論旨
論文「映像メディア表現」の一環として、「コミュニティ型の Web サイトメディア SNS
(Social Network Service)」を論考する。
「子どもたちのスマートフォン所有率の増加があり、より快適なコミュニケーショ ンの場を広げ、子どもたちの生活が変わっていくことが予測される。」
上記は、朝日新聞コラム編集長 眞部菊美氏は、教育に関するニュース「子どもを読む」
(2012 年 11 月 7 日朝日新聞朝刊)に掲載されている一文である。
SNS は、個を中心とする「情報発進」に価値を見いだし、「自分と波長の合う意見や情 報」また、「理解し合える仲間同士」で共有することから新たな「意味を持つコミュニ ティ」が形成される。SNS の情報が、実社会に広く拡散され、強い力を持ち社会を動かす 影響力を持ち始めた。しかし、自己を開示し、その周りの「仲間像」も開示してしまう SNS は、社会的なルールも定まっていない。
今、また、「メディア・リテラシー
注 1)教育」、「情報デザイン」
注 B)を考える必要性があ ると判断したからである。
1、Social Network Service とは、
この項では、Social Network Service メディアの全体を把握する。
1)−1 Social Network Service
モバイル「スマートフォン」利用層は、若い世代のみならず、高年齢まで限りなく増加 し、今年の 5 月時点で 5060 万人を超え、昨年から利用者が急速に増加した(「インターネッ ト白書 2012」監修:財団法人インターネット協会)。
Social Network Service の 「facebook」
注 2)、「twitter」、「google+」、「Piterest」、
西 垣 泰 子
情報の共有はイメージの解放へ
映像メディア表現(NO2)
「Linkedin」、「Foursquare」、「LINE」と、多様なデータサイズ(動画、写真、画像、文字)
がある。利用者は自分の好みや、置かれた状況に合わせて使い分けることができる。発信 した自分の意見や画像を理解した「友達」となった間で、有意義な意見や画像、動画等々 を共有しあう。
SNS を 1 人が複合的に利用する例もあるが、一般社会人の「facebook」利用者を 100%の 単位で比較していくと、「twitter」は、86%。「google+」は、85%。「Piterest」は、8.4%。
「Linkedin」は、7%。「Foursquare」は、9.8%。「LINE」は、8.4%の比率である。しかし、
現時点では「LINE」は、後述するように、コミュニケーションツールとして驚異的な伸び をした。
これらの数値は、世代間(利用しやすい、友達と繋がりやすい、利用する目的、等)や、
個人の思惑から、刻々と変化している。そして、「Twitter」は、現在、関連した「つぶや き」を集めることのできるハッシュタグ(hashtag)がプログラムされ、同一の意見や見 解を集めた「仲間」を形成できるようになった。ハッシュタグとは、発言冒頭に「#半角 英数字」と入れて投稿すると、ハッシュタグ記号つきの発言が検索画面などで一覧できる。
どのような使い分けがされているか、調布地域の企業経営者の勉強会で得た数値を表組 してみた。この図から、一般的には馴染みが薄い「Piterest」、「Linkedin」、「Foursquare」、
「LINE」の特性を簡単に説明する。(年齢で利用項目な大きな差がある。ここでは普通の市 民の利用状況を取り上げた。)
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図1 調布コワーキング定例勉強会「ソーシャルメディア 2012 年上半期まとめ」より、西垣作図
・ 「LINE」は、無料通話アプリ。登録したメンバーが複数で長時間トーク(おしゃべり)
できる。雑誌「日経トレンディ」は、化け物アプリ「LINE」を 2012 年のヒット商品ベ スト 2 位に位置づけた。起因は、日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」 (2012 年 8 月 12 日)に参加した若者達同士で、「LINE が超便利」と、twitter で呟かれ利用が増 加したことによる。また、災害時の連絡に利用出来る(Skype、twitter は、緊急時には 利用できない)。メール機能では、ボディーランゲージに徹したコミカルな絵文字でノ ン・バーバルなコミュニケーションができる。2012 年 10 月 25 日には、登録ユーザー数 が、世界で 7000 万人を突破した(YAHOO! JAPAN ニュース)。
コラムニストである眞部菊美さんも、
「スマホを持つ子のほとんどがやっているのが「LINE」という無料通話アプリです。 」
と、記述している。子どもたちは、おしゃべりの延長として「LINE」で、コミュニケーシ ョンの場所をひろげ、絆を強めているようである。
・ 「Piterest」 (ピンタレスト)は、アメリカで開発された画像共有サービス。「好みの画像」
をスクラップブックのように掲載でき、ユーザーは、購入の店、価格、質の良さまで比 較検討しながら品選びをしている。
・ 「Linkedin」 (リンクトイン)は、ビジネス用 SNS。自分の職歴や専門職等の情報を公開 し、ビジネスチャンスを掴む事が出来る。また、企業側は、新規プロジェクト、スキル の高い人材等を獲得するのに利用。登録ユーザーは全世界で 1 億人を超えた(2011 年 3 月)。2011 年 11 月に日本語版が発表され、クリエイター業界にて利用されている。既に 利用している著名なプロダクションにアクセスすると世界中のクリエイターとつながる ことができる。ネットワーク活動の順位もわかるサイトでもある。
・
バッジ例(人気のバッジは売り切れている)
The Social List
facebook, twitter, foursquare,
linkedin と連動して、自分のソー
シャルネットワーク活動の順位が
わかるサイト。
・ 「Instagram」は、iPhone、Android のアプリケーション(スマホアプリ)で特有な写 真を撮ることが出来、加工も可能である。ジオタグ(位置情報)、キャプションで、友人 と共有(シェア)できる。一億人を超える利用者がいる。写真がメインであることから、
文字情報の twitter と異なる。
これらが、どのように利用されているかを、三つの表にする試みをした(図 3−1 と図 3−2 の数値は「netasahi reserch2008」に基づいている)。
4 年前の 2008 年のデータ(図 2)が、興味深いので掲載した。
「物を購入する」ことに関して、パソコンやモバイルでのインターネット利用率が高く、
(図 3−1)と(図 3−2)から使用年齢を比較すると、13〜19 歳が多く、また、(図 3−2)で は、意図を持ち「情報」を検索する数より、仲間内の情報交換が多い。2012 年の現在では、
この利用者は、高校生か大学生、または、社会人となっている。
「リクルート進学総研」(2012 年度)の調査では、4 割弱の高校生がスマートフォンを所 有し、その利用時間帯は、起床後から就寝前まで一日中利用しているようである。
データから見ると、その所有率は昨年の 2.6 倍(14.9%→39.2%)と急増し、デスクトップ 型 PC 所有率を超え、「コミュニティサイトへの参加」ではスマートフォンが増加している。
インタ ネット広告 イ
ッ ネ タ ン イ ット広告
告
広 メディアとととの接触状況の予予測(全体)
図2 広告メディア接触状況〜ヤフー株式会社 2011/12/9 西垣作図
ネ ー タ ン イ
% 0 1
= 台 1
と く な 少 日 毎 : ト ッ ネ
用 利 は 回 1 も と
% 3 . 4 4 6
% 0 1
= 台 1
0 2 h c r a e s e r i h a s a t e
n 08
%
% 0 0 . 9 9 6 6
5 5
%
% 7 7 . 6 6 5 5
%
% 2 2 . 6 6 3 3
. 9 9 4 4
%
% 4 4
%
% 2 2 . 6 6 4 4
% 8 . 0 5
% 2 . 9 4
9 1
〜 3 1
歳 9
歳 9 2
〜 0 2
歳 9 3
〜 0 3
4
〜 0 4
歳 9 4
図3−1 図3−2
特に、友人・知人とのコミュニケーションツールとしての利用が増加し、高校生達は、
SNS を自在に操作しながら、気に入った仲間の固まりを形成しているようである。個人の 思うままになるメディアを手中にしながら、SNS に拠り所を求める若者のライフスタイル が、どのような状況かを調査したところ、
「7 割以上が私的空間(独りでいるのが好き)」
であった。計り得ないバーチャルなネットワーク・コミュニティを形成するのが「7 割以 上が私的空間(独りでいるのが好き)」である若者である。
人と人との信頼関係があった上での情報交換は真実味が強い。従来の「クチ・コミコミ ュニケーション」の構造が、インターネットを介して瞬時にトラックバックされ、拡散し ている。
AKQA チーフ・クリエイティブ・オフィサーのイナモト・レイ(稲本 零)氏が、
「ソーシャルネットワーキング・サービスの主目的は、人と人とのコミュニケーシ ョンにある」
と、語るように、相槌を打ち、絆を持つ「共感」が仲間をつくり、その循環の中から新た な価値を見いだし、仲間同士で共有される事は、「人と人との信頼関係」があった上での情 報交換である。様々な情報を比較検討しながら自分の立ち位置を計っている世代のソーシ アル(社会的、社交的)コミュニケーションは、計り得ないバーチャルなネットワーク・
コミュニティを形成しつつある(「ARI(Affect Reason Involvement)発展手法モデル」
より)。
恐れている事は、同じ話題に集中してコミットしながら、「クチコミュニケーションの 構造を持つ SNS」は、同期性と無数の拡散性があることから、「自分が中心」であるとも 錯誤させてしまう。更に、そこで、自分の意見や見聞を比較検討しながら自分の立ち位 置を計り、また、自己との相違性を確認するために、情報をリミックスしながら常に「モ ノ」や「情報」の価値観を確認することとなる。そして、仲間外れになる恐れからも自 らの考え方に「拘束性」をも作用させてしまい、極めて固有性の高いグループを創りだ す事である。
1)−2 個人が社会を変えていく「ソーシャルグッド」と「シェア Share」
上記した起因に、トラックバックされるソーシャルサービス
注 5)で、「ソーシャルグッ ド」という 「いいね!」
注 4)のボタンと、自分の意見や見解に共有できる「シェア Share」
注 5)がある。
これらの機能から、個人にとって、価値ある「情報」を創り出していく SNS は、一方、
誰でも新たな仕組みを生み出すこともできる。人間のプリミティブな「感覚と知覚」と
「同期性」を伴い、連鎖的に伝播させ「共有感覚」が核となるコミュニティを創り出し、討
論や定義の場を少なくしてしまい、反論の場が少なくなり、一方向性に誘導してしまい、
従来の社会構造とは異なってくると予測されている。
生き抜く、仲間づくりから助け合い、楽しむなど、メディアを「どのように使う」かは、
人それぞれである。しかし、各個人が個別に発進出来るメディアは、個人の満足度が優先 されるルーズな環境でもある。
2、共有感覚
強いつながりを持ち、拘束性を持つ、SNS での「共有感覚」は仮想空間である。自己を 中心とした「友達の和」のコミュニティが、社会の核となった現在、従来のように物事の 本質を見極めようとする「自己洞察力」が希薄となり得るとも考えられる。
スタンフォード大学の計算機科学者テリー・ウィノグラード(Terry Allen Winograd)、
チリの哲学者フェルナンド・フローレス(Carlos Fernando Flores Labra)共著の『コン ピュータと認知を理解する』 「12 章:コンピュータを使う−新しいデザインの方向」では、
「認知の鍵となるのは認知システムの可塑性(元に戻らない)であり、これが構造 的カップリングを可能にする。インタラクションの領域が変更されると、インタラク トしているシステムの構造もそれに応じて変化する。我々は新しい構造を直接的に個 体に組み込むことはできないが、インタラクションの空間を変化させるようデザイン することによって、個体の構造の変化が起動され、それが地平の変化につながる。こ の地平は、理解のための必須である。コンピュータが特別強いインパクトを持つのは、
それが言語で行為するための機械だからである。」
とある。
インタラクションとは交流、交流、相互作用などの意味を持つ、形容詞形の「インタラ クティブ」 (interactive)から派生した言葉である。(IT の分野では、人間とシステムの間 の情報のやりとり、操作や入力とそれに対する反応や出力、対話的な操作方法、などの意 味で用いられる)。また、人は、「脳(brain)」、「行動(Behavior)」、「認知(Cognition)」
の循環のなかで、行動(Behavior)している。その中で、更に、認知(Cognition)してい く循環があり、渦巻きのように繰り返し上昇していくこととなり(『共感覚 もっとも奇 妙な知覚世界』 ジョン・ハリソン著より)、無限の可能性を持つことともなる。
ジョシュア・メイロウィッツ(Meyrowitz, Joshua コミュンケーション学)の著書『場 所感覚の喪失』 (NO SENSE OF PLACE THE IMPACT OF ELECTRONIC MEDIA ON SOCIAL BEHHAVIOR 2003)、ポール・レヴィンソ(Paul LEVINSON『digital mcluhan』
a guide to the information millennium. アメリカの社会学者。コミュニケーション学。
「twitter」の High Fliers トップ 10 に入る)の研究から考察すると、以下の 7 項目が、
これからの社会となるようである。
1、肉体なき人−場所感覚の喪失 2、専門的な知識を誰でも入手できる 3、コミュニケーションの大衆化 4、場所感覚の喪失
5、文字が「遠出」−書き言葉という共通部分
文字を視覚的に訴えるから視覚空間の主要な構成要素となる 6、ユーザーがインターネットのコンテンツ
7、21 世紀の言葉と視覚のコミュニケーションを基礎に、確乎とした地位を築きつつある。
心の安定、満たされた気持ちを求める傾向が優先され、周りとの差異性は好まなく、
「面白い」、「楽しい」、「興味がある」、「波長が合う」ことが最優先され、時間、場所、
場の身体的共有が無い。
と記してもいる。この書籍は 2003 年に発行された。
私的空間(独りでいるのが好き)でのデジタルコミュニケーションは個別性が高いはず だが、逆の様相を孕みだした
現代では、メディアが「映像」、「静止画」、「言葉」を統合して、インターネットで拡散 されている混乱した様相を呈している。
若い世代の普通の人々がメディアを獲得して情報を自在に発信しながら世論を操作でき る時代であるが、コミュニケーションの基本は、自己のみならず、日常に浸透した「論理 的な思考」 (この場では、言葉を通じて表される理性的な行動。とする)を共有し、そこで のやり取りから、その創造力を最大限に引き出す事である。
SNS は、双方向性だけでは無く、インタラクション(interaction 相互作用)するデジ タルクロスメディアであり、2 つ以上の情報が相互にからみあい、複合的に構築されるこ とから最終的な到着点が見えなく、世界を変えていくこととなる。
『コンピュータと認知を理解する』の著者である、テリー・ウィノグラード(Terry Allen Winograd
注 8)) 、とフェルナンド・フローレス(Carlos Fernando Flores Labra
注 9))は、
「新しい技術が人間の活動を変え、そこに新しい活動の用語がつくり出される」
と、記述しているように、新たな社会の枠組みが構成されるようである。
しかし、現在、そこでは、善くも悪くも「精査するセクション」が皆無であるのが現状 である。
振り返れば、この現状に参考となる社会現象が、日本にはあった。新規なメディアが突
然導入されながら庶民が、イメージ的な要素が多いこれらを堪能したコミュニケーション
社会である。
3、大衆化した共有性のあるメディア
3)−1 江戸のサブカルチャー
「開帳場にて巾着切りに紙入れを預けるに似たり」 『根無草』後編
ついつい財布の紐が緩んでしまう心理を詠んだ上記の句は、平賀源内の『根無草』 (明和 六年 1769 刊行)に含まれている。
江戸時代中期(明和(1760 年代)年間から慶応・初期(1860 年代)、平賀源内、油彩画 と銅版画制作の司馬江漢、錦絵創始者鈴木春信、『解体新書』を訳した杉田玄白等が海外の 情報を多く流入していた。中でも複製メディアである「木版画」のサブ・カルチャー(主 流文化に反する個人のグループ)が優先された躍動的な時代、江戸時代である。この時代 は、庶民文化旺盛といえども、「某か」の調節(ほどよく整える)があった。
世界屈指の商業文化を生み出した豊かな江戸社会では、「読本」、「浮世絵」、「川柳」、「俳 諧」等を庶民が楽しんでいた。教育水準が高く、寺小屋で学ぶ子供達を含めて、世界一の 識字率であり、「読み書き算盤」は、士農工商の身分の平均値 70 パーセントを越えていた
(嘉永年間 1848〜1854)。「寺小屋」は子供達の民間の教育の場であり、庶民は、生活を 楽しむアクティビティがあった。
平賀源内は、オランダで発明された医療器具(電気ショック治療)から「エレキテル」
(摩擦起電器 静電気発生装置)を制作。夏場に魚が売れない魚屋に頼まれて「うなぎの コピー」をする。自らのネットワークで「物産会」を開催する等、官民の橋渡しをした。
一方、浮世絵師、奥村政信(貞享 3 年 1686〜宝暦 14 年 1764)の「見立て絵」 (歴史上の故事 や古典を、庶民が理解しやすい題材に託して描く)があり、浮世絵師、歌川国芳(寛政 9 年 1798〜文久元年 1861)は、浮世絵版画「遊び絵」、「武者絵」、「判じ物」等で、庶民を楽 しませた。
十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』 (享和 2 年 1814〜文化 11 年 1814 にかけて初刷)
は、歌川広重の浮世絵版画『東海道五十三次』を発行させ、「クチ・コミコミュニケーショ ン」で広がり、江戸庶民に「旅ブーム」を巻き起こした。他方、江戸中期の俳人、柄井川 柳(享保 3 年 1718〜寛政 2 年 1790)が、世の中の出来事を、軽妙に表現した「川柳」があ り、俳人、松永貞徳(元亀 2 年 1571〜承応 1654)の滑稽をテーマとする「俳諧」
注 7)があ る。言葉で楽しみ、眼で楽しむ(複製版画浮世絵)文化をインタラクティブにつなぐ情報 インフラが循環していた時代であった。因みに、空間と時間移動ができる「双六」のデザ インは、「貼交絵(はりまぜえ)」と得意とした歌川広重の仕事であった。
統治する幕府は、若き福沢諭吉も参画した「遣米使節団」、「遣欧使節団」も派遣され、
海外の情報は正確に取得するとともに、新しいメディア(活字、油絵、写真術、映画術等)
を手中にする情報収集を「開成所」 (参考;日本文化学部研究紀要 4 号 平賀源内『風流志 道軒伝』の一枚の挿絵から)西垣著)でおこなっていた。外部社会(この場合、幕府統治 下以外の国)との結合性を管理しつつ、秩序と活気ある社会発展を実現していた。
言葉で記述するより、視覚的に世界との相互関係を見た方が解り易いので、その関連の
図版を制作したので、最後に掲載する。(図 4 幕末から明治にかけての世界のメディア開 発の関係年表 西垣作図)
新しいメディアの効果を、官民織り交ぜて「知る」、「効果的な表現」する。「楽しむ」文 化が形成されていた。そこでは、現代の「コミュニケーション・デザイン表現」と相通じ る仕組みがあったと考える。
3)−2 「情報デザイン」の切り口(イノベーション)
庶民(ユーザー)が活用する SNS が新たな「意味を持つコミュニティ」が形成された現 代社会では、ブレークスルー思考(突破する、もしくは解明していく)が必要とされ、意 味のある「情報」を抽出することの出来る「リテラシー教育」が必要とされる。
SNS を利用する側(個人でも)は、多くの SNS ユーザーに「認知される内要」と視覚表 現において「違いを出す」デザイン教育が新たな方向性を創ることができる。
デザイン評論家の栗田勇氏の『都市の文明デザインの思想』の一文が、デジタルメディ アでのインフラを含めた構築に適応できると考えと判断し引用する
「社会はこうだ、世の中はこうだと考えるが、その集団的な社会のなかに自分も含 まれるそれを切り離してみるのではなくて、ちょうどプラネタリウムのなかで、空を 見ているような感じでものを考えていく、それがデザイン的発想の秘訣だと思うので ある」
また、
「デザインは、社会的集団の自己表現であり、集団の意志を、組織的プロセスで、
集団に向かって表現するということであり、その美学的特徴は、組み合わせ、コンビ ネーションにあるのではないかということだ。〜(中略)〜グラフィックなコミュニ ケーションは、実体的でなく空間的である。だから、逆に、大衆社会の、一貫性のな い大衆にも浸透していくことが出来る」
と記述している。
SNS(Social Network Service)での「ソーシャル・コミュニケーション」は、今までの 社会的な枠組みでみていくことには限界があり、予測は出来かねるが、参考になる考え方 を以下に記述する。
デザイン(設計も含めた)構成について。西ドイツのウルム造形大に留学後ハノーバー 工科大工業デザイン研究所を経たデザイン研究家である、向井周太郎が、デザインについ て「知」の総合体として捉えるべきであると、
「デザインとは、あるべき生の全体性としての生活空間の形成」
とのべ、また、「知」の設計として、
「デザインは社会の希望を照らし出していく生成装置である」
と述べている。
注 A) アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物(人)に対して与える「意味」。アメリカの知覚 心理学者、ジェームズ・J・ギブソン(James Jerome Gibson、1904 年−1979 年)が、環境の表 面(surface)や配置(layout)を、色やキメ(texture)をどのように見るかを研究し、「与え る、提供する」という意味の英語 afford から造った。ゲシュタルト知覚も含まれ、デザインをす るワークとしてデザイナーは導入する。
注 B) 情報デザイン(information design)は、人間とモノや環境との関係性にかたちを与える方法論、
生活の中にあふれる無数の情報をわかりやすく提示する手法、あるいは、それらの考え方。「情 報デザイン」は、その時代の複製メディア(版画メディア、活版印刷メディア、デジタルメディ ア、インターネットでの Web デザイン等々)に対応した「視覚伝達デザイン」は、広く「情報」
を伝達するべく「アフォーダンス(affordance)
注 A)」、「人間の認知心理」を理解した「色彩」、
「形態」、「タイポグラフィデザイン」、「情報リテラシーデザイン」が優先されていることを専門 分野以外には、あまり知られていない
注 1) メディア・リテラシー:メディアから発進され、形づくる「現実」を批判的(クリティカル)に 読み取り、メディアを使って表現していく能力
注 2) Facebook は、2004 年にハーバード大学の学生であったマーク・ザッカーバーグ(Mark Elliot Zuckerberg)がハーバード大学の学生が交流を図るための「ザ・フェイスブック」というサー ビスを開始した事から世界中にひろがり、現在、9 億人以上が参加している世界最大の実名参加 の SNS(2012 年 4 月現在)である。
注 3) GeoMedia とは、データの統合と生産性の強化をコンセプトに開発された次世代の地理情報シス テム。データペースに対する照会・検索やバッファゾーン、主題図作成などの空間解析機能、異 なる座標系の統合など、豊富な機能を備え、地理データのデータ共有環境を目的として開発され た GIS アプリケーション。簡単にどこからでも地理データベースにアクセスできるデータサーバ ー機能をサポート。このデータサーバー機能を活用することにより、ユーザーは複数ベンダーの データベースに同時にアクセスすることが可能。
注 4) SNS ページにあるボタン「いいね!」のボタンを押す事により友達の情報を評価し共有する事 注 5) Share 友達が UP した情報を自分の SNS に掲載すること。
注 6) ソーシャルネット・ワーキングサービス(SNS : Social Networking Service)とは、社会的ネッ トワークを構築できるサービス
注 7) 「俳諧」とは、連歌師が発句に、次の詠み手(「座(共同体)」)がつなぐ、洒脱な言葉遊びの 1 つである。
注 8) Terry Allen Winograd、1946 年 スタンフォード大学の計算機科学者.SHRDLU とよばれるシス テムを用いた自然言語についての研究をする。
注 9) Carlos Fernando Flores Labra 1943−チリの政治家であり哲学者。Terry Allen Winograd と共 同研究
(図 1 調布コワーキング定例勉強会「ソーシャルメディア 2012 年上半期まとめ」より、西垣作図)
(図 2 広告メディア接触状況〜ヤフー株式会社 2011/12/9 西垣作図)
(図 3−1 図 3−2) 「netasahi reserch2008」 西垣作図)
(図 4 西垣作図)
■ 参考文献
『電子ネットワーキングの社会心理』川上善郎・池田謙一・古川良治 1993 年 誠信書房
『ソーシャルメディア進化論』 武田隆著 ダイアモンド社
『つながりすぎた世界』インターネットが広げる「思考感染」にどう立ち向かうか ウイリアム・H・
ダビドウ著 ダイアモンド社
『コンピュータと認知を理解する』テリー・ウィノグラード、フェルナンド・フローレンス共著
『場所感の喪失 : 電子メディアが社会的行動に及ぼす影響 No sense of place : the impact of electronic media on social behavior』ジョシュア・メイロウィッツ著 ; 安川一, 高山啓子, 上谷香陽訳
『未来の終焉 THE END OF THE FUTURE ハイテク社会の桎梏』Jean gimpel 著 三木亨訳 産 能大学出版部 1996 年
『共感覚 もっとも奇妙な知覚世界』 ジョン・ハリソン著 松尾香弥子訳 NHK ブックス 昭和 55 年
『江戸の情報屋 幕末庶民史の側面』 吉原健一郎著 NHK ブックス 昭和 55 年
『風来山人集』日本古典文学大系 55 岩波書店 昭和 49 年
『都市の文明デザインの思想』 栗田勇著作集 2 新書館 1996 年
『パーソナリティ心理学』 榎本博明・堀毛一也著 有斐閣
『コミュニケーションの歴史』ランスロット・ボグベン Lanscelot Hogben 著 壽岳文章、林達夫、平田 寛、南博訳 岩波現代叢書 1965 年
『幻影の時代ーマスコミが製造する事実』D.J ブーアステイン著後藤和彦・星野郁美訳 東京創元社昭和 39 年刊)
■ 図版
(図 1 調布コワーキング定例勉強会「ソーシャルメディア 2012 年上半期まとめ」より、西垣作図)
(図 2 広告メディア接触状況〜ヤフー株式会社 2011/12/9 西垣作図)
(図 3−1) (図 3−2) 「netasahi reserch2008」
(図 4 幕末から明治にかけての世界のメディア開発の関係年表 西垣作図)
■明治元年1月1日:1868年1月25日
1870 1880
1860 1900
1890
■1862:(文久2 年)文久遣欧使節
竹内保徳(下野守)、松平康英(石見守)、京極高郎(能登守)、
柴田貞太郎(組頭)、福地源一郎、福沢諭吉、松木弘安(寺島宗則)
■1867 年 :(慶応 3 年)1月パリ万博に代表団を派遣
幕府とは別に薩摩藩と佐賀藩が独自に出展
■1878:( 明治 11) パリ万博に日本政府出展
■1861 万延元年遣米使節
江戸幕府が日米修好通商条約の批准書交換のために派遣
■1860:
(安政7年1 月13 日 遣米使節
■1867(慶応3年)再渡米
■1870 普仏戦争。〜第一次世界大戦
■1882:
ドイツ、 オーストリア、 イタリア 三国同盟
■1894~1895 (明治27~28) 日清戦争
■1882 年 :( 明治 15) 伊藤博文憲法取り調べのため渡欧
■1902(明治35) 日英同盟
■1904~1905(明治37~38) 日露戦争
■1895 (明治38)ポーツマス条約
■1890:(明治23 年10月12 日)時事新報
スペンサー氏空中旅行 横濱講演 1889 年上野公園
■
1 8 8 2 : ( 明 治 1 5 年 「 ) 時 事 新 報 」 創 刊
■
1 8 8 3 : ( 明 治 1 6 年 1 0 月 1 6 日 「 ) 商 人 に 告 る の 文 」
「一年三百六十日、廣告に最上の日は三百六十日なり」
プレスキャンペーンー売薬無効論
■
1 8 8 7 ( : 明 治 2 0 年 ) 時 事 新 報 社 長 武 藤 山 治
「各新聞広告取扱所」 を創業
■
1 8 8 8 ( : 明 治 2 1 年 1 2 月 1 5 ) 広告代理店「三成社」設立
初代社長は三宅貞一郎
■1858年 : ナダール , 気球で
世界初の空中撮影
ドーミエの風刺画 1862
「軽気球上から写真を撮るナダール
■1888:トーマス・エジソン
「キネトグラフ (撮影機) 」
■1889:トーマス・エジソンと
W・K・L・ディクソンが活動写真の映写機
「キネトスコープ」発明
■1893: エジソン「キネトスコープ」
■1895: リュミエール兄弟スクリーン投写式映写装置
「シネマトグラフ」 「工場の出口」
■1902:メリエス、最初の SF 映画『月世界旅行』発表。
■日仏通商航海条約 1896 年8月4日パリ
■1898:メリエス。
アルファベットの文字を動かすCF制作
■1898:リュミエール兄弟、
石鹸「SUNLIGHT」のCF制作
■1900 年 : 万国博覧会
■1888:フィルムの誕生、アメリカ、イーストマン社
■1878:エドワードマイブリッジ連続撮影成功
■1897:(明治30)
兄リュミエールと同級生稲畑勝太郎 撮影兼映写機と興行権の許可を得
「工場の出口」上映
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8 8 7 ( : 明 治 2 0 年 ) 活 人 画 、 虎 ノ 門 工 科 大 学 ( 外 人 )
明治33明治23
明治13
安政7
■1871:(明治4)遣欧使節団派遣
第2回ロンドン博を見学福沢諭吉吉は「西洋事情」で万博を紹介
連続写真撮影のための ガンカメラ開発
一部、西垣撮影写真
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