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(1)

長野工 業高等専 門学校 紀要 ・第

3 0

( 1 9 9 6 ) 75

画像処理を用いた高密度等方性黒鉛材料の気孔構造の解析

押田京一 浴永直孝 稲垣道夫 (平成

8

1 0

月31 受理)

Pore Analysis of High Density Isotropic Graphite 

using Image Processing By Kyoichi OSHIDA Naotaka EKINAGA and Michio INAGAKI

St r e ngt hpa r a me t e r so fi s o t r o pi chi g h‑ de ns i t yg r a phi t ea r et ho ughtt obe s t r o ng lyc o r r e l a t e dt opo r es t r uc t ur eo ft heg r a phi t ef r om e xpe r i me nt a lr e s ul t s o nf r a c t ur et o ughne s s .I nt hi spa pe r ,Wepr e s e ntqua nt i t a t i v ea na l ys i so fpo r e s t r uc t ur ei nt hei s o t r o pl Cg r a phi t e sb yme a nso fa ni ma gepr oc e s s l ngO fa po l a r iz i ngmi c r o s c o pei ma geo ft hema t e r ia LPo we rs pe c t r ao ft hepo l a r i z i ng mi c r o s c o pl Ci ma g e so ft hei s o t r opl Cgr a phi t ea r eo bt a i ne db yt he2 ‑ di me ns i ona l f a s tFo ur i e rt r a ns f o r m.The s er e s ul t si ndi c a t et ha tt hes t r uc t ur eo ft hepor e s a ndt heo t he rs ol i dpa r t so ft heg r a phi t ea r ea l mos ti s ot r o pi c .Di s t r i but i o no f t hea r e a,t henumbe r , t hec i r c ul a r i t y ,a ndt hef r a c も a ldi me ns i ono fc r os s ‑ s e c t i o n o ft hepo r e sa r eme a s ur e d,a ndt hepo r es t r uc t ur ei sa na l yz e dqua n t i t a t i v e l y .

1

.

はじめに

等方性の炭素材料 は,ナノメータサイズの炭素六角網面の球殻組織の粒子 を集合 させて 製造 された,難黒鉛化およびガス不透過性の性質をもつガラス状カーボンと,マイクロメー タサイズの強い異方性 をもつ炭素六角網平面の粒子を方向性な く集合 させた等方性高密度黒 鉛材料がある 1).炭素材料 の電気伝導性,熱伝導性および耐熱衝撃性 を利用する用途には,

これ らの性質を有する炭素鋼平面がある程度発達 した後者が用い られる.

等方性高密度 黒鉛材料は,粉末 コークスをコ‑)レタールピッチなどをバインダ として混ね つした後,冷間静水圧プ レス法

( CI P

法)を用いて成形 し,焼成, ピ ッチ合侵などい くつか の工程を経て製造 される

2)3)

.このようにして製造された等方性高密度黒鉛材料 は任意の形 状の加工や大形化が可能であるため放電加工電極に利用 される他,耐熱性,軽量,核特性 を 利用 して原子炉用構造材に使用 されている. また,電気抵抗率が等方的で機械的強度が大 き く,精密加工が容易,高純度化が可能でシリコン結晶中で電気的な不純物 とな りに くいなど の理由から,半導体製造用の各種治具 として新たな大量使用の用途が広が っている. このよ うな用途拡大に伴 って,高純度化や高強度化が求められている.同黒鉛材料の製造法はメー カ各社のノウハ ウであ り,製造に関するデータはほとんど公表 されていない.

'本研究の

部は,平成

7

年藤棚 育研究特別経費をけて行 った.

= 電子情報工学科 助教授

= 東海カーボン株 式会社

= ●北海道大学工学部 軟投

(2)

71; )'.,A‑・弼 /xLf'(}rLt・仰Jli近火

炭,!/:勅料 の破壊 は.一般に材料内に潜在する屯裂が伝播す ることにより脆性的L起 きる/. め,その強度の言河曲には破壊靭性 を中心 とした実験的検討や破壊力学ハラメータのJrな ど

破壊力学的なアプ ローチが重要であるl).等方性黒鉛材料の破壊力学的特性 についても尖旅 的に検討 され,同黒鉛材料 の強度パラメータは強 く気孔の大 きさやブ倒犬に依存すると考えら れている

5)6)7)

. しか し,気孔の形状や大 きさについて定量 的に求め られてお らず,気孔 お よび微細組織 が材料 の強度に及ぼす影響 については必ず しも解明されていない.

本研究は,強度特性の異なる6種類の等方性黒鉛材料について,画像処理を用いて気孔構 造を解析 した.筆者 らは,これまで f顕微鏡像か ら炭素材料 の構造解析 を行 ってきた

8)9)

lU).ここでは試料断面の偏光朗徴鏡像か ら,空間周波数解析 により,気孔および組織の配向 性 を検討 した.また, .''N':l漸 【剛 こ別れた/}'UL断面桜の分勅 気孔数,気孔の形状 を測定 した.

気孔の形状 を示すパラ メータとしてはフラクタJt,次元および円形皮を用いて定量化 を試みた.

2.

試 料

朗 :として等方 性黒鉛材料

( 1 ・ ' 3 2 0 ,∩: i : 3 0,( ; 31 7 , ( ; ・ 5 2 0,( 1 5 3 0

および

G5 40(

東海カー ボン (秩 )製)の

6

種煩を使用 した.これ らの言騨 トはいずれも同 じ原料 を粉砕 した粉末 コーク スか ら製造 された もので,粒 子の大 きさが

C3 1 2 0‑( 1 5

10の順 で小 さくなっている.各言辞 ト をカ ッ トし鏡面研磨 した面 を,偏光顕微鏡 により

・ 2 0 0

倍の倍率で観察 した像 を図 1に示す.

黒 く見える部分が気孔で,種類の違いにより気孔の大 きさが人 きく異なっている.

それぞれの言鮮 トの諸特性 を表 Lに示す.嵩密度およびち単性率は

2 0×2 0×1 0 0

nllllの平滑試 片 を切 り出 して測定 し, 曲げ強度は

1 0×1 0

×

L 1 51 1 1 1

mの試片 を三点曲げ (スパ ン

4 0mm)

壊 した値である. また,臨界亀裂開口変位

( CODr )

2 0×20×1 0 0mm

の就片の中央部 に 深 さ

1 0mm( 5 0

9を)の切 り欠 きを入れた試片 を用いて測定 し,平面ひずみ破壊靭性値 (

KI C)

は壊高加重か ら貸出 した.

( a )G3 2 01( b)G3 3 0,( C )G3 47,( d)G5 2 0,( e )G5 3 0

,(f)

G5 40

1 高密度等方性黒鉛材料断面の偏光顕微鏡像

(3)

画像処理 を用 いた高密度等方性黒鉛材料 の気孔構造 の解析

1

高密度等方性黒鉛材料の諸特性

( Eg ; / e n c n d E 2 ! ( MPa P ︻0

Kl% vC

0 0 0 1 0

二 二 二 ∵ ∴ ∴ .∴ 脊

7 7

El as t i c modul us ( kg/mm 2)

Sa m pl e

(

B i

G32 0 1 . 7 35 G3 3 0 1 . 788 G3 47 1 . 842 G52 0 1 . 842 G53 0 1 . 848 G5 40 1 . 80 2

882 253 1 026 397 1 1 23 522 1 1 22 480 1 232 7 09 1 302 91 4

0 9 6 4 7 8 9 9 0 8 3 0 0 6 6 2 3 2 1 0

*Pe akva l ueme a s ur e dbyme r c ur ypor os i me t r y.

3.

解析方法

3‑1

空間周波数解析

等方性黒鉛材料は配向性がない とされているが,顕微鏡像にみられる断面細親 が実際に配 向がないか調べるため,各測定の前に入力 したデジタル画像 (原画像 )に対 して,2次元高速 フーリエ変換

( FFT)

を施 し,パ ワースペクトルを求めた.パワースペクトル像の在る周波 数空間での距離は,原画像が在る実空間での距離 と逆数の関係 となっている. したがって, 実空間で広い範囲の領域 について処理 した方が,周波数空間での周波数分布が広が り,周波 数の分離が容易 となるため,撮影倍率が低い

5 0

倍の顕微鏡像を用いて

FFT

を実行 した.チ ジタル化 した画像は偏光顕微鏡像の連続 したデータを殖形に切 り出 した窓であ り,切 られた 部分 (画像の端)は不連続 となり,パワースペク トルの特性に影響を与える. この影響 を除 くため,原画像 に対 して,ハ ミングウインドウ処理を施 した.ハ ミングウインドウ処理 を施 しても,気孔の構造および分布に関する周波数帯域 (ハ ミングウインドウの周期の数十分の

‑以下の周期 )の信号の減衰は少 な く, この像に対 して行 われる

FFT処理の結果は,試料

の断面組織の状態をほぼ正確 に示す と考 えられる.

3‑2

気孔数の測定 と気孔面暁の分布

1

の偏光顕微鏡像にみ られるように,気孔形状は大小様 々であ り,狭い範囲では領域 に よる偏 りがあると考えられる.顕微鏡の拡大率が高ければ,気孔の細部の形状が より正確 に 観察できるが,気孔数および気孔面積の分布 を求める場合は,気孔の形状の正確 さより,刺 定 した領域が様々な形状の気孔を含み,試料全体の平均的な状態を表 していることが重要 と

なる.そこで

50

倍で投影 した比較的広い領域 (

1 . 63

×

1 . 63 mm 2)

について,気孔数および面 積を測定 した.また,断面における

2

次元の気孔率 もあわせて測定 した.気孔面積の測定結 果か ら0‑800

〟m 2

の範囲の面積 をもつ気孔 に対 して

40 〃m 2

毎に気孔数を計数 し,気孔分布 を求めた.1画素 (面積

1 0.

1

〃m 2)

以下の領域については,孤立点であり雑音の可能性 も高 いため,測定対象か ら外 した.

(4)

7 8

押田京一 ・浴永直孝 ・稲垣道夫

3‑3

気孔断面の輪郭線の円形度 とフラクタル

気孔形状を表すパラメータとして形状係数の一つである円形皮 を用いた.特定の方向に配 向性がな く3次元空間に広がる気孔形状の特徴は,2次元平面で切 られる気孔の輪郭線 の形 状 に反映するので,試料の観察面に現れた気孔断面の輪郭線 について形状の解析 を試みた.

ここでは,気孔の輪郭が精度良 く測定可能な倍率200倍 の偏光顕微鏡像を用いた.測定領 域の大 きさは0.41×0.411111

1 1 2

で,デジタル画像の量子化誤差 を低減するため,気孔 の断 面積が

1

1画素以上 (およそ

7 F L m 2

以上)の図形を測定 した.各試料の同

試片,それぞれ

3

箇所の異なる領域 を撮影 した偏光顕微鏡像について測定 した.

円形皮C,は図形の面積Sと周囲長Lの関係から,

c r‑筈 (1)

と表 される

11 )

.円形度

C

,は0‑1の値をとり, 円 くなるほど大 きくな り,真円の円形皮は 1となる.

気孔形状の もう一つの測定法 として,気孔断面の輪郭線のフラクタル次元を求めた.

2

化 した各気孔 の断面積Sと輪郭級長Lを測定 して,両対数でプロ ットし, これらの点につ

いて最小

2

乗法で引いた直線の傾 きより,フラクタル次元

D

を次式により計算 した

12) .

D‑2

宝 器

(2)

(2)で得 られたフラクタル次元 βは気孔の輪郭線の形状 を表 し,輪郭線は2次元平面 上の曲線であることか ら

1‑2

の間の値 となると予想 され,βが大 きいほど輪郭線の変化は 複雑 といえる.

4.

結果および考察

4‑1

空間周波数解析による組織の配向性の検討

2(a),(b)に,それぞれG330の偏光顕微鏡像 をデ ジタル化 した原画像 と原画像にハ ミ ングウインドウ処理を施 した後

,2

次元

FFT

を実行 しパワースペクトルを求めた結果を示 す.これはパワースペクトルの強度を線形輝度変換 して表示 してたもので,図中の黒いリン グで示 した中心部が低周波成分 を,外周部が高周波成分 に対応 してお り,気孔を含む試料断 面組織全体像の濃淡変化の状態 を表 している. また,白いリングは,次の

4‑ 2

節で示す測定 結果の平均気孔径に対応 している.パワースペクトルは,ほぼ円形に見えるが,各周波数成 分 について調べるため,パワースペ クトルを異 なる強度 レベルでスライス して表示 した結果 を図

3

に示す. この図は,(a)〜()の順で低固波か ら高周波に対応するパワースペク トルが 現 されている.グラファイ ト結晶のように配向が強い場合は,ある方向に特徴的な分布 を示 すパワースペ クトル像が得 られるが

9)

,図

3

では, どのパワースペクトルの形状 も同心円状 であ り,いずれの周波数帯域においても試料G330の気孔を含む組織は配向性がほとんどな く,等方的であるといえる.他の試料について も周波数解析を行い,同様な結果 を得た.

偏光顕微鏡像は試料断面の観察像であるが,試料は任意の方向にカットしているので, こ こで観察されたように

2

次元平面内で組織 に配向性がないことは

,3

次元空間におけるどの 方向にも配向性がないと推定 される.

(5)

l l き り

Lrit処理/i,川い111指取吐符ノ

州二 , ( . l L i がI 付Hの/ < t 凡川i ; ‑ 1 の鮒加

図 2

(a)試

料 ( . 1 ・ ' 3 3 0

の偏光顕微鏡像のデジタル化像

,( I ) )( a )

のパ ワースヘ クトル

7 9

3

異なる強度 レベルでスライス したパワースペクトル

4‑2

気孔断面積の分布

気孔形状および分布に関 して得 られた結果を表2に示す.気孔数.V1111

1 1

11の領域 に含 まれる数に換算 している.Nは

G3 2 0 ‑G. 5 4 0

の順で増加 し,逆に平均気孔面積 ではこの順 でノJ、さくなってお り,それぞれの原料の粉末コークスの大きさの違いを反映 している.

G3 3 0

の気孔率が

2 5. 3

%と最大であ り, これと

G5 4 0

を除けば,その他の試料は大 きい違いはみ られない・このことより,気孔サ イズが大 きくなっても,気孔の総断面積はあまり変化せず, 一定の領域内に含まれる気孔数が減少すると考えられる.

前節で述べたように言辞 柄 の気孔の構造およびその分布が

3

次元的に配向 していなければ, 2次元平面の気孔率 (継 卜断面の測定領域に対する気孔断面積の割合)は3次元空間の気孔

(6)

8 0

押田京一 ・浴永直孝 ・稲垣道夫

2

気孔形状の測定結果

s a mpl 0 e

N

( "umbe 1 / mm2 r ) Po r o s

(

i

%)

t y Av ir で e 芸m2 r a g e ) d F l f l a n

D

C e t l 空l O n ef V e c f r a gl a r r a i t t i y o

0 7 0 0 0 2 3 4 2 3 4 3 3 3 5 5 5 G G G G G G

41 4 21 . 9 5 4 5 1 . 4 0 0. 6 5 4 4 6 2 5 . 3 5 0 6 1 . 4 0 0. 6 9 4 8 0 2

1.1

3 9 5 1 . 3 3 0. 6 6 8 2 2 21 . 7 2 4 4 1 . 4 6 0. 6 8 1 2 7 5 2 0 . 9 1 5 5 1 . 4 7 0. 7 1 2 7 31 1 2 . 0 31 1 . 5 6 0. 7 9

∫ ∫

f

n so f

∫ / 1 ー = … ≡ …

(a)

( b)

4

気孔の

2

次元の断面積 と

3

次元の体積 との関係 を示すモデル

率 (試料の一定体積内で気孔の占める体積の割合)と密接に関係 している.気孔形状が球で あ った とした場合の例 を図

4

に示す.図のような一辺 Jの立方体を考える.半径

( a ) 〃4

( ら) り8

の球が図のように配置 され,立方体の前面 と背面には,ち ょうど中心で切 られた球の 断面が見えているとする. したがって,立方体内には半径

り4

および

り8

の球は,完全な球 の体積に換算 して,それぞれ

8

個および

6 4

個入 っている.この数は正方形の前面 により切 られた気孔断面の個数

,4

個 (半径

l / 4

とき)および

6

個 (半径

L / 8

のとき)のそれぞれ

3 / 2

乗倍となっている. このとき前面の正方形内の面積気孔率 は

,( a )

では

( 4 7 r ( I / 4 ) 2 ) /

Z2

,( b)

では

( 1 6 7 T ( I / 8 ) 2 ) /

t2計算され,いずれも7

r / 4

となるこ また,立方体内の体積気孔率は

,( a )

では

( 8・4 / 3・ 7 T ( I / 4) 3 ) /

l3

,( b)

では

( 6 4・4 / 3・ 7 r ( I / 8 ) 3 ) /

E3で計算 され,やはりいずれも同

じ値の

7 r / 6

となる.このことは半径の異なる球 という相似の図形をモデル としたため当然の 結果 といえる.実際の気孔形状は球ではないため, この計算はそのまま成 り立たないが

,2

次 元の気孔率か ら3次元の気孔率を予測でき,2次元の気孔率が高ければ3次元の気孔率 も 高 くなる. また,図

4

のモデルでは

,3

次元の気孔数は

2

次元の気孔数の

3 / 2

乗倍であ り, 3次元の気孔数 も2次元の気孔数か ら推定で きる.

(7)

画像処理を用いた高密度等方性黒鉛材料 の気孔構造 の解析

8 1

試料の嵩密度は気孔率に関係するが,表

1

の嵩密度の各試料の傾向は,偏光顕微鏡像か ら測定 した気孔率が示す傾向と必ず しも一致 していない.このことは,気孔以外の固体部分 の密度が試料により異なっていること,あるいは固体部分が密度の異なる二つ以上の領域か

ら成 っていることを示唆 している.

気孔の大 きさの分布 を調べるため,気孔面積が

4 0〃m 2

毎 に気孔数を計数 し,相対度数で 表 した結果を図

5

に示す.また

,8 0 0〃m 2

を越える面積をもつ気孔の全数 もあわせて表示 し た.図は相対度数で表 されているため,それぞれの試料の気孔面積の分布の割合が比較でき る.いずれの試料 も

2 0 0〝m 2

以下にピークがあり,面積が小さい気孔は数が多いことを示 し ている.このことより,表

2

の各言辞 トの比較から得 られた,平均気孔面積が小 さくなると気 孔数が増加するという関係が,同じ試料の内部の気孔面積の分布 についても成 り立つことが わかる.

5( a)

〜(f)について,気孔の面積が

8 0 0〃m

2以下 と

8 0 0〝m

2を越 えた二つの部分 に分 けて考える.

G3 2 0

G3 3 0

を比較すると,意外なことに平均気孔面積が最大である

G3 20

8 0 0〃m

2以上の気孔数の割合が少なく

,0 ‑8 0〃m

2の割合が多 くなっている.

8 00〃m

2以下 の気孔数の分布はヒス トグラムにより気孔面積毎に連続 して表 されてお り,二つの試料につ いて大 きな違いはみ られない.

G3 2 0

が平均気孔面積が最大であるにもかかわ らず

8 0 0〃m 2

以上の気孔数の割合が少ない原因は

,8 0 0〃m 2

以上の気孔の分布にあるもの と推定 される.

このことを調べるため,表

3

に各試料の

8 00F L m

2以上の気孔の

1 / mm

2に含 まれる気孔数, 平均面積,最大面積および合計面積を示 した.

G5 4 0

の最大気孔面積は

8 0 0〃m 2

に達 して いないが,比較のため表示 した.

G3 2 0

80 0〃m

2以上の気孔の平均面積は最も大 きく,合計面積 も最大であることがわか る.また,最大気孔面積 も

G3 2 0

が最も大 きい.このことか ら

,G3 2 0

には他の試料に比べ て非常に大 きい気孔があることがわかる.この結果

,G3 2 0

では気孔数は

G33 0

より少 ない が総面積が大 きく,平均気孔面積が最大 となっていると考えられる.また

,G3 20

は大 きい 気孔の数が少ない分, ヒス トグラムの表示で,小 さい気孔分布の割合 を押 し上げていると考 えられる.

G3 2 0

以外の試料は平均気孔面積 の減少に従 って

,8 0 0〃m 2

以上の気孔数の割合 が少な くなっている.

5

より

G3 47

の気孔分布 をみると,他 の言辞 =こ比べて

8 0pm 2

以下の小 さい気孔分布 が少な く,平均気孔面積の減少に伴 って小 さい面積の気孔数の割合が増加するという

G3 3 0

,

G5 2 0,G5 3 0

および

G5 40

の気孔分布の傾向から外れている.このことから

,G3 47

は小 さ い気孔や大 きい気孔が少な く,気孔径が比較的揃 っていると考えられる.

G3 47

の小 さい気 孔が少ないという傾向は,水銀圧入法で得 られた気孔径の測定結果にも現れている (

1

照).すなわち,他 の試料が平均気孔面積の減少 に伴い,水銀圧入法 により測定 された気孔 径が減少 しているのに対 し

,G3 47

の 気孔径の測定値は最 も大 きくなっている.

偏光顕微鏡像 により得 られた平均気孔面積は,水銀圧入法 より求めた気孔径 と大 き く異 なっている.面積 と気孔径の次元 を合わせるため,偏光顕微鏡像 にか ら測定 された平均気孔 面積の平方根 をとったとしても,平均気孔面積か ら求まる気孔径は,水銀圧入法 による気孔 径 より

1

桁大 きい値 となっている. この原因として次のことが考えられる.

( 1 )

水銀圧入法は気孔が円筒形 と仮定 して計算しているため,気孔断面が複雑な試料では誤 差 を生ずる

13) .

(8)

82

(%

)

L

D

ua

n b a 丘

(

% )

h

uu a n ba

J

d

(%

)

bu

a

nb

a J

d

3 5 3 0 2 5

20 15 10

0 5

3 5 3 0 2 5

20

1 5

10

0 5

3 5 3 0 2 5

20 15

1

0

0 5

押田京一 ・浴永直孝 ・稲垣道夫

AreaS (pm

2 )

(a)

G320

AreaS (pm

2 )

(C)

G347

AreaS (pm 2)

(e)

G530

3 5

.

I 3 0 邑 2 5

5

1 20

⊂ ;

15

t コ

1

10

5 0

(

%)A

uu 9 n

baJ

d

0 2 0 0 40 0 6 0 0 8 0 0>8 0 0

Area S (LLm2)

(b)

G330

Area S (Ll

m 2)

(d)

G520

0 2 0 0 40 0 6 0 0 8 0 0>8 00

AreaS (pm

2 )

(f)

G540

5 気孔サイズ Sに関する気孔数の分布

(9)

画像処理 を用 いた高密度等方性黒鉛材料 の気孔構造 の解析

3

断面積

8 00〃

1n2以上の気孔分布

Sa mpl e G3 20 G3 30 G347 G520 G53 0 G5 40 Numbe

r

( 1 /m

m2)

S p v S2 3 gea r e a Maxa r e a ( 〃m2 ) Tわt a la r e a ( 〝

m2)

61 7 5 62 46 23 0

2, 7 49 2, 1 87 1 , 831 1 , 51 4 1 , 1 92 0

20, 205 1 2, 61 0 7, 807 5, 7 03 2, 28 5 27 5 1 67 , 689 1 64, 02 5 11 3, 522 69, 6 44 27, 41 6 0

8 3

(2)入口が小 さい気孔ではボ トルネックとなってお り,水銀を注入するため大 きな圧力が必 要 となり,実際の孔径 より小 さく測定 される.

( 3)

光学顕微 鏡で観察 される気孔 の大 きさに比べて水銀圧入法では,およそ数 十

〃m

以下の

御J

l、さい気孔径 について測定 してお り,大 きい気孔 について測定 していなし1 このことか ら大 きい気孔 も含めて, より正確な測定 を行 うには,光学顕微 鏡 と画像処理 を 組み合わせた本手法が適 している と考 えられる.水銀圧入法では非常に小 さい気孔や気孔内 のクラ ックなどの微細 な組織が測定 されていると考 え られ, この結果 を解析す るためには, より高倍率な走査電子顕微鏡 を用 いた観察を併用 して検討する必要があろう.

5.

まとめ

高密度等方性黒鉛材料 の偏光顕微鏡像をデ ジタル化 して画像処理することにより,試料の 断面 に現れた気孔の大 きさの分布 および形状 を検討 した.この結果, これまで国雄であ った 配向性 のない乱雑 な組織 の解析を,ある程度定量的に行 うことがで きた.

ここで解析 した気孔形状 を示すパラメータと言辞 tの弾性率, 曲げ強度,平面 ひずみ破壊靭 性値(K

I C)

お よび臨界 亀裂開口変位(coDf)との関係 と,気孔が材料 の強度特性 に与 える 影響 についての検討結果 は別 に公 表 している

1 4) 15) 1 6) .

参 考 文 献

1 )

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2)

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3)

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(10)

8 4

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炭素材料学会編:活性炭一基礎と応札 談社サイエンテイフイク

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8

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Pos i um ont heCha r ac t e r i z at i o no fPol ・ O uSSo l i ds ,t heRo ya lSoc i e t yo fChe mi s t r y( i n

pr e s s ) ・

参照

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