ム論を 研 究し ようとす る 人 だちか ら 、 批 判を受 け る ように なって き た1)。そ の結果 、経営 科 学 の なかに も、シス テマ テ ィ ックな還 元 主義 的 機 械論 科学 を 代替 す る ソフト シス テ ム思考 が 生 ま れ、 イ ギ リスをは じ め欧州を 中 心 とし て ソフ ト シ ス テ ム方 法 論 (softsystemmethod:SSM) が生 成 し、 新しい 展 開が始 まって い る。 本 論 では 、 まず 、 近 代科 学 の特 徴 と限 界を 踏 まえ て、 こ れ ま での ハ ード シ ステ ム思考に 依拠 して き た経営 科学 の持 つ ハ ードシ ステ ム方法 論 として の特 徴 と 限 界が 指摘 され る。 つぎ に、 そ れを 脱構 築し ようとす る ソフ ト シ ステ ム思考(softsystemthinking ) の うち、現 状で は 部分 的 であ るこ とは 否 め ない とし て も、 非 決定 的 な問題 状況を 構 造化 し よ うとす る新 し い パ ラダ イ ムに 従 うソ フト シス

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テ ム方法 論 の本質 ・ 手法 ・可 能性 な どについ て 、 と くに、 学 習 プ ロ セス の観点 を中 心に し て 検討 と 考察 が加 え ら れ る。 2 . 近 代 科 学 の 特 徴 と 限 界17 世紀 の 物理 学 者 ガ リレ オは、 科学 的実 験と 数学 的 描 写を 重 視 して 研究し 、 さ まざ ま な成果 を 上 げ た が、そ れは 、彼 の 有名 な“自然 の真理 は数学 的 事 実に あ る ”とい う言辞 から も明ら か であ る2)。ま た、同 時 代 のデ カル ト・ ニ ュ ート ンら も、 この 思 想に 従い 、 そ れは20世 紀に 到 る まで、 多 く の科 学 者 の思想 を 支配 す る までに な った。 そ の後、 こ の 思想 は、 タ ーンに よって科 学 革命 と して 総括 さ れ、 ひ ろ く知 ら れ るこ とに な った3)。 チ ェ ッ クラ ンド は、 科学 が満 たす べ き条件 を 、 ①要 素還 元 主義 (Reductionism)、 ② 反 復 可 能 性 (Repeatability)、③反 証可 能性(Refutation) の3R として 要 約 してい る4)。科 学 の立場 から物 事 の 本 質を 確実 に 把握 す るために は 、あ る 複雑な 現 象や 事物 を 要 素に 分 割し、 何度 も仮説 を 立 てて反 復 的に 実験 を 繰 り返 し 、そ れ ら の結果を 確 認し な がら 仮説 を 検証 ・修 正し てい く。 そ の場 合、 立 てら れ た理論 が、 科学 的 であ る か ど うか ぱ、 検証 可能 性 で はな く 、反 証 可能性 の基 準で判 断 す る。 現 代 の科 学者 ・技術 者 は 、疑 い もな く、 こ の ような前 提 に基 づ い て問 題を 解 決し てい る。 今 日 の科 学技 術 の 発展 も、 この科学 的方 法に 依拠 し てき た こ と も事実 であ る。 伝統 的 な物 理学 ・ 化学 な どに 見 られ る ように 、 上述 し た3 要素 が理 想 的に 成 立 す る科学 の 領域は 、 パ ソテ ィ ソに よれ ば限定 科 学(restrictedscience) とも 呼ば れてい る5)。そ れ は、 あ る限定 され た範 囲 内で 現象 を研 究 し、実 験 室 内 で よく設 計 され た還 元主 義的 実験 を す る こと が 可能 で あ り、 また 数学 的 に表 現 され た 仮説を 量 的 な測 定 に よっ て検 証す る こと もで き る。 量 的 な予 測 を広 範 囲に 精度 高 く行 お うと すれ ば、 失 敗す る 可 能性 も高 くな る。 した がっ て、 立て ら れ た仮 説 が、 厳 しい 検証基 準 を 満た すな らば 、 そ の仮説 に 関 す る信 頼性 も大き い といえ る。 こ のこ と は、 実 験 の条件 を 若干 修正 す るだけ で 、無 数 の 理 論 ・法 則な どを 作 り出 すこ と がで きる ことを 意 味す る。 た とえ、 そ こに 真理 が存 在 して い ると し て も、 そ れを 追 求 した こ とに はな らず 、そ れか らつ ねに あ る隔 た りを 持ち 続け る。 限 定科 学は 、 観 察 ・測 定 可能 な 因 果関 係 の明 らか な変 数だけ を 取 り上 げ て理 論 化を し ようとす る科 学 とい え る。 限 定科 学 には 、 こ の よ うな特 徴 と欠 陥が存 在 して い る。 反 面 、科 学 のな かで も生 物学 ・地 質学 な どの 非 限定 科学 (unrestrictedscience) の場 合、研 究 の 対象に な る現象 ・事 象 が、 あ ま りに も 複雑で あ る ため 、 厳密 に 統制 し た実験 を 設計 す るこ とが 、 き わめ て 困難 であ る。 また 、そ こでは 、 未知 の要 因 が観 察対 象 を 支配 して い る可 能性 が ままあ り、 要 素還 元主 義 的な 量 的 モデ ルを 構 築し 七測 定・ 予 測す るこ とは 困 難で あ る。 ガ リレ オを 祖 とす る現 代 科 学は 、 こ の よ 似こ大 きな 難点を 内包し てい る。

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非 決定 的な問題状況 の構造化と ソフト システ ム方法論 171 さ らに 、 ]。859年 、 進 化論 者 ダ ーウィ ンが、 著書 『種 の 起源 』を 刊行 して か ら、 科学 全 般 が生物学 的 分野 か ら の影響 を さ まざ まな形 で受け る こと となっ た。 生 物学 が研 究 の対 象と す る生 きてい る シ ステ ムとし て の生 物 に は、 伝 統的な 物理学 の 研究 手法 を適 用 す る こと はで き ない。 そ れ は、生 物が 流 れ のな かで 不可 逆 的に 変 化 をして い く複合 シ ステ ムであ る から で あ る。 こ の よ うな 生 きてい る シ ス テ ムであ る人 間 の行動 に よって営 まれ る経営 や 社会 につ い て も、 同様 の こ とが 当て は まる。 イギ リ スの 生物学 者 ウ ォデ ィン ト ソに よれば、一 般 的に 生物 学 的 分野 に 見ら れ る進 化 は、 非生 物学 的分 野に おい て も同 様 な 現象 が 観察 でき ると述 べて い る6)。 また、 伝統 的 な物 理 学 につ い ても、 これ までに 採用 され て きた 構造 固 定 の論 理 は、や は り大 きな 近 似 の結 果で あ っ た といえ る。 近年 、 ニ コリ スとプ リ ゴジ ンは 、 構造 的に 安 定し て い る システ ムは 存 在 しな い とい い、 散逸 構 造(dissipativestructure) の 進 化は 、 構 造 ・ 機 能 ・ ゆ ら ぎ (fluctuati-ons ) とい う自己 決定 の シ ー クエ ンスで ある こ とを 指 摘 して い る7)。 換 言 す れば、 シス テ ムは 構造 ・ 機能 ・ ゆら ぎ の三 極 構 造を 形成 して お り、 そ れ がシ ステ ムを 進 化 させ る ため の必 要 条件 であ る こと を 意味 す る。 この ことに つ い て、 さ ら に、 も う一 歩踏 み込 んでい えば 、 自然 に 存 在す る シ ステ ムは、 そ れを構 成 し てい る要 素 が、 時間 的 に限 りの ない ゆら ぎに よ り情報 を 相互 に 伝達 し て、 自己 を 維持 す る とと もに 、そ の ゆら ぎ のな か か ら 自己 超 越(self-transcendence) を し て 進む 特性 を 持 って い る ので あ る。 上述 か ら も、 生 きて い る システ ムで ある 人間 や、 そ れら から 構 成 さ れる 経営 を は じめ とす る社会 シス テ ムを 研 究 の対 象に す ると き、 限定 科 学で 用い ら れる 構造 固 定 の論 理を 、 そ の まま適用 す るこ と は正 し くな い。 生 き てい るシス テ ムが内 在し てい る代 謝作 用(metabolism) ・ 異化 作用(catabol-ism ) を通 じて 定常 状 態 (steadystate) を 維 持す る と当時 に 、そ れ とは 異な る構造 的 なゆ らぎを 通 じて 、均衡 と は 異な る一 時 的 に安 定な一 様 状態 を保 っ てい る8)。 こ の状 態 は、また 、システ ムが生存 し、 発展 し てい くた めの 必 要条件 を も成 して い るの であ る。 自 然 のシ ステ ムに お い て、 ミク ロの世 界 とマ クロ の世 界は 、 相互 関 連を し てい る。 生 きて い るシ ステ ムで あ る人 間に よっ て 構成さ れ る経営 や 社会 で は、そ れ を 構成 す る人 々が、 そ の組 織変 革を 求 めてつ ねに 努 力を 続け て い る。そ れら の こ とを 考え ると き、 要 素還 元主 義 的 な科 学 が求 め続け てい る理論 も、 ま た、 時 間 的に は 一定 では あ り得 ない。 科 学 が、 こ れ までに お い て採 択 して きた 還元主 義 的機 械論 パ ラ ダイ ムは、 科 学そ れ 自体 が未発 達な 時 代に お いて は、 大 きな成 果を 期 待す る こ とが で きた が、 科学 技 術 が 高度 に 進展 して い る現代 にあ っ ては 、そ の ような パ ラダイ ムは脱構 築 さ れな け れば なら ない 。

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3. シ ス テ マ テ ィ ッ ク ・ シ ス テ ム と シ ス テ ミ ッ ク ・ シ ス テ ム シ ス テ ム論 と は 、 そ の 背 後 に シ ス テ ム 概 念 と い う知 識 を 担 保 し て お り、 そ れ を 前 提 に し た 問 題 解 決 の た め の シ ス テ ム 論 的 方 法 で あ る 。 こ こ で 、 シ ス テ ム 論 的 方 法 と い う と き に の シ ス テ ムに は 、 シ ス テ マ テ ィ ッ ク(systematic ) と シ ス テ ミ ッ ク(systemic ) な2 つ の シ ス テ ム が 存 在 し て い る ご と に 注 意 す る 必 要 が あ る 。 前 者 の シ ス テ マ テ ィ ッ ク ・ シ ス テ ムと い うと き に は 、 還 元 主 義 的 ・ 機 械 論 的 な シ ス テ ム思 考 を 意 味 す る 。 チ ェ ッ タ ラ ソ ド の 表 現 を 借 り れ ば 、 シ ス テ マ テ ィ ッ タ な ハ ー ド シ ス テ ム論 と は 、 構 造 化 さ れ た 問 題 を 対 象 と し 、そ の 目的 と 手 段 の 関 係を 対 応 さ せ る 二 分 法 的 思 考 を い う9)。 そ の た め 、そ こ で の モ デ ル ぱ 、 刺 激 一 反 応 系 の 因 果 律 に 依 拠 し た 数 学 的 形 式 を 重 視 す る 。 こ の こ と は 、 ま さ に 、 シ ス テ マ テ ィ ッ ク ・ シ ス テ ム論 が 、 還 元 主 義 的 機 械 論 科 学 の 典 型 で あ る こ と を 示 し て い る10)。 わ れ わ れ が 、 生 き て い る シ ス テ ム と し て の 人 間 が 集 合 し て 営 む 経 営 や 社 会 シ ス テ ムな ど の 複 雑 シ ス テ ムを 研 究 対 象 と す る と き 、 ハ ード シ ス テ ム思 考 に は 、 さ ま ざ ま な 問 題 が 立 ち は だ か る 。 一 方 、 後 者 の シ ス テ ミ ッ ク ・ シ ス テ ムと い う と き に は 、 そ の 対 象 が シ ス テ ミ シ テ ィ(systemici-ty ) を 持 つ こ と を 意 味 す る 。 こ の 術 語 は 、 こ れ ま で 、 主 と し て 生 物 学 ・ 医 学 な ど で 用 い ら れ て き て お り 、 あ る 状 態 が 身 体 全 体 に 広 が っ て い る 場 合 に 、 シ ス テ ミ ッ ク な 状 態 で あ る と し て 表 現 さ れ て き た 。○xfordDictionaryofCurrentEnglishf こ よ っ て も 、“ 身 体 を 全 体 と し て 見 た と き 、そ の シ ス プT ム の (ofthebodilysystemasawhole)" と い う 狭 義 の 説 明 の み で あ る。 チ ェ ッ ク ラ ン ド も 、 こ の 術 語 の 意 味 と し て 、“全 体 と し て の シ ス テ ム の、 ま た は 、 全 体 と し て の シ ス テ ム に か ん す る(oforconcerningasystemasawhole )" と い う、 広 義 の 解 釈 を す る こ と を 勧 め て い る11)。 チ ェ ッ ク ラ ン ド に よ れ ば 、 シ ス テ ミ シ テ ィを 構 成 す る た め の 要 素 と し て 、 ① 創 発 特 性 (emergentproperty )・ ② 階 層 構 造(hierarchicalstructure )・ ③ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ ④ コ ン ト ロ ー ル の4 要 素 を 指 摘 し て い る12)。 こ こ で 、 ① の 創 発 (emergence ) と は 、全 実 在 に は 、 全 体 に 対 し て の み 意 味 が あ り、 そ れ の 部 分 に 対 し て は 意 味 を 持 た な い よ う な 性 質 を い う 。 こ の 性 質 は 、 個 々 の 要 素 の 活 動 お よ び そ れ の 構 造 か ら 生 じ る の で は あ る が 、 個 々 の 活 動 と 構 造 に は 還 元 で き な い 。 ま た 、 創 発 と い う 特 性 の 背 後 に は 、 ② に い う階 層 構 造 と い う 層 を 形 成 し て い る と す る 見 方 が 隠 さ れ て い る 。 生 物 学 的 な 生 き て い る シ ス テ ム の 階 層 構 造 に は 、 原 子 ・ 分 子 ・ 細 胞 ・ 器 官 ・ 有 機 体 と い う よ う な 層 が 存 在 し 、 そ れ ぞ れ に 創 発 特 性 を 見 る こ と が で き る。 シ ス テ ム 概 念 に は 、 上 述 の よ う に 、 創 発 性 と 階 層 性 が あ る が 、 そ れ が 生 き て い る 、 あ る い は 、 生 存 し て い る こ と を 示 す2 つ の 概 念 で あ る ③ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と ④ コ ン ト ロ ー ル の プ ロ セ ス が 備 わ れ ば 、 変 化 す る 環 境 の な か で も 生 存 す る こ と が 可 能 で あ る 。 す な わ ち 、 シ ス テ ムは 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と コ ン ト ロ ール を す る こ と で 、 そ の 環 境 か ら 受 け る 衝 撃 に 対 し て 全 体 と し て 適 応 で き る 、 と チ ェ ッ ク ラ ン ド は 考 え る 。

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非決定 的な問 題状況 の構 造化と ソフトシステ ム方 法論 173 し かし、こ れら に加 えて、学習(learning)")・ 自己 組織 化(self-organizing)")な どの 概念 も、さら に 、 そ れ らを 要 素に還 元し ては 意 味を 失 うこ とか ら、 シ ステ ミシ ティ の性質 を もつ も の と見 て よい。 こ れら の性 質 は、 生 きてい る シス テ ムが、 ゆら ぎ のな かか ら自己 超 越を して 進化 ・ 発展 を し てい く 性 質 を 備え て い るこ とから す れば了 解 で き るで あろ う。 4. ハ ー ド シ ス テ ム 方 法 論 と そ の 限 界 ハ ードシ ス テ ム方 法論 と は、先 述 し た よ うに、 合 理性を 基 礎に した シ ステ々 デ ィ ッ ク・ シ ステ ム 思 考に 裏 打 ち されてい る。 システ マ テ ィ ッ タな経 営 科学 の典型 とい え る伝 統的 な シ ステ ム工 学 (SE ) の場 合、 問題 解 決 のため の科 学的 方 法 とし て 、 つぎ の ような手 順を 踏 む。 す な わ ち。 ①問 題 の定義 を する。 ② 目標 の 選択 を し て、 評 価基 準を 明確化 す る。 ③代 替 案を 列 挙す る。 ④ 代 替案 を 評 価基 準と 照合 する。 ⑤代 替案 の選 択を す る。 ⑥最 良 の代替 案 の原 型を 実施 に 移 す。 ⑦本 シ ステ ムを実 施 する。 ⑧実 施 後 の成 果 を 評 価し、 改善 要求 を 明確化 す る。 ①で 、 問題 とい うのは、 一般 的に 、 対 象 とす る シ ステ ムの 現在の 状 態と望 まし い 状 態 との 差 のこ とを い うが 、 こ こでは 、そ れを 認識 し て 定義 す る。 し たが っ て、問 題を 解 決す る こ と とは 、 こ の差 を 小 さ くし てい くことを 意味し てい る。 ② は、 何を もって 、そ の差 が小 さ くな っ た かを 考 え る こと で あ る。 ③ は、 対 象を、 現 在 の状態 から 、 目標 に照 ら して 望 ましい 状態 に もっ てい く ため に 考え ら れ る 手段 と し ての代 替案 を、 こ とご と く 創 り出 す こ とであ る。 ④は 、 ②で 規定 し た 評価 基 準 に もと づ き、 ③で 創 り出し た 代替案 を 評価 す る。 ⑤ は、 代 替 案 のなか で、 最 も良い 評 価を 得 た ものを 選 択 す る。 ⑥で は、 選択 さ れた代 替案 の原型 を 作 り、 試 験を し て、 当初 の 目標に 合 致 し てい る かを 調 べ る。 ⑦で は 、本 シ ステ ムを 立 ち上げ て実 施 し 、組 織 体 のな かで制 度化 を する。 ⑧ で は、 一定 期 間に つい て 、実 施後 の成果 につ い て 観測 ・評 価 し 、 改善 す べき点 が あれ ば、 要求 の 明確 化 を す る。 こ の ように 、 ハ ード シス テ ム方 法 論は 、対 象 とす る シス テ ムについ て、 現 状 と望 ましト 状態 を同 定 す る こ と、 現状を 望 まし い 状態 に 移す た め の、 い くつ か の代替 案に 対し て、 量 的 な 判 断基 準、 と くに 経 済的 な 効率 性を 中心 に して 評価 を す る こ とに 特徴 があ る。 こ の ような手 順 を 踏 む手 法 は 、す べて が すべ てに 関 連す る も のとし て対 象 を 認識 し よ うとする 点 て、 シ ステマ テ ィ ッ クであ る。 しか し 、 そ れは 、そ れ以上 に シス テ ム概念 に 深い とこ ろ で関 わ りを 持 つ もの ではな い。 問題 解決 ヘ ハ ー ド シ ス テ ム方 法論を 適 用す る こと が成 功 す るか ど うかは、 ひ と えに担 当者 の経験 の 深 さに 依存 して きた と もい え る。 伝統 的 なIE ・OR ・シ ス テ ム分析 ・ シ ス テ ム工学 な どに は、い ず れ もシ ス テマ テ ィッ クに 思考 す る点 で 共 通性 があ る こ とから 、本 論 で は、 そ れ らを ま とめ て ハ ード シ ステ ム方 法 論 と も呼 ぶ こと に する。 そ の共 通性 と は、 問題 解決 の 対 象 とす る シ ステ ムが、 現 状を 観察 す るこ と で 同定 で き るこ

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と を 、 暗 黙 理 に 仮 定 し て い る こ と で あ る 。 望 まし い 状 態 と し て の 目 標 が 、 同 定 で き る と い う 仮 定 が 成 立 す る た め に は 、 対 象 と す る シ ス テ ム の 構 造 が 十 分 に わ っ か た も の で あ る 必 要 が あ る。 し た が っ て 、 こ れ ら の 手 法 で は 、 目 標 と 成 果 の 尺 度 が 定 義 し や す い シ ス テ ムだ け し か 扱 え な い と い う 限 界 が あ り、 そ こ で は 、 本 来 的 に 対 象 と し な け れ ば な ら な い シ ス テ ムが 捨 象 さ れ て い る 可 能 性 が あ る 。 こ の 方 法 論 は 、 そ う し た 目標 を い か に 最 善 の 形 で 実 現 す る か と い う工 学 的 な 手 法 に 重 点 を 置 い て い る 。 こ の よ う な パ ラ ダ イ ム は 、 目 標 の 効 率 的 な 達 成 を 目指 す こ と か ら 目 標 追 求 シ ス テ ム (goaトseekingsystem )'')と も 呼 ば れ て い る 。 こ の シ ス テ ムの も と で ぱ 、 解 こ う と す る 問 題 が 明 確 な も の に 限 定 さ れ 、 シ ス テ ム の な か で 与 件 と し て 扱 わ れ た 目 標 を 数 学 的 に 最 適 化 す る 解 を 導 出 し よ う と す る。 こ こ で 暗 黙 理 に 仮 定 し て い る の は 、 現 実 世 界 は モ デ ル 化 か 可 能 で あ り 、 あ る 尺 度 で 測 定 し た 現 状 と 目 標 と の 差 を 小 さ く さ せ る シ ス テ マ テ ィ ッ ク で 、 合 理 的 な 方 法 で 問 題 を 解 決 で き る と い う こ と で あ る。 こ の よ うに 、 ハ ー ド シ ス テ ム方 法 論 は 、 シ ス テ マ テ ィ ッ ク な 方 法 を 実 体 に 持 ち 、 対 象 と す る 問 題 の 状 況 が 限 定 さ れ る 意 味 で 明 確 で あ る こ と か ら 、 ハ ード シ ス テ ム と 形 容 さ れ て い る 。 ハ ー ド シ ス テ ム 手 法 の 仮 定 の な か で は 、 問 題 に す る シ ス テ ムは 、 つ ね に 外 部 か ら 観 測 さ れ 、 そ の 観 測 者 や 関 係 者 の 主 観 的 な 認 識 ・ 知 覚 な どを 反 映 し た も の で は な い 。 そ の 意 味 で 、 生 き て い る シ ス テ ムで あ る 人 間 や そ れ ら の 集 合 の 営 み で あ る経 営 や 社 会 シ ス テ ムの 持 つ 複 雑 性 を 扱 う に は 、 こ の 手 法 は 十 分 で な い 。 こ の よ う な ハ ー ド シ ス テ ム方 法 論 に 対 す る 反 省 か ら 、チ ャ ー チ マ ソ の 社 会 シ ス テ ム設 計(socialsystemdesign) 、エ ー コ フ の 社 会 シ ス テ ム科 学 (socialsystemscience:S' ) な ど の 思 想 的 流 れ を 受 け 継 い で16)、 ソ フ ト シ ス テ ム方 法 論 が 生 み 出 さ れ る こ と に な っ た 。 5. ソ フ ト シ ス テ ム 方 法 論 に お け る 問 題 の 認 識 と 構 造 化 先述 し た よ うに 、 ハ ード シ ス テ ム方 法論 は、 問題 の解決 に際 して 、 目標 や 制 約条 件 な どはすで に 明確に 与 えら れ た もの とし、 そ れに対 して 数学 的方 法を 適 用し て最 適化 を 行 い 、数 学 的 意味 におけ る 最適 解を 求 め よ うとす る も ので あ っ た。 \ 過去 半 世紀 以上 に わた っ て、 組 織 体 の公 式的 な 意思決 定 支援 の具 体的 な 方 法 の なか で 、 最も注 目 す べ きも のはOR であ る。 伝統 的 なOR で は、 問題 解決 のため の科 学的 方 法 と し て、 そ れを 使 うと き すべ て の事 柄を 所与 の も の とし て取 り扱 うのであ ろ うか。 そ れは 、 まさ し く 暗黙 理 に 、 目的・制 約条 件 な どの事 柄 が、 より上 位 水 準に おけ る政 策形 成 ・戦略 策定 ・ 設計 な ど で 決定 さ れ てい ると 仮 定 し てい るから であ る。 あ る 目標 が設 定 さ れて 所与 とな っ てい るか ら、 こ こ で の問 題 解 決 の中心 ぱ、 目的 一手 段 関 係の 分析に 絞 ら れ て くる のであ る。 多 く の場 合、しOR に対 す る 仕 事 の技 術 的な文 脈 は 紋 切 り型 で あ るが、 意 思決 定 者 の専 制 的 な 権限 やOR 担 当者 の 明解 な 仮定 に よ りも ので あ る。対 象

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非 決 定 的 な 問 題 状 況 の 構 造 化 と ソ フ ト シ ステ ム 方 法 論 175 とす る問 題 に潜 む 複雑性を 強引 に 縮 約す る こ とか ら、 目を 見張 る ばか りの巧 妙 な 技 法 な どが 頻 出す る こ とに もな った。 シ ステ ム科 学 者 のエ ーコフ は、OR に つい て、“数学 的 に は洗 練 さ れ てい る が、 概念 的 に は 素朴 であ る” とい う1≒OR に おけ る良 構造 問題 (welトstructuredproblem ) とい うのは 、多 くの場 合 、 明解 な 目的 ・ 堅 固 な制 約条 件 ・因 果 間の確 定的 な関 係を 持 ち 、そ れら は数学 的関 係を 利用 す る こ と で数 学 的に 明 解 な 解を 与 える。 とくに 学問 とし てのOR は 、 近年 、 与え ら れた ど のよ うな 規 模 の 問題 に 対し て も、 効 率的 で 高速に 必 要な 計算を 可能 に し、 複 雑 な手 強い 問 題に対 し て も コンピ ュー タ計 算 の た めの ア ル ゴリ ズ ムを 探 索し て きてい る。 現 代 のOR は、 まさに 、 みずか ら手 柳を は めて 、 モデ ルや 解 法 な どの道 具箱化 し てお り、 本来 的な シ ス テ ム設計 か ら資 源 の技術 的 な配 分手 法 へ と進 み つつ あ る。 シ ステ ム論 者 ロ ーゼ ンヘ ッド は、OR の支 配 的 な パラ ダイ ムが表1 で示し た6 つ の特 質を 持 って いる こ とを 示 唆し て いる。 また、 彼は 、OR が持 つ 正 統的 と され てき たパ ラダ イ ムに 対 す る弁 証 法的 対 立 物 とし て の代 替的 なパ ラ ダイ ムとし て、 表2 を 提案 し てい る(表1 お よび表2 参 照)18) 表IOR の支配的なパラダイムの特徴 1. 単一 の 目的 と最 適化の 観点 から の問 題 の定式 化 .複数の 目的 が認 識さ れた とし て も , ト レ ード オフ のもとで1 つ の共 通尺 度に まと められ る .2. 圧倒 的な デ ータの必要量 ,そ の結 果と し て ,デ ータのゆが み ,入 手可能 性 , 信頼性 の問 題3. 科学化 と脱政 治性 化 ,合 意 の仮定4. 人間は 受動的 な対 象とし て扱 わ れる5. 抽象的 な 目的 を持 った単一 の意思 決定 者 の仮定 ,こ の抽象的 な 目的 は実 施 のた め の 具体的な 行為 へと 命令の 階層 的な 連鎖を 通し て変 形 させる .6. 未来 の不確実 性を取 り除 く試 み ,将来を 先 取 りし た決定 出 典:J.Rosenhead (1889 ),邦 訳 書15 ペ ー ジ。 表2 代替 的な パ ラダ イムの 特徴1. 非 最適化; ト レ ード オフ関 係に ない 複数 の 次元に 関して 許容 可能な代 替案 の 探索2. 社 会的判断 と ハ ード・ ソフト 両 方 のデ ータ の統合 に よる ,必 要デ ータ量 の削 減3. コソフ リクト の状況を 明確化 す るた めの 単綺 陛と 高い透 明度4. 能動 的な主 体 とし ての 人間 の概 念化5. ボト ムア ップに よる計 画の促 進6. 不確実 性を受 け 入れ ,後 々の解 決の ため に代替 案を 確保し てお くこと を 目指 す 出典:J.Rosenhead(1889),邦訳書15ペ ージ一部修正加筆。 そ こ で、 目的を 所 与 とす るに は無 理 があ り、 数 学 的 な最適 化や 解 決な ど の概念 を 適 用 す る こ とに な じま ない よ うな非 決定 的 な問題 状 況(problemsituation)は、きわ めて多 い。も し、この ような問 題 状 況に ハ ード シ ステ ム方法 論を 適 用す れ ば、 対 象 とす る問 題 状況は 、 きわ めて 単 純 化 さ れた モデ

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ルに 縮約 さ れ、 底 の浅い 分 析に 終 始 す る。 自律 性を 持つ 人 間をそ の なか に含 ん だ シ ステ ムを 、こ こ で ソフト シ ステ ムと表 現 す る なら ば、 そ れ は、 も はや ハ ードシ ステ ム手 法を 適 用す る こ とが 意味を 持だ ない 分 野であ る とい え る。 こ の よ うな経 営 科学を 中 心 とする ハ ード シ ス テ ム方 法 論 に対 する 批 判 は、“経営 科学 におけ る タ ーン的 危 機(Kuhniancrisis)" とし て、1970年 代 か ら80年 代に かけ て多 くの論 争 もあ った19)。 そ こ で、 一つ の 可能 性 とし て、 従 来 の ハ ード シ ステ ム方 法論 が 採用 して き た 目標 の明 確 化・数 学 的最 適化 ・問題 の 解決 な どを あ きら め 、 まっ た く別 の枠組 みを 適 用し て問 題 の 処 理を す る こと が考 えら れ た。 シ ス テ ム工 学 な どの ハ ード シ ステ ム方 法 論に 内在す る間題 点を 克 服す る た め に、 チ ェ ッ クランド は、 ソフ ト シス テ ム方 法 論を 新 し く 提案 し、 近 年、 そ れは イギ リ スを は じ め と し て、 欧州 を 中心に 受け 入れ ら れて きてい る。 そ れは、 ① 明確 な 目標 から世 界 観へ、 ②数 学的 最適 化 か ら 実 行可 能性 へ、 ③問題 の 解決 から 学習 の 概念 へ とい う特 徴的 な 移行を し た方 法論 であ る。 彼 もい う よ うに 、そ れ は、 エ ンジ ュ ア リン グ思考 から 、 マ ネ ジ メ ント思 考 へ の移行 と要 約で き る。 ソフ ト シ ステ ム方 法論 は、 シ ステ ムの最適 化を 目的 とし た手 法 か ら、 シス テ ミッ クな学 習過 程を 記述 し 、 そ れを 具 体化 す る手 法へ と 脱構 築し つつ あ る とい え よ う。 フ ルデ ン も、同 様に 、 古典的 なOR か ら ソフトOR へ の移行 に伴 い、 ① 最適 化か ら学 習 へ 、 ②処 方 瀋か ら 洞察 へ、 ③計 画か ら 計画 過程 へ、 ④還 元 主 義 から全 体 論へ な ど、多 くの転 換が あ るこ とを 指 摘し て い る20)。 チ ェ ッ クラン ドら は、1970年 代 は じ めに 、 連合王 国 立 ラン カス タ ー大 学 にお い て、 企業 に おけ る 経 営管 理 の問 題に 伝統 的 な 経営 科 学 な どの ハ ード シ ステ ム方 法 論を 適用 す る研 究に 取 り組 んだ。そ の結果 、 自律 的 な人間を そ のな か に含 む ソフ ト シ ステ ムに対 し て、 ハ ード シ ス テ ム方 法論 を 適用す る こ とが、 根 本的に 無 理 であ る 結 論を 得 た。 問 題 の明 確な定義 な どない よ うな 混 乱 し た 問題 状況に 、 ハ ード シ ステ ム方 法論を 適 用 す る か とが、 きわ めて 不適 切で あ るこ とが 判 明し た の であ る。 そ こで、 彼 ら ぱ、 人 間を 含 む ソフト な シ ス テ ム、 明確 に定 義 さ れてい ない 問題 状 況に お い て 、そ こ で社 会的 な役 割を 持つ 人 々 が、 意図 的行 為 (purposefulaction) を 起 こそ う とし てい る 状 況に 着 目し た。 そ の基 本的 な 考え方 は、 す べて の人 間は 、 基本 的に で きるだ け 意図的 に 物 事を 行お うと する とい う共通 的 な認 識 であ る。 人 々は 、 現 実世 界に 意図 的に 係わ り、 で きれば 意図的 に 行為 を 起 こすこ と に よ り、 問題 にし てい る 状況 を な ん とか よ り良 くし よ うとして い ると 見 る。 こ こ で、 意 図 (purpo-se )と は、追 求対 象 とな る 目 標で は あ る が、た とえば、“関 係を 維持 する ”とい うよ うに 到達 する こ と が決し てな い ものを い って い る。 チ ェ ック ラン ドは、 こ の よ うに 関連 づけ ら れた 意 図的 活 動 の一 連 の全 体を 人 間活動 シ ス テ ム(humanactivitysystem ) とい う一 つ の理 念型 (Idealtypus) に ま と め、 そ れに 対し て ソフ ト シ ステ ム方 法 論を 適 用 し た。 こ の シス テ ムは、 実 際 の現 実 世 界に おけ る人

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非決定的 な問題 状況 の構造化 と ソフトシ ステ ム方 法論 177 間 の行 為 (action) を 記述す る もので は な く、 あ く まで も理 念的 ・主 観的 な表 現 で あ る こ と に 注 意 が必 要 で あ る。 この システ ムは、 彼 の方 法 論 で、 現実 世界 の問題 状 況に対 す る変 革 案 を 議 論す ると きに 使 う知 的構 成物 な のであ る。 問題 状 況を 人 間活 動 システ ムと して 捉 え る とき には 、 自然 シ ステ ムや 人 工物 シ ス テ ムとぱ 異 な り、 そ の状 況 に は人 間の世 界 観・ 価値 観 が 介 入 して く る。 人間 は、 つ ねに 自分 が知 覚 ・ 認識 し た も のを 解釈 す る とい う独 自 の能力 を持 ち、 ま た、 そ の 解釈 も個 々人 ご とに 異な る。 あ る一 つ の状 況に 対 し て 、 人 々は 異 な る世界 観を持 ち、 異 な る人 間 活動 シス テ ムが存 在す ると、 こ の方 法 論 で は捉 え ら れ て い る。 ソフ ト システ ム方法 論は 、問 題 状 況を 認 識 す るため の小 集団 の学 習 と理 解 を 助け る、 シス テ ム思考 に 依拠 した 方法 論 となっ てい る。 した が っ て、 問題 状 況のな かに多 様 な 視 点 ・世 界観 な ど が存 在 す る こ とを 認 め、 異な る視点 に 起 因す る論点 を 取 り扱 う ことで、 最 適化 で は な く、 実 行 可能 で望 ましい 行 為を 創 出す るた めの当 事者 ・分 析 者 ・関 与者に よる討 論(debate) ・ 自省(reflection) な どが、 この 方法論 に よって 積 極的 に 支援 さ れ る。 ソフ ト シ ステ ム方法 論 は、 熟慮 され た行 為 へ の指 針 を提 供す るもの であ る。 問題 の関 係 者 は、 異 な る 世 界観 を 持つ と先 験的 に決 めら れ てお り、 異な っ た視点 に 起 因す る論点 を う ま く取 り扱 う こと で、 各人 の意 見や 価値 観 の コン セン サス(consensus ) で はな く、 アコ モデ ーシ ョン (accommodation) を し よ うとす る21)。 こ こで は、先 述し た ように 創 発特 性 ・階 層構 造 ・ コ ミュニ ケ ー ショ ン ・ コ ン ト ロ ール とい う4 シス テ ム概 念に 照ら し て、 人 間 活動 を 理念 的な 人 間活動 システ ムと して ホ ロニ ッ ク に 捉 え よ うと す る。 そ して、 最終 的 に は、 人 間活 動 システ ムに 対す る モデ ルと 現実 とを 比 較 す る討 論を す るこ とに よっ て、 実施 す べき行 為 に つい て の意見 の ア コモデ ーショ ソを し、 問 題 状 況を 改善 す るた め の 行為を 導 こ うとす る。 チ ェッ タ ラソ ドに よるソフ ト システ ム方 法論 の 手順 を 分か り易 く示 す もの とし て 、7 段 階 モデ ル があ る22)。そ れ は、基 本的 に7 つ の 段階 を 踏 む探 索 型プ ロセ スモデ ル とな って い る。つ ぎ に、このプ ロセ ス モデ ルに つ い て、簡 潔に 説明 す る。 6. 学 習 プ ロ セ ス と し て の7 段 階 モ デ ル チ ェ ッ クラ ンドに よる ソフ ト シス テ ム方 法論 の具 体を 知 るた めに は、彼 のい う人 間 活 動 シ ステ ム を 学 習 サ イ クル と見 て非決 定的 な問 題 状 況を 構 造 化し た7 段 階 モデ ル の構造を 理 解 す る 必要 が あ る。 こ の方 法論 は、基本 的に 、そ の 全体 が7 つ の段 階 か ら構 成 され てい る( 図1 参照 )。 モ デ ル の論 理的 順 序 とし て、 段 階1 か ら段 階7 まで が 順 番に 並 べら れてい る が、 こ の方法 論を 使 う と きに は 、 必ず し も段 階1 から 順 番に 従っ て始 める 必 要は な い、 とチ ェ ッ クラン ド が強調 し てい る。 こ の7 段階 モ デル は 、 大 き く現実 世 界に おけ る人 間活 動 と シ ス テ ム思考 におけ る仕 事 の両者 から 構 成 さ れ てい る。

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問 題的で ある と1 考えら れる ゛ 問題状 況 ’2. ` 表 現 さ れ た問 題状 況 7. 問 題 状 況 を 改 善 す る た め の 行 為 5. モデ ル と と の 比 較 モデ ルと現実 世界 現 実 世 界 現実世界 につい ての システ ム思 考 テ ム ル 図1 ソフ ト シス テ ム方 法論 の伝 統的な7 段階 モデ ル 出典:p.Checkland&J.Scholes(1990), 邦 訳書37ペ ージ一 部修 正加筆。 まず 、 段 階1 と2 で は 、 あ る 状 況 が 問 題 状 況 と し て 知 覚 さ れ 、 そ の 状 況 に 関 係 す る 人 た ち が 、 こ の 問 題 状 況 を ど の よ う に 認 識 ・ 解 釈 し て い る の か を 豊 か に 描 写 す る 、 リ ッ チ ・ ピ ク チ ャ ー(RichPicture )'^)を 構 成 す る。 こ れ は 、 関 係 者 の 数 だ け 描 か れ る。 こ れ ら の 段 階 で は 、 ハ ー ド シ ス テ ム方 法 論 の よ う に 問 題 を 捉 え る の で は な く 、 問 題 が あ り そ うな 状 況 を 意 味 す る 問 題 的 状 況 (problematicsituation ) に つ い て 、 で き る だ け 詳 細 か つ 正 確 に 、 し か も 問 題 状 況 に 固 有 の 言 葉 で 記 述 す る こ と が 求 め ら れ る 。 チ ェ ッ ク ラ ン ド に よ れ ば 、 ご の 状 況 は 、 比 較 的 変 化 の 遅 い 概 念 構 成 要 素 と み な す 構 造 と 、 比 較 的 変 化 の 早 い 概 念 構 成 要 素 と み な す プ ロ セ ス と の 間 の 関 係 と し て 捉 え る こ と を 推 奨 し て い る 。 段 階2 の 結 果 と し て 、 問 題 状 況 の 改 善 に 対 し て 考 察 し な け れ ば な ら な い テ ー マ が 抽 出 さ れ る。 段 階3 で は 、 問 題 状 況 の 改 善 に 向 け て 問 題 の 基 本 定 義(rootdefinitions) が 構 成 さ れ る。 問 題 の 基 本 定 義 は 、 問 題 状 況 に 関 係 す る い ろ い ろ な 人 だ も の 知 覚 や 世 界 観 を 反 映 し た 理 念 型 で あ り 、 リ ッ チ ・ ピ ク チ ャ ー の 数 に 合 わ せ て 問 題 に 関 す る 基 本 定 義 が 構 成 さ れ る。 す な わ ち 、 段 階2 で 抽 出 さ れ た テ ー マ に 関 連 す る シ ス テ ムを 想 定 し 、 そ れ に シ ス テ ム名 を 付 け 、 そ れ が 何 で あ る か に つ い て 簡 潔 に 定 義 を 与 え る 。 こ れ が 、 こ こ で の 問 題 状 況 に お け る 人 間 活 動 シ ス テ ム で あ る。 こ の 基 本 定 義 の完 全 な 形 式 は 、 通 常 、 つ ぎ の よ う に 表 さ れ る 。 あ る シ ス テ ム の 所 有 者 (owner ) が ○ で あ る と す る 。 そ の シ ス テ ムは 、 環 境 制 約(environmentalconstraints)E を 所 与 と し 、変 換 プ ロ セ ス(transformationprocess )T を 使 っ て 入 力 を 出 力 へ変 換 す る。 こ の 変 換 プ ロ セ ス は 、行 為 者 (actors) に よ っ て 実 行 さ れ 、そ れ に 影 響 さ れ て 犠 牲 者 ( ま た は 受 益 者 ) に な る 人 だ ち と い う 意 味 で 、 相 互 関 連 す る 顧 客(customers) はC で あ る 。 こ の変 換 プ ロ セ ス

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非 決定的 な 問題状況 の構造化と ソフトシ ステ ム方法論 179 に 意味 を与 えて い る世 界観 (Wertanschauung ) がW で ある。 チ ェ ヅ ク ラ ソ ド は 、 こ の 方 法 論 の 実 践 家 の た め に 、 こ れ ら の各 要 素 を の 頭 文 字 を 並 べ て 、CATWOE ( ネ コの 嘆 き ) に 例 え た 記 憶 術 を 提 案 し 、 こ の 分 析 をCATWOE 分 析 (CATWOEanalysis) と 呼ん でい る( 図2 参 照)。 CATWOE の 要 素 を 検 討 す る こ と に よ っ て 基 本 定 義 を 成 文 化 す るC 「 顧 客 (cuctomers )」:7 の 犠 牲 者 も し く は 受 益 者j 「行 為 者 (actors )」:7 を 行 う で あ ろ う 人 び と ア「 変 換 プ ロ セ ス (transformationprocess )」: 入 力 の 出 力 へ の 変 換W 「 世 界 観 (Weltanschauung )」: 文 脈 に お い て7 を 意 味 あ る も の に す る 世 界 観O 「所 有 者(owner )」 :フを 止 め る こ と が で き る で あ ろ う人 び と £「 環 境 制 約 (environmentalconstraints )]: こ の シ ス テ ム の 外 部 に あ る 所 与 の 要 素 ( 与 件 ) 図2CATWOE の 構 成 出 典:p.Checkland&J.Scholes (1990 ),邦 訳 書48 ペ ー ジ 一 部 修 正 加 筆 。 段 階4 では、 こ の基 本 定義 を ダイ ア グラ ムで表現 し て、 概念 的活 動 モデ ル(ConceptualModel) へ変 換 す る。 こ のモデ ル は 、基本 的 定義 で表 現さ れた 入出力 変 換を 達成 す る た めに 必 要 な活 動を 構 造化 し た シ ステ ムに つ い て の モデ ルで あ り、知 覚 ・認識 さ れた 問題 状況 を 、 創発 特 性 ・ 階層 構造 ・ コ ミ ュニ ケ ーショ ン・ コント ロ ール とい うシ ステ ム概念 を 明示 的に 示 す統 一形 式 に 従 っ て記述 す る。 段 階5 で は、 こ れら の 概念 的活 動 もデル が、 段階2 で構成 し た リ ッチ ・ピ クチ ャー、 すな わち現 実 世 界に 存 在し てい る と知 覚 ・認 識 さ れた 問題 状況 の表 現 と比 較す る。 そ の こ とで 、 問題 状況 に 関 係す る 人た ちに と って、 実行 可能 な 問題 状 況 の変 化 とは 何 かに つい て討 論 で き るた め の たた き台を 提 示 す る。 こ れは、 ハ ード シ ステ ム方 法論に おけ る 目標を 表 現 す る代替 案 に対 応 し てい る。概 念的 活 動 モデ ル は、 ハ ード シ ス テ ム方 法 論に おけ る 目標 の一 時的 な 役割を 持 ち 、そ の 目標 と 現状 と の差 が 問 題で あ るこ とは 、先 の ところ で も述 べ た。 段 階6 で は、 当事 者 ・ 分析 者・ 関与 者 た ちに とっ て、望 まし く、 かつ 実 行可 能 な 問 題 状況 の変更 に 関し て アコモ デ ーシ ョ ソを 得る ま で討 論を 行 う。 比較 の結 果 生 じる改 善 案 が、 当 事 者 ・分析 者に とっ て望 まし く、 また関 与 者 の態 度 ・ 権力構 造 ・来歴 な どか ら 見て 実行 可 能 な のか が 、 この段 階に おけ る討 論 の主要 な 争点 に な る。 先述 し た よ うに 、 こ のア コモ デ ーシ ョソ と は、 こ れ に よっ て コソ フ リ クト が解 消 され る の では なく 、 問題 状況を 変 更し て 改善 の手 が 打 てる 状況 を い うの であ る。 こ こ で改 善し た 結果 は、 ハ ード シス テ ム方 法論 で は、 選択 さ れた 代替案 のシ ス テ ムに 該 当し てい る。 段 階7 では 、 分析 者が 、 問題 状 況 の改 善 のた めの変 更を 実 現 ・実 施す る のを 手 助け す る。 討 論を

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続け るな か で、 人 び と の価値 観・ 規範 が顕 在化 するに 従 い、 問 題状 況 につ い て の知 覚 ・ 認識に ゆら ぎが生 じ 、そ れに 伴 って望 まし さ ・実 行可能 性 な ども変化 す る こ とが多 い 。 そ の結果、 分析者 は、 生 成さ れ た新 しい 問題 状況 に 対 応す る ために は、 再び 段階1 へ戻 り、新 し い 学 習 サイ クルを 開始 す る こ とが で きる。 以上 が、7 段 階 モデル を 通 じ て見 た ソフト シ ステ ム方 法 論に 関 す る全 体的 な プ ロセ スであ る。 こ のモデ ル のサ イ クル 循環 が 意 味す る も のは、 ハ ード シ ステ ム方 法 論 の よ うに 問 題 状況 か ら単 なる 解 を 導 出 す るの では な く、 そ の 改善を 促 すた めに 行 われる 、 終わ りの ない 学習 プ ロセ スで ある ことに つ い て の理 解で あ る。 7. お わ り に 本 論 で 検 討 し て き た チ ェ ッ ク ラ ソヅ に よ る ソ フ ト シ ス テ ム論 の 本 質 は 、 そ れ の 中 心 を な す7 段 階 モ デ ル か ら 解 を 求 め る の で は な く 、 与 え ら れ た 非 決 定 的 な 問 題 状 況 を 構 造 化 す る こ と で 、 そ れ を 改 善 す る た め の 終 わ り な き 学 習 プ ロ セ ス の循 環 を 創 出 す る こ と で あ る 。 従 来 の ハ ード シ ス テ ム論 に 基 づ く 問 題 解 決 の 科 学 的 方 法 が 、 目 標 を 上 位 の 意 思 決 定 水 準 か ら 与 え ら れ た も の と し 、 い か に 効 率 的 に そ れ を 達 成 す る か に 関 心 を お い て い た 。 こ れ に 対 し て 、 ソ フ ト シ ス テ ム方 法 論 は 、 問 題 状 況 を 改 善 す る た め の 構 造 化 を し て 何 を す べ き か に つ い て 討 論 を す る 学 習 プ ロ セ ス を 重 視 し て い る。 そ の た め 、 人 々 の 知 覚 ・ 認 識 に よ る 異 な る 価 値 観 に つ い て の 構 造 化 が 避 け ら れ ず 、 問 題 状 況 の 関 与 者 問 に お け る 価 値 観 な ど の 摺 り 合 わ せ 、 ア コ モ デ ー シ ョ ソに 到 達 す る ま で の 学 習 プ ロ セ ス な ど の 相 互 作 用 が 、 大 き な 意 味 を 持 つ 。7 段 階 モ デ ル は 、 ソ フ ト シ ス テ ム 方 法 論 を 実 践 的 に 適 用 す る た め の 一 つ の 標 準 モ デ ルに な っ て い る 。 し か し 、 提 唱 者 の チ ェ ッ ク ラ ン ド もいう よ う に 、 方 法 論 自 身 心き わ め て 多 数 に 及 ぶ 実 践 的 適 用 の 経 験 を 経 て 、 現 実 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク 情 報 に よ り、 動 的 に 自 己 診 断 を し て 改 善 さ れ 続 げ る 属 性 を 持 つ 。 そ の た め 、 こ の 方 法 論 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 保 つ 必 要 か ら 、 概 念 ・ 手 法 な ど の基 本 的 事 項 に 関 す る 標 準 手 続 き を 規 定 し た 憲 法 的 ル ー ル (constitutiverules )・ 戦 略 的 ル ー ル(strategicrules) な ど の 新 し い 提 案 も な さ れ て い る24) 最 後 に 、 組 織 は 、 定 常 状 態 に お い て 維 持 ・ 改 善 さ れ る だ け で な く 、 外 的 環 境 と 拘 わ りな く 一 様 状 態 を 超 え て 自 己 組 織 化 す る 進 化 的 現 象 を 生 成 す る こ と が あ る 。 組 織 シ ス テ ム に お け る 矛 盾 ・ コ ソ フ リ ク ト の 取 扱 い は 、 経 営 進 化 を 含 め て 問 題 状 況 を 構 造 化 す る り え で 、 こ れ か ら の 研 究 成 果 を 待 た な け れ ば な ら な い 。 そ の 意 味 で 、 ソ フ ト シ ス テ ム方 法 論 は 、 問 題 状 況 の コ ン フ リ クト を 克 服 し て 当 事 者 ・ 関 与 者 間 の 相 互 理 解 を 一 層 促 進 さ せ 、 対 話 ・討 論 に よ る 学 習 プ ロ セ ス を 通 じ て ア コ モ デ ー シ ョ ソ を 引 き 出 す 、 新 し い 可 能 性 を 内 包 し て い る 。

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非 決定的 な問題 状況 の構造化 と ソフト システ ム方法論 181

参 考 文 献 と 註1

)Jackson,M.C. (1987 ):NewDirectionsinManagementScience,inNew .DirectionsinManagementScience (M.C.Jacksonandp.Keys,eds.),Aldershot,pp.133 −164.2 )CoUingwood,R.G. (1945 ):TheIdeaofNature,OxfordattheClarendonPress, 平 林 康 之 ・ 大 沼 忠 弘 訳 (1983 ): 『 自 然 の観 念 』 みす ず 書 房 、161-162 ペ ー ジ 。3 )Kuhn,T.S.(1970 ):TheStructureojScientificRevolution,UniversityofChicagoPress, 中 山 茂 訳(1971 ): 『 科 学 革 命 の 構 造 』 みす ず 書 房 。4 )Checkland,P.B. (1980 ):SystemThinking.SystemPractice,JohnWileyandSons,Chapter3, 高 原 康 彦 ・ 中 野 文 平 訳 (1985 ): 『 新 し い シ ス テ ム ア プ ロ ー チ 』、 第3 章 、 オ ー ム社 。5 )Pantin,C.P.A.(1968 );TheRelationsbetweentheSciences,CambridgeUniversityPress.6 )WaddingtonC 、H.(1969):"TheTheoryofEvolutionToday"inA.Koestler&J.R.Smythieseds.:BeyondReductionism,Hutchinson, 池 田 善 昭 監 訳C1984 ): 『 還 元 主 義 を 超 え て 』 工 作 舎 。7

)Nicolis,G.&Prigogine ,I.(1977 ):Self−OrganizationinNonequilibriumSystems,JohnWileyandSons,p.13.8

} 松 行 康 夫 ・ 北 原 貞 輔 (1997 ): 『 経 営 思 想 の 発 展 一 経 営 管 理を 中 心 とし て ー』 勁 草 書 房 、73 ペ ー ジ 。 健 康 な 人 体 で は 、 体 温 や 脈 拍 な どは ほ ぼ 一 定 に 保 た れ る が 、 そ れ は ほ ぼ 一 定 で 完 全 な 一 定 で は な く 、 あ る 範 囲 を 保 つ 。 こ の よ う な 状 態 を 定 常 状 態 、 そ の 範 囲 を 定 常 領 域 とい う。 こ れ に 対 し 、 一 様 状 態 と は 、 定 常 と 異 な る 構 造 的 ゆ ら ぎ の な か に あ っ て、 な お 、 大 域 的 に は 安 定 な 状 態 の こ とを い う。9 )Checkland ,P.B.(1981 )ibid.10 ) 松 行 康 夫 ・ 北 原 貞 輔 (1997 ):ibid. 。11 )ChecklandP.&J.Scholes (1990 );SoftSystemsMethodologyinAction,JohnWiley&Sons, 妹 尾 堅 一 郎 監 訳 (1994 ): 『 ソ フ ト ・ シ ス テ ムズ 方 法 論 』 有 斐 閣 、24 ペ ー ジ。12)Checkland,P.B.&I.Scholes (1990 ):ibid.邦 訳 、25-26 ペ ー ジ 。 こ こ で 、 コ ン トp ―ル の概 念 が 使 用 さ れ て い る が 、 こ れ は 本 来 的 に は 、 生 き てい る シ ス テ ム で あ る 人 間 を 含 む シ ス テ ムに 対 し て 用 い ら れ る べ き で は な い こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 こ の こ と に つ い て は 、 松 行 康 夫 り ヒ原 貞 輔 (1997 ):ibid. を 参 照 さ れ た い 。13 ) 組 織 に お け る 学 習 概 念 の う ち 、 シ ン グ ル ル ー プ ・ ラ ーニ ン グ と ダブ ル ル ープ ・ ラ ー ニ ン グ の 主 要 な 論 点 に つ い て は 、 松 行 康 夫 (1996 ): 「業 務 改 善 のた め の ベ ン チ マ ー キ ン グ 思 考 の 生 成 と 展 開」『 経 営 論 集 』 東 洋 大 学 経 営 学 部 、43 号 、9-18 ペ ージ に お い て 述 べ て い る 。14 ) 経 営 管 理 と 関 係 す る 自 己 組 織 化 概 念 に つ い て は 、 松 行 康 夫 (1997b ): 「自己 組 織 化 と 経 営 管 理 」『 経 営 研 究 所 論 集 』 東 洋 大 学 経 営 研 究 所 、 第20 号 、41-49 ペ ージ 、 に お い て 検 討 を 試 み た 。15 ) 数 理 的 な シ ス テ ム論 に お い て は 、 目 標 追 求 シ ス テ ム は 、5 つ の 組〈M,U,Y,P,G 〉 と い う 意 思 決 定 問 題 と し て 表 現 さ れ る 。 こ こ で 、M,U,Y は そ れ ぞ れ 選 択 可 能 な 代 替 案 、 制 御 不 可 能 な 変 数 、 結 果 の 集 合 、P,G は そ れ ぞ れプ ロ セ ス 、結 果 の関 数 、尺は 実 数 の 集 合 と す る と き、戸。・財 ×じ →y 、G:M ×UxY → 尺で あ る 。 木 嶋 恭 一 ・ 出 口弘 編 (1997 ): 『 シ ス テ ム知 の 探 究l 』 日 科 技 連 、8-16 ペ ー 穴16 ) チ-f ー チ マ ソ のヽ社 会 シ ス テ ム 設 計 に つ い て は 、Churchman,C.W バ1971 ):TheDesignofInquiringSystem,BasicBooks, に 詳 し い 。エ ー コ フ の 社 会 シ ス テ ム科 学 に つ い て は 、 松 行 康 夫(1987 ): 「社 会 シ ス テ ム 科 学 に 関 す る 大 学 院 教 育 」 公 文 俊 平 ・ 高 原 康 彦 編 (1987 ): 『一 般 シ ス テ ム 研 究 の 成 果 と 展 望JG

(15)

SR 研 究 会 , に お い て 詳 細 な 検 討 を し て い る 。17 )Ackoff,R.L. (1986 ):ManagementinSmallDoes,JohnWiley&Sons 、 牧 野 昇 監 訳 (1988): 『 創 造 す る 経 営 』 有 斐 閣 。18 )Rosenhead,J.ed.(1989 ):RationalAnalysisforaProblematicWorld,JohnWiley&Sons, 木 嶋 恭 一 監 訳 (1992 ): 『 ソ フ ト 戦 略 思 考 』 日 刊 工 業 新 聞 社 ,15 ペ ージ 。19 )Jackson,M.C.(1987 ):ibid.20 )Pruzan,P.(1988 ):SystemicORandOperationalsystemsscience,EuropeanJournalofoperationalResearch,3734-41.21 ) コ ン セ ン サ ス が 完 全 な 一 致 を い う の に 対 し , ア コ モ デ ー シa^y は い わ ぼ多 様 な 価 値 観 や 行 為 を 包 み 込 む 形 で の 合 意 や 行 為 を 指 す 。22 )Checkland,P.B.&J.Scholes(1990 ):ibid. 邦 訳 ,36-41 ペ ー ジ 。23 ) リ ッ チ ・ ピ ク チ ャ ー と は , 分 析 者 が 編 集 し た 問・題 状 況 の 表 現 で , こ れ は し ば し ば 構 造 の 要 素 ・ プ ロ セ ス の 要 素 ・ 状 況 の 風 土 を 調 べ る こ と に よ っ て 描 か れ る 。24 )Checkland,P.B.&J.Scholes (1990 );ibid. 邦 訳 ,331-340 ペ ー ジ 。 (1999 年1 月13 日 受 理 )

参照

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