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高等教育機関のためのソフトウェア資産管理ツールの開発の検討

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Academic year: 2021

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(1)Vol.2016-IOT-34 No.3 2016/6/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 高等教育機関のための ソフトウェア資産管理ツールの開発の検討 東野 正幸1,a). 概要:情報通信技術の発展とともに多種多様なコンピュータ・ソフトウェアが一般に利用されるようになっ た.高等教育機関においても ICT の効果的な活用が推進され,組織におけるコンプライアンスの観点から ソフトウェア資産を適切に管理することの重要性が高まっている.近年では,多数のソフトウェア資産管 理ツールが販売されているが,その多くは民間企業などを対象とした一括集中理を前提としたシステムと なっているため,多種多様な専門性を持った部局や人材が共存する大学のような高等教育機関においては一 括集中管理は必ずしも適しているとは限らない.そこで本研究では,様々な資産管理ルールや複雑化する ソフトウェアライセンスの形態に対して柔軟に対応するために,自由に資産管理ルールやライセンス形態 の定義を柔軟にカスタマイズできる高等教育機関のためのソフトウェア資産管理ツールの開発を検討する. キーワード:ソフトウェア資産管理,ライセンス管理,ソフトウェア資産管理システム. Masayuki Higashino1,a). 1. はじめに. ソフトウェア資産を管理する必要がある.さらに,ソフト ウェアは常に情報漏洩や情報改竄などのセキュリティ脅威. 情報通信技術の発展とともに多種多様なコンピュータ・. に曝されていることから適切にソフトウェアの更新を行い. ソフトウェアが一般に利用されるようになった.高等教. 情報セキュリティ対策を実施する必要がある.このような. 育機関においても ICT の効果的な活用が推進されソフト. 背景から,リスクマネジメントのためにソフトウェア資産. ウェア資産は業務に必要不可欠なものとなっている.近年. を適切に管理することの重要性が高まっており,多くの組. では,アメリカのインダストリアル・インターネットや,. 織でその取り組みが行われている.. ドイツのインダストリー 4.0 など,ICT を中心とした新産. 現在普及している多くの商用のソフトウェア資産管理. 業の創造が強く推進され,日本でも第 4 次産業革命に向け. ツールは組織全体や部門単位で集中管理するものが多い.. て ICT を効果的に活用できる人材育成のために,教育過程. しかし,改組や再編の多い組織や人材の流動性が高い組織. にける情報化を強く推し進める計画が策定されており [1],. においては,組織内ですでに運用されている人事管理シス. 今後さらにソフトウェアの普及及びその資産管理の重要性. テム,財源管理システム,施設管理システム,資産管理シ. が高まることが予想される.. ステム等との整合性を高いレベルで確保し続ける必要があ. 多種多様なソフトウェア資産の保有は組織において多く. り,導入時のカスタマイズ費用や保守・運用費用などに充. のリスク要因を内在しているともいえる.例えば,ソフト. てる多額の予算確保が必要となり,体力的にソフトウェア. ウェアは著作権で保護されていることから不正に使用する. 資産管理への取り組みが困難な場合がある.. ことで著作権法等の違反による法的問題が発生する可能性. また近年では,ソフトウェアの利用形態のクラウド化が. がある.また,ソフトウェアの購入や利用には契約が伴う. 進んでおり,ソフトウェアのライセンス形態や利用形態が. ことから組織におけるコンプライアンスの観点から適切に. 大きく変化していくことが考えられる.例えば,クラウド サービスではソフトウェアの利用時間に応じて支払額が変. 1. a). 鳥取大学 総合メディア基盤センター Center for Information Infrastructure and Multimedia, Tottori University, Tottori 680–8550, Japan [email protected]. c 2016 Information Processing Society of Japan ⃝. 化するライセンス形態であったり,ソフトウェアのインス トール先となるハードウェアがクラウドにより仮想化さ. 1.

(2) Vol.2016-IOT-34 No.3 2016/6/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. れ,多くの資産が「所有から利用へ」と移り変わっていく. 2.3 ユーザインタフェース. ことが予想される.このような仮想化が進むことで,企業. ソフトウェア資産を管理する場合において,コンピュー. は顧客のニーズに応じた多種多様なライセンス形態でソ. タの利用者がソフトウェア資産管理の必要性を認識してい. フトウェアを提供できる一方で,ソフトウェアを利用する. ない可能性がある.また,どのようなソフトウェアを導入. 組織においては,多少多様なライセンス形態に対して,柔. したのか,どのようなソフトウェアライセンスが適用され. 軟に対応して資産管理してゆく必要があり,既存のソフト. ているのかといった認識もされていない可能性も考慮しな. ウェア資産管理ツールでは,追従してゆくことが困難にな. ければならない.このため,ソフトウェアを自動的に収集. る.数年に 1 度のシステム更新といった対応では十分に追. するツールが必要となる.. 従することはできない. そこで本稿では,ソフトウェア資産管理が予算的に取り. 3. 関連ソフトウェア. 組めない問題に対して,オープンソースソフトウェアとし. オープンソースソフトウェアとして開発されているソフ. てソフトウェア資産管理を実現するツールの開発を検討す. トウェア資産管理ツールの 1 つとして Snipe-IT[2] が挙げら. る.また,複雑化するソフトウェアライセンスや様々な資. れる.Snipe-IT は,AGPL (Affero General Public License). 産の管理ルールに対応可能とするために,自由にルールを. で開発されており,LDAP (Lightweight Directory Access. 定義したり共有可能にするオープンなコミュニティ創りに. Protocol) によるユーザ管理,入力項目のカスタマイズ,. ついて述べる.. CSV (Comma-Separated Values) ファイルによるデータの. 2. システムの構想 2.1 ソフトウェアライセンス記述言語. インポート,通貨単位の国際化などに対応しており実用性 は高い.しかしながら,ソフトウェアのライセンスの定義 方法は,テキストフィールドを用いた表現にとどまってお. 一般にソフトウェアライセンスは自然言語で記述されて. り,様々なソフトウェアライセンスのルールとして論理的. いる.自然言語を計算機で解釈可能な人工言語に翻訳し,. に定義することはできない.また,財源管理システム,施. Prolog 言語などの論理型言語で表現することで,多種多. 設管理システム,資産管理システムといった他の業務シス. 様な形態のソフトウェアライセンスを機械的に正しく利用. テムと連動させる場合には,システム間で整合性を確保し. されているかを検証可能となる.元々,ソフトウェアライ. ながらデータを同期する API (Application Programming. センスは誤解が生じにくいよう論理的な文章で書かれてい. Interface) が必要となるが,CSV ファイルによるインポー. ることが期待される.このため,論理型言語に翻訳するこ. ト機能などの基本的なデータの入力方法のサポートのみで. とは,それほど困難なものではないと推察される.また,. あり,基本的には手作業による管理が主となっており,人. 自然言語で表現されているソフトウェアライセンスを論理. 的コストの増加が予想される.. 型言語に翻訳する作業やその成果物はオープンなコミュニ ティで共有して効率化を図ることが望ましい.また,可能 であればソフトウェアを提供するベンダーが,プロダクト と共に論理型言語で記述されたソフトウェアライセンスを 配布することが,ソフトウェアの提供者においても利用者 においても負担が少ないと考えられる.. 2.2 業務システム連携 API 一般に,多くの組織では既に,財源管理システム,施設 管理システム,資産管理システムといった他の業務シス テムが運用されている.ソフトウェア資産管理システム を導入する場合には,これらの他の業務システム間で整 合性を確保しながらデータを同期する API (Application. 4. おわりに 本稿では,様々な資産管理ルールや複雑化するソフト ウェアライセンスの形態に対して柔軟に対応するために, 自由に資産管理ルールやライセンス形態の定義を柔軟にカ スタマイズできる高等教育機関のためのソフトウェア資産 管理ツールの開発を検討した.今後は,それぞれの課題を 掘り下げ,より具体的な仕様の作成を進める. 参考文献 [1] [2]. 文部科学省:第 4 次産業革命に向けた人材育成総合イニシ アチブ,日本経済再生本部第 26 回産業競争力会議 (2016). Grokability, Inc.: Snipe-IT: Open Source Asset Mamagement, Grokability, Inc. (online), available from ⟨https://snipeitapp.com⟩ (accessed 2016-05-30).. Programming Interface) が必要となる.このため,シス テムに対するデータの入出力は,CRUD (Create, Read,. Update, Delete) などの永続性に関する基本機能を持つイ ンタフェースと,データベースシステムが一般に備えてい るトランザクション処理によるコミットやロールバックと いった機能が必要となる.. c 2016 Information Processing Society of Japan ⃝. 2.

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参照

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