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5  有機 EL に匹敵する発光効率の有機発光トランジスタ

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Academic year: 2021

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科 学 技 術 動 向 2010 年 7 月号

トピックス

5  有機 EL に匹敵する発光効率の有機発光トランジスタ

2010 6 月、イタリアと米国の共同研究グループは、有機発光トランジスタの発光効率の大幅な向上 に成功したと報告した。従来は単独の層に電流を流して発光させていたが、今回試作したデバイス構造で は電流が流れる層と発光層を分離することで、効率よく発光させることができた。発光効率は 5 %に達し、

これは同じ発光材料を発光層に用いた有機 EL 素子の 2 倍以上であった。有機発光トランジスタには駆 動電圧が 100V 程度と高いという大きな課題が今後は残されている。

2010 年 6 月、イタリアと米国の共同研究グループは、

有機発光トランジスタの構造を変更することで、発光効 率(外部量子効率)が 1 桁以上向上したと報告した

1)

。 従来は単独の層に電流を流して発光させていたが、試 作したデバイス構造では電流が流れる層と発光層を分 離したことで、有機 EL 素子に匹敵する効率を実現で きた。

有機発光トランジスタは、薄膜トランジスタのチャネ ル層を有機材料で形成し、チャネル層を流れる電子や ホールが、チャネル層中の発光性分子を活性化させて 発光する現象を利用している。デバイス自体が薄膜ト ランジスタであるため、駆動用トランジスタを省略でき るという特徴がある。有機材料はプラスティック上へも 形成でき、また比較的簡単に広い面積の基板上に成 膜することができるため、曲げられるディスプレイなど への応用が期待されている。しかし、すでに実用化さ れている有機 EL 素子に比べると、発光効率が 1 桁程 度低いことが大きな課題の一つであった。上記の共同 研究グループは、発光層に有機 EL 素子で 2.2%の発 光効率を示す材料を用いて今回の発光デバイス構造を 試作し、有機 EL 素子の 2 倍以上にあたる 5%の発光 効率を得ることができた。

有機発光トランジスタの発光効率が低い原因として は、チャネル層中の高密度の電子やホールが、活性化 された発光性分子を失活させてしまうことが指摘され ていた。有機発光トランジスタはチャネル層の限られ た部分でしか発光できないため、チャネル層内では電 子やホールの密度が高くなり、活性分子の失活の影響 を小さくすることが難しかった。

そこで共同研究グループは、チャネル層を電荷輸送 層(ホールおよび電子輸送層)と発光層に分離したデバ イス構造を試作した(図表)。これにより発光層での電 荷密度を大幅に緩和し、活性分子の失活を抑えること ができた。試作に当たっては、いくつかの導電層と活

性層材料の組み合わせを検討し、最適なものを選び出 した。ITO/ ガラス基板上に絶縁膜をスピンコートした のち、各層を蒸着により成膜し、デバイス構造を試作 した。ソース -ドレイン間に 90V の電圧を加え、ゲート 電圧が 30V のとき、5%の発光効率が得られた。

一般に有機発光トランジスタは駆動電圧が 100V 程 度と高く、実用化に対してまだ大きな課題が残されて いる。その原因は、有機材料の導電性が低いこと、

電極との接触抵抗が大きいことなどにあるとされてい る。共同研究グループでは、絶縁層材料の探索など により、駆動電圧を低減する検討を並行して進めてい る。

参 考

1)  R. Capelli et al., Organic light-emitting transistors with an efficiency that outperforms the equivalent light-emitting diodes , Nature Mater., Vol. 9, 496(2010)

ナノテク・材料分野 TOPICS

NanoTechnology & Materials

図表 有機発光トランジスタの構造模式図

参考文献1)を基に科学技術動向研究センターにて作成

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図表 有機発光トランジスタの構造模式図 参考文献 1) を基に科学技術動向研究センターにて作成䊖䊷䊦ャㅍጀ㩿㪎㫅㫄㪀⊒శጀ㩿㪋㪇㫅㫄㪀㔚ሶャㅍጀ㩿㪉㪌㫅㫄㪀䉸䊷䉴㔚ᭂ䋨㪘㫃㪆㪣㫀㪝䋩䊄䊧䉟䊮㔚ᭂ䋨㪘㫃㪆㪣㫀㪝䋩䉭䊷䊃㔚ᭂ㩷䋨㪠㪫㪦䋩⛘✼ጀ䋨㪧㪤㪤㪘䇮㪋㪌㪇㫅㫄䋩㪈㪌㪇㱘㫄䋨䊖䊷䊦䋩䋨㔚ሶ䋩⊒శᕈಽሶ䋺䊙䊃䊥䉾䉪䉴ಽሶ䋺㔚ሶャㅍጀ䋺䊖䊷䊦ャㅍጀ䋺⊒శጀ䋺NONNSSSSO3AlNFSFFFFF FFFFFFFSSSF FFFFFFFFFFFF メニューへ戻る

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