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編 集 後 記

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Academic year: 2021

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編 集 後 記

      編集委員長 川 前 金 幸  今回は、外科に関する研究論文が多く見受けられました。臨床業務の忙しい中、研究心 に情熱を燃やし、成果を発表されていることに敬意を表したいと存じます。

 臨床研究に関する倫理規定、利益相反等の規約、規則が改訂され、徐々に厳しくなって いることはご存知の通りです。論文の改ざん、盗用、捏造はもとより、研究を始めるにあ たり、基幹施設の倫理委員会等の承認を得ることが義務付けられています。倫理委員会で は、患者さんの同意と撤回の適切性、介入の程度と患者さんの健康、人権、心理に対する 配慮の有無、利益相反の有無、研究結果が社会に与える影響、事前登録など研究方法の進 め方について、チェックを行っています。

 先日、ノーベル賞受賞者山名伸弥教授が所長を務めるiPS細胞研究所の教員による研究 データの改ざんや捏造が発覚しました。iPS細部が脳の血管内皮細胞を作り出すことに成 功したという内容でしたが、それを裏付けるデータにいろいろ手が加えられていたという ことが明らかとなったわけです。京都大学もこれを受けて研究倫理に関する取り組みを一 層強化しました。山中所長の責任問題にも波及しましたが、責任をもって事態の解決に 当たり、職務をしっかり果たすことになりました。さらに京都大学iPS細胞研究所では、

1)実験ノートの定期的検認、2)論文図表のデータの確認、3)研究校正教育の徹底を その対策としてあげました。そして全般的な再発防止として、授業中の学術マナー教育、

論文執筆教育、教員への倫理教育を徹底し、教職員の意識向上を図るとしています。

 それらを拝見するに、まずは我々指導教官が、さらなる意識改革を求められているよう に思えました。日頃の臨床研究に上司が目を見開き、仮説を立て方法をデザインし、結果 としてでてきたデータを一緒に考察するというような、身近に見守りつつ、その都度意見 交換する文化が必須なのだと思いました。すでに行っている部局もあるでしょう。身近な 親身の指導が研究上の不正行為を予防するものとも考えられます。そして、それはヒトが 人として生きていく上でのマナー、そして規範となり、人間性を熟成していく上での重要 な教育となるものでしょう。

 不正行為がいつどこにどのように起きるかわかりませんが、少なくとも科学者であり、

医師であり、研究者である我々は、最低限度の「ならぬものはならぬ」という教えをしっ かりと身に付けないといけないでしょう。

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