生活単元学習 学習指導案 日 時 平成 23年9月29日(木) 10:50~11:40 場 所 中学部第2学年1組教室 対 象 中学部第2学年1組 指導者 広島県立三原特別支援学校 教諭 髙垣 尚子 (T1) 教諭 児玉 麻理子(T2) 1 単元名 「修学旅行へ行こう」 2 単元設定の理由 (1)生徒観 本学級は,知的障害を伴う自閉症のある生徒 4 名(男子 3 名 女子 1 名)で構成され ている。本学級の生徒は,1日の活動をスケジュールカードで提示したり,授業の流れ(マ ニュアル)を提示したりして構造化することで,見通しをもち活動できている。また,第 2学年になり,生徒同士の関わりが多くなってきている。その中で,お互いが刺激を受け ながら意欲的に活動している。 これまでの修学旅行に関する学習では,日程を確認したり,行き先を確認したりするこ とで,見通しをもつことができてきている。生徒たちは,修学旅行に行くことや,お土産 を買うことをとても楽しみにしている。 これまでの買い物学習では,多くの商品から買いたい品物を選ぶことや財布からお金を 取り出すことが難しく,買い物をすることに自信をもてずにいた。そこで日々,個に応じ たお金や買い物に関する学習を重ねることで,生徒それぞれが自信や興味をもち,主体的 に買い物できるようになってきた。 (2)単元観 本単元は,修学旅行に向けて日時や目的地を知り,旅行するためのさまざまな準備を学 習の中で行うことによって,旅行するときにはどのような手順でどのような準備をすれば いいのかを身に付けることができる実践的な学習である。 その中で,修学旅行でお土産を買うことは,生徒が楽しみにしている活動の一つである。 生徒が自信をもってお土産を買うことができるよう,模擬体験学習を行うことで,できる だけ自分で活動できる力を身に付けさせることができる。そして,修学旅行へ向けてさら に意欲を高めさせることができる。 (3)指導観 指導にあたっては,活動に見通しがもて,落ち着いて活動に取り組める環境を整える。 授業の流れや目標を明確に示し,見通しをもって活動できるようにする。できるだけ一 人でできるよう環境を設定するが,難しいときや困ったときは,援助を求めることがで きるよう援助の仕方を視覚的に提示しておく。買い物の場面では,買い物への期待感を 高め,また,買う物の選択はスムーズにできるよう,あらかじめ商品を伝え,買いたい 商品を考えさせる。できるだけ実際のお店の雰囲気に近付け,模擬体験させることで本番 でも混乱なく行動できるようにしたい。振返りの場面では,一人ずつ目標が達成できた か確認し,生徒の活動の良かったところをほめて評価し,肯定的評価を行っていく。 【特別支援学校:知的障害】
2 -3 単元の目標 ○ 学校や家庭と異なる生活環境の中で,これまで取り組んできた基本的生活習慣に関 する学習内容を実践することができる。 ○ 集団宿泊生活を通して団体行動のルールを学び,仲間同士が協力し合う態度を養う。 ○ 公共交通機関の乗車方法や公共施設でのマナー等を体験的に学び,社会的経験の幅 を広げる。 4 指導計画(全24時間) 第1次 日程・目的見学地について ・・・2 時間 集団行動・公共の場でのマナー ・・・2 時間 見学先の学習 ・・・5 時間 交通機関の利用 ・・・1 時間 小遣い・買い物 ・・・2 時間 (本時2/2) 宿泊施設の利用 ・・・1 時間 食事の利用 ・・・3 時間 第2次 荷物準備・点検 ・・・1 時間 しおり作成 ・・・2 時間 最終確認 ・・・1時間 第3次 結団式 ・・・1 時間 第4次 振返り ・・・3 時間 5 本時の目標 ○ 全体の目標 (1)大分県と熊本県の特産物とお土産を知る。 (2)一人で買い物することができる。 ○ 個々の目標 生徒名 これまでの様子 目標 A ○初めてのことや苦手なことは,拒否す る場面が多かったが,目標を明確にする ことで意欲的に活動できる。 ○手順書を見たり,指導者の指示を聞い たりして,活動することができる。 ○金額は,理解できているが,財布から お金を出すのが苦手である。 ○大分県と熊本県の特産物とお土産に 興味をもち,正しくワークシートに記 入することができる。 ○買いたい商品を選び,一人で買い物 することができる。
B
○見通しがもてなかったり,自信がなか ったりすると「やりません」と言って拒 否し,活動に参加しにくくなる場面もあ るが,成功体験を積むことにより,意欲 的に活動する。 ○多くの商品から自分の欲しい商品を 選択するまでに時間がかかる。 ○金額は,ほぼ理解できているが,財布 からお金を取り出すのが苦手である。 ○大分県と熊本県の特産物とお土産に 興味をもち,正しくワークシートに記 入することができる。 ○買いたい商品を選び,金額を考えなが ら,一人で買い物することができる。 C ○分かりやすい活動内容であると集中して行動することができる。 ○発語がなく自分の要求を伝えにくい。 ○特産物のパズルを完成させることが できる。 ○買いたい商品を選ぶことができる。○自分の好きな物を選択することがで きる。 D ○見通しのもてないことや自信のない ことには消極的であるが,活動内容が分 かり,見通しがもてると意欲的に活動す る。 ○一人でやりたい気持ちは強いが,経験 が少ないため,指導者と共に活動するこ とが多い。 ○財布からお金を取り出すのが苦手で ある。 ○大分県と熊本県の特産物とお土産に 興味をもつことができる。 ○買いたい商品を選び,適切な行動で 買い物することができる。 6 準備物 ワークシート・お金・お小遣い帳・財布・お土産(見本) 7 学習過程(後掲) 8 評価の観点 ・一人で買い物することができたか ・個に応じた指導をしていたか ・教材・教具は適切であったか 9 年間指導計画 1学期 新しい学年になって 簡単調理をしよう 運動会に向けて 船に乗ろう 夏休みに向けてチャレンジ! 学期末の掃除 夏休みに向けて 10時間 14時間 16時間 9時間 8 時間 1 時間 1 時間 2学期 2 学期の始まり 修学旅行へ行こう 学校祭をしよう 秋を感じよう お店を開こう 夏休みに向けてチャレンジ! 学期末の掃除 冬休みに向けて 1時間 24時間 5時間 15時間 8時間 8 時間 1 時間 1 時間 3学期 3 学期の始まり 会食をしよう もちつき大会をしよう おもてなしをしよう 卒業生を送ろう 進級を祝う会をしよう 学期末の掃除 春休みに向けて 1時間 14時間 3時間 8時間 7時間 4 時間 1 時間 1 時間
4 -レジ 10 教室内の配置図 (中学部第 2 学年 1 組教室) ホワイトボード お土産屋 T1 A B C D T2 個別スペース 休憩ス ペ ー ス 品物 T1 入口 C T2 D A B かご 並んで移動する。 ホワイトボード 入口 レジ
7 学習過程 学習活動 個々の学習活動と留意点 ( 課題 ○支援 ☆評価 ) 全体 A B C D ○授業の流れをホワイト ボードに提示する。 ○姿勢が整っていること を確認し,日直に号令を 促す。 ○本時の流れをホワイト ボ ー ド へ 提 示 し 説 明 す る。 ○時計を用意し見通しを もたせる。 ○ 目 標 を 赤 字 で 記 入 す る。 ○興味をもてるよう,丁 寧に説明する。 ○ワークシートを配る。 ○財布にお金を入れる方 法を説明する。 ○使いやすい財布を用意 する。 ○お店の白板に買い物手 順を記入しておく。 ○生徒の意欲が高まるよ う,できるだけ実際のお 店の雰囲気に近付ける。 ○買い物への期待感を高 め,また,買う物の選択 が ス ム ー ズ に で き る よ う,あらかじめ商品を伝 え,買いたい商品を考え させる。 ○買ってきた物を一人ず つ確認し,肯定的な言葉 かけを行う。 ○お小遣い帳の書き方を 説明する。 1 はじめの挨拶(1分) 2 説明(5分) ・授業の流れ ・目標 3 活動 ・大分県の特産物・お土 産の説明 ・お小遣いの配付 ・買い物(大分県のお土産) ・買った物を確認する。 ・お小遣い帳に記入する。 ・熊本県の特産物・お土 産の説明 ・残金を確かめる。 ○姿勢を正していないと きは,姿勢を正すことに 気付くよう言葉かけを行 う。(T1) ○T1 に注目するよう必 要に応じて言葉かけを行 う。(T2) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ☆大分県の特産物・お土 産を確認し,正しくワー クシートに記入すること ができたか。 ○買い物 2 回分のお小遣 い(2000円)配付す る。(T1) ○難しいときは,適切な 言葉で援助を求めること ができるよう,言葉かけ を行う。(T1) ☆最後まで正確に財布に お金をしまうことができ たか。 ○困ったときは,白板を 見るよう促す。(T1) ☆商品を選び,お小遣い の中で買い物することが できたか。 ○難しいときは,適切な 言葉で援助を求めること ができるよう,言葉かけ を行う。(T1) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ☆熊本県の特産物・お土 産を確認することができ たか。 ○文字に注目させ読ませ る。(T1) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ☆大分県の特産物・お土 産を確認し,正しくワー クシートに記入すること ができたか。 ○買い物 2 回分のお小遣 い(2000円)配付す る。(T1) ○活動が止まっていると きは援助が求められるよ う「どうするんだったか な?」と言葉かけを行う。 (T1) ☆最後まで正確に財布に お金をしまうことができ たか。 ○一人で買い物ができる よう「おつかいメモ」と 電卓を持たせる。(T1) ☆商品を選び,お小遣い の中で買い物することが できたか。 ○行動が止まっていると きは,言葉かけを行う。(T 1) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ☆熊本県の特産物・お土 産を確認することができ たか。 ○姿勢を正していないと きは,姿勢を正すことに 気付くよう言葉かけを行 う。(T1) ○姿勢を正すよう必要に 応じて言葉かけを行う。 (T2) ○特産物のパズルを完成 させることができるよう 支援する。(T2) ☆特産物のパズルを完成 させることができたか。 ○買い物 1 回分のお小遣 い(1000円)配付す る。(T1) ○活動が分からなくて止 まっているときは,指差 し や 言 葉 か け を 行 う 。 (T2) ☆財布にお金をしまうこ とができたか。 ○できるだけ一人で買い 物ができるよう隣で見守 る。必要があれば,指差 しなどで支援する。 ☆商品を選び支払いする ことができたか。 ○行動が止まっていると きは,指差しや言葉かけ を行う(T2) ○お小遣い帳への記入の 際金額を記入したシール を用意する。(T2) ○特産物のパズルを完成 させることができるよう 支援する。(T2) ☆特産物のパズルを完成 させることができたか。 ○姿勢を正していないと きは,姿勢を正すことに 気付くよう言葉かけを行 う。(T1) ○目標を読むときは文字 を 1 文字ずつ指さしす る。(T1) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ○必要に応じて文字を書 いたシールを用意する。 (T1) ☆大分県の特産物・お土 産に興味をもつことがで きたか。 ○買い物 1 回分のお小遣 い(1000円)配付す る。(T1) ○活動が分からなくて止 まっているときは,周り の友達を見て行動ができ るようにする。(T2) ☆財布にお金をしまうこ とができたか。 ○選択が難しいときは, 「どっちにする?」と2 つ の 商 品 か ら 選 択 さ せ る。(T2) ☆買い物の手順にしたが って買い物することがで きたか。 ○適切に発表することが できるようヒントを与え る。(T1) ○お小遣い帳への記入の 際金額を記入したシール を用意する。(T1) ○活動内容が難しく困っ ているときは,ヒントを 出す。(T1) ○必要に応じて文字を書 いたシールを用意する。 (T1) ☆熊本県の特産物・お土 産に興味をもつことがで きたか。 姿勢を整え挨拶をする。 号令をかける。 T1 に注目し,挙手や指名によって目標を読み,説明を聞いて,本時の目標が分かる T1 に注目し,お土産の見本を見て大分県の特産物・お土産に興味をもつことができる。 お小遣いの中で買える商品を選択し,買い物するこ とができる。 買った物の金額と残りのお金の金額が分かる。 姿勢を整え挨拶をする。 買いたい商品を一つ選び買い物することができる。 お小遣いの金額を理解し,きちんと財布にお金を しまうことができる。 財布にお金をしまうことができる。 買った物を発表するこ とができる。 買った物を提示するこ とができる。 T1 に注目し,お土産の写真を見て熊本県の特産物・お土産に興味をもつことができる。 財布にお金をしまうことができる。 残金を確かめることができる。
・買い物(大分県のお土産) ・買った物を確認する。 ・お小遣い帳に記入する。 4 振返り 5 おわりの挨拶(1分) を行う。(T1) ☆残金を確かめることが できたか。 ○困ったときは,白板を 見るよう促す。(T1) ☆商品を選び,お小遣い の中で,買い物すること ができたか。 ○難しいときは,適切な 言葉で援助を求めること ができるよう,言葉かけ を行う(T1)。 ○見本どおり表現できて いない場合は,見本に注 目させ,再確認させる。 (T1) ☆残金を確かめることが できたか。 ○一人で買い物ができる よう「おつかいメモ」と 電卓を持たせる。(T1) ☆商品を選び,お小遣い の中で買い物することが できたか買い物すること ができたか。 ○行動が止まっていると きは,言葉かけを行う。(T 1) ○見本どおり表現できて いない場合は,見本に注 目させ,再確認させる。(T 1) し や 言 葉 か け を 行 う 。 (T2) ☆財布にお金をしまうこ とができたか。 ○できるだけ一人で買い 物ができるよう隣で見守 る。必要があれば,指差 しなどで支援する。 ☆商品を選び支払いする ことができたか。 ○行動が止まっていると きは,指差しや言葉かけ を行う。(T2) ○お小遣い帳への記入の 際金額を記入したシール を用意する。(T2) ○買い物した物を見せる ことで,本時の内容を確 認させる。(T2) の友達を見て行動ができ るようにする(T2) ☆財布にお金をしまうこ とができたか。 ○選択が難しいときは, 「どっちにする?」と二 つ の 商 品 か ら 選 択 さ せ る。(T2) ☆買い物の手順にしたが って買い物することがで きたか。 ○適切に発表することが できるようヒントを与え る。(T1) ○お小遣い帳への記入の 際金額を記入したシール を用意する。(T1) ○表現が難しい時は,言 葉を引き出すよう言葉か けを行う。(T1) ○お店の白板に買い物手 順を記入しておく。 ○生徒の意欲が高まるよ う,できるだけ実際のお 店の雰囲気に近付ける。 ○買い物への期待感を高 め,また,買う物の選択 が ス ム ー ズ に で き る よ う,あらかじめ商品を伝 え,買いたい商品を考え させる。 ○買ってきたものを 1 人 ずつ確認し,肯定的な言 葉かけを行う。 ○発表の仕方を白板へ記 入しておく。表現が難し い場合は語彙の選択がで きるよう例を記入してお く。 ○発表のイメージができ るよう,指導者から発表 し,モデルを示す。 ○生徒のよかったところ を 伝 え 肯 定 的 評 価 を 行 う。 ○次時の予定を伝える。 ○T1に注目し,姿勢を 正すことに気付くようジ ェスチャーや言葉かけを 行う。 ○姿勢が整っていること を確認し,日直に号令を 促す。 姿勢を整え挨拶をする。 本時の学習を振返ることができる。 お小遣いの中で買える商品を選択し,買い物するこ とができる。 買いたい商品を一つ選び買い物することができる。 買った物の金額と残りのお金の金額が分かる。 買った物を提示するこ とができる。 買った物を発表するこ とができる。 姿 勢 を 整 え 挨 拶 を す る。 号令をかける。